JP2809748B2 - ポリエステル繊維の製造法 - Google Patents

ポリエステル繊維の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明はポリエステル繊維の製造法、更に詳細には繊
維軸に直交した溝状繊維表面構造を有し、ウールの低密
度織編物のような疎な織編規格においても糸のスリツプ
がなくウールライクな風合を有するポリエステル繊維の
製造法に関する。
b.従来の技術 ポリエステル繊維は多くの優れた特性を有するため合
成繊維として広く使用されている。しかしながらポリエ
ステルはウールのごとき天然繊維に比較して繊維表面が
フラツトで摩擦係数が低いため、ウールのエターミン、
ビエラ等の織規格の疎な織物に規格を合せて作成しても
糸が布帛の中で容易にスリツプして働き目ずれをおこ
す。そのため織編物の規格をする場合かなりの限定があ
り、特に織密度の低いものはまつたくできなかつた。そ
のため風合がかたい等の欠点があつた。
ポリエステル繊維表面にウールのスケールに似た構造
をもたす検討も行なわれているが未だまつたく不十分で
ある。
さらにポリエステルの繊維表面を粗面化する試みも、
例えば特公昭59−11709、特公昭59−24233などで知られ
ている。前者はプラズマによる粗面化であり、布帛の表
面に存在する繊維表面には粗面が形成できるが、布帛内
部に存在する繊維表面には粗面が形成されないし、当
然、タテ糸とヨコ糸が交差している接点付近にも粗面が
形成されないため、布帛中の糸のスベリを抑制する効果
は非常に乏しい。また後者は微粒子を含むポリエステル
繊維をアルカリ処理により微粒子とポリエステルを同時
に溶出し粗面化を形成させる方法であるが、この場合は
当然繊維全表面に微細な粗面化構造を形成できる。しか
しその粗面化構造のオーダーが微細すぎてかえつて梨地
効果的になり、摩擦係数を上げるという効果はほとんど
ない。
またポリエステルにポリエチレングリコールを含有さ
せアルカリ処理することによつて粗面を形成させる方法
も公知である。しかしこの場合、ポリエステル繊維中で
ポリエチレングリコールが繊維方向に配向した筋状分散
となり、アルカリ処理後の繊維表面には、繊維軸に沿つ
た筋があらわれるのみである。この繊維軸に沿つた筋状
凹凸ではタテ糸、ヨコ糸の交差点で糸のスリツプによる
動きを抑制させる効果はまつたくない。
また特開昭58−169512のごとくリング状侵蝕部を有す
る粗面構造により発色性改善ならびに抗ピル性の付与を
考える技術、あるいは特開昭61−102415のごとく峯部と
谷部を存在させた粗面構造により不透明性を付与する技
術はあるが、これらの粗面化によつてもウールのような
疎な織編物を作成できるほど摩擦係数は高くない。
このようにウールのような疎な織編物を作成するため
に各種粗面化繊維が検討されたが、その効果はまつたく
不十分であつた。
c.発明が解決しようとする課題 本発明はウールのような疎な織物においても糸のスリ
ツプがなく、ウールに似た風合を有するポリエステル繊
維を提供せんとするものである。
d.課題を解決するための手段 すなわち本発明は、「5−アルカリ金属スルホイソフ
タル酸成分を2.5〜7.5モル%構成単位として含むポリエ
ステル100重量部に分子量1000〜20000のポリアルキレン
グリコールを0.5〜3.0重量部含むポリマーを鞘成分と
し、ポリエステルを芯成分とし、鞘成分と芯成分の比率
を1:4〜4:1とした複合繊維をアルカリ化合物の水溶液で
処理しその3重量%以上を溶出することを特徴とするポ
リエステル繊維の製造法。」である。
本発明でいうポリエステルは、テレフタル酸を主たる
酸成分とし、少なくとも1種のグリコール、好ましくは
エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラ
メチレングリコールから選ばれた少なくとも1種のアル
キレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエ
ステルを主たる対象とする。
また、テレフタル酸成分の一部を他の二官能性カルボ
ン酸成分で置換えたポリエステルであつてもよく、また
グリコール成分の一部を主成分以外の上記グリコール、
もしくは他のジオール成分で置換えたポリエステルであ
つてもよい。
ここで使用されるテレフタル酸以外の二官能性カルボ
ン酸としては、例えばイソフタル酸、ナフタリンジカル
ボン酸、ジフエニルジカルボン酸、ジフエノキシエタン
ジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−
オキシ安息香酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、
アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸の如き芳香族、脂肪族、脂環族の二官能性カルボ
ン酸をあげることができる。また、上記グリコール以外
のジオール化合物としては例えばシクロヘキサン−1,4
−ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフエノ
ールA、ビスフエノールSの如き脂肪族、脂環族、芳香
族のジオール化合物およびポリオキシアルキレングリコ
ール等をあげることができる。
更にポリエステルが実質的に線状である範囲でオリメ
リツト酸、ピロメリツト酸の如きポリカルボン酸、グリ
セリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ルの如きポリオールを使用することができる。
かかるポリエステルは任意の方法によつて合成したも
のでもよい。例えばポリエチレンテレフタレートについ
て説明すれば、通常、テレフタル酸とエチレングリコー
ルとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメ
チルの如きテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチ
レングリコールとをエステル交換反応させるか、または
テレフタル酸とエチレンオキサイドとを反応させるかし
てテレフタル酸のグリコールエステルおよび/またはそ
の低重合体を生成させる第1段階の反応と、第1段階の
反応生成物を減圧下加熱して所望の重合度になるまで重
縮合反応させる第2段階の反応によつて製造される。
また5−アルカリ金属スルホイソフタル酸成分として
用いられる化合物の内で特に好ましい具体例としては、
3,5−ジ(カルボメトキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム(またはカリウムもしくはリチウム)、3,5−ジ
(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム(またはカリウムもしくはリチウム)、
3,5−ジ(β−ヒドロキシブトキシカルボニル)ベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム(またはカリウムもしくはリチ
ウム)等をあげることができる。
かかる5−アルカリ金属スルホイソフタル酸成分を共
重合した共重合ポリエステルを製造するには、前述した
ポリエステルの合成が完了する以前の任意の段階で、好
ましくは第1段階の反応が終了する以前の任意の段階で
上記した5−アルカリ金属スルホイソフタル酸化合物を
添加すればよい。この際、エーテル形成抑制剤として酢
酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属の弱酸
塩を併用するのが好ましく行なわれる。
本発明で用いられるポリアルキレングリコールとは、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリテトラメチレングリコールなどや、これら2以上の
ランダムまたはブロツク共重合体があり、これらはポリ
エステルに共重合されるものであつても、また末端封鎖
により共重合性を失なつたものでもよい。
さらに酸化防止剤をポリアルキレングリコールと併用
してもよい。これらの酸化防止剤としてはピンダードフ
エノール系の酸化防止剤が好ましく用いられるが、これ
と他種のたとえばフオスフアイト系の酸化防止剤を用い
ることも好ましい。ヒンダードフエノール系の酸化防止
剤としては、たとえばオクタデシル3−(3,5−ジ−タ
ーシヤリブチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオネ
ート、1,6−ヘキサンジオールビス−3−(3,5−ジータ
ーシヤリブチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオネ
ート、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−
ジーターシヤリブチル−4−ヒドロキシフエニル)プロ
ピオネート〕などをあげることができるが、これらに限
定されるものではない。フオスフアイト系のものとして
は、たとえばビスステアリル−ペンタエリスリトール−
ジ−フオスフアイト、トリス−(ノニルフエニル)−フ
オスフアイトなどをあげることができるが、これに限定
されるものではない。
ポリアルキレングリコール及び酸化防止剤の添加方法
は該ポリマーの合成開始時から紡糸時までのどの段階で
も任意に選択できるが、熱分解を考慮すればできるだけ
紡糸時またはこれに近い工程で添加するのがより好まし
く、とくに紡糸時に押出機から紡糸頭までの配管中にイ
ンジエクシヨンして静止型混合器などを用いて混合し紡
糸するのが一層好ましい。ただし、ポリアルキレングリ
コールを積極的にポリエステルに共重合する場合には、
ポリマー合成時に添加しなければなないのはいうまでも
ない。ポリアルキレングリコールと酸化防止剤は同時に
混合して添加するのが好ましい。添加時に十分に乾燥や
脱酸素して添加するのが好ましいことはいうまでもな
い。
本発明の用いられる鞘成分ポリマーとしては、5−ア
ルカリ金属スルホイソフタル酸成分を2.5〜7.5モル%構
成単位として含むポリエステル100重量部に分子量1000
〜20000のポリアルキレングリコールを0.3〜3.0重量部
含むポリマーが望ましい。
5−アルカリ金属スルホイソフタル酸成分が2.5モル
%未満だと、アルカリ化合物の水溶液処理後の繊維表面
が繊維軸に沿つた筋となり本発明の効果が少ない。また
7.5モル%をこえると溶融時の増粘効果が大きく紡糸時
の複合繊維化が困難な上、コスト高となる。さらに好ま
しくは4.5モル%〜5.5モル%である。
ポリアルキレングリコールの分子量が1000未満だとポ
リエステルとの相容性がよすぎて粗面構造が発現しにく
い。また分子量が20000をこえた場合、ポリアルキレン
グリコール自体の耐熱性、耐光性が低下して好ましくな
い。
さらにポリアルキレングリコールの添加量としては、
0.3重量部未満だとアルカリ化合物処理後の粗面構造が
発現しにくく、3重量部をこえると耐光性が悪化し望ま
しくない。好ましくは1.5重量部〜2.5重量部である。
また芯成分と鞘成分の比率は1:4〜4:1が望ましい。芯
成分が20重量%未満の比率になると複合繊維の紡糸、延
伸等の工程性が著しく悪化する。芯成分が80重量%をこ
えるとアルカリ化合物の水溶液による減量処理が進むと
鞘成分が完全に溶出除去され繊維表面に形成された粗面
構造が不明確になるという欠点が生ずる。好ましくは1:
2〜2:1がさらに望ましい。
本発明における紡糸方法は任意の方法によることがで
き、要は芯鞘複合繊維とする方法によることであり、紡
糸速度等は任意にその目的に応じて選ぶべきである。ま
た、円形でも異形断面でも1芯でも多芯でもよい。紡糸
により得られた紡糸原糸は延伸糸としてから仮撚して
も、あるいは延伸仮撚機により延伸仮撚しても、あるい
はまた高速に紡糸して延伸を省略して仮撚する方法も用
い得る。
かくして得られたポリエステル複合繊維に所定の表面
に構造を形成させるには、必要に応じて延伸熱処理また
は仮撚加工等を施した後、または更に織編物にした後、
場合によつては染色後、アルカリ化合物の水溶液で処理
することにより容易に行なうことができる。
ここで使用するアルカリ化合物としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハ
イドロオキサイド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等を
あげることができる。なかでも、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムが特に好ましい。また、セチルトリメチル
アンセニウムプロマイド、ラウリルジメチルベンジルア
ンモニウムクロライド等の如きアルカリ減量促進剤を適
宜使用することができる。
上記アルカリ化合物の水溶液の濃度は、アルカリ化合
物の種類、処理方法等によつて異なるが、通常0.01〜40
重量%の範囲で行なわれ、特に0.1〜30%の範囲が好ま
しい。処理温度は常温〜160℃の範囲であり、処理時間
は30秒〜4時間の範囲で通常行なわれる。
このアルカリ化合物の水溶液の処理によつて減量する
量は、繊維重量に対して3重量%以上にすべきである。
3重量%未満の減量率では満足すべき繊維表面構造が形
成されない。
なお、上記アルカリ減量処理の工程は、単一の工程と
して独立に行なつても、また他の工程に合一して行なつ
てもよい。後者の場合、例えば分散染料および/または
カチオン染料で染色後の還元洗浄工程またはソーピング
工程において、染料の洗浄とアルカリ減量を同時に行な
つてもよい。
アルカリ化合物の水溶液処理後に形成される繊維表面
の粗面化がなぜ生じるかの原因については未だ十分に理
解できていない。紡糸条件、延伸条件、仮撚条件等によ
り微妙に表面粗面化形態が異なること、又紡糸直後から
短時間の内に延伸を行なうと構造が発現しにくいこと、
さらには紡糸原糸を低温下で保存したものを延伸しても
構造発現が少ない等の現象から、経時変化と密接な関係
がある現象と考えている。
構造を発現しやすい環境としては、紡糸原子を25℃、
相対湿度65%で72時間放置後96時間以内に延伸、又はイ
ンドローするのが再現性あるいは構造発現性の点で好ま
しいが、必ずしも限定されない。また繊維軸に直交した
方向に溝状凹部が形成される理由としては、芯成分に比
較して鞘成分の延伸性、インドロー性が劣るため、延伸
あるいはインドロー時に鞘成分に繊維軸に直交した方向
にクラツクが生じ、その部分がアルカリ化合物の水溶液
に優先的に溶出処理されるため繊維軸に直交した溝状構
造が発生すると考えられる。5−アルカリ金属スルホイ
ソフタル酸の共重合、及びポリアルキレングリコールの
添加は経時変化をすみやかに加速する成分として有効と
考えている。
さらに本発明の芯鞘複合糸の糸断面形状は、丸型に限
らず従来考えられる三角、五角、T型、偏平、ドツクボ
ーン等の異型も使用できる。
なお、本発明のポリエステル繊維には、必要に応じて
任意の添加剤、例えば触媒、着色防止剤、耐熱剤、難熱
剤、傾向増白剤、艶消剤、着色剤、無機微粒子等が含ま
れていてもよく、酸化チタン、硫酸バリウム等の艶消剤
を併用することもかまわない。
これらの構成によつて繊維表面に形成される粗面構造
は5−アルカリ金属スルホイソフタル酸成分を増すほど
ポリアルキレングリコールの添加量が増すほど、アルカ
リ減量率が増大35重量%まで増加するほど、明確でシヤ
ープな溝状構造が形成される。溝の繊維周方向の長さは
0.2〜10μのものが大部分であり、溝の繊維軸方向の巾
は0.05〜1μのものが大部分である。溝の個数は10μ平
方の中に5〜100個となる。構造が明確になる条件では
溝の周方向の長さ、繊維軸方向の巾は上記範囲よりさら
に拡大する。
以下実施例によりさらに本発明を説明する。
実施例1 全酸成分に対して5モル%の5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸を重合し、極限粘度0.45のポリエチレンテレ
フタレートに、120℃に加熱した分子量11000のポリエチ
レングリコール2重量部を添加し、撹拌混合後、水中に
押しだしてチツプ化した。
このポリマーを鞘成分とし、極限粘度0.64のポリエチ
レンテレフタレートを芯成分として、芯成分と鞘成分と
が1:1の比率になるように同心円型芯鞘複合紡糸装置を
用いて紡糸温度290℃で溶融紡糸し、25℃、65RH%で72
時間放置後、常法に従つて延伸倍率3.5倍で延伸し、75
デニール/24フイラメントの複合繊維を得た。
この複合繊維を目付60g/m2の平織物に製織し、常法に
従つて精練、プリセツト後40g/の水酸化ナトリウム水
溶液中で95℃にて処理し、減量率20%の布帛を得た。
この布帛の繊維表面を5000倍の走査型電子顕微鏡にて
観察すると、繊維軸に直交する周方向の長さ0.5μ〜5
μ、繊維軸方向の巾0.1〜0.4μ程度の溝状構造が10μ平
方に50個程度存在していた。
また平均的織規格密度よりタテ糸、ヨコ糸ともに25%
も低い織密度にもかかわらずアルカリ減量20%後の織物
はまつたくスリツプなく、風合もソフトできしみ感を感
じた。さらにこの織物を通常の柔軟剤で処理したところ
ウールの疎な織物の風合となつた。
もちろんこの織規格でレギユラーポリエステルを作成
した場合にはスリツプがはげしく、目づれの大きいつか
いものにならない織物となることは前述した。
実施例2 実施例1で用いたポリマーの組合せで、同心円型鞘複
合糸を紡糸速度を変化させて2種採取した。20℃で65RH
%で80時間放置後、この2種の糸をヒーター温度170℃
で1.6倍に延伸しながらインドロー仮撚を実施し、糸長
差を有する構造加工糸を得た。この構造加工糸を300回
/メートルの実撚を行ない通常のポリエステル規格より
甘い織規格にてツイル織物を製織し、実施例1と同様の
処法で加工を行なつた。
この布帛の繊維表面を5000倍の走査型電子顕微鏡にて
観察すると、繊維周方向の長さ0.2〜10μ、繊維軸方向
の巾0.1〜1μの溝状構造が10μ平方に30個程度存在し
ていた。また目づれ等の発生は織密度が従来の規格より
タテ糸、ヨコ糸ともに20%も低いにもかかわらず、まつ
たくなく、きしみ感のあるソフトな風合の織物であつ
た。さらにウール織物に用いられる風合調整剤を付与し
たところウール特有のソフトでヌメリ感のある風合とな
つた。
比較例1 全酸成分に対して2モル%の5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸を重合し極限粘度0.49のポリエチレンテレフ
タレートを用いた以外は実施例2とまつたく同様に行な
つた織物は、溝状粗面構造が不明確でスリツプが生じ
た。
比較例2 ポリエチレングリコールの添加量を4重量部にした以
外は実施例2と同様の試作を行なつた。
この織物は風合的には実施例2と同様であつたが、カ
チオン染料染色後の耐光堅牢度が2〜3級と不十分であ
つた。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−314781(JP,A) 特開 昭56−49018(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06M 5/00 - 11/84

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】5−アルカリ金属スルホイソフタル酸成分
    を2.5〜7.5モル%構成単位として含むポリエステル100
    重量部に分子量1000〜20000のポリアルキレングリコー
    ルを0.5〜3.0重量部含むポリマーを鞘成分とし、ポリエ
    ステルを芯成分とし、鞘成分と芯成分の比率を1:4〜4:1
    とした複合繊維を、アルカリ化合物の水溶液で処理しそ
    の3重量%以上を溶出することを特徴とするポリエステ
    ル繊維の製造法。
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