JPH05238964A - 光学活性1−アルケン類の製造方法 - Google Patents
光学活性1−アルケン類の製造方法Info
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- JPH05238964A JPH05238964A JP4076311A JP7631192A JPH05238964A JP H05238964 A JPH05238964 A JP H05238964A JP 4076311 A JP4076311 A JP 4076311A JP 7631192 A JP7631192 A JP 7631192A JP H05238964 A JPH05238964 A JP H05238964A
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 末端の2重結合に隣接する炭素原子が不斉炭
素原子である1−アルケン類、特に光学活性な3,7−
ジメチル−1,6−オクタジエンを簡便に得られるよう
にする。 【構成】 式(2) R1R2C*HCH=CH2 (2) (式中、R1及びR2は上述した通りであり、C*は不
斉炭素原子である)で表される光学活性1ーアルケン類
を製造するために、式(1) R1R2C=CHCH2X (1) (式中、R1及びR2は独立的に置換もしくは未置換ア
ルキル基、置換もしくは未置換アルケニル基又は置換も
しくは未置換アリール基であるが、R1とR2とは同一
ではなく、そしてXは脱離基である)で表される化合物
を、パラジウム化合物、光学活性ホスフィン化合物、第
3級アミン及びギ酸の存在下で不斉還元する。光学活性
ホスフィン化合物として、(S)−(−)又は(R)−
(+)−2−ジフェニルホスフィノ−2´−メトキシ−
1,1´−ビナフチルを使用する。
素原子である1−アルケン類、特に光学活性な3,7−
ジメチル−1,6−オクタジエンを簡便に得られるよう
にする。 【構成】 式(2) R1R2C*HCH=CH2 (2) (式中、R1及びR2は上述した通りであり、C*は不
斉炭素原子である)で表される光学活性1ーアルケン類
を製造するために、式(1) R1R2C=CHCH2X (1) (式中、R1及びR2は独立的に置換もしくは未置換ア
ルキル基、置換もしくは未置換アルケニル基又は置換も
しくは未置換アリール基であるが、R1とR2とは同一
ではなく、そしてXは脱離基である)で表される化合物
を、パラジウム化合物、光学活性ホスフィン化合物、第
3級アミン及びギ酸の存在下で不斉還元する。光学活性
ホスフィン化合物として、(S)−(−)又は(R)−
(+)−2−ジフェニルホスフィノ−2´−メトキシ−
1,1´−ビナフチルを使用する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、置換アリルアルコー
ル誘導体から光学活性1ーアルケン類を製造する方法に
関する。より詳しくは、置換アリルアルコール誘導体と
してゲラニルアセテート又はネリルアセテートから、末
端の2重結合に隣接する炭素原子が不斉炭素原子である
光学活性1ーアルケン類として、医薬、農薬或いは香料
等のテルペン合成中間体として有用な3,7−ジメチル
−1,6−オクタジエンを製造する方法に関する。
ル誘導体から光学活性1ーアルケン類を製造する方法に
関する。より詳しくは、置換アリルアルコール誘導体と
してゲラニルアセテート又はネリルアセテートから、末
端の2重結合に隣接する炭素原子が不斉炭素原子である
光学活性1ーアルケン類として、医薬、農薬或いは香料
等のテルペン合成中間体として有用な3,7−ジメチル
−1,6−オクタジエンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、1−アルケン類の製造方法として
は、置換アリルアルコールのエステルをパラジウム触媒
の存在下で還元処理する方法が知られているが、この場
合、2−アルケン類を副生してしまうという欠点があ
る。
は、置換アリルアルコールのエステルをパラジウム触媒
の存在下で還元処理する方法が知られているが、この場
合、2−アルケン類を副生してしまうという欠点があ
る。
【0003】このため、2−アルケン類を副生せずに選
択的に1−アルケン類を製造する方法として、パラジウ
ム触媒に加えて、配位子としてトリブチルホスフィンを
用い、ギ酸のトリエチルアミン塩を還元剤として用いる
方法が提案されており、この方法によりゲラニルアセテ
ート又はネリルアセテートから3,7−ジメチル−1,
6−オクタジエンが得られている(J.Tsuji e
t al,Tetrahedoron Letter,
1017(1984))。
択的に1−アルケン類を製造する方法として、パラジウ
ム触媒に加えて、配位子としてトリブチルホスフィンを
用い、ギ酸のトリエチルアミン塩を還元剤として用いる
方法が提案されており、この方法によりゲラニルアセテ
ート又はネリルアセテートから3,7−ジメチル−1,
6−オクタジエンが得られている(J.Tsuji e
t al,Tetrahedoron Letter,
1017(1984))。
【0004】また、3,7−ジメチル−1,6−オクタ
ジエンの製造について限っていえば、ピネンを水素化す
ることにより得られるピナンを熱異性化する方法、3,
7−ジメチル−1−オクテン−7−オールを酸触媒の存
在下で加熱脱水する方法、シトラールを還元する方法
(Daniewski et al,Rocz.Che
m.,45(5),923(1971)などが知られて
いる。
ジエンの製造について限っていえば、ピネンを水素化す
ることにより得られるピナンを熱異性化する方法、3,
7−ジメチル−1−オクテン−7−オールを酸触媒の存
在下で加熱脱水する方法、シトラールを還元する方法
(Daniewski et al,Rocz.Che
m.,45(5),923(1971)などが知られて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、医薬や香料
用の化合物の場合、同じ骨格を有する化合物であっても
光学活性を有しているか否かでその生理活性に大きな相
違が生ずることはよく知られているところである。従っ
て、1−アルケン類の一種である3,7−ジメチル−
1,6−オクタジエンを製造するにあたり、その3位に
不斉炭素原子を導入することが求められている。
用の化合物の場合、同じ骨格を有する化合物であっても
光学活性を有しているか否かでその生理活性に大きな相
違が生ずることはよく知られているところである。従っ
て、1−アルケン類の一種である3,7−ジメチル−
1,6−オクタジエンを製造するにあたり、その3位に
不斉炭素原子を導入することが求められている。
【0006】しかしながら、従来の方法では、光学活性
な1−アルケン類、特に3位に不斉炭素原子を有する
3,7−ジメチル−1,6−オクタジエンを直接的かつ
簡便に製造することはできないという問題があった。
な1−アルケン類、特に3位に不斉炭素原子を有する
3,7−ジメチル−1,6−オクタジエンを直接的かつ
簡便に製造することはできないという問題があった。
【0007】この発明は、このような従来技術の課題を
解決しようとするものであり、末端の2重結合に隣接す
る炭素原子が不斉炭素原子である1−アルケン類、特に
光学活性な3,7−ジメチル−1,6−オクタジエンを
簡便に得る方法を提供することを目的とする。
解決しようとするものであり、末端の2重結合に隣接す
る炭素原子が不斉炭素原子である1−アルケン類、特に
光学活性な3,7−ジメチル−1,6−オクタジエンを
簡便に得る方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明者は、置換アリ
ルアルコール誘導体、例えばそのエステル類を、パラジ
ウム化合物と光学活性ホスフィン化合物の存在下で不斉
還元することにより上述したこの発明の目的が達成でき
ることを見出し、この発明を完成させるに至った。
ルアルコール誘導体、例えばそのエステル類を、パラジ
ウム化合物と光学活性ホスフィン化合物の存在下で不斉
還元することにより上述したこの発明の目的が達成でき
ることを見出し、この発明を完成させるに至った。
【0009】即ち、この発明は、 式(1) R1R2C=CHCH2X (1) (式中、R1及びR2は独立的に置換もしくは未置換ア
ルキル基、置換もしくは未置換アルケニル基又は置換も
しくは未置換アリール基であるが、R1とR2とは同一
ではなく、そしてXは脱離基である)で表される化合物
を、パラジウム化合物、光学活性ホスフィン化合物、第
3級アミン及びギ酸の存在下で不斉還元することを特徴
とする式(2) R1R2C*HCH=CH2 (2) (式中、R1及びR2は上述した通りであり、C*は不
斉炭素原子である)で表される光学活性1ーアルケン類
の製造方法を提供する。
ルキル基、置換もしくは未置換アルケニル基又は置換も
しくは未置換アリール基であるが、R1とR2とは同一
ではなく、そしてXは脱離基である)で表される化合物
を、パラジウム化合物、光学活性ホスフィン化合物、第
3級アミン及びギ酸の存在下で不斉還元することを特徴
とする式(2) R1R2C*HCH=CH2 (2) (式中、R1及びR2は上述した通りであり、C*は不
斉炭素原子である)で表される光学活性1ーアルケン類
の製造方法を提供する。
【0010】この発明において、出発原料となる式
(1)の化合物のR1とR2とはそれらが共通に接続す
る炭素原子を不斉炭素原子とするために同時に同じ基と
はならないことが必要である。但し、R1とR2とが同
じアルキル基であっても、例えばR1がメチル基でR2
がエチル基の場合には、それらは同じ基でない。
(1)の化合物のR1とR2とはそれらが共通に接続す
る炭素原子を不斉炭素原子とするために同時に同じ基と
はならないことが必要である。但し、R1とR2とが同
じアルキル基であっても、例えばR1がメチル基でR2
がエチル基の場合には、それらは同じ基でない。
【0011】なお、置換もしくは未置換アルキル基の具
体例としては、メチル、エチル等の低級アルキル基が好
ましく挙げられ、これらは不斉還元反応を妨害しない限
りハロゲン、アリールなどの種々の置換基を有していて
もよい。
体例としては、メチル、エチル等の低級アルキル基が好
ましく挙げられ、これらは不斉還元反応を妨害しない限
りハロゲン、アリールなどの種々の置換基を有していて
もよい。
【0012】また、置換もしくは未置換アルケニル基の
具体例としては、アリル、ブテニル、4−メチル−3−
ペンテニル等の低級アルケニル基が好ましく挙げられ、
これらも不斉還元反応を妨害しない限りハロゲン、アリ
ールなどの種々の置換基を有していてもよい。
具体例としては、アリル、ブテニル、4−メチル−3−
ペンテニル等の低級アルケニル基が好ましく挙げられ、
これらも不斉還元反応を妨害しない限りハロゲン、アリ
ールなどの種々の置換基を有していてもよい。
【0013】また、置換もしくは未置換アリール基の具
体例としては、フェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化
水素基や、2−ピリジル、2−フラニル等の複素環基等
が挙げられ、これらも不斉還元反応を妨害しない限りハ
ロゲン、アリールなどの種々の置換基を有していてもよ
い。
体例としては、フェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化
水素基や、2−ピリジル、2−フラニル等の複素環基等
が挙げられ、これらも不斉還元反応を妨害しない限りハ
ロゲン、アリールなどの種々の置換基を有していてもよ
い。
【0014】Xは不斉還元反応条件下で脱離しうる基で
あり、例えばOCOR3,OCO2R4、OCONR5
R6(式中、R3、R4、R5及びR6はそれぞれ水
素、メチル等のアルキル、フェニル等のアリールであ
る)、クロロ、ブロモ、イオド等のハロゲン原子などの
脱離基である。
あり、例えばOCOR3,OCO2R4、OCONR5
R6(式中、R3、R4、R5及びR6はそれぞれ水
素、メチル等のアルキル、フェニル等のアリールであ
る)、クロロ、ブロモ、イオド等のハロゲン原子などの
脱離基である。
【0015】このようなR1、R2及びXのより好まし
い基としては、R1がメチル基、R2が4−メチル−3
−ペンテニル基、Xがアセチルオキシ基が挙げられる。
従って、式(1)の化合物としては、入手容易な以下の
式(3)で表されるゲラニルアセテート及び式(4)で
表されるネリルアセテートが好ましく用いられる。
い基としては、R1がメチル基、R2が4−メチル−3
−ペンテニル基、Xがアセチルオキシ基が挙げられる。
従って、式(1)の化合物としては、入手容易な以下の
式(3)で表されるゲラニルアセテート及び式(4)で
表されるネリルアセテートが好ましく用いられる。
【0016】
【化1】 この発明において使用するパラジウム化合物は、不斉還
元反応の触媒となるものである。そのままで触媒となる
のではなく、後述する光学活性ホスフィン化合物と反応
し、その光学活性ホスフィン化合物を配位子として錯体
を形成し、その錯体が式(1)の置換アリルアルコール
誘導体とπ−アリルパラジウム中間体を形成した後に、
光学活性1−アルケン類を生成すると考えられている。
元反応の触媒となるものである。そのままで触媒となる
のではなく、後述する光学活性ホスフィン化合物と反応
し、その光学活性ホスフィン化合物を配位子として錯体
を形成し、その錯体が式(1)の置換アリルアルコール
誘導体とπ−アリルパラジウム中間体を形成した後に、
光学活性1−アルケン類を生成すると考えられている。
【0017】このようなパラジウム化合物としては種々
のパラジウム化合物が使用でき、例えば、パラジウムア
セチルアセテート、π−アリルパラジウムアセテート、
π−アリルパラジウムクロライド、酢酸パラジウム、炭
酸パラジウム、硝酸パラジウム、塩化パラジウム、ナト
リウムクロロパラデート、ビスベンゾニトリルパラジウ
ムクロライド、ビス(1,5−シクロオクタジエン)パ
ラジウム、π−アリルパラジウム、トリス(ジベンジリ
デンアセトン)二パラジウム−モノクロロホルム付加物
[Pd2(dba)3・CHCl3]などを使用するこ
とができる。
のパラジウム化合物が使用でき、例えば、パラジウムア
セチルアセテート、π−アリルパラジウムアセテート、
π−アリルパラジウムクロライド、酢酸パラジウム、炭
酸パラジウム、硝酸パラジウム、塩化パラジウム、ナト
リウムクロロパラデート、ビスベンゾニトリルパラジウ
ムクロライド、ビス(1,5−シクロオクタジエン)パ
ラジウム、π−アリルパラジウム、トリス(ジベンジリ
デンアセトン)二パラジウム−モノクロロホルム付加物
[Pd2(dba)3・CHCl3]などを使用するこ
とができる。
【0018】なお、パラジウム化合物の使用量は、使用
するパラジウム化合物の種類等により異なるが、通常、
置換アリルアルコール誘導体1モルに対し、好ましくは
0.1〜100ミリモル、より好ましくは1〜10ミリ
モルである。
するパラジウム化合物の種類等により異なるが、通常、
置換アリルアルコール誘導体1モルに対し、好ましくは
0.1〜100ミリモル、より好ましくは1〜10ミリ
モルである。
【0019】この発明において使用する光学活性ホスフ
ィン化合物は、前述したようにパラジウム化合物の配位
子となって、錯体を形成するものである。このような光
学活性ホスフィン化合物としては、(R)−(+)又は
(S)−(−)−2−ジフェニルホスホノ−2−R6O
−1,1´−ビナフチル(式中、R6はメチル等の低級
アルキル、ベンジル、ジフェニルメチル等の置換基であ
る)、(R)−(S)−PPFA[(R)−N,N−ジ
メチル−1−{(S)−2−ジフェニルホスフィノ)フ
ェロセニル}エチルアミン]、(R)−(S)−PPF
OMe[(R)−1−{(S)−2−(ジフェニルホス
フィノ)フェロセニル}エチル メチルエーテル]等の
単座配位性の化合物や、(R)−BINAP[(R)−
2、2´−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1、1´−
ビナフチル、(+)−DIOP[(+)−2,3−O−
イソプロピリデン−2、3−ジヒドロキシ−1,4−ビ
ス(ジフェニルホスフィノブタン、(S,S)−キラホ
ス、(R)−(S)−BPPFA[(R)−N,N−ジ
メチル−{(2S,3S)ビス(ジフェニホスフィノ)
フェロセニル}エチルアミン]等の二座配位性の化合
物、更に、それ以上の多座配位性の光学活性ホスフィン
化合物を使用することができる。中でも、反応速度や還
元位置選択性の点から、(R)−(+)又は(S)−
(−)−2−ジフェニルホスホノ−2−メトキシ−1,
1´−ビナフチル[(R)又は(S)−MeO−MO
P]が好ましい。
ィン化合物は、前述したようにパラジウム化合物の配位
子となって、錯体を形成するものである。このような光
学活性ホスフィン化合物としては、(R)−(+)又は
(S)−(−)−2−ジフェニルホスホノ−2−R6O
−1,1´−ビナフチル(式中、R6はメチル等の低級
アルキル、ベンジル、ジフェニルメチル等の置換基であ
る)、(R)−(S)−PPFA[(R)−N,N−ジ
メチル−1−{(S)−2−ジフェニルホスフィノ)フ
ェロセニル}エチルアミン]、(R)−(S)−PPF
OMe[(R)−1−{(S)−2−(ジフェニルホス
フィノ)フェロセニル}エチル メチルエーテル]等の
単座配位性の化合物や、(R)−BINAP[(R)−
2、2´−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1、1´−
ビナフチル、(+)−DIOP[(+)−2,3−O−
イソプロピリデン−2、3−ジヒドロキシ−1,4−ビ
ス(ジフェニルホスフィノブタン、(S,S)−キラホ
ス、(R)−(S)−BPPFA[(R)−N,N−ジ
メチル−{(2S,3S)ビス(ジフェニホスフィノ)
フェロセニル}エチルアミン]等の二座配位性の化合
物、更に、それ以上の多座配位性の光学活性ホスフィン
化合物を使用することができる。中でも、反応速度や還
元位置選択性の点から、(R)−(+)又は(S)−
(−)−2−ジフェニルホスホノ−2−メトキシ−1,
1´−ビナフチル[(R)又は(S)−MeO−MO
P]が好ましい。
【0020】このような光学活性ホスフィン化合物の使
用量は、その種類等により異なるが、パラジウム化合物
の安定化のために、パラジウム化合物1モルに対し少な
くとも2モル倍以上、好ましくは2〜6モル倍の量を使
用する。これは、光学活性ホスフィン化合物の使用量が
少な過ぎるとパラジウムブラックが析出し、逆に多過ぎ
ると反応速度が遅すぎるからである。
用量は、その種類等により異なるが、パラジウム化合物
の安定化のために、パラジウム化合物1モルに対し少な
くとも2モル倍以上、好ましくは2〜6モル倍の量を使
用する。これは、光学活性ホスフィン化合物の使用量が
少な過ぎるとパラジウムブラックが析出し、逆に多過ぎ
ると反応速度が遅すぎるからである。
【0021】この発明においては、第3級アミンとギ酸
とを用いる。これらは反応系に生成したπ−アリルパラ
ジウム中間体に作用して、脱離基Xの脱離と2結合の移
動とを迅速に進行させるために必要な成分である。
とを用いる。これらは反応系に生成したπ−アリルパラ
ジウム中間体に作用して、脱離基Xの脱離と2結合の移
動とを迅速に進行させるために必要な成分である。
【0022】ギ酸の使用量は出発原料である式(1)の
化合物1モルに対して、等モル以上、好ましくは1〜1
0モル、より好ましくは1.5〜3モルの量で使用す
る。第3級アミンの使用量は、式(1)の化合物1モル
に対して、等モル以上であって、ギ酸1モルに対してそ
れ以下のモル数で用いる。
化合物1モルに対して、等モル以上、好ましくは1〜1
0モル、より好ましくは1.5〜3モルの量で使用す
る。第3級アミンの使用量は、式(1)の化合物1モル
に対して、等モル以上であって、ギ酸1モルに対してそ
れ以下のモル数で用いる。
【0023】なお、第3級アミンとして、塩基性定数
(pKa)が比較的高いものを使用することが反応速度
を早めることから好ましく、例えば、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ
オクチルアミン、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2
−プロパノール、N,N−ジメチル−2−メトキシエチ
ルアミン、N−メチルモルホリン、N,N,N´,N´
−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ピリジン、
N,N−ジメチルアニリンなどを使用することができ
る。
(pKa)が比較的高いものを使用することが反応速度
を早めることから好ましく、例えば、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ
オクチルアミン、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2
−プロパノール、N,N−ジメチル−2−メトキシエチ
ルアミン、N−メチルモルホリン、N,N,N´,N´
−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ピリジン、
N,N−ジメチルアニリンなどを使用することができ
る。
【0024】この発明は、一般にパラジウム化合物と光
学活性ホスフィン化合物とを、好ましくは溶媒中に溶解
させ、次いで反応系を氷冷しながら第3級アミンとギ酸
とを順に添加した後、更に式(1)の化合物を10℃〜
80℃の温度で添加し、応させることにより実施するこ
とができる。
学活性ホスフィン化合物とを、好ましくは溶媒中に溶解
させ、次いで反応系を氷冷しながら第3級アミンとギ酸
とを順に添加した後、更に式(1)の化合物を10℃〜
80℃の温度で添加し、応させることにより実施するこ
とができる。
【0025】この発明において溶媒を使用する場合に
は、不斉還元反応に対して不活性なものを使用する必要
がある。このような溶媒としては、ジエチルエーテル、
ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、
ジオキソラン、エチレングリコールジメチルエーテル、
平均分子量が200〜20000のポリエチレングリコ
ールジメチルエーテル等のエーテル類、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコー
ル類、エチレングリコール、プロピレングリコール等の
グリコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等のケトン類、アセトニトリル、ベン
ゾニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、アセト
アミド、プロピオンアミド、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジ
メチルスルホキシド等のスルホキシド類、、スルホラ
ン、メチルスルホラン等のスルホラン類、ヘキサメチル
ホスホンアミド等のリン酸アミド類、酢酸メチル、酢酸
エチル、安息香酸メチル、エチレンカーボネート等のエ
ステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン等の芳香族炭化水素、ブテン、ブタン、ヘキサン、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の環式又は非
環式脂肪族炭化水素、これらの任意の混合物などが使用
できる。
は、不斉還元反応に対して不活性なものを使用する必要
がある。このような溶媒としては、ジエチルエーテル、
ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、
ジオキソラン、エチレングリコールジメチルエーテル、
平均分子量が200〜20000のポリエチレングリコ
ールジメチルエーテル等のエーテル類、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコー
ル類、エチレングリコール、プロピレングリコール等の
グリコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等のケトン類、アセトニトリル、ベン
ゾニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、アセト
アミド、プロピオンアミド、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジ
メチルスルホキシド等のスルホキシド類、、スルホラ
ン、メチルスルホラン等のスルホラン類、ヘキサメチル
ホスホンアミド等のリン酸アミド類、酢酸メチル、酢酸
エチル、安息香酸メチル、エチレンカーボネート等のエ
ステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン等の芳香族炭化水素、ブテン、ブタン、ヘキサン、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の環式又は非
環式脂肪族炭化水素、これらの任意の混合物などが使用
できる。
【0026】なお、この発明の実施の際には、窒素、ア
ルゴン等の不活性ガスで反応系の雰囲気を置換すること
が好ましい。
ルゴン等の不活性ガスで反応系の雰囲気を置換すること
が好ましい。
【0027】この発明の実施の結果得られる反応生成物
の分離精製は、常法により行うことができる。例えば、
反応液にペンタン等の抽出溶媒と水とを加えて抽出操作
を行った後に、有機層を分離する。ついで有機層を10
%塩酸水溶液で1乃至2回洗浄し、飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥する。乾燥後、溶媒を除去することにより粗生
成物を得ることができる。これを通常の精製手段、例え
ば再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの手段で精製
することにより光学活性1−アルカン類を得ることがで
きる。
の分離精製は、常法により行うことができる。例えば、
反応液にペンタン等の抽出溶媒と水とを加えて抽出操作
を行った後に、有機層を分離する。ついで有機層を10
%塩酸水溶液で1乃至2回洗浄し、飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥する。乾燥後、溶媒を除去することにより粗生
成物を得ることができる。これを通常の精製手段、例え
ば再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの手段で精製
することにより光学活性1−アルカン類を得ることがで
きる。
【0028】次ぎに、この発明を実施した場合に得られ
る光学活性1−アルカン類の不斉炭素の立体配置につい
て、出発原料である式(1)の化合物としてゲラニルア
セテート(3)とネリルアセテート(4)とを用い、パ
ラジウム化合物として[Pd2(dba)3・CHCl
3]、光学活性ホスフィン化合物として(R)又は
(S)−MeO−MOP、第3級アミンとしてトリエチ
ルアミン、そしてギ酸を使用した場合を例にとり説明す
る。
る光学活性1−アルカン類の不斉炭素の立体配置につい
て、出発原料である式(1)の化合物としてゲラニルア
セテート(3)とネリルアセテート(4)とを用い、パ
ラジウム化合物として[Pd2(dba)3・CHCl
3]、光学活性ホスフィン化合物として(R)又は
(S)−MeO−MOP、第3級アミンとしてトリエチ
ルアミン、そしてギ酸を使用した場合を例にとり説明す
る。
【0029】ゲラニルアセテート(3)とネリルアセテ
ート(4)とからの生成物は、以下に示すようにともに
3,7−ジメチル−1,6−オクタジエンである。
ート(4)とからの生成物は、以下に示すようにともに
3,7−ジメチル−1,6−オクタジエンである。
【0030】
【化2】 しかしながら、光学活性ホスフィン化合物が(R)配置
の場合、ゲラニルアセテートからは、3位の絶対配置が
(S)配置の生成物(5)が得られ、一方ネリルアセテ
ートからは、(R)配置の生成物(6)が得られる。
の場合、ゲラニルアセテートからは、3位の絶対配置が
(S)配置の生成物(5)が得られ、一方ネリルアセテ
ートからは、(R)配置の生成物(6)が得られる。
【0031】逆に、光学活性ホスフィン化合物が(S)
配置の場合、ゲラニルアセテートからは、3位の絶対配
置が(R)配置の生成物(6)が得られ、一方ネリルア
セテートからは、3位の絶対配置が(S)配置の生成物
(5)が得られる。このように、この発明において適切
に出発物質と反応試薬を選択すれば、所望の立体配置を
有する光学活性1−アルケン類を製造できる。
配置の場合、ゲラニルアセテートからは、3位の絶対配
置が(R)配置の生成物(6)が得られ、一方ネリルア
セテートからは、3位の絶対配置が(S)配置の生成物
(5)が得られる。このように、この発明において適切
に出発物質と反応試薬を選択すれば、所望の立体配置を
有する光学活性1−アルケン類を製造できる。
【0032】
【作用】この発明によれば、末端に脱離基を有する置換
アリルアルコール誘導体に、光学活性ホスフィン化合物
を配位子として有するパラジウム錯体の存在下で、第3
級アミンとギ酸とを反応させるので、脱離基を脱離さ
せ、2重結合を末端に移動させ、更に3位の炭素原子を
不斉炭素とすることが可能となる。
アリルアルコール誘導体に、光学活性ホスフィン化合物
を配位子として有するパラジウム錯体の存在下で、第3
級アミンとギ酸とを反応させるので、脱離基を脱離さ
せ、2重結合を末端に移動させ、更に3位の炭素原子を
不斉炭素とすることが可能となる。
【0033】
【実施例】この発明を以下の実施例により更に詳細に説
明する。
明する。
【0034】実施例1 パラジウム化合物として2.6mg(0.0025mm
ol)のPd2(dba)3・CHCl3及び、光学活
性ホスフィン化合物として5.1mg(0.011mm
ol)の(S)−MeO−MOPをガラス製シュレンク
管に入れ窒素置換し、更に乾燥THF0.5mlを加え
て溶解させた。
ol)のPd2(dba)3・CHCl3及び、光学活
性ホスフィン化合物として5.1mg(0.011mm
ol)の(S)−MeO−MOPをガラス製シュレンク
管に入れ窒素置換し、更に乾燥THF0.5mlを加え
て溶解させた。
【0035】次ぎにシュレンク管を氷冷しながら、その
中に61mg(0.60mmol)のトリエチルアミン
と50mg(1.1mmol)のギ酸とを順に添加し
た。続いて同温度で98.4mg(0.50mmol)
のゲラニルアセテートを添加し、40℃の恒温槽中で4
時間反応させた。
中に61mg(0.60mmol)のトリエチルアミン
と50mg(1.1mmol)のギ酸とを順に添加し
た。続いて同温度で98.4mg(0.50mmol)
のゲラニルアセテートを添加し、40℃の恒温槽中で4
時間反応させた。
【0036】ガスクロマトグラフィーでゲラニルアセテ
ートの消失を確認した後に、反応液に2mlの水と20
mlのペンタンとを加え反応生成物を抽出した。有機層
を分離し、10%塩酸水溶液2mlで2回洗浄し、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、更に飽和食塩水で1
回洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。
ートの消失を確認した後に、反応液に2mlの水と20
mlのペンタンとを加え反応生成物を抽出した。有機層
を分離し、10%塩酸水溶液2mlで2回洗浄し、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、更に飽和食塩水で1
回洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。
【0037】乾燥した後、溶媒を減圧除去し、残渣をシ
リカゲルのカラムクロマトグラフィーで展開溶媒として
ペンタンを使用して精製した。その結果、64.5mg
(0.47mmol、収率94%)の(R)−3,7−
ジメチル−1,6−オクタジエンが得られた。この生成
物の旋光度は[α]D 20−4.2°(c 1.1,C
HCl3)。
リカゲルのカラムクロマトグラフィーで展開溶媒として
ペンタンを使用して精製した。その結果、64.5mg
(0.47mmol、収率94%)の(R)−3,7−
ジメチル−1,6−オクタジエンが得られた。この生成
物の旋光度は[α]D 20−4.2°(c 1.1,C
HCl3)。
【0038】この生成物の光学純度は以下に示すよう
に、酸化し、続いてアニリンと反応させてジアニリドに
することにより評価した。
に、酸化し、続いてアニリンと反応させてジアニリドに
することにより評価した。
【0039】
【化3】 即ち、64.5mg(0.47mmol)の(R)−
3,7−ジメチル−1,6−オクタジエンと10mlの
t−ブチルアルコールとをフラスコに入れ、更に、39
0mg(2,8mmol)の炭酸カリウムの水溶液6m
l、続いて6mlの水に溶解したメタ過ヨウ素ナトリウ
ム1.5g(7.1mmol)と過マンガン酸カリウム
186mg(1.2mmol)とを添加した。
3,7−ジメチル−1,6−オクタジエンと10mlの
t−ブチルアルコールとをフラスコに入れ、更に、39
0mg(2,8mmol)の炭酸カリウムの水溶液6m
l、続いて6mlの水に溶解したメタ過ヨウ素ナトリウ
ム1.5g(7.1mmol)と過マンガン酸カリウム
186mg(1.2mmol)とを添加した。
【0040】この反応液のpHを3N−NaOH水溶液
でほぼ8とし、そのまま約12時間撹拌した。反応終了
後、濃塩酸で反応液のpHをほぼ1に調整した後、氷冷
下で反応液の色調が赤褐色から黄色に変化するまで亜硫
酸ナトリウムを徐々に添加した後、反応物をエーテルで
抽出した。有機層から目的の式(7)のジカルボン酸を
1N−NaOH水溶液で2回抽出した。この水層に濃塩
酸を加えてpHをほぼ1に調整した後に、再度エーテル
で抽出した。エーテル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥
した。
でほぼ8とし、そのまま約12時間撹拌した。反応終了
後、濃塩酸で反応液のpHをほぼ1に調整した後、氷冷
下で反応液の色調が赤褐色から黄色に変化するまで亜硫
酸ナトリウムを徐々に添加した後、反応物をエーテルで
抽出した。有機層から目的の式(7)のジカルボン酸を
1N−NaOH水溶液で2回抽出した。この水層に濃塩
酸を加えてpHをほぼ1に調整した後に、再度エーテル
で抽出した。エーテル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥
した。
【0041】乾燥した後、溶媒を減圧留去し、残渣を9
mlのベンゼンに溶解してフラスコに移した。ここにア
ニリン0.89g(9.4mmol)と0,30g
(1.4mmol)のN,N´−ジシクロヘキシルカル
ボジアミドとを添加した。この混合物を室温で2時間撹
拌した後、濃塩酸を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層
を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
mlのベンゼンに溶解してフラスコに移した。ここにア
ニリン0.89g(9.4mmol)と0,30g
(1.4mmol)のN,N´−ジシクロヘキシルカル
ボジアミドとを添加した。この混合物を室温で2時間撹
拌した後、濃塩酸を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層
を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
【0042】乾燥後、溶媒を留去し、得られた残渣をシ
リカゲルのカラムクロマトグラフィーで展開溶媒として
ヘキサン/酢酸エチル(1/3)の混合溶媒を用いて精
製した。その結果、56mg(0.19mmol、収率
40%)の式(8)N,N´−ジフェニル−2−メチル
−1,5−ペンタン二酸二アミドが得られた。
リカゲルのカラムクロマトグラフィーで展開溶媒として
ヘキサン/酢酸エチル(1/3)の混合溶媒を用いて精
製した。その結果、56mg(0.19mmol、収率
40%)の式(8)N,N´−ジフェニル−2−メチル
−1,5−ペンタン二酸二アミドが得られた。
【0043】このジアミドの光学純度を、展開溶媒とし
てヘキサン/1,2−ジクロロエタン/エタノール(5
0/15/1)の混合溶媒を用いたHLPC(紫外線検
出波長254nm、カラムとしてSumichiral
OA−4100(住友化学株式会社製)を使用)によ
り決定したところ、55%eeであった。
てヘキサン/1,2−ジクロロエタン/エタノール(5
0/15/1)の混合溶媒を用いたHLPC(紫外線検
出波長254nm、カラムとしてSumichiral
OA−4100(住友化学株式会社製)を使用)によ
り決定したところ、55%eeであった。
【0044】実施例2 パラジウム化合物として2.6mg(0.0025mm
ol)のPd2(dba)3・CHCl3及び、光学活
性ホスフィン化合物として5.0mg(0.011mm
ol)の(S)−MeO−MOPをガラス製シュレンク
管に入れ窒素置換し、更に乾燥ジオキサン0.5mlを
加えて溶解させた。
ol)のPd2(dba)3・CHCl3及び、光学活
性ホスフィン化合物として5.0mg(0.011mm
ol)の(S)−MeO−MOPをガラス製シュレンク
管に入れ窒素置換し、更に乾燥ジオキサン0.5mlを
加えて溶解させた。
【0045】次ぎにシュレンク管を氷冷しながら、その
中に61mg(0.60mmol)のトリエチルアミン
と47mg(1.0mmol)のギ酸とを順に添加し
た。続いて同温度で98.6mg(0.50mmol)
のゲラニルアセテートを添加し、20℃の恒温槽中で1
40時間反応させた。
中に61mg(0.60mmol)のトリエチルアミン
と47mg(1.0mmol)のギ酸とを順に添加し
た。続いて同温度で98.6mg(0.50mmol)
のゲラニルアセテートを添加し、20℃の恒温槽中で1
40時間反応させた。
【0046】ガスクロマトグラフィーでゲラニルアセテ
ートの消失を確認した後に、反応液に2mlの水と20
mlのペンタンとを加え反応生成物を抽出した。有機層
を分離し、10%塩酸水溶液2mlで2回洗浄し、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、更に飽和食塩水で1
回洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。
ートの消失を確認した後に、反応液に2mlの水と20
mlのペンタンとを加え反応生成物を抽出した。有機層
を分離し、10%塩酸水溶液2mlで2回洗浄し、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、更に飽和食塩水で1
回洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。
【0047】乾燥した後、溶媒を減圧除去し、残渣をシ
リカゲルのカラムクロマトグラフィーで展開溶媒として
ペンタンを使用して精製した。その結果、42.1mg
(0.30mmol、収率60%)の(S)−3,7−
ジメチル−1,6−オクタジエンが得られた。この生成
物の光学純度を実施例1と同様に決定したところ、70
%eeであった。
リカゲルのカラムクロマトグラフィーで展開溶媒として
ペンタンを使用して精製した。その結果、42.1mg
(0.30mmol、収率60%)の(S)−3,7−
ジメチル−1,6−オクタジエンが得られた。この生成
物の光学純度を実施例1と同様に決定したところ、70
%eeであった。
【0048】実施例3 パラジウム化合物として2.5mg(0.0024mm
ol)のPd2(dba)3・CHCl3及び、光学活
性ホスフィン化合物として4.9mg(0.010mm
ol)の(S)−MeO−MOPをガラス製シュレンク
管に入れ窒素置換し、更に乾燥ジオキサン0.5mlを
加えて溶解させた。
ol)のPd2(dba)3・CHCl3及び、光学活
性ホスフィン化合物として4.9mg(0.010mm
ol)の(S)−MeO−MOPをガラス製シュレンク
管に入れ窒素置換し、更に乾燥ジオキサン0.5mlを
加えて溶解させた。
【0049】次ぎにシュレンク管を氷冷しながら、その
中に61mg(0.60mmol)のトリエチルアミン
と52mg(1.1mmol)のギ酸とを順に添加し
た。続いて同温度で94.5mg(0.48mmol)
のネリルアセテートを添加し、20℃の恒温槽中で11
9時間反応させた。
中に61mg(0.60mmol)のトリエチルアミン
と52mg(1.1mmol)のギ酸とを順に添加し
た。続いて同温度で94.5mg(0.48mmol)
のネリルアセテートを添加し、20℃の恒温槽中で11
9時間反応させた。
【0050】ガスクロマトグラフィーでゲラニルアセテ
ートの消失を確認した後に、反応液に2mlの水と20
mlのペンタンとを加え反応生成物を抽出した。有機層
を分離し、10%塩酸水溶液2mlで2回洗浄し、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、更に飽和食塩水で1
回洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。
ートの消失を確認した後に、反応液に2mlの水と20
mlのペンタンとを加え反応生成物を抽出した。有機層
を分離し、10%塩酸水溶液2mlで2回洗浄し、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、更に飽和食塩水で1
回洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。
【0051】乾燥した後、溶媒を減圧除去し、残渣をシ
リカゲルのカラムクロマトグラフィーで展開溶媒として
ペンタンを使用して精製した。その結果、27.0mg
(0.20mmol、収率42%)の(R)−3,7−
ジメチル−1,6−オクタジエンが得られた。この生成
物の光学純度を実施例1と同様に決定したところ、63
%eeであった。
リカゲルのカラムクロマトグラフィーで展開溶媒として
ペンタンを使用して精製した。その結果、27.0mg
(0.20mmol、収率42%)の(R)−3,7−
ジメチル−1,6−オクタジエンが得られた。この生成
物の光学純度を実施例1と同様に決定したところ、63
%eeであった。
【0052】
【発明の効果】この発明によれば、末端の2重結合に隣
接する炭素原子が不斉炭素原子である1−アルケン類、
特に光学活性な3,7−ジメチル−1,6−オクタジエ
ンを簡便に得ることができる。
接する炭素原子が不斉炭素原子である1−アルケン類、
特に光学活性な3,7−ジメチル−1,6−オクタジエ
ンを簡便に得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 11/02 8619−4H // C07B 61/00 300
Claims (3)
- 【請求項1】 式(1) R1R2C=CHCH2X (1) (式中、R1及びR2は独立的に置換もしくは未置換ア
ルキル基、置換もしくは未置換アルケニル基又は置換も
しくは未置換アリール基であるが、R1とR2とは同一
ではなく、そしてXは脱離基である)で表される化合物
を、パラジウム化合物、光学活性ホスフィン化合物、第
3級アミン及びギ酸の存在下で不斉還元することを特徴
とする式(2) R1R2C*HCH=CH2 (2) (式中、R1及びR2は上述した通りであり、C*は不
斉炭素原子である)で表される光学活性1ーアルケン類
の製造方法。 - 【請求項2】 (1)の化合物において、R1がメチル
であり、R2が4−メチル−3−ペンテニルであり、X
がアセトキシである請求項1記載の光学活性1ーアルケ
ン類の製造方法。 - 【請求項3】 光学活性ホスフィン化合物が(S)−
(−)又は(R)−(+)−2−ジフェニルホスフィノ
−2´−メトキシ−1,1´−ビナフチルである請求項
1記載の光学活性1ーアルケン類の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04076311A JP3120409B2 (ja) | 1992-02-27 | 1992-02-27 | 光学活性1ーアルケン類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04076311A JP3120409B2 (ja) | 1992-02-27 | 1992-02-27 | 光学活性1ーアルケン類の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05238964A true JPH05238964A (ja) | 1993-09-17 |
JP3120409B2 JP3120409B2 (ja) | 2000-12-25 |
Family
ID=13601827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04076311A Expired - Fee Related JP3120409B2 (ja) | 1992-02-27 | 1992-02-27 | 光学活性1ーアルケン類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3120409B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013172389A1 (ja) * | 2012-05-17 | 2013-11-21 | 株式会社クラレ | オクタジエンの製造方法 |
-
1992
- 1992-02-27 JP JP04076311A patent/JP3120409B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013172389A1 (ja) * | 2012-05-17 | 2013-11-21 | 株式会社クラレ | オクタジエンの製造方法 |
CN104302603A (zh) * | 2012-05-17 | 2015-01-21 | 株式会社可乐丽 | 辛二烯的制造方法 |
JPWO2013172389A1 (ja) * | 2012-05-17 | 2016-01-12 | 株式会社クラレ | オクタジエンの製造方法 |
US9637421B2 (en) | 2012-05-17 | 2017-05-02 | Kuraray Co., Ltd. | Method for producing octadiene |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3120409B2 (ja) | 2000-12-25 |
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