JP3022622B2 - 交絡混繊糸およびその製造方法 - Google Patents

交絡混繊糸およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、交絡混繊糸、その製造
方法および当該交絡混繊糸から得られた繊維製品に関す
る。詳細には、親水性に優れ、ソフトな絹様の風合を有
し、しかも良好なふくらみを有する布帛等の繊維製品に
なる交絡混繊糸、およびそれから得られた繊維製品に関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルやポリアミド等の合成繊維
からなる布帛等の繊維製品は、ふくらみのあるソフトな
風合および親水性が不充分であり、天然繊維に比べて着
心地や風合が劣っている。そこで、合成繊維にふくらみ
を付与するために、収縮率の異なる2種の糸条を混繊合
糸する方法が知られているが、そこで得られる混繊糸
は、無荷重下の糸条状態ではその収縮率差によりふくら
みが発現するものの、編織布中のように拘束される状態
では充分なふくらみが達成されない。また、大きなふく
らみを得るために流体交絡処理を施して糸条表面にルー
プを形成させる方法も知られているが、この方法では形
成されるループが細かなために風合が硬くなり、自然で
ソフトなタッチになりにくい。そして、ふくらみの付与
のみを意図しているこれらの方法によっては、合成繊維
製品の親水性は改良されない。
【0003】一方、合成繊維製品の親水性の向上を目的
として、多くの研究や開発がなされているが、それらの
従来技術では、親水性の向上はある程度達成できても、
ふくらみを同時に付与することができず、優れた親水性
とふくらみの両方の特性を兼ね備えた合成繊維は得られ
ていない。
【0004】
【発明の内容】上記の点から、本発明者らは、優れた親
水性とふくらみの両方の特性を有する合成繊維を得るこ
とを目的として研究を行ってきた。その結果、エチレン
−酢酸ビニル系共重合体ケン化物と他の熱可塑性重合体
との複合繊維を2種類形成し、一方の複合繊維の沸水収
縮率を他方の複合繊維の沸水収縮率よりも大きくし、そ
れらを交絡・混繊させると、親水性とふくらみの両方の
特性を兼ね備えた合成繊維製の糸が得られることを見出
して本発明を完成した。すなわち、本発明は、エチレン
−酢酸ビニル系共重合体ケン化物とその他の熱可塑性重
合体からなる第1の複合繊維(以後「第1複合繊維」と
いう)、およびエチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化
物とその他の熱可塑性重合体からなる第2の複合繊維
(以後「第2複合繊維」という)が混繊交絡した交絡混
繊糸であって、第1複合繊維の沸水収縮率が第2複合繊
維の沸水収縮率よりも5〜50%大きく且つ1メートル
当たり25個以上の交絡部を有することを特徴とする交
絡混繊糸である。そして、本発明は、そのような交絡混
繊糸を、上記第1複合繊維と第2複合繊維を流体によっ
て交絡・混繊させることにより製造する方法を包含す
る。
【0005】第1複合繊維および第2複合繊維の一方の
重合体成分をなす上記エチレン−酢酸ビニル系共重合体
ケン化物(以後「ケン化Et/VAc系共重合体」とい
う)は、エチレン/酢酸ビニル系共重合体の酢酸ビニル
単位をケン化により加水分解してビニルアルコール単位
にした共重合体をいう。ケン化Et/VAc系共重合体
におけるケン化度は、酢酸ビニル単位に基づいて、約5
0〜100モル%、特に約80〜98モル%とするのが
よい。ケン化度が50モル%よりも低くなると、共重合
体の結晶性が低下して強度等の物性が低下するだけでな
く、共重合体が軟化し易くなって繊維化工程でトラブル
が発生し、また得られる複合繊維および糸の親水性が低
下する。
【0006】また、ケン化Et/VAc系共重合体は、
エチレンからなる繰り返し単位の割合が約25〜60モ
ル%であり、残余がケン化した酢酸ビニル単位、すなわ
ちビニルアルコール単独、またはビニルアルコールと未
ケン化の酢酸ビニル単位やその他のビニル系モノマー単
位からなるものが好ましい。共重合体におけるエチレン
単位の割合が25モル%よりも少ないと、繊維化する際
の曳糸性が不良となって紡糸または延伸時に単糸切れ、
断糸が多くなり、しかも柔軟性の欠けたものとなり、更
にケン化Et/VAc系共重合体と他の熱可塑性重合体
とから複合繊維を製造する際に、ケン化Et/VAc系
共重合体の耐熱性が劣ったものになり望ましくない。一
方、エチレン単位の割合が60%を超えると、ケン化酢
酸ビニル単位(ビニルアルコール単位)の割合が必然的
に少なくなり、繊維の親水性が低下する。親水性の点か
らは、ケン化Et/VAc系共重合体におけるケン化酢
酸ビニル単位(ビニルアルコール単位)の割合が約40
〜75モル%、特に約50〜70モル%であるのが望ま
しい。
【0007】ケン化Et/VAc系共重合体は、通常、
数平均重合度約600〜1500のものがよく、そのよ
うなケン化Et/VAc系共重合体は、(株)クラレよ
りエバールRの商品名で、また日本合成化学工業(株)
よりソアールRの商品名で市販されており、容易に入手
可能である。しかしながら、市販されているエチレンと
酢酸ビニルとの共重合体を購入しそれをケン化して、ま
たはエチレンと酢酸ビニルからラジカル重合等によって
Et/酢酸ビニル共重合体を製造しそれをケン化して使
用してもよい。いずれの場合も、ケン化Et/VAc系
共重合体中にナトリウムイオン、カリウムイオン等のア
ルカリ金属イオンやカルシウム、マグネシウム等のアル
カリ土類金属イオンが存在すると、共重合体中に過度の
架橋の発生、主鎖切断、側鎖脱離等が生じて共重合体の
ゲル化が生じたり、熱安定性が劣ったものになるので、
それらのイオンの含有量を極力少なくするのがよい。
【0008】また、ケン化Et/VAc系共重合体の軟
化点、耐熱性、耐熱水性等を向上させるために、複合繊
維中のケン化Et/VAc系共重合体を場合により架橋
させておいてもよい。架橋方法としては、ビニルアルコ
ール単位含有共重合体の架橋法として知られているいず
れの方法も採用でき、例えば、ジビニル化合物、ホルム
アルデヒドで代表されるモノアルデヒド、ジアルデヒド
等のアルデヒド化合物、ジイソシアネート等のポリイソ
シアネート等の有機架橋剤による架橋、ホウ素化合物等
の無機架橋剤による架橋、γ線や電子線等の放射線や光
による架橋等を挙げることができる。例えばジアルデヒ
ドで架橋処理を行う場合は、硫酸や塩酸等の強酸を使用
して行うのがよい。架橋処理後に未反応のアルデヒドが
残留すると染色物の退色等を招くことがあるので、酸化
剤により酸化処理してカルボン酸やその塩にしておくの
が望ましい。そのような架橋処理は、本発明の交絡混繊
糸から布帛等の繊維製品を製造した後に行うのが工程
性、加工性等の点から望ましい。
【0009】そして、上記第1複合繊維および第2複合
繊維においては、ケン化Et/VAc系共重合体と他の
熱可塑性重合体を、約5:95〜95:5の重量割合で
複合させるのが望ましい。第1および第2複合繊維にお
けるケン化Et/VAc系共重合体の割合が5重量%よ
りも少なくなると、親水性、ふくらみ感およびソフト感
の劣ったものになり易い。一方、ケン化Et/VAc系
共重合体の割合が95重量%を超えると、紡糸、延伸、
交絡処理等の工程性が不良になり易い。複合繊維に使用
する他の熱可塑性重合体としては、耐熱性、寸法安定性
の点から、融点が150℃以上の結晶性の熱可塑性重合
体を用いるのが好ましく、その代表例として繊維形成性
のポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ塩
化ビニル等を挙げることができる。
【0010】ポリエステルとしては、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、ナフタリン−2,6−ジカルボン酸、フタ
ル酸、α,β−(4−カルボキシフェノキシ)エタン、
4,4’−ジカルボキシジフェニ−ル、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、またはこれら
のエステル類と、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、1,4−ブタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジ
オ−ル、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−
1,4−ジメタノ−ル、ポリエチレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコール等のジオール化合物とから合
成される繊維形成性のポリエステルを使用することがで
き、構成単位の80モル%以上、特に90モル%以上が
エチレンテレフタレート単位および/またはブチレンテ
レフタレート単位からなるポリエステルが好ましい。ま
た、ポリアミドとしては、ナイロン4、ナイロン6、ナ
イロン66、ナイロン12等を使用することができ、更
にポリオレフィンとしてはポリプロピレン、エチレン/
プロピレン共重合体等を使用することができる。上記し
た他の熱可塑性重合体のうちで、ポリエステル、ポリア
ミド等が、溶融紡糸性が良好な点から好ましい。
【0011】第1複合繊維および第2複合繊維における
複合形態は、芯鞘型、海島型、貼合型、それらの混在型
等の任意の形態であることができる。芯鞘型の場合は2
層芯鞘型および3層以上の多層芯鞘型のいずれでもよ
い。また海島型の場合は、島の形状、数、分散状態を任
意に選ぶことができ、島の一部が繊維表面に露出してい
てもよい。更に、貼合型の場合は、繊維の長さ方向に直
角な繊維断面において、貼合面が直線状、円弧状、また
はその他任意のランダムな曲線状のいずれでもよく、更
に複数の貼合部分が互いに平行になっていても、放射状
になっていても、その他任意の形状であってもよい。そ
して、第1複合繊維と第2複合繊維における複合形態は
同じであっても、または異なっていてもよい。
【0012】また、ケン化Et/VAc系共重合体と複
合させる他の熱可塑性重合体は、1種類であってもまた
は2種以上であってもよく、更に第1の複合繊維と第2
複合繊維において、ケン化Et/VAc系共重合体と複
合させる他の熱可塑性重合体が同じであっても、または
異なっていてもよい。いずれの場合も、本発明の交絡混
繊糸や繊維製品に親水性やソフトな風合を付与するため
には、複合繊維の表面の一部または全部にケン化Et/
VAc系共重合体が露出して存在するようにするのがよ
い。
【0013】そして、第1複合繊維および第2複合繊維
の断面形状はどのようなものであってもよく、円形また
は異形形状とすることができる。異形断面の場合は、例
えば偏平形、三角形〜八角形等の角形、T字形、多葉
形、楕円形等の任意の形状とすることができる。更に、
上記複合繊維は、繊維形成性重合体において通常使用さ
れている蛍光増白剤、安定剤、難燃剤、着色剤等の任意
の添加剤を必要に応じて含有することができる。
【0014】第1複合繊維および第2複合繊維は、各
々、ケン化Et/VAc系共重合体と他の熱可塑性重合
体を使用して常法により溶融複合紡糸し、必要に応じて
延伸処理、熱処理等を施すことにより製造することがで
きる。紡糸時の温度や引き取り速度、延伸温度や倍率、
熱処理温度等の条件は、使用するケン化Et/VAc系
共重合体の成分組成やケン化度、他の重合体の種類、両
重合体の複合割合や複合形態等に応じて適宜選択するの
がよい。
【0015】そして、上記したように、本発明の交絡混
繊糸では、第1複合繊維の沸水収縮率が第2複合繊維の
沸水収縮率よりも5〜50%大きいことが必要である。
第1複合繊維と第2複合繊維との間に上記のような沸水
収縮率差を設けることによって、本発明の交絡混繊糸ま
たはそれから製造された布帛等の繊維製品を熱処理した
ときに、第1複合繊維と第2複合繊維との間に適度な空
間が形成され、場合によっては第1複合繊維が芯糸に第
2複合繊維が側糸となって、糸または繊維製品にふくら
みを持たせることができる。第1複合繊維と第2複合繊
維の沸水収縮率差が5%未満であると、充分なふくらみ
が得られず、一方50%を超えるとふくらみ過多となり
良好なふくらみを得ることができない。本発明では、第
1複合繊維の沸水収縮率を約5〜20%とし、第2複合
繊維の沸水収縮率をそれよりも5〜50%小さくするの
がよい。
【0016】ここで、第1複合繊維および第2複合繊維
の上記沸水収縮率および沸水収縮率差は、各々下記のよ
うにして測定したときの値をいう。沸水収縮率の測定 10回捲の綛をとり、綛に0.05g/デニールの荷
重を加えて収縮前の長さL0(mm)を測定する。次い
で、その荷重を除き、ポリエステル筒編ネット中に無荷
重状態でこの綛を通して100℃の熱水(沸水)中に1
0分間浸した後、沸水中から取り出してネット中の綛を
風乾燥する。風乾燥後に、再び0.05g/デニールの
荷重を加えて、その時の長さL1(mm)を測定する。
そして、沸水収縮率(Wsr)(%)を下記の式より求め
る。 沸水収縮率(Wsr)(%)={(L0−L1)/L0}×100沸水収縮率差の測定 上記方法により、第1複合繊維の沸水収縮率[Wsr
(1)](%)と第2複合繊維の沸水収縮率[Wsr(2)]
(%)を測定して、下記の式から沸水収縮率差(△Ws
r)(%)を求める。 沸水収縮率差(△Wsr)(%)= Wsr(1) − Wsr(2)
【0017】 第1複合繊維と第2複合繊維との間に上
記のような沸水収縮率差を生じさせる手段としては、第
1複合繊維と第2複合繊維とで、紡糸条件、延伸倍率、
延伸後の熱処理温度、複合繊維におけるケン化Et/V
Ac系共重合体と他の熱可塑性重合体の複合割合、ケン
化Et/VAc系共重合体と複合させる他の熱可塑性重
合体の種類等を互いに異なったものにする方法を挙げる
ことができる。上記した5〜50%の範囲内の沸水収縮
率差を生じさせ得る方法であれば、上記方法のいずれも
採用でき、特に延伸後の熱処理温度に差を設ける方法
熱収縮率差を簡単に制御できる点で好ましい。
【0018】更に、本発明の交絡混繊糸は、糸の長さ方
向に沿って、糸の長さ1メートル当たり25個以上の交
絡部を有しており、それによりふくらみと優れた親水性
等の特性が糸および繊維製品に付与される。交絡部の数
が1メートル当たり25個よりも少なくなると、交絡不
足となって、第1複合繊維(芯側糸)のはだ別れが生
じ、風合の良好な交絡混繊糸および繊維製品が得られな
い。交絡部の数が長さ1メートル当たり約30〜100
個であるのが特に好ましい。
【0019】そして、本発明の交絡混繊糸を製造するに
際しては、第1複合繊維からなるマルチフィラメントお
よび第2複合繊維からなるマルチフィラメントを流体交
絡ノズルに供給して両者間に交絡を生じさせる方法を採
用するのがよい。その場合に、第1複合繊維の単繊維繊
度は1〜7デニールが好ましく、該繊維からなるマルチ
フィラメントのデニールは25〜150デニールが好ま
しい。第1複合繊維からなるマルチフィラメントが25
デニール未満の場合は、それより得られる交絡混繊糸を
使用した布帛の張り腰が不足しやすく、一方150デニ
ールを越えると布帛が硬くなりソフトな風合に欠けるこ
ととなる。
【0020】また、第2複合繊維の単繊維繊度は0.5
〜5デニールが好ましく、該繊維からなるマルチフィラ
メントのデニールは25〜100デニールであるのが好
ましい。第2複合繊維からなるマルチフィラメントが2
5デニール未満であると、それより得られる交絡混繊糸
を使用した布帛はふくらみ感に欠け、一方100デニー
ルを越えると布帛が硬くなりソフトな風合に欠けたもの
となる。
【0021】第1複合繊維と第2複合繊維からなる本発
明の交絡混繊糸のトータルデニールは60〜200デニ
ールであることが好ましい。トータルデニールが60デ
ニール未満の場合は、当該交絡混繊糸を使用した布帛に
張り腰が不足しふくらみ感に欠けたものとなる。一方、
交絡混繊糸のトータルデニールが200デニールを越え
ると、布帛が硬くなりソフトな風合に欠ける。また、本
発明の交絡混繊糸中での第1複合繊維と第2複合繊維の
構成デニール比率は、第1複合繊維:第2複合繊維=
1:4〜5:1であるのが望ましい。
【0022】第1複合繊維からなるマルチフィラメント
と第2複合繊維からなるマルチフィラメントの流体交絡
ノズルへの供給速度は同じであっても異なっていてもよ
い。特に、第2複合繊維からなるマルチフィラメントを
第1複合繊維からなるマルチフィラメントよりも過剰供
給すると、第2複合繊維が側糸となって第1複合繊維か
らなる芯糸の外側にループ状に突出して交絡、混繊し、
ふくらみが一層増した糸を得ることができる。その場合
に、第2複合繊維からなるマルチフィラメントの第1複
合繊維からなるマルチフィラメントに対する過剰供給率
を約5〜20%とすると、ふくらみ等において品質のよ
り良好な糸を得ることができる。流体交絡処理に使用す
るノズルの種類や構造、交絡条件等は、1メートル当た
り25個以上という上記要件を達成できるものであれ
ば、どのようなものでもよい。
【0023】本発明の交絡混繊糸は、マルチフィラメン
ト糸の状態で編織布、不織布等の繊維製品の製造に使用
することができ、その際に必要に応じて他の糸や繊維を
併用してもよい。更に、本発明の交絡混繊糸から、ステ
ープル等の短繊維を製造し、それから紡績糸、混紡糸等
を製造して布帛等の繊維製品を製造してもよい。
【0024】
【実施例】以下に、実施例等により本発明を具体的に説
明するが、本発明はそれにより限定されない。 《実施例》ケン化Et/VAc系共重合体[(株)クラ
レ製エバールE105;エチレン含量44モル%、酢酸
ビニル含量56モル%、酢酸ビニル単位のケン化度95
モル%、数平均重合度約940)と変性ポリエチレンテ
レフタレート(融点240℃;エチレンテレフタレート
単位92モル%、エチレンイソフタレート単位8モル
%)を、1:1の重量比率で温度267℃で溶融複合紡
糸し、800m/分の巻取り速度で巻き取って、芯部分
が変性ポリエチレンテレフタレートで鞘部分がケン化E
t/VAc系共重合体である芯鞘型複合繊維よりなる第
1のマルチフィラメント糸(50デニール/24フィラ
メント)を製造した。この第1のマルチフィラメント糸
を延伸温度80℃で、延伸倍率2.9017に延伸処理
した後、80℃の加熱プレートに接触させて熱処理し
て、沸水収縮率30%のマルチフィラメント糸(マルチ
フィラメント糸A)を得た。
【0025】また、上記と同じケン化Et/VAc系共
重合体と変性ポリエチレンテレフタレートを使用して、
上記と同様に溶融複合紡糸し、巻取って、芯部分が変性
ポリエチレンテレフタレートで鞘部分がケン化Et/V
Ac系共重合体である芯鞘型複合繊維よりなる第2のマ
ルチフィラメント糸(50デニール/36フィラメン
ト)を製造した。この第2のマルチフィラメント糸を延
伸温度80℃で、延伸倍率2.9017に延伸処理した
後、140℃の加熱プレートに接触させて熱処理して、
沸水収縮率13%のマルチフィラメント糸(マルチフィ
ラメント糸B)を得た。
【0026】上記のマルチフィラメント糸Aおよびマル
チフィラメント糸Bを、両糸とも1000m/分の同じ
供給速度で別々に1個の流体交絡ノズルに供給し、流体
圧力4.0kg/cm2で両糸を流体交絡処理し、次いで
巻取り速度1000m/分、スピンドル回転数1090
0〜8500rpmでスピンドルワインダーで巻取っ
た。その結果、50個/mの交絡数を有するマルチフィ
ラメント糸AとマルチフィラメントBとが交絡混繊され
た交絡混繊糸を得た。この交絡混繊糸を経糸および緯糸
に使用して、サテン織物を製造し、115℃で熱染色処
理したところ、絹に似たソフトなタッチと良好なふくら
みを有し、且つ親水性に富む織物を得ることができた。
【0027】
【発明の効果】ケン化Et/VAc系共重合体とその他
の熱可塑性重合体からなる第1複合繊維、およびケン化
Et/VAc系共重合体とその他の熱可塑性重合体から
なる第2複合繊維が混繊交絡した交絡混繊糸であって、
第1複合繊維の沸水収縮率が第2複合繊維の沸水収縮率
よりも5〜50%大きく且つ1メートル当たり25個以
上の交絡部を有している本発明の交絡混繊糸は、親水性
に富み、ソフトな絹様の風合を有し、しかも良好なふく
らみを有する布帛等の繊維製品を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D02G 1/18 D02G 1/18 3/04 3/04 3/36 3/36 D03D 15/00 D03D 15/00 A C // D01F 6/34 D01F 6/34 Z (72)発明者 植木 巧 愛媛県西条市朔日市892番地 株式会社 クラレ内 (72)発明者 鳳 幹雄 愛媛県西条市朔日市892番地 株式会社 クラレ内 (72)発明者 田中 孝明 大阪市北区梅田1丁目12番39号 株式会 社クラレ内 (56)参考文献 特開 平4−126833(JP,A) 特開 平3−287825(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 1/00 - D02J 13/00 Fタームテーマコード4L036

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化
    物とその他の熱可塑性重合体からなる第1の複合繊維、
    およびエチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物とその
    他の熱可塑性重合体からなる第2の複合繊維が混繊交絡
    した交絡混繊糸であって、第1の複合繊維の沸水収縮率
    が第2の複合繊維の沸水収縮率よりも5〜50%大き
    く、且つ1メートル当たり25個以上の交絡部を有する
    ことを特徴とする交絡混繊糸。
  2. 【請求項2】 第1の複合繊維が芯糸を形成し、第2の
    複合繊維が側糸を形成している請求項1の交絡混繊糸。
  3. 【請求項3】 第1の複合繊維と第2の複合繊維を流体
    によって交絡・混繊させることを特徴とする請求項1の
    交絡混繊糸の製造方法。
  4. 【請求項4】 第1の複合繊維に対し、第2の複合繊維
    を過剰供給しながら流体により交絡・混繊を行う請求項
    2の交絡混繊糸の製造方法。
  5. 【請求項5】 第2の複合繊維の過剰供給率が、第1の
    複合繊維に対して、5〜20%である請求項4の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1または2の交絡混繊糸から得ら
    れた繊維製品。
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