JP2003535855A - 2−クマロンおよび置換された2−クマロン類の製造方法 - Google Patents

2−クマロンおよび置換された2−クマロン類の製造方法

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JP2003535855A JP2002501879A JP2002501879A JP2003535855A JP 2003535855 A JP2003535855 A JP 2003535855A JP 2002501879 A JP2002501879 A JP 2002501879A JP 2002501879 A JP2002501879 A JP 2002501879A JP 2003535855 A JP2003535855 A JP 2003535855A
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シュタネク・ミヒャエル
ヒルデブラント・ペーター
ツィンマーマン・クアツ
カステリンス・マリアンヌ
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デーエスエム・ファイン・ケミカルズ・オーストリア・ナッハフォルゲル・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシヤフト
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明は、2−クマロンおよび置換された2−クマロン類の製造方法において、シクロヘキサノンまたは置換されたシクロヘキサノン類とカルボキシル基含有アシル化剤とを、a)2−(2−オキソ−シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ−酢酸メチルエステルまたは置換された2−(2−オキソ−シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ−酢酸メチルエステルに転化し、これをa1 )直接的に接触的気相脱水素反応によって2−クマロンまたは置換された2−クマロンに転化するかまたはa2 )塩基性条件のもとでまたは強酸または強酸性イオン交換体の使用下に共沸蒸留することによって2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸メチルエステルと2−オキソ−シクロヘキシリデン−酢酸のエノール型ラクトンとの混合物または置換された2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸メチルエステルと置換された2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸のエノール型ラクトンとの混合物に脱水素処理し、次いで再び接触的気相脱水素反応によって2−クマロンまたは置換された2−クマロンに転化し、またはb)酸性または塩基性条件のもとで直接的に2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸メチルエステルと2−オキソ−シクロヘキシリデン−酢酸のエノール型ラクトンとの混合物または置換された2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸メチルエステルと置換された2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸のエノール型ラクトンとの混合物に転化し、次いでこれを再び接触的気相脱水素によって2−クマロンまたは置換された2−クマロンに転化する、上記方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2−クマロンまたは置換された2−クマロン類の製造方法に関する
【0002】
【従来の技術】
2−クマロンは農業用化学品を合成するための重要な原料である。文献から3
H−2−ベンゾフラン−2−オンまたは2−クマラノンとも称される2−クマロ
ンを製造する種々の方法が既に公知である。それらの一部は多段階合成をベース
とするものであり、他の一部は気相での接触的脱水素反応をベースとしている。
【0003】 R.W.Layer等(米国特許第3,862,133号明細書)にはo−ヒ
ドロキシフェニル酢酸のγ−ラクトン類を製造するための合成法が開示されてお
り、この場合には芳香族環に置換基を有している。フェノールおよびグルオキサ
ールを使用する場合には、芳香族環に置換基が存在しないために沢山の反応性位
置が多くの副生成物をもたらすので、非常に少ない収率でしか2−クマロンを得
ることができない。
【0004】 同様に、置換された3H−2−ベンゾフラン−2−オンが、Pfitzer
Inc.の説明(英国特許第1,337,507号明細書)によると置換された
2−メトキシ−フェニル酢酸から出発して製造される。2−メトキシ−フェニル
酢酸のこの合成、次のエーテル開裂および2−クマロンへの環化は経費的に不利
な方法である。
【0005】 5−クロロ−3−H−ベンゾフラン−2−オンを製造する他の方法をJ.C.
Vallejos等(フランス特許第2,686,880号明細書)が開示して
おり、この場合にはp−クロロフェノールおよびグリオキシル酸から出発してホ
スフィン酸および触媒量のヨウ素または塩酸の存在下で行っている。
【0006】 2−クマロンを製造する別の幾つかの方法も確かに文献に開示されているが、
それらは工業的に合成する状態に全く至っていない。例えばT.Fukagaw
a等はフェニル酢酸の分子間アシルオキシ化について報告しており(J.Org
.Chem.1982、47、2491)、E.Baciocchi等は反応成
分としてトランス−2,3−ジクロロ−2,3−ジヒドロベンゾフランを使用し
(J.Org.Chem.,1979、44、32)そしてH.E.Holmq
uistはo−クレゾールと一酸化炭素とから出発する合成法を開示している。
【0007】 最近、J.C.Vallejos等はシクロヘキサノンと予め濃い酢酸に溶解
されている水性グリオキシル酸とから縮合生成物を接触的気相脱水素化によって
2−クマロンを製造する方法を開示している(米国特許第5,616,733号
明細書)。この方法の重大な欠点は、触媒の失活が早いことの他に、2−クマロ
ンが非常に僅かな収率でしか得られない点にある。
【0008】 他の文献ではJ.C.Vallejos等が、シクロヘキサノンと水性グリオ
キシル酸との縮合反応生成物のエノール型ラクトンを合成し、次いで接触的に気
相脱水素することによって2−クマロンの収率を向上させることができることを
開示している(米国特許第5,773,635号明細書)。シクロヘキサノンと
50%濃度水性グリオキシル酸との縮合生成物の製造は、反応を行った後で過剰
のシクロヘキサノンの他に留去しなければならない追加的な水および塩酸を使用
する必要があるという欠点がある。次いで他の合成段階で2−オキソ−シクロヘ
キシリデン酢酸(シス型およびトランス型)と2−オキソ−シクロヘキシリデン
−酢酸のエノール型ラクトンとよりなる反応混合物のエノール型ラクトン化が行
なわれる。2−オキソ−シクロヘキシリデン−酢酸の主として生じるエノール型
ラクトンは減圧蒸留後に蒸気相脱水素反応に付される。
【0009】
【発明の構成】
予期できなかったことに、2−クマロンおよび置換された2−クマロンを製造
する改善された方法がシクロヘキサノンまたは置換されたシクロヘキサノンとカ
ルボキシル基含有アシル化剤との反応混合物を接触的気相脱水素反応させること
によって見出すことができた。この場合には、シクロヘキサノンまたは置換され
たシクロヘキサノンとカルボキシル基含有アシル化剤との反応生成物だけでなく
、2−クマロンおよび置換された2−クマロン類が高収率で得られる。
【0010】 従って本発明の対象は、2−クマロンおよび置換された2−クマロン類の製造
方法において、シクロヘキサノンまたは置換されたシクロヘキサノン類とカルボ
キシル基含有アシル化剤とを、 a)2−(2−オキソ−シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ−酢酸メチルエステ ルまたは置換された2−(2−オキソ−シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ− 酢酸メチルエステルに転化し、これを a1 )直接的に接触的気相脱水素反応によって2−クマロンまたは置換された 2−クマロンに転化するかまたは a2 )塩基性条件のもとでまたは強酸または強酸性イオン交換体の使用下に共 沸蒸留することによって2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸メチルエステ ルと2−オキソ−シクロヘキシリデン−酢酸のエノール型ラクトンとの混合 物または置換された2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸メチルエステルと 置換された2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸のエノール型ラクトンとの 混合物に脱水素処理し、次いで再び接触的気相脱水素反応によって2−クマ ロンまたは置換された2−クマロンに転化し、または b)酸性または塩基性条件のもとで直接的に2−オキソシクロヘキシリデン−酢 酸メチルエステルと2−オキソ−シクロヘキシリデン−酢酸のエノール型ラク トンとの混合物または置換された2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸メチル エステルと置換された2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸のエノール型ラク トンとの混合物に転化し、次いでこれを再び接触的気相脱水素によって2−ク マロンまたは置換された2−クマロンに転化する ことを特徴とする、上記方法である。
【0011】 本発明の方法の場合、式(I)
【0012】
【化3】
【0013】 [ 式中、RはHまたはC1 〜C3 −アルキルまたは−アルコキシ基である。] で表されるシクロヘキサノンまたは置換されたシクロヘキサノン類および一般式
(IIa) または(IIb)
【0014】
【化4】
【0015】 [式中、2−クマロンを製造する場合にはR1 、R2 およびR3 は互いに無関係 にメチル−、エチル−またはプロピル基であるかまたはR1 およびR2 は水素 原子でありそしてR3 はメチル−、エチル−またはプロピル基でもよくそして 置換されたクマロン類を製造する場合にはR3 がHでもあり得る。] で表されるカルボキシル基含有アシル化剤とから出発する。
【0016】 式(IIa) および(IIb) の化合物の例にはグリオキシル酸、グリオキシル酸メチ
ルエステル、グリオキシル酸エチルエステル、グリオキシ酸メチルエステル−メ
チルヘミアセタール、グリオキシ酸メチルエステル−ジメチルアセタール、グリ
オキシ酸エチルエステル−エチルヘミアセタールがある。カルボキシル基含有ア
シル化剤としては式(IIa) および/または式(IIb) の化合物の混合物も使用する
ことができる。
【0017】 反応経過は次の反応式から明らかである。式中、Rはメチル、エチル、プロピ
ル、メトキシ、エトキシまたはHである:
【0018】
【化5】
【0019】 2−(2−オキソ- シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ−酢酸メチルエステル
または置換された2−(2−オキソ- シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ−酢酸
メチルエステルである反応生成物Aを本発明に従って、シクロヘキサノンまたは
置換されたシクロヘキサノンとカルボキシル基含有アシル化剤とを不活性雰囲気
でほぼ定量的に反応させることによって得られる。その際にカルボキシル基含有
アシル化剤をシクロヘキサノンまたは置換されたシクロヘキサノンにゆっくり計
量供給しそしてその際に発生するアルコール(メタノール、エタノール、プロパ
ノール)を反応混合物から、頂部から除去する。シクロヘキサノンまたは置換さ
れたシクロヘキサノンとカルボキシル基含有アシル化剤とのモル比は100:1
〜0.5:1の範囲から選択する。シクロヘキサノンまたは置換されたシクロヘ
キサノンとカルボキシル基含有アシル化剤とのモル比は好ましくは20:1〜1
:1であり、特に好ましくは10:1〜1.5:1である。反応混合物の温度は
50〜190℃、好ましくは80〜150℃、特に好ましくは95〜145℃で
ある。反応の最後はカルボキシル基含有アシル化剤の消費量について適当な工程
内管理によって検知される。反応を行った後に過剰のシクロヘキサノンまたは置
換されたシクロヘキサノンを減圧下に反応混合物から除く。反応生成物Aは場合
によっては減圧下に留去してもよく、その場合には<0.5mbarの減圧のも
とで蒸留するのが有利である。反応生成物の2−(2−オキソ−シクロヘキシル
)−2−ヒドロキシ−酢酸メチルエステル(=反応生成物A)は確かに文献から
公知であり、相応する2−オキソ−酸エステルの酵素による還元反応によって(
A.Schummer等、Tetrahedron,第47巻、1991、第9019頁; S.Tsuboi等、J,Org.Chem
., 1987 、52、1359; S.Tsuboi等、Tetrahedron,第27巻、1986、第1915頁) また
はシクロヘキサノン、二級アミンおよびグリオキシル酸のマンニッヒ(Mannich)
反応の種類の反応によっておよび次いでエステル化によって得られる(J.Schreib
er等、Bull.Soc.Chim.Fr., 1973 、2 、第625 頁) 。しかしながら任意の原料か
らの唯一の合成段階での製法は公知ではなく、それ故に本発明の別の対象である
【0020】 本発明の方法の場合には、a2 )段階で反応生成物Aを有機溶剤および場合に
よっては酸または酸性イオン交換体を添加した後に水を除くことによって脱水し
、その際に2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸メチルエステル(反応混合物B
、シス型またはトランス型)と2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸メチルエス
テルのエノール型ラクトン(反応生成物C)との混合物または置換された2−オ
キソシクロヘキシリデン−酢酸メチルエステル(反応混合物B、シス型またはト
ランス型)と2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸の置換されたエノール型ラク
トン(反応生成物C)との混合物が得られる。反応経過次第で水の計量供給によ
ってもBとCとの比を制御することができる。反応温度は50℃より高く、好ま
しくは80〜160℃である。酸としては特に、有機媒体に溶解するものが適す
る。この場合、特にp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、濃硫酸等を使
用するのが好ましいが、強酸性イオン交換体も有利に使用される。有機溶剤とし
ては、特に脂肪族または芳香族、場合によってはハロゲン化炭化水素、例えばベ
ンゼン、トルエン、キシレンおよび四塩化炭素、また、旧来の文献によると水を
除くのに役立つ他の有機溶剤も適する。非置換の反応生成物BおよびCは、本発
明の態様と異なる、経済的に非効率的な製造ルートを経る合成法で製造できるこ
とは文献から公知である。すなわち、A.Mondon等、Chem.Ber。、96、826 、1963
; K.W.Rosenmund 等、Arch.Pharmarz, Ber.dtsch.pharmaz. Ges, 287、441; A.W
.Noltes 等、Rec. Trav. Chim.、80、 1334, 1961; Y.Arbzov 等、Zhur. Obshch
. Khim. 、32、 3676 、 1962 、 M.N.Kolosov等、Zhur. Obshch. Khim. 、 32
、 2983 、 1962; F.Bondies等、 Gazz.Chim.Ital.、113 、421 、1983。
【0021】 反応生成物BおよびCの混合物は本発明に従って唯一の合成段階(段階b)で
もシクロヘキサノンまたは置換されたシクロヘキサノンとカルボキシル基含有ア
シル化剤とを酸性または塩基性条件、好ましくは酸性条件のもとでおよび保護ガ
ス雰囲気で反応させることによっても得ることができる。この場合にはカルボキ
シル基含有アシル化剤をシクロヘキサノンまたは置換されたシクロヘキサノンに
場合によっては有機溶剤と一緒にゆっくり計量供給するのが好ましい。反応混合
物中で生じるアルコール(メタノール、エタノール、プロパノール)は頂部から
留去することができる。シクロヘキサノンまたは置換されたシクロヘキサノンと
カルボキシル基含有アシル化剤とのモル比は100:1〜0.5:1の範囲から
選択する。20:1〜1:1、特に10:1〜1.5:1のモル比が好ましい。
有機溶剤としては特に脂肪族または芳香族、場合によってはハロゲン化炭化水素
、例えばベンゼン、トルエン、キシレンおよび四塩化炭素等が適するが、アルコ
ール類、例えばメタノール、エタノール等も適する。有機溶剤を添加する場合に
は、有機溶剤とシクロヘキサノンまたは置換されたシクロヘキサノンとの容量比
は100:1〜0.2:1、好ましくは50:1〜1.5:1、特に好ましくは
10:1〜1:1である。
【0022】 酸としては無機酸も有機酸も適し、これらはカルボキシル基含有アシル化剤に
対して当量でまたは過剰モル量または不足モル量で使用できる。塩酸、硫酸、リ
ン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等が好ましい。特に強酸性イ
オン交換体を使用するのが有利である。反応混合物の温度は50〜180℃、好
ましくは80〜150℃、特に好ましくは120〜135℃である。反応の最後
はカルボキシル基含有アシル化剤の消費量について適当な工程内管理によって確
認される。
【0023】 反応を行った後に過剰のシクロヘキサノンまたは過剰の置換されたシクロヘキ
サノンを、および場合によっては有機溶剤も減圧下に反応混合物から除く。反応
生成物BおよびCの混合物は場合によっては減圧下に蒸留してもよく、その場合
には<500mbarの減圧のもとで蒸留するのが有利である。
【0024】 本発明の方法は、反応生成物Aまたは反応生成物BおよびCの混合物を粗生成
物としてまたは単離して、場合によってはメタノール、エタノールまたはジエチ
ルエーテルと組合せてキャリヤーガスによって蒸発処理しそして接触的に脱水素
化することを特徴とする。ただし、脱水素触媒として環状炭化水素を芳香族化す
るための従来技術に相応しそして例えばJ.Wiley Interscience、ニューヨーク、
1985; Houben-Weyl, Phenole, 第2巻、Georg Thieme- シュトットガルト、1976
、701-716 およびJ.H.Sinfelt in J.R.Anderson, M.Boudart: Catalysis Scienc
e and Technology、第1巻、Springer-Verlag ,ニューヨーク、1981等から
公知であるものを使用する。
【0025】 メタノール、エタノールまたはジエチルエーテルを添加する場合には、反応生
成物A、と反応生成物BおよびCおよびメタノール、エタノールまたはジエチル
エーテルの混合物とのモル比は1:0.2〜100:0.2の範囲から選択し、
その際にモル比が1:1〜20:1であるのが好ましい。2:1〜10:1の範
囲内のモル比が特に好ましい。
【0026】 接触的気相水素化は140℃より高い温度、好ましくは200〜300℃の温
度、特に好ましくは220〜270℃の温度で行う。触媒としては特に1m2
gより大きい比表面積を有する固体担体、例えば酸化アルミニウムに0.5〜6
%の濃度で担持されたパラジウムまたは白金が有利である。
【0027】 脱水素反応を行った後に、冷却トラップに集まった凝縮液を、2−クマロンま
たは置換された2−クマロンを高収率で純粋な状態で単離するために蒸留する。
【0028】 本発明の方法は、従ってシクロヘキサノンまたは置換されたシクロヘキサノン
とカルボキシル基含有アシル化剤から反応生成物を90%以上の高収率で製造す
るのに適している。この反応生成物は後で蒸気相中で2−クマロンまたは置換さ
れた2−クマロンに70%以上の高収率で接触的に脱水素化される。
【0029】 従来技術に比較して、本発明の方法では任意の粗生成物から唯一の合成段階で
液状の安定な中間生成物(反応生成物A、BおよびC)が非常に簡単に得られ、
これを直接的に接触的な気相脱水素反応によって2−クマロンまたは置換された
2−クマロンに転化させることができる。
【0030】
【実施例】
実施例1: 196g(2モル)のシクロヘキサノンを二重ジャケット式反応器に最初に入
れ、125℃に加熱する。60分にわたって120g(1モル)のグリオキシル
酸メチルエステル−メチルヘミアセタールを導入しそして生じるメタノールを窒
素流によって反応混合物から除く。30分の反応時間の後に105℃のもとで過
剰のシクロヘキサノンおよび少量のメタノールを減圧下に反応混合物から除く。
【0031】 ほぼ定量的な転化率によって反応生成物Aが98%の収率、98%の純度(G
C+HPLC)で得られる。
【0032】 実施例2: 62g(0.33モル)の反応生成物Aを300mLのトルエンおよび6gの
イオン交換体Amberlyst 15(Aldrich)と混合する。60分後に共沸
蒸留を終了し、イオン交換体を濾別する。過剰のトルエンを減圧下に反応混合物
から除き、そして場合によっては反応混合物を蒸留する(沸点:1mbarで9
0℃)。
【0033】 定量的反応によって反応生成物B(シス型)およびCの混合物が得られ、その
際にこの混合物はHPLCクロマトグラムによると95%の反応生成物Bと4%
の反応生成物Cとで組成されている。
【0034】 実施例3: 196g(2モル)のシクロヘキサノンおよび30mLの濃塩酸を二重ジャケ
ット反応器中に最初に導入しそして100℃に加熱する。60分にわたって12
0g(1モル)のグリオキシル酸メチルエステル−メチルヘミアセタールを導入
し、次に反応混合物をさらに30分、100℃で煮沸する。過剰のシクロヘキサ
ノン、メタノール、水および塩酸を減圧下に留去する。反応生成物の混合物はH
PLCによると68%の反応生成物C、28%の反応生成物B(シス型)および
3%のシス−2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸で組成されている。この反応
混合物を90℃の沸点および1mbarの圧力のもとで蒸留することによって精
製する。
【0035】 収率:グリオキシル酸メチルエステル−メチルヘミアセタールを規準として9
4%の反応生成物BとCの混合物。
【0036】 実施例4: 56.1g(0.5モル)の4−メチル−シクロヘキサノンおよび18gの、
グリオキシル酸メチルエステルとグリオキシル酸メチルエステル−メチルヘミア
セタールとの混合物(蒸留後約80/20)を二重ジャケット式反応器に最初に
入れ、135℃に加熱する。生じるメタノールを減圧下に反応混合物から除く。
更に30分の反応時間の後に100℃のもとで過剰の4−メチル−シクロヘキサ
ノンおよび少量のメタノールを減圧下に反応混合物から除く。
【0037】 ほぼ定量的な転化反応によって2−(2−オキソ−5−メチル−シクロヘキシ
ル)−2−ヒドロキシ−酢酸メチルエステルを高収率で95%の純度(GC)で
得る。
【0038】 実施例5: 128.5g(1モル)の4−メトキシ−シクロヘキサノンおよび29g(0
.333モル)のグリオキシル酸メチルエステル(蒸留したばかりのもの)を二
重ジャケット式反応器に最初に入れ、135℃に継続して加熱する。1.5時間
の反応時間の後に、130℃のもとで過剰の4−メトキシ−シクロヘキサノンお
よび少量のメタノールを減圧下に反応混合物から除く。
【0039】 ほぼ定量的な転化反応によって2−(2−オキソ−5−メトキシ−シクロヘキ
シル)−2−ヒドロキシ−酢酸メチルエステルを95%の収率で92%の純度(
GC)で得る。
【0040】 実施例6: 実施例1〜3の生成物をそれぞれメタノールと4:1のモル比で希釈し(実施
例2の反応生成物の混合物はメタノールを含まない)そして生成物次第で210
〜270℃の温度に加熱され続けている蒸発器において15mL/時の窒素流の
流速のもとで蒸発処理する。この水蒸気流を反応器窒素流中に200〜300m
L/時の流速で導入する。1%のPd/Al2 3 触媒が充填された縦配置の反
応器を260℃の温度で運転する。反応器の末端でガス流は複数の冷却トラップ
に通されそして粗反応生成物をアセトニトリルの充填されたトラップで凝縮され
る。次いでアセトニトリル溶液をGCおよびHPLCによって分析する。実施例
1〜3からの反応成分の使用量を規準として70%より多い収率が達成される。
ガス流を増やすことによって、約80%の収率さえ達成できる。場合によっては
2−クマロンまたは置換された2−クマロンを減圧下に蒸留する。その際に2−
クマロンまたは置換された2−クマロンの純度は99.8%である(GC+HP
LC)。
【手続補正書】特許協力条約第19条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年10月23日(2001.10.23)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 [ 式中、RはHまたはC1 〜C3 −アルキルまたは−アルコキシ基である。] で表されるシクロヘキサノンまたは置換されたシクロヘキサノン類と一般式(II)
【化2】 [式中、R1 およびR2 は互いに無関係に水素原子またはC1 〜C3 −アルキル
基を 意味しそしてR3 はC1 〜C3 −アルキル基を意味する。] で表されるカルボキシル基含有アシル化剤とを、 a)2−(2−オキソ−シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ−酢酸メチルエステ ルまたは置換された2−(2−オキソ−シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ− 酢酸メチルエステルに転化し、これを a1 )直接的に接触的気相脱水素反応によって2−クマロンまたは置換された 2−クマロンに転化するかまたは a2 )塩基性条件のもとでまたは強酸または強酸性イオン交換体の使用下に共 沸蒸留することによって2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸メチルエステ ルと2−オキソ−シクロヘキシリデン−酢酸のエノール型ラクトンとの混合 物または置換された2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸メチルエステルと 置換された2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸のエノール型ラクトンとの 混合物に脱水素処理し、次いで再び接触的気相脱水素反応によって2−クマ ロンまたは置換された2−クマロンに転化し、または b)酸性または塩基性条件のもとで直接的に2−オキソシクロヘキシリデン−酢 酸メチルエステルと2−オキソ−シクロヘキシリデン−酢酸のエノール型ラク トンとの混合物または置換された2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸メチル エステルと置換された2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸のエノール型ラク トンとの混合物に転化し、次いでこれを再び接触的気相脱水素によって2−ク マロンまたは置換された2−クマロンに転化する ことを特徴とする、上記方法。
【請求項10】 2−(2−オキソ−シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ−
酢酸メチルエステルまたは置換された2−(2−オキソ−シクロヘキシル)−2
−ヒドロキシ−酢酸メチルエステルを製造する方法において、シクロヘキサノン
または置換されたシクロヘキサノンをカルボキシル基含有アシル化剤と反応させ
、次いで2−(2−オキソ−シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ−酢酸メチルエ
ステルまたは置換された2−(2−オキソ−シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ
−酢酸メチルエステルを場合によっては請求項1のa1 )またはa2 )に従って
2−クマロンまたは置換された2−クマロンにさらに転化することを特徴とする
、上記方法。
【手続補正書】
【提出日】平成15年2月13日(2003.2.13)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【化1】 [ 式中、RはHまたはC1 〜C3 −アルキルまたは−アルコキシ基である。] で表されるシクロヘキサノンまたは置換されたシクロヘキサノン類を、一般式(II)
【化2】 [式中、1 およびR2 は互いに無関係に水素原子またはC1 〜C3 −アルキル でありそしてR3 はC1 〜C3 −アルキルである。] で表されるカルボキシル基含有アシル化剤と反応させ、 a)a1 接触的気相脱水素化によって直接的に2−クマロンまたは置換された 2−クマロンに転化するかまたは a2 )塩基性条件のもとでまたは強酸または強酸性イオン交換体の使用下に共 沸蒸留することによって2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸アルキルエス テルと2−オキソ−シクロヘキシリデン−酢酸のエノール型ラクトンとの混 合物または置換された2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸アルキルエステ と置換された2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸のエノール型ラクトン との混合物に脱水素処理し、次いで再び接触的気相脱水素化によって2−ク マロンまたは置換された2−クマロンに転化するか して2−(2−オキソ−シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ−酢酸アルキルエ ステルまたは置換された2−(2−オキソ−シクロヘキシル)−2−ヒドロキ シ−酢酸アルキルエステルを得るか、または b)酸性または塩基性条件のもとで直接的に2−オキソシクロヘキシリデン− 酸アルキルエステルと2−オキソ−シクロヘキシリデン−酢酸のエノール型ラ クトンとの混合物または置換された2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸アル キルエステルと置換された2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸のエノール型 ラクトンとの混合物に転化し、次いでこれを再び接触的気相脱水素によって2 −クマロンまたは置換された2−クマロンに転化する ことを特徴とする、上記方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】 従って本発明は、2−クマロンおよび置換された2−クマロン類の製造方法に おいて、式(I)
【化3】 [ 式中、RはHまたはC1 〜C3 −アルキルまたは−アルコキシ基である。] で表されるシクロヘキサノンまたは置換されたシクロヘキサノン類を、一般式
(II)
【化4】 [式中、R1 およびR2 は互いに無関係に水素原子またはC1 〜C3 −アルキル でありそしてR3 はC1 〜C3 −アルキルである。] で表されるカルボキシル基含有アシル化剤と反応させ 、 a)a1 接触的気相脱水素化によって直接的に2−クマロンまたは置換された 2−クマロンに転化するかまたは a2 )塩基性条件のもとでまたは強酸または強酸性イオン交換体の使用下に共 沸蒸留することによって2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸アルキルエス テルと2−オキソ−シクロヘキシリデン−酢酸のエノール型ラクトンとの混 合物または置換された2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸アルキルエステ と置換された2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸のエノール型ラクトン との混合物に脱水素処理し、次いで再び接触的気相脱水素化によって2−ク マロンまたは置換された2−クマロンに転化するか して2−(2−オキソ−シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ−酢酸アルキルエ ステルまたは置換された2−(2−オキソ−シクロヘキシル)−2−ヒドロキ シ−酢酸アルキルエステルを得るか、または b)酸性または塩基性条件のもとで直接的に2−オキソシクロヘキシリデン− 酸アルキルエステルと2−オキソ−シクロヘキシリデン−酢酸のエノール型ラ クトンとの混合物または置換された2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸アル キルエステルと置換された2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸のエノール型 ラクトンとの混合物に転化し、次いでこれを再び接触的気相脱水素によって2 −クマロンまたは置換された2−クマロンに転化する ことを特徴とする、上記方法に関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】 [ 式中、RはHまたはC1 〜C3 −アルキルまたは−アルコキシ基である。] で表されるシクロヘキサノンまたは置換されたシクロヘキサノン類および一般式 (II)
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
【化6】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】 [式中、1 およびR2 は互いに無関係にHまたはメチル−、エチル−またはプ ロピル基を意味しそしてR3 がメチル−、エチル−またはプロピル基である。 ] で表されるカルボキシル基含有アシル化剤とから出発する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】 式(II)の化合物の例にはグリオキシ酸メチルエステルのメチルヘミアセタール 、グリオキシ酸メチルエステルのジメチルアセタール、グリオキシ酸エチルエス テルのエチルヘミアセタール等がある。 カルボキシル基含有アシル化剤としては
(II)の化合物の混合物も使用することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
【化7】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】 2−(2−オキソ- シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ−酢酸アルキルエステ または置換された2−(2−オキソ- シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ− 酸アルキルエステル である反応生成物Aは本発明に従って、シクロヘキサノンま
たは置換されたシクロヘキサノンとカルボキシル基含有アシル化剤とを不活性雰
囲気でほぼ定量的に反応させることによって得られる。その際にカルボキシル基
含有アシル化剤をシクロヘキサノンまたは置換されたシクロヘキサノンにゆっく
計量供給しそしてその際に発生するアルコール(メタノール、エタノール、プ
ロパノール)を頂部から除去する。シクロヘキサノンまたは置換されたシクロヘ
キサノンとカルボキシル基含有アシル化剤とのモル比は100:1〜0.5:1
の範囲から選択する。シクロヘキサノンまたは置換されたシクロヘキサノンとカ
ルボキシル基含有アシル化剤とのモル比は好ましくは20:1〜1:1であり、
特に好ましくは10:1〜1.5:1である。反応混合物の温度は50〜190
℃、好ましくは80〜150℃、特に好ましくは95〜145℃である。反応の
最後はカルボキシル基含有アシル化剤の消費について適当な工程内管理を使用し
て検知される。反応を行った後に過剰のシクロヘキサノンまたは置換されたシク
ロヘキサノンを減圧下に反応混合物から除く。反応生成物Aは場合によっては減
圧下に留去してもよく、その場合には<0.5mbarの減圧のもとで蒸留する
のが有利である。 反応生成物の2−(2−オキソ−シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ−酢酸ア ルキルエステル (=反応生成物A)は確かに文献から公知であり、相応する2−
オキソ−酸エステルの酵素による還元反応によって(A.Schummer等、Tetrahedro
n,第47巻、1991、第9019頁; S.Tsuboi等、J,Org.Chem., 1987 、52、1359; S.Ts
uboi等、Tetrahedron,第27巻、1986、第1915頁) またはシクロヘキサノン、二級
アミンおよびグリオキシル酸のマンニッヒ(Mannich) 反応の種類の反応によって
および次いでエステル化によって得られる(J.Schreibe 等、Bull.Soc.Chim.Fr.,
1973 、2 、第625 頁) 得られた。しかしながら任意の原料からの唯一の合成段
階での製法は公知ではなく、それ故に本発明の別の対象である。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】 本発明の方法のa2 )段階で反応生成物Aを有機溶剤および場合によっては酸
または酸性イオン交換体を添加した後に水を除くことによって脱水し、その際に
2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸アルキルエステル(反応混合物B、シス型
またはトランス型)と2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸のエノール型ラクト
ン(反応生成物C)との混合物または置換された2−オキソシクロヘキシリデン
酢酸アルキルエステル(反応混合物B、シス型またはトランス型)と2−オキ ソシクロヘキシリデン−酢酸 の置換されたエノール型ラクトン(反応生成物C)
との混合物が得られる。反応経過次第で水の添加によってもBとCとの比を制御
することができる。反応温度は50℃より高く、好ましくは80〜160℃であ
る。酸としては特に、有機媒体に溶解するものが適する。この場合、特にp−ト
ルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、濃硫酸等を使用するのが好ましいが、強
酸性イオン交換体も有利に使用される。有機溶剤としては、特に脂肪族または芳
香族、場合によってはハロゲン化炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレ
ンおよび四塩化炭素、また、旧来の文献によると水を除くのに役立つ他の有機溶
剤も適する。非置換の反応生成物BおよびCは、本発明の態様と異なる、経済的
に非効率的な製造ルートを経る合成法で製造できることは文献から公知である。
すなわち、A.Mondon等、Chem.Ber., 96, 826、1963; K.W.Rosenmund 等、Arch.P
harmarz, Ber.Dtsch.pharmaz. Ges, 287,441; A.W.Noltes等、Rec. Trav. Chim.
,80, 1334, 1961; Y.Arbzov 等、Zhur. Obshch.Khim.,32, 3676, 1962, M.N.Kol
osov等、Zhur. Obshch.Khim., 32、 2983 、 1962; F.Bondies等、 Gazz.Chim.I
tal., 113, 421, 1983。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】削除
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】削除
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】 実施例5: 実施例1から3の生成物をそれぞれメタノールと4:1のモル比で希釈し(実
施例2の反応生成物の混合物はメタノールを含まない)そして生成物次第で21
0〜270℃の温度に加熱され続けている蒸発器において15mL/時の窒素流
の流速のもとで蒸発処理する。この水蒸気流は反応器窒素流中に200〜300
mL/時の流速で導入する。1%のPd/Al2 3 触媒が充填された縦配置の
反応器を260℃の温度で運転する。反応器の末端でガス流は複数の冷却トラッ
プに通されそして粗反応生成物をアセトニトリルの充填されたトラップで凝縮さ
れる。次いでアセトニトリル溶液をGCおよびHPLCによって分析する。実施
例1〜3からの反応成分の使用量を規準として70%より多い収率が達成される
。ガス流を増やすと、約80%の収率さえ達成できる。場合によっては2−クマ
ロンまたは置換された2−クマロンを減圧したに蒸留する。その際に2−クマロ
ンまたは置換された2−クマロンの純度は99.8%である(GC+HPLC)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),AE,AG,AL,AM,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,CA,CN, CR,CU,CZ,DM,DZ,EE,GD,GE,H R,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KG,KP ,KR,KZ,LC,LK,LR,LT,LV,MA, MD,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,R O,RU,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TT ,UA,US,UZ,VN,YU,ZA (72)発明者 ヒルデブラント・ペーター オーストリア国、リンツ、フォーゲルフェ ンガーヴェーク、48 (72)発明者 ツィンマーマン・クアツ オーストリア国、リート・イー・デー・リ ートマルク、マールマッハ、57 (72)発明者 カステリンス・マリアンヌ オランダ国、イェーベー・シュパウベー ク、メルゲルアッカー、24 Fターム(参考) 4C037 PA01 PA20

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2−クマロンまたは置換された2−クマロン類の製造方法に
    おいて、式(I) 【化1】 [ 式中、RはHまたはC1 〜C3 −アルキルまたは−アルコキシ基である。] で表されるシクロヘキサノンまたは置換されたシクロヘキサノン類と一般式(IIa
    ) または(IIb) 【化2】 [式中、R3 は置換された2−クマロン類を製造する場合にだけHであり得ると いう条件のもとで、R1 、R2 およびR3 は互いに無関係に水素原子またはメ チル−、エチル−またはプロピル基を意味する。] で表されるカルボキシル基含有アシル化剤とを、 a)2−(2−オキソ−シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ−酢酸メチルエステ ルまたは置換された2−(2−オキソ−シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ− 酢酸メチルエステルに転化し、これを a1 )直接的に接触的気相脱水素反応によって2−クマロンまたは置換された 2−クマロンに転化するかまたは a2 )塩基性条件のもとでまたは強酸または強酸性イオン交換体の使用下に共 沸蒸留することによって2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸メチルエステ ルと2−オキソ−シクロヘキシリデン−酢酸のエノール型ラクトンとの混合 物または置換された2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸メチルエステルと 置換された2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸のエノール型ラクトンとの 混合物に脱水素処理し、次いで再び接触的気相脱水素反応によって2−クマ ロンまたは置換された2−クマロンに転化し、または b)酸性または塩基性条件のもとで直接的に2−オキソシクロヘキシリデン−酢 酸メチルエステルと2−オキソ−シクロヘキシリデン−酢酸のエノール型ラク トンとの混合物または置換された2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸メチル エステルと置換された2−オキソシクロヘキシリデン−酢酸のエノール型ラク トンとの混合物に転化し、次いでこれを再び接触的気相脱水素によって2−ク マロンまたは置換された2−クマロンに転化する ことを特徴とする、上記方法。
  2. 【請求項2】 a)またはb)段階において、シクロヘキサノンまたは置換
    されたシクロヘキサノンとカルボキシル基含有アシル化剤とのモル比が100:
    1〜0.5:1である、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 a)またはb)段階における反応温度が50℃以上である、
    請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 a2 )またはb)段階において酸として無機酸または有機酸
    または酸性イオン交換体を使用する、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 酸としてp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、塩酸
    、硫酸または強酸性イオン交換体を使用する、請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 a2 )段階で共沸蒸留のためにおよび場合によってはb)段
    階で反応の間に反応混合物を希釈するために、脂肪族または芳香族、場合によっ
    てはハロゲン化有機溶剤を使用する、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 a1 )、a2 )およびb)段階での気相脱水素反応のために
    相応する粗中間生成物または精製された中間生成物を使用することができる、請
    求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 蒸気相脱水素を140℃以上の温度で実施する、請求項1に
    記載の方法。
  9. 【請求項9】 気相脱水素反応の際に、1m2 /gより大きい比表面積を有
    する不活性の固体担体に担持されているパラジウムまたは白金よりなる触媒を使
    用する、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 2−(2−オキソ−シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ−
    酢酸メチルエステルまたは置換された2−(2−オキソ−シクロヘキシル)−2
    −ヒドロキシ−酢酸メチルエステルを製造する方法において、シクロヘキサノン
    または置換されたシクロヘキサノンをカルボキシル基含有アシル化剤と反応させ
    、次いで2−(2−オキソ−シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ−酢酸メチルエ
    ステルまたは置換された2−(2−オキソ−シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ
    −酢酸メチルエステルを場合によっては請求項1のa1 )またはa2 )に従って
    2−クマロンまたは置換された2−クマロンにさらに転化することを特徴とする
    、上記方法。
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