JPH11322736A - β―ラクトン誘導体の製造方法 - Google Patents

β―ラクトン誘導体の製造方法

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JPH11322736A
JPH11322736A JP11061976A JP6197699A JPH11322736A JP H11322736 A JPH11322736 A JP H11322736A JP 11061976 A JP11061976 A JP 11061976A JP 6197699 A JP6197699 A JP 6197699A JP H11322736 A JPH11322736 A JP H11322736A
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bis
phosphine complex
oxetanone
transition metal
phosphine
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Application number
JP11061976A
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English (en)
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Sotaro Miyano
壮太郎 宮野
Tetsutaro Hattori
徹太郎 服部
Taketaka Suzuki
雄高 鈴木
Shuichi Oi
秀一 大井
Takashi Miura
孝志 三浦
Tsutomu Hashimoto
努 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takasago International Corp
Original Assignee
Takasago International Corp
Takasago Perfumery Industry Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 次の一般式(1) 【化1】RCHO (1) (式中、Rは芳香環を有していてもよい炭素数1〜15
のアルキル基、炭素数2〜15のアルケニル基、5〜7
員の脂環式基、又は炭素数1〜4のアルキル基が置換し
ていてもよいフェニル基を示す。)で表わされるアルデ
ヒド化合物と、ケテンとを、遷移金属ホスフィン錯体の
存在下に反応せしめることを特徴とするβ−ラクトン誘
導体の製造方法。 【効果】 工業的に有用なβ−ラクトン誘導体を、高い
収率で効率よく製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマー原料、有
機合成化学工業における中間体、医薬品の原料等として
有用なβ−ラクトン誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、β−ラクトン誘導体を製造する方法としては、例え
ば(1)ケテンとアルデヒドとの反応に際し、ホウ素、
亜鉛、アルミニウム、チタン又は鉄のハロゲン化物又は
これらのハロゲン化物の有機錯化合物(例、エチルエー
テル錯体)などのルイス酸を触媒として用いる方法(H.
E. Zaugg ;Organic Reactions,Vol. 8, pp.305 〜363
(1954))、(2)ケテン類と脂肪族アルデヒド類から
三フッ化ホウ素及び/又はその錯体とテトラヒドロフラ
ンを用いて製造する方法(特公昭47−25065号公
報)、(3)ケテンと脂肪族アルデヒド類との反応に際
し、三フッ化ホウ素エーテル錯体を触媒として用いる方
法(特開昭46−51422号公報、特開昭48−61
420号公報、特開昭48−64019号公報)、
(4)4−メチレン−2−オキセタノン(「ジケテン」
とも言う)をパラジウム黒を用いて水素添加する方法
(米国特許第2,763,644号明細書)、(5)3
−ヒドロキシカルボン酸エステルをメタンスルホニルク
ロリドと反応させて水酸基をメシル化した後、得られた
エステルを加水分解し、次いで炭酸水素ナトリウムで縮
合環化する方法(Y. Zhangら;Macromolecules, Vol. 2
3, pp.3206〜3212(1990))、(6)3−ブロモカルボン
酸誘導体を炭酸ナトリウムを用いて環化する方法 (T. S
ato ら;Tetrahedron Lett., Vol. 21 pp.3377〜3380
(1980))、(7)β−ヒドロキシカルボン酸誘導体をピ
リジン存在下、ベンゼンスルホニルクロリドと反応させ
て環化する方法(W. Adam ら;J. Am. Chem. Soc., Vo
l. 94, pp.2000〜2006(1972), T. H. Blackら;J. Org.
Chem., Vol. 53, pp. 5922〜5927(1988))、などが報
告されている。
【0003】しかしながら、今までに報告されているβ
−ラクトン誘導体の製造方法はそれぞれ次のような問題
点を有しており、十分に満足の行くものとは言えなかっ
た。
【0004】すなわち、(1)の方法では、触媒は縮合
反応において必ずしも同一活性を持つものではないの
で、目的とするβ−ラクトンの種類によって触媒は適切
なものを使い分ける必要がある。(2)の方法では、
i) 反応中、アルデヒドとケテンのモル比を常に1.0
/0.9に保たなければならない、ii) 反応温度は10〜
15℃に保つ、などの制約がある。(3)の方法では、得
られるβ−ラクトン誘導体の収率が低い、(4)の方法
は、生成物が4−メチル−2−オキセタノンに限定さ
れ、一般的なβ−ラクトン誘導体を製造する方法とはな
らない、(5)、(6)及び(7)の方法は用いる原料
合成に手間がかかる、などの問題があった。
【0005】従って、これらの問題点を克服し、効率良
くβ−ラクトン誘導体を製造する方法の提供が求められ
ており、本発明はその解決を課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような実状におい
て、本発明者らは、前記課題を解決せんと鋭意研究を行
った結果、アルデヒド化合物とケテンとを遷移金属ホス
フィン錯体の存在下に反応せしめることにより、β−ラ
クトン誘導体を効率良く得ることができることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、次の一般式(1)
【0008】
【化5】RCHO (1)
【0009】(式中、Rは芳香環を有していてもよい炭
素数1〜15のアルキル基、炭素数2〜15のアルケニ
ル基、5〜7員の脂環式基、又は炭素数1〜4のアルキ
ル基が置換していてもよいフェニル基を示す。)で表わ
されるアルデヒド化合物と、次式(2)
【0010】
【化6】CH2=C=O (2)
【0011】で表わされるケテンとを、遷移金属ホスフ
ィン錯体の存在下に反応せしめることを特徴とする次の
一般式(3)
【0012】
【化7】
【0013】(式中、Rは前記と同義である。)で表わ
されるβ−ラクトン誘導体の製造方法を提供するもので
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】前記一般式(1)で表わされるア
ルデヒド化合物において、Rは芳香環を有していてもよ
い炭素数1〜15のアルキル基、炭素数2〜15のアル
ケニル基、5〜7員の脂環式基、又は炭素数1〜4のア
ルキル基が置換していてもよいフェニル基を示すもので
ある。ここで、芳香環としては、炭素数6〜10の芳香
族炭化水素が好ましく、特にベンゼン、ナフタレンが好
ましい。アルデヒド化合物(1)の具体例としては、例
えばアセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、n-ブチル
アルデヒド、2-メチルプロピルアルデヒド、n-バレルア
ルデヒド、2-メチルブチルアルデヒド、イソバレルアル
デヒド、2,2-ジメチルプロピルアルデヒド、n-ヘキシル
アルデヒド、2-メチルバレルアルデヒド、3-メチルバレ
ルアルデヒド、4-メチルバレルアルデヒド、2,2-ジメチ
ルブチルアルデヒド、2,3-ジメチルブチルアルデヒド、
3,3-ジメチルブチルアルデヒド、n-ヘプチルアルデヒ
ド、 2- メチルヘキシルアルデヒド、2-エチルバレルア
ルデヒド、2-プロピルブチルアルデヒド、3-エチルバレ
ルアルデヒド、3-メチルヘキシルアルデヒド、4-メチル
ヘキシルアルデヒド、5-メチルヘキシルアルデヒド、2,
2-ジメチルバレルアルデヒド、2,3-ジメチルバレルアル
デヒド、2,4-ジメチルバレルアルデヒド、3,3-ジメチル
バレルアルデヒド、3,4-ジメチルバレルアルデヒド、4,
4-ジメチルバレルアルデヒド、2,2,3-トリメチルブチル
アルデヒド、2,3,3-トリメチルブチルアルデヒド、n-オ
クチルアルデヒド、2-メチルヘプチルアルデヒド、3-メ
チルヘプチルアルデヒド、4-メチルヘプチルアルデヒ
ド、5-メチルヘプチルアルデヒド、6-メチルヘプチルア
ルデヒド、2-エチルヘキシルアルデヒド、3-エチルヘキ
シルアルデヒド、4-エチルヘキシルアルデヒド、2-プロ
ピルバレルアルデヒド、2,2-ジメチルヘキシルアルデヒ
ド、2,3-ジメチルヘキシルアルデヒド、2,4-ジメチルヘ
キシルアルデヒド、2,5-ジメチルヘキシルアルデヒド、
3,3-ジメチルヘキシルアルデヒド、3,4-ジメチルヘキシ
ルアルデヒド、3,5-ジメチルヘキシルアルデヒド、4,4-
ジメチルヘキシルアルデヒド、4,5-ジメチルヘキシルア
ルデヒド、5,5-ジメチルヘキシルアルデヒド、n-ノニル
アルデヒド、2-メチルオクチルアルデヒド、3-メチルオ
クチルアルデヒド、4-メチルオクチルアルデヒド、5-メ
チルオクチルアルデヒド、6-メチルオクチルアルデヒ
ド、7-メチルオクチルアルデヒド、2-エチルヘプチルア
ルデヒド、3-エチルヘプチルアルデヒド、4-エチルヘプ
チルアルデヒド、5-エチルヘプチルアルデヒド、2-プロ
ピルヘキシルアルデヒド、3-プロピルヘキシルアルデヒ
ド、2,2-ジメチルヘプチルアルデヒド、2,3-ジメチルヘ
プチルアルデヒド、2,4-ジメチルヘプチルアルデヒド、
2,5-ジメチルヘプチルアルデヒド、2,6-ジメチルヘプチ
ルアルデヒド、3,3-ジメチルヘプチルアルデヒド、3,4-
ジメチルヘプチルアルデヒド、3,5-ジメチルヘプチルア
ルデヒド、3,6-ジメチルヘプチルアルデヒド、n-デシル
アルデヒド、2-メチルノニルアルデヒド、3-メチルノニ
ルアルデヒド、4-メチルノニルアルデヒド、5-メチルノ
ニルアルデヒド、6-メチルノニルアルデヒド、7-メチル
ノニルアルデヒド、8-メチルノニルアルデヒド、2-エチ
ルオクチルアルデヒド、3-エチルオクチルアルデヒド、
4-エチルオクチルアルデヒド、5-エチルオクチルアルデ
ヒド、6-エチルオクチルアルデヒド、2-プロピルヘプチ
ルアルデヒド、3-プロピルヘプチルアルデヒド、4-プロ
ピルヘプチルアルデヒド、2,2-ジメチルオクチルアルデ
ヒド、2,3-ジメチルオクチルアルデヒド、2,4-ジメチル
オクチルアルデヒド、n-ウンデシルアルデヒド、n-ドデ
シルアルデヒド、n-トリデシルアルデヒド、n-テトラデ
シルアルデヒド、n-ペンタデシルアルデヒド、フェニル
エチルアルデヒド、フェニルプロピルアルデヒド、フェ
ニルブチルアルデヒド、フェニルペンチルアルデヒド、
フェニルヘキシルアルデヒド、フェニルヘプチルアルデ
ヒド、フェニルオクチルアルデヒド、フェニルノニルア
ルデヒド、フェニルデシルアルデヒド、フェニルウンデ
シルアルデヒド、フェニルドデシルアルデヒド、フェニ
ルトリデシルアルデヒド、フェニルテトラデシルアルデ
ヒド、フェニルペンタデシルアルデヒド等のRが芳香環
を有していてもよい炭素数1〜15のアルキル基である
アルデヒド化合物;アクリルアルデヒド、2-ブテナー
ル、3-ブテナール、2-ペンテナール、2-ペンテナール、
4-ペンテナール、2-ヘキセナール、3-ヘキセナール、4-
ヘキセナール、5-ヘキセナール、ヘプテナール、オクテ
ナール、ノネナール、デセナール、ウンデセナール、ド
デセナール、トリデセナール、テトラデセナール、ペン
タデセナール等のRが炭素数2〜15のアルケニル基で
あるアルデヒド化合物;シクロペンチルアルデヒド、シ
クロヘキシルアルデヒド、シクロヘプチルアルデヒド等
のRが5〜7員の脂環式基であるアルデヒド化合物;ベ
ンズアルデヒド、トリルカルバルデヒド、キシリルカル
バルデヒド、クメルカルバルデヒド、4-tert-ブチルフ
ェニルカルバルデヒド等のRが炭素数1〜4のアルキル
基が置換していてもよいフェニル基であるアルデヒド化
合物などが挙げられる。
【0015】上記式(2)で表わされるケテンの製造方
法は特に制限されないが、W. J. Evans ら、J. Am. Che
m. Soc., Vol. 110, pp.1841(1988)記載の方法に従っ
て、アセトンを加熱することにより調製することができ
る。
【0016】本発明で使用される遷移金属ホスフィン錯
体としては、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、イル
ジムウム、ニッケル、白金等の遷移金属ホスフィン錯体
が挙げられるが、パラジウム−ホスフィン錯体、白金−
ホスフィン錯体が好ましく、中でも次の一般式(4)で
示される遷移金属ホスフィン錯体を用いるのが好まし
い。
【0017】
【化8】[MLnX2]Y2 (4)
【0018】(式中、Mパラジウム又は白金を示し;L
は三級ホスフィン化合物を示し;Xは炭素数1〜5のア
ルキルニトリル、ベンゾニトリル、フタロニトリル、ピ
リジン、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムア
ミド又はアセトンを示し;Yはハロゲン原子、BF4、ClO
4、CF3SO3、PF6又はBPh4 (Phはフェニル基を示す)を示
し;nは、Lが単座ホスフィン配位子である場合は2
を、二座ホスフィン配位子である場合は1を示す。)
【0019】前記一般式(4)中、Lで示される三級ホ
スフィン化合物は、単座ホスフィン配位子、二座ホスフ
ィン配位子のいずれでもよく、単座ホスフィン配位子と
しては、例えばトリエチルホスフィン、トリブチルホス
フィン等のトリアルキルホスフィン;トリフェニルホス
フィン、トリ(トリル)ホスフィン等のトリアリールホ
スフィン等が挙げられ;二座ホスフィン配位子として
は、例えばdppe(1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エ
タン)、dppp(1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロ
パン)、dppb(1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタ
ン)、dppf(1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェ
ロセン)、BINAP(2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-
1,1'-ビナフチル)、 T-BINAP(2,2'-ビス(ジトリルホ
スフィノ)-1,1'-ビナフチル)等が挙げらる。これらの
うち、二座ホスフィン配位子が好ましい。
【0020】一般式(4)において、Xは、炭素数1〜
5のアルキルニトリル(ここで炭素数1〜5のアルキル
ニトリルとしては、アセトニトリル、プロピオニトリ
ル、ブチロニトリル、バレロニトリル、イソバレロニト
リル、ピバロニトリル等が挙げられる)、ベンゾニトリ
ル、フタロニトリル、ピリジン、ジメチルスルホキシ
ド、N,N-ジメチルホルムアミド又はアセトンを示すが、
アセトニトリル、ベンゾニトリルが好ましい。
【0021】更に、一般式(4)において、Yは、ハロ
ゲン原子(ここでハロゲン原子の具体例としては、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。)、BF4、ClO
4、CF3SO3、PF6、BPh4(Phはフェニル基を示す)を示す
が、BF4、ClO4が好ましい。
【0022】前記一般式(4)で示される遷移金属ホス
フィン錯体のうち好ましいものとしては、ビス(テトラ
フルオロボレート)ビス(ベンゾニトリル)-ビス(ト
リフェニルホスフィン)パラジウム([Pd(PPh3)2(PhCN)
2](BF4)2);ビス(テトラフルオロボレート)ビス(ベ
ンゾニトリル)-1,2- ビス(ジフェニルホスフィノ)エ
タンパラジウム([Pd(dppe)(PhCN)2](BF4)2);ビス
(テトラフルオロボレート)ビス(ベンゾニトリル)-
1,3- ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンパラジウ
ム([Pd(dppp)(PhCN)2](BF4)2);ビス(テトラフルオ
ロボレート)ビス(ベンゾニトリル)-1,4- ビス(ジフ
ェニルホスフィノ)ブタンパラジウム([Pd(dppb)(PhC
N)2](BF4)2);ビス(テトラフルオロボレート)ビス
(ベンゾニトリル)-1,1'-ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)フェロセンパラジウム([Pd(dppf)(PhCN)2](B
F4)2);ビス(テトラフルオロボレート)ビス(ベンゾ
ニトリル)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-
ビナフチルパラジウム([Pd(BINAP)(PhCN)2](BF4)2);
ビス(テトラフルオロボレート)ビス(ベンゾニトリ
ル)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフ
チルプラチニウム([Pt(BINAP)(PhCN)2](BF4)2)が挙げ
られる。
【0023】遷移金属ホスフィン錯体(4)の製造方法
としては特に制限されないが、例えば、S. G. Murray
ら;J. Chem. Soc., Dalton Trans., pp. 2246〜2249
(1980)、又はS. Oi ら;Tetrahedron Letters, Vol. 3
7, pp. 6351〜6354 (1996) に記載の方法あるいはこれ
に準ずる方法により合成することができる。
【0024】本発明製造方法を実施するには、アルゴン
や窒素のような不活性ガス雰囲気下、前記アルデヒド化
合物(1)と遷移金属ホスフィン錯体とを加えた有機溶
媒溶液にケテン(2)を導入し、反応せしめればよい。
【0025】触媒として用いられる遷移金属ホスフィン
錯体は原料のアルデヒド化合物(1)に対し0.001〜0.2
モル倍、特に0.005〜0.1モル倍使用するのが好ましい。
【0026】使用する有機溶媒としては、反応温度にお
いて液体であれば特に制限されないが、塩化メチレン、
クロロホルム等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トル
エン等の芳香族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等の
エステル化合物;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタ
ン等のエーテル系溶媒等の非プロトン性溶媒等が好まし
く、特にベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;塩化
メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒を
用いるのが好ましい。
【0027】有機溶媒に対するアルデヒド化合物(1)
の使用量は、通常1mol/L 〜0.01mol/L 、好ましくは0.
2mol/L〜0.02mol/Lである。
【0028】また、反応は−78℃〜室温で行うことがで
きるが、生成物を高い収率で得る観点から特に0℃〜室
温で行うのが好ましい。また、反応時間は0.5〜10時間
とするのが好ましい。
【0029】反応後、反応混合物に希塩酸等の酸を加
え、生成物を反応に用いた有機溶媒または酢酸エチル、
酢酸ブチル等の有機溶媒で抽出し、水で洗浄後、必要に
応じて有機層の乾燥を行い、更にろ過、濃縮、蒸留等を
行って精製することにより、目的物であるβ−ラクトン
誘導体(3)を高収率で単離精製することができる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、ポリマー原料、有機合
成化学工業における中間体等として有用なβ−ラクトン
誘導体を、触媒として遷移金属ホスフィン錯体を使用す
ることにより、アルデヒド化合物とケテンより高い収率
で効率よく製造することができる。
【0031】
【実施例】次に、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、以下の測定には次の機器を用いた。 赤外吸収スペクトル(IR):FTIR-8300, IR-460 (島津
製作所製)1 H核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR):AC-250、DPX-400
(ブルッカー社製) 内部標準物質:テトラメチルシラン ガスクロマトグラフィー:GC-14A(島津製作所製) カラム:CROMPACK(0.25 mm ID×25m)(クロムパック
社製)
【0032】また、以下のとおり、略号を用いて記載す
る場合もある。 [Pd(PPh3)2(PhCN)2] (BF4)2 :ビス(テトラフルオロボ
レート)ビス(ベンゾニトリル)- ビス(トリフェニル
ホスフィン)パラジウム [Pd(dppe)(PhCN)2] (BF4)2:ビス(テトラフルオロボレ
ート)ビス(ベンゾニトリル)-1,2- ビス(ジフェニル
ホスフィノ)エタンパラジウム [Pd(dppp)(PhCN)2] (BF4)2:ビス(テトラフルオロボレ
ート)ビス(ベンゾニトリル)-1,3- ビス(ジフェニル
ホスフィノ)プロパンパラジウム [Pd(dppb)(PhCN)2] (BF4)2:ビス(テトラフルオロボレ
ート)ビス(ベンゾニトリル)-1,4- ビス(ジフェニル
ホスフィノ)ブタンパラジウム [Pd(dppf)(PhCN)2] (BF4)2:ビス(テトラフルオロボレ
ート)ビス(ベンゾニトリル)-1,1'-ビス(ジフェニル
ホスフィノ)フェロセンパラジウム [Pd(BINAP)(PhCN)2] (BF4)2 :ビス(テトラフルオロボ
レート)ビス(ベンゾニトリル)-2,2'-ビス(ジフェニ
ルホスフィノ)-1,1'-ビナフチルパラジウム [Pt(BINAP)(PhCN)2] (BF4)2 :ビス(テトラフルオロボ
レート)ビス(ベンゾニトリル)-2,2'-ビス(ジフェニ
ルホスフィノ)-1,1'-ビナフチルプラチニウム
【0033】本発明に用いる遷移金属錯体は公知の方法
(S. G. Murrayら;J. Chem. Soc., Dalton Trans., p
p. 2246〜2249(1980) 、S. Oi ら;Tetrahedron Letter
s,Vol. 37, pp. 6351〜6354(1996))に従い合成した。
【0034】参考例1 ビス(テトラフルオロボレー
ト)ビス(ベンゾニトリル)-1,4-ビス(ジフェニルホ
スフィノ)ブタンパラジウム;([Pd(dppb)(PhCN)2](BF
4)2)の合成 窒素雰囲気下、冷却管付きナスフラスコに塩化パラジウ
ム (455mg, 2.56mmol)、アセトニトリル (25ml) を入
れ、1時間加熱還流した。熱時ろ過を行い、得られたろ
液を室温まで冷却してから1,4-ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)ブタン (1.09g, 2.56mmol)を加えて、さらに2時
間加熱還流した。室温まで冷却した後、結晶をろ取し、
減圧乾燥を行った。窒素気流下、二口フラスコに上記で
得たパラジウム錯体、塩化メチレン (35ml) 、ベンゾニ
トリル (5ml)を入れ、これにホウフッ化銀 (541mg, 2.7
8mmol)のニトロメタン (10ml) 溶液を加え、3時間撹拌
した。沈殿した塩化銀をろ別した後、ろ液部を減圧濃縮
し、ジエチルエーテルを加えて結晶を析出させた。冷蔵
庫に1晩放置した後、ろ過して得た結晶を減圧乾燥して
ビス(テトラフルオロボレート)ビス(ベンゾニトリ
ル)-1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンパラジ
ウム (2030mg,2.22mmol,収率89%)を得た。1 H-NMR(400 MHz ; CDCl3): 2.34(2H,broad), 2.91(4
H,broad),7.41〜7.77(30H,m)
【0035】実施例1 4-シクロヘキシル-2-オキセタ
ノンの合成(R=シクロヘキシル基) 窒素気流下、二口フラスコに参考例1で得た[Pd(dppb)
(PhCN)2](BF4)2(46.3 mg,0.0507mmol)を入れ、乾燥塩
化メチレン(20ml)を加えて溶解させたのち、シクロヘ
キシルアルデヒド(117mg,1.04mmol)を加えた。これ
に、室温で過剰のケテンガス(約2.5 当量)を5分間か
けて吹き込み、さらに1時間撹拌した。1N HCl(10ml)
を加えて反応を停止し、塩化メチレン(20ml×5回)で
抽出し、有機層を飽和食塩水(100ml×1回)で洗浄し
て、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を濃
縮したのち、ガスクロマトグラフィー(CROMPACK 0.25m
m ID×25m;カラム温度135 ℃)により、安息香酸n-ブチ
ルを内部標準物質として用いて4-シクロヘキシル-2-オ
キセタノンの定量を行った。4-シクロヘキシル-2-オキ
セタノンの収率は98%であった。また、粗生成物をクー
ゲルロール法により蒸留(60℃、0.15mmHg)し、4-シク
ロヘキシル-2-オキセタノン(128mg,0.83mmol,収率80
%)を得た。1 H-NMR(250 MHz ; CDCl3): 0.96〜1.05(2H,m), 1.19
〜1.32(3H,m),1.58〜1.82(5H,m) ,1.97〜2.08(1H,m),
3.11(1H,dd,J=16.2,4.4Hz),3.42(1H,dd,J=16.2,5.8Hz),
4.16〜4.24(1H,m) IR (neat) cm-1: 1835
【0036】実施例2 4-シクロヘキシル-2-オキセタ
ノンの合成(R=シクロヘキシル基) 窒素気流下、二口フラスコに参考例1で得た[Pd(dppb)
(PhCN)2](BF4)2(5.5mg,0.0060mmol)を入れ、乾燥塩化
メチレン(20ml)を加えて溶解させたのち、シクロヘキ
シルアルデヒド(117mg,1.04mmol)を加えた。これに、
室温で過剰のケテンガス(約2.5当量)を5分間かけて
吹き込み、さらに1時間撹拌した。1N HCl(10ml)を加
えて反応を停止し、塩化メチレン(20ml×5回)で抽出
し、有機層を飽和食塩水(100ml×1回)で洗浄して、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を濃縮し
たのち、ガスクロマトグラフィー(CROMPACK 0.25mm ID
×25m;カラム温度135℃)により、安息香酸n-ブチルを
内部標準物質として用いて4-シクロヘキシル-2-オキセ
タノンの定量を行った。 4-シクロヘキシル-2-オキセタ
ノンの収率は99%であった。
【0037】実施例3 4-エチル-2-オキセタノンの合
成(R=エチル基) 窒素気流下、二口フラスコに参考例1で得た[Pd(dppb)
(PhCN)2](BF4)2(46.3mg,0.0507mmol)を入れ、乾燥塩化
メチレン(20ml)を加えて溶解させたのち、プロピルア
ルデヒド(60.9mg,1.05mmol)を加えた。これに、過剰
のケテンガス(約2.5当量)を5分間かけて吹き込み、
さらに1時間撹拌した。1N HCl(10ml)を加えて反応を
停止し、塩化メチレン(20ml×5回)で抽出し、有機層
を飽和食塩水(100ml×1回)で洗浄して、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を濃縮したのち、ガ
スクロマトグラフィー(CROMPACK 0.25mm ID×25m;カ
ラム温度135 ℃)により、安息香酸n-ブチルを内部標準
物質として用いて4-エチル-2-オキセタノンの定量を行
った。4-エチル-2-オキセタノンの収率は99%であっ
た。また、粗生成物をクーゲルロール法により蒸留(60
℃、20mmHg)し、4-エチル-2-オキセタノンを得た。1 H-NMR(250 MHz ; CDCl3): 1.02(3H,t,J=7.4Hz), 1.7
0〜1.93(2H,m),3.06(1H,dd,J=16.3,4.3Hz), 3.58(1H,d
d,J=16.3,5.7Hz),4.40〜4.50(1H,m) IR (neat) cm-1 : 1821
【0038】実施例4 4-n-ヘキシル-2-オキセタノン
の合成(R=n-ヘキシル基) 窒素気流下、二口フラスコに参考例1で得た[Pd(dppb)
(PhCN)2] (BF4)2 (46.3mg,0.0507mmol)を入れ、乾燥塩
化メチレン(20ml)を加えて溶解させたのち、n-ヘプチ
ルアルデヒド(118mg,1.04mmol)を加えた。これに、過
剰のケテンガス(約2.5当量)を5分間かけて吹き込
み、さらに1時間撹拌した。1N HCl(10ml)を加えて反
応を停止し、塩化メチレン(20ml×5回)で抽出し、有
機層を飽和食塩水(100ml×1回)で洗浄して、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を濃縮したの
ち、ガスクロマトグラフィー(CROMPACK 0.25mm ID×25
m ;カラム温度135℃)により、安息香酸n-ブチルを内
部標準物質として用いて4-n-ヘキシル-2-オキセタノン
の定量を行った。4-n-ヘキシル-2-オキセタノンの収率
は97%であった。また、粗生成物をクーゲルロール法に
より蒸留(60℃、5 mmHg)し、4-n-ヘキシル-2-オキセ
タノンを得た。1 H-NMR(250 MHz ; CDCl3): 0.89(3H,t,J=6.6Hz), 1.3
0〜1.46(8H,m),1.63〜1.91(2H,m), 3.06(1H,dd,J=16.3,
4.2Hz),3.52(1H,dd,J=16.3,5.8Hz) ,4.47〜4.56(1H,m) IR (neat) cm-1 : 1820
【0039】実施例5 4-iso-プロピル-2-オキセタノ
ンの合成(R=iso-プロピル基) 窒素気流下、二口フラスコに参考例1で得た[Pd(dppb)
(PhCN)2](BF4)2(46.3mg,0.0507mmol)を入れ、乾燥塩化
メチレン(20ml)を加えて溶解させたのち、2-メチルプ
ロピルアルデヒド(65mg,1.04mmol)を加えた。これ
に、過剰のケテンガス(約2.5当量)を5分間かけて吹
き込み、さらに1時間撹拌した。 1N HCl(10ml)を加え
て反応を停止し、塩化メチレン(20ml×5回)で抽出
し、有機層を飽和食塩水(100ml×1回)で洗浄して、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を濃縮し
たのち、ガスクロマトグラフィー(CROMPACK 0.25mm ID
×25m;カラム温度135℃)により、安息香酸n-ブチルを
内部標準物質として用いて4-iso-プロピル-2-オキセタ
ノンの定量を行った。4-iso-プロピル-2-オキセタノン
の収率は99%であった。また、粗生成物をクーゲルロー
ル法により蒸留(60℃、10mmHg)し、4-iso-プロピル-2
-オキセタノンを得た。1 H-NMR(250 MHz ; CDCl3): 1.00(3H,d,J=6.7Hz), 1.0
2(3H,d,J=6.7Hz),1.90〜1.99(1H,m), 3.09(1H,dd,J=16.
5,4.4Hz),3.44(1H,dd,J=16.5,5.8Hz), 4.16〜4.25(1H,
m) IR (neat) cm-1 : 1823
【0040】実施例6 4-tert-ブチル-2-オキセタノン
の合成(R=tert-ブチル基) 窒素気流下、二口フラスコに参考例1 で得た[Pd(dppb)
(PhCN)2](BF4)2(46.3mg,0.0507mmol)を入れ、乾燥塩化
メチレン(20ml)を加えて溶解させたのち、2,2-ジメチ
ルプロピルアルデヒド(90mg,1.05mmol)を加えた。こ
れに、過剰のケテンガス(約2.5当量)を5分間かけて
吹き込み、さらに1時間撹拌した。1N HCl(10ml)を加
えて反応を停止し、塩化メチレン(20ml×5回)で抽出
し、有機層を飽和食塩水(100ml×1回)で洗浄して、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を濃縮し
たのち、ガスクロマトグラフィー(CROMPACK 0.25mm ID
×25m;カラム温度135℃)により、安息香酸n-ブチルを
内部標準物質として用いて4-tert-ブチル-2-オキセタノ
ンの定量を行った。4-tert-ブチル-2-オキセタノンの収
率は63%であった。また、粗生成物をクーゲルロール法
により蒸留(60℃、10mmHg)し、4-tert-ブチル-2-オキ
セタノンを得た。1 H-NMR(250 MHz ; CDCl3): 0.99(9H,s), 3.15(1H,dd,
J=16.4,4.5Hz),3.42(1H,dd,J=16.4,5.9Hz), 4.20〜4.27
(1H,m) IR (neat) cm-1 : 1831
【0041】実施例7〜18 4-シクロヘキシル-2-
オキセタノンの合成(R=シクロヘキシル基) 反応基質をシクロヘキシルアルデヒドとし、種々の遷移
金属ホスフィン錯体を触媒として用い、反応温度、溶媒
を変化させたほかは実施例1と同様にして4-シクロヘキ
シル-2-オキセタノンを合成した。反応条件と得られた4
-シクロヘキシル-2-オキセタノンの収率を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】実施例19 4-(2-フェニルエチル)-2-オ
キセタノン合成(R=2-フェニルエチル基) 窒素気流下、枝付きフラスコに参考例1で得[Pd(dppb)
(PhCN)2](BF4)2(70.0mg,0.0766mmol)を入れ、乾燥塩化
メチレン(20ml)を加えて溶解させたのち、3-フェニル
プロパナール(203mg,1.52mmol)を加えた。これに、室温
で過剰のケテンガス(約2.5当量)を5分間かけて吹き
込み、更に1時間攪拌した。1N HCl(10ml)を加えて反応
を停止し、塩化メチレン(20ml×5回)で抽出し、有機
層を飽和食塩水(100ml×1回)で洗浄して、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を濃縮したのち、
ガスクロマトグラフィー(CROMPACK 0.25mm ID×30m;カ
ラム温度100-200℃,10℃/分で昇温)により、安息香
酸n-ブチルを内部標準物質として用いて4-(2-フェニル
エチル)-2-オキセタノンの定量を行った。4-(2-フェニ
ルエチル)-2-オキセタノンの収率は88%であった。ま
た、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル:n-ヘキサン=2:3)で精製し、4-(2-
フェニルエチル)-2-オキセタノン(165mg,0.94mmol,収率
62%)を得た。1 H-NMR(250 MHz ; CDCl3): 2.04〜2.22(2H,m), 2.71
〜2.84(2H,m),3.02(1H,dd,J=16.2,4.2Hz), 3.47(1H,dd,
J=16.3,5.9Hz),4.47〜4.57(1H,m), 7.17〜7.32(5H,m) IR (neat) cm-1 : 1824
【0044】実施例20 4-ビニル-2-オキセタノン合
成(R=ビニル基) 窒素気流下、枝付きフラスコに参考例1で得[Pd(dppb)
(PhCN)2](BF4)2(140.0mg,0.153mmol)を入れ、乾燥塩化
メチレン(40ml)を加えて溶解させたのち、アクリルア
ルデヒド(172mg,3.06mmol)を加えた。これに、室温で過
剰のケテンガス(約2.5当量)を10分間かけて吹き込
み、更に1時間攪拌した。1N HCl(20ml)を加えて反応を
停止し、塩化メチレン(40ml×5回)で抽出し、有機層
を飽和食塩水(200ml×1回)で洗浄して、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を濃縮したのち、ガス
クロマトグラフィー(CROMPACK 0.25mm ID×30m;カラム
温度100-200℃,10℃/分で昇温)により、安息香酸n-ブ
チルを内部標準物質として用いて4-ビニル-2-オキセタ
ノンの定量を行った。4-ビニル-2-オキセタノンの収率
は95%であった。また、粗生成物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、4-ビニル
-2-オキセタノン(110mg,1.13mmol,収率37%)を得た。1 H-NMR(250 MHz ; CDCl3): 3.21(1H,dd,J=16.5,4.5H
z),3.66(1H,dd,J=16.4,6.0Hz), 4.87〜4.96(1H,m), 5.3
9(1H,d,J=10.4Hz),5.49(1H,d,J=17.0Hz), 5.93〜6.10(1
H,m) IR (neat) cm-1 : 1828, 1651
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 孝志 神奈川県平塚市西八幡1丁目4番11号 高 砂香料工業株式会社総合研究所内 (72)発明者 橋本 努 神奈川県平塚市西八幡1丁目4番11号 高 砂香料工業株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1) 【化1】RCHO (1) (式中、Rは芳香環を有していてもよい炭素数1〜15
    のアルキル基、炭素数2〜15のアルケニル基、5〜7
    員の脂環式基、又は炭素数1〜4のアルキル基が置換し
    ていてもよいフェニル基を示す。)で表わされるアルデ
    ヒド化合物と、次式(2) 【化2】CH2=C=O (2) で表わされるケテンとを、遷移金属ホスフィン錯体の存
    在下に反応せしめることを特徴とする次の一般式(3) 【化3】 (式中、Rは前記と同義である。)で表わされるβ−ラ
    クトン誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 遷移金属ホスフィン錯体が、パラジウム
    −ホスフィン錯体または白金−ホスフィン錯体である請
    求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 遷移金属ホスフィン錯体が、次の一般式
    (4) 【化4】[MLnX2]Y2 (4) (式中、Mはパラジウム又は白金を示し;Lは三級ホス
    フィン化合物を示し;Xは炭素数1〜5のアルキルニト
    リル、ベンゾニトリル、フタロニトリル、ピリジン、ジ
    メチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド又
    はアセトンを示し;Yはハロゲン原子、BF4、ClO4、CF3
    SO3、PF6又はBPh4(Phはフェニル基を示す)を示し;n
    は、Lが単座ホスフィン配位子である場合は2を、二座
    ホスフィン配位子である場合は1を示す。)で表わされ
    るものである請求項1又は2記載の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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