JPH05230479A - バイオ乳化剤安定化炭化水素ゾル類 - Google Patents

バイオ乳化剤安定化炭化水素ゾル類

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JPH05230479A
JPH05230479A JP4039778A JP3977892A JPH05230479A JP H05230479 A JPH05230479 A JP H05230479A JP 4039778 A JP4039778 A JP 4039778A JP 3977892 A JP3977892 A JP 3977892A JP H05230479 A JPH05230479 A JP H05230479A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a) 80 OFで約82000 センチポイズないしそ
れ以上の粘度により特徴づけられる炭化水素、 (b)水、
および (c)少なくとも1種の水溶性界面活性剤を含有す
る界面活性剤組成物、を含有し、約60:40〜約90:10の
炭化水素:水容量比を有する水中炭化水素型エマルジョ
ンを含有する予め細霧化された燃料であって、該エマル
ジョンは約2%以下の過剰の空気で高度に効率的に燃焼
でき、そして上記高い燃焼効率特性のある炭化水素の粘
度の約1/10より大きくない粘度を有するものである予め
細霧化された燃料、およびその製造法。 【効果】 本発明の予め細霧化された燃料は、脱水化ま
たは脱乳状化することなく既存の手段により直接燃焼す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、重質の原油および残油を含む、
高粘性炭化水素類の利用に関するものである。より詳し
くは、本発明は、連続的水性相中に分散された炭化水素
液滴が、炭化水素/水界面で該液滴を取り囲んでいるバ
イオ乳化剤[bioemulsifier]、および特に微生物的な
バイオ乳化剤、の存在によって合体から実質的に安定化
されるところの低粘度バイオ乳化剤安定化水−中−炭化
水素エマルジョン[hydrocabon-in-water emulsion]
類、ないしは炭化水素ゾル[hydrocabosol]類の形成を
通しての、粘稠な炭化水素類の輸送に関するものであ
る。さらにまた、本発明は、炭化水素ゾルおよびその他
の水−中−粘性炭化水素エマルジョンの双方を含む予め
細霧化された燃料の燃焼に関するものである。
【0002】既存的なパイプラインあるいは、タンカー
およびバージ (平底の荷船) が含まれるその他の方法に
よっての高粘性炭化水素類の輸送は、現在、これらをポ
ンプ送できる形態におき変えるための該炭化水素の粘度
の減少なしでは実質的に無理であった。本発明は、加熱
またはより軽質の石油原料での希釈を必要とする方法よ
りも潜在的により経済的な粘度低減の代換的手段を示す
ものである。水−中−炭化水素エマルジョンの形成は重
質炭化水素材料の粘度を効果的に減少させ、これにより
船輸送および既存の装置を用いてのポンプ送ならびに顧
みてその取扱いが容易となる。さらに本発明の方法によ
って形成される予め細霧化された燃料は、脱水化または
脱乳状化することなく、既存の手段で直接燃やすことが
でき、放出の減少を潜在的にまねくことになる。
【0003】長い輸送時間および/または途中操業休止
の可能性がもち上がることとなる製造地より利用地への
輸送距離が無視することができない、あるいは長い貯蔵
期間が要求される情況下では、炭化水素ゾルの使用は特
に有利である。なぜなら、微生物的なバイオ乳化剤は、
炭化水素/水界面に卓越的に存在し、本質的に炭化水素
液滴の表面を覆っているので、該炭化水素液滴は合体を
効果的に阻止されておりそして炭化水素ゾルの低減され
た粘度は超時間的に効果的に維持されている。炭化水素
ゾルの実質的な安定性および改良されたポンパビリティ
ー[pumpabili-ty]は、長い距離にわたって実践的に輸
送され得るまたは利用される前の長い期間にわたる不変
性をとどめるものへと該炭化水素ゾルをなさせる。
【0004】2. 発明の背景 2. 1 粘稠な炭化水素類 高品質で、比較的安価な、軽質の原油のたくさんの量が
現在世界中の地質学的場所から回収され得るものである
にもかかわらず、石油燃料および石油製品の常に増加す
る消費ならびにこのような高い要求によって促進された
エネルギー危機は、世界の至るところにまた存在する低
比重で、粘稠な炭化水素の莫大な貯蔵を持つことに興味
をそそいでいる。天然に埋蔵されて存在する粘稠な炭化
水素類は、通常、粘性原油、ビチューメン (瀝青) また
はタールとして一般的に分類されており、また重質原
油、天然ビチューメン、未加工ビチューメン、オイルサ
ンド、タールサンド、瀝青砂または瀝青堆積物および天
然アスファルトとさまざまに呼称されており、これらの
すべての物質は、化学的に段階的であり、規格化された
分析なくしては区別をすることができないものである。
〔粘性炭化水素類の一般的な論議およびこれらの正確な
定義および分類については、メイヤー[Mayer]のザ
フューチャー オブ ヘビー クルード アンド ター
ルサンド, 第1頁, ミニング インフォメーショナル
サービス, マックグロウ ヒルズ, インコーポレーテッ
ト, ニューヨーク (1981) [ The Future of Heavy Cru
de andTar Sands, p.1, Mining Infometional Service,
McGraw Hill, Inc. New York(1981)]中の「序論」を
参照のこと。また同書第6.2節を参照のこと。〕 重質原油埋蔵の地質学的分布は、表1に示される〔メイ
ヤー[Meyer]とデッツマン[Dietzman] (1981) , ザ
フューチャー オブ ヘビー クルード アンド タ
ールサンド, 第16〜28頁, ミニング インフォメーショ
ナル サービス, マックグロウヒルズ, インコーポレー
テッド, ニューヨーク (1981) 中の「重質原油の世界地
図」より抜粋。〕。認定量における石油の総見積り量
は、6200×109 バーレルである。ベネズエラが、この総
量のおよそ半分である3000×109 バーレルでこのリスト
の首位をなしている。カナダが2950×109 バーレルでこ
れにすぐ続き、そして米国が77×109 バーレルと見積ら
れている。設定量においてこれらの数値を述べると、20
°APIより軽い石油の全世界埋蔵量は約 660×109
ーレルと見積られている。まだ発見されていない埋蔵量
は 900×109 バーレルと見積られている。これゆえ、重
質原油は在来の石油よりもおよそ4倍ほど豊富である。
さらに在来の原油の製造過程より生成する重質残油の量
を考慮すると、全世界に存在する重質油の量は実際たい
へんな量である。
【0005】 表 1 重質油世界埋蔵量 (10億バーレル) 国 名 資 源 認定量 見積り回収可能量 ベネズエラ 3000 500 カ ナ ダ 2950 213 米 国 77 30 イタリア 12 1 マダガスカル 25 1 イ ラ ン 29 3 イ ラ ク 10 1 ─────────────────────────────── 従来の軽質原油の保存量が重質原油よりもかなり早く枯
渇することおよび粘性炭化水素類の世界的保存量の発展
が、世界の燃料需要を支持するために結局必要となるこ
とが明らかである。重質原油の有意義な産出が、まず蒸
気補助高収率化法[Steam-assisted enhanced recovery
method ]により始められた。例えば最近の評価では、
カリフォルニアにおける重質原油の産出が1日当り 25
0,000バーレルと認定されている。将来的見積り〔バー
ネア[Barnea]、ザ フューチャーオブ ヘビー クル
ード アンド タールサンド, 第13〜15頁, ミニング
インフォメーショナル サービス, マックグロウヒル
ズ, インコーポレーテッド,ニューヨーク (1981) 中の
「重質原油およびタールサンドの将来」〕は、2000年ま
でに、重質油およびタールサンドからのビチューメンの
産出が世界の石油全産出の 1/3まで増加するであろうこ
とを計画している。重質油資源のこのように急速な発展
は、石油紀を拡張しそして、(1) 存在するエネルギ
ー下部構造から利益を受けるために重質油からの製品を
認め、(2) 輸送セクターへの燃料供給と石油化学プ
ラントへの供給用蓄積を保証し、(3) 石油産出国を
増加させて、世界石油価格に関する安定化因子であり、
(4) 石油産出の戦略的および政治的観点を低減さ
せ、そして、(5) 石油転化およびその他合成石油製
造のための安易性についての多額の資本投下の必要性を
遅期することになるだろう。
【0006】2. 2 粘性炭化水素類の輸送 産出井から外への、タンカーからのあるいは特にパイプ
ラインを通してのものである、粘性炭化水素類の輸送の
問題は、ポンパビリティーの問題である。従って、重質
原油のような粘性炭化水素類の輸送に関する方法は、該
油をポンプ送可能な形態へと改良することに焦点をしぼ
っていた。二つの一般的アプローチが考えられている。
ワックス状の原油に関しては、これらの油をその流動
点、すなわち、油中のワックス結晶がその流動のための
能力で阻止される温度で、輸送することが望ましい。こ
れを終結へと導く1つの方法は、流動点の低下と流動性
を維持する流動点降下剤の使用である。一般的に、この
方法は、周囲の温度での輸送を可能とするために十分低
粘度となるようほんのわずかしか油の容量を有し得なか
った。
【0007】高粘性原油に関しては、採用されたアプロ
ーチは、粘度を減少することであった。原油をパイプラ
インによって輸送すべき場合、従来のポンプ送設備を用
いて従来のラインを通して流すのに十分な程度、粘度は
低減されるべきである。パイプライン送する目的のた
め、重質原油の粘度を低減させるために数種の方法が用
いられている。これらの方法は、油/固体スラリーの調
製、低減化粘度のエマルジョンを形成するための油の水
との混合、粘度をより低いものとするための油の加熱お
よびコンデンセート[condensate]、ガソリンまたはナ
フサのような低粘度炭化水素での該油の希釈を含むもの
である〔スローン[Sloan]ら、ザ フューチャー オ
ブ ヘビー クルード アンド タールサンド, 第719
〜726頁, ミニング インフォメーショナル サービス,
マックグロウヒルインコーポレーテッド, ニューヨー
ク (1981) 中の「重質油のパイプライン輸送」〕。
【0008】パイプラインを通しての輸送あるいは井よ
りのポンプ送のための水−中−油型エマルジョンの形成
による粘性炭化水素類の粘度の低減に関する報告された
方法は、化学的添加物の使用を含むものであった。提案
されているまたは使用されている化学品の中に、水酸化
ナトリウムやアンモニアのようなアルカリ類〔米国特許
第3,380,531号、第3,487,844号および第3,006,354
号〕非イオン性界面活性剤〔米国特許第3,425,429号お
よび第3,467,195号〕および非イオン性界面活性剤とア
ニオン性界面活性剤の組合せ〔米国特許第4,239,052号
および4,249,554号〕がある。水−中−油型エマルジョ
ンの不安定性は問題となり得るものであり、例えば、水
−中−油型エマルジョンはポンプ送できない形態へと破
壊もしくは転化してしまうことが公知である。安定性を
維持するために使用される化学品の量の増加は、禁止す
ることと同様に高いコストへとつながるものである。
重質原油のパイプライン化に関する最近の見解 (スロー
ン[Sloan]ら、上記) において、パイプライン化への
アプローチとしてのエマルジョンの商業的適用は、もし
あるとしても限られたものであったと指摘している点は
特筆すべきである。またスローンらが、粘度を低減させ
るための加熱および希釈方法は、これらがエネルギー集
約的でかつ比較的高価なものとなるという事実にもかか
わらず、重質原油のパイプライン化輸送に関して主たる
候補にとどまっていることを認めていることも特記すべ
きことである。
【0009】2. 3 水−中−油型エマルジョンの燃焼 先行技術において公知である燃焼可能なエマルジョンの
非常に大多数は、燃焼を高めるために油中に比較的少量
の水 (1〜10重量%) が主として存在してなる、油−中
−水型エマルジョンである。いくつかの燃焼可能な水−
中−油型エマルジョンが論述されている〔米国特許第
3,958,915号、第4,273,611号および第4,382,802号を
参照のこと。〕しかしながら、注意すべきことは、油相
は、室温にて液体である例えば灯油、ガソリン、軽油、
重油などのような、軽質の低粘度燃料および他の低粘度
油であった。燃焼可能なチクソトロピー的ジェット燃料
および他の安全な燃料が米国特許第3,352,109号、第
3,490,237号および4,089,940号に論述されている。静
止 (定常) 状態下で、これらの水−中−油型エマルジョ
ンは、1000cps の、そして好ましくは50,000〜100,000c
psの見かけ静止粘度を有するゲルの形態にある。これら
のチクソトロピーな水−中−油型エマルジョンは高いポ
ンプ (高いせん断) 速度下で低い粘度を示す。
【0010】2. 4 微生物性界面活性化合物 多くの微生物が、成長およびエネルギー産出に関する唯
一の炭素原として炭化水素を利用し得る。炭化水素基質
は、直鎖状、分枝状、環状あるいは芳香族状であり得
る。このような水不溶性基質を迅速に同化するために、
微生物は、これら自身と油との間の広範な接触領域を必
要とされる。これは取囲む水性媒体中の油のエマルジョ
ン化により達成される。炭化水素分解微生物は、このよ
うなエマルジョン化を促進する界面活性剤をしばしば合
成しそして分泌する。
【0011】例えばn−デカンにおけるマイコバクテリ
ウム・リュードクロス[Mycobacte-rium rhodochrous
NCIB 9905の成長は、アール エス ホルドム
[R.S.Holdom]ら〔ジェイ アプル バクテリオル[J.Ap
pl. Bacteriol.], 32, 448(1969)〕により非イオン性
清浄剤であると報告された界面活性剤を産出する。ジェ
イ イグチ[J. Iguichi]ら〔アグリック バイオル
ケム[Agric. Biol. Chem.], 33, 1657 (1969) 〕はカ
ンジダ・ペトロフィリウム[Candida petro-philium
がペプチド類と脂肪酸分とより構成された界面活性剤を
産出することを見出しており、またティー スズキ[T.
Suzuki]ら〔アグリック バイオルケム, 33, 1919 (1
969) 〕は、アルスロバクター[Arthrobacter]、ブレ
ビバクテリウム[Brevibacterium]、コリネバクテリウ
ム[Corynebacterium]およびノカルジア[Nocardia]
の種々の種族の培養ブロスの油相においてトレハロース
−脂質を発見した。ワグナー[Wagner]はノルカルジア
・リュードクロス [Nocardia rhodochrous]および
マイコバクテリウム・フレイ[Mycobacterium phlei
によるトレハロース−脂質の産出およびこれらの油回収
における使用を報告している〔米国特許第4,392,892号
および第4,286,660号〕。トルロプシス・グロペニギー
セリ[Torulopsis gropengiesseri]はソホロース−脂
質を産出することが見出されており、一方ラムノリヒド
は、ケイヒサツカ[K. Hisatsuka]ら〔アグリック バ
イオルケム, 35, 686 (1971)〕によりシュードモナス・
アエルギノーザ[Pseudomonas aeruginosa]種S7B1
によって産出されることが、またエス イトウ[S. Ito
h]ら〔アグリック バイオル ケム, 36, 2233 (1971)
〕により別のシュードモナス・アエルギノーザ種、K
Y4025によって産出されることが報告されている。
灯油におけるコリネバクテリウム・ヒドロカーボクラス
トス[Corynebacterium hydocarboclastus]の成長は、
ジェイ イージャジック[J. E. Zajic]および彼の協
力者達〔デブ インダ ミクロビル[Dev. Ind. Microb
il], 12, 87 (1971) ; バイオテクノル バイオエング
[Biotechnol. Bioeng.], 14, 331 (1972) ; ケモスフ
ェアー[Chemosphere], 51 (1972) ; クリット レ
ブ ミクロバイオル[Crit. Rev. Microbiol.], , 3
9;米国特許第3,997,398号〕によって、数ある特徴の
なかで、灯油、バンカーC重油[BunkerC fuel oil ]
および他の重油類をエマルジョン化する細胞外ヘテロポ
リサッカライドを産出するものであることが報告されて
いる。
【0012】ガトニック[Gutnick]らはアシネトバク
ター・カルコアセチカス[Acineto-bacter calcoacetic
us]ATCC 31012 (アシネトバクター種 ATCC 31012 と以
前指定されそしてまたRAG−1とも呼ばれている) が
エマルザン[emulsan]類と呼ばれる界面活性細胞外プ
ロテイン会合リポポリサッカリド[interfaciallyaciti
ve extracellular protein-associated lipopolysaccha
ride]を産生することを発見した。これらの生体高分子
[biopolymer]は、成長時に微生物細胞のカプセルまた
は外層として産出されそして増殖され、そしてこれらが
細胞外製品として採取され得るところの媒体中へ最終的
に解放もしくは脱却される。アシネトバクター・カルコ
アセチカス ATCC 31012 はエタノールまたは脂肪酸塩に
おいて成長された場合にα−エマルザンを産出し〔米国
特許第4,230,801号;第4,234,689号および第4,395,3
54号〕、また原油またはヘキサデカンにおいて成長され
た場合にβ−エマルザンを産出する〔米国特許第3,94
1,692号〕。このα−エマルザンとβ−エマルザンはプ
サイ−エマルザンの呼ばれるO−脱アシル化形態へと誘
導され得る〔米国特許第4,380,504号〕。α−エマルザ
ン、β−エマルザンおよびプサイ−エマルザンは、それ
ぞれアポ−α−エマルザン、アポ−β−エマルザンおよ
びアポ−プサイ−エマルザンを産出するために除タンパ
ク化され得る。
【0013】クーパー[Cooper]とザジック[Zajic]
(アドブ アピル ミクロバイオル[Adv. Appl. Microb
iol.], 26 ; 229〜253 (1980)〕は微生物による界面活
性剤の産出を再調査している。論述された界面活性剤の
いくつかを表2に列挙する。 表 2 微生物性界面活性化合物 構 造 型 産出微生物 (類) 炭水化物−脂質 トレハロース−脂質 ノルカルジア・マイコバクテリウム、コリネバクテ リウム、アルスロバクター ラムノース−脂質 シュードモナス・アエルギノーザ ソホロース−脂質 トルロプシス種 ポリサッカライド−脂質 カンジダ・トロピカルス[Candida tropicalis]、 アシネトバクター・カルコアセチカス アミノ酸−脂質 リポペプチド バシルス[Bacillus]、ストレプトマイセス [Streptmyces]、コリネバクテリウム、マイコバ クテリウム オルニチン−脂質 シュードモナス、チオバシラス[Thiobacillus]、 アグロバウテリウム[Agrobacterium]、グリコノ バクター[Gluconobacter] リン−脂質 チオバシラス、コリネバクテリウム、カンジダ、ミ クロコッカス 脂肪酸/天然脂質 シュードモナス、マイココッカス[Mycococcus]、 ペネシリウム[Penecillium]、アスペリギルス [Asperigillus]、アシネトバクター、ミクロコッ カス、カンジダ ───────────────────────────────────3. 発明の概要 本発明は、一般にAPI比重が約20°APIないしそれ
以下、 150°Fでの粘度が約 100センチポイズないしそ
れ以上、パラフィン分が約50重量%ないしそれ以下、お
よび芳香族分が約15重量%ないしそれ以上であることで
特徴づけられる、高粘性原油および残油を包含する粘性
炭化水素類の (a) 現在粘性のない物質を取扱うために
用いられる方法によって施設において貯蔵し得るまたは
輸送し得るおよび (b) 上質の燃焼可能な燃料として直
接燃焼可能であるところのエマルジョン形態へと操作す
るための新規な化合物および方法を提供するものであ
る。輸送目的に関する好ましい実施態様において、粘性
炭化水素類のエマルジョン化形態は、個々の炭化水素液
滴が炭化水素/水界面に卓越して存在する水溶性バイオ
乳化剤分子によって本質的に取囲まれたものとなるバイ
オ乳化剤安定化水−中−油型エマルジョンとして定義さ
れる炭化水素ゾルであり、このバイオ乳化剤分子は液滴
合体に対して有効な障害を形成し、そしてこれにより連
続的な低粘度水性相中に分散した不連続な炭化水素液滴
の保持を促進する。本発明の炭化水素ゾルは、粘性炭化
水素出発物質のものと比較して少なくとも約10の因数、
好ましくは少なくとも102 の因数だけ低減された粘度を
有するものであり、該炭化水素ゾルの粘度は少なくとも
約1日、好ましくは約30日の期間の間定常な状態下でこ
のように低減され続けているものである。
【0014】炭化水素ゾルを形成するための界面活性剤
パッケージは、水溶性化学的界面活性剤あるいは水溶性
化学的および/または生物学的補助界面活性剤[co−su
rfactant]類の組合せを、好ましくは非イオン性および
アニオン性界面活性剤を、高分子量、かなり特異的な三
次元構造、疎水性および親水性状態、重合性状態および
/または、炭化水素類におけるわずかな溶解性を含む
(もちろんこれらに限定されるわけではない。) いくつ
かの特性ゆえに、炭化水素/水界面に堅固に結合しそし
て水−中−炭化水素エマルジョン中の個々の炭化水素液
滴の表面を本質的に取囲み、効果的に不連続な液滴を維
持しかつ合体を阻止しそして水−中−炭化水素エマルジ
ョンへ実質的安定性を添えるものであるバイオ乳化剤と
組合せることで構成される。
【0015】方法は、脱イオン化水、都市水、塩水また
はアルコール/水混合物など種々で構成される水性相中
に約90容量%以下の炭化水素を含有する炭化水素ゾルを
形成するために油に対し約1:100 〜約1:20,000の割
合で、界面活性剤パッケージが使用される、粘性炭化水
素類を輸送するために提供される。そしてこの炭化水素
ゾルは従来の手段により航送されあるいは従来の非加熱
化パイプラインによってポンプ送され得るものである。
【0016】方法はまた、予め細霧化された燃料、すな
わち炭化水素ゾル燃料あるいは水−中−炭化水素エマル
ジョン燃料を形成することによって粘性炭化水素類を利
用することおよびこれらを従来の燃焼設備において燃焼
させることを提供するものである。4. 術 語 「炭化水素ゾル[hydrocarbosol]」という用語は、個
々の炭化水素液滴が炭化水素/水界面に卓越して存在す
る水溶性バイオ乳化剤によって本質的に取囲まれたある
いは覆われたものである任意のバイオ乳化剤安定化水−
中−炭化水素エマルジョンであると定義され、ここにお
いてバイオ乳化剤分子は液滴合体を有効的に阻害しそし
てこれゆえ連続的低粘度水性相中に懸濁あるいは分散し
た不連続的炭化水素液滴の保持を促進するものである。
【0017】「水溶性[water-soluble]」という用語
は、水−分散性物質を含むものとして定義される。「粘
性炭化水素[viscous hydrocarbon]」という用語は、
一般的に約102 〜106 センチポイズあるいはそれ以上の
粘度により特徴づけられ、またこの他一般的に、しかし
ながら必ずしも必要であることはないが、約20°API
あるいはそれ以下のAPI比重、高い金属含有率、高い
硫黄含有率、高いアスファルテン含有率および/または
高い流動点に特徴づけられる任意の天然産出原油あるい
は精製操作後に残る残油として定義される。「粘性炭化
水素」という用語はまた、次の術語、すなわち減圧残留
物、ビスコシティーブレーキング装置[vis-breaker]
残留物、接触分解装置残留物、接触水素化残留物、コー
クス器残留物、ROSE (残油超臨界抽出) 残留物、タ
ールおよびカットバックタール、ビチューメン、ピッチ
および炭化水素製造工程の残留物として述べられるその
他の用語を包含するものとして認識されるべきである。
【0018】「予め細霧化された燃料[pre-atomized f
uel]」という用語は、燃焼可能な燃料としての使用の
ために本明細書において述べられる方法によって形成さ
れる任意の炭化水素ゾルおよび任意の水−中−粘性炭化
水素エマルジョンとして定義される。「バイオ乳化剤
[bioemulsifier]」は、高分子量、重合性状態、かな
り特異的な三次元構造、疎水性および親水性部分および
炭化水素類におけるわずかな溶解性を含む (もちろんこ
れらに限定されるわけではない。) いくつかの特性ゆえ
に、炭化水素/水界面に堅固に結合しそして水−中−炭
化水素エマルジョン中の個々の炭化水素液滴の表面を本
質的に覆い、効果的に不連続な液滴を維持しかつ合体を
阻止しそしてこれにより水−中−炭化水素エマルジョン
に実質的安定性を添えるものである任意の生物学的誘導
物質として定義されるものである。バイオ乳化剤の1つ
の例として、α−エマルザンがある。
【0019】「バイオ界面活性剤[biosurfactant]」
という用語は、水と炭化水素との間の界面張力を低減
し、そしてこの結果として添加的界面領域の創造に関す
るエネルギー的要求 (組合されたエネルギー) を減少さ
せるものである任意の生物学的誘導物質と定義されるも
のである。バイオ界面活性剤の1つの例として糖脂質が
ある。
【0020】「界面活性剤パッケージ[surfactant pac
kage]」という用語は、50重量%ないしそれ以下のパラ
フィン分および15重量%ないしはそれ以上の芳香族分な
らびに 150°Fでの 100センチポイズないしはそれ以上
の粘度で一般的に特徴づけられる粘性炭化水素類の水−
中−炭化水素エマルジョンを形成するために有用な任意
の組成物として定義され、該組成物は、化学界面活性
剤、化学補助界面活性剤類の組合せ、補助界面活性剤
(類) とバイオ界面活性剤 (類) の組合せ、化学界面活
性剤 (類) とバイオ界面活性剤 (類) との組合せ、また
は化学界面活性剤 (類) とバイオ界面活性剤 (類) とバ
イオ乳化剤 (類) との組合せにより構成され得、また該
組成物は化学乳化安定剤をも含み得、そして該組成物は
水性形態中に存在し得るものである。
【0021】これらの化合物のポリサッカリド構造およ
びこれらの物質の異例なバイオ乳化剤活性度を反映する
ものである「エマルザン[emalusan]類」という用語
は、アシネトバクター・カルコアセチカス[Acinetobact
er calcoaceticus]ATCC 31012およびその誘導体もしく
は変異体により産出されるカプセル的/細胞外的微生物
タンパク会合リポヘテロポリサッカリド類と属的に識別
され、これはα−エマルザンおよびβ−エマルザンに細
別される。「アポエマルザン」という名称は、該エマル
ザン類より得られるこれらの除タンパク化リポポリサッ
カリド類として属的に識別される。
【0022】「α−エマルザン類」という用語はアシネ
トバクター・カルコアセチカス ATCC 31012 およびその
誘導体もしくは変異体により産出される細胞外微生物タ
ンパク会合リポポリサッカライド類を定義し、そのリポ
ポリサッカリド成分 (すなわち結合プロテインのないも
の) は、多量のD−ガラクト−スアミンおよびアミノウ
ロン酸により構成される完全にN−アシル化されかつ部
分的にO−アシル化されたヘテロポリサッカリド類であ
り、該リポポリサッカリド成分は、 (1) 脂肪酸が約10
〜約18個の炭素原子を含み、そして (2) このような脂
肪酸の約50重量%ないしはそれ以上が2−ヒドロキシド
デカン酸および3−ヒドロキシドデカン酸で構成される
ものである脂肪酸エステルを少なくとも5重量%含有す
るものである。したがって、以下、除タンパク化α−エ
マルザン類は「アポ−α−エマルザン類」と呼称され
る。
【0023】「β−エマルザン類」という用語は、アシ
ネトバクター・カルコアセチカスATCC 31012およびその
変異体により産出される細胞外微生物タンパク会合リポ
ポリサッカリド類を定義し、そのリポポリカッサリド成
分 (すなわち結合プロテインのないもの) は、多重のD
−ガラクト−スアミンおよびアミノウロン酸により構成
される完全にN−アシル化されかつ部分的にO−アシル
化されたヘテロポリサッカリド類であり、このポリサッ
カリド成分は、 (1) 脂肪酸が約10〜約18個の炭素原子
を含み、そして (2) このような脂肪酸の約50重量%未
満が2−ヒドロキシドデカン酸で構成されるものである
脂肪酸エステルを5重量%未満含有するものである。こ
の除タンパク化β−エマルザン類は「アポ−β−エマル
ザン類」と呼称される。
【0024】「プサイ−エマルザン類」という用語は、
エマルザン類より得られるO−脱アシル化細胞外タンパ
ク会合微生物ポリサッカリド類を定義し、このようなプ
サイ−エマルザン類の無タンパク成分は多量のD−ガラ
クト−スアミンおよびアミノウロン酸により構成される
完全にN−アシル化されたヘテロポリサッカリド類であ
りそして0〜1%の脂肪酸エステルを含み、もしこれが
存在する場合、該脂肪酸は約10〜約18個の炭素原子を含
むものである。これらの無タンパク成分はその製法に関
係なく「アポ−プサイ−エマルザン類」と呼称される。
【0025】「ポリアニオン性 ヘテロポリサッカリド
バイオポリマー[ polyanionicheteropolysaccharide
biopolymer ]」という用語は、 (a) 実質的にすべて
の糖分がN−アシル化アミノ糖であり、この一部がN−
アシル化−D−ガラクト−スアミンでまた他部がN−ア
シル化アミノウロン酸であり、このようなヘテロポリサ
ッカリドのN−アシル基の一部がN−3−ヒドロキシド
デカノイル基であり、また (b) このようなヘテロポリ
サッカリドの少なくとも0.2ミクロモル/ミリグラム
が、 (1) 脂肪酸が約10〜約18個の炭素原子を含みかつ
(2) このような脂肪酸の約50重量%ないしそれ以上が
2−ヒドロキシドデカン酸および3−ヒドロキシドデカ
ン酸で構成されるものである脂肪酸エステルからなるも
のである生体高分子を定義するものである。
【0026】5. 図面の説明 図1は、ボスカン[Boscan]原油で調製されたエマルザ
ン安定化炭化水素ゾルに関する粘度対水含有量のグラフ
的表示である。なお図中 (30%水における) 鎖線は最適
に近い操作状態を示すものである。図2は重質原油 (ボ
スカン) およびボスカン原油で調製された2つのエマル
ザン安定化炭化水素ゾルに関する粘度対温度のグラフ的
表示である。
【0027】図3は、界面活性剤パッケージへのエマル
ザンの添加の粘度における効果を示す、テキサス ファ
イヤフロッド[Texas fireflood ]原油および非イオン
性界面活性剤とアニオン性界面活性剤とよりなる界面活
性剤パッケージで調製された2つのエマルジョンに関す
る粘度対時間のグラフ的表示である。図4は、界面活性
剤パッケージへのエマルザンの添加の粘度における効果
を示す、テキサス ファイヤフロッド原油、および非イ
オン性界面活性剤よりなる界面活性剤パッケージで調製
された2つのエマルジョンに関する粘度対時間のグラフ
的表示である。
【0028】図5は、界面活性剤パッケージへのエマル
ザンの添加の粘度における効果を示す非イオン性界面活
性剤とアニオン性界面活性剤よりなる界面活性剤パッケ
ージを用いたカンザス[Kansas]原油と蛇口水とで構成
される2つのエマルジョンに関する粘度対時間のグラフ
的表示である。図6は、界面活性剤パッケージへのエマ
ルザンの添加の粘度における効果を示す、非イオン性界
面活性剤とアニオン性界面活性剤よりなる界面活性剤パ
ッケージを用いたカンザス原油およびテキサス塩水で調
製された2つのエマルジョンに関する粘度対時間のグラ
フ的表示である。
【0029】図7は、界面活性剤パッケージへの乳化安
定剤 (エマルザン、あるいは従来用いられている乳化安
定剤であるスルホン化リグニンおよびスルホン化ナフタ
レン) の添加の粘度における効果を比較する、テキサス
ファイアフロッド原油および非イオン性界面活性剤と
アニオン性界面活性剤で構成される界面活性剤パッケー
ジで調製された4つのエマルジョンに関する粘度対時間
のグラフ的表示である。
【0030】図8は3インチパイプラインを通しての炭
化水素ゾルの形成およびポンプ送に用いられる試験シス
テムの概略的表示である。図9は、炉の前部壁面からの
距離の関数としての、第6号重油および第6号重油より
調製された予め細霧化された燃料の燃焼時における火炎
軸に沿った固体濃度における変化のグラフ的表示であ
る。
【0031】そして図10は、炉の前部壁面からの距離の
関数としての、第6号重油および第6号重油より調製さ
れた予め細霧化された燃料の燃焼時における軸まわりの
火炎温度の変化のグラフ的表示である。 6. 発明の詳細な説明 6. 1 界面活性剤パッケージ 本発明の界面活性剤パッケージは、極めて種々の化学的
および微生物的界面活性剤で調製され得、そして好まし
くは、油−中−水型に対抗する、水−中−油型エマルジ
ョンを形成するために水溶性界面活性剤で調製される。
この界面活性剤パッケージは、多数の化学界面活性剤を
単独で、あるいは同種の化学共同性界面活性剤と組合せ
て (例えば水溶性非イオン性界面活性剤類の組合せ) あ
るいは異種の化学共同性界面活性剤と組合せて (例え
ば、水溶性の非イオン性、アニオン性、カチオン性およ
び/または両性界面活性剤の組合せ) 使用して調製され
得、さらにまた、 (a) 共同性界面活性剤 (類) として
単独の水溶性バイオ界面活性剤もしくはバイオ界面活性
剤の組合せおよび/または (b) 乳化安定剤 (類) とし
て単独の水溶性バイオ乳化剤もしくはバイオ乳化剤の組
合せと組合せて調製され得る。ある例において、化学乳
化安定剤はまたバイオ乳化剤に代えて使用され得る。さ
らに、微生物性界面活性剤のみ、すなわちバイオ界面活
性剤とバイオ乳化剤との組合せ群のみよりなる界面活性
剤パッケージを調製することも可能である。本発明の界
面活性剤パッケージは、乳化される粘性油の種類により
変化する。以下の一般的組成物は説明のために提示され
る。粘性原油に関して、界面活性剤パッケージは少なく
とも1つの化学界面活性剤と少なくとも1つのバイオ乳
化剤で構成されることで調製され得る。これらはまた、
少なくとも1つの水溶性非イオン性界面活性剤、少なく
とも1つの水溶性アニオン性界面活性剤および少なくと
も1つのバイオ乳化剤で構成されることで調製され得
る。粘性残油に関して、界面活性剤パッケージは、少な
くとも1つの水溶性非イオン性界面活性剤もしくは少な
くとも1つのアニオン性界面活性剤もしくは非イオン性
界面活性剤とアニオン性界面活性剤の組合せで構成され
ることで調製され得、そしてさらにバイオ界面活性剤お
よび/またはバイオ乳化剤を含んでも調製され得る。
【0032】界面活性剤パッケージにおいて使用される
のに適した水溶性非イオン性化学界面活性剤の種類を表
3に列挙する。 表 3 非イオン性化学界面活性剤のクラスおよびサブクラス アルコール類、エトキシ化 アルキルフェノール類、エトキシ化 カルボン酸エステル類、エトキシ化 グリセロールエステル類 ポリエチレングリコールエステル類 アンヒドロソルビトールエステル類 エトキシ化アンヒドロソルビトールおよびソルビトールエステル類 天然、脂肪および油、エトキシ化 エチレンおよびジエチレングリコールエステル類 プロパンジオールエステル類 その他のカルボン酸エステル類 カルボン酸アミド類、エトキシ化 アミン類、ポリオキシアルキル化 ─────────────────────────────────── 粘性原油のための界面活性剤パッケージにおいて、好ま
しい水溶性非イオン性化学界面活性剤はエトキシ化アル
キルフェノールおよびエトキシ化アルコールである。粘
性残油のための界面活性剤パッケージにおいて、好まし
い水溶性非イオン性界面活性剤はまたエトキシ化アルキ
ルフェノールおよびさらにポリオキシアルキル化アミン
である。エトキシ化アルキルフェノール類は一般式 RxC6H4(OC2H4)nOH (式中、Rは約8〜約12個の炭素原子を含むアルキル基
(すなわち約C8 〜約C 12) 、xはアルキル基の数を表
わすもので1または2であり、そしてnは約1〜約100
の範囲にあるエトキシ基の数 (エチレンオキサイドのモ
ル) を表わす。)のものである。〔市販に得られるエト
キシ化アルキルフェノールの一覧については、エンサイ
クロペディア オブ ケミカル テクノロジー, キルク
−オスマー(第3版) , 第22巻, 第366〜367頁, ジョン
ウィレイ アンド サンズ, ニューヨーク (1983年)
[Encyclopedia of Chemical Technology, Kirk-Othmer
(Third Edition), Volume 22, pp.366-367, John Wille
y & Sons, New York (1983)]中の「界面活性剤および
清浄システム」を参照のこと。) 粘性原油のための界面
活性剤パッケージにおいて、好ましいエトキシ化アルキ
ルフェノールは、8または9個の炭素原子のR基を有し
かつ約7〜約100 のエトキシ基を有するものである。エ
トキシ化アルキルフェノールの特に好ましいものの例と
しては、約40のエトキシ基を有するモノノニルフェノー
ルである。粘性残油のための界面活性剤パッケージにお
いて、好ましいエトキシ化アルキルフェノールは8また
は9個の炭素原子のR基を有しかつ約9〜約70のエトキ
シ基を有するものである。該粘性残油に用いられるエト
キシ化アルキルフェノールの特に好ましいものの例とし
ては、約16のエトキシ基を有するモノオクチルフェノー
ルである。
【0033】エトキシ化アルコール類は一般式 R(OC2H4)nOH (式中Rは約6〜約18個の炭素原子を含む脂肪族基 (線
状または分枝状) を表わし、またnは、約2〜約100 の
範囲であり得るエトキシ基の数を表わす。) のものであ
る。〔市販に得られるエトキシ化アルコールの一覧につ
いては、エンサイクロペディア オブ ケミカル テク
ノロジー、上記、第364〜365頁中の「界面活性剤および
洗浄システム」を参照のこと。〕エトキシ化アルコール
の例は、約3〜約9のエトキシ基を有するエトキシ化ト
リメチルノナノールおよび約3〜約30のエトキシ基、し
かし好ましくは約7以上のエトキシ基を有しかつ約11〜
約15個の炭素原子のR基を持つエトキシ化第2アルコー
ルを含むものである。
【0034】ポリオキシアルキル化アミン類は一般式 RxNy(CH2)2 (式中Rは2または3個の炭素原子を含むオキシアルキ
ル基を表わすものである。このR基は約4〜約500 の範
囲の数であり得、この数はxによって表わされる。アミ
ン基の数はyによって表わされそしてアルキル基は好ま
しくはエチル(C2H 4) である。) 好ましいポリオキシア
ルキル化アミンとしては2または3個の炭素原子のR基
を有しかつ約50〜約450 のオキシアルキル基を有するも
のである。ポリオキシアルキル化アミンの特に好ましい
ものの例としては、約50のエトキシ基を有するものであ
る。ポリオキシアルキル化アミンの特に好ましいものの
例としては、約50のエトキシ基を有するおよび約60のプ
ロポキシ基を有するポリオキシアルキル化ジアミンであ
る。
【0035】本発明の界面活性剤パッケージにおいて用
いられるのに適した水溶性アニオン性化学界面活性剤の
種類を表4に列挙する。 表 4 アニオン性化学界面活性剤のクラスおよびサブクラス カルボン酸類およびその塩類 スルフォン酸類およびその塩類 リグノスルフォネート類 スルフォン化アルキルベンゼン類 スルフォン化アルキルベンゼン類、高分子化 アルキルアリールスルフォネート類、短鎖 アルキルアリールスルフォネート類、高分子化 スルフォン化ナフタレン類 スルフォン化アルキルナフタレン類、高分子化 ナフタレン/ホルムアルデヒド縮合重合体 ペトロリアムスルフォネート類 スルフォン酸類およびその塩類 エステル、エーテルまたはアミド結合を有するスルフォン酸塩類 (スル フォコハク酸ジアルキル) その他のスルフォン酸塩類 硫酸エステル類および硫酸塩類 アルコール類、スルフェート化 アルコール類、エトキシ化およびスルフェート化 アルキルフェノール類、エトキシ化および/またはスルフェート化 酸、アミド、およびエステル類、スルフェート化 天然脂肪および油類、スルフェート化 リン酸およびポリリン酸エステル類 (および塩類) アルコールおよびフェノール類、アルコキシ化およびリン酸化 (および これらの塩類) その他のリン酸およびポリリン酸エステル類 (およびこれらの塩類) カルボン酸エステル類 ─────────────────────────────────── 粘性原油および粘性残油の双方に用いられる界面活性剤
パッケージにおいて、好ましい水溶性アニオン性化学界
面活性剤は非イオン性界面活性剤のスルフォン化あるい
はスルフェート化形態である。粘性原油のための界面活
性剤パッケージにおいて、エトキシ化アルコール硫酸エ
ステル類が好ましい。粘性残油のための界面活性剤パッ
ケージにおいて、スルフォン化あるいはスルフェート化
エトキシ化アルキルフェノール類およびエトキシ化アル
コール硫酸エステル類が好ましい。粘性原油および粘性
残油の双方のための界面活性剤パッケージにおいて、ア
ルキルアリールスルフォネートがまた好ましいアニオン
性化学界面活性剤である。エトキシ化およびスルフェー
ト化アルコールは一般式 R(OC2H4)nOSO3M (式中Rは約6〜約16個、好ましくは約12〜約14個、の
炭素原子を含む脂肪族基を、nは、約1〜約4、好まし
くは約2〜約3の範囲であり得るエトキシ基の数を表わ
し、またMは、これに限定されるわけではないが、アン
モニウム (NH4)、ナトリウム (Na) 、カリウム (K) 、
カルシウム (Ca) またはトリエタノールアミン、を含
み、好ましくはアンモニウムである。) のものである。
〔市販に得られるエトキシ化アルコール硫酸エステルの
一覧については、エンサイクロペディア オブ ケミカ
ル テクノロジー、上記、第357頁中の「界面活性剤お
よび洗浄システム」を参照のこと。〕エトキシ化アルコ
ール硫酸エステルのアルコール分は偶数または奇数また
はこれらの混合物であり得る。粘性原油のための界面活
性剤パッケージにおいて、エトキシ化アルコール硫酸エ
ステルの特に好ましいものの例としてはポリ (3) エト
キシC12〜C14線状第1アルコール硫酸エステル、アン
モニウム塩である。非エトキシ化アルコール硫酸エステ
ル、すなわち上記した一般式 R(OC2H4)nOSO3M (ただし
n=0である。) で表わされるスルフェート化アルコー
ルを使用することも可能である。残油のための界面活性
剤パッケージにおいて、非エトキシ化アルコール硫酸エ
ステルの特に好ましいものの例は、スルフェート化ラウ
リルアルコールのナトリウム塩である。
【0036】スルフェート化エトキシ化アルキルフェノ
ール類は一般式 RC6H4(OC2H4)nOSO3M (式中、Rは少なくとも約8または約9個の炭素原子を
含む脂肪族基を、nは約1〜約100 、好ましくは約4〜
約9の範囲であり得るエトキシ基の数を表わし、またM
は、これに限定されるわけではないが、アンモニウム
(NH4 +) 、ナトリウム (Na+) 、カリウム (K+) および
カルシウム (Ca++) またはトリエタノールアミン (TEA)
を含むものであり、好ましくはアンモニウムである。)
のものである。
【0037】スルフェート化エトキシ化アルキルフェノ
ールの特に好ましいものの例は、約4つのエトキシ基
(これに限定されるわけではない。) を含むスルフェー
ト化ノニルフェノールエトキシレートのアンモニウム塩
である。アルキルアリールスルフォネート類は一般式 RnArm(SO3)xM (式中、Arはベンジル、ナフチル、フェニル、トリル、
キシリルまたはエチルフェニルである芳香族基で、Rは
約2〜約16個の炭素原子を含む線状または分枝鎖状アル
キル基で、nは1または2で、mは1またはそれ以上
で、xは少なくとも約1であり、そしてMは、これに限
定されることはないが、アンモニウム、ナトリウム、カ
リウム、カルシウムまたはトリエチルアミンを含むもの
である。) のものである。〔市販に得られるスルフォン
化アルキルアリルの一覧については、エンサイクロペデ
ィア オブ ケミカル テクノロジー、上記、第358頁
中の「界面活性剤および洗浄システム」を参照のこ
と。〕スルフォン化アルキルアリールスルフォネート類
の一例としては変性アミンドデシルベンゼンスルフォネ
ートがある。粘性残油のための界面活性剤パッケージに
おいて、特に好ましいスルフォン化アルキルアリルの例
としては、高分子化アルキルナフタレン スルフォネー
トのナトリウム塩がある。
【0038】本発明の界面活性剤パッケージにおいて用
いられる好ましい水溶性微生物性界面活性剤は、バイオ
乳化剤、すなわち、高分子量、重合性状態、かなり特異
的三次元構造、疎水性および親水性状態、および油中に
おけるわずかな溶解性のような特性によって、水−中−
油型エマルジョン中の不連続な個々の油滴を維持して油
/水界面を有効に覆いこれにより合体よりエマルジョン
を実質的に安定化させる物質、として機能する任意の微
生物性あるいは他の生物学的誘導物質である。とりわけ
好ましいバイオ乳化剤は、アシネトバクター[Acinetob
acter]属およびアルスロバクター[Arthrobacter]属
の細菌によって産出されるヘテロポリサッカリドバイオ
ポリマーであり、そして特に、アシネトバクター・カル
コアセチカス[Acinetobacter calcoaceticus]の菌株
により産出されたものである。このようなアシネトバク
ター ヘテロポリサッカリド生体高分子は、これらに限
定されるわけではないが、第4節に定義され、そして米
国特許第4,395,353号、第4,395,354号、第3,941,692
号、第4,380,504号、第4,311,830号、第4,311,829号
および4,311,831号 (関連により編込まれる。) にそれ
ぞれ述べられた、アスネトバクター・カルコアセチカス
ATCC 31012 (マリーランド州ロックビル[Rockville,
MD ]のザ アメリカン タイプ カルチャー コレク
ション[theAmerican Type Culture Collection]に供
託) により産出された、ポリアニオン性ヘテロポリサッ
カリドバイオポリマー類、α−エマルザン類、β−エマ
ルザン類、プサイ−エマルザン類、アポ−α−エマルザ
ン類、アポ−β−エマルザン類およびアポ−プサイ−エ
マルザン類を含むものである。用いられ得るその他のア
シネトバクター・カルコアセチカス物質は、菌株NS−
1 (NRRL B−15847) 、NS−4 (NRRL
B−15848) 、NS−5 (NRRL B−158
49) 、NS−6 (NRRL B−15860) および
NS−6 (NRRL B−15850) の産物である。
前記「NS」菌株はイリノイ州ペオリア[Peoria, IL]
のザ ノーザン レジオナル リサーチ センター[th
e NorthernRegional Reseach Center]に供託されてお
り、そして前記NRRL加入番号を指定されている。ア
シネトバクター・カルコアセチカスの「NS」菌株は、
ここに関連により編込まれるものである。サー[Sar]
とローゼンベルグ[Rosenberg.]、カレント ミクロバ
イオル[Current Microbid.] (6):309〜314 (1983)
により詳述されている。その他のアシネトバクター・カ
ルコアセチカス ヘテロポリサッカリド バイオポリマ
ーは、アシネトバクター・カルコアセチカスBD4によ
り産出されたものである〔テイラーとジュニ、ジェイ
バクテリオル81: 688〜693 (1961)[Taylor and Juni,
J. Bacteriol. 81 : 688-693 (1961)]、ここにおいて
関連により編込まれる。〕。特に好ましいアシネトバク
ターヘテロポリサッカリド バイオポリマーは、α−エ
マルザン類であり、これの製造はさらに米国特許第4,2
30,801号および第4,234,689号 (ここにおいて、関連に
より編込まれる。) に詳述されている。該α−エマルザ
ン類は、約 200単位/ミリグラムないしそれ以上の比乳
化活性度で特徴づけられる (ここにおいて、比乳化活性
度の1単位/ミリグラムは、1:1容量比 (v/v)のヘキ
サデカン/2−メチルナフタレン1mlおよびトリス−マ
グネシウム緩衝液7.5mlを含んでなる標準炭化水素混合
物を用いて 100ケレット[Klett]吸収単位を得るもの
であるバイオ乳化剤のミリグラム当りの乳化活性度の量
として定義される。) 。
【0039】前述のアシネトバクター バイオ乳化剤
は、本発明の界面活性剤パッケージにおいて、これらに
限定されるわけではないが、発酵後保存ブロス[post-f
ermen-tation whole broth]、発酵後培養ブロスの無細
胞[例えば、ミリポアフィルター[Millipore-Filter]
にかけた) 上澄液または不完全無細胞上澄液、細胞それ
自身、プロテアーゼ処理液状または乾燥物質、およびプ
ロテアーゼ処理限外濾過処理液状または乾燥物質を含む
種々の形態で用いられ得る。
【0040】多くのその他の微生物有機体が、本発明の
界面活性剤パッケージにおいて使用される、バイオ界面
活性剤およびバイオ乳化剤を含む生物学的界面活性剤の
源泉として与えられ得る。これらの微生物のいくつかと
これらが産生する化合物の種類が表5に列挙されるが、
この表は、すべてを表わすものではない。本発明の界面
活性剤パッケージはまた、酵素非含有アミン類、酸素含
有アミン類、アミド結合アミン類および第4級アンモニ
ウム塩を含む (これらに限定されるわけではない。) 水
溶性カチオン性化学界面活性剤を用いて調製され得る。
微生物性界面活性剤と組合せてのカチオン性化学界面活
性剤の使用は、生物学的化合物の電荷特性を考慮するこ
とを要求する。例えば、カチオン性化学界面活性剤は、
おそらく中性の微生物性界面活性剤と組合せて用いるこ
とが最適であり、またおそらく好ましいポリアニオン性
ヘテロポリサッカリド バイオ乳化剤と組合せて用いな
いことが最適である。
【0041】 表 5 微生物性界面活性剤 微生物性化合物 微 生 物 源 炭水化物含有 界面活性剤類 トレハロース脂質 アルスロバクター種 アルスロバクター・パラフィヌス KY4303 [Arthrobacter paraffineus KY4303] マイコバクテリウム種 マイコバクテリウム・スメグマチス [Micobacterium smegmatis] マイコバクテリウム・カンサシイ [Micobacterium Kansasii] マイコバクテリウム・ツベルクローシス [Micobacterium tuberculosis] マイコバクテリウム・フレイ [Micobacterium phlei] マイコバクテリウム・リュードクロス [Micobacterium rhodochrous] マイコバクテリウム・フォーチュイタム [Micobacterium fortuitum] ノカルジア種[Nocardia spp.] ノカルジア・アステロイデス [Nocardia asteroides] ノカルジア・リュードクロス [Nocardia rhodochrous] コリネバクテリウム種 コリネバクテリウム・ジフセリエ [Corynebacterium diphtheriae] ブレビバクテリウム[Brevibacterium] ラムノリピド類 アルスロバクター・パラフィヌス シュードモナス・アエルギノーザ [Pseudomonas aeruginosa] ソホロース脂質類 トルロプシス種 トルロプシス・マグノリアエ [Torulopsis magnoliae] トルロプシス・グロペンジエセリ [Torulopsis gropengiesseri] ジグリコシル ラクトバシラス・フェルメンティ ジグリセリド類 [Lactobacillus fermenti] ポリサッカライド アルスロバクター種 −脂質複合体 カンジダ・トロピカルス [Candida tropicalisアミノ酸含有 界面活性剤類 リポペプチド類 バシラス・サチリス [Bacillus subtilis] バシラス・メセンテリカス [Bacillus mesentericus] カンジダ・ペトロフィラム [Candida petrophilum] ストレプトマイセス・カニス [Streptmyces canus] コリネバクテリウム・レプス [Corynebacterium lepus] ノカルジア・アステロイデス マイコバクテリウム・パラツベルクローシス [Mycobacterium paratuberculosis] オルチニン脂質 シュードモナス・ルブセンス [Pseudomonas rubescens] チオバシラス・チオキシダンス [Thiobacillus thioxidans] アグロバクテリウム・ツメフェシエンス [Agrobacterium tumefaciens] グルコノバクター・セリヌス [Gluconobacter cerinus] タンパク シュ−ドモナス・アエルギノーザ リン酸脂質類 チオバシラス・チオキシダンス コリネバクテリウム・レプス コリネバクテリウム・アルカノリチカム [Corynebacterium alkandyticum] カンジダ・トロピカルス ミクロコッカス・セリフィカンス [Micrococcus cerificans脂肪酸類および 天然脂質類 カルボン酸 コリネバクテリウム・レプス シュードモナス種 マイココッカス種 ペニシリウム種 [Penicillium spp.] アスペルギルス種 [Aspergillus spp.] アシネトバクター種 [Acinetobacter spp.] ミクロコッカス・セリフィカンス [Micrococcus cerificans] カンジダ・クローカエ [Candida cloacae天然脂質類、および 脂肪酸類の混合物 マイコバクテリウム・リュードクロス アルスロバクター・パラフィヌス アルスロバクター・パラフィヌス ATCC 19558 マイコバクテリウム・ラクティカラム [Mycobacterium lacticolum] アシネトバクター種 チオバシルス・チオキシダンス ポリサッカリド類 ヘテロポリサッカリド類 キサントモナス・カンペストリス [Xanthomonas campetris] キサントモナス・カンペストリス NRRL B 1459 [Xanthomonas campetris NRRL B 1459] アルスロバクター・ビスコーサス [Arthrobacter viscosus] アルスロバクター・ビスコーサス NRRL B 1973 メチロモナス種 [Methylomonas spp.] ホモポリサッカリド類 ラクトバシラス種 メチロモナス・ムコサ NRRL B 5696 [Methylomonas mucosa NRRL B 5696] リポポリサッカリド類 アシネトバクター・カルコアセチカス [Acinetobacter calcoaceticus] アシネトバクター・カルコアセチカス ATCC 31012 シュードモナス・フルオレセンス [Pseudomonas fluorescens] エルシニア・シュードツベルクローシス [Yersinia pseudotuberculosis] エルシニア・ペスチス [Yersinia pestis] ストレプトマイセス・カルコアセチカス [S. Calcoaceticusその他の界面 活性剤類 未知またはほとんど 特徴づけられないもの シュードモナス種 シュードモナス・アエルギノーザ シュードモナス・オレオロアンス [Pseudomonas oleoroans] シュードモナス・ピュチダ [Pseudomonas putida] シュードモナス・デスモリチカム [Pseudomonas desmolyticam] シュードモナス・メタニカ [Pseudomonas methanica] コリネバクテリウム種 コリネバクテリウム種 ATCC 21235 コリネバクテリウム・ヒドロカーボノクラストス UWO409 [Corynebacterium hydrocarboclastus UW 0409] バシラス・サチリス バシラス・ヘキサカルボロラム [Bacillus hexacarboroum] カンジダ種 カンジダ・ユティリス [Candida utilis] カンジダ・ユティリス ATCC9226 カンジダ・キレアモディ [Candida guilliermondii] カンジダ、ルゴサ [Candida rugosa] カンジダ・リポリチカ [Candida lypolytica] アスペルギルス・ニゲル [Aspergillus niger] アスペルギルス・バルシカラ [Aspergillus versicolor] デスルホビブリオ・ヒドロカーボノクラスチカス [Desulfovibrio hydrocarbonoclasticus] デスルホビブリオ・デスルホリカンス [Desulfovibrio desulfuricans] エンドマイコプシス・リポリチカ [Endomycopsis lipolytica] サッカロマイコプシス・リポリチカ [Saccharomycopsis lipolytica] アエロバクター・アエロギネス [Aerobacter aerogenes] アエロバクター・アセチ [Aerobacter aceti] アエロバクター・ペロキシダンス [Aerobacter peroxydans] アルカリゲネス・ユウトロファス [Alcaligines entrophus] アクロモバクター種 [Achromobacter spp.] アクロモバクター種 ATCC21910 アクロモバクター・アギル [Achromobacter agile] アクロモバクター・トロパンクタータム [Achromobacter tropanctatum] アクチノマイセス・オリゴカルボフィリス [Actinomyces oligocarbophilus] アエロバシジウム・プルアンス [Aerobasidium pulluans] アルスバクター種 ATCC21908 ミクロコッカス種 ミクロコッカス種 ATCC21909 ミクロコッカス・セリフィカンス ATCC14987 ミクロコッカス・パラフィナエ [Micrococcus paraffinae] ミクロバクテリウム・ソードクロス [Microbacterium thodochrous] マイコバクテリウム・フレイ ノカルジア・オパカス [Nocardia Opacus] ノカルジア・コーラリナ [Nocardia corrallina] ペニシリウム種 ピチア・スパルチナエ [Pichia spartinae] ─────────────────────────────────── 界面活性剤パッケージは、バイオ乳化剤を用いずに、非
イオン性化学界面活性剤または非イオン性およびアニオ
ン性化学界面活性剤の組合せ (好ましくは、約1:1の
重量比) により調製され得るが、好ましくは、エマルジ
ョンの安定化のために、約1〜約50重量%の範囲のバイ
オ乳化剤を共に用いて調製される。約10〜約20重量%の
範囲および特にほぼ15重量%のバイオ乳化剤で構成され
る界面活性剤パッケージが好ましい。界面活性剤の例と
しては、 (a) 約10〜約15重量%のα−エマルザンと長
さにおいて約11〜約15個の炭素原子の炭素鎖を有するエ
トキシ化第2アルコール〔例えばテルギトール15−S
−X[Tergitol 15-S-X ](ユニオンカーバイトコーポ
レーション[Union Carbide Corp. ]) 〕 (ここでXは
エチレンオキサイドのモル数を表わしそして好ましくは
7より大きい。) の組合せ、 (b) 約10〜約15重量%の
α−エマルザンと約20〜約25重量%のエトキシ化トリメ
チルノナノール〔例えば、テルギトールTMN−6[Te
rgitol TMN-6] (ユニオンカーバイトコーポレーショ
ン) 〕および約60〜約70重量%のエトキシ化アルキルフ
ェノール〔例えばトリトン X−114[Triton X-11
4] (ローン アンド ハス カンパニー[Rohn & Hass
Co. ]) 〕の組合せ、そして (c) 約15重量%のα−
エマルザンと約8または9個の炭素原子のR基を有する
エトキシ化アルキルフェノールの組合せがある。特に好
ましい界面活性剤パッケージは、約10〜約20重量%のα
−エマルザンを、非イオン性エトキシ化アルキルフェノ
ール〔例えばテルギトール NP−40[Tergitol NP-
40]〕とアニオン性エトキシ化アルコール硫酸エステル
〔例えば、アルフォニック 1412−A[Alfonic 14
12-A] (コノコ インコーポレーテッド[Conoco, In
c.]) 〕の、該非イオン性およびアニオン性界面活性体
の割合を約1:1で用いたものと組合せて構成される。
特に好ましい界面活性剤パッケージはα−エマルザン約
15重量%、テルギトールNP−40約42.5重量%および
アルフォニック1412−A約42.5重量%よりなる界面
活性剤パッケージにより例示される。界面活性剤パッケ
ージは全濃度であるいは希釈水性溶液中で調製され得
る。粘性残油に用いる最も好ましい界面活性剤パッケー
ジは、アニオン性界面活性剤の組合せで、エトキシ化ス
ルフェート化ノニルフェノール85重量%および少なくと
も約 500ドルトン、好ましくは少なくとも約2000ドルト
ンの分子量を有する高分子化アルキルナフタレンスルフ
ォン酸のナトリウム塩15重量%である。
【0042】6. 2 粘性源油および残油 本発明の界面活性剤パッケージ組成物は、これによって
輸送および/または直接燃焼され得るものとなる水−中
−油型エマルジョンにおいて多数の炭化水素類を乳化す
るまたは乳化するおよび実質的に安定化させるために用
いられ得るものである。本発明において使用するのに適
した粘性炭化水素類の一般的に容認された正確な定義が
ないので、これらはこれらの一般的特性の用語において
論述されるのが最良である。粘性炭化水素類は、天然発
生粘性原油類 (重質原油とも呼ばれる) ならびに減圧残
油、その他の残燃料油およびアスファルトなどのような
精製過程からの残留するバレル[barrel]底部製品を包
含するものである。〔第4節、術語、上記、参照のこ
と。〕低い比重は高い密度と必ずしも一致しないが、こ
れらの特性は粘性炭化水素類において一般に相関する。
【0043】一般に以下の特性は、原油と残油の種類、
本発明の組成物と方法によりより容易とされ得る取扱い
および利用を重要に象徴するものである。 1. 低いAPI比重、一般に約20°APIであるまた
はそれ以下である。これは安易に計測されるためそして
20°API原油は従来の製造技法で回収されうる低い方
の限度と概略一致するために、最もひんぱんに用いられ
る基準である。
【0044】2. 約102 〜106 センチポイズ (cp) の
範囲の粘度、あるいはいくつかの場合においてこれより
もさらに高い粘度。 3. 高い金属含有量。例えば重質重油はしばしば500p
pmの高さほどのニッケルおよびバナジウム含有量を有す
る。 4. 高い硫黄含有量。例えば3重量%ないしそれ以
上。
【0045】5. 高いアスファルテン含有量。 6. 高い流動点。 もちろん、より軽質な原油もまた本発明の界面活性剤パ
ッケージで乳化および/または安定化され得るものであ
ることは、注意すべきことである。しかしながら、軽質
油の輸送および燃焼は、高粘性の原油および残油の場合
と同様の問題が存在しないので、本発明の組成物および
方法は、特に重質原料の使用に注がれるものである。そ
れにもかかわらず、放射を減少させる目的で、これらの
軽質油の中から予め細霧化された燃料を形成するために
有用なものである。本発明の界面活性剤パッケージを用
いて、乳化され得るものであり、そして輸送および/ま
たは燃焼の目的のために乳化するのに、最も有用なもの
であるこれらの粘性炭化水素類は、約50重量%ないしそ
れ以下のパラフィン含有量および15重量%ないしそれ以
上の芳香族含有量を有しかつ 150°Fでの 100センチポ
イズないしそれ以上の粘度を有するものとして一般的に
定義される。粘性残油は一般に、約4〜約40重量%の範
囲のパラフィン含量、約15〜約70重量%の範囲の芳香族
含量および約5〜約80重量%の範囲のアスファルテン含
量により特徴づけられる。
【0046】さらに限定的には、本発明の界面活性剤パ
ッケージを用いて有効に乳化され安定化され得る原油の
種類は、ボスカン[Boscan] (ベネズエラ) 原油、東テ
キサス原油、ジャバロ[Jabaro ]およびバルトラ[Bar
tra] (ペルー) 原油、エルジャボ[El Jabo] (ベネズ
エラ) 原油およびカンザス原油を含むものである。本発
明の界面活性剤パッケージを用いて有効に乳化され安定
化され得る特定の粘性残油は、カルフォルニア減圧残
油、オクラホマ減圧残油、ジャーマン ビスブレーカー
[Garman vis-breaker]残油、テキサス ビスブレーカ
ー残油、接触水素化残油、ROSE残油およびカットバ
ックタールを含むものである。
【0047】さらにまた、米国工業規格 (ASTM) 級
第6号油として分類されるもののような残燃料油はまた
乳化され得る。ときどき「バンカー C[Bunker C]油
とよばれる、第6号油は、商業的および工業的加熱にお
いて最も使用される高粘度油である。これらの利用は通
常、貯蔵タンクにおいてポンプ送し得るように予熱する
ことを必要とし、そしてバーナーにおいて細霧化し得る
ようにさらに予熱することを必要とする。乳化されてい
ない形態における第6号燃料の取扱いに必要とされる特
別な装置と維持は、通常小さな設備における使用を阻害
するものである。第6号重油のASTM標準明細は表6
に要約される〔1981 ブック オブ エイエスティーエ
ム スタンダーズ, パート 23 [1981 Book of ASTM St
andards,Part 23]中、「重油に関する標準明細」、AST
M 指定 D396〜80〕 表 6 第6号重油に関する詳細な要件 重油の等級 (第6号、燃焼および取扱い のために必要とされる予熱) 最 小 最 大 引火点℃ (°F) 60(140) 水分および沈澱物、容量% 2.00 2 セイボルト粘度, s1 38℃(100°F) でのユニバーサル[Universal] (>900) (9000) 50℃(122°F) でのフロール[Furol] (> 45) ( 300) 動粘度, cSt1 > 92 638 50℃(122°F) 1. かっこに入れた粘度値は、参考までのものであって、必ずしもこれに限定さ れない。 2. 蒸留による水分に抽出する沈澱物を加えた量は2.00%をこえない。抽出によ る沈澱物の量は0.50%を超えない。量における差引は、それにもかかわらず 1.0%を超える水と沈澱物となる。 ──────────────────────────────────6. 3 エマルジョン形成 第6. 1節の界面活性剤パッケージは、約90重量%程度
の多くの第6. 2節で述べた粘性炭化水素を含有する水
−中−油型エマルジョンを形成するために用いられ得
る。炭化水素が乳化されるところの水性相は、脱イオン
水、都市水源よりの水、あるいは、油産出、油相もしく
は利用の地のすぐ近くに存在する、遺留水または塩水の
ような比較的多量の溶解塩を有する水なども含まれる任
意の水であり得る。水性相はまた、メタノール/水、エ
タノール/水あるいはその他の低級アルコール/水混合
物のようなアルコール/水混合物であり得、そしてさら
に抗腐食剤、抗汚濁剤または燃焼改良剤などのような添
加剤を含み得る。水−中−油型エマルジョンは好ましく
は約60/40〜約80/20の油/水比、そしてさらに好まし
くは約65/35〜約75/25の油/水比で含むものである。
【0048】水−中−油型エマルジョンの形成におい
て、特定の輸送または利用要件に適するものへと満足な
エマルジョン特性を維持する一方、できるだけ少量の界
面活性剤パッケージを使用することが経済的に望まし
い。第6. 1節の界面活性剤パッケージは、約1:100
〜約1:20,000の界面活性剤パッケージ:炭化水素の重
量比において用いられ得る。用いられるこの比率は、乳
化される炭化水素の種類および/または乳化する目的に
存在し得る。
【0049】水−中−油型エマルジョン形成は、多数の
好ましい手段によって導かれ得る。例えば、界面活性剤
パッケージの有効量を含む水性相が、好ましい混合装置
にかけられる直前に計量注入により炭化水素相へ接触さ
れることができる。計量は、好ましくは、所望する炭化
水素/水比が比較的一定に保たれるように維持される。
ポンプ装置あるいはインライン定常混合器[in-line st
atic mixer]などのような混合装置は、乳化を引き起こ
すために十分な攪拌を与えるために用いられ得る。より
特定の例として、残油の輸送または利用に関し、約30%
(v/v) の水性相中の加熱残油を、第6. 1節の界面活性
剤パッケージの1つを用いて、精油所の減圧蒸留装置に
存在する際に乳化することが可能である。
【0050】6. 3. 1 高温における予め細霧化され
た燃料の形成 いくつかの低比重残滓性炭化水素類は、極端に粘稠であ
り、そしてこれらを取扱うに十分な流体とするために非
常に高い温度を必要とする。このような炭化水素類は、
212°Fで約1000cp以上である粘度により特徴づけられ
る。このように高い温度を維持することは、これらの炭
化水素類の長期貯蔵および輸送に経済的に適さない。ま
たこれらの炭化水素類を多くのより軽質の油 (カッター
ストック) と調合することは、取扱うことのできる粘度
を達成するために必要とされるより軽質な油の量かある
いはより軽質の油の均質な調合をなさせない粘性炭化水
素の好ましからざる特性のいずれかの原因で経済的に好
ましくないものとなる。
【0051】本発明は、極度に粘稠な炭化水素を取扱う
ための新しいアプローチを、予め細霧化された燃料を形
成するためのこのような炭化水素の水中へ安定な分散に
よって提供するものである。予め細霧化された燃料の形
成は、粘性炭化水素が流体となるように該粘性炭化水素
を高温へ加熱することにより達成される。この加熱炭化
水素相は、第6. 1節で述べたような適当な界面活性剤
および/または安定剤を含有している水性相と接触させ
られる。予め細霧化された燃料の成功裡な形成を達成す
るための重要なポイントは、水性相に蒸発をなさせない
ように導入過程全般を通じた圧力の維持である。適当な
圧力、すなわち水性相中の水の沸騰を阻止するために必
要とされる圧力によって、水性相は液体状態をとどめ、
これにより連続水相中への炭化水素相の安定な分散をな
させる。得られた加熱状態の予め細霧化された燃料は、
予め細霧化された燃料の出口温度が大気圧において水性
相の沸点より低いものであるために、適当な熱交換器を
用いて迅速に冷却される。あるいはこれに代えて、圧力
が減少されそして混合物が予め細霧化された燃料中に含
まれる水の部分をフラッシングすることにより冷却され
る。
【0052】6. 3. 2 熱分解炭化水素排出物を用い
ての予め細霧化された燃料の形成 精製工業において一般に知られているように、熱分解装
置の排出物より得られる残滓性炭化水素類は一般的では
ない問題を有している。高比重炭化水素のより多くの量
を得るために操作において必要とされる極度の条件は、
独特な非混合性の留分への分離の可能性が必常に大きな
残留物をもたらす。この現象の起こる理由は十分明らか
なものではないが、アスファルテンなどのような高分子
量成分の不安定化が一因となっていると考えられてい
る。このような炭化水素類が第6.3節で述べられたよ
うな予め細霧化された燃料の形成に用いられる際、得ら
れる水−中−油型エマルジョンは、静置の短い時間の後
に3つの相に分離する。
【0053】これらの層は低API比重炭化水素底部
相、水/界面活性剤中間相および高圧API比重炭化水
素上部相よりなるものである。特定な理論により結合あ
るいは拘束されることを求めることなく、分離は、「粘
着性のある状態」およびオストワルド熱成現象[Ostwal
d ripening phenomena]の双方に帰するものである複合
相互作用の発現に十分な時間を許すものである、この予
め細霧化された燃料のゆっくりとした冷却により起るも
のであることを本発明者らは理論立てた。分離へ向かう
傾向は適当な熱交換器の使用あるいは炭化水素の軟化点
よりも少なくとも約 100°F低い温度へのこの新しく形
成された予め細霧化された燃料を迅速に急冷する方法に
よって減少され得る。水−中−油型エマルジョンの混合
装置に存在する際の迅速な急冷によって、時間の経過に
よって分離するものではない安定した予め細霧化された
燃料が達成される。さらに加熱された予め細霧化された
燃料の迅速な急冷は、上記した複合相互作用が起こるの
に十分な時間を許さないことが理論づけられた。
【0054】6. 3. 3 スラリーの予め細霧化された
燃料との混合 液体燃料のbtu (英国式燃料単位) 含有量を高めるた
めの経済的方法は、低軟化点燃料中へ高軟化点の炭化水
素性原料 (例えば、石炭、コークス、ROSE残油等)
を加入させることにより達成される。これは通常高軟化
点炭化水素を非常に小さな粒子 (通常直径約 100μm )
を形成するように粉砕しそして次に、液体燃料中へこの
固体粒子を分散させることにより行なわれる。しかしな
がら液体中の固体の分散は、増加した粘度などのような
好ましからざる特性を有する燃料の製造という結果に終
わる。
【0055】高軟化点の炭化水素性原料 (例えば石炭、
コークス、ROSE残油等) を経済的に利用する新しい
方法は、これらを予め細霧化された燃料中へ加入するこ
とにより達成される。これは、最初に、高軟化点の物質
を非常に微細な粒子 (通常約30μm 未満) に粉砕し、そ
して次に該粒子を予め細霧化された燃料に適合する界面
活性剤パッケージを含有する連続水性相へ分散させるこ
とにより形成することにより行なわれる。
【0056】分散された粒子のスラリーは適当な比率
で、スラリーを形成するために用いられたもの以外の炭
化水素により調製された予め細霧化された燃料と混合さ
れる。このスラリーの予め細霧化された燃料との混合
は、混合される前のスラリーもしくは予め細霧化された
燃料よりも低い粘度を有する液体燃料を提供する。スラ
リー/予め細霧化された燃料混合物において観察される
減少された粘度の理由は十分明らかにされてはいない
が、特定の理論により結合あるいは拘束されることを求
めることなく、本発明者らは、粒子から粒子への相互作
用の低減がその一因となっていることと考える。
【0057】6. 4 エマルザン安定化炭化水素ゾルの
特性 水−中−炭化水素エマルジョンの炭化水素液滴は製造過
程において通常表面へと上昇し、そして水性相上に「浮
く」こととなる。これはクリーミングとして公知であ
り、また炭化水素相の密度が水性相のそれよりも低いた
めおよび分散された相における該液滴がブラウン運動に
より安定化されるには大きすぎるためにもたらされるも
のである。「クリーム」が与えられた時間の間乱されな
いものをとどめている場合、液滴は合体し、2つの分離
した相へ発展することとなる。エマルザン、特にα−エ
マルザンは合体の阻止においてきわめて有効であり、そ
して「クリーム」中のエマルザン安定化液滴は水性相中
へ容易に再分散し得る。
【0058】エマルジョン安定性を制御する主な要因
は、静電 (帯電) 効果および立体効果である。エマルザ
ン類の特性は、これらの機構の最適な開拓に役立つもの
である。これらの大きな分子量およびかなり特異的な三
次元構造は、炭化水素/水界面の有効な被覆をもたらす
ものである。これは隣接する液滴が衝突した際の油の油
への接触を効果滴に阻止するものである。同時に、エマ
ルザン類のポリアニオン性状態は、斥力を生みそして炭
化水素液滴間における衝突頻度を顕著に減少させるもの
である負に帯電したエマルジョン液滴の表面をもたら
す。加えて、水相における多分子性エマルザンミセルの
不存在および炭化水素相におけるエマルザン溶解性の欠
除は、油/水界面へのエマルザン分子の効果的な移動お
よび付着をもたらす。エマルジョン安定化に関する最終
的な化学的要求はこれにより非常に小さなものとなりそ
して油滴の大きさ、すなわち望まれる界面的領域に直接
関係するものとなる。
【0059】エマルザン類が既存のエマルジョン安定剤
を超えて与える利点は、以下に要約される。炭化水素ゾ
ルにおいて、エマルザンは油/水界面のみに卓越的に存
在し、本質的に水相中および油相中のいずれにも数え得
るエマルザンは見出すことができない。過剰な水の存在
においても、非常にわずかの量のエマルザンが要求され
るのみである。エマルザン安定化炭化水素ゾルは、約
1:4よりも低い水:油比においても、油−中−水型エ
マルジョンへの転化を効果的に阻止するものである。こ
れはエマルザンの油中における不溶性に一部よるところ
であり、またエマルザン分子の特異的三次元構造に一部
帰因するものである。
【0060】6. 5 炭化水素類の調合 いくらかの場合において、炭化水素類は従来の製造方法
に関して粘稠すぎるものであり、また安定な予め細霧化
された燃料中へ取込まれるのに不都合なものとしてしま
う特徴 (すなわち、低比重、過剰なパラフィン、芳香族
および/またはアスファルテン含量など) を有するもの
である。製造のために粘度を低減するまたは好ましくな
い特徴を軽減するひとつの方法はこの好ましくない炭化
水素を好ましいものを有する炭化水素と調合することで
あり、これは予め細霧化された燃料の形成に適した特性
を有する炭化水素をもたらすことになる。この方法にお
いて、その他の点で使用不可能な炭化水素は使用可能な
形態へと「調整」され得る。
【0061】6. 6 炭化水素ゾルの輸送および利用 炭化水素ゾルは、これらがバイオ乳化剤を含有している
ゆえに、タンカー、バージにおいておよびより重要なこ
とには標準的非加熱パイプライン網を含む従来のパイプ
ラインを通してこれらを輸送することを許容する特性を
有している。特にパイプライン化のために重要である、
炭化水素ゾルにより示される特性はとりわけ、低減され
た粘度、比較的剪断速度の高い条件においてもなされる
合体に対する安定性、高含塩性水性相での適合する形
成、および非腐食性状態である。
【0062】約60°Fでの約500cp 未満の粘度を有する
炭化水素ゾルは、許容される流速およびほどよい圧力低
下で、油の輸送のための遠心ポンプの経済的使用をなさ
せ得るものである。パイプライン化の目的のため、約
1:100 〜約 1:5,000 の範囲内の比率において変えら
れる最小有効濃度で第6. 1節の界面活性剤パッケージ
を使用することが望ましい。炭化水素ゾルは非加熱貯蔵
タンクにおいて貯蔵され得、そして均質性を維持するた
めに攪拌が、ここにおいて任意的に与えられ得る。
【0063】これらのものの目的地へ輸送された場合、
もし望まれるならば炭化水素ゾルは脱乳状化され得る。
より重要なことは、炭化水素ゾルは他の予め細霧化され
た燃料と同様に、脱水処理することなく、直接可燃性燃
料として利用することができる。これらは、現在、第6
号重油、すなわちいわゆるバンカーC重油、を発火させ
るのに用いられている燃焼装置、とりわけ、蒸気ボイ
ラ、加熱システム、もしくは溶鉱炉において使用され得
るものである。炭化水素ゾルは、他の予め細霧化された
燃料の場合と同じように、燃料コスト、貯蔵コストおよ
び原料取扱コストを低くすることによって高額でないプ
ラント操作を潜在的に許容するものとなる。炭化水素ゾ
ルおよびその他の予め細霧化された燃料は、その状態に
よって第2号またはそれより高い等級の燃料の置換物と
して適用され得る。
【0064】利用前の長い貯蔵期間または長い距離にわ
たる輸送が要求されない場合には、炭化水素ゾルにより
示される安定性はより臨界的でないものとなる。短い距
離の輸送または現地的利用が計画される場合には、バイ
オ乳化剤安定化エマルジョンを形成することは必ずしも
必要ではない。さらに、燃焼を容易とするために安定化
されたエマルジョンを形成することは必ずしも必要では
ない。すなわちエマルジョン安定性は通常良好な燃焼特
性には要求されない。それゆえ燃焼に適した予め細霧化
された燃料は、1つの化学界面活性剤のみで、または化
学界面活性剤を組合せて調製された第6. 1節に述べた
ような界面活性剤パッケージを用いて粘性炭化水素を乳
化して調製され得る。例えば、70/30の第6号重油/水
エマルジョンは、等重量比の非イオン性化学界面活性剤
とアニオン性化学界面活性剤とにより構成される界面活
性剤パッケージを用いて調製され得、そして得られた水
−中−油型エマルジョン (これもまた予め細霧化された
燃料と呼ばれる。) は直接燃焼させることが可能であ
る。
【0065】
【実施例】7. 1 バイオ乳化剤の調製 7. 1. 1 工業級α−エマルザンの調製 米国特許第4,395,354号 (関連により編込まれる。上
記) に詳述されているように、エタノールにおける発酵
の間にアシネトバクター・カルコアセチカスATCC
31012により産出されたα−エマルザン類は、公知
のバイオ乳化剤である。下記に述べる実験において使用
される該α−エマルザン類は2つの方法のいずれかを用
いて調製された、工業級の (そうでなければ別の方法で
指定されたものである) 物質であった。いずれの調製方
法も酵素処理および乾燥を含んでいるが、これらの段階
が行なわれる順序が異なっていた。一方の方法による
と、エタノール媒体におけるアシネトバクター・カルコ
アセチカスの発酵より得られたα−エマルザン類を含有
する遠心分離化 (約90%の細胞を取去った) 発酵ブロス
がドラムにて乾燥されそして得られた物質が使用前に以
下の方法によって処理された。物質、すなわち工業級α
−エマルザンの10重量%懸濁液が脱イオン水において調
製され、そして連続的に攪拌しながら50°〜60℃へ加熱
した。懸濁液のpHは、50重量%水酸化ナトリウム (所望
ならば希釈される。) を添加することでpH8.5へと調整
された。プロテアーゼ酵素 (ノボ インダストリーズ
[NOVO Indu-stries]製、1.5M アルカラーゼ) が1
部 (プロテアーゼ): 500部 (固形α−エマルザン) の値
で添加された。この混合物は攪拌しながら約3時間、50
°〜60℃に保たれた。視認できる沈澱性エマルザンの不
在によって判断して、反応は完全に進行され、続いて反
応混合物は遠心分離された。酵素処理の完了の後に、反
応混合物はプロテアーゼを変性させそしてその活性を失
活するために約70℃へ上げられた。溶液は室温まで冷却
され、そして保存剤であるコーサン PMA−30[Co
san PMA-30] (コーサン コーポレーション[Cosan Co
rporation]) が1部 (コーサン): 500部 (α−エマル
ジョン溶液) の値で添加された。
【0066】もう一方の方法によると、α−エマルザン
の酵素処理は、以下の調書に従いドラムによる乾燥の前
に行なわれた。エタノール媒体においてのアシネトバク
ター・カルコアセチカスの発酵により得られたα−エマ
ルザンを含有する発酵ブロスは、約90%の細菌細胞を除
去するために遠心分離にかけられた。遠心分離したブロ
スに、プロテアーゼ酵素 (前記のものと同じ。) が1グ
ラム (プロテアーゼ):500単位/ミリグラム (比乳化活
性度) (ここにおいて比乳化活性度の1単位/ミリグラ
ムは、1:1容量比のヘキサデカン/2−メチルナフタ
レン1mlおよびトリス−マグネシウム緩衝液7.5mlを含
んでなる標準炭化水素混合物を用いての 100ケレット吸
収単位を得るものであるバイオ乳化剤のミリグラム当り
の乳化活性度の量として定義される。) の割合で添加さ
れた。プロテアーゼ反応は、上記に述べるようにして完
了するまで進行された。プロテアーゼ処理化遠心分離化
ブロスは、次にα−エマルザンの10%(w/v) へと蒸発さ
れた。このスラリーは噴霧され乾燥され、そして得られ
た物質はまた、工業級α−エマルザンと呼ばれた。
【0067】7. 1. 2 アシネトバクター・カルコア
セチカスバイオ乳化剤の 付加的な調製 アシネトバクター・カルコアセチカスATCC 310
12の発酵がエタノールにおいて、米国特許第4,395,3
54号において論述されるようにして行なわれた。得られ
たブロスの以下の画分は界面活性剤パッケージを調製す
るために用いられた;全ブロス、上澄液、細胞、酵素処
理全ブロス、酵素処理上澄液、酵素処理細胞 (なお酵素
処理は、上記第7. 1. 1節の2番目の方法において述
べたものと同様にして行なわれた。) 、均質化細胞、加
熱細胞およびいわゆる「ミリポアエマルザン」。ミリポ
ア エマルザンは細胞を除去するためにミリポア フィ
ルター[Millipore filter]にかけ、続いて酵素処理
(上記に述べた) および限外濾過を行なうことにより調
製される。先述の調製物は、液体あるいは湿潤形態にお
いて使用された。ミリポアエマルザン試料は、界面活性
剤パッケージに使用される前にさらに重炭酸アンモニウ
ムに対して透析されそして凍結乾燥された。
【0068】ソープストック[soap stock]におけるア
シネトバクター・カルコアセチカスATCC 3101
2の発酵により得られた全ブロスおよび酵素処理全ブロ
ス (米国特許第4,230,801号 (関連により編込まれる、
上記) において述べられたものと同様の条件下で行なっ
た。) がまた用いられた。アシネトバクター・カルコア
セチカス NS−1 (NRRL B-15847) が、米国特許第
4,395,354号において述べられたものと同様の条件下
で、発酵器中でエタノール媒体において培養された。全
ブロスおよび酵素処理ブロスが界面活性剤パッケージを
調製するために用いられた。
【0069】アシネトバクター・アルコアセチカス菌株
NS−4 (NRRL B-15848) 、NS−5 (NRRL B-15849)
、NS−6 (NRRL B-15860) およびNS−7 (NRRL B-
15850) が、米国特許第4,395,354号に述べられるよう
に、2%エタノール媒体中で振とうフラスコ培地におい
て3日間培養された。酵素処理全ブロス試料は、NS−
4、NS−5およびNS−7の培地から調製された。酵
素処理上澄液試料は、NS−4、NS−5、NS−6お
よびNS−7の培地から調製された。これらの調製物は
また界面活性剤パッケージを形成するために用いられ
た。
【0070】7. 2 粘性炭化水素特性 7. 2. 1 ボスカン原油 下記に述べる実験において使用されるボスカン[Bosca
n]原油は、西ベネズエラの油田より産出された重質原
油である。この原油の特性、すなわち比重、API比重
(°API) 、パラフィン含量 (重量%) 、芳香族含量
(重量%) 、アスファルテン含量 (重量%) および温度
(華氏) に対する粘度 (センチポイズ) 特性が実験的に
測定され、そして表7に要約される。パラフィン、芳香
族およびアスファルテン含量は、下記第7. 2. 12節
に述べる方法により測定された。
【0071】 表 7 ボスカン原油特性 比 重 0.983 API比重(算出) 12.5°API パラフィン含量 18.0% (w/w) 芳香族含量 60.0% (w/w) アルファルテン含量 22.0% (w/w) 粘 度 (cp) 温 度 (°F) 4,500 140 24,000 100 192,000 60 ──────────────────────────────────7. 2. 2 テキサス ファイヤフロッド原油 下記に述べる実験に用いられるテキサス原油は東テキサ
ス (テキサス州 クイットマン[Quitman, TX]) の油
田より火攻法[fireflood method]により産出されたも
のである。この原油の特性、すなわち26℃での比重〔AS
TM D1217-81〕、API比重、パラフィン含量、芳香族
含量および温度に対する粘度特性が、下記第7. 2. 1
1節に述べるように実験的に測定され、そして表8に要
約される。
【0072】 表 8 テキサス ファイヤフロッド原油特性 比 重 0.981 API比重(算出) 12.7°API パラフィン含量 26.1% (w/w) 芳香族含量 51.1% (w/w) 粘 度 (cp) 温 度 (°F) 1,748 160 4,085 140 8,752 120 27,615 100 82,000 80 ──────────────────────────────────7. 2. 3 第6号残滓性試験重油 第7. 5節において述べる実験に用いられる第6号残滓
性重油がエムアイティー エネルギー ラボラトリー
[MIT Energy Laboratory] (マサチューセッツ州 ケ
ンブリッジ) より得られた。この残滓性重油の特性、す
なわちその比重、API比重、パラフィン含量、芳香族
含量、アスファルテン含量および温度に対する粘度特性
が実験的に測定され、そして表9に要約された。パラフ
ィン、芳香族およびアスファルテン含量は下記第7.
2. 12節に述べるようにして測定された。
【0073】 表 9 第6号残滓性試験重油特性 比 重 0.977 API比重 (算出) 13.3°API パラフィン含量 23% (w/w) 芳香族含量 38% (w/w) アスファルテン含量 39% (w/w) 粘 度 (cp) 温 度 (°F) 1,200 100 5,000 70 20,000 40 ──────────────────────────────────7. 2. 4 ユニオンカットバックタール 下記に述べる実験において用いられるユニオン[Unio
n]カットバックタールは取扱いを容易とするためにカ
ッターストックと混合されたカリフォルニア残油であ
る。このタールの特性、すなわちその比重、API比
重、パラフィン含量、芳香族含量、アスファルテン含
量、灰分含量および温度に対する粘度特性が実験的に測
定されそして表10に要約された。パラフィン、芳香族お
よびアスファルテン含量は下記第7. 2. 12節に述べ
る方法により測定された。
【0074】 表 10 ユニオンカットバックタール特性 比 重 0.98 API比重(算出) 12.9°API パラフィン含量 22% (w/w) 芳香族含量 54% (w/w) アスファルテン含量 24% (w/w) 灰 分 含 量 7% (w/w) 粘 度 (cp) 温 度 (°F) 1,796 210 4,490 190 12,347 170 123,479 130 ──────────────────────────────────7. 2. 5 カルフォルニア減圧残油 下記に述べる実験において用いられるカリフォルニア減
圧残油は、カーン カンティ[Kern County]原油から
得られるそしてカリフォルニア精油所により与えられる
減圧残油である。この残油の特性、すなわちその比重、
API比重、パラフィン含量、芳香族含量、アスファル
テン含量および温度に対する粘度特性が実験的に測定さ
れ、そして表11に要約された。パラフィン、芳香族およ
びアスファルテン含量は下記第7. 2. 12節において
述べる方法によって測定された。
【0075】 表 11 カリフォルニア減圧残油特性 比 重 0.9934 API比重(算出) 10.9°API パラフィン含量 17% (w/w) 芳香族含量 72% (w/w) アスファルテン含量 11% (w/w) 粘 度 (cp) 温 度 (°F) 4,490 220 27,838 180 206,540 140 ──────────────────────────────────7. 2. 6 オクラホマ減圧残油 下記に述べる実験において用いられるオクラホマ減圧残
油はある大陸中央部精油所から得られた減圧残油であ
る。この残油の特性、すなわちその比重、API比重、
パラフィン含量、芳香族含量、アスファルテン含量およ
び温度に対する粘度特性が実験的に測定されそして表12
に要約された。パラフィン、芳香族およびアスファルテ
ン含量は下記第7. 2. 12節において述べる方法によ
り測定された。
【0076】 表 12 オクラホマ減圧残油特性 比 重 0.9364 API比重(算出) 19.6°API パラフィン含量 20% (w/w) 芳香族含量 70% (w/w) アスファルテン含量 10% (w/w) 粘 度 (cp) 温 度 (°F) 3,098 220 14,143 180 98,780 140 251,440 120 ──────────────────────────────────7. 2. 7 接触水素化残油 (H−OIL) 下記に述べる実験において用いられるH−OILは、残
油が接触水素化されるプロセスにより得られたものであ
る。この残油はルイジアナ州の精油所から得られたもの
である。この残油の特性、すなわちその比重、API比
重、パラフィン含量、芳香族含量、アスファルテン含量
および温度に対する粘度特性が実験的に測定されそして
表13に要約された。パラフィン、芳香族およびアスファ
ルテン含量は下記第7. 2. 12節において述べるよう
にして測定された。
【0077】 表 13 H−OIL特性 比 重 1.0196 API比重(算出) 7.3°API パラフィン含量 22% (w/w) 芳香族含量 57% (w/w) アスファルテン含量 21% (w/w) 粘 度 (cp) 温 度 (°F) 2,424 200 19,936 160 244,705 120 ──────────────────────────────────7. 2. 8 ROSE残油 下記に述べる実験において用いられるROSE残油は、
減圧残油から残存する軽質留分を抽出するものであるR
OSE (残油超臨界抽出[Residuum Oil Supe-rcritica
l Extraction]) プロセスにより得られるものである。
この残油の特性、すなわちその比重、API比重、パラ
フィン含量、芳香族含量、アスファルテン含量および温
度に対する粘度特性が実験的に測定され、そして表14に
要約された。パラフィン、芳香族およびアスファルテン
含量は、下記第7. 2. 12節において述べる方法によ
り測定された。
【0078】 表 14 ROSE残油特性 比 重 1.17 API比重(算出) -10.6°API パラフィン含量 4% (w/w) 芳香族含量 18% (w/w) アスファルテン含量 78% (w/w) ──────────────────────────────────7. 2. 9 ジャーマンビスブレーカー残油 下記に述べる実験において用いられるジャーマンビスブ
レーカ[German Vis‐breaker]残油は、減圧残油の熱
分分解によって得られたものである。このビスコシティ
ーブレーキング装置残油の特性、すなわちその比重、A
PI比重、パラフィン含量、芳香族含量、アスファルテ
ン含量および温度に対する粘度特性が実験的に測定され
そして表15に要約された。パラフィン、芳香族およびア
スファルテン含量は下記第7. 2. 12節において述べ
る方法によって測定された。
【0079】 表 15 ジャーマンビスブレーカー残油特性 比 重 0.9553 API比重(算出) 16.6°API パラフィン含量 17% (w/w) 芳香族含量 61% (w/w) アスファルテン含量 21% (w/w) 粘 度 (cp) 温 度 (°F) 2,470 200 16,389 160 174,032 120 ──────────────────────────────────7. 2. 10 テキサスビスブレーカー残油 下記において述べるテキサスビスブレーカー[Texas bi
s-breaker]残油は、減圧残油の熱分解によって得られ
たものである。このビスコシティーブレーキング装置残
油の特性、すなわちその比重、API比重、パラフィン
含量、芳香族含量、アスファルテン含量および温度に対
する粘度特性が実験的に測定され、そして表16に要約さ
れた。パラフィン、芳香族およびアスファルテン含量は
下記第7. 2. 12節において述べる方法により測定さ
れた。
【0080】 表 16 テキサスビスブレーカー残油特性 比 重 0.989 API比重(算出) 11.6°API パラフィン含量 28% (w/w) 芳香族含量 48% (w/w) アスファルテン含量 24% (w/w) 粘 度 (cp) 温 度 (°F) 449 200 898 160 4,624 120 61,782 80 ──────────────────────────────────7. 2. 11 炭化水素特性の測定方法 温度に対する粘度特性は、油を表7〜表13および表15〜
16の示される温度へと加熱し、レオマト30[Rheomat
30]レオメーター (コントラーベス エイジー[Contra
ves AG]) における粘度を30sec-1の近似剪断速度で測
定することで得られた。
【0081】前記実施例のいくつかの油のパラフィン含
量および芳香族含量は、油が、n−ヘプタンおよび塩化
メチレンにおける炭化水素溶解度に基づき留分へと分別
される方法によって測定された。パラフィン含量はn−
ヘプタンに溶解する炭化水素留分として定義される。芳
香族含量は塩化メチレンに溶解する炭化水素留分として
定義される。
【0082】用いられた材料は以下の通りである;0.1
ミリグラム (mg) 精度の化学天秤、500ミリメーター (m
m) ビューレットタイプ クロマトグラフィーカラム、
容器重量をはかった収集フラスコ群、試薬級塩化メチレ
ン、n−ヘプタン (99モル%) およびアルミナ吸収剤。
このアルミナは 310℃に設定したオーブン中で12〜14時
間加熱することで活性化された。アルミナはデシケータ
ー中で冷却されそして使用まで密封容器に入れて保存し
た。全部の 3/4充填されたクロマトグラフィーカラムが
使用された。
【0083】分離は、試料油の 500〜1000mg (±0.1m
g) の定量的計量によって行なわれた。粘性油は、テッ
シュペーパーで作られた試料パッチ中において計量さ
れ、そして続いてカラムへと移された。 (粘稠でない油
は、通常直接カラム中において計量される。) カラムへ
の試料油の導入の後、 200〜250ml のn−ヘプタンがカ
ラムを通して流された。溶剤は、アルミナ充填物を過剰
にかき乱さない方法において添加されることが好まし
い。溶離剤は、容器重量をはかった蒸発フラスコ中に集
められた。すべてのn−ヘプタンがカラムを通して流さ
れた後、最初の蒸発フラスコは次の容器重量をはかった
フラスコととりかえられた。次に塩化メチレンがカラム
に導入されカラムを通して流された。
【0084】集められた溶離剤はそれぞれのフラスコか
ら減圧蒸発およびこれに続く適当な安全な予防措置によ
り除去された。乾燥フラスコは再計量されそして試料油
の最初の重量に基づいてパラフィンおよび芳香族の百分
率が算出された。すべての試料は、2度づつ行なわれ
た。比重は、試料油の測定容積を計量し、そして油の質
量の同容積の水の対する比を計算することにより測定さ
れた。API比重は次に一般式: により比重から計算された。
【0085】7. 2. 12 アスファルテン含量を包含
する、炭化水素特性の測定方法 実施例7. 2. 1、7. 2. 3ないし7. 2. 10の炭
化水素を特徴づけるために用いられる方法は、第7.
2. 11節のものと本質的に同様のものである。しかし
ながら炭化水素類のパラフィンおよび芳香族含量に加え
てアスファルテン含量を測定するために新しい手法が用
いられた。これは以下に詳述される。
【0086】試料炭化水素のパラフィン、アスファルテ
ンおよび芳香族含量は、炭化水素がn−ヘプタン中に分
散され、アスファルテン分が濾過により除去されそして
残留成分がn−ヘプタンおよび塩化メチレンにおける溶
解度に基づいて分離されるものである方法により得られ
た。アスファルテン画分 (沈澱物) はn−ヘプタンにお
ける炭化水素の分散体より濾別される。パラフィン画分
は、n−ヘプタンに溶解する部分である。芳香族画分
は、塩化メチレンに溶解する部分である。
【0087】用いられた材料は以下の通りである;0.1
ミリグラム (mg) 精度の化学天秤、調合器 (オステリザ
ー ギャラクシー 14[Osterizer Galaxy 14)と500m
l マーソン[Marson]瓶に適合するブレード群、予め計
量されたワットマン1号紙[Whatman #1 paper]、漏
斗、回転蒸発装置、 500ミリメーター (mm) ビューレッ
トタイプ クロマトグラフィーカラム、容器重量をはか
った収集フラスコ群、試薬級塩化メチレン、n−ヘプタ
ン (99モル%) およびアルミナ吸収剤。アルミナは、オ
ーブン中で 310℃で約12〜14時間加熱することで活性化
された。このアルミナは冷却されそして使用するまで密
封容器中にて保存された。全量の 3/4充填されたクロマ
トグラフィーカラムが使用された。
【0088】1〜2g の炭化水素試料がn−ヘプタン10
0ml を含むマーソン瓶に定量的に加えられた。最大速度
で1〜2分間調合した後、この瓶およびその内容物はさ
らに加えられたn−ヘプタン 100mlで洗浄された。分散
した試料は、ワットマン1号紙を通して濾過されそして
濾液はエーレンメーヤー[Erlenmeyer]フラスコ中に集
められた。カラムへの濾液の導入の後に、流出液が容器
重量をはかった蒸発フラスコ中に集められた。n−ヘプ
タンが完全に溶出された後、塩化メチレン 200mlがカラ
ムに加えられそして溶出物質が他の容器重量をはかった
蒸発フラスコ中にカラムが乾燥するまで集められた。
【0089】溶離溶剤は、溶剤に適当な温度で回転減圧
蒸発器を用いて除去された。予め計量された紙およびフ
ラスコは、再計量されて、そしてアスファルテン、パラ
フィンおよび芳香族の百分率が試料の最初の重量に基づ
いて計算された。個々の試料は2度づつ行なわれた。パ
ラフィン、芳香族およびアスファルテン含量に関して前
記の表に表わされるすべての百分率は、比較の目的のた
めに 100%回収率に調整されたものである。
【0090】7. 3 粘度減少実験 7. 3. 1 界面活性剤パッケージおよび炭化水素のエ
マルジョン化 ボスカン原油を効果的に乳化するために用いられた5つ
の界面活性剤パッケージの組成が表17に示される。用い
られたα−エマルザンは、第7. 1. 1節において述べ
られた最初の方法により調製された工業級α−エマルザ
ンであった。化学界面活性剤、テルギトール 15−S
−X[Tergitol 15-S-X] (ここでXはエチレンオキサ
イドのモル数を表わす。) 、テルギトール TMN−
6、テルギトール NP−40 (以上、ユニオン カー
バイトコーポレーション製) 、トリトン X−114
[Triton X-114] (ローム アンド ハス カンパニー
[Rohm& Hass Co. ]製) およびアルフォニック 14
12−A[Alfonic 1412-A] (コノコ[Conoco]製)
は、市販のものとして得られた。エマルジョンは、ある
意味でエマルジョン中への空気のビーティング[beatin
g]を防止する低速にてオステリザー ギャラクシ14
調合器中で形成された。脱イオン水に対するボスカン原
油の比は70:30容量比(v/v) であった。界面活性剤パッ
ケージは 1:250 〜1:2,000 〔界面活性剤パッケー
ジ:油、重量比(w/w )。〕の範囲にわたって効果的に用
いられた。α−エマルザン15%、テルギトールNP−4
0 42.5%およびアルフォニック1412−A 42.5%よ
りなる界面活性剤パッケージが、ボスカン原油に対して
用いられる好ましい界面活性剤パッケージであると考察
された。油2000部当りこの界面活性剤パッケージ1部で
形成されたエマルジョン (70/30、ボスカン原油/脱イ
オン水) は、少なくとも3週間にわたり安定でありかつ
低減された粘度を維持することが観察された。加えて、
この界面活性剤パッケージは70/30のボスカン原油/水
エマルジョンを、油20,000部当り1部という低い処理率
で形成するために用いられた。
【0091】 表 17 ボスカン原油を乳化するための界面活性剤パッケージ 界面活性剤パッケージにおける 成分の百分率 (w/w) パッケージ番号 成 分 α−エマルザン 10 13 − 15 15 テルギトール15−S−X 90 − − − − テルギトールTMN−6 − 22 − − − テルギトールNP−40 − − 100 85 42.5 トリトンX−114 − 65 − − − アスファルテン1412−A − − − − 42.5 ────────────────────────────────── 一般的種類の原油を効果的に〔単独もしくは組合せて〕
乳化したその他の界面活性剤は、アスフォニック101
2−60 (コノコ、インコーポレーテッド製)(10〜12個
の炭素原子 (C10〜C12) の鎖長を有しかつ60%エトキ
シ化されたエトキシ化線状アルコールである。) 、プロ
トウェット4196[Protowet 4196] (プロクター
ケミカル カンパニー[Proctor Chemical Co.]製)
(エトキシ化ノニルフェノールのスルホ酢酸エステルの
ナトリウム塩である。) 、プロトウェット4337 (プ
ロクターケミカル カンパニー製) (スルホ酢酸化ジシ
クロヘキシルのナトリウム塩である。) 、ツウィーン8
0 (アイシー アイ アメリカズ インコーポレーテッ
ド[ICI Americas, Inc.]製) (ポリオキシエチレン
(20) ソルビタン モノオレアーテである。) 、プルロ
ニック F88[Plu-ronic F88] (ビーエイエスエフ
ワイアンドット[BASF Wyandotte]製)、 (酸化プロピ
レンと酸化エチレンのブロック共重合体である。) 、ペ
トロネート L[Petronate L ] (ウィトコ ケミカル
コーポレーション[Witoco ChemicalCorp. ]製)
(ペトロリアム スルフォネートのナトリウム塩であ
る。) 、およびコノコ AXS[Conoco AXS] (コノ
コ、インコーポレーテッド製) (スルフォン化キシレン
のアンモニウム塩である。) を含むものである。
【0092】オクラホマ減圧残油を乳化するために効果
的に用いられたいくつかの界面活性剤パッケージが表18
に列挙される。用いられたα−エマルザンは第7. 1.
2節において述べられた方法によるエマルザンの全ブロ
スから調製されたものであった。界面活性剤、テトロニ
ック 707[Tetronic 707] (ビーエイエスエフワイ
アンドット コーポレーション製) 、アリパル EP−
110[Alipal EP-110 ]、アリパル CO−436
(以上、ジエイエフ コーポレーション[GAFCorp. ]
製) 、ダキサッド17[Daxad 17] (ダブル アール
グレース アンドカンパニー[W. R. Grace & Co. ]
製) 、ノプコサント[Nopcosant ] (ダイアモンド シ
ャムロック[Diamond Shamrock]製) 、トリトンX[Tr
iton X]群およびタモール850[Tamol 850 ] (ロー
ム アンド ハス カンパニー製)、テルギトールNP
(Tergitol NP ) 群[ユニオン カーバイト コーポレ
ーション製) ならびにコンコ スルフェート219[Co
nco Slufate 219 ] (コンチネンタル ケミカル カン
パニー[Continental Chemical Co.]製) は市販のもの
として得られた。エマルジョンは、ある意味でエマルジ
ョン中への空気のビーティングを防止する中速にてオス
テリザー ギャラクシー14調合器中で形成された。蛇
口水に対するオクラホマ減圧残油の比率は、70:30重量
比(w/w) であった。界面活性剤パッケージは 1:10〜
1:250 (界面活性剤パッケージ:水) の重量比(w/w)
の範囲にわたって効果的に使用された。ダキサッド17
15%およびアリパルCO−436 85%よりなる界面活
性剤パッケージがオクラホマ減圧残油に対して用いられ
る好ましい界面活性剤パッケージであると考察された。
この界面活性剤パケージを用いて調製されたエマルジョ
ンは、少なくとも5週間にわたり安定でかつ低減された
粘度を維持することが観察された。この構成物は、70/
30の残油/水エマルジョンを、油 750部当り1部という
低い値で処理して形成するために用いられた。
【0093】 表 18 予め細霧化された燃料のための界面活性剤パッケージ パッケージ中の成分の百分率 (w/w) パッケージ番号 成 分 α−エマルザン:全ブロス 15 15 15 15 15 15 - - - 〃 :工業級 - - - - - - - - - テトロニック 707 85 - - - - - - - - アリパル EP-110 - 85 - - - - 100 - - アリパル CO-436 - - 85 - - - - 100 - タモール 850 - - - - - - - - - ダキサッド17 - - - - - - - - 100 ノプコサント - - - - - - - - - トリトンX-114 - - - - - - - - - トリトンX-165 - - - 85 - 51 - - - トリトンX-405 - - - - - - - - - トリトンX-705 - - - - - - - - - テルギトールNP−6 - - - - 28 11 - - - テルギトールNP−8 - - - - - - - - - テルギトールNP−40 - - - - 57 23 - - - テルギトールNP−70 - - - - - - - - - オルザン A - - - - - - - - - リグノソルBD - - - - - - - - - コンコ スルフェート219 - - - - - - - - - 表 18 (続き) パッケージ中の成分の百分率 (w/w) パッケージ番号 10 11 12 13 14 15 16 17 18 成 分 α−エマルザン:全ブロス - - - - 17 15 - - 16.7 〃 :工業級 - - - - - - 14.2 14.2 - テトロニック 707 - - - - - - - - - アリパル EP-110 - - - - - - - - - アリパル CO-436 - - - - - - - - - タモール 850 - - - - - - - - - ダキサッド17 - - - - - - - - - ノプコサント 100 - - - - - - - - トリトンX-114 - - - - 50 - 42.8 - - トリトンX-165 - 100 - - - - - - - トリトンX-405 - - - - - 42.5 - 42.8 - トリトンX-705 - - - - - - - - 50.0 テルギトールNP−6 - - - - - - - - - テルギトールNP−8 - - - - 33 - 28.6 - - テルギトールNP−40 - - - 100 - 42.5 - 28.6 - テルギトールNP−70 - - - - - - - - 33.3 オルザン A - - - - - - - - - リグノソルBD - - - - - - 14.2 14.2 - コンコ スルフェート219 - - - - - - - - - 表 18 (続き) パッケージ中の成分の百分率 (w/w) パッケージ番号 19 20 21 22 23 24 25 26 27 成 分 α−エマルザン:全ブロス - - - - - - 15 15 - 〃 :工業級 - - - - - - - - - テトロニック 707 - - - - - - - - - アリパル EP-110 - - 85 85 - - - - - アリパル CO-436 85 85 - - - - - - 85 タモール 850 - - - - - - - - 15 ダキサッド17 15 - 15 - 15 - - - - ノプコサント - 15 - 15 - 15 - - - トリトンX-114 - - - - - - - - - トリトンX-165 - - - - 85 85 - - - トリトンX-405 - - - - - - - - - トリトンX-705 - - - - - - - - - テルギトールNP−6 - - - - - - - - - テルギトールNP−8 - - - - - - - - - テルギトールNP−40 - - - - - - 85 - - テルギトールNP−70 - - - - - - - - - オルザン A - - - - - - - - - リグノソルBD - - - - - - - - - コンコ スルフェート219 - - - - - - - 85 - ────────────────────────────────── 第7. 2. 4節〜第7. 2. 10節において述べられた
残滓性炭化水素は、表18に挙げられた界面活性剤のいく
つかのものを用いて安定な予め細霧化された燃料へと首
尾よく乳化された。カリフォルニアおよびオクラホマ減
圧残油に関しては、好ましい界面活性剤パッケージは第
19番のものであった。ユニオンカットバックタールに関
しては、好ましい界面活性剤パッケージは第25番のもの
であった。第18番の界面活性剤パッケージは、ジャーマ
ンビスブレーカー残油での使用に関して好ましいもので
あり、また第17番の界面活性剤パッケージは、テキサス
ビスブレーカー残油、ROSE残油および接触水素化残
油での使用に関して好ましいものであった。
【0094】表19は、種々の界面活性剤パッケージを用
いて安定なエマルジョン (第3章参照のこと。) へとう
まく乳化されたあるいはいまだうまく乳化されない油の
種類を列挙するものである。安定なエマルジョンを形成
するためにうまく乳化されたとして掲げられたすべての
油は、α−エマルザン (工業級) 15%、テルギトールN
P−40 42.5%およびアルフォニック1412−A 4
2.5% (重量パーセント) よりなる界面活性剤パッケー
ジを、油 500重量部当り1重量部用いて、乳化され得る
ものである。パラフィンおよび芳香族含量 (重量パーセ
ント) を測定するのに用られた方法は第7. 2. 11節
および第7. 2. 12節に述べられているものである。
【0095】 表 19 パラフィン/芳香族含量およびエマルジョン安定性 安定な 油の種類 アルファルテン% パラフィン% 芳香族% エマルジョン の形成* ボスカン原油 22 18 60 す る ユインタ[Uinta ]原油 2 83 15 しない 南カルフォルニア重油 69 12 しない テキサスファイアーフロッド原油 26 51 す る ボンベイ原油 75 8 しない 第6号残滓性重油 23 38 す る ジバロ[Jibaro]原油 19 64 す る エル ジョボー[EL Jobo ]原油 13 52 す る カルザス原油 48 41 す る ─────────────── * 安定なエマルジョンの詳細については第3章を参照のこと。 ──────────────────────────────────7. 3. 2 予め細霧化された燃料の粘度の水性相中の
メタノールの影響 予め細霧化された燃料が、水性相中に取込まれたメタノ
ールを有するものとして調合器中において低速で (ある
意味ではエマルジョン中への空気のビーティングを防止
する。) 形成された。用いられた炭化水素はアメリア
フューエル オイル[Amelia Fuel oil]と呼ばれる、
第6号残滓性重油類の混合物であった。アメリア フュ
ーエル オイルの比重は0.996 でまたAPI比重は10.6
°APIであった。温度に対する粘度特性は表20に示さ
れる。
【0096】 表 20 アメリア フューエル オイルの粘度対温度 粘 度 (cp) 温 度 (°F) 1,046 100 1,405 90 2,190 80 3,578 70 6,209 60 ──────────────────────────── 界面活性剤パッケージはα−エマルザン (工業級) 15
%、テルギトールNP−40 42.5%およびアルフォニ
ック1412−A 42.5% (重量パーセント) よりなる
ものであった。
【0097】界面活性剤パッケージは、メタノールおよ
び脱イオン水を種々の割合で含んでいる水性相へと添加
された。水性相は約15秒間低速で調合されて、アメリア
フューエルオイルの水性相に対する割合が70:30容量比
(v/v) である予め細霧化された燃料を形成した。予め細
霧化された燃料における界面活性剤パッケージのアメリ
アフューエルオイルに対する最終的割合が1:250 であ
るように、界面活性剤パッケージの十分な量が水性相へ
と加えられた。表21は、水性相の組成が変化させられた
場合における予め細霧化された燃料の粘度の変化を要約
したものである。この結果、少なくとも約45%以下のメ
タノールの添加は、界面活性剤パッケージによる粘度減
少に顕著な影響をもたらすものではないことが提示して
いる。
【0098】 表 21 粘度における水性相中のメタノールの影響 メタノール (%) 1 水 (%) 1 粘度 (cp) 2 0 100.0 58.5 1.0 99.0 29.2 2.5 97.5 32.1 4.9 95.1 61.2 10.0 90.0 34.3 11.5 88.5 37.9 12.9 87.1 35.0 15.0 85.0 39.4 24.7 75.3 76.4 44.3 55.7 82.3 100.0 0 1753.7 1. 重量パーセント 2. 100°Fにおける値 ────────────────────────────────7. 3. 3 予め細霧化された燃料の粘度における水含
有量の影響 実験が、第7. 2. 1節において述べられたボスカン原
油、第7. 2. 3節において述べられた第6号残滓性試
験重油および第7. 3. 2節において述べられたアメリ
アフューエル オイルを用いて、予め細霧化された燃料
の粘度における油相に対する水性相の割合の変化の影響
を測定するために行なわれた。実験のすべての3セット
において用いられた界面活性剤パッケージは、α−エマ
ルザン (工業級) 15%、テルギトールNP−40 42.5
%およびアルフォニック1412−A 42.5% (重量パ
ーセント) よりなるものであった。表22、表23および表
24に報告される粘度は、第7. 2. 11節において述べ
るようにしてレオマット30において測定されたもので
ある。
【0099】ポスカン原油は界面活性剤パッケージを油
に対し1:250 の比で用いて、種々の水の割合で調合器
で低速にて (第7. 3. 1節におけるものと同様) 乳化
された。粘度は 100°Fで測定された。データは表22に
表として示されそして図1にグラフ的に表わされた。 表 22 ボスカン原油の予め細霧化された燃料の 粘度における水含有量の影響 水分含有量% (v/v) 粘度 (cp) 、100°F 24 202 27 140 30 111 33 82 35 51 39 36 ─────────────────────────────── 同様に、第6号残滓性試験重油が、界面活性剤パッケー
ジを油に対し 1:250の比で用いて、種々の脱イオン水
の割合で乳化された。粘度は 100°Fで測定された。デ
ータは表23に表として示された。
【0100】 表 23 第6号重油の予め細霧化された燃料の 粘度における水含有量の影響 水分含有量% (v/v) 粘度 (cp) 、100°F 14 1002.1 16 417.6 23 89.5 27 53.7 33 71.6 ─────────────────────────────── さらに、アメリアフューエルオイルが、界面活性剤パッ
ケージを油に対し 1:250 の比で用いて、メタノール1
3.3重量%および脱イオン水86.7重量%でなる水性相の
種々の割合において乳化された。粘度は 100°Fで測定
された。データは表24に表として示された。
【0101】 表 24 アメリアフューエルオイルの予め細霧化された 燃料の粘度における水含有量の影響 水分含有量 (重量%) 粘度 (cp) 、100°F 18 1074 21 573 24 54 27 38 30 33 ────────────────────────────── 3つの場合のすべてにおいて、油:水比が増加すると、
粘度は同様に増加した。
【0102】7. 3. 4 炭化水素ゾルにおける温度影
炭化水素ゾルが、α−エマルザン (工業級) 15%、テル
ギトールNP−4042.5%およびアルフォニック141
2−A 42.5% (重量パーセント) よりなる界面活性剤
パッケージを油に対し 1:250 の比で用いて、ボスカン
原油を72:28および63:37の油:水容量比として調合器
で低速にて (第7. 3. 1節におけるものと同様) 調製
された。エマルザン安定化ボスカン原油炭化水素ゾルの
温度に対する粘度特性が、乳化されていない該原油の温
度に対する粘度特性と比較された。炭化水素ゾルにおけ
る温度影響は、図2に画かれるように、炭化水素ゾルが
この原油から調製されたものである原油におけるものよ
りもかなり低く表われるものであった。
【0103】7. 3. 5 比較定常試験 この実験の目的は、化学界面活性剤がバイオ乳化剤と共
に、あるいはバイオ乳化剤なしで構成する界面活性剤パ
ッケージを用いて調製された粘性原油の水−中−油型エ
マルジョンの定常状態下における安定性を測定すること
である。特に、該水−中−油型エマルジョンが破壊ある
いは転化されることなく低減された粘度を維持した時間
経過の測定は、このようなエマルジョンが輸送および/
または貯蔵目的のために取扱うことができることの容易
性と成功性を評価するために望まれた。水−中−粘性原
油エマルジョンの挙動は、エマルジョン破壊をなくしそ
して操作の再スタート前の再乳化の必要性を省くために
エマルジョン安定性が望まれるパイプライン化操作にお
けるポンプ破損および休業の可能性に関してさらに興味
のあるものであった。
【0104】表25にその組成が示される数種の界面活性
剤パッケージが、界面活性剤パッケージの油に対する比
が重量比(w/w) で1:500 であるところの水−中−油型
エマルジョン〔油:水=70:30、容積比(v/v) によ
る。〕を調製するために用いられた。表25の界面活性剤
パッケージを形成するために用いられた界面活性剤は、
市販に得られるものである;テルギトールNP−40
(ユニオン カーバイト コーポレーション製) または
アルフォニック1412−A (コノコ インコーポレー
テッド製) 。界面活性剤パッケージは、すぐ下の表に示
すようα−エマルザン(工業級) を用いてあるいは用い
ないで調製された。
【0105】 表 25 エマルジョン安定性の定常試験に用いられる 界面活性剤パッケージの組成 界面活性剤 パッケージ 界面活性剤パッケージにおける成分の百分率(w/w) α-エマルザン テルギトール NP-40 アルファニック1412-A A 0 100 0 B 15 85 0 C 0 50 50 D 15 42.5 42.5 E 50 25 25 ────────────────────────────────── これらの実験に関する水−中−油型エマルジョンを調製
するために用いられた方法は以下の通りである。適当な
容器中に、最終的なエマルジョンにおいて70容量%を占
めるように、原油のある量が計量されて入れられた。用
いられた原油は、上記第7. 2. 1節および第7. 2.
2節において述べられたようなボスカンおよびテキサス
ファイアフロッド原油でありまたさらにカンザス原油で
あった。油は次に50〜60℃へ加熱された。別の容器中
へ、最終的なエマルジョンにおいて界面活性剤パッケー
ジの油に対する1:500 重量比(w/w) が得られるよう
に、選ばれた特別の界面活性剤パッケージ (表25を参照
のこと。) が計量されて入れられた。十分調製された水
が、最終的エマルジョンにおいて30容量%の水性相を与
えるように界面活性剤パッケージへと加えられた。3種
類の水性相、すなわち、蛇口水、脱イオン水またはテキ
サス塩水が用いられた。テスサス塩水は、以下の概算濃
度〔パートパーミリオン (ppm)〕のイオンで構成されて
いる;ナトリウム28,600、カルシウム1,800 、マグネシ
ウム290 、第二鉄27、バリウム17、塩素47,900、重炭酸
塩540 、および硫酸塩12。水性相は油相へ添加されそし
て第7.3. 1節に述べるように、すなわち、ある意味
でエマルジョン中へ空気のビーティングが防止されるよ
うな低速で代表的調合器ブレードを用いて調合された。
それぞれのエマルジョンは最高29日間の期間密封容器中
で保存された。粘度は毎日、RV3スピンドルを備えた
ブルックフィールドRVTビスコメーター[Brook-fiel
d RVT Viscometer] (ブルックフィールド エンジニア
リング[BrookfieldEnginering]製) を用い
て、10rpm 、包囲温度 (70〜80°F) で計測した。エマ
ルジョンの5つのグループが試験にかけられそしてこれ
らの組成は表26に示される。
【0106】 表 26 エマルジョン組成 1 グループ 水 性 界面活性剤パッケージ 2 1 テキサスファイアー 蛇 口 水 C フロッド原油 D E 2 ボスカン原油 脱イオン水 A B 3 ボスカン原油 テキサス塩水 A B 4 テキサスファイアー 脱イオン水 A フロッド原油 B 5 テキサスファイアー テキサス塩水 A フロッド原油 B 6 カンザス原油 3 蛇 口 水 C D 7 カンザス原油 テキサス塩水 C D ───────── 1. すべてのエマルジョンは70:30の油:水比(v/v) である。
【0107】 2. 界面活性剤パッケージは表25に定義されておりそして 1:500 の界面活 性剤パッケージ:油比(w/w) で用いられた。ただしグループ6および7 においてはこの比は 1:1,000 である。 3. カンザス原油は76°Fで1,127cp の粘度を有する。比重は0.941 でまた API比重は18.9°APIである。 ────────────────────────────────── グループ1〜7 (表26参照) に関する結果はそれぞれ表
27〜表32に表として示された。
【0108】 表 27 定常試験データーグループ1 界面活性剤パッケージ中のα−エマルザンの% (w/w) 時間 (日) 15 50 粘度 (cp) 0 155 92 138 1 7850 700 6900 2 8920 720 2802 5 9920 1616 3700 6 10960 1790 6234 7 11385 2425 5130 8 10067 2717 4100 12 9800 2791 3495 13 11820 2107 3900 14 10880 2133 2997 16 10000 2060 2800 19 10200 2060 2570 23 10100 1732 2288 29 11700 1948 2760 ────────────────────────────────── 表 28 定常試験データーグループ2 界面活性剤パッケージ中のα−エマルザンの% (w/w) 時間 (日) 粘度 (cp) 15 1 65 76 2 76 84 3 84 122 4 91 122 7 84 129 9 53 122 17 60 122 ────────────────────────────────── 表 29 定常試験データーグループ3 界面活性剤パッケージ中のα−エマルザンの% (w/w) 時間 (日) 粘度 (cp) 15 1 160 152 2 167 152 3 144 163 4 141 129 7 167 144 9 130 129 17 144 122 ────────────────────────────────── 表 30 定常試験データーグループ4 界面活性剤パッケージ中のα−エマルザンの% (w/w) 時間 (日) 粘度 (cp) 15 1 2443 733 2 4492 1775 3 5799 2371 4 5776 2580 7 6616 1847 9 6190 2204 17 5282 2037 ────────────────────────────────── 表 31 定常試験データーグループ5 界面活性剤パッケージ中のα−エマルザンの% (w/w) 時間 (日) 粘度 (cp) 15 1 114 103 2 137 91 3 106 84 4 110 106 7 110 114 9 99 118 17 84 91 ────────────────────────────────── 表 32 定常試験データーグループ6 界面活性剤パッケージ中のα−エマルザンの% (w/w) 時間 (日) 粘度 (cp) 15 0 171 114 1 380 342 2 798 633 7 1697 1279 8 1691 1222 11 1526 773 15 1406 602 18 1406 494 ────────────────────────────────── 表 33 定常試験データーグループ7 界面活性剤パッケージ中のα−エマルザンの% (w/w) 時間 (日) 粘度 (cp) 15 0 551 418 1 323 228 2 253 171 7 196 133 8 222 133 11 184 114 15 171 114 18 184 114 ────────────────────────────────── グループ1に関する結果は、テキサスファイヤーフロッ
ド原油の蛇口水中のエマルジョンに関して、共同性界面
活性剤であるテルギトールNP−40およびアルフォニ
ック1412−Aを含む界面活性剤パッケージへのα−
エマルザン (工業級) 15重量%の添加は、α−エマルザ
ン50重量%の添加よりも好ましく、また、界面活性剤パ
ッケージよりのα−エマルザンの排除よりも好ましいこ
とを示している。グループ2に関する結果は、ボスカン
原油の脱イオン水中のエマルジョンに関して、どちらの
エマルジョンすなわち、α−エマルザンを有するあるい
は有しないエマルジョンの計測された粘度も満足しうる
ほど低減されたものではあるが、テルギトールNP−4
0のみを含む界面活性剤パッケージへのα−エマルザン
15重量%の添加は粘度低減を改良するものではないこと
を示している。グループ3に関する結果は、ボスカン原
油のテキサス塩水中のエマルジョンに関して、テルギト
ールNP−40のみを含む界面活性剤パッケージへのα
−エマルザンの添加は、α−エマルザンを有しない界面
活性剤パッケージよりの結果と顕著な相違を生じるもの
ではないことを示している。しかしながらいずれの界面
活性剤パッケージ、すなわちα−エマルザンを有するも
のあるいは有しないもの、も満足すべき低減された粘度
も生むものであった。この結果はさらに塩水が水性相と
して使用できることを示している。グループ4に関する
結果は、テキサスファイヤーフロッド原油の脱イオン水
中のエマルジョンに関して、テルギトールNP−40の
みを含む界面活性剤パッケージへのα−エマルザン15重
量%の添加は、界面活性剤パッケージよりα−エマルザ
ンを省いたものより好ましいことを示している。グルー
プ5の結果は、テキサスファイヤーフロッド原油のテキ
サス塩水中のエマルジョンに関して、テルギトールNP
−40のみを含む界面活性剤パッケージへのα−エマル
ザンの添加は、α−エマルザンを有しない界面活性剤パ
ッケージからの結果と顕著な相違を生じるものではない
ことを示すものである。しかしながらいずれの界面活性
剤パッケージ、すなわちα−エマルザンを有するものあ
るいは有しないもの、も満足すべき低減された粘度を生
むものであった。グループ4のデータとグループ5のデ
ータとの比較は、テキサスファイアーフロッド原油の水
−中−油型エマルジョンの粘度における水性相の違いの
影響を劇的に例証するものである。このデータは、テキ
サス塩水の使用が、テキサスファイアーフロッド原油で
水−中−油型エマルジョンを形成することに関して、脱
イオン水の使用よりも好ましいことを示している。グル
ープ6および7の結果は、カンザス原油の蛇口水中のま
たはテキサス塩水中のエマルジョンに関し、共同性界面
活性剤であるテルギトールNP−40およびアルフォニ
ック1412−Aを含む界面活性剤パッケージへのα−
エマルザン15重量%の添加は、界面活性剤パッケージか
らのα−エマルザンの排除よりも好ましいものであるこ
とを示している。これらのグループよりの結果は、同じ
原油のエマルジョンの時間に対する粘度特性が水性相の
関数としてどのように劇的に変化するかを、また1つの
種類の原油/水エマルジョンの時間に対する粘度の挙動
がその他の種類の原油/水エマルジョンのものと顕著に
異なることを例証している。
【0109】テキサスファイヤーフロッド原油またはカ
ンザス原油を乳化するために用いられる界面活性剤パッ
ケージにおけるα−エマルザンの存在は、グループ1,
4,6および7よりのデータ (0%および15%のα−エ
マルザンに関する表27, 30,32および表33) がグラフと
して表わされた図3, 4, 5および図6において見られ
るように、エマルジョン安定性および低減された粘度の
維持に顕著な影響をもつものである。それぞれの図にお
ける低い方の曲線は、α−エマルザン安定化炭化水素ゾ
ルに関する粘度対時間特性を表わすものである。α−エ
マルザン安定化炭化水素ゾルの粘度は、α−エマルザン
を含まない界面活性剤パッケージで形成されたエマルジ
ョンのものよりも顕著に低減され続けている。
【0110】7. 3. 6 安定剤比較 実験は、α−エマルザンのエマルジョン安定化効果を、
他の公知の化学エマルジョン安定剤である、スルフォン
化ナフタレンおよびスルフォン化リグニンのものと比較
するために行なわれた。特に、75°Fにおける時間に対
する粘度特性は、α−エマルザン、スルフォン化ナフタ
レンもしくはスルフィン化リグニンのいずれかを含むま
たは全く安定剤を含まない4つのエマルジョンに関して
追求された。すべてのエマルジョンは、70:30の油:水
容量比で第7. 2. 2節に述べられたテキサスファイア
ーフロッド原油で形成された。界面活性剤パッケージ
は、油に対し1:500 の重量比で用いられた。結果は図
7に示される。α−エマルザン安定化炭化水素ゾルは、
α−エマルザン 15重量%、テルギトールNP−4042.
5重量%およびアルフォニック1412−A 42.5重量%
よりなる界面活性剤パッケージを用いて調製された。こ
れの時間に対する粘度特性は黒くぬりつぶした丸により
描かれた曲線である。スルフォン化ナフタレン安定化炭
化水素ゾルは、スルフォン化ナフタレン 15重量%、テ
ルギトールNP−40 42.5重量%およびアルフォニッ
ク1412−A 42.5重量%よりなる界面活性剤パッケ
ージを用いて調製された。これの時間に対する粘度特性
は黒くぬりつぶした三角により描かれた曲線である。ス
ルフォン化リグニン安定化炭化水素ゾルはスルフォン化
リグニン 15重量%、テルギトールNP−40 42.5重量
%およびアルフォニック1412−A 42.5重量%より
なる界面活性剤パッケージを用いて調製された。これの
時間に対する粘度特性は黒くぬりつぶした逆さの三角に
より描かれた曲線である。4番目のエマルジョン (比較
対照) は、テルギトールNP−40 50重量%およびア
ルフォニック1412−A 42.5重量%で添加的なエマ
ルジョン安定剤を有さずになる界面活性剤パッケージを
用いて調製された。それの時間に対する粘度特性は、白
ぬきの四角により描かれた曲線である。
【0111】エマルジョン形成の直後を、測定のゼロ時
とした。その後、エマルジョンは静置的に28日間保た
れ、そしてその間粘度における増加があるか否かを測定
するために、4つのエマルジョンの経過時間時の粘度
が、毎日計測された。図7において星印として表わされ
る点は、スルフォン化ナフタレン安定化エマルジョンに
関して8日で、スルフォン化リグニン安定化エマルジョ
ンに関して12日で、これらの2つのエマルジョンが不首
尾に終わる、すなわち油−中−水型エマルジョンに転化
したことを表わしている。図7から、この実験条件下に
おいて、α−エマルザンがテキサスファイヤーフロッド
原油:水エマルジョンの安定剤として2つの化学安定剤
(スルフォン化リグニンおよびスルフォン化ナフタレ
ン) のものまたは共同性界面活性剤 (テルギトールNP
−40およびアルフォニック1412−A) のみのもの
のいずれよりもより効果的であることを見ることができ
る。
【0112】純正級、工業級、全ブロス、上澄液および
アシネトバクター・カルコアセチカスATCC 310
12細菌性細胞の形態におけるα−エマルザン調製物
(第7. 1節参照) が、オクラホマ減圧残油のエマルジ
ョンの形成および安定性に対するこれらの能力によって
比較された。すべてのエマルジョンは70:30の油対水重
量比で調製された。水性相は 200重量部の油に対し1重
量部の界面活性剤パッケージを含んでいた。85重量%を
占める界面活性剤はトリトン−165、アリパルEP−
110またはアリパルCO−436のいずれかであっ
た。性能はエマルジョン粘度、相分離および炭化水素混
入度により特徴づけられた。最も大きな違いはエマルジ
ョン形成より2日またはそれ以上経過して表われた。す
べての場合においてα−エマルザン調製物は、界面活性
剤総量の15重量%を構成するものであった。工業級α−
エマルザンは、共同性界面活性剤の存在にかかわらず、
純正製品よりもより低い粘度のエマルジョンを生みだし
た。全ブロス、上澄液および細胞中のα−エマルザン
は、用いられた共同性界面活性剤に依存して異なった応
答をするものであった。最も有利な結果は全ブロスで見
られた。全ブロスは工業級または純正製品よりもより流
動性のあるエマルジョンを繰返し生むものであった。す
べてのα−エマルザン調製物が、時間の経過においてエ
マルジョンの安定性および低粘度の維持において等しく
効果的であるわけではなかった。細胞中に存在するα−
エマルザンは低減された粘度を示すエマルジョンの維持
において変動的な結果を示したが、この物質は、クリー
ミングを常に阻止するものであった。加えて、酵素処理
は、この炭化水素でのエマルジョンの調製に関するエマ
ルザンの性能においてほとんど利益を与えなかった。し
たがって、全ブロスで得られる一定の結果により、オク
ラホマ減圧残油のエマルジョン化に関して、これが選ば
れたα−エマルザン源となる。炭素源としてソープスト
ックを用いたアシネトバクター・カルコアセチカス A
TCC31012培地より産出されたα−エマルザン
は、エタノールにおいて培養される培地より産出された
ものと同様の結果を示した。
【0113】第7. 1. 2節において述べられるような
アシネトバクター・カルコアセチカスのNS菌株類によ
り産出された物質の調製物は、オクラホマ減圧残油のエ
マルジョンを形成しそして安定化するために用いられ
た。すべてのエマルジョンは、70:30の油対水重量比で
調製された。水性相は 200重量部の油に対して1重量部
の界面活性剤パッケージを含んでいた。85重量%を占め
る界面活性剤はアリパルCO−436であった。すべて
の場合において、このNS菌株物質は界面活性剤パッケ
ージ総量の15重量%を構成した。
【0114】バイオ乳化剤の他に、エマルジョン安定剤
としても公知である在来的な合成界面活性剤であり、こ
れらの物質の例としてスルフォン化リグニンやスルフォ
ン化ナフタレンがある。これらの界面活性剤によるα−
エマルザンの置き換えは、また水−中−油型エマルジョ
ンの形成を許容するものではあるが、スルフォン化リグ
ニンは低減された粘度のエマルジョンを生成しないの
で、スルフォン化ナフタレンが粘性残油での使用に関し
てα−エマルザンの一般に満足できる置換物である。こ
れらのスルフォン化ナフタレン類は、非常に流動的なエ
マルジョンを形成するのみならず、これらはまた、全く
阻害されなかった場合、油のクリーミングを最小化する
ものである。これらの特定なアニオン性界面活性剤は、
前に述べたようなすべての共同性界面活性体類を共に用
いて良好に達成され、そしてエマルジョンをうまく形成
するものである。
【0115】7. 3. 7 スラリーの予め細霧化された
燃料との混合 カリフォルニア減圧残油から安定な予め細霧化された燃
料を形成しまたROSE残油から安定なスラリーを形成
するために効果的に用いられる界面活性剤パッケージの
組成は、表18において挙げられた、パッケージ17であ
る。用いられたα−エマルザンは第7. 1. 1節におい
て述べられるような工業級のエマルザンより調製され
た。界面活性剤リグノソルBD[Lignosol BD] (リー
ド リミテッド ケミカル ディビジョン[Reed Ltd.
Chemical Div.]製) 、トリトンX群(ローム アンド
ハス カンパニー製) およびテルギトールNP群 (ユニ
オンカーバイト コーポレーション製) は市販のものと
して得られた。予め細霧化された燃料とスラリーは双方
とも得られる分散体中への空気の混入を防止するように
して高速でオステリザーギャラクシー14調合器中で形
成された。カリフォルニア残油およびROSEのそれぞ
れの水相に対する比率は、70/30の重量比であった。界
面活性剤パッケージは、予め細霧化された燃料およびス
ラリーの双方に関して1:100 (界面活性剤/炭化水素)
の重量比であった。トリトンX−40542.8%、テルギ
トールNP−40 28.6%、リグノソルBD 14.2%およ
び工業級α−エマルザン14.2%よりなる界面活性剤パッ
ケージは、カリフォルニア減圧残油およびROSE残油
の双方での使用において好ましい界面活性剤パッケージ
であった。スラリーの予め細霧化された燃料との混合の
結果が、表34に示される。
【0116】 表 34 予め細霧化された燃料/スラリー混合物の粘度 粘度 (CP) 1. 予め細霧化された燃料 220 2. スラリー 515 3. 50/50重量比(w/w) の予め細霧化された 175 燃料/スラリー ──────────────────────────────────7. 3. 8 圧力下高温での予め細霧化された燃料の形
高温かつ圧力下に安定な予め細霧化された燃料を形成す
るために効果的に用いられた界面活性剤パッケージの組
成は以下の通りであった;ナコーナル90−F[Naccon
al 90-F](ステパン ケミカル カンパニー[Stepan C
hemical Co.]製) 88.5重量%、およびα−エマルザン
全ブロス11.5重量%。用いられたα−エマルザンは、第
7. 1. 2節において述べられるような発酵後全ブロス
から調製された。炭化水素相の水性相に対する比は、7
0:30 (カリフォルニア減圧残油/蛇口水) 重量比であ
る。界面活性剤は、1: 200 (界面活性剤/炭化水素) 重
量比で用いられた。
【0117】予め細霧化された燃料は、第6. 3節にお
いて述べられたものに以下の変更を加えて形成された;
予め細霧化された燃料は 300°Fで形成されかつ約70ps
i 圧が水性相の蒸発を防止するために維持された。予め
細霧化された燃料は次に適当な熱交換器を用いて 212°
Fよりも低い温度へと冷却されそして圧力が解除され
た。前述の実験が、ナコナール90−Fのみを含む界面
活性剤を用いても同様の結果で達成された。
【0118】7. 3. 9 熱分解炭化水素排出物を用い
ての予め細霧化された燃料の形成 ジャーマンビスベーカー残油より安定な予め細霧化され
た燃料を形成するために効果的に用いられた界面活性剤
パッケージの組成は次の通りであった;トリトンX−7
05 (ローム アンド ハス カンパニー製) 50重量
%、テルギトールNP−70 (ユニオンカーバイト コ
ーポレーション製) 33.3重量%および全ブロスα−エマ
ルザン16.7重量%。用いられたα−エマルザンは、第
7. 1. 2節において述べた方法に従い発酵後全ブロス
より調製された。予め細霧化された燃料は、得られる分
散体中への空気の混入を防止するようにして最高速でオ
ステリザー ギラクシー14調合器中で形成された。炭
化水素相の水性相に対する比は69.2:30.8重量比であっ
た。界面活性剤パッケージは1:350 (界面活性剤:炭化
水素) の重量比で用いられた。
【0119】予め細霧化された燃料の形成に用いられた
方法は、第6. 3節において述べられるものに、次の変
更を加えたものである;予め細霧化された燃料を形成す
るために用いられた水は、2の部分にわけられる、すな
わち、水の37.5重量%は容器中に入れられそして雪泥
(スラッシュ[Slush]) を形成するために部分的に凍結
され、そして水の62.5重量%は界面活性剤パッケージと
組合されそして第6.3節において述べられるような予
め細霧化された燃料を形成するために用いられた。この
時点における炭化水素相の水性相に対する割合は、ジャ
ーマンビスベーカー残油78.3重量%および水/界面活性
剤パッケージ21.7重量%であった。新しく形成された加
熱状態の予め細霧化された燃料は次に凍結されている残
りの水と組合されそしてこの全混合物は、直ちに氷浴中
へ移された。これは予め細霧化された燃料の、炭化水素
の軟化点よりも少なくとも 100°F低い温度への早速の
かつ迅速な急冷をもたらすものであった。この方法を用
いて調製された予め細霧化された燃料は数週間にわたっ
て安定でかつ低減された粘度を維持するものであること
が観察された。
【0120】7. 4 パイプライン化パイロット試験 パイロット規模実地試験が、炭化水素ゾルがパイプライ
ン化模擬条件下でどのように達成されるかを測定するた
めに行なわれた。第7. 2. 1節において述べられたボ
スカン原油の約29バーレル (BBL) が水−中−油型エ
マルジョンを形成するために、約12バーレルの水性相中
に乳化された。最終的な油相の水相に対する比は70:30
容量比であった。水性相は、ツルサ[Tulsa]、オクラ
ホマ都市システムにより供給される蛇口水 (溶解固形物
総量:221ppm、全硬度:151ppm)よりなるものであっ
た。エマルジョン化は温められた油を界面活性剤含有水
性相へ遠心ポンプを用いて混合することによって行なわ
れた。用いられた界面活性剤パッケージはα−エマルザ
ン (工業級) およびテルギトーマルNP−40がそれぞ
れ15重量%および85重量%で構成されるものであった。
界面活性剤パッケージは 500重量部の油に対して1重量
部の界面活性剤パッケージの処理割合で使用された。
【0121】得られた炭化水素ゾルは、遠心ポンプを用
いて、96時間の間、6.7ft/secの平均速度でパイプ環
(内径 3.125インチ、長さ 2,560フィート) を連続的に
循環された。これは図8に概略的に示される。完全な試
験が行なわれている間、観察される炭化水素ゾル粘度は
100cp より低い値を保っていた。〔圧力降下/流速デー
タは、操作を通じて炭化水素ゾルに関し60°Fで約70cp
の見かけ粘度を示した。〕これは、約192,000cp である
乳化される前のボスカン原油の粘度と劇的に対比される
ものである。連続試験期間の終了時に、該環をめぐる流
れは、ポンプ故障を想定するために中断された。3日間
の操業停止の後、ポンプ送は、炭化水素ゾル特性におけ
る変化を何ら示さずに再び続けられた。圧力降下と流速
は再始業後も操業停止前のものと同じであった。再乳化
の必要性はなかった。
【0122】この試験の間、炭化水素ゾルは約 380マイ
ルの実績物理距離をポンプ送された。これは17分間に一
度ポンプを通過するものであった。この様式において、
炭化水素ゾルは化学パイプラインにおいて26,000マイル
の距離をポンプ送したものと概略等しい負荷 (剪断力)
を受けた。 (パイプ径、ポンプ通過、流速等を考慮。)
このような負荷は、従来の界面活性剤により安定化され
た水−中−油型エマルジョンの失敗 (転化) をひき起こ
すものとして公知である。試験の完了における炭化水素
ゾルの研究室的評価は、脱乳状化が望まれる場合には、
このエマルジョンは標準的な石油業界の技術を用いて容
易に脱乳状化されうることを示した。表35は、パイプラ
イン化パイロット試験の適切な数値、結果および条件を
要約したものである。
【0123】 表 35 パイプライン化パイロット試験の概要 油/水比 70/30 界面活性剤パッケージ/油比 1/500 総操業時間 96時間 首尾よく再始業させる前の操業停止時間 64時間 操業中の平均流速 160gpm 平均流速 6.69ft /分 パイプ内径 3.125インチ ポンプ送距離 約380マイル ポンプ通過回数 約530 エマルジョンの見かけ粘度 70cp 60°Fでのボスカン原油の粘度 190,000cp 20インチラインにおける比較流速 210,000BBL/日 30インチラインにおける比較流速 475,000BBL/日 ──────────────────────────────────7. 5 予め細霧化された燃料の直接燃焼試験 7. 5. 1 炉組立品および計器 直接燃焼試験は、次の配置により本質的に構成される大
規模な (1メガワット) が炉組立品において行なわれ
た;バーナー、れんが被覆実験用チャンバー (あるいは
また耐火被覆燃焼トンネルとも呼ばれる。) 、アフター
バーナー、水冷 (冷壁) チャンバーおよび排気区画より
なり、それぞれ長さ1.14メートル (m) 、4.55m、1.24
m、4.55mおよび1.65mである。用いられた設備のその
他の主な構成品は、燃料の貯蔵、計測、供給および制御
のためのシステム、燃料空気のポンプ送、予熱および計
測のためのシステム、ならびに燃焼産物の清浄およびポ
ンプ送のためのシステムを含むものである。
【0124】炉組立品は、減圧下に搾取しそして試料を
連続的に接続されたガス分析器の一組、限定的にはケミ
ルミネッセントNO−NOx ガス分析器[Chemilumines
centNO-NOx Gas Analyzer] (サーモ エレクトロン
コーポレーション[ThernoElectoron Corporation]
製、モデル10A) 、赤外線CO分析器[Infrared CO An
alyzer ] (ベックマン, インコーポレーテッド[Beckm
an, Inc]製、モデル685) 、赤外線CO2 分析器
(ベックマン インコーポレーテッド製、モデル685)
および常磁性O2 分析器[Paramagnetic O2 Analyze
r] (ベックマン インコーポレーテッド製、モデル7
55) へ試料輸送ラインを介して通過させるものである
燃焼ガスをサンプリングするための水冷した試験装置を
装備している。炉組立品はまた、実験用燃焼トンネル中
での種々の火炎位置での軸まわりの火炎温度を計測する
ための水冷した吸引高温計を装備している。炉組立品は
また、燃焼ガス (微粒子を含む。) が減圧下に搾取さ
れ、水を用いて急冷され、そして試料採取列 (その最初
の構成品は固形物を採取するためのフィルター (紙) で
ある。) を通して流されるところの水冷した水急冷サン
プリング装置を装置している。この装備は、燃焼ガス中
の固形物の定量のために与えられる。
【0125】7. 5. 2 燃焼試験のための予め細霧化
された燃料の調製 予め細霧化された燃料の油相として用いられる第6号残
滓性試験重油の特性は第7. 2. 3節中に述べられてい
る。表36はこの重油の元素分析を要約するものである。
これの燃焼熱は18,384Btu/lbであった。 表 36 第6号残滓性試験重油元素分析 成 分 炭 素 85.63 水 素 10.69 窒 素 0.47 硫 黄 2.30 酸 素 0.91 灰 分 0.08 水 0.10 アスファルテン 10.44 ────────────────────────── 第6号重油は、α−エマルザン (工業級) 15重量%、テ
ルギトールNP−4042.5重量%およびアルフォニック
1412−A 42.5重量%よりなる界面活性剤パッケー
ジを用いて乳化された。界面活性剤パッケージは油 250
重量部当り1重量部の割合で用いられた。得られる予め
細霧化された燃料における油の水に対する比は約70:30
の容量比であった。予め細霧化された燃料の 110ガロン
がガウリン[Gaulin]機械式ホモジナイザーを有する燃
料調製システムにおいて調製された。界面活性剤パッケ
ージを含有する水性溶液が、遠心ポンプを介して、第6
号重油供給ライン上に位置するミキシング−T[mixing
-T]へと供給された。この配置は、45g.p.h.高圧機械式
ホモジナイザー (ガウリン) へ導入される前に油と水の
インライン予備混合を提供するものであった。1000psi
の最小均質化圧力が予め細霧化された燃料を調製するた
めに採択された。得られた予め細霧化された燃料は、80
°Fで70〜120cp の範囲の粘度を有していた。
【0126】油および水の双方の流速の正確な制御は、
70/30の油/水容量比をこの連続混合操作において維持
するために要求される。水流量の正確な制御は、きわめ
て低い流速が要求されることに帰因する問題であること
を証明し、そして調製の間における油/水比が65/35か
ら75/25の間で変化したことが概算された。2つのバー
レル (筒) の予め細霧化された燃料が次の組成で調製さ
れた;バーレル第1番−72.25重量%油:28.75重量%
水、およびバーレル第2番69.78重量%油:30.22重量%
水。予め細霧化された燃料の双方のバーレルが燃焼の1
週間前に調製され、そしてこの時間の間には全く分離が
生じなかった。燃焼試験の前に双方のバーレルが低速攪
拌器を用いて攪拌された。
【0127】7. 5. 3 燃焼試験方法 採用された炉組立品の種類における第6号重油を燃焼す
るための規格方法が、インライン燃料加熱器が使用され
なかったことを除いて実行され、そして予め細霧化され
た燃料は約90°Fの温度で発火された。耐熱被覆燃焼ト
ンネルは、天然ガスを用いて操作温度 (約1000℃) へと
された。次にガスガンが取り除かれそしてY−ジェット
型の二流体噴霧器を備えた規格オイルガンと取りかえら
れた。約60psi の圧縮空気が細霧化された流体に対して
用いられた。
【0128】オイルバーナーにおける最初の点火は、規
格実施であるように第2号油を用いて行なわれた。空気
および燃料流速は約1MWまたは3.4MM Btu/hr の熱的入
力を与えるように調整された。次に、第2号重油から70
/30比の予め細霧化された燃料への単純な負荷時燃料転
換は、吸引ホースの第2号重油のバーレルより予め細霧
化された燃料のバーレルへの移動によって行なわれた。
【0129】燃料流速における顕著な減少が、予め細霧
化された燃料への転換の直後に起こった。これは主に予
め細霧化された燃料のより高い粘度および燃料ラインに
おける結果的圧力降下に起因するものである。安定な火
炎状態が燃料転換の間維持されたが、良好な火炎状態
は、燃料流速が望まれる最小限以下に降下するために達
成されなかった。
【0130】燃料流速における初期的降下は、噴霧器の
封鎖によるものと思われた。Y−ジェット噴霧器が取り
除かれ、清掃され、そして再び取付けられた。点火は予
め細霧化された燃料を用いて何ら問題なく行なわれた
が、低い燃料流速が支配していた。次に第2番目の噴霧
器である内部混合型のものが用いられた。再び予め細霧
化された燃料を用いての点火は何ら問題点を示すことな
く行なわれたが、低い燃料流速は存続した。
【0131】最終的に、流動の問題は、流量制御バルブ
の部分的閉鎖によるものであると考えられた。この閉鎖
の状態は測定できなかった。この制御バルブのまわりの
手動バイパスバルブが開放され、予め細霧化された燃料
の流速は約4lb/分 (約0.9MW入力) の最大値へと増加
された。これは同様の燃焼条件下で得られる第6号重油
のものと非常に似かよった視認的特性を有する全く満足
のゆく火炎をもたらすものであった。
【0132】この安定な火災は、試験期間の残りの時間
を通して維持された。そしてこの間、最小過剰空気値、
固体放射、および軸まわり火炎温度が測定された。7. 5. 4 予備燃焼試験の結果 70/30比の予め細霧化された燃料の可燃性および安定性
が該炉組立品を用いた同様の条件下において、第6号重
油のものに匹敵するものであることが明らかにされた。
【0133】火炎安定性は、過剰空気、最小燃料流量お
よび噴霧化条件の重要な燃焼パラメーター群が合致した
ものでない場合においてすら、満足のゆくものであるこ
とが明らかにされた。これは、点火の間および燃料流速
が満足すべき火炎状態に関する限度以下に下降した際に
偶然起こった。しかしながらこれらの結果は、点火およ
び火炎安定性が予め細霧化された燃料の主要な問題では
ないことを示した。
【0134】2%未満の最小過剰空気値は、煙道ガス中
における視認性煙あるいは一酸化炭素ももたらすことな
く達せられた。これらの数値は、第6号重油で得られる
ものと好ましく比較できるものである。表27は、この短
い試験の間に過剰空気値と煙道ガス組成について調べら
れた操作条件の範囲を要約するものであり、興味ある主
な点は、得られた低い過剰空気値である。
【0135】 表 37 過剰空気データ 煙道ガス中の酸素 過剰空気 一炭化水素 (%) (%) (ppm) 0.61 2.83 0 0.54 2.50 0 0.48 2.21 0 0.44 2.03 0 0.20 0.91 100〜150 0.16 0.73 150 ───────────── 予め細霧化された燃料の入力は約4lb/分 (0.93MW熱入力) である。
【0136】 予め細霧化された燃料温度 90°F 噴霧器の空気予備加熱 500°F ────────────────────────────────── これらの条件下における視認火炎長は、約6フィートで
あり、そしてこの火炎の一般的な外観は、第6号重油の
火炎のものと非常に似たものであった。高温燃焼帯から
の出口における排気ガスは少量の[白煙]を含んだもの
として表われ、これは同様な条件下で石油−水スラリー
を燃焼させた際に観察されたものと非常に似たものであ
った。この「白煙」は煙突からの出口においては視認す
ることができず、そしてその状態は測定されなかった。
【0137】水冷された装置が、排気ガスよりおよび火
炎の軸に沿ったところよりの固形物試料を得るために用
いられた。図9は、第6号重油および70/30比の予め細
霧化された燃料に関する火炎軸に沿った濃度特性を示
す。燃焼室からの出口における固形物濃度は、これらの
2つの燃料に関してほとんど等しいものであった。火炎
内での固形物濃度は70/30比の予め細霧化された燃料に
おいてわずかに低いものであった。これらの2つの火炎
は、2つの異なる噴霧器を用いて得られたものである
が、このデーターは、90°Fで発火された予め細霧化さ
れた燃料で達成される炭素焼灼は、噴霧化を容易とする
ために 240°Fで発火された第6号重油に関するものに
匹敵するものであった。
【0138】軸まわり火炎温度は、また水冷された吸引
高温計を用いて計測され、そしてこれらは図10に示され
る。70/30比の予め細霧化された燃料の火炎は、燃焼室
の全長に沿ってわずかに低い温度を示すものであった。
これは30%含水量から予想される急冷効果に全く比較さ
れるものであった。 100〜150℃の火炎温度における計
測された低減は、多くの工業的燃焼システムにおいて深
刻な問題となるものではない。
【0139】7. 5. 5 燃焼放出試験の結果 上記の燃焼試験に続き、他の一連の試験燃焼が表38に示
されるような、油および予め細霧化された燃料を用いて
行なわれた。 表 38 試験燃料特性およびエマルジョン特性 エジングトン モホーク [Edgington] 原 油 * [Mohawk] バンカーC バンカーC 比 重 0.99 0.99 0.99 パラフィン 27% 34% 53% 芳香族 52% 44% 35% 温度対粘度 °F CPS CPS CPS 200 59.65 65.60 47.72 180 83.51 87.50 59.65 160 116.91 168.35 71.58 140 214.74 322.10 107.37 120 429.48 190.88 予め細霧化された燃料 粘度 70〜150cp 予め細霧化された燃料 比重=0.99 * カリフォル カーン カンティ ────────────────────────────────── 予め細霧化された燃料を形成するのに伴なう方法は上記
に比べたものである。これらの燃焼の主な目的は、予め
細霧化された燃料を用いての潜在的放出低減の測定であ
る。表39において、これらの燃焼試験の結果が示され
る。この結果は、このような予め細霧化された燃料の燃
焼がNOx およびSO2 放出おいて顕著な低減をひき起
こしたことを示すものである。
【0140】 表 39 予め細霧化された燃料を用いての燃焼試験の結果 エジングトン モホーク バンカーC バンカーC 原 油 * 基準線 NOx (ppm) 550 450 355 予め細霧化された燃料 NOx (ppm) 270 325 300 低減率% 51 28 15 基準線 SO2 (ppm) 1100 840 300 予め細霧化された燃料 650 500 250 SO2 (ppm) 低減% 43 40 17 ────────── 予め細霧化された燃料 粘度 70〜150cp 予め細霧化された燃料 比重=0.99 * カリフォルニア カーン カンティ すべての読みは、1%O2 において行なわれた。 ────────────────────────────────── ここにおいて述べた本発明の多くの変更および変化が本
発明の精神および範疇より逸脱することなく可能である
ことは明白なことである。論述された特定の実施態様は
実施例としてのみ与えられるものであって、本発明は、
請求の範囲に示される用語によってのみ限定されるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボスカン[Boscan]原油で調製されたエマルザ
ン安定化炭化水素ゾルに関する粘度対水含有量のグラフ
的表示である。
【図2】重質原油 (ボスカン) およびボスカン原油で調
製された2つのエマルザン安定化炭化水素ゾルに関する
粘度対温度のグラフ的表示である。
【図3】界面活性剤パッケージへのエマルザンの添加の
粘度における効果を示すグラフ的表示である。
【図4】界面活性剤パッケージへのエマルザンの添加の
粘度における効果を示すグラフ的表示である。
【図5】界面活性剤パッケージへのエマルザンの添加の
粘度における効果を示すグラフ的表示である。
【図6】界面活性剤パッケージへのエマルザンの添加の
粘度における効果を示すグラフ的表示である。
【図7】界面活性剤パッケージへの乳化安定剤 (エマル
ザン、あるいは従来用いられている乳化安定剤であるス
ルホン化リグニンおよびスルホン化ナフタレン) の添加
の粘度における効果を比較するグラフ的表示である。
【図8】3インチパイプラインを通しての炭化水素ゾル
の形成およびポンプ送に用いられる試験システムの概略
的表示である。
【図9】炉の前部壁面からの距離の関数としての、第6
号重油および第6号重油より調製された予め細霧化され
た燃料の燃焼時における火炎軸に沿った固体濃度におけ
る変化のグラフ的表示である。
【図10】炉の前部壁面からの距離の関数としての、第6
号重油および第6号重油より調製された予め細霧化され
た燃料の燃焼時における軸まわりの火炎温度の変化のグ
ラフ的表示である。
フロントページの続き (72)発明者 ハーベナー,ケービン ロバート アメリカ合衆国 フロリダ州 32211, ジャクソンビル,レイク ロード ダブリ ュ, ホリー オークス 1582 (72)発明者 マーフィ,パトリシア ロード アメリカ合衆国 フロリダ州 32034, アメリアアイランド,バイア デル レイ 2410 (72)発明者 フッチ,ロウレンス エルネスト,ジュニ ア アメリカ合衆国 フロリダ州 32034, ファーナンディナビーチ,ピー オー ボ ックス 1456,ピレイテス ポイント ロ ード 60 (72)発明者 ディール,ジェームス フランシス,サー ド アメリカ合衆国 フロリダ州 32034, アメリアアイランド,シーマーシュロード 87 (72)発明者 ボールデン,ポール レスター,ジュニア アメリカ合衆国 フロリダ州 32034, ファーナンディナビーチ,ファースト ア ベニュー 2727 エイ

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 80 OFで約82000 センチポイズないし
    それ以上の粘度により特徴づけられる炭化水素、(b)
    水、および(c)少なくとも1種の水溶性界面活性剤を含
    有する界面活性剤組成物、を含有し、約60:40〜約90:
    10の炭化水素:水容量比を有する水中炭化水素型エマル
    ジョンを含有する予め細霧化された燃料であって、該エ
    マルジョンは約2%以下の過剰の空気で高度に効率的に
    燃焼でき、そして上記高い燃焼効率特性のある炭化水素
    の粘度の約1/10より大きくない粘度を有するものである
    予め細霧化された燃料。
  2. 【請求項2】 前記炭化水素が約20oAPIないしそれ以下
    のAPI比重によりさらに特徴づけられる請求項1に記載
    の予め細霧化された燃料。
  3. 【請求項3】 前記炭化水素がパラフィン含量約50重量
    %ないしそれ以下によりさらに特徴づけられる請求項1
    に記載の予め細霧化された燃料。
  4. 【請求項4】 前記予め細霧化された燃料の発火および
    火炎安定性が第6燃料油と実質的に同等ないしそれより
    優れているものである請求項1に記載の予め細霧化され
    た燃料。
  5. 【請求項5】 前記水溶性界面活性剤が非イオン性界面
    活性剤を含有する請求項1に記載の予め細霧化された燃
    料。
  6. 【請求項6】 前記イオン性界面活性剤がエトキシ化ア
    ルキルフェノールを含有する請求項5に記載の予め細霧
    化された燃料。
  7. 【請求項7】 前記エトキシ化アルキルフェノールがエ
    トキシ化モノアルキルまたはジアルキルフェノールを含
    有する請求項6に記載の予め細霧化された燃料。
  8. 【請求項8】 前記エトキシ化モノアルキルまたはジア
    ルキルフェノールが一般式RxC6H4(OC2H4)nOH〔式中、R
    は約8〜約12個の炭素原子を有するアルキル基を表し、
    xはアルキル基の数を表すものであって1または2であ
    り、そしてnは約1〜約100の範囲のエトキシ基の数を
    表す〕で表されるものである請求項7に記載の予め細霧
    化された燃料。
  9. 【請求項9】 前記炭化水素:水の比が約70:30〜約9
    0:10容量比である請求項1に記載の予め細霧化された
    燃料。
  10. 【請求項10】 前記炭化水素:水の比が約70:30容量比
    である請求項9に記載の予め細霧化された燃料。
  11. 【請求項11】 前記水中炭化水素型エマルジョンが約
    1:100〜約1:20,000の界面活性剤組成物:炭化水素重
    量比を有するものである請求項1に記載の予め細霧化さ
    れた燃料。
  12. 【請求項12】(a)前記炭化水素が約20oAPIないしそれ以
    下のAPI 比重及び50重量%ないしそれ以下のパラフィン
    含量によりさらに特徴づけられるものであり、(b)前記
    水溶性界面活性剤がエトキシ化アルキルフェノールを含
    むものであり、そして、(c)前記炭化水素:水の容量比
    が約70:30〜約90:10である、請求項1に記載の予め細
    霧化された燃料。
  13. 【請求項13】 前記炭化水素の水中炭化水素型エマルジ
    ョンが約1:100 〜約1:20,000の界面活性剤組成物:
    炭化水素重量比を有するものである請求項1に記載の予
    め細霧化された燃料。
  14. 【請求項14】 前記エトキシ化アルキルフェノールが一
    般式RxC6H4(OC2H4)nOH〔式中、Rは約8〜約12個の炭素
    原子を有するアルキル基を表し、xはアルキル基の数を
    表すものであって、1または2であり、そしてnは約1
    〜約100の範囲のエトキシ基の数を表す〕で表されるエ
    トキシ化モノアルキルまたはジアルキルフェノールから
    なる請求項6に記載の予め細霧化された燃料。
  15. 【請求項15】 炭化水素が残油1または原油である請求
    項1に記載の予め細霧化された燃料。
  16. 【請求項16】 炭化水素が残油であり、そして第6号残
    留燃料油、カリフォルニア減圧残油、オクラホマ減圧残
    油、ジャーマンビスブレーカー残油、テキサスビスブレ
    ーカー残油、接触水素化残油、ROSE残油、カットバック
    タールまたはバンカーC油のいずれかである請求項1に
    記載の予め細霧化された燃料。
  17. 【請求項17】 炭化水素がボスカン原油、テキサス・フ
    ァイヤーフラッド原油、ジバロ原油、E1シャボ原油、
    カリフォルニア・カーン・カウンティー原油またはカン
    ザス原油である請求項1に記載の予め細霧化された燃
    料。
  18. 【請求項18】 前記水相が約45:55ないしそれ以下のメ
    タノール:水比を有するメタノール/水混合物である請
    求項1に記載の予め細霧化された燃料。
  19. 【請求項19】 前記エマルジョンが、α−エマルザン約
    15重量%ならびに、(i) 約40個のエトキシ基を有するエ
    トキシ化モノノニルフェノール約42.5重量%およびポリ
    (3)エトキシC12〜C14線状第1アルコールスルフェー
    トのアンモニウム塩約42.5重量%、(ii)約40個のエトキ
    シ基を有するエトキシ化モノノニルフェノールもしくは
    約40個のエトキシ基を有するエトキシ化モノオクチルフ
    ェノール約85重量%、または(iii)約40個のエトキシ基
    を有するエトキシ化モノノニルフェノール42.5重量%お
    よび約40個のエトキシ基を有するエトキシ化モノオクチ
    ルフェノール42.5重量%、よりなる界面活性剤パッケー
    ジを炭化水素に対して約1:100〜約1:20,000の重量比
    で用いて乳化することにより形成される、約60〜40〜約
    90:10の炭化水素:水容量比を有するバイオ乳化剤安定
    化水中炭化水素型エマルジョンを含有する請求項1に記
    載の予め細霧化された燃料。
  20. 【請求項20】 全ブロスα−エマルザン約17重量%、約
    70%のエトキシ基を有するエトキシ化モノオクチルフェ
    ノール約50重量%、および約70%のエトキシ基を有する
    エトキシ化モノノニルフェノールの約33重量%を、炭化
    水素を基準として1:100〜1:20,000の重量割合で含
    有し、かつ炭化水素を有するバイオ乳化剤安定化水中炭
    化水素型エマルジョンを含有してなる請求項1に記載の
    可燃性の予め細霧化された燃料。
  21. 【請求項21】 全ブロスα−エマルジョン約14重量%、
    約40個のエトキシ基を有するエトキシ化モノオクチルフ
    ェノール約43重量%、および約40個のエトキシ基を有す
    るエトキシ化モノノニルフェノール約29重量%およびリ
    グノスルホネートの塩約14重量%を、炭化水素を基準と
    して約1:100 〜約1:20,000の重量比率で含むバイオ
    乳化剤安定化水中炭化水素型エマルジョンを含有してな
    る請求項1に記載の可燃性の予め細霧化された燃料。
  22. 【請求項22】 前記炭化水素が、(a)前記界面活性剤パ
    ッケージを用いて乳化できない第1の炭化水素および
    (b)該第1の炭化水素を調整して界面活性剤パッケージ
    で乳化され得る形態となしうる少なくとも1つの第2の
    炭化水素、の調合物である請求項1に記載の予め細霧化
    された燃料。
  23. 【請求項23】(a)炭化水素を流動状態へ加熱し、(b)加熱
    された炭化水素を、エマルジョン形成性組成物を含有す
    る水相と接触させ、(c)水相中の水の蒸発を阻止するに
    十分な圧力を維持しつつ、炭化水素と水相を混合してエ
    マルジョンを形成させ、そして、(d)該エマルジョンを
    急速に冷却する、工程からなる、80OFで約82000 センチ
    ポイズないしそれ以上の粘度を有する炭化水素から予め
    細霧化された燃料を製造する方法。
  24. 【請求項24】 前記炭化水素が減圧残油である請求項23
    に記載の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記加熱工程が約212oF より高い温度に
    炭化水素を加熱することからなり、そして前記急速な冷
    却工程が約212oFより低い温度にエマルジョンを冷却す
    ることからなる、請求項23に記載の製造方法。
  26. 【請求項26】 前記炭化水素がカリフォルニア減圧残油
    であり、界面活性剤パッケージが直鎖アルキルベンゼン
    スルホネート約90%およびα−エマルザン約10%からな
    り、加熱温度が約300oFでありそして圧力が約70psiに保
    持されるものである請求項23に記載の製造方法。
  27. 【請求項27】 前記炭化水素が熱分解炭化水素排出物で
    あり、そして前記急速な冷却工程が、加熱したエマルジ
    ョンを炭化水素の軟化点よりも低い少なくとも約100oF
    の温度に直ちに冷却することからなる請求項23に記載の
    製造方法。
  28. 【請求項28】 前記炭化水素排出物が初期相分離により
    特徴づけられるビスブレーカー残油である請求項27に記
    載の製造方法。
  29. 【請求項29】 前記炭化水素排出物が、ジャーマンビス
    ブレーカー残油であり、そして前記界面活性剤パッケー
    ジが約70個のエトキシ基を有する非イオン性モノオクチ
    ルフェノール約50重量%、およびα−エマルザン約17重
    量%からなるものである請求項27に記載の製造方法。
  30. 【請求項30】(a)高い軟化点温度を有する炭化水素性物
    質の粒子が、水相における該粒子の分散を促進し得る界
    面活性剤パッケージを含有する水相中に分散されている
    スラリーを形成させ、(b)炭化水素排出物を流動状態と
    なるまで加熱して予め細霧化された燃料を形成し、(c)
    この加熱された炭化水素排出物を(a)工程の炭化水素性
    物質よりも低い軟化点温度を有する炭化水素と接触さ
    せ、そして、(d) (a)工程のスラリーを(b)工程の予め細
    霧化された燃料と混合する、工程からなる低減された粘
    度を有する予め細霧化された燃料の製造方法。
  31. 【請求項31】 前記高い軟化点温度を有する炭化水素性
    物質が、石炭、コークスまたはROSE残油のいずれかであ
    る請求項30に記載の製造方法。
  32. 【請求項32】 前記スラリーと予め細霧化された燃料が
    約1:1の比で混合される請求項30に記載の製造方法。
  33. 【請求項33】 高い軟化点温度を有する炭化水素性物質
    の粒子が、それぞれ直径約30μmないしそれ以下のもの
    である請求項30に記載の製造方法。
  34. 【請求項34】 前記高い軟化点温度を有する炭化水素性
    物質がROSE残油であり、より低い軟化点温度の炭化水素
    がカリフォルニア減圧残油であり、そしてスラリーおよ
    び予め細霧化された燃料を形成するために用いられた界
    面活性剤パッケージが、約40個のエトキシ基を有する非
    イオン性モノオクチルフェノール約43重量%、約40個の
    エトキシ基を有する非イオン性モノノニルフェノール約
    29重量%、リグノスルフォネートの塩約14重量%および
    α−エマルザン約14重量%からなるものである請求項30
    に記載の製造方法。
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