JP2922746B2 - 磁気浮上車両用脚装置 - Google Patents

磁気浮上車両用脚装置

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JP2922746B2
JP2922746B2 JP5092343A JP9234393A JP2922746B2 JP 2922746 B2 JP2922746 B2 JP 2922746B2 JP 5092343 A JP5092343 A JP 5092343A JP 9234393 A JP9234393 A JP 9234393A JP 2922746 B2 JP2922746 B2 JP 2922746B2
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雅芳 阿座上
秀行 滝澤
文雄 岩本
昭二 岩井
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  • Control Of Vehicles With Linear Motors And Vehicles That Are Magnetically Levitated (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、磁気浮上車両の支持
車輪を昇降自在にするための支持脚装置(以下脚装置と
いう)の改良に係り、スイングアームに装着した支持車
輪を一方が板ばね他方が揚降レバーからなるベルクラン
ク状懸架部材を介して揚降アクチュエーターで位置決め
懸架して、枢軸部でスイングアームと同軸配置した板ば
ねで緩衝支持して乗心地の向上を図り、内部ロック付き
揚降アクチュエーターの収縮作用で支持車輪の完全引き
込みを短ストロークで可能にし、構成が簡単な磁気浮上
車両用脚装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気浮上車両システムは、地上に浮上用
および推進用の地上コイルを配置し、推進用コイルを次
々と励磁して移動磁界を形成して、車両側の電磁石を移
動させるものであり、また、車両側の電磁石が移動する
ことにより、地上の浮上用コイルに誘導電流を発生させ
て、それにより磁気反発させて車両を浮上させるもので
ある。
【0003】しかし、超電導コイルとすることにより、
誘導反発式磁気浮上力はある程度の速度を有する場合に
はじめて車両重量を支えるだけの十分な浮力を発生する
ため、低速度域では支持車輪で車両を支持する必要があ
る。従って、磁気浮上車両の支持車輪は、停止時や所要
の低速度域では乗り心地よく作動し、高速走行時には車
両本体に格納され、また必要時には直ちに使用できかつ
車輪を出した際の衝撃を吸収できる構造が求められてい
る。
【0004】磁気浮上車両の支持車輪として、特開昭6
3−212165号公報には、支持車輪をトレーリング
アームにて支持し、このアームにダンパーを設けて衝撃
吸収する構造となし、さらにダンパーの支点側に揚程シ
リンダを設けて、ダンパーとアームを引上げて車輪を格
納可能となしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記支持車輪の構成
は、車輪を出した際の衝撃をトレーリングアームのダン
パーで吸収するが、このダンパーは主にオイル・エアー
式であり、ピストンにオイル又はエアーの漏洩防止にパ
ッキンシールを使用しているため、ピストン作動時には
シールによる摩擦が大きくなり、乗り心地の向上がこれ
以上望めないものであった。
【0006】また、磁気浮上車両はその停止時に乗客の
乗降があり、所定のプラットホーム高さに車両高さを合
わせて支持車輪の脚装置が設定されるが、例えば設計製
造後の車両重量の変更、乗客の増減等で車両高さの変更
が生じた場合、これに容易に対応できる脚装置が求めら
れる。
【0007】この発明は、磁気浮上車両の低速用支持車
輪を支持する脚装置の改良を目的とし、支持車輪に求め
られる本来の機能を十分発揮して乗り心地がすぐれ、さ
らに、車輪の引上げ格納時にアクチュエータが短ストロ
ークで作動可能で狭い格納スペースでの車輪の揚降が可
能で、かつ車高調整装置の付設が可能な構成からなる磁
気浮上車両用脚装置の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、一方が板ば
ね、他方が揚降レバーからなるベルクランク状懸架部材
を枢軸部で脚格納室の支持壁へ軸支し、車輪を装着する
ための車輪軸支部を設けたスイングアームを前記枢軸部
で同軸配置し、板ばねとスイングアームの非軸支側先端
をリンク接続し、揚降レバーとその先端に固着した接続
レバー部材とで屈曲型レバーと構成してなる当該接続レ
バー部材先端と、前記支持壁の枢軸部上方にある脚格納
室角部近傍との間に、最伸長時に作動する内部ロック付
き揚降アクチュエーターを軸支接続し、車輪を揚降可能
にしたことを特徴とする磁気浮上車両用脚装置である。
【0009】
【作用】この発明による磁気浮上車両用脚装置は、支持
車輪を台車の脚格納室の支持壁に水平方向に枢軸部で軸
支したスイングアームに取り付け、スイングアームと同
軸配置した一方が板ばね他方が揚降レバーからなるベル
クランク状懸架部材の揚降レバーに接続レバー部材を固
着し、両者で屈曲型のレバーを構成させて接続レバー部
材先端に、内部ロック付き揚降アクチュエーターを接続
して位置決め懸架し、スイングアームの非軸支側先端を
板ばね先端とリンク接続して、板ばねのみで緩衝支持し
て乗心地の向上を図り、伸長時に作動する内部ロック付
き揚降アクチュエーターのロック解除後の収縮作用で支
持車輪の完全引き込みを短ストロークで実現している。
【0010】また、車両速度が高速から低速へと変化し
て車輪を出した際の衝撃は、揚降アクチュエータで位置
決めされたのち、スイングアームの動きがリンクを介し
て板ばねで吸収されるため、従来のダンパーの如き動作
時摩擦力がなく、乗り心地が向上する。
【0011】スイングアームに装着された支持車輪は、
スイングアームと同軸配置した一方が板ばね他方が揚降
レバーからなるベルクランク状懸架部材の板ばねとスイ
ングアーム、揚降レバーと接続レバー部材を介して揚降
アクチュエーターとが接続されて位置決め懸架される構
成であり、ベルクランク状懸架部材の揚降レバーに実質
的に直接接続される揚降アクチュエーターの上端位置を
上下方向、すなわち脚格納室の支持壁の上下方向に変え
る構成、例えば、ベルクランク回動角度に応じて上下方
向に変える構成、あるいは実施例で示す如く積層ワッシ
ャの厚みを変えて実質的なアクチュエーター長さを変え
て揚降アクチュエーターの上端位置を上下方向に変える
構成などを採用することにより、車輪高さを可変となし
て車両の車高調整を実現できる
【0012】
【実施例】図1と図2はこの発明による磁気浮上車両用
脚装置の構成を示す説明図であり、図1は車両側面から
見た説明図、図2は車両前方から見た説明図である。こ
の発明による脚装置は、車輪1を軸支する軸支部2を中
央部に設けて、脚格納室の支持壁3にブラケット4の枢
軸部(図示せず)で軸支されたスイングアーム5と、同
枢軸部に同軸配置された一方が板ばね6、他方が揚降レ
バー7からなるベルクランク状懸架部材8と、上端が
格納室の台車側支持壁3にブラケット9で軸支され、
下端が接続レバー部材10を介して揚降レバー7に接続
された揚降アクチュエータ12より構成されている。ま
た、図示のごとく、揚降レバー7とこれに固着される接
続レバー部材10は、両者で屈曲型レバーを構成してい
る。
【0013】この発明による脚装置は、スイングアーム
5の他方端と板ばね6の他方端とがリンク11にて枢軸
接続してあり、スイングアーム5に装着された車輪1を
ベルクランク状懸架部材8を介在させて内部ロック付き
揚降アクチュエータ12で位置決め懸架して、板ばね6
で緩衝支持する構成からなる。また、揚降アクチュエー
タ12は内部ロック付き油圧シリンダからなり、バレル
13内に嵌入するピストンロッド16の嵌入先端部には
ロックピストンおよびロックセグメントが装着され、ピ
ストンロッド16の最伸長時に内部ロックが作動する構
成である。さらに、ピストンロッド16は金属ベローズ
17にて保護されている。
【0014】揚降アクチュエータ12のバレル13は上
端が脚格納室の台車側支持壁3にブラケット9で軸支
されるが、バレル13の上端部はそのバレル本体とブラ
ケット9に軸支するための軸支部14が分離されてフラ
ンジ部14aを形成し、バレル13の本体側のフランジ
部13aとの間に、所要厚みになるようにワッシャを積
層した積層ワッシャ15を挟み、両フランジ部13a,
14aをボルトで締着する構成からなる。従って、積層
ワッシャ15の厚みを変えることにより、揚降アクチュ
エータ12の実質的な長さを変えて、軸支上端位置を上
下方向に変えるのと同様の作用で、車輪高さを可変とな
している。
【0015】以上の構成からなるこの発明の脚装置は、
まず、バレル13上端側に圧油を供給して揚降アクチュ
エーター12のピストンロッド16を伸長させることに
より、脚出しができ、その最伸長時に内部ロックが作動
して図1に図示する如く、スイングアーム5が水平位置
になり脚出しを完了する。逆に格納は車軸側に圧油を供
給して内部ロックを解除してピストンロッド16を収縮
させることにより、車輪1を完全収納でき、車輪1の揚
降が容易にかつ確実にできる。なお、格納時のロックは
図示しない外部の油圧ロックにて行う。
【0016】車輪1をスイングアーム5とその先端をリ
ンク11にて一方が板ばね6、他方が揚降レバー7から
なるベルクランク状懸架部材8と接続して揚降アクチュ
エーター5で位置決め懸架して、リンク11を介して板
ばね6でスイングアーム5の揺動を緩衝支持する構成に
より、車両速度が高速から低速へと変化して車輪を出し
た際の衝撃を、柔軟な板ばね6で吸収でき、すぐれた衝
撃吸収能力を発揮して乗り心地が向上する。
【0017】
【発明の効果】この発明による脚装置は、実施例に示す
如く、スイングアーム5に装着した車輪1をベルクラン
ク状懸架部材8を介して傾斜させた揚降アクチュエータ
12で位置決め懸架して、板ばね6で緩衝支持する構成
により、車輪の揚降が揚降アクチュエータのストローク
のみであるため、揚降が容易かつ確実で収納スペースを
極めて小さくでき、またすぐれた衝撃吸収能力を発揮し
て乗り心地が向上する。
【0018】さらに、この発明による脚装置は、その台
車側支持点が実施例に示す如く、最小としており、台車
全体で見ると重量軽減が可能である。また、この発明の
脚装置の懸架主体は、スイングアームと板ばね、油圧シ
リンダのみであるため、強い磁場中での使用と軽量化を
考慮し、例えばその材質をスイングアーム及び板ばねに
チタン材、その他の構成部材にアルミニウム合金などを
選択することにより脚装置全体の軽量化が実現できる。
【0019】また、この発明による脚装置は構成が簡単
な上、揚降アクチュエーターの実質的な長さを変える構
成を採用しており、車両の車高調整を可能にし、車両重
量に変動があっても、その変動に伴い車高を最適高さに
調整可能であるため、乗客の乗り降りに支障を来たすこ
とがない。特に、1つの台車につきに4つの脚装置を装
着した際の各脚装置の荷重負担が異なる場合、台車を水
平にすることが必要になるが、この発明の脚装置ではか
かる車高調整が極めて容易になる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による磁気浮上車両用脚装置の構成を
車両側面から見た説明図である。
【図2】この発明による磁気浮上車両用脚装置の構成を
車両前方から見た説明図である。
【符号の説明】
1 車輪 2 軸支部 3 台車側支持壁 4,9 ブラケット 5 スイングアーム 6 板ばね 7 揚降レバー 8 ベルクランク状懸架部材 10 接続レバー部材 11 リンク 12 揚降アクチュエータ 13 バレル 13a,14a フランジ部 14 軸支部 15 積層ワッシャ 16 ピストンロッド 17 金属ベローズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝澤 秀行 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財 団法人 鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 岩本 文雄 兵庫県尼崎市扶桑町1番10号 住友精密 工業株式会社内 (72)発明者 岩井 昭二 兵庫県尼崎市扶桑町1番10号 住友精密 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−185573(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方が板ばね、他方が揚降レバーからな
    るベルクランク状懸架部材を枢軸部で脚格納室の支持壁
    へ軸支し、車輪を装着するための車輪軸支部を設けたス
    イングアームを前記枢軸部で同軸配置し、板ばねとスイ
    ングアームの非軸支側先端をリンク接続し、揚降レバー
    とその先端に固着した接続レバー部材とで屈曲型レバー
    構成してなる当該接続レバー部材先端と、前記支持壁
    の枢軸部上方にある脚格納室角部近傍との間に、最伸長
    時に作動する内部ロック付き揚降アクチュエーターを軸
    支接続し、車輪を揚降可能にしたことを特徴とする磁気
    浮上車両用脚装置。
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