JPH05229426A - 磁気浮上車両用脚装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 乗り心地がすぐれかつ構造が簡単で軽量、格
納スペースが小さく、メンテナンスが容易な構成からな
る磁気浮上車両用脚装置の提供。 【構成】 トレーリングアーム２で懸架された車輪１の
軸支部３とアーム２の上方に配置したベルクランク５の
一方端と間に設けた揚降アクチュエーター７で揚降可能
にするとともに、ベルクランク５の他方端と該アーム２
の枢軸部４間にダンパー１０内蔵のコイルスプリング８
を配置して緩衝支持した。 【効果】 台車への枢軸点が僅か２点と構造が簡単で部
品点数が少なく、メンテナンスが容易であり、また装置
重量が軽く、格納スペースも少なくなる

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、磁気浮上車両の低速
用補助車輪を支持するための支持脚並びに案内脚装置に
使用できる脚装置に係り、トレーリングアームで懸架さ
れた車輪の軸支部をベルクランクの一方端間に設けた伸
縮型の揚降アクチュエーターで揚降可能にするととも
に、ベルクランクの他方端と該アームの枢軸部間にダン
パーを同軸に内蔵したコイルスプリングを配置して、車
輪の下降作動時の衝撃吸収を行う構成により、重量の軽
減、格納スペースの削減及びメンテナンスの容易化を図
った磁気浮上車両用脚装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】磁気浮上車両システムは、地上に浮上用
および推進用の地上コイルを配置し、推進用コイルを次
々と励磁して移動磁界を形成して、車両側の電磁石を移
動させるものであり、また、車両側の電磁石が移動する
ことにより、地上の浮上用コイルに誘導電流を発生させ
て、それにより磁気反発させて車両を浮上させるもので
ある。

【０００３】また、超電導コイルとすることにより、誘
導反発式磁気浮上力はある程度の速度を有する場合には
じめて車両重量を支えるだけの十分な浮力を発生するた
め、低速度域では補助車輪で車両を支持する必要があ
る。

【０００４】従って、補助車輪の支持脚装置は、停止時
や所要の低速度域では乗り心地よく作動し、高速走行時
には車両本体に格納され、また必要時には直ちに使用で
きかつ車輪を出した際の衝撃を吸収できる構造が求めら
れている。

【０００５】また、磁気浮上車両が停止中または低速走
行中の磁気による左右案内が十分でなく方向性が乱され
る場合、これに代わって機械的に案内するためにガイド
ウェイ側壁に接触回転する案内脚装置が車両の両側に設
けてある。これも高速走行時には車両本体に格納され、
また必要時には直ちに使用できかつ車輪を出した際の衝
撃を吸収できる構造が求められている。

【０００６】磁気浮上車両の補助車輪の支持脚装置とし
て、特開昭６３−２１２１６５号公報には、補助車輪を
トレーリングアームにて支持し、このアームにダンパー
を設けて衝撃吸収する構造となし、さらにダンパーの支
点側に揚程シリンダを設けて、ダンパーとアームを引上
げて車輪を格納可能となしている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上述の補助車輪用脚機
構は、揚程シリンダ、緩衝装置、トレーリングアームか
ら構成され、取り付けスペースは大きくなると同時に部
品点数及び取り付け、軸支箇所が多いため、メンテナン
スに多くの時間が必要であった。

【０００８】この発明は、補助車輪の支持脚装置並びに
案内脚装置に使用できる脚装置に求められる本来の機能
を十分発揮し、さらに乗り心地がすぐれかつ構造が簡単
で軽量、格納スペースが小さく、メンテナンスが容易な
構成からなる磁気浮上車両用脚装置の提供を目的として
いる。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この発明は、台車に枢着
したトレーリングアーム先端に車輪を軸支し、該アーム
の枢軸部上方の台車にベルクランクの枢軸部を軸支し、
ベルクランクの一方と車輪の軸支部間に内部ロック機構
を備えた伸縮型の揚降アクチュエーターを配置し、ベル
クランクの他方と該アームの枢軸部間にダンパーを同軸
に内蔵したコイルスプリングを配置したことを特徴とす
る磁気浮上車両用脚装である。

【００１０】

【作用】この発明による磁気浮上車両用脚装置は、トレ
ーリングアームで懸架された車輪の軸支部をベルクラン
クの一方端間に設けた伸縮型の揚降アクチュエーターで
揚降可能にするとともに、ベルクランクの他方端と該ア
ームの枢軸部間にダンパーを同軸に内蔵したコイルスプ
リングを配置して、車輪の下降作動時の衝撃吸収をロッ
クした揚降アクチュエーターとベルクランクを介して行
う構成により、すぐれた乗り心地を実現し、台車への枢
軸点が僅か２点と構造が簡単で部品点数が少なく、メン
テナンスの容易化が図られ、またベルクランクを用いて
コイルスプリングをコンパクトにまとめたことにより、
重量の軽減、格納スペースの削減を達成している。ま
た、この発明の脚装置は、上記の構成並びに作用効果を
有するため、支持脚装置あるいは案内脚装置のいずれに
も使用できる。

【００１１】

【実施例】図１はこの発明による磁気浮上車両用支持脚
装置を車両側面から見た説明図である。この発明による
支持脚装置は、トレーリングアーム２、ベルクランク
５、揚降アクチュエーター７、油圧ダンパー１０を内蔵
したコイルスプリング８とから構成される。

【００１２】車輪１はトレーリングアーム２の先端に設
けた軸支部３にて軸支され、トレーリングアーム２は枢
軸部４が図示しない車両台車の所要箇所に枢着される。
また、トレーリングアーム２の枢軸部４の垂直上方の車
両台車の所要箇所には、ベルクランク５の枢軸部６を軸
支してある。このベルクランク５の一方端と車輪１の軸
支部３間には、内部ロック機構を備えた油圧伸縮型の揚
降アクチュエーター７を配置してある。ベルクランク５
の他方端とトレーリングアーム２の枢軸部４との間に
は、ブラケット９，９を介してコイルスプリング８が配
置され、コイルスプリング８内には油圧ダンパー１０を
同軸に内蔵してある。

【００１３】かかる構成において、車輪１の下降は揚降
アクチュエーター７を伸長させることにより行い、トレ
ーリングアーム２がその枢軸部４を中心にしてスイング
して所要位置まで下降させると揚降アクチュエーター７
に内蔵した内部ロックが作動して後述のごとく単にロッ
ドとして機能する。車輪１を格納するには、揚降アクチ
ュエーター７の前記内部ロックを解除した後、アクチュ
エータを収縮させることにより、トレーリングアーム２
がその枢軸部４を中心にしてスイングして所要位置まで
上昇して完了し、内蔵または外部の油圧ロックにて格納
位置を維持する。

【００１４】車輪１を下降させて揚降アクチュエーター
７の内部ロックを作動させることにより、揚降アクチュ
エーター７は単にロッドとして機能して、車輪１の受け
る衝撃はベルクランク５を介してブラケット９，９間の
コイルスプリング８及び油圧ダンパー１０に伝達され
て、すぐれた衝撃吸収力を発揮して良い乗り心地を提供
できる。

【００１５】

【発明の効果】この発明による脚装置は、実施例に示す
如く、トレーリングアームで懸架された車輪の軸支部と
アームの上方に配置したベルクランクの一方端と間に設
けた揚降アクチュエーターで揚降可能にするとともに、
ベルクランクの他方端と該アームの枢軸部間にダンパー
内蔵のコイルスプリングを配置して緩衝支持したことに
より、台車への枢軸点が僅か２点と構造が簡単で部品点
数が少なく、メンテナンスが容易であり、また装置重量
が軽く、格納スペースも少なくなる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明による磁気浮上車両用支持脚装置を車
両側面から見た説明図である。

【符号の説明】

１ 車輪 ２ トレーリングアーム ３ 軸支部 ４ 枢軸部 ５ ベルクランク ６ 枢軸部 ７ 揚降アクチュエーター ８ コイルスプリング ９ ブラケット １０ 油圧ダンパー

フロントページの続き (72)発明者 岩本 文雄 兵庫県尼崎市扶桑町１番10号 住友精密工 業株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 台車に枢着したトレーリングアーム先端
   に車輪を軸支し、該アームの枢軸部上方の台車にベルク
   ランクの枢軸部を軸支し、ベルクランクの一方と車輪の
   軸支部間に内部ロック機構を備えた伸縮型の揚降アクチ
   ュエーターを配置し、ベルクランクの他方と該アームの
   枢軸部間にダンパーを同軸に内蔵したコイルスプリング
   を配置したことを特徴とする磁気浮上車両用脚装置。