JPH05230449A - 電場発光蛍光体の処理方法 - Google Patents
電場発光蛍光体の処理方法Info
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- JPH05230449A JPH05230449A JP7323892A JP7323892A JPH05230449A JP H05230449 A JPH05230449 A JP H05230449A JP 7323892 A JP7323892 A JP 7323892A JP 7323892 A JP7323892 A JP 7323892A JP H05230449 A JPH05230449 A JP H05230449A
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- Japan
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- acid
- phosphor
- treatment
- copper
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電場発光蛍光体の処理方法の提供
【構成】 硫化亜鉛に発光中心として銅を付活した電場
発光蛍光体を、塩酸および硝酸以外の酸化剤を含む酸で
洗浄して蛍光体表面の過剰な銅硫化物を除去することを
特徴とする電場発光蛍光体の処理方法。 【効果】 上記処理方法は従来のシアン化物を用いる処
理方法と異なり無毒であるため取扱が容易であり安全に
処理することができる。また廃液処理も容易である。ま
た本発明の方法で処理した発光体は従来のシアン化物を
用いた方法に比べて初期輝度が15%向上し、発光寿命
(輝度の半減期) が20%向上する。さらに本発明の処理
方法は処理工程が1段階であり、従来の2段階処理に比
べて作業が簡単であり作業時間や処理コストを低減でき
る。
発光蛍光体を、塩酸および硝酸以外の酸化剤を含む酸で
洗浄して蛍光体表面の過剰な銅硫化物を除去することを
特徴とする電場発光蛍光体の処理方法。 【効果】 上記処理方法は従来のシアン化物を用いる処
理方法と異なり無毒であるため取扱が容易であり安全に
処理することができる。また廃液処理も容易である。ま
た本発明の方法で処理した発光体は従来のシアン化物を
用いた方法に比べて初期輝度が15%向上し、発光寿命
(輝度の半減期) が20%向上する。さらに本発明の処理
方法は処理工程が1段階であり、従来の2段階処理に比
べて作業が簡単であり作業時間や処理コストを低減でき
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硫化亜鉛に発光中心と
して銅を付活した電場発光蛍光体(EL蛍光体)につい
て、処理工程が簡単でしかも無毒性であり、さらに発光
輝度および発光寿命を向上させる処理方法に関する。
して銅を付活した電場発光蛍光体(EL蛍光体)につい
て、処理工程が簡単でしかも無毒性であり、さらに発光
輝度および発光寿命を向上させる処理方法に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】従来から硫化亜鉛に発光中心と
して銅を付活したEL発光体が知られている。銅を付活
した硫化亜鉛のEL蛍光体は、通常、原料の硫化亜鉛粉
末に銅化合物を加え、硫化水素ガス中で焼成して製造さ
れる。この蛍光体粒子の表面層には、焼成時にイオウが
揮発して生じた空孔や結晶の格子不整または過剰のCuS
、Cu2Sなどが含まれており、この表面層を除去しない
と発光輝度および発光寿命が著しく低いものとなり実用
蛍光体としては全く用いることができない。従って、通
常、酢酸や塩酸などを用い、表面層を除去する。ところ
が、この酸エッチングによって分解除去された銅硫化物
は液中で銅イオンとなり、イオン化傾向が亜鉛よりも小
さいために蛍光体表面でZnSと反応してCuS、Cu2Sを生
じ、再び蛍光体表面に付着する。そこで従来、(イ) 酢酸
や塩酸を用いて表面層をエッチングして除去した後にシ
アン化ナトリウムなどを用いて過剰なCuS、Cu2Sを溶解
する方法、(ロ)酢酸や塩酸によるエッチング処理後に硫
化アンモニウムやポリ硫化カリウムを用いてCuS、Cu2S
を除去する方法などが実施されている。ところが、シア
ン化物を用いる方法は、シアン化物の毒性が極めて強い
ため取扱いが難しく、また廃液処理上の問題がある。一
方、硫化アンモニウムやポリ硫化カリウムを用いる方法
は無毒性の処理液を用いる点では優れているが、洗浄除
去効果が低く実用に適う蛍光体を得るのは難しい問題が
ある。さらに何れの方法も処理工程が二段階であり、処
理に手間取り作業時間やコストがかかる。このような処
理方法に代えて、焼成後の蛍光体を酸化剤の水溶液で処
理する方法も知られている(特開昭55-89381号) が、エ
ッチング洗浄効果は充分ではない。
して銅を付活したEL発光体が知られている。銅を付活
した硫化亜鉛のEL蛍光体は、通常、原料の硫化亜鉛粉
末に銅化合物を加え、硫化水素ガス中で焼成して製造さ
れる。この蛍光体粒子の表面層には、焼成時にイオウが
揮発して生じた空孔や結晶の格子不整または過剰のCuS
、Cu2Sなどが含まれており、この表面層を除去しない
と発光輝度および発光寿命が著しく低いものとなり実用
蛍光体としては全く用いることができない。従って、通
常、酢酸や塩酸などを用い、表面層を除去する。ところ
が、この酸エッチングによって分解除去された銅硫化物
は液中で銅イオンとなり、イオン化傾向が亜鉛よりも小
さいために蛍光体表面でZnSと反応してCuS、Cu2Sを生
じ、再び蛍光体表面に付着する。そこで従来、(イ) 酢酸
や塩酸を用いて表面層をエッチングして除去した後にシ
アン化ナトリウムなどを用いて過剰なCuS、Cu2Sを溶解
する方法、(ロ)酢酸や塩酸によるエッチング処理後に硫
化アンモニウムやポリ硫化カリウムを用いてCuS、Cu2S
を除去する方法などが実施されている。ところが、シア
ン化物を用いる方法は、シアン化物の毒性が極めて強い
ため取扱いが難しく、また廃液処理上の問題がある。一
方、硫化アンモニウムやポリ硫化カリウムを用いる方法
は無毒性の処理液を用いる点では優れているが、洗浄除
去効果が低く実用に適う蛍光体を得るのは難しい問題が
ある。さらに何れの方法も処理工程が二段階であり、処
理に手間取り作業時間やコストがかかる。このような処
理方法に代えて、焼成後の蛍光体を酸化剤の水溶液で処
理する方法も知られている(特開昭55-89381号) が、エ
ッチング洗浄効果は充分ではない。
【0003】
【発明の解決課題】本発明は、シアン化物のような有毒
処理液を用いず、しかも処理工程が1段階で済み、さら
に従来の処理方法に比べてエッチング洗浄効果の高い処
理方法を提供することを目的とする。本発明において、
第1の着眼点として、酸化剤の酸化力は酸の存在(酸性
下)で高まることに着目し、表面層のエッチングによっ
て蛍光体表面に新たに形成された銅硫化物を酸で活性化
した酸化剤で酸化第二銅に変え、第二の着眼点として、
上記酸化第二銅は塩酸、硝酸以外の酸、例えば酢酸や硫
酸には不溶であることから、これらの酸を用いることに
より、上記酸化第二銅を分解せずに蛍光体の表面層を溶
解できることが見出だされた。本発明は上記知見に基づ
き従来の問題を解決した処理方法を提供するものであ
り、本方法で処理した発光体は従来のシアン化物を用い
た方法に比べて初期輝度が15%向上し、発光寿命(輝度
の半減期)が20%向上する。また本方法は従来のシアン
化物を用いる方法と異なり無毒であり取扱いが容易であ
ると共に処理工程が1段階であり、2段階処理の従来方
法に比べて操作が簡単であり処理コストも軽減される。
処理液を用いず、しかも処理工程が1段階で済み、さら
に従来の処理方法に比べてエッチング洗浄効果の高い処
理方法を提供することを目的とする。本発明において、
第1の着眼点として、酸化剤の酸化力は酸の存在(酸性
下)で高まることに着目し、表面層のエッチングによっ
て蛍光体表面に新たに形成された銅硫化物を酸で活性化
した酸化剤で酸化第二銅に変え、第二の着眼点として、
上記酸化第二銅は塩酸、硝酸以外の酸、例えば酢酸や硫
酸には不溶であることから、これらの酸を用いることに
より、上記酸化第二銅を分解せずに蛍光体の表面層を溶
解できることが見出だされた。本発明は上記知見に基づ
き従来の問題を解決した処理方法を提供するものであ
り、本方法で処理した発光体は従来のシアン化物を用い
た方法に比べて初期輝度が15%向上し、発光寿命(輝度
の半減期)が20%向上する。また本方法は従来のシアン
化物を用いる方法と異なり無毒であり取扱いが容易であ
ると共に処理工程が1段階であり、2段階処理の従来方
法に比べて操作が簡単であり処理コストも軽減される。
【0004】
【課題の解決手段:発明の構成】本発明の電場発光蛍光
体の処理方法は、硫化亜鉛に発光中心として銅を付活し
た電場発光蛍光体を、塩酸および硝酸以外の酸化剤を含
む酸で洗浄して蛍光体表面の過剰な銅硫化物を除去する
ことを特徴とする。また、その好適な態様として、酸化
剤が過酸化水素であり、酸が酢酸または硫酸の一種また
はこれらの混酸であることを特徴とする。
体の処理方法は、硫化亜鉛に発光中心として銅を付活し
た電場発光蛍光体を、塩酸および硝酸以外の酸化剤を含
む酸で洗浄して蛍光体表面の過剰な銅硫化物を除去する
ことを特徴とする。また、その好適な態様として、酸化
剤が過酸化水素であり、酸が酢酸または硫酸の一種また
はこれらの混酸であることを特徴とする。
【0005】本発明の処理方法に用いられる銅付活EL
蛍光体としては、ZnS:CuCl蛍光体、ZnS:Cu,Br蛍光体、Z
nS:Cu,Al蛍光体、ZnS:Cu,Mn蛍光体などが挙げられる
が、これらの蛍光体に限らず、硫化亜鉛を含む硫化物を
主体とした銅付活蛍光体であれば用いることができる。
蛍光体としては、ZnS:CuCl蛍光体、ZnS:Cu,Br蛍光体、Z
nS:Cu,Al蛍光体、ZnS:Cu,Mn蛍光体などが挙げられる
が、これらの蛍光体に限らず、硫化亜鉛を含む硫化物を
主体とした銅付活蛍光体であれば用いることができる。
【0006】本発明の処理方法は、塩酸および硝酸以外
の酸化剤を含む酸を用い、蛍光体の表面層をエッチング
し除去する。焼成して得たEL蛍光体表面層にはイオウ
の空孔、結晶の格子不整、過剰のCuS、Cu2Sなどが多く
含まれ、これらを除去しない限り発光輝度や発光寿命が
著しく低く実用上の発光体としては用いることができな
いので、上記エッチング処理により蛍光体の表面層を除
去する。
の酸化剤を含む酸を用い、蛍光体の表面層をエッチング
し除去する。焼成して得たEL蛍光体表面層にはイオウ
の空孔、結晶の格子不整、過剰のCuS、Cu2Sなどが多く
含まれ、これらを除去しない限り発光輝度や発光寿命が
著しく低く実用上の発光体としては用いることができな
いので、上記エッチング処理により蛍光体の表面層を除
去する。
【0007】酸化剤としては、酸化効果および取扱い易
さなどの点でH2O2が好適に用いられる。酸としては、塩
酸および硝酸以外の硫酸、酢酸などが用いられる。酸を
用いて蛍光体表面をエッチングすると、表面に付着して
いるCuS、Cu2Sは分解され除去されるが、亜鉛のイオン
化傾向が銅よりも大きいため、溶解した銅(Cu++)はZnS
と反応してCuS、Cu2Sを生じ蛍光体表面が再び銅硫化物
で覆われる。蛍光体表面が導電性の高い銅硫化物によっ
て覆われると、発光に必要な高電界が蛍光体内部にかか
らないため高い輝度が得られず、また発光した可視光は
表面の銅硫化物に吸収されて輝度が著しく低下する。し
かし、蛍光体表面の形成された直後の銅硫化物は極めて
活性であり、酸中にH2O2などの酸化剤が存在すると容易
に酸化第二銅CuOに変化する。この酸化第二銅は絶縁性
であり蛍光体表面に存在しても発光特性を損なわない。
またこの酸化第二銅は塩酸や硝酸以外の酸、即ち酢酸や
硫酸には溶けないので過剰なCuS,Cu2Sやイオウ空孔、結
晶格子不整を有する表面層は酢酸や硫酸によて溶解除去
される一方、酸化第二銅は不動態化し安定に蛍光体表面
に存在する。
さなどの点でH2O2が好適に用いられる。酸としては、塩
酸および硝酸以外の硫酸、酢酸などが用いられる。酸を
用いて蛍光体表面をエッチングすると、表面に付着して
いるCuS、Cu2Sは分解され除去されるが、亜鉛のイオン
化傾向が銅よりも大きいため、溶解した銅(Cu++)はZnS
と反応してCuS、Cu2Sを生じ蛍光体表面が再び銅硫化物
で覆われる。蛍光体表面が導電性の高い銅硫化物によっ
て覆われると、発光に必要な高電界が蛍光体内部にかか
らないため高い輝度が得られず、また発光した可視光は
表面の銅硫化物に吸収されて輝度が著しく低下する。し
かし、蛍光体表面の形成された直後の銅硫化物は極めて
活性であり、酸中にH2O2などの酸化剤が存在すると容易
に酸化第二銅CuOに変化する。この酸化第二銅は絶縁性
であり蛍光体表面に存在しても発光特性を損なわない。
またこの酸化第二銅は塩酸や硝酸以外の酸、即ち酢酸や
硫酸には溶けないので過剰なCuS,Cu2Sやイオウ空孔、結
晶格子不整を有する表面層は酢酸や硫酸によて溶解除去
される一方、酸化第二銅は不動態化し安定に蛍光体表面
に存在する。
【0008】酸化剤の添加量は0.1 〜15重量%、好まし
くは0.3〜7.5重量%が適当である。酸化剤の添加量が0.
1重量%よりも少ないと充分な酸化反応が起こらないた
め効果がなく、また15重量%より多いと過酸化物の取扱
いが難しくなるので好ましくない。酸の濃度は、酢酸、
硫酸、またはこれらの混酸を 5〜50重量%、好ましくは
10〜35重量%が適当である。5重量%より少ないとエッ
チング効果が不十分になり、また50重量%より多くても
効果は変わらず、むしろ廃液処理の負担が増す。処理温
度は75〜95℃、好ましくは80〜85℃が適当であり、処理
時間は10分〜2時間、好ましくは30分〜1時間が適当であ
る。
くは0.3〜7.5重量%が適当である。酸化剤の添加量が0.
1重量%よりも少ないと充分な酸化反応が起こらないた
め効果がなく、また15重量%より多いと過酸化物の取扱
いが難しくなるので好ましくない。酸の濃度は、酢酸、
硫酸、またはこれらの混酸を 5〜50重量%、好ましくは
10〜35重量%が適当である。5重量%より少ないとエッ
チング効果が不十分になり、また50重量%より多くても
効果は変わらず、むしろ廃液処理の負担が増す。処理温
度は75〜95℃、好ましくは80〜85℃が適当であり、処理
時間は10分〜2時間、好ましくは30分〜1時間が適当であ
る。
【0009】
【発明の効果】本発明の処理方法は従来のシアン化物を
用いる処理方法と異なり無毒であるため取扱が容易であ
り安全に処理することができる。また廃液処理も容易で
ある。また本発明の方法で処理した発光体は従来のシア
ン化物を用いた方法に比べて初期輝度が15%向上し、発
光寿命(輝度の半減期) が20%向上する。さらに本発明
の処理方法は処理工程が1段階であり、従来の2段階処
理に比べて作業が簡単であり作業時間や処理コストを低
減できる。
用いる処理方法と異なり無毒であるため取扱が容易であ
り安全に処理することができる。また廃液処理も容易で
ある。また本発明の方法で処理した発光体は従来のシア
ン化物を用いた方法に比べて初期輝度が15%向上し、発
光寿命(輝度の半減期) が20%向上する。さらに本発明
の処理方法は処理工程が1段階であり、従来の2段階処
理に比べて作業が簡単であり作業時間や処理コストを低
減できる。
【0010】実施例1 硫化亜鉛粉末200gを2リットルの平底ビーカ中でイオン交換
水 1リットルに分散させ、これに予めイオン交換水に溶解し
た濃度3.0×10-2mol/lの塩化銅水溶液100mlを加えて充
分に攪拌混合した。この溶液を静置後、上澄液を除去し
た。この銅付着硫化亜鉛沈殿に塩化亜鉛2.0g、および塩
化マグネシウム2.0gを加えて充分に攪拌混合した後に10
0 ℃の温度下で12時間乾燥した。この粉末を石英製ボー
ドに充填し、透明石英管に装入して硫化水素ガス中で90
0 ℃、1時間焼成し、蛍光体粉末を製造した。次に、こ
の蛍光体粉末を取り出し、イオン交換水で4回傾斜洗浄
し、濾過、乾燥した後にルツボの蓋を開け大気中で700
℃、4時間焼成した。この蛍光体粉末を、酢酸30重量
%、過酸化水素1.0 重量%濃度の水溶液に入れて80℃で
1時間攪拌した後にイオン交換水で6回傾斜洗浄し、濾
過、乾燥した。得られた粉末を最後に篩別し10〜50μ
m、平均粒径27μmの蛍光体粉末を得た。上記処理方法に
よって製造された蛍光体の発光特性を次の方法で測定し
た。まずシアノエチルセルロースをジメチルホルムアミ
ドに溶解させ、これに上記蛍光体粉末を分散させたもの
をスクリーン印刷法により、厚さ50μmに印刷し乾燥さ
せて発光層を形成した。さらに該発光層の上にBaTiO3を
分散させたものを厚さ20μmに印刷し乾燥させて絶縁層
を形成し、最後に銀ペーストを背面電極として塗布し乾
燥後、電極端子を取付け、ELランプを形成した。これ
を真空デシケータ中で100V、400Hz、20℃の動作条件で
輝度を測定したところ、初期輝度64Cd/m2であり、発光
寿命(初期輝度の半減する時間)は100V、1200Hz、20℃の
動作条件で連続発光させたとき、1600時間であった。
水 1リットルに分散させ、これに予めイオン交換水に溶解し
た濃度3.0×10-2mol/lの塩化銅水溶液100mlを加えて充
分に攪拌混合した。この溶液を静置後、上澄液を除去し
た。この銅付着硫化亜鉛沈殿に塩化亜鉛2.0g、および塩
化マグネシウム2.0gを加えて充分に攪拌混合した後に10
0 ℃の温度下で12時間乾燥した。この粉末を石英製ボー
ドに充填し、透明石英管に装入して硫化水素ガス中で90
0 ℃、1時間焼成し、蛍光体粉末を製造した。次に、こ
の蛍光体粉末を取り出し、イオン交換水で4回傾斜洗浄
し、濾過、乾燥した後にルツボの蓋を開け大気中で700
℃、4時間焼成した。この蛍光体粉末を、酢酸30重量
%、過酸化水素1.0 重量%濃度の水溶液に入れて80℃で
1時間攪拌した後にイオン交換水で6回傾斜洗浄し、濾
過、乾燥した。得られた粉末を最後に篩別し10〜50μ
m、平均粒径27μmの蛍光体粉末を得た。上記処理方法に
よって製造された蛍光体の発光特性を次の方法で測定し
た。まずシアノエチルセルロースをジメチルホルムアミ
ドに溶解させ、これに上記蛍光体粉末を分散させたもの
をスクリーン印刷法により、厚さ50μmに印刷し乾燥さ
せて発光層を形成した。さらに該発光層の上にBaTiO3を
分散させたものを厚さ20μmに印刷し乾燥させて絶縁層
を形成し、最後に銀ペーストを背面電極として塗布し乾
燥後、電極端子を取付け、ELランプを形成した。これ
を真空デシケータ中で100V、400Hz、20℃の動作条件で
輝度を測定したところ、初期輝度64Cd/m2であり、発光
寿命(初期輝度の半減する時間)は100V、1200Hz、20℃の
動作条件で連続発光させたとき、1600時間であった。
【0010】実施例2 実施例1と同様の条件で原料粉末を焼成して蛍光体粉末
を製造し、酢酸20重量%、硫酸10重量%、過酸化水素5.
0重量%に変えた以外は実施例1と同様に処理した。次
に実施例1と同様の方法により上記蛍光体粉末の発光特
性を測定した。この結果、初期輝度は64Cd/m2、発光寿
命は1550時間であった。
を製造し、酢酸20重量%、硫酸10重量%、過酸化水素5.
0重量%に変えた以外は実施例1と同様に処理した。次
に実施例1と同様の方法により上記蛍光体粉末の発光特
性を測定した。この結果、初期輝度は64Cd/m2、発光寿
命は1550時間であった。
【0011】比較例1 実施例1と同様の条件で原料粉末を焼成して蛍光体粉末
を製造し、過酸化水素を加えない以外は実施例1と同様
にエッチング処理し、その後、イオン交換水で6回傾斜
洗浄を行い、5 重量%のシアン化ナトリウム水溶液を用
い25℃で1時間攪拌し洗浄した。次に、実施例1と同様
の方法により上記蛍光体粉末の発光特性を測定した。こ
の結果、初期輝度は51Cd/m2、発光寿命は1330時間であ
った。
を製造し、過酸化水素を加えない以外は実施例1と同様
にエッチング処理し、その後、イオン交換水で6回傾斜
洗浄を行い、5 重量%のシアン化ナトリウム水溶液を用
い25℃で1時間攪拌し洗浄した。次に、実施例1と同様
の方法により上記蛍光体粉末の発光特性を測定した。こ
の結果、初期輝度は51Cd/m2、発光寿命は1330時間であ
った。
【0012】比較例2 酢酸を3N塩酸に代えた以外は比較例1と同様に蛍光体
粉末を製造し、処理した。蛍光体粉末の発光特性を測定
した。この結果、初期輝度は53Cd/m2、発光寿命は1380
時間であった。
粉末を製造し、処理した。蛍光体粉末の発光特性を測定
した。この結果、初期輝度は53Cd/m2、発光寿命は1380
時間であった。
【0013】比較例3 シアン化ナトリウムをポリ硫化カリウムに代えた以外は
比較例1と同様に蛍光体粉末を製造し、処理した。蛍光
体粉末の発光特性を測定した。この結果、初期輝度は50
Cd/m2、発光寿命は1310時間であった。
比較例1と同様に蛍光体粉末を製造し、処理した。蛍光
体粉末の発光特性を測定した。この結果、初期輝度は50
Cd/m2、発光寿命は1310時間であった。
Claims (2)
- 【請求項1】 硫化亜鉛に発光中心として銅を付活した
電場発光蛍光体を、塩酸および硝酸以外の酸化剤を含む
酸で洗浄して蛍光体表面の過剰な銅硫化物を除去するこ
とを特徴とする電場発光蛍光体の処理方法。 - 【請求項2】 酸化剤が過酸化水素であり、酸が酢酸ま
たは硫酸の一種またはこれらの混酸である請求項1の方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7323892A JPH05230449A (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | 電場発光蛍光体の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7323892A JPH05230449A (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | 電場発光蛍光体の処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05230449A true JPH05230449A (ja) | 1993-09-07 |
Family
ID=13512407
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7323892A Pending JPH05230449A (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | 電場発光蛍光体の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05230449A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07195852A (ja) * | 1993-12-07 | 1995-08-01 | Eastman Kodak Co | 感熱色素転写用色素供与体要素 |
WO2003020848A1 (fr) * | 2001-08-30 | 2003-03-13 | Nemoto & Co., Ltd. | Luminophore et son procede de preparation |
-
1992
- 1992-02-25 JP JP7323892A patent/JPH05230449A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07195852A (ja) * | 1993-12-07 | 1995-08-01 | Eastman Kodak Co | 感熱色素転写用色素供与体要素 |
WO2003020848A1 (fr) * | 2001-08-30 | 2003-03-13 | Nemoto & Co., Ltd. | Luminophore et son procede de preparation |
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