JPH03161520A - 衣料用複合繊維 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は，ポリエステルとボリアミドとからなる衣料用
複合繊維に関するものである。

（従来の技術） ポリエチレンテレフタレート繊維に代表されるポリエス
テル繊維は．優れた機械的特性を有し，種々の用途に広
く使用されているが．衣料用として使用する場合には．
染色性が悪く．高温，加圧下で染色しなければならない
という問題を有している。

ポリエチレンテレフタレートの染色性を改良する方法は
古くから種々提案されている。例えば，イソフタル酸，
５−ナトリウムスルホイソフタル酸，ジエチレングリコ
ール等を共重合する方法があり，この方法によれば染色
性はかなり改良されるものの，重合．紡糸が困難であっ
たり．機械的特性が損なわれたりするという問題があっ
た。また，最近では，　６０００ｍ　／分以上のような
高速で溶融紡糸することにより常圧染色可能なポリエチ
レンテレフタレート繊維が得られるといわれている（例
えば，特公平１　−　３５０８５号公報参照）が，高温
，加圧下での染色と同程度に常圧で染色できるまでには
至っていない。

一方，ナイロン６やナイロン６６のようなボリアミド繊
維は．染色性が良好で，衣料用として広く使用されてい
るが，モジュラスが３０〜４０ｇ／ｄ程度と低く，織物
にしたとき．風合いが柔らかすぎるという問題を有して
いる。

そこで．ポリエステルとボリアミドの長所を生かすため
，両者を複合紡糸することが考えられ，種々検討されて
いる。

しかし，通常のポリエステルとボリアミドとは相溶性が
乏しく，相分離を起こし，両成分間で剥離するという問
題がある。これは割繊して細繊度の繊維を製造するよう
な場合には好都合であるが，通常は操業性を悪くして好
ましくない。

両成分間での剥離による操業性低下の問題は，特開昭４
９−　８５３１５号公報，同５６−１４０１２８号公報
等で提案されているポリエステルを芯成分，ボリアミド
を鞘成分とする複合繊維としても解消されない。

この両成分間での剥離の問題を解決した複合繊維として
，特開平１−９７２１１号公報には，ボリアミドとして
ナイロン６６にテレフタル酸成分を共重合したナイロン
６６／６Ｔを使用した複合ｍ維が提案されている。しか
し，この複合繊維は．ゴム補強用等を目的とした高強度
繊維であり，衣料用には適していない。

（発明が解決しようとする課題） 本発明は，ポリエステルを第一成分，ポリアミドを第二
成分とする複合繊維において，両成分間での剥離の問題
のない衣料用複合繊維を提供しようとするものである。

（課題を解決するための手段） 本発明者らは，上記の課題を解決するため鋭意検討の結
果．ボリアミドとしてナイロン６又はナイロン６６とポ
リメタキシリレンアジバミド　（ＭＸＤ６という）との
混合物を使用するとよいことを見出し，本発明に到達し
た。

すなわち，本発明は．ポリエチレンテレフタレートを第
一成分，ナイロン６又はナイロン６６とＭＸＤ６との重
量比９０／１０〜５０／５０ノ混合物を第二成分とする
複合繊維であって．第一成分と第一成分の重量比が１０
／９０〜９０／１０である衣料用複合繊維を要旨とする
ものである。

以下．本発明について詳細に説明する。

まず，本発明においては，第一成分のポリエステルとし
てポリエチレンテレフタレート（実質的（こポリエチレ
ンテレフタレートと３忍められるものを含む。以下ＰＥ
Ｔという。）が使用される。

また，第二成“分としては，ナイロン６又はナイロン６
６とＭＸＤ６とを９０／１０〜５０／　５０の重量比，
好ましくは８５／　１５〜６５／　３５の重量比で混合
したものが使用される。ＭＸＤ６の割合がこれより少な
いと両成分の界面での剥離を防止する効果が乏しく，製
糸工程あるいは後加工工程で毛羽を発生し，操業性が低
下したり．糸の強度が低下したりして好ましくない。一
方，ＭＸＤ６の割合がこれより多いとコスト高になって
好ましくない。

なお，ＭＸＤ６はガラス転移温度及びモジュラスがナイ
ロン６やナイロン６６よりも高く．これを配合すること
によりボリアミドとＰＥＴとの親和性が向上するととも
に，衣料用繊維としてより好ましい特性を有する複合繊
維となる。

ＰＥＴ及びボリアミド　（ナイロン６，ナイロン６６，
ＭＸＤ６）は，衣料用グレードのものが使用され，ＰＥ
Ｔはフェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒
とし，濃度０．５ｇ／ｄ’．温度２０℃で測定した相対
粘度が１．３５ＪＪ上のもの，ボリアミドは９６％硫酸
を溶媒とし，濃度１，Ｏｇ／ａ，温度２５℃で測定した
相対粘度が２．２以上のものが好ましく用いられる。

本発明の複合繊維において，第一成分と第二成分との割
合（複合比）は重量で１０／９０〜９０／　１０とする
。複合比がこの範囲を外れると一方の成分に偏りすぎる
ため．複合繊維の製造が困難であり．また，両戊分の特
長を兼備した繊維を得ることができない。

また，複合の形態はサイドバイサイド型，芯鞘型のいず
れでもよいが，捲縮繊維を目的とする場合は．サイドバ
イサイド型，染色性の良好な繊維を目的とする場合は，
第一成分（ＰＥＴ）を芯，第二戊分（ポリアミド）を鞘
とする複合繊維とするのが好ましい。

複合比及び複合形態は．目的とする複合繊維の特性に合
わせて選定される。例えば．複合比７０／３０〜３０／
　７０．好ましくは５０／　５０のサイドバイサイド型
複合＃ａ維とすれば，両者の収縮率の違いにより良好な
捲縮を発現し得る潜在捲縮性複合Ｉａ維が得られる。ま
た，ｍ合比９０／　ｔｏ　〜６０／　４０で，第一戊分
（ＰＥＴ）を芯，第二成分（ボリアミド）を鞘と１−る
複合繊維とずれば，ＰＥＴの機械的特性が生かされた染
色性の良好な繊維が得られ，複合比４０／６υ〜１０／
９０で，第〜成分（ＰＥＴ）を芯，第二成分（ボリ”γ
ミド）を鞘とする複合繊維とすれば，ボＩＪ　７　ｆｉ
ドの風合い及び染色性が生かされモジュラスの向上した
繊維が得られる。

本発明０）′６：１合繊紺ミは，　−．Ｔｈ記の第一・
ｙ戊分と第二成分どを常法により製糸４−ることにより
製造することができる。例えば，　１０００〜３０００
ｍ　／分程度の速度で溶融紡糸し，一旦巻き取った後延
伸する二工程法．紡糸に連続（２て延伸して４０００〜
６０００ｍ　／分程度の速度で巻き取るスビンドロ一法
，あるいは５０００ｍ　／分以ヒの速度で溶融紡糸し，
延伸工程を省略する高速紡糸法等で製造することができ
る。

生産性良く製造するにはスビンド口一法又は高速紡糸法
が好ま１−い。

本発明の複合繊維の物性は，複合比や製糸条件により異
なるが，強度２．５ｇ／ｒｉ以上，伸度７０％以下どな
るようにすることが望ましい。

（実施例） 以下，本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。

なお，強伸度（及びモジュラス）は．　ＪＩＳ　Ｌ　２
５１１に準じ，島津製作所製才一トグラフｌａｓｓ−５
００を用い，試料長３０ｃｍ，引張速度３０ｃｍ／分の
条件で測定した。

実施例１ 第一成分と（一で二酸化チタンを０．３重量％含有した
相対粘度Ｉ６３８のＰＥＴチップ．第二成分として相対
粘度２１６０のナイロン６　　（Ｎ６）チップと相対粘
度２．ＩＯのＭＸＤ６チップとの第１表に示すｆ量比の
混合物を使用１，．　複合比５０／　５０で．｝’Ｊｏ
一バル断面のザイドバイサイド型複合繊維を製１２ｌし
た。

この際，紡糸温度を３００℃とし，Ｙ型吐出孔を有する
紡糸口金から紡出し．紡出糸を紡糸口金直下に設けた長
さ５　ｃｍ，温度３３０℃の加熱筒を通渦さ１ｉ−た後
，加熱筒の直下の円筒型吹きつげ装置によって冷却固化
し．才イリング後，実質的に延伸することなく，第−及
び第二ゴデットローラを介して５０００ｍ　／分の速度
で巻き取り，　７５ｄ／３６ｆの複合繊維を得た。

得られた複合磯維の物性及び製糸時の操業性を第１表に
示ず３， ／Ｉ：：　ｋＩは比較例である。

また，Ｎα３及びＮａ　ｌの複合繊維のＷｊ．微鏡写真
を第１図及び第２図に示す。これらから明らかなように
，本発明の条件を満足する〜ｏ３の複合ｗｌ維では複合
界面で殆ど剥離が起こらないが，第二成分のＭＸＤ６の
割合が少ないＮｏ．　１の複合繊維では？ｒ．ｌ１離ず
ることが分かる。

〔顕微鏡写真は．Ｐｔ／Ｐｄスバッターコーディング試
料について，日弘製作所製Ｓ−４０００型電界放射型走
査電子顕微鏡を用い，倍率５００倍で撮影１，たちので
ある。〕 さらに，Ｎｏ．２〜４の複合繊維を用いて筒編地として
染免したところ．ミクロな捲縮を有する風合いの良好な
編地が得られた。

実施例２ 第一成分として相対粘度Ｉ．４０のＰ　Ｅ　Ｔチップ，
第二戊分として相対粘度２．６０のナイロン６６　（Ｎ
６６）チップと相対粘度２．１０のＭＸＤ６チップとの
第２表に示す重量比の混合物を使用し，第２表に示す複
合比の同心型芯稍型複合繊維を製造した。，この際，紡
糸温度を：３００℃とし，直径０．２５ｍｍの吐出孔を
有する紡糸口金から紡出し．紡出糸を紡糸口金直下に設
けた長さ５　ｃｍ，温度３００℃の加熱筒を通過させた
後，加熱筒の直下の円筒型吹きつけ装置によって冷却固
化し，オイリング後，　４５００ｍ／分の速度の引取り
ローラで引き取り，この引取りローラと　１４０℃に加
熱された延伸ローラとの間で１．３５倍に延伸した後，
巻き取り，　７５ｄ／３６ｆの複合繊維を得た。

得られた複合繊維の物性及び製糸時の操業性を第２表に
示す。

第 ２ 表 注：ｋ５． ７及びｌ３は比較例である。

また，Ｎａｉｌ〜１３の複合繊維と通常の二工程法によ
るナイロン６６繊維とを同時に筒編みし，次の処方で染
色して，染色性を評価した。

すなわち，試料を非イオン活性剤を含む６０℃の温水で
３０分間精練した後，バイエル社製酸性染料Ｔｅｌｏｎ
　Ｆ　Ｎａｖｙ　Ｂｌｕｅ　Ｒを１％ｏｗｆ，酢酸を０
．２ｍｆ／ｌ，サンド社製均染剤Ｓａｎｄｚｏｌ　ＫＢ
をｌ％ｏｗｆ含む染浴を用い，浴比ｌ：１００で沸騰下
に３０分間染色した。

通常の二工程法によるナイロン６６繊維を標準として，
染着度及び均染性を次の３段階で評価した。

○：同等．△：やや劣る，×：劣る。

結果を第３表に示す （発明の効果） 本発明によれば，ポリエステル及びポリアミドの特性が
生かされた剥離の問題のない衣料用複合繊維を製造する
ことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

図面は複合繊維の電子顕微鏡写真（倍率５００倍）を示
し，第ｌ図は本発明の実施例の複合繊維．第２図は比較
例の複合繊維を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）ポリエチレンテレフタレートを第一成分、ナイロ
   ン６又はナイロン６６とポリメタキシリレンアジパミド
   との重量比９０／１０〜５０／５０の混合物を第二成分
   する複合繊維であって、第一成分と第二成分との重量比
   が１０／９０〜９０／１０である衣料用複合繊維。