JPH0523286A - 浴槽洗浄装置の洗剤投入装置およびその装置における洗剤投入動作状態の検知方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 浴槽洗浄装置の洗剤投入部に洗剤を投入する
洗剤投入装置の動作状態を自動的に検知する。 【構成】 浴槽１に戻り分岐管３，戻り管５，循環ポン
プ６，追い焚き熱交換器７，往管８および往側分岐管1
0，11を経て洗浄ノズル２ａ，２ｂに至る洗浄液循環管
路を接続する。往管８に洗剤投入装置を接続する。洗剤
投入装置は洗剤タンク17と、洗剤タンク17内の洗剤を吐
出通路52を介して往管８に供給するピストン駆動ポンプ
41とを有して構成し、洗剤タンク17内には洗剤の液面レ
ベルを検出するレベルセンサ61を設け、吐出通路52には
洗剤を検出する洗剤検出センサ54を設け、洗剤検出セン
サ54とレベルセンサ61の検出信号に基づいて洗剤タンク
17が空の状態と、洗剤が残り少ない状態と、定常動作状
態とを識別判断し、洗剤タンクが空のときと洗剤が残り
少ないときには洗剤補充の報知を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、浴槽洗浄に際し、洗剤
を所定の投入部に投入する洗剤投入装置およびその装置
における洗剤投入動作状態の検知方法に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】浴槽を自動的に洗浄する装置として、実
開昭63-71869号公報が知られている。この装置は、洗剤
を含有させた洗浄液を噴射する洗浄ノズルと、水道等の
水を噴射する水噴射ノズルとを浴槽の蓋に設け、浴槽の
洗浄に際しては、洗剤タンクから洗浄液をポンプで洗浄
ノズルに供給し、これを浴槽内に噴射して汚れを落と
し、その後に、水の供給源から水噴射ノズルに水を供給
して浴槽内に噴射させ、前記洗浄液によって落とされた
浴槽の汚れ成分と洗浄液とを洗い流し、排水孔から排出
させるものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の装
置は、洗浄ノズルから噴射された洗浄液は繰り返し使用
されず、次に噴射される水とともに排水孔から流出する
方式であるので、洗剤使用の上で無駄があった。

【０００４】本出願人は試作研究を重ねこれらの問題点
を解決することができる洗浄装置を開発することに成功
した。この開発装置は、浴槽内壁面に向けて洗浄ノズル
を配置し、この洗浄ノズルから噴射された洗浄液を浴槽
の底部側から回収してこれを浴槽に接続された追い焚き
循環管路の循環ポンプと追い焚き熱交換器を通る洗浄液
循環管路を介して洗浄ノズルに循環供給するように構成
し、さらにこの洗浄液循環管路に洗剤タンクと洗剤投入
用の開閉弁とを内蔵する洗剤投入装置を設けたものであ
る。この開発装置によれば、洗浄の開始に際しては、浴
槽が空の状態で、洗剤投入用の開閉弁を開いて洗剤タン
クから洗剤を洗浄液循環管路内に投入し、給水管から洗
浄液循環管路を通して洗剤とともに水を浴槽に送り込ん
で所定量の洗浄液（水と洗剤との混合液）を浴槽底面に
溜め、次にポンプを起動し、浴槽に溜めた洗浄液を追い
焚き熱交換器で加熱しながら洗浄ノズルに供給し、加熱
した洗浄液を洗浄ノズルから浴槽内壁面に向けて循環噴
射させるものである。

【０００５】しかしながら、洗剤タンクから洗剤を洗浄
液循環管路に投入するとき、洗剤投入用の開閉弁を開け
て洗剤投入動作を行わせたとき、洗剤が正常に投入され
ているか否か、あるいは洗剤タンクに洗剤が十分満たさ
れているか否か、さらには、洗剤が残り少なくなってい
るか等の状態を自動的に検知することができないという
不都合があった。このため、洗剤タンクが空になってい
るのに気付かず、洗剤なしで浴槽洗浄運転が行われてし
まうという問題があり、また、装置を設置施工して最初
に洗浄運転を行うときには、洗剤タンクから洗剤の投入
部に至る管路には空気が満たされており、洗剤投入用の
開閉弁を所定時間開けて洗剤を投入部に至る管路に落と
し込んでも、この洗剤が投入部に行き届かず、洗剤を含
まない水だけの洗浄液で洗浄運転が行われてしまうとい
う問題があった。

【０００６】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的は、洗剤の投入動作状態を常時
正確に検知し、正常な状態で浴槽洗浄を行うことができ
る浴槽洗浄の洗剤投入装置およびその装置における洗剤
投入動作状態の検知方法を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、次のように構成されている。すなわち、本
発明の洗剤投入装置は、洗剤を収容する洗剤タンクと、
この洗剤タンク内の洗剤を吸引して浴槽洗浄装置におけ
る洗剤の投入部に投入するピストン駆動ポンプとを有
し、前記洗剤タンクには洗剤の液面レベルを検出するレ
ベルセンサが設けられるとともに、洗剤タンクから洗剤
の投入部に至る経路には洗剤を検出する洗剤検出センサ
が設けられていることを特徴として構成されており、ま
た、本発明の洗剤投入動作状態の検知方法は、洗剤タン
クからピストン駆動ポンプで洗剤を吸引し、吸引した洗
剤をピストン駆動ポンプから投入部に投入する洗剤の投
入動作時に、洗剤タンク内の洗剤の液面レベルをレベル
センサで検出するとともに、洗剤タンクから洗剤の投入
部に至る経路で洗剤を洗剤検出センサで検出し、前記レ
ベルセンサの検出信号と洗剤検出センサの検出信号に基
づいて、洗剤タンクが空の状態と、洗剤投入の定常動作
状態と、洗剤が切れる直前の状態とを識別判断し、洗剤
タンクが空のときと洗剤が切れる直前のときに洗剤補充
の報知を行うことを特徴として構成されている。

【０００８】

【作用】上記構成の本発明において、ピストン駆動ポン
プを駆動すると、洗剤タンク内から洗剤がピストン駆動
ポンプに吸引され、この吸引された洗剤は所定の洗剤投
入部に投入される。この洗剤の投入に際し、洗剤タンク
内の洗剤の液面レベルはレベルセンサにより検出されて
おり、洗剤タンクから洗剤の投入部に至る経路では、洗
剤の有無が洗剤検出センサにより検出されている。この
レベルセンサの検出信号と、洗剤検出センサの検出信号
に基づき、ピストン駆動ポンプを動作させたとき、洗剤
タンク内の液面レベルが下限レベルよりも上位にあり、
洗剤検出センサが洗剤を検出しているときには洗剤の投
入が定常状態で行われているものと判断する。また、洗
剤タンクの液面レベルが下限レベル以下となり、洗剤検
出センサが洗剤を検出しているときには洗剤が切れる直
前の状態と判断する。さらに、洗剤タンクの洗剤の液面
レベルが下限レベル以下となり、洗剤検出センサが洗剤
を検出できないときには洗剤タンク内の洗剤が空の状態
と判断する。そして、洗剤タンクが空のときと洗剤が切
れる直前のときには、例えばリモコン等の表示部に洗剤
補充の報知を行う。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図２には本発明に係る浴槽洗浄装置における洗剤
投入装置の要部構成が示されており、図１にはこの装置
を備えた浴槽洗浄装置のシステム構成が示されている。
この浴槽洗浄装置のシステムは、全自動風呂釜に洗浄機
能を付加した構成となっており、浴槽１の対向壁面には
洗浄ノズル２ａ，２ｂが設けられている。浴槽１の底面
側から戻り分岐管３、戻り管５、循環ポンプ６、追い焚
き熱交換器７、往管８、往側分岐管10，11を順に経て洗
浄ノズル２ａ，２ｂに至る管路は洗浄液循環管路を構成
し、また、戻り分岐管４、戻り管５、循環ポンプ６、追
い焚き熱交換器７、往管８および往側分岐管10，11を経
て洗浄ノズル２ａ，２ｂに至る管路は追い焚き循環管路
を構成している。この追い焚き循環管路は電磁弁等の注
湯弁12を介して給湯器13の給湯管14に接続され、洗浄機
能付きの全自動風呂釜が構成されている。

【００１０】前記往管８には本実施例において特徴的な
洗剤投入装置が接続されている。同洗剤投入装置は、図
２に示すように、洗剤タンク17と、ピストン駆動ポンプ
41とを有して構成されている。ピストン駆動ポンプ41の
シリンダ42内にはピストン43が往復移動が自在に収容さ
れている。ピストンロッド44の基端側はピストン駆動源
としてのモータ45に接続されている。このモータ45には
モータの回転を進退直線移動に変換する変換機構が設け
られており、モータの正逆回転によってピストン43の吐
出移動（進出移動）と吸込移動（後退移動）が行われる
ようになっている。シリンダ42の後方室46の壁面には空
気流通孔47が設けられており、また、シリンダ42の前方
室、つまり、作動室48には吸込通路50が形成されてお
り、その吸込通路50の先端側は洗剤タンク17の洗剤内に
入り込んでいる。前記吸込通路50内には吸込逆止弁51が
設けられており、作動室48側から洗剤タンク17への洗剤
の逆流が防止されている。

【００１１】一方、作動室48の先端側（前端側）には吐
出通路52が設けられており、この吐出通路52の先端側は
追い焚き循環管路の往管８に接続されている。また、こ
の吐出通路52には吐出逆止弁53と洗剤検出センサ54とが
設けられている。吐出逆止弁53は追い焚き循環管路側か
ら作動室48への逆流を防止するものであり、洗剤検出セ
ンサ54は吐出通路52内の洗剤の有無を検出する。この洗
剤検出センサ54は摺動室55内にフロート56を摺動自在に
収容し、フロート56にはマグネット57を設け、摺動室55
の周壁58にリードスイッチ60を設けて成り、吐出通路52
内が空のときに、フロート56は自重によって摺動室55の
下部に位置し、このとき、マグネット57とリードスイッ
チ60とが対向し、リードスイッチ60からオン信号が出力
されるようになっている。また、吐出通路52内が洗剤で
満たされたときにはフロート56は浮力によって摺動室55
の上方に位置してマグネット57がリードスイッチ60から
離れる結果、リードスイッチ60からオフ信号が出力され
るようになっている。

【００１２】前記洗剤タンク17にはタンク内の洗剤液面
レベルを検出するレベルセンサ61が設けられている。こ
のレベルセンサ61は様々な機構により構成できるが、例
えば、図に示すように、洗剤タンクの底面側からガイド
シャフト62を上方に突設し、このガイドシャフト62にフ
ロート63を摺動自在に嵌め込み、フロート63にはマグネ
ット64を設け、洗剤タンクの側壁側にはリードスイッチ
65を設けて構成される。かかる構成のもとで、フロート
63が下限位置にあるときに、マグネット64はリードスイ
ッチ65に対向し、リードスイッチ65からオン信号が出力
され、この下限位置からフロート63が洗剤の浮力により
上昇したときに、マグネット64はリードスイッチ65から
離れ、リードスイッチ65からオフ信号が出力される。こ
のレベルセンサ61のオン・オフ信号により、洗剤タンク
17内の洗剤液面は洗剤タンク17の底面からＨ₁ のレベル
を越えているか、あるいはＨ₁ のレベル以下かが検出で
きることになる。この洗剤タンク17内には洗剤導入管66
の一端側が挿入されており、この洗剤導入管66の他端側
は浴槽１のエプロン側に設けた洗剤注入口38に接続さ
れ、この洗剤注入口38から洗剤を補給して洗剤タンク17
に洗剤が溜められるようになっている。

【００１３】この実施例では、浴槽洗浄に際し、洗剤投
入部の往管８内に洗剤を投入するときには、モータ45が
駆動され、ピストン43は、図２の鎖線で示す吐出移動の
終点位置から後退方向に吸込移動を行う。この吸込移動
により作動室48は負圧化し、この負圧力を受けて吸込逆
止弁51の弁体51ａがばね51ｂの弾性復元力に抗して開方
向に移動する結果、吸込逆止弁51が開けられ洗剤タンク
17内の洗剤は吸込通路50を通って吸い込まれ、作動室48
内に所定量の洗剤が入り込む。ピストン43の吸込移動が
終了すると、吸込吐出弁51が閉じられ、洗剤タンク17と
作動室48との連通が遮断される。次に、ピストン43を進
出方向に吐出移動を行うと、その吐出圧力により吐出逆
止弁53の弁体53ａがばね53ｂの弾性復元力に抗して開方
向に移動する結果、吐出逆止弁53が開き、作動室48内の
洗剤は吐出通路52を通って往管８内に投入される。この
ピストン43の進退移動は洗剤の投入総量に至るまで所定
回行われる。例えば、１回の吐出量が10ccで、洗剤の投
入総量が30ccのときは、吐出動作が３回繰り返し行われ
る。そして、最終回の投入動作が完了したときに、モー
タ45が停止され、同時に吐出逆止弁53が閉じ往管８内と
作動室48との連通が遮断される。

【００１４】なお、図１中、９は浴槽１の水位を検出す
る圧力センサ、18は浴槽１の底面に接続された排水管、
19は排水弁、20，21は戻り管開閉弁、22，23はノズル開
閉弁、24は水流センサ、25は流量センサ、26，27，28は
管内の液体の温度を検出する温度センサ、30は給水管を
それぞれ示している。前記圧力センサ９と戻り管開閉弁
20，21と洗剤投入装置は洗浄ユニット37としてコンパク
トに集約され、例えば、浴槽１の上端濡れ縁の下側に設
置されている。

【００１５】前記排水弁19と、戻り管開閉弁20，21と、
ノズル開閉弁22，23と、注湯弁12との管路開閉（弁開
閉）制御と、循環ポンプ６およびピストン駆動ポンプ41
の運転制御と、追い焚き熱交換器７および給湯器13の燃
焼制御（バーナの燃焼制御）は制御装置31により行われ
ている。この制御装置31にはリモコン32が接続されてお
り、このリモコン32には洗浄運転と湯張り運転と追い焚
き運転を連続的に行わせる全自動ボタン33と、追い焚き
湯温設定部35と、湯張り水位設定部36と、洗剤の補給を
報知する洗剤補給表示部34とが設けられている。

【００１６】前記制御装置31は図３に示すように、信号
入力部70と、指令・制御部71と、タイマ72と、演算部73
と、メモリ74とを有している。信号入力部70は、リモコ
ン32からの信号と、圧力センサ９からの水位検出信号
と、水流センサ24からの水流検出信号と、各温度センサ
26，27，28からの温度検出信号と、流量センサ25からの
流量検出信号と、レベルセンサ61からの洗剤液面のレベ
ル検出信号と、洗剤検出センサ54からの洗剤検出信号と
を受け、これらの信号を指令・制御部71に加える。指令
・制御部71は、前記信号入力部70からの信号と、メモリ
74に与えられている浴槽洗浄から湯張りを経て追い焚き
に至るプログラムの情報を受けて浴槽洗浄運転から追い
焚き運転に至るプログラムの進行状態を把握し、必要に
応じ、タイマ72にタイマ動作を指令し、演算部73には水
量等の演算を指令し、適宜各種の弁12，19，20，21，2
2，23に開閉制御信号を出力するとともに、循環ポンプ
６の運転と、追い焚きおよび給湯の各熱交換器のバーナ
燃焼の制御とを行う。

【００１７】その一方において、指令・制御部71は洗剤
検出センサ54とレベルセンサ61と、ピストン駆動ポンプ
41の動作状態の情報を得て、洗剤投入装置の動作状態、
つまり、洗剤タンクが空の状態と、洗剤投入の定常動作
状態と、洗剤切れ直前の状態とを識別判断する。すなわ
ち、レベルセンサ61からオン信号（フロート63が下限位
置にある状態）が出力され、ピストン駆動ポンプ41が吐
出動作を行ったにもかかわらず洗剤検出センサ54からオ
ン信号（洗剤検出センサのフロート56が下限位置にある
状態）が出力されたときには洗剤タンク17が空の状態と
判断する。また、レベルセンサ61からオン信号が出力さ
れ、洗剤検出センサ54からオフ信号（吐出通路52内が洗
剤により満たされており、フロート56が洗剤の浮力を受
けて上方位置にある状態）が出力されたときには、洗剤
タンク17内の洗剤の液面がＨ₁ 以下となり、洗剤が残り
少ない状態（洗剤切れ直前の状態）と判断する。そし
て、前記洗剤タンク17が空の状態のときと、洗剤が残り
少なくなったものと判断したときには、洗剤の要補充状
態と判定し、洗剤タンク17が空のときにはリモコン32の
洗剤補給表示部34に洗剤補充の表示を行い、洗剤が残り
少なくなったものと判断したときには同じく洗剤補給表
示部34に洗剤補充の予備表示を行う。

【００１８】メモリ74は、浴槽洗浄から風呂の追い焚き
に至る全自動運転のプログラムと、洗剤投入装置の動作
プログラムとを内蔵するとともに、水量演算等の演算結
果や外部から入れられる入力値（例えば設定値）を記憶
する。

【００１９】本実施例は上記のように構成されており、
次に、図４および図５に示すフローチャートに基づき洗
剤投入装置の動作を浴槽の洗浄から風呂の追い焚きに至
る一連の全自動運転の動作中で説明する。まず、浴槽１
に蓋（図示せず）をし、リモコン32の追い焚き湯温設定
部35で追い焚きの湯温を設定し、湯張り水位設定部36で
湯張り水位を設定してからリモコン32の全自動ボタン33
をオンすると、このオン信号が制御装置31の信号入力部
70を経て指令・制御部71に加えられる。指令・制御部71
は全自動運転モードの指令を受け、ステップ101 から10
5 にかけて浴槽１内の残り湯水を排水して追い焚き循環
管路内を大気に開放する洗剤投入の準備動作を行う。

【００２０】すなわち、指令・制御部71は圧力センサ９
からの水位検出信号を受け、水位が検出されたときには
浴槽１に湯水があるものと判断し、ノズル開閉弁22，23
と戻り管開閉弁21を開いてから排水弁19を開けて浴槽湯
水の排水を行う。そして、圧力センサ９からの信号によ
り水位が検出されなくなったときに、浴槽１が空になっ
たものと判断し、排水弁19を閉じる。

【００２１】次に、ステップ106 から114 にかけての洗
剤投入動作を行う。まず、図５に示すように、ステップ
106 でレベルセンサ61がオフ信号を出力しているか否か
の判断を行う。オフ信号を出力しているときには、フロ
ート63が上方の位置にあり、洗剤タンク17内に洗剤が収
容されている状態と判断する。このときには、次のステ
ップ107 で洗剤検出センサ54がオフ信号を出力している
か否かの判断が行われる。オフ信号が出力している場合
には既に吸い込み通路50および吐出通路52内に洗剤が満
たされており、洗剤検出センサ54のフロート56が洗剤の
浮力を受けて上方に位置しているので洗剤投入の定常動
作状態と判断し、ステップ113 でピストン駆動ポンプ41
を駆動してピストン43の吐出動作をＮ回（Ｎは１以上の
整数）行い、所定量、例えば30ccの洗剤を吐出通路52を
通して投入部である洗浄液の循環管路、つまり往管８に
投入する。

【００２２】また、ステップ107 で洗剤検出センサ54が
オン信号を出力している場合は、フロート56の自重によ
り下方に位置しているので洗剤タンク17内に洗剤が満た
されていても吸い込み通路50内は洗剤がなく、空気で満
たされた状態となっているので、このエア抜きを行う必
要がある。このため、ステップ108 でピストン駆動ポン
プ41を動作し、吐出動作を繰り返し行い、洗剤検出セン
サ54からオフ信号が出力されるのを待つ。すなわちピス
トン駆動ポンプ41の吐出動作の繰り返しにより、吸い込
み通路50内の空気は吐出通路52側から吐出され、吸い込
み通路50側から徐々に洗剤タンク17内の洗剤が吸い込ま
れる。そして、この吸い込まれた洗剤がピストン駆動ポ
ンプ41から吐出通路52側に押し出されて吐出通路52内が
洗剤で満たされると、洗剤検出センサ54のフロート56が
洗剤の浮力を受けて上方に移動し、リードスイッチ60か
らオフ信号が出力される。このオフ信号が出力されたと
きに吸込通路50と吐出通路52内のエア抜きが完了したも
のと判断し、前記ステップ113 以降の洗剤の投入動作を
行う。

【００２３】前記ステップ106 でレベルセンサ61からオ
ン信号が出力されているときには、レベルセンサ61のフ
ロート63が下限位置にあるものと判断し、ステップ110
で洗剤タンク17内の洗剤が空であるか又はレベルＨ₁ 以
下であるかの判断を行う。その判断に際しては、洗剤検
出センサ54の信号がオン信号であるかオフ信号であるか
によって行い、オン信号のときは、洗剤検出センサ54の
フロート56が下限位置にあるものと判断して吐出通路52
内も洗剤が空の状態と判断し、洗剤タンク17内は洗剤が
切れて空の状態と判断しステップ112 でリモコン33の洗
剤補給表示部34に洗剤補給の報知を行う。この洗剤補充
の報知は、洗剤補給表示部34に洗剤タンク17が空なので
洗剤を補給しなければならない旨のメッセージを文字表
示によって行い、必要に応じブザー（図示せず）を鳴ら
す。

【００２４】前記ステップ110 で洗剤検出センサ54から
オフ信号が出力されているときには、吐出通路52内は洗
剤で満たされているが、洗剤が残り少なく、数回の洗浄
動作で切れてしまうものと判断し、ステップ111 でリモ
コン32の洗剤補給表示部34に洗剤補充の予備表示を行
う。この洗剤補充の予備表示は洗剤補給表示部34に、洗
剤が残り少なく、洗剤切れ直前の状態である旨のメッセ
ージを文字表示により行う。そしてこの洗剤補充の予備
表示を行った後、ステップ113 以降の洗剤投入動作を行
い、所定量の洗剤を往管８に吐出する。

【００２５】次に、ステップ115 から154 にかけての洗
浄動作に移る。この洗浄動作では、まず、ステップ115
から117 にかけて浴槽１の底面側に循環ポンプ６を正常
に作動させるのに必要最小限の洗浄液を溜める動作を行
う。すなわち、注湯弁12を開けて給湯器13側の湯を追い
焚き循環管路内に供給し、この湯を洗浄ノズル２ａ，２
ｂと戻り分岐管４側から浴槽１内に落とし込む。これに
より、浴槽１の底面側には洗剤と湯とが混合した洗浄液
が溜められる。給湯器13から浴槽１内に落とし込まれる
湯の量が流量センサ25から得られる検出流量の累積演算
によって求められ、この累積演算値が所定のＸ₁ リット
ルになったときに必要最小限の洗浄液が浴槽１内に溜め
られたものと判断し、注湯弁12を閉じる。

【００２６】次に、ステップ118 から125 にかけて、洗
浄ノズル２ａによる浴槽洗浄動作を行う。この動作は、
ノズル開閉弁23を閉じ、戻り管開閉弁21を閉じ20を開
け、循環ポンプ６を起動することにより行う。このポン
プ起動により、浴槽底面側の洗浄液は戻り分岐管３から
循環ポンプ６、追い焚き熱交換器７、往管８および往側
分岐管10を経て洗浄ノズル２ａから浴槽内壁面に向けて
噴射される。この洗浄液の循環噴射に際して、洗浄液循
環管路を通る洗浄液は追い焚き熱交換器７で洗剤の化学
的洗浄能力を発揮する最適な温度（本実施例では50℃〜
60℃の範囲の設定の温度）にステップ120 から123 で加
熱制御され、例えば60℃に加熱制御された温水状の洗浄
液が洗浄ノズル２ａから浴槽内壁面に循環噴射され、浴
槽内壁面の汚れがきれいに落とされる。この洗浄ノズル
２ａの洗浄液噴射が所定時間（Ｔ₂ 時間）行われた後、
今度はステップ126 から133 にかけて同様に洗浄ノズル
２ｂから洗浄液の噴射が行われる。この洗浄ノズル２ｂ
からの洗浄液噴射が所定時間（Ｔ₃ 時間）経過したとき
に循環ポンプ６が停止され、ステップ134 で排水弁19が
開けられて浴槽底面側に溜まっている汚れた洗浄液が排
水される。

【００２７】次に、ステップ135 から138 にかけて洗浄
ノズル２ｂによる浴槽内壁面の湯洗浄が行われる。この
湯洗浄は、戻り管開閉弁20を閉じ注湯弁12を開けて給湯
器13側の湯を往管８側から管内を洗いながら洗浄ノズル
２ｂに導き、この洗浄ノズル２ｂから浴槽内壁面に噴射
することにより行われる。この湯噴射により浴槽内壁面
に付着している洗浄液とその洗浄液により落とされた汚
れ成分は洗い流されて排水管18から排出される。洗浄ノ
ズル２ｂからの湯噴射が所定時間行われた後、ステップ
139 から142 にかけて今度は給湯器13側の湯を往管８か
ら洗浄ノズル２ａに供給し、この洗浄ノズル２ａによる
浴槽内壁面の湯洗浄が同様に行われる。この洗浄ノズル
２ａによる浴槽内壁面の湯洗浄が行われた後、ステップ
143 から148 にかけて戻り分岐管４の湯洗浄が行われ
る。この湯洗浄は、給湯器13側の湯を戻り管５から戻り
分岐管４を通して浴槽内に落とし込み、排水管18から排
水することにより行われる。この戻り分岐管４の湯洗浄
が所定時間行われた後、今度は給湯器13側の湯を戻り分
岐管３に通すことにより戻り分岐管３の湯洗浄が同様に
ステップ149 から153にかけて行われる。この戻り分岐
管３の湯洗浄が完了した後、ステップ154 で排水弁19が
閉じられて浴槽洗浄動作が終了する。

【００２８】次に、ステップ155 から158 の湯張り動作
に移る。まず、ステップ155 でノズル開閉弁22，23が開
けられ、同時に戻り管開閉弁21が開けられる。次にステ
ップ156 で注湯弁12が開けられ、給湯熱交換器側から出
る湯は追い焚き循環管路側に供給され、戻り管５と往管
８の両方を通り洗浄ノズル２ａ，２ｂと戻り分岐管４の
戻り循環口から浴槽１内に落とし込まれる。そしてこの
湯張り中の湯の水位は圧力センサ９により検出される。
ステップ157 では圧力センサ９からの水位検出信号に基
づき、検出水位がリモコン32の湯張り水位設定部36で設
定された水位になったか否かが判断され、検出水位がそ
の設定水位になったときに注湯弁12を閉じ、湯張り動作
が停止される。

【００２９】次にステップ159 から163 にかけて追い焚
き動作が行われる。まず、ステップ159 で循環ポンプ６
が起動され、浴槽１内の湯張りの湯は戻り分岐管４から
戻り管５を通って循環ポンプ６に吸引され、この吸引さ
れた湯は循環ポンプ６の吐出側から追い焚き熱交換器７
および往管８を通って洗浄ノズル２ａ，２ｂから浴槽１
内に吐出される。この湯水の循環が開始された後、ステ
ップ160 で、温度センサ26で検出される浴槽１内の湯の
検出温度とリモコン32の追い焚き湯温設定部35で設定さ
れた温度との比較を行い、検出温度が設定温度よりも低
いときには追い焚き熱交換器７のバーナ燃焼を開始し循
環湯水の追い焚きを行う。この追い焚き中には常時検出
温度と設定温度との比較が行われ、検出温度が設定温度
にならないうちは追い焚きを継続する。そして検出温度
が設定温度になったときにステップ162 で循環ポンプ６
を停止し、追い焚き中の場合にはさらに追い焚き熱交換
器のバーナ燃焼を停止する。次にステップ163 でノズル
開閉弁22，23を閉じ、さらに戻り管開閉弁21を閉じて追
い焚き動作を終了する。

【００３０】この実施例によれば、洗剤投入装置により
洗剤を洗浄液循環管路に投入するとき、レベルセンサ61
の信号と、洗剤検出センサ54の信号により、洗剤タンク
17内の洗剤が空になっているか、あるいは切れかかって
いるかが正確にわかり、これにより、洗剤の補充表示や
予備表示が行われるので、洗剤が切れているときには洗
浄動作を停止することができるとともに、洗剤が切れか
かっているときには切らす前に余裕をもって洗剤の補充
を行うことができ、常に正常の状態で浴槽洗浄運転を行
うことが可能となる。

【００３１】また、装置を設置施工してから最初に洗浄
運転を行うときには、洗剤検出センサ54の信号に基づ
き、ピストン駆動ポンプ41を駆動して洗剤タンク17から
往管８の投入部に至る管路のエア抜きを行い、洗剤の投
入経路の管路内を洗剤で満たしたときを基準としてピス
トン駆動ポンプ41により所定量の洗剤を投入することが
できるので、洗剤投入量が正確になる。しかも、ピスト
ン駆動ポンプ41で吐出動作を行ったことによって洗剤が
洗浄液循環管路に行きわたらないにもかかわらず所定量
の洗剤が投入されたものと誤判断されて洗浄運転が進行
してしまうという問題も確実に解消されることとなる。

【００３２】なお、本発明は上記実施例に限定されるこ
とはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記
実施例は浴槽洗浄装置を全自動風呂釜に付加した構成と
なっているが、図１に示すシステムで給湯器13を省略し
たり、追い焚き循環管路と別個独立に洗浄液循環管路を
構成したものでもよく、様々な洗浄システムの形態を採
り得る。

【００３３】また、上記実施例では洗剤補給表示部34を
制御装置31のリモコン32に設けたが、この洗剤補給表示
部34は例えば制御装置31のパネル面等、他の場所に設け
てもよい。また、上記実施例では洗剤補充表示と洗剤補
充の予備表示をメッセージ等の文字表示によって報知す
る構成としているが、これらの洗剤補充表示や予備表示
はランプの点灯や点滅表示等、他の手法によって行って
もよい。この場合、例えば、洗剤補充の予備表示の場合
には点灯による表示を行い、洗剤補充表示の場合には点
滅表示で行うという如く、洗剤補充表示と洗剤補充の予
備表示を識別できるように異なる態様で表示すると都合
がよい。

【００３４】さらに、本実施例ではレベルセンサ61をフ
ロート式のセンサで構成したが、洗剤の液面レベルを検
出できるものであれば他のセンサによって構成してもよ
い。同様に、洗剤検出センサ54も洗剤タンク17から投入
部に至る管路内に洗剤が満たされているか否かを判断で
きるものであればよく、フロート式以外の他の構成のセ
ンサを用いることができる。

【００３５】さらに、上記実施例では洗剤を往管８に投
入するようにしたが、これを戻り管５や浴槽１等、浴槽
１を含む洗浄液の循環経路の任意の位置に投入すること
ができる。

【００３６】さらに、実施例では洗剤検出センサ54を吐
出通路52に設けたが、吸込通路50に設けてもよい。

【００３７】

【発明の効果】本発明は、洗剤タンク側には洗剤の液面
レベルを検出するレベルセンサを設け、洗剤タンクから
洗剤の投入部に至る経路には洗剤を検出する洗剤検出セ
ンサを設けたものであるから、このレベルセンサの信号
と洗剤検出センサの検出信号に基づいて洗剤タンクが空
の状態と、洗剤投入の定常動作状態と、洗剤切れ直前の
状態とを識別判断することが可能となり、洗剤タンクが
空のときや洗剤が切れかかっているときには洗剤補充の
報知を行うことにより使用者はその報知に従って洗剤を
補充することが可能となり、洗剤切れが生じるというこ
となく常に正常状態で浴槽洗浄運転を行わせることが可
能となる。

【００３８】また、装置を設置施工してから最初に洗浄
運転を行うときには、洗剤の投入装置を動作させて洗剤
を投入するとき、洗剤検出センサによりその洗剤が検出
されたとき、つまり、洗剤タンクから洗剤の投入部に至
る経路が洗剤で満たされたときを基準として所定量の洗
剤を投入することができ、装置の初期使用のときにおい
ても、洗剤投入の判断に誤判断がなく、適正量の洗剤を
投入して浴槽洗浄運転を確実に行うことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る浴槽洗浄装置における洗剤投入装
置の一実施例を自動風呂釜との接続状態で示す風呂シス
テム図である。

【図２】本発明に係る浴槽洗浄装置における洗剤投入装
置の一実施例の模式構成図である。

【図３】同実施例の装置を制御する制御装置の一構成例
を示す要部ブロック図である。

【図４】本実施例の洗剤投入装置の動作を浴槽洗浄から
追い焚きに至る一連の全自動運転の動作とともに示すフ
ローチャートである。

【図５】図４のフローチャートのうち、洗剤投入動作部
分を抜き出して示すフローチャートである。

【符号の説明】

１ 浴槽 17 洗剤タンク 41 ピストン駆動ポンプ 54 洗剤検出センサ 61 レベルセンサ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗剤を収容する洗剤タンクと、この洗剤
   タンク内の洗剤を吸引して浴槽洗浄装置における洗剤の
   投入部に投入するピストン駆動ポンプとを有し、前記洗
   剤タンクには洗剤の液面レベルを検出するレベルセンサ
   が設けられるとともに、洗剤タンクから洗剤の投入部に
   至る経路には洗剤を検出する洗剤検出センサが設けられ
   ている浴槽洗浄装置の洗剤投入装置。
2. 【請求項２】 洗剤タンクからピストン駆動ポンプで洗
   剤を吸引し、吸引した洗剤をピストン駆動ポンプから投
   入部に投入する洗剤の投入動作時に、洗剤タンク内の洗
   剤の液面レベルをレベルセンサで検出するとともに、洗
   剤タンクから洗剤の投入部に至る経路で洗剤を洗剤検出
   センサで検出し、前記レベルセンサの検出信号と洗剤検
   出センサの検出信号に基づいて、洗剤タンクが空の状態
   と、洗剤投入の定常動作状態と、洗剤が切れる直前の状
   態とを識別判断し、洗剤タンクが空のときと洗剤が切れ
   る直前のときに洗剤補充の報知を行う洗剤投入装置にお
   ける洗剤投入動作状態の検知方法。