JPH07292575A

JPH07292575A - 防皺性を有する繊維構造物

Info

Publication number: JPH07292575A
Application number: JP6102283A
Authority: JP
Inventors: Takeshi Nishida; 西田　　武司; Kunihiro Kagimoto; 邦寛鍵本; Junzo Kinugasa; 順三衣笠; Masato Ioki; 正人井置
Original assignee: Kanebo Ltd
Current assignee: Kanebo Ltd
Priority date: 1994-04-15
Filing date: 1994-04-15
Publication date: 1995-11-07

Abstract

(57)【要約】【目的】乾燥時・湿潤時何れも防皺性に優れ、強力の低
下もなく、更に風合及び吸湿性が良好な繊維構造物を提
供する。【構成】複合糸の中心部に高分子重合体よりなるマルチ
フィラメントの連続糸条を、外層部にセルロース系繊維
を主成分とする短繊維成分を配置し、外層部の短繊維成
分を連続糸条の回りに実撚状に捲回し、中心部の連続糸
条に該捲回方向と同一撚方向の実撚を付与したコアヤー
ンを用いた繊維構造物に、樹脂が施与されてなることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は乾湿両状態での防皺性、
即ちウオッシュ＆ウェア性を有する繊維構造物に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】繊維構造物、例えばセルロース系繊維か
らなる繊維構造物は衣服等に広く用いられているが、こ
れら衣服は繰り返し着用したり、洗濯した後、特別な操
作を加えずとも、着用時又は洗濯時に発生した皺が除去
されるような性能を有することが要求される。

【０００３】このような性能は、ウオッシュアンドウェ
ア性（以下Ｗ＆Ｗ性と云う）と呼ばれ、Ｗ＆Ｗ性を有す
る衣服は着用時に皺が発生しにくく、洗濯後はアイロン
をかけなくても着用でき取り扱いが簡単なものである。
而して、セルロース系繊維からなる繊維構造物にＷ＆Ｗ
性を付与する加工については従来より種々行われてい
る。

【０００４】例えば、セルロース系繊維反応性樹脂を用
い、酸性触媒にて乾熱処理する樹脂加工方法。Ｎ−メチ
ロールアクリルアミド樹脂を用い、重合触媒により湿式
架橋を行った後、縮合触媒により乾式架橋を行う方法
（特公昭３６−３１４２号）。塩酸触媒にて湿潤状態で
ホルマリンの気相処理を行う方法（特公昭３９−９４８
号，特公昭４６−６５５７号）。特殊酸性触媒にて乾熱
処理でホルマリン処理を行う方法（特公昭３６−２２９
４８号）。塩化マグネシウムとギ酸触媒にて乾熱処理で
ホルマリン処理を行う方法（Ｕ．Ｓ．Ｐ．３４２０６９
６）。Ｎ−メチロール樹脂を用い、乾燥後塩酸等の強酸
を触媒とし、水分を付与後バッチアップしてモイストキ
ュアーする方法（特開昭５０−１９８号）。Ｎ−メチロ
ール樹脂を用い、片面加工又はＭＡプロセス等により低
ピックアップ率にて樹脂加工する方法（Ｕ．Ｓ．Ｐ．３
８１１８３４−１９７４，特開昭５１−６０７９９号）
等がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしこの様な従来の
方法には種々の欠点がある。例えば乾熱処理による樹脂
加工方法では乾防皺性に比べて、湿防皺性が低く、充分
なＷ＆Ｗ性が得られず、Ｗ＆Ｗ性を上げるために樹脂濃
度を高くすると風合が硬くなったり、強力の低下が大き
くなったりする欠点がある。又、湿式架橋と乾式架橋に
よる二段加工法ではある程度のＷ＆Ｗ性は得られるが不
充分であり、工程が複雑で、性能が安定せず、２段加工
による強力の低下も大きいという欠点がある。又、ホル
マリンによる処理方法では、強い酸性触媒を使用するた
めに、染料の変色や機台の腐食が強く、気相処理では特
別な装置が必要であり、更に衣料としてホルマリンの発
生が大きく、強力の低下も大きいという欠点がある。
又、モイストキュアー法では、強酸性触媒の使用による
機台の腐食や、水分率のコントロールが困難であり、又
有機溶剤の使用も実用上の困難性が大きいという欠点が
ある。更に、低ピックアップ率加工では、本来の樹脂加
工自体が不充分であり、Ｗ＆Ｗ性が得られない。

【０００６】一方、セルロース系繊維に寸法安定性，弾
性に優れたポリエステル短繊維を混紡してＷ＆Ｗ性に優
れた繊維構造物を得る試みは広く行われている。特にポ
リエステル短繊維６５％，綿繊維３５％の混紡糸により
なる織物はＷ＆Ｗワイシャツ用生地やパンツ素材として
古くより使用されている。しかし、ポリエステルの混用
比率が多い素材はＷ＆Ｗ性に優れている反面、ポリエス
テルが低吸湿性故に着心地が悪いという欠点がある。近
年ポリエステルの混用比率を下げ、セルロース系繊維に
前記の樹脂加工を施すことにより優れたＷ＆Ｗ性を得る
ことが試みられ、かなり成功はしているものの、ポリエ
ステルの混用比率は５０％以上が必要で、それ以上の低
率混では優れたＷ＆Ｗ性が得られていないのが現状であ
る。又、Ｗ＆Ｗ性を向上させる為に樹脂濃度を高くする
と風合が粗硬となったり、強力の低下が発生することは
セルロース系繊維１００％のものと同様である。

【０００７】本発明者らはかかる従来技術の改善を目的
として鋭意検討した結果、本発明に到達したものであ
る。すなわち本発明の課題は、乾燥時・湿潤時何れも防
皺性に優れ、強力の低下もなく、更に風合及び吸湿性が
良好な繊維構造物を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は次の構成を備えている。即ち、複合糸の中
心部に高分子重合体よりなるマルチフィラメントの連続
糸条を、外層部にセルロース系繊維を主成分とする短繊
維成分を配置し、外層部の短繊維成分を連続糸条の回り
に実撚状に捲回し、中心部の連続糸条に該捲回方向と同
一撚方向の実撚を付与したコアヤーンを用いた繊維構造
物に、樹脂が施与されてなることを特徴とする防皺性を
有する繊維構造物を要旨とするものである。

【０００９】以下、本発明を詳細に説明する。

【００１０】前記複合糸に用いる高分子重合体として
は、ポリアミド重合体，ポリエステル重合体，ポリオレ
フィン重合体，アクリロニトリルを主成分とするアクリ
ル系重合体が考えられるが、強度，寸法安定性の得やす
さから考えると、ナイロン６，ナイロン６６等のポリア
ミド重合体、ポリエチレンテレフタレート，ポリブチレ
ンテレフタレート等に代表されるポリエステル重合体が
好適であり、繊維特性の点からポリエチレンテレフタレ
ートによるものが最も適している。

【００１１】本発明に用いるポリエステルマルチフィラ
メントは、前述の通り、ポリエチレンテレフタレートを
主体とするものが最適であるが、イソフタル酸やポリエ
チレングリコール等の第３成分を共重合したものでもよ
く、これらの重合体を複数種重合した所謂コンジュケー
ト糸も用いることが出来る。

【００１２】本発明に用いるマルチフィラメントは、そ
の単糸の横断面は円形でも偏平でも良いが、偏平率が２
以上、特に３以上である方がより好ましい。偏平率と
は、図６〜図１０に示す如く、フィラメント単糸の横断
面の長軸長Ｌと短軸長 lとの比、即ちＬ／ｌを指してい
る。図７に示す如く、厚みに偏りがある場合には、短軸
は実質的な最大の値をとる。

【００１３】また、本発明に用いるマルチフィラメント
は、延伸糸，半延伸糸，もしくは延伸部と半延伸部ある
いは未延伸部が混在したもの等を、適宜所望に応じて使
用することができ、予め捲縮加工されたマルチフィラメ
ントや撚糸されたものであっても良いことはいうまでも
ない。

【００１４】本発明のコアヤーンを用いた繊維構造物
は、主に衣料用に使用され、連続糸条の特性と短繊維成
分の特性を併せ持ち、且つ新しい特性を生み出すことを
特徴としているが、衣料用に適した繊維構造物として
は、コアヤーンの太さは、英式番手で７０番手から１５
番手（デニールで７５デニールから３５０デニール）が
通常適合し、工業生産の安定性・コスト合理性から６０
番手から２０番手が最適である。

【００１５】しかして本発明に用いるマルチフィラメン
トの総デニールとしては２０〜１００デニールであるこ
とが好ましい。総デニールが細く２０未満であると、単
糸相互の結合性と短繊維成分の被覆性は向上するが得ら
れる複合糸を繊維構造物に使用した場合、マルチフィラ
メントの特性（寸法安定性、強度、コシ、ハリ）が繊維
構造物に具現化しなくなる欠点があり、総デニールが１
００を越えると、マルチフィラメントを構成する単糸繊
度が自ら太くなり、得られる繊維構造物の風合が粗硬と
なる欠点がある。

【００１６】また本発明に用いるマルチフィラメントの
構成本数としては４〜２４本、好ましくは６〜１８本、
構成する単糸フィラメントのデニールとしては、２デニ
ール〜５デニールが好ましい。単糸数が少なくなり単糸
のデニールが太くなると、得られる複合糸によって製造
される繊維構造物の柔軟性が乏しくなり、逆に単糸数が
２４本を越えると偏平フィラメントを用いた場合後述す
る偏平フィラメントの特徴である捻転により整然と集積
する効果が失われる。

【００１７】本発明に用いる複合糸のセルロース系繊維
を主成分とした短繊維成分とは綿繊維，ビスコートレー
ヨン繊維，ポリノジック繊維等及びその混合繊維である
が、合成繊維の短繊維、特にポリエステル短繊維を混用
することはＷ＆Ｗ性の向上には望ましいが、本発明の目
的を達成する為には中心部を形成するポリエステルフィ
ラメント等とポリエステル短繊維の合計の比率は５０％
以下とすることが好ましい。本発明に用いる複合糸の連
続糸条と短繊維成分との複合比率は１０：９０〜５０：
５０（重量比）であることが好ましい。この範囲を外れ
て連続糸条の比率が低くなると、芯部に高分子重合体の
マルチフィラメントを配置した特徴である複合糸の優れ
た強伸度が得られず、又連続糸条の比率が高くなると短
繊維成分の被覆状態が悪くなり、品質の安定性に欠ける
こととなり、また吸湿性に劣るようになる。

【００１８】次いで本発明に用いる複合糸の連続糸条及
び短繊維成分に付与する実撚について説明する。本発明
に用いる複合糸は紡績工程の最終ドラフト過程、一般的
には精紡機において、フリース状の短繊維成分の中心に
連続糸条を配置し、ニップ点で両者を同時に把持し、ニ
ップ点を出た直後に両者を同時に同方向に施撚すること
により前記要旨に記載する複合糸の施撚状態、即ち外層
部の短繊維成分を連続糸条の回りに実撚状に捲回し、中
心部の連続糸条に前記捲回方向と同一撚方向の実撚を付
与する状態となる。

【００１９】しかして前記施撚の撚方向および撚数につ
いて説明すると、撚方向は複合糸の使用用途によって定
まるものでＳ撚，Ｚ撚いずれでも良いが、連続糸条が予
め延撚工程等で施撚されたものである時は、複合糸の均
一性から予め連続糸条に付与した撚方向と同方向、即ち
追撚りが好適である。また、複合糸の撚数は多いほど得
られる複合糸の品質が安定するが、これが過度になると
ビリが発生し、編織等、次工程での取扱いを困難にし、
撚セット等の余分な工程を必要とする。又複合糸の撚数
が低いと、連続糸条と短繊維成分との結合並びにそのバ
ランスが悪くなり、品質上好ましくない。複合糸の英式
番手をＮ、撚数をインチ当りＴ回、撚係数をＫとした
時、Ｋ＝Ｔ／√Ｎとなるが、このＫを３．０〜５．５の
範囲に好ましくは３．５〜４．５に設定することが好ま
しい。

【００２０】次いで本発明に用いる複合糸、即ちコアヤ
ーンの構成を図面により説明する。図１はコアヤーンの
横断面図、図２はコアヤーンの側面図である。両図に示
す通り、本発明に用いるコアヤーン（１）は、前記構成
からなるマルチフィラメントの連続糸条（２）をコアヤ
ーン（１）の中心部に配置し、上記構成からなる短繊維
成分（３）を連続糸条の回りに実撚で捲回させ、しかも
中心部の連続糸条（２）に短繊維成分（３）の捲回方向
と同一方向の実撚を付与した構造となっている。

【００２１】上記構成から本発明に用いるコアヤーンは
例えば以下の精紡過程で製造される。これを図３により
詳細に説明すると、図３において、（４）は高分子重合
体よりなるマルチフィラメントの連続糸条（２）を巻着
したパーン、（５）は短繊維成分（３）のロービング
（６）を巻着した粗糸ボビン、（１）は連続糸条（２）
を中心部に、その外周に短繊維成分（３）を配置した本
発明に用いる複合糸、所謂コアヤーンである。

【００２２】粗糸ボビン（５）より解舒されたロービン
グ（６）は、通常の精紡過程、即ちロービングロッド
（７），トランペットガイド（８），バックローラー対
（９），エプロンを有するミドルローラー対（１０），
上下一対のフロントローラー対（１１）を経由する。そ
の間バックローラー対（９），ミドルローラー対（１
０），フロントローラー対（１１）で形成されるドラフ
トゾーン（１２）の作用を受けてフリースとなりフロン
トローラー対（１１）のニップ点（１３）に達する。一
方パーン（４）より解舒された連続糸条（２）はテンシ
ョン調節装置（１４）を経由してガイド（１５）に到達
し、該ガイド（１５）に導かれて、ミドルローラー対
（１０）とフロントローラー対（１１）の間隙から走行
する短繊維成分（３）のフリース中心の直上に重なり、
フロントローラー対（１１）のニップ点（１３）に到達
する。しかる後、重合した短繊維成分（３）のフリース
と連続糸条（２）とはニップ点（１３）を出た直後、公
知のリング・トラベラー機構（図示しない）の捻転作用
を受け、前述した通り、連続糸条（２）を芯とし短繊維
成分（３）を鞘とし、且つ両者が同一方向に施撚した実
撚のコアヤーン（１）となる。尚図上（１６）は連続糸
条（２）と短繊維成分（３）のフリースとの相互位置を
調節するガイド（１５）位置設定用の捻子である。

【００２３】本発明において繊維構造物とは、前記コア
ヤーンからなる織物、編物、不織布が挙げられる。

【００２４】本発明の樹脂とは、セルロース系繊維を主
成分とする短繊維成分に対して反応する反応型樹脂で、
かかる樹脂としては、例えばグリオキザール系、ジメチ
ロールジヒドロキシエチレン尿素、ジメチロールプロピ
レン尿素、ジメチロールウロン、ジメチロールトリアゾ
ン、ジメチロールエチレン尿素等、２個以上のイソシア
ネート基を再成するブロック化イソシアネート基を有す
る水溶性ウレタンプレポリマー等セルロース系繊維を主
成分とする短繊維成分に対して、防皺性を付与する樹脂
であれば特に限定されるものでなく、該樹脂以外にも触
媒及び必要とあれば柔軟剤、強力向上剤、風合調節剤、
染料のフィックス剤等を用いてもよい。

【００２５】樹脂の付与量は繊維構造物の用途に応じて
適宜選択すればよいが通常は繊維構造物重量に対して２
〜１０重量％程度が好ましく、パッド法、キスロール法
等で繊維構造物の少なくとも片面に付与する。樹脂は公
知の如く、１３０〜１８０℃程度で加熱して架橋せしめ
繊維構造物に固着させ、施与せしめる。

【００２６】

【作用】上記構成からなる本発明に用いるコアヤーン
は、短繊維成分が連続糸条の回りに実撚状に捲回し、且
つその中心部に位置する連続糸条が短繊維成分と同一方
向の実撚を有しているので、連続糸条の内層に短繊維成
分の外層が入り込むことが少なく、２層が明確に層別
し、外層にセルロース系繊維を主成分とする短繊維成分
が配置するため風合及び吸湿性が良好となる。又連続糸
条そのものの作用を更に説明すると、該連続糸条が高分
子重合体よりなる偏平率２以上のマルチフィラメントを
用いた場合には、構成単糸間の結束が良く、しかも整然
と整列し得、防皺性も向上するものと考えられる。

【００２７】その理由は以下の根拠によると考えられ
る。即ちコアヤーンの製造過程で短繊維成分のフリース
とこれと複合する連続糸条とはその相互位置をたえず左
右動させながら重積している。従って従来使用されてい
る連続糸条では繊維の分繊，相互位置はさけられず、そ
の結果集束が崩れ易く、結束力も弱く、それに伴って短
繊維成分の被覆度が低下すると共に被覆の均一性が損な
われる。ところが単糸フィラメントが偏平な場合には、
その偏平面間の接触部が大きくなり、繊維分繊による上
記欠点を解消し得る。

【００２８】前記の繊維挙動を図面により偏平率１：５
の連続糸条を例に取って更に詳細に説明すると、製造過
程、例えば精紡機のフロントローラー対（１１）のニッ
プ点（１３）において、連続糸条（２）と短繊維成分
（３）の両者は図４に示す通り、連続糸条が偏平故に短
繊維と交り合わず上下に重畳して並列している。次いで
これを捻転すると、連続糸条（２）の単糸フィラメント
が整然と集積し、図５に示すコアヤーンとなる。集積の
仕様をモデル的に説明すれば仮りに単糸フィラメント数
が３本であればＡ領域の如く集束し、７本であればこれ
にＢ領域が加わり、更に単糸フィラメント数が多くなれ
ば、複数の核が出来てそれがまとまる形となる。この様
に常に核となる連続糸条を中心に単糸フィラメントが群
をなすので先に説明した通り、結果として強固に集束す
ることとなる。

【００２９】

【実施例】以下、本発明を実施例によって詳細に説明す
るが本発明は何等これらに限定されるものではない。実
施例中の数値の基本となる試験方法は次の通りである。（１）防皺度ＪＩＳＬ−１０９６Ｂ法（２）Ｗ＆Ｗ性ＡＡＴＣＣ−１２４−１９７３法（３）引裂強力ＪＩＳＬ−１０９６Ｄ法

【００３０】実施例１，実施例２ポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸して丸横断面の
３０ｄ／１２ｆのマルチフィラメントからなる連続糸条
Ｆ−１と、偏平率が１：３の３０ｄ／１２ｆのマルチフ
ィラメントからなる連続糸条Ｆ−２を製造した。これら
のものを連続糸条（２）として用い、短繊維成分として
綿１００％のロービング（６）を用い、図３に示す精紡
機に仕掛けて４８番手（英式番手）のコアヤーンＣＹ−
１，ＣＹ−２を得た。尚前記精紡過程におけるロービン
グ（６）の重量は０．５７ｇ／ｍ、ドラフト率は４０
倍、精紡スピンドルの回転数は１１５００ｒ／分、撚数
は１９回／インチ当り（撚係数３．５）、綿混用率は７
３％（重量比）であった。かかるコアヤーンを経糸及び
緯糸に用い、経糸密度１２６本／インチ、緯糸密度７８
本／インチで平織物を製織した。かかる平織物を通常公
知の方法で毛焼，糊抜，精練，晒，シルケットを行い、
その後グリオキザール樹脂（スミテックスレジンＮＳ−
１９，住友化学工業社製，有効成分４５％）１５０ｇ／
l，塩化マグネシウム系触媒（スミテックスアクセレー
タＸ−８０，住友化学工業社製，有効成分１２％）４５
ｇ／ lからなる処理液をピックアップ率８０％にパッド
し、１２０℃にて２分間乾燥を行い、引き続き１５０℃
にて３分間乾熱にて熱処理を行い、実施例１及び実施例
２の製品を得た。

【００３１】比較例１ポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸して得た１．３
ｄ，カット長３２ｍｍのポリエステル短繊維と綿を２
７：７３で公知の方法で混紡して得た混紡糸（４８番
手）を用いた他は実施例１と同様の処理を行い、比較例
１の製品を得た。

【００３２】比較例２ポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸して得た１．３
ｄ，カット長３２ｍｍのポリエステル短繊維と綿を５
０：５０で公知の方法で混紡して得た混紡糸（４８番
手）を用いた他は実施例１と同様の処理を行い、比較例
２の製品を得た。

【００３３】実施例１，実施例２，比較例１及び比較例
２で得られた製品の防皺性、Ｗ＆Ｗ性、引裂強力を表１
に示す。

【００３４】

【表１】

【００３５】表１から明らかなように、実施例で得られ
た製品は綿の混用率が高いにもかかわらず、綿の混用率
が５０％（比較例２）のものとほぼ同等の防皺性、Ｗ＆
Ｗ性を持ち、引裂強力の低下も少ないことがわかる。

【００３６】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明で得られた
防皺性を有する繊維構造物は乾燥時・湿潤時何れも防皺
性に優れ、強力の低下もなく、更に風合及び吸湿性が良
好であり、シャツ，ブラウス等に用いて頗る有用であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に用いるコアヤーンの側面図である。

【図２】本発明に用いるコアヤーンの横断面図である。

【図３】本発明に用いるコアヤーンの製造装置を示す説
明図である。

【図４】本発明に用いるコアヤーンの製造過程の一過程
を示す説明図である。

【図５】本発明に用いるコアヤーンの製造過程の一過程
を示す説明図である。

【図６】本発明のコアヤーンに用いられる偏平フィラメ
ントの横断図である。

【図７】本発明のコアヤーンに用いられる偏平フィラメ
ントの横断図である。

【図８】本発明のコアヤーンに用いられる偏平フィラメ
ントの横断図である。

【図９】本発明のコアヤーンに用いられる偏平フィラメ
ントの横断図である。

【図１０】本発明のコアヤーンに用いられる偏平フィラ
メントの横断図である。

【符号の説明】

１コアヤーン２連続糸条３短繊維成分

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】複合糸の中心部に高分子重合体よりなる
マルチフィラメントの連続糸条を、外層部にセルロース
系繊維を主成分とする短繊維成分を配置し、外層部の短
繊維成分を連続糸条の回りに実撚状に捲回し、中心部の
連続糸条に該捲回方向と同一撚方向の実撚を付与したコ
アヤーンを用いた繊維構造物に、樹脂が施与されてなる
ことを特徴とする防皺性を有する繊維構造物。
【請求項２】連続糸条が高分子重合体よりなる偏平率
２以上のマルチフィラメントであることを特徴とする請
求項１記載の防皺性を有する繊維構造物。