JP3717343B2 - 光学活性フリーデル−クラフト反応生成物類の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般式[IV]
【0002】
【化12】
【0003】
[式中、Rはメチル基または(R3)3Si−基を表し、R3はそれぞれ同一かまたは異なる炭素数1〜4の低級アルキル基を表し、R1はフェニル基またはトリル基を表し、R2は水素原子またはメチル基を表す。R 1 とR 2 は一緒になってテトラメチレン基を形成してもよい。また、Xは水素、フッ素、塩素または臭素を表し、3つのXは互いに同一でも異なっていてもよいが、すべて同時に水素となることはない。]で示される光学活性フリーデル−クラフト反応生成物類の製造方法に関するものである。
【0004】
上式[IV]で示される光学活性フリーデル−クラフト反応生成物類は、医薬品、農薬あるいは各種機能材料などの製造中間体として有用な化合物である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来、光学活性ビナフトール−チタン錯体を触媒として使用し、光学活性フリーデル−クラフト反応生成物類を製造する方法として、アニソールなどの芳香族化合物類とハロゲン化アセトアルデヒドとを反応させる方法を本発明者らが開発し、特許出願した(特開平11−189550号)。この方法は、芳香族環に対してハロゲン化アセトアルデヒドを反応させるものであり、医薬品、農薬あるいは各種機能材料などの製造中間体として有用なさまざまな化合物を得ることができる。しかしながら、より多種多様な化合物を得るためには、前記の反応がより幅広い化合物に対して適用できることが要求される。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる問題点に鑑み、鋭意検討を行なった結果、光学活性ビナフトール−チタン錯体を用いてビニルエーテル類とハロゲン化アセトアルデヒドとを反応させることにより、極めて容易に光学活性フリーデル−クラフト反応生成物類を得ることができることを見出し、本発明に到達した。
【0007】
すなわち、本発明は、光学活性ビナフトール−チタン錯体の存在下、一般式[II]
【0008】
【化13】
【0009】
[式中、Rはメチル基または(R3)3Si−基を表し、R3はそれぞれ同一かまたは異なる炭素数1〜4の低級アルキル基を表し、R1はフェニル基またはトリル基を表し、R2は水素原子またはメチル基を表す。R 1 とR 2 は一緒になってテトラメチレン基を形成してもよい。]で示される化合物と一般式[III]
【0010】
【化14】
【0011】
[式中、Xは水素、フッ素、塩素または臭素を表し、3つのXは互いに同一でも異なっていてもよいが、すべて同時に水素となることはない。]で示されるハロゲン化アセトアルデヒドとを反応させることを特徴とする一般式[IV]
【0012】
【化15】
【0013】
[式中、Rはメチル基または(R3)3Si−基を表し、R3はそれぞれ同一かまたは異なる炭素数1〜4の低級アルキル基を表し、R1はフェニル基またはトリル基を表し、R2は水素原子またはメチル基を表す。R 1 とR 2 は一緒になってテトラメチレン基を形成してもよい。また、Xは水素、フッ素、塩素または臭素を表し、3つのXは互いに同一でも異なっていてもよいが、すべて同時に水素となることはない。]で示される光学活性フリーデル−クラフト反応生成物類の製造方法であり、また、一般式[IV]
【0014】
【化16】
【0015】
[式中、Rはメチル基または(R3)3Si−基を表し、R3はそれぞれ同一かまたは異なる炭素数1〜4の低級アルキル基を表し、R1はフェニル基またはトリル基を表し、R2は水素原子またはメチル基を表す。R 1 とR 2 は一緒になってテトラメチレン基を形成してもよい。また、Xは水素、フッ素、塩素または臭素を表し、3つのXは互いに同一でも異なっていてもよいが、すべて同時に水素となることはない。]で示される光学活性化合物である。
【0016】
以下、本発明の光学活性フリーデル−クラフト反応生成物類の製造方法について詳細に説明する。
【0017】
本発明の光学活性フリーデル−クラフト反応生成物類の製造方法においては、光学活性ビナフトール−チタン錯体が触媒として用いられる。本発明に用いられる光学活性ビナフトール−チタン錯体は、次式[I]で示される錯体
【化17】
[式中、XおよびX’は一緒になって次の基
【化18】
を表すか、あるいは、それぞれハロゲン原子、OTf、N(Tf)2またはC(Tf)3〔Tfは−SO2Rf(Rfはフッ素原子またはトリフルオロメチル基を表す。)〕を表し、YおよびY’はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、CN、SO2R6(R6はフェニル基を表す。)または
【化19】
〔R7は水素原子またはフェニル基を表す。]で示される光学活性ビナフトール−チタン錯体であってもよいが、この構造に限定される訳ではない。
【0018】
本発明の方法に使用する触媒としては、四ハロゲン化チタン(ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう)とメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールから選ばれるアルコール、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールから選ばれるアルコールのテトラアルコキシチタンを反応させて得られた反応液、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールから選ばれるアルコールのアルコキシハロゲノチタン(ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう)などのチタン含有試剤に、光学活性な一般式[V]
【0019】
【化20】
【0020】
(式中、YおよびY’はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、CN、SO2R6(R6はフェニル基を表す。)または
【0021】
【化21】
【0022】
〔R7は水素原子、フェニル基を表す。]で表されるビナフトールを加えて反応させることにより得られる光学活性ビナフトール−チタン錯体が好ましい。アルコールとしてはイソプロパノールが最も好ましい。アルコールのアルコキシハロゲノチタンとしては、ジイソプロポキシジハロゲノチタンが好適である。
【0023】
さらに、この調製方法において、少なくとも上記チタン含有試剤とビナフトールを反応させる際にはゼオライトの存在下に行うのがよく、また溶媒を使用して行うのも好ましい。ゼオライトとしては、各種の合成ゼオライトが使用でき、3A、4A、5AなどのA型ゼオライト、13XなどのX型ゼオライトなどが好適に使用できる。また、溶媒としては特に限定されないが、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、二塩化エタンなどの塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジグライムなどのエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類が好適に使用できる。
【0024】
具体的には、例えば、塩化メチレン溶媒中で四ハロゲン化チタンの一種以上とテトライソプロポキシチタンを反応させてジイソプロポキシジハロゲノチタンを調製し、次いでこれにMS(モレキュラーシーブTM)4Aの存在下、光学活性なビナフトールを加えて反応させることにより調製することができる。四ハロゲン化チタンとしては、テトラクロロチタン、テトラブロモチタン、テトラヨードチタンなどが使用される。光学活性なビナフトールにはS体およびR体の2種類があるので、それにともなって調製される光学活性ビナフトール−チタン錯体もS体およびR体の2種類が存在するが、これらは目的とする生成物の絶対配置に応じて適宜使い分ければよい。
【0025】
本発明においては、以上のような一般式[I]で示される光学活性ビナフトール−チタン錯体を触媒として用い、一般式[II]で示される化合物と一般式[III]で示されるハロゲン化アセトアルデヒドとを反応させることにより一般式[IV]で示される光学活性フリーデル−クラフト反応生成物類を容易に、かつ、効率よく製造することができる。
【0026】
本発明において使用される一般式[III]で示されるハロゲン化アセトアルデヒドとしては、具体的にはトリフルオロアセトアルデヒド、クロロジフルオロアセトアルデヒド、ブロモジフルオロアセトアルデヒド、ジクロロフルオロアセトアルデヒド、ブロモクロロフルオロアセトアルデヒド、ジブロモフルオロアセトアルデヒド、トリクロロアセトアルデヒド、ブロモジクロロアセトアルデヒド、ジブロモクロロアセトアルデヒド、トリブロモアセトアルデヒド、ジフルオロアセトアルデヒド、クロロフルオロアセトアルデヒド、ブロモフルオロアセトアルデヒド、ジクロロアセトアルデヒド、ブロモクロロアセトアルデヒド、ジブロモアセトアルデヒド、フルオロアセトアルデヒド、クロロアセトアルデヒド、ブロモアセトアルデヒドが挙げられる。また、本発明の方法においては、これらのハロゲン化アセトアルデヒドの水和物またはヘミアセタールも上記ハロゲン化アルデヒドと同様に使用できる。
【0027】
本発明の光学活性フリーデル−クラフト反応生成物類の製造方法における上記の反応は、当モル反応であるため、一般式[III]で示されるハロゲン化アセトアルデヒドは、通常、一般式[II]で示される化合物1モルに対して、1モル以上使用すればよく、好ましくは1モル〜100モル、さらに好ましくは1モル〜10モル使用するのがよい。
【0028】
また、本発明において不斉触媒として使用される上式[I]で示される光学活性ビナフトール−チタン錯体の使用量は、特に限定はないが、原料である一般式[II]で示される化合物に対して0.1〜50モル%とするのが好ましい。より好ましくは0.1〜30モル%、さらに好ましくは0.1〜10モル%である。
【0029】
本発明の反応は、無溶媒で行ってもよいが、通常溶媒が使用され、使用される溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類、酢酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。
【0030】
また、本発明の反応における反応温度は、−50℃〜50℃とするのが好ましい。より好ましくは−30℃〜30℃、さらに好ましくは−10℃〜10℃である。
【0031】
本発明の製造方法においては、反応終了後、通常の後処理を行うことにより粗生成物を得ることができる。得られた粗生成物は、必要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの精製操作を行い、目的の一般式[IV]で示される光学活性フリーデル−クラフト反応生成物類を高収率、かつ、高い光学純度で得ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、実施例により、本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0033】
【実施例】
調製例1
(R)−1,1’−ビ−2−ナフトール[(R)−BINOL](368mg、1.287mmol)、TiCl2(O−i−Pr)2(305mg、1.287mmol)およびモレキュラーシーブTM[MS4A](6.43g)を塩化メチレン(12.9ml)に加え、アルゴン雰囲気下、室温で1時間撹拌した。撹拌終了後、トルエン(20ml)を加え、遠心分離にかけ、セライトろ過した。ろ液を減圧下、乾燥し、(R)−BINOL−Ti触媒を得た。
【0034】
調製例2
(R)−BINOLの代わりに(R)−(−)−6,6’−ジブロモ−1,1’−ビ−2−ナフトールを使用して調製例1と同様の方法により、(R)−6,6’−Br2−BINOL−Ti触媒を得た。
【0035】
実施例1
(R)−BINOL−Ti触媒(19.7mg、0.049mmol、0.2eq)と下記式
【0036】
【化22】
【0037】
で示されるビニルエーテル(39.9mg、0.246mmol、1.0eq、E/Z=1/1)を塩化メチレン(1.48ml)に加え、アルゴン雰囲気下、氷冷下で過剰量のフルオラールを吹き込み、同温度で30分間撹拌した。撹拌終了後、水を加え、塩化メチレンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮することによって粗体を得た。粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:ヘキサン=3:2)に付し、下記式
【0038】
【化23】
【0039】
で示されるフリーデル−クラフト反応生成物を得た(収率:64%、E/Z=5/1、E体の不斉収率:85%e.e.(R体))。
1H−NMR(TMS、ppm、CDCl3)
E体:7.2(4H,m,aromatic),4.9(1H,q,CF3CHOH),3.8(1H,d,CF3CHOH),3.3(3H,s,CH 3 O),2.4(3H,s,CH 3 −aromatic),1.7(3H,s,vinylic−CH 3 )
Z体:7.2(4H,m,aromatic),4.4(1H,q,CF3CHOH),3.3(3H,s,CH 3 O),2.4(3H,s,CH 3 −aromatic),2.0(1H,d,CF3CHOH),1.9(3H,s,vinylic−CH 3 )
E体の不斉収率は、酸加水分解物をキラルHPLCにより測定した。
キラルHPLC条件
Daicel、CHIRALPAK AS、ヘキサン:イソプロパノール=98:2、0.8ml/min、254nm、保持時間;スレオ/S:11min,R:38min,エリスロ/R:14min,S:25min
実施例2
(R)−BINOL−Ti触媒(9.9mg、0.025mmol、0.1eq)と下記式
【0040】
【化24】
【0041】
示されるビニルエーテル(33.0mg、0.246mmol、1.0eq)を塩化メチレン(1.48ml)に加え、アルゴン雰囲気下、氷冷下で過剰量のフルオラールを吹き込み、同温度で30分間撹拌した。撹拌終了後、水を加え、塩化メチレンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮することによって粗体を得た。粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:ヘキサン=3:2)に付し、下記式
【0042】
【化25】
【0043】
で示されるフリーデル−クラフト反応生成物を得た(収率:54%、E/Z=1/2、E体とZ体の混合物(E/Z=1/2)の不斉収率:72%e.e.(R体))。
1H−NMR(TMS、ppm、CDCl3)
Z体:7.4(5H,m,aromatic),4.8(1H,d,vinylic−H)、4.5(1H,m,CF3CHOH),3.8(3H,s,CH 3 O),2.0(1H,d,CF3CHOH)
E体:7.4(5H,m,aromatic),5.2(1H,d,vinylic−H)、5.0(1H,m,CF3CHOH),3.6(3H,s,CH 3 O),2.9(1H,d,CF3CHOH)
E体とZ体の混合物の不斉収率は、酸加水分解物をキラルHPLCにより測定した。
キラルHPLC条件
Daicel、CHIRALPAK OD−H、ヘキサン:イソプロパノール=95:5、0.8ml/min、254nm、保持時間;S:12min,R:14min
実施例3
(R)−6,6’−Br2−BINOL−Ti触媒(27.0mg、0.049mmol、0.2eq)と下記式
【0044】
【化26】
【0045】
で示されるビニルエーテル(33.0mg、0.246mmol、1.0eq)を塩化メチレン(1.48ml)に加え、アルゴン雰囲気下、氷冷下で過剰量のフルオラールを吹き込み、同温度で30分間撹拌した。撹拌終了後、水を加え、塩化メチレンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮することによって粗体を得た。粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:ヘキサン=3:2)に付し、下記式
【0046】
【化27】
【0047】
で示されるフリーデル−クラフト反応生成物を得た(収率:48%、E/Z=1/2、E体とZ体の混合物(E/Z=2/3)の不斉収率:58%e.e.(R体))。
1H−NMR(TMS、ppm、CDCl3)
Z体:7.4(5H,m,aromatic),4.8(1H,d,vinylic−H)、4.5(1H,m,CF3CHOH),3.8(3H,s,CH 3 O),2.0(1H,d,CF3CHOH)
E体:7.4(5H,m,aromatic),5.2(1H,d,vinylic−H)、5.0(1H,m,CF3CHOH),3.6(3H,s,CH 3 O),2.9(1H,d,CF3CHOH)
E体とZ体の混合物の不斉収率は、酸加水分解物をキラルHPLCにより測定した。
キラルHPLC条件
Daicel、CHIRALPAK OD−H、ヘキサン:イソプロパノール=95:5、0.8ml/min、254nm、保持時間;S:12min,R:14min
実施例4
(R)−BINOL−Ti触媒(25.3mg、0.063mmol、0.2eq)と下記式
【0048】
【化28】
【0049】
で示されるシリルエノールエーテル(82.9mg、0.316mmol、1.0eq)を塩化メチレン(1.90ml)に加え、アルゴン雰囲気下、氷冷下で過剰量のフルオラールを吹き込み、同温度で30分間撹拌した。撹拌終了後、水を加え、塩化メチレンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮することによって粗体を得た。粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:ヘキサン=3:2)に付し、下記式
【0050】
【化29】
【0051】
で示されるフリーデル−クラフト反応生成物を得た(収率:77%、Z/E=6/1、Z体の不斉収率:94%e.e.(R体)、E体の不斉収率:66%e.e.(R体))。
1H−NMR(TMS、ppm、CDCl3)
Z体:7.2(4H,m,aromatic),4.6(1H,q,CF3CHOH),2.4(3H,s,CH 3 −aromatic),2.0 (1H,d,CF3CHOH),1.8(3H,s,vinylic−CH 3 ),0.9(9H,s,Sit−BuMe2),−0.16(3H,s,Sit−BuMe 2),−0.24(3H,s,Sit−BuMe 2)
E体:7.2(4H,m,aromatic),5.3(1H,q,CF3CHOH),2.7(1H,d,CF3CHOH),2.4(3H,s,CH 3 −aromatic),1.6(3H,s,vinylic−CH 3 ),0.9(9H,s,Sit−BuMe2),−0.2(6H,s,Sit−BuMe 2 )
また、Z体およびE体の不斉収率は、酸加水分解物をキラルHPLCにより測定した。
キラルHPLC条件
Daicel、CHIRALPAK AS、ヘキサン:イソプロパノール=98:2、0.8ml/min、254nm、保持時間;スレオ/S:11min,R:38min,エリスロ/R:14min,S:25min
実施例5
(R)−BINOL−Ti触媒(12.9mg、0.032mmol、0.1eq)と下記式
【0052】
【化30】
【0053】
で示されるシリルエノールエーテル(75.5mg、0.323mmol、1.0eq)を塩化メチレン(1.94ml)に加え、アルゴン雰囲気下、氷冷下で過剰量のフルオラールを吹き込み、同温度で30分間撹拌した。撹拌終了後、水を加え、塩化メチレンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮することによって粗体を得た。粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:ヘキサン=3:2)に付し、下記式
【0054】
【化31】
【0055】
で示されるフリーデル−クラフト反応生成物を得た(収率:34%、E/Z=1/4、Z体の不斉収率:98%e.e.(R体)、E体の不斉収率:80%e.e.(R体))。
1H−NMR(TMS、ppm、CDCl3)
Z体:7.3〜7.5(5H,m,aromatic),5.1(1H,d,vinylic−CH),4.5(1H,d−quin,CF3CHOH),2.0(1H,d,CF3CHOH),0.9(9H,s,Sit−BuMe2),0.1(3H*2,s*2,Sit−BuMe 2 )
E体:7.3〜7.5(5H,m,aromatic),5.2(1H,d,vinylic−CH),5.0(1H,d−quin,CF3CHOH),2.2(1H,d,CF3CHOH),1.0(9H,s,Sit−BuMe2),0.0(3H,s,Sit−BuMe 2),−0.1(3H,s,Sit−BuMe 2)
また、Z体およびE体の不斉収率は、酸加水分解物をキラルHPLCにより測定した。
キラルHPLC条件
Daicel、CHIRALPAK OD−H、ヘキサン:イソプロパノール=95:5、0.8ml/min、254nm、保持時間;S:12min,R:14min
実施例6
(R)−BINOL−Ti触媒(9.1mg、0.023mmol、0.01eq)と下記式
【0056】
【化32】
【0057】
で示される化合物(623.2mg、2.258mmol、1.0eq、)を塩化メチレン(14.5ml)に加え、アルゴン雰囲気下、氷冷下で過剰量のフルオラールを吹き込み、同温度で30分間撹拌した。撹拌終了後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、塩化メチレンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮することによって粗体を得た。粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:10)に付し、下記式
【0058】
【化33】
【0059】
で示されるフリーデル−クラフト反応生成物を得た(収率:90%、Z/E=5/1、Z体の不斉収率:96%e.e.(R体))。
1H−NMR(TMS、ppm、CDCl3)
E体:7.4−7.5(2H,m)、7.3−7.4(3H,m)、5.0−5.1(2H,m)、2.1(1H,d)、1.0−1.1(21H,m)
Z体:7.5(2H,m)、7.4(3H,m)、5.1(1H,d)、4.5(1H,m)、2.0(1H,d)、1.2(3H,m)、1.1 (9H*2,d*2)
また、E体の不斉収率は、酸加水分解物をキラルHPLCにより測定した。
キラルHPLC条件
Daicel、CHIRALPAK OD−H、ヘキサン:イソプロパノール=95:5、0.8ml/min、254nm、保持時間;S:12min,R:14min
実施例7
(R)−BINOL−Ti触媒(80.6mg、0.2mmol、0.2eq)と下記式
【0060】
【化34】
【0061】
で示されるビニルエーテル(112mg、1mmol、1.0eq、E/Z=1/1)を塩化メチレン(6ml)に加え、アルゴン雰囲気下、氷冷下で過剰量のフルオラールを吹き込み、同温度で30分間撹拌した。撹拌終了後、水を加え、塩化メチレンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮することによって粗体を得た。粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:ヘキサン=3:2)に付し、下記式
【0062】
【化35】
【0063】
で示されるフリーデル−クラフト反応生成物を得た(収率:52%、Z体100%、不斉収率:43%e.e.(R体))。
1H−NMR(TMS、ppm、CDCl3)4.6(1H,quin),3.9(1H,d),3.6(3H,s), 1.9−2.3(4H,m),1.4−1.8(4H,m)
【0064】
【発明の効果】
本発明の製造方法により、医薬品、農薬あるいは各種機能材料などの製造中間体として有用な化合物である一般式[IV]で示される光学活性フリーデル−クラフト反応生成物類を非常に容易に、効率よく、かつ、高い光学純度で製造することができる。
Claims (11)
- 光学活性ビナフトール−チタン錯体の存在下、一般式[II]
- R3がそれぞれ同一かまたは異なるメチル基、i−プロピル基、t−ブチル基から選ばれる基であることを特徴とする、請求項1記載の光学活性フリーデル−クラフト反応生成物類の製造方法。
- R,R1,R2の組み合わせが、次の(1)〜(6)の何れかであることを特徴とする、請求項1記載の光学活性フリーデル−クラフト反応生成物類の製造方法。
(1)Rがメチル基、R1がトリル基、R2がメチル基である。
(2)Rがメチル基、R1がフェニル基、R2が水素である。
(3)Rが(CH3)2(t−C4H9)Si−基、R1がトリル基、R2がメチル基である。
(4)Rが(CH3)2(t−C4H9)Si−基、R1がフェニル基、R2が水素である。
(5)Rが(i−C3H7)3Si−基、R1がフェニル基、R2が水素である。
(6)Rがメチル基であり、R1とR2がつながってテトラメチレン基を形成する。 - 光学活性ビナフトール−チタン錯体が、四ハロゲン化チタン(ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう)とメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールから選ばれるアルコール、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールから選ばれるアルコールのテトラアルコキシチタンを反応させて得られた反応液、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールから選ばれるアルコールのアルコキシハロゲノチタン(ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう)に、光学活性な一般式[V]
- 光学活性ビナフトール−チタン錯体が、一般式[V]で表されるナフトールを反応させる際に反応系にゼオライトを存在させて得られた光学活性ビナフトール−チタン錯体である請求項1乃至請求項3の何れかに記載の製造方法。
- 光学活性ビナフトール−チタン錯体が、一般式[V]で表されるナフトールを反応させる際に反応系に溶媒を存在させて得られた光学活性ビナフトール−チタン錯体である請求項1乃至請求項3の何れかに記載の製造方法。
- R3がそれぞれ同一かまたは異なるメチル基、i−プロピル基、t−ブチル基から選ばれる基であることを特徴とする、請求項9記載の光学活性フリーデル−クラフト反応生成物。
- R,R1,R2の組み合わせが、次の(1)〜(6)の何れかであることを特徴とする、請求項9記載の光学活性フリーデル−クラフト反応生成物。
(1)Rがメチル基、R1がトリル基、R2がメチル基である。
(2)Rがメチル基、R1がフェニル基、R2が水素である。
(3)Rが(CH3)2(t−C4H9)Si−基、R1がトリル基、R2がメチル基である。
(4)Rが(CH3)2(t−C4H9)Si−基、R1がフェニル基、R2が水素である。
(5)Rが(i−C3H7)3Si−基、R1がフェニル基、R2が水素である。
(6)Rがメチル基であり、R1とR2がつながってテトラメチレン基を形成する。
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