JP2762643B2 - 4―ヒドロキシシクロペンテノン誘導体の製造方法 - Google Patents

4―ヒドロキシシクロペンテノン誘導体の製造方法

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JP2762643B2 JP33315689A JP33315689A JP2762643B2 JP 2762643 B2 JP2762643 B2 JP 2762643B2 JP 33315689 A JP33315689 A JP 33315689A JP 33315689 A JP33315689 A JP 33315689A JP 2762643 B2 JP2762643 B2 JP 2762643B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、医薬、例えばプロスタグランジン中間体と
して有用な4−ヒドロキシシクロペンテノン誘導体の製
造方法に関する。
〈従来の技術〉 一般式(I) (式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表わし、nは
4〜8の整数を表わす。) で示される4−ヒドロキシシクロペンテノン誘導体は、
一般式(IV) (式中、Rおよびnは前記と同じ意味を表わす。)で示
されるヒドロキシシクロペンテノン類を、 硫酸または過塩素酸のような強酸の存在下、水と混和
し得る不活性非ヒドロキシル性有機溶媒と水との混合物
中で処理する方法(特開昭53−127462号公報) 塩基性アルミナで処理する方法〔TetrahedronLetter
s,13,1131〜1134(1977)〕 などが知られている。
しかし、これらの公知方法はいずれも反応試剤を反応
基質に対して大量に必要とし、さらにでは塩基性アル
ミナを使用する等反応処理の点から工業的に有利でな
く、では収率の面で満足できるものではなかった。
〈発明が解決しようとする課題〉 本発明の目的はかかる問題点を解決し、工業的有利な
好収率の一般式(I)で示される4−ヒドロキシシクロ
ペンテノン誘導体の製造方法を提供することにある。
〈課題を解決するための手段〉 すなわち、本発明は、一般式(II) (式中、Rおよびnは前記と同じ意味を表わし、R1は炭
素数1〜4のアルキル基を表わす。)で示される2−シ
クロペンテノン誘導体を、一般式(III) R−OH (III) (式中、Rは前記と同じ意味を表わす。) で示されるアルコールおよび酸触媒の存在下に、加水分
解またはエステル交換することを特徴とする前記一般式
(I)で示される4−ヒドロキシシクロペンテノン誘導
体の製造方法に関するものである。
以下本発明について詳細に説明する。
上記反応において使用されるアルコール(III)とし
ては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イ
ソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t
−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、
ヘキサノール等の直鎖もしくは分岐状の脂肪族アルコー
ルが例示される。その使用量は、2−シクロペンテノン
誘導体(II)に対して通常0.5〜10重量倍である。もち
ろん、10重量倍を越える量でも使用可能である。0.5重
量倍未満の場合には、両方のエステル基が加水分解され
た4−ヒドロキシ−2−カルボキシアルキル−2−シク
ロペンテノン誘導体が副生し、収率上も好ましくない。
この反応で用いられる酸触媒としては、塩酸、硝酸、
リン酸、ポリリン酸、硫酸、臭化水素酸、トルエンスル
ホン酸、メタンスルホン酸等の通常の無機酸、有機酸が
例示される。
これら酸触媒の使用形態はさまざまな形が採用され、
水溶液として、あるいは濃硫酸、塩化水素ガス、トルエ
ンスルホン酸等の無水に近い状態でも使用されるが、通
常は水溶液として使用される。
水溶液の場合、その酸濃度としては、通常10%以上、
好ましくは15%以上である。上限については酸触媒の種
類、つまり水への飽和量によって限定される。すなわち
塩酸では35〜37%程度、臭化水素水では46〜47%、リン
酸、硝酸では60〜70%、硫酸では98%まで可能である。
ただし硫酸の場合、通常、水溶液の使用では、収率、副
生成物の生成等の理由により80%以下とすることが望ま
しい。
濃度10%未満の酸触媒使用の場合には、原料(II)に
対して、多量の酸触媒を必要とし、反応速度を高めるた
め反応温度をあげる必要があり、それに伴い、反応収率
の低下、前述した4−ヒドロキシ−2−カルボキシアル
キル−2−シクロペンテノン誘導体副生量の増加が認め
られる。
また、濃度80%を越える硫酸を使用する場合には副生
物、収率の面で好結果を得るために、使用する酸触媒に
ついては、できるだけ少量で、かつ低温で反応を行うの
が望ましい。
上記酸触媒の使用量は2−シクロペンテノン誘導体
(II)に対して通常、0.05〜3重量倍であり、使用する
酸触媒の濃度に応じ、適宜設定される。
反応温度は通常−10℃〜80℃、好ましくは0℃〜60℃
の範囲である。80℃を越える高温での反応は、収率の低
下および前記副生物の増加をきたすので好ましくない。
反応時間は、長時間での反応は収率の低下、副生成物
の増加の観点より好ましくなく、通常は12時間以内であ
る。
この反応においては有機溶媒を使用することができ
る。例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセト
ン、ベンゼン、トルエン、ジメチルスルホキシド、ジメ
チルホルムアミド、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジク
ロルメタン、クロロホルム等の脂肪族もしくは芳香族炭
化水素、エーテル、ケトン、ハロゲン化炭化水素などの
反応に不活性な溶媒を単独または混合して用いることが
できる。
好ましい溶媒としては、先に例示した酸触媒と均一に
混合できるもの、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、アセトン、ジメチルホルムアミド等の水溶性有機溶
媒をあげることができ、さらに、アルコール(III)を
溶媒として使用することもできる。アルコール(III)
のみ使用した場合には、後処理後の溶媒の精製、分離が
容易であり、従って、反応形態としては2−シクロペン
テノン誘導体(II)−アルコール(III)−酸触媒のみ
で実施する方がより好ましい。
この反応は光学活性な2−シクロペンテノン誘導体に
も適用することができ、同様の反応条件で光学活性を保
持した対応する4−ヒドロキシシクロペンテノン誘導体
(I)が得られる。
反応終了後、反応液を氷水中にあけ、抽出あるいは中
和、溶媒留去、抽出、濃縮等の通常の後処理により、目
的とする一般式(I)で示される4−ヒドロキシシクロ
ペンテノン誘導体が高純度、高収率で得られる。これら
は必要により、蒸留、カラムクロマトグラフィー等で精
製することもできる。
この反応の原料である2−シクロペンテノン誘導体
(II)は、一般式(IV)および(V) (式中、Rおよびnは前記と同じ意味を表わす。)で示
されるヒドロキシシクロペンテノン類の混合物と、一般
式(VI) R1COOH (VI) (式中、R1は前記と同じ意味を表わす。) で示される脂肪族カルボン酸、その酸無水物およびその
金属塩とを反応させて、アシル化反応と転位反応を同時
的に行わせしめることにより製造することができる。
この反応において使用される脂肪族カルボン酸とは、
酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸等の炭素数5以下の
低級脂肪族カルボン酸であり、その金属塩としてはこれ
ら脂肪族カルボン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリ
ウム塩、カルシウム塩、銅塩、亜鉛塩、パラジウム塩、
鉛塩、スズ塩、マンガン塩、コバルト塩等が例示され
る。
この反応において、原料ヒドロキシシクロペンテノン
類の混合物に対する脂肪族カルボン酸の使用量は特に制
限されないが、通常1当量倍以上であり、金属塩の使用
量は通常0.01〜5当量倍、好ましくは0.01〜0.5当量倍
である。また、上記脂肪族カルボン酸の酸無水物の使用
量は原料ヒドロキシシクロペンテノン類の混合物中の一
般式(V)で示される4−ヒドロキシ−2−シクロペン
テノン誘導体に対して1当量倍以上である。
この反応において、上記脂肪族カルボン酸、その金属
塩およびその酸無水物の三成分を使用することは非常に
重要であって、その何れの成分を欠除しても有効な方法
とはなり得ない。たとえば酸無水物を用いない場合には
反応生成物が2−シクロペンテノン誘導体(II)と4−
ヒドロキシ−2−シクロペンテノン誘導体(V)との混
合物となり、しかも収率も低くなる。
この反応に於いて溶媒を使用する場合、その溶媒は、
たとえばテトラヒドロフラン、エチルエーテル、アセト
ン、メチルエチルケトン、トルエン、ベンゼン、クロル
ベンゼン、ジクロルメタン、ジクロルエタン、クロロホ
ルム、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、ヘキサン等の脂肪族もしくは芳香族炭化水
素、エーテル、ハロゲン化炭化水素等の反応に不活性な
溶媒を単独または混合して使用することができ、その使
用量については特に制限されない。また、脂肪族カルボ
ン酸(VI)を溶媒として使用することもできる。
反応温度は0〜150℃であり、好ましくは30〜140℃の
範囲である。
反応時間は、通常0.5〜10時間である。反応時間が長
くなると、生成した一般式(II)で示される2−シクロ
ペンテノン誘導体が一部分解されるため、不必要な時間
延長は好ましくない。
反応方法としては、たとえば 一般式(IV)および(V)で示されるヒドロキシシク
ロペンテノン類の混合物、脂肪族カルボン酸(VI)、そ
の酸無水物およびその金属塩を同時に反応容器に仕込
み、反応させる方法 一般式(IV)および(V)で示されるヒドロキシシク
ロペンテノン類の混合物に脂肪族カルボン酸(VI)およ
びその酸無水物を加えて反応させ、一定時間(通常0.1
〜5時間であるが、特に限定されるものではない)後、
脂肪則カルボン酸の金属塩を加えて更に反応させる方法 などが例示される。
反応終了後、例えば溶媒留去、抽出、洗浄、濃縮等の
通常の操作により、一般式(II)で示される2−シクロ
ペンテノン誘導体が容易に、かつ好収率で得られ、必要
により更にカラムクロマトグラフィー等で精製すること
もできるが、次工程へは反応混合物のまま使用すること
ができる。
また、この反応における原料化合物である一般式(I
V)および(V)で示されるヒドロキシシクロペンテノ
ン類の混合物は、一般式(VII) (式中、Rおよびnは前記と同じ意味を表わす。)で示
されるフランカルビノール化合物を、水を主とする溶媒
中、反応液のpHを3.5〜6に維持しながら、触媒の存在
もしくは非存在下に転位させることにより製造すること
ができる。
この反応において用いられる溶媒は水を主溶媒とする
ものであり、通常水単独で用いられるが、必要により水
に他の有機溶媒が少量混入した水を主溶媒とする混合溶
媒も用いることができる。
他の有機溶媒としては、たとえばエチレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、メタノール、エタノー
ル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、DMF、DMSO、酢
酸エチル、酢酸、ジクロルメタン、トルエン、ジメチル
エーテル等の脂肪族もしくは芳香族炭化水素、アルコー
ル、脂肪酸、エーテル、エステル、ハロゲン化炭化水素
等の反応に不活性な溶媒があげられる。
この反応において反応速度および反応率の向上を目的
として触媒を使用することもできる。その触媒としては
例えば各種金属塩、有機第4級アンモニウム塩、界面活
性剤、アルコール等があげられる。
各種金属塩としては、例えばナトリウム、カリウム、
マグネシウム、亜鉛、鉄、カルシウム、マンガン、コバ
ルト、アルミニウム等のリン酸塩、硫酸塩、塩化物、臭
化物、酸化物、有機脂肪酸塩、有機スルホン酸塩等があ
げられ、有機第4級アンモニウム塩の例としては、テト
ラブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルア
ンモニウムクロリド、トリカプリルメチルアンモニウム
クロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、
カプリルベンジルメチルアンモニウムクロリド等があげ
られ、界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、ポリオキシ
エチレンアルキルフェノールエーテル、高級脂肪族アル
コール等があげられ、アルコールとしては先に溶媒とし
て例示したメタノール、エタノール、エチレングリコー
ルなどが触媒としても使用され、これらは単独または混
合物として使用される。
触媒を用いる場合、その使用量は特に限定されない
が、通常フランカルビノール化合物(VII)に対して0.0
05〜5重量倍の範囲である。
ここで用いた触媒は、反応終了後、回収して再使用す
ることができる。
反応pHは3.5〜6の範囲が好ましく、更に好ましくは
3.5〜5.5の範囲である。
かかるpHを維持するために使用される酸としては、た
とえば塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、酢酸、プロピオン
酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の通常の
無機酸、有機酸があげられ、アルカリとしては、たとえ
ば苛性ソーダ、炭酸カリ、炭酸水素ナトリウム、リン酸
1水素カリ、有機アミン類等の通常の無機塩基、有機塩
基があげられる。また、上記酸−塩基の組合せによる緩
衝溶液があげられ、例えばリン酸1水素カリ−リン酸、
酢酸ソーダ−酢酸、酢酸ソーダ−リン酸、フタル酸−炭
酸カリ、リン酸1水素カリ−塩酸、リン酸2水素カリ−
炭酸水素カリ、コハク酸−炭酸水素ナトリウム等が例示
される。一般には、pH調整用に使用する酸あるいはアル
カリは、リン酸、ホウ酸、酢酸、プロピオン酸等の酸
や、酢酸ソーダ、炭酸カリ、炭酸水素ナトリウム、リン
酸1水素カリ等のアルカリが好ましい。
反応温度は0〜200℃で任意であるが、好ましくは20
〜160℃である。
このようにして得られた反応混合物から、抽出、分
液、濃縮、蒸留等の操作により、一般式(IV)および
(V)で示されるヒドロキシシクロペンテノン類の混合
物が収率よく得られ、この混合物はそのまま次工程の反
応に供することができる。
この反応において、原料として用いられる一般式(VI
I)で示されるフランカルビノール化合物は、たとえば フランを原料としてフリーデルークラフト反応、還元
反応により合成する方法 フランとアルデヒド類とを塩基性触媒の存在下に反応
させる方法 などの方法により製造することができる。
〈発明の効果〉 かくして、本発明の方法により一般式(II)で示され
る2−シクロペンテノン誘導体から目的とする一般式
(I)で示される4−ヒドロキシシクロペンテノン誘導
体を工業的有利に製造することができ、また、一般式
(VII)で示されるフランカルビノール化合物から一般
式(IV)および(V)で示されるヒドロキシシクロペン
テノン類の混合物を得る反応、さらに一般式(IV)およ
び(V)の混合物から一般式(II)で示される2−シク
ロペンテノン類を得る反応と、前記した一般式(II)の
化合物から一般式(I)で示されるヒドロキシシクロペ
ンテノン誘導体を得る反応工程を結合することにより、
フランカルビノール化合物から4−ヒドロキシシクロペ
ンテノン誘導体を工業的有利に製造することができる。
また、本発明の方法は光学活性な2−シクロペンテノ
ン誘導体(II)にも同様に利用することができ、かかる
光学活性な2−シクロペンテノン誘導体は、特開昭63−
109797号公報に記されるように、酵素による不斉加水分
解により加水分解残として回収されてくるが、このよう
な副生成物の再利用という意味からも極めて重要な技術
である。
〈実施例〉 以下、実施例により本発明を説明する。
実施例1 撹拌装置、温度計を備えた四ツ口フラスコに2−(1
−ヒドロキシ−7−メトキシカルボニルヘプチル)−フ
ラン(VII−1)114g、4560gの水と3.8gのリン酸1水素
カリとリン酸にてpH4.2に調整した緩衝水溶液を仕込
み、窒素気流下に100℃にて原料がなくなるまで撹拌を
続けた。反応終了後、反応混合物を冷却し、メチルイソ
ブチルケトン600mlにて2回抽出、分液し、得られた有
機層からメチルイソブチルケトンを留去して、3−ヒド
ロキシ−2−(6−メトキシカルボニルヘキシル)−4
−シクロペンテノン(IV−1)および4−ヒドロキシ−
2−(6−メトキシカルボニルヘキシル)−2−シクロ
ペンテノン(V−1)を混合物として92g得た(収率80.
7%)。
上記混合物36.0gに酢酸51.0g、無水酢酸15.5gおよび
酢酸ナトリウム0.87gを加え、120℃にて4時間加熱し
た。反応液をガスクロマトグラフィーにてチェックし、
反応液中(IV−1)および(V−1)が検出されないこ
とを確認して反応を終了した。反応液を減圧下に濃縮
し、濃縮残渣にトルエン200mlおよび水100mlを加え、分
液した有機層を得た。有機層を3%重ソウ水にて洗浄
後、さらに水洗した。得られた有機層を無水硫酸マグネ
シウムにて乾燥後、濃縮して4−アセトキシ−2−(6
−メトキシカルボニルヘキシル)−2−シクロペンテノ
ン39.3g(II−1)(収率93%)を得た。
bp.180〜185℃/0.6mmHg 次に、上で得た(II−1)7.06g、メタノール21.3gお
よび35%塩酸水1.4gを加え40〜45℃にて4時間反応し
た。反応終了後、反応液を10℃以下に冷却し、10%苛性
ソーダ水にてpHを4.0に調整し、次にメタノールを留去
した。残渣をメチルイソブチルケトン40mlにて抽出し、
有機層を水洗した。有機層を減圧にて濃縮し、目的とす
る4−ヒドロキシ−2−(6−メトキシカルボニルヘキ
シル)−2−シクロペンテノン5.83g(収率97%)を得
た。上記目的物中の4−ヒドロキシ−2−(6−カルボ
キシヘキシル)2−シクロペンテノンの含量は0.6%で
あった。
実施例2 実施例1で用いたと同様のフラスコに2−(1−ヒド
ロキシ−7−エトキシカルボニルヘプチル)フラン(VI
I−2)18gおよび水720gを仕込み、反応系のpHをリン酸
1水素カリとリン酸にて4.2〜4.5に調整しながら100℃
にて原料がなくなるまで撹拌を続けた。以下、実施例1
と同様に後処理して3−ヒドロキシ−2−(6−エトキ
シカルボニルヘキシル)−4−シクロペンテノン(IV−
2)および4−ヒドロキシ−2−(6−エトキシカルボ
ニルヘキシル)−2−シクロペンテノン(V−2)を混
合物として14.4g得た(収率79.8%)。
この混合物12.7gに酢酸ナトリウム2.1g、無水酢酸5.1
gおよび酢酸40gを加え、110℃にて4時間加熱した。反
応終了後、実施例1に準じて後処理して、4−アセトキ
シ−2−(6−エトキシカルボニルヘキシル)−2−シ
クロペンテノン(II−2)14.9g(収率95.1%)を得
た。
bp.189〜193℃/0.5mmHg 次に、上で得た(II−2)7.41g、エタノール29.6gお
よび30%塩酸水2.22gを加え、40〜45℃にて5時間反応
した。反応終了後、実施例1に準じて後処理、精製し、
4−ヒドロキシ−2−(6−エトキシカルボニルヘキシ
ル)−2−シクロペンテノン(I−2)5.77g(収率96
%)を得た。目的物(I−2)中の4−ヒドロキシ−2
−(6−カルボキシヘキシル)−2−シクロペンテノン
の含量は0.8%であった。
実施例3 実施例1で用いたと同様のフラスコに2−(1−ヒド
ロキシ−5−メトキシカルボニルペンチル)フラン(VI
I−3)21.2gおよび水960mlを仕込み、反応系のpHをリ
ン酸1水素カリとリン酸にて4.3〜4.5に調整しながら10
0℃にて原料がなくなるまで撹拌を続けた。以下実施例
1と同様に後処理して3−ヒドロキシ−2−(4−メト
キシカルボニルブチル)−4−シクロペンテノン(IV−
3)および4−ヒドロキシ−2−(4−メトキシカルボ
ニルブチル)−2−シクロペンテノン(V−3)を混合
物として20.1g得た。
この混合物19.1gにプロピオン酸ナトリウム3.8g、無
水プロピオン酸17.6gおよびプロピオン酸50gを加え、12
0℃にて8時間加熱した。反応終了後、実施例1に準じ
て後処理し、4−プロパノイルオキシ−2−(4−メト
キシカルボニルブチル)−2−シクロペンテノン(II−
3)23.5g(収率97%)を得た。
bp.160〜168℃/0.2mmHg 次に、上で得た(II−3)6.66g、メタノール13.3g、
35%塩酸1.6gを加え、25℃で10時間反応した。反応終了
後、実施例1に準じて後処理、精製した。4−ヒドロキ
シ−2−(4−メトキシカルボニルブチル)−2−シク
ロペンテノン(I−3)5.16g(収率97.2%)を得た。
目的物(I−3)中の副生物である4−ヒドロキシ−
2−(4−カルボキシブチル)−2−シクロペンテノン
の含量は1.2%であった。
実施例4 実施例1で用いたと同様のフラスコに実施例1で得た
(IV−1)と(V−1)の混合物36.0gにプロピオン酸
カリウム7.2g、無水プロピオン酸18.0g、プロピオン酸4
8.0gを加え、115℃にて10時間加熱撹拌した。反応終了
後、反応液を減圧下に濃縮し、以下、実施例1に準じて
後処理して4−プロパノイルオキシ−2−(6−メトキ
シカルボニルヘキシル)−2−シクロペンテノン(II−
4)41.9g(収率94.4%)を得た。
次に、上で得た(II−4)7.41g、メタノール22.2g、
35%塩酸水3.5gを30〜35℃で3時間反応した。反応終了
後、実施例1に準じて後処理、精製し、4−ヒドロキシ
−2−(6−メトキシカルボニルヘキシル)−2−シク
ロペンテノン6.01g(収率94.6%)(I−4)を得た。
(I−4)中の4−ヒドロキシ−2−(6−カルボキ
シヘキシル)−2−シクロペンテノンの含量は1.6%で
あった。
実施例5〜8 35%塩酸水0.7gにかえて、以下に示す濃度の塩酸水を
用いる以外は、実施例1と同様に反応、後処理して表−
1に示す結果を得た。
実施例9〜12 35%塩酸水3.5gにかえて、以下に示す酸触媒を用いる
以外は、実施例4と同様に反応、後処理して表−2に示
す結果を得た。
実施例13 実施例1で得た(II−1)5g、p−トルエンスルホン
酸1水和物1.5g、水0.4gおよびメタノール20gを50℃で
3時間反応させた。反応終了後、実施例1に準じて後処
理して4−ヒドロキシ−2−(6−メトキシカルボニル
ヘキシル)−2−(6−メトキシカルボニルヘキシル)
−2−シクロペンテノン(I−13)4.08g(収率95.8
%)を得た。
(I−13)中の副生物量は0.2%であった。
実施例14 実施例4で得た(II−4)1g、70%硫酸0.4gおよびメ
タノール5gを30℃で7時間反応させた。反応終了後、実
施例1に準じて後処理して4−ヒドロキシ−2−(6−
メトキシカルボニルヘキシル)−2−シクロペンテノン
0.77g(収率94.5%)を得た。
副生物量は0.6%であった。
実施例15 実施例14において70%硫酸にかえ、50%硫酸1gを使用
し、45℃にて3時間反応させた。以下、実施例1に準じ
て後処理、精製し、4−ヒドロキシ−2−(6−メトキ
シカルボニルヘキシル)−2−シクロペンテノン0.78g
(収率96.7%)を得た。
実施例16 実施例1で用いたと同様のフラスコにS(−)−4−
アセトキシ−2−(6−メトキシカルボニルヘキシル)
−2−シクロペンテノン2g{施光度▲〔α〕20 D▼=−4
3.1°(c=1,CHCl3)光学純度68.2%},50%硫酸2g,メ
タノール6gを35〜40℃で4.5時間反応させた。反応終了
後、反応液を10℃以下に冷却し、10%苛性ソーダ水にて
pHを4.0に調整し、次にメタノールを留去した。残渣を
メチルイソブチルケトン40mlにて抽出後、水洗した。有
機層を減圧にて濃縮し、目的とするS(−)−4−ヒド
ロキシ−2−(6メトキシカルボニルヘキシル)−2−
シクロペンテノン1.64g(収率96.5%)を得た。▲
〔α〕20 D▼=−8.5°(c=1,CHCl3)光学純度68%
フロントページの続き (72)発明者 植田 裕治 大阪府大阪市此花区春日出中3丁目1番 98号 住友化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−201842(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 69/738 C07C 67/32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表わし、R1
    炭素数1〜4のアルキル基を表わす。nは4〜8の整数
    を表わす。) で示される2−シクロペンテノン誘導体を、一般式 R−OH (式中、Rは前記と同じ意味を表わす。) で示されるアルコールおよび酸触媒の存在下に、加水分
    解またはエステル交換することを特徴とする一般式 (式中、Rおよびnは前記と同じ意味を表わす。)で示
    される4−ヒドロキシシクロペンテノン誘導体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1において一般式 (式中、Rおよびnは前記と同じ意味を表わす。)で示
    されるヒドロキシシクロペンテノン類の混合物と、一般
    式 R1−COOH (式中、R1は前記と同じ意味を表わす。) で示される脂肪族カルボン酸、その酸無水物およびその
    金属塩とを反応させて、2−シクロペンテノン誘導体を
    得ることを特徴とする4−ヒドロキシシクロペンテノン
    誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項2において一般式 (式中、Rおよびnは前記と同じ意味を表わす。)で示
    されるフランカルビノール化合物を、水を主とする溶媒
    中転位させてヒドロキシシクロペンテノン類の混合物を
    得ることを特徴とする4−ヒドロキシシクロペンテノン
    誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1において2−シクロペンテノン誘
    導体が光学活性体であり、得られる4−ヒドロキシシク
    ロペンテノン誘導体が光学活性体であることを特徴とす
    る4−ヒドロキシシクロペンテノン誘導体の製造方法。
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