JPH0522732Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は天井板に設けた開口部に挿入装着され
る状態と、天井壁より吊り下げ支持される状態と
の異なる取付固定状態に対応できるダクト用換気
扇に関する。

(ロ) 従来の技術 本考案に先行する技術として実公昭60−27858
号公報に記載のダクト用換気扇がある。ダクト用
換気扇は縦板部及びこれの上端から略水平に延び
る横板部が天井裏に挿入され横板部が天井壁に固
定された吊り具に取着される取付板と、この取付
板の縦板部に設けられダクトに接続される継手パ
イプと、一側部に通気口を形成し天井板に設けら
れた開口部から天井裏に挿入されて一側部が縦板
部と対接して通気口が継手パイプと連通するよう
取付板に着脱可能に取付けられる換気扇本体とを
具備したものである。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 従来の技術において吊り具にて取付板が吊り下
げ支持されその結果として換気扇本体を天井壁よ
り吊下支持しているもので、換気扇本体を直接吊
下支持する場合に比べて吊り具による支持である
安定支持の効果が半減し、取付板と換気扇本体と
の連結を確実に行なう必要がある。また取付板が
Ｌ型となり構造が複雑化するものでもある。

本考案は従来の技術の欠点に鑑みなされたもの
で、天井壁からの吊下体による支持と、天井板の
開口部への支持とにおける工事の手順が異なる点
に着目して、構造の簡略化と取付性の向上とを図
つたダクト用換気扇を提供することをその技術的
課題とするものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は天井板に形成した開口部より天井裏内
に挿入装着される換気扇本体と、換気扇本体の通
気口と連通するダクト接続用継手パイプを有する
取付板と、取付板の上端部に形成した係合部への
係止と天井壁より垂下する吊下体の取付けとを兼
用し、換気扇本体の２位置に適宜装着する一対の
金具とを備えたことにより上記問題点を解決した
ものである。

(ホ) 作用 本考案は換気扇本体の２位置に一対の金具を適
宜変更して装着することで、金具を取付板の係合
部への係止板としての作用と、天井壁より垂下す
る吊下体の取付板としての作用とを行なわせるも
のである。

(ヘ) 実施例 図示する実施例に基づき本考案を説明する。

第１図はダクト用換気扇１を天井板２に形成し
た開口部３に装着した断面図である。開口部３は
木枠にて形成されている。換気扇１は開口部３の
一側内面に装着される取付板４と、電動機５と送
風羽根６等を内装した換気扇本体７と、換気扇本
体７の下面吸気開口を被う吸気化粧パネル８とを
備えている。換気扇本体７の下面吸気開口には取
付鍔部９を取付板４と接する側面を除く少なくと
も３つの側面の下端部に形成し、各取付鍔部９を
開口部３の下面に螺子１０にて固定して取り付け
る。換気扇本体７の一側壁には排気口１１を形成
している。換気扇本体７の排気口１１を形成した
一側壁に近接する上壁縁部には一対の金具１２を
螺子１３にて取付けるための螺子穴１４を形成
し、一側壁に近接する両側壁中央上縁部には一対
の金具１２を螺子１３にて取り付けるための螺子
穴１５を形成している。

金具１２は第４図に示す斜視図の構造となつて
おり、第１図及び第３図に示す螺子穴１４に取り
付けた使用と第５図に示す螺子穴１５に取り付け
た使用として使い分けられる。金具１２は螺子１
３が挿通する透孔１６を形成した換気扇本体７へ
の取付片部１７と、天井壁より垂下する吊下体１
８の接続片部１９と、取付片部１７と接続片部１
９とを連結する傾斜部２０とを備えている。取付
片部１７と接続片部１９とは直交するように配設
され、螺子穴１４に取付片部１７を固定すると接
続片部１９は垂直に位置し、螺子穴１５に取付片
部１７を固定すると接続片部１９は水平に位置す
る。傾斜部２０は略45度の角度に形成される。接
続片部１９への吊下体１８の接続は接続片部１９
の透孔２１に吊下体１８の下端螺子部を挿入し２
個のナツトで接続片部１９を挟持するようにして
行なわれる。

取付板４は下端取付鍔部２２を螺子２３にて開
口部３に固定して天井裏内に突出設置される。取
付板４には換気扇本体７の排気口１１に合致する
開口２４を形成し、開口２４周縁部にダクト接続
用継手パイプ２５が固定される。継手パイプ２５
の取付板４への固定は螺子溶接等にて行なわれ
る。取付板４の上端部には鍔部２６を形成し、金
具１２が係止される穴状係合部２７を形成してい
る。

まず天井板２に形成した開口部３にダクト用換
気扇１を取り付ける時は第１図と第２図と第３図
に示す如く行う。金具１２を換気扇本体７の螺子
穴１４に固定し係止板として作用するようにす
る。取付板４を開口部３に螺子２３にて第２図の
如く固定し、継手パイプ２５にダクト２８を接続
する。その後換気扇本体７を開口部３に挿入して
鍔部９を螺子１０にて固定し取り付けを完了す
る。この時換気扇本体７と取付板４とはできる限
り密着して取り付けるのがよく本実施例では金具
１２の傾斜部２０にて密着する方向に案内するよ
うにしている。さらに密着性を良くするために取
付板４と換気扇本体７との間にパツキンを介在さ
せてもよい。この取り付けは天井板２を張つた後
に取り付けることが多い一般住宅や換気扇を増設
する場合に最も有効な取り付け方である。

次に天井壁より垂下する吊下体１８にてダクト
用換気扇１を吊り下げて取り付ける時は第５図に
示す如く行う。この取り付け方は吊下体１８を天
井壁より垂下することから新築時等に多く行なわ
れ天井板２がまだ張られていない状態で行なわ
れ、天井裏へのダクト用換気扇１の取り付につい
ては開口部３の大きさに対し考慮する必要がな
い。そこで金具１２を換気扇本体７の螺子穴１５
に固定して吊下体１８の取付板として作用するよ
うにする。また取付板４は螺子２９にて換気扇本
体７に固定する。ダクト用換気扇１の吸気化粧パ
ネル８を外した状態の組立換気扇構成体を天井裏
となる空間に位置させあらかじめ形成されている
吊下体１８にて金具１２を介して吊り下げ取り付
けする。その後ダクト２８を継手パイプ２５に接
続し開口部３を形成するように天井板２を張る。

なお本考案は前述の実施例に限定されるもので
はなく構成目的作用効果を逸脱しない範囲におい
て種々実施できるものである。ダクト接続用継手
パイプ２５を装着した取付板４を連結する換気扇
本体７の通気口は排気口１１に限定されず他室の
空気を吸気するための吸気口であつてもよく、他
室の空気をダクトを介して単一の換気扇本体７に
て排気する場合には排気用ダクトを接続するため
の取付板と吸気用ダクトを接続するための取付板
とを必要とすることになり、この場合においても
金具１２が一対あることから取付板に対しての係
止には十分に対応できるものである。金具１２の
形状についても取付片部１７と接続片部１９とが
あればよいのであり、単なるＬ型であつてもよい
し係合部２７に弾性係合する如く接続片部１９に
湾曲する半円筒状突部を形成してもよい。

(ト) 考案の効果 本考案は金具を換気扇本体の２位置に適宜取り
替えて装着できるようにしたことで、天井板の開
口部への挿入装着と天井壁より垂下する吊下体に
よる吊り下げ装着とに容易に対応でき個々の取り
付けにおいて確実な安定した支持が行なえる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図は
天井板の開口部への取付状態の断面図、第２図は
取付板取付状態の断面図、第３図は斜視図、第４
図は金具の斜視図、第５図は吊下体による取付状
態の斜視図である。 １……ダクト用換気扇、２……天井板、３……
開口部、４……取付板、７……換気扇本体、１１
……排気口（通気口）、１２……金具、２５……
継手パイプ、２７……係合部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天井板に形成した開口部より天井裏内に挿入装
   着される換気扇本体と、換気扇本体の通気口と連
   通するダクト接続用継手パイプを有する取付板
   と、取付板の上端部に形成した係合部への係止と
   天井壁より垂下する吊下体の取付けとを兼用し、
   換気扇本体の２位置に適宜装着する一対の金具と
   を備えてなるダクト用換気扇。