JPH05222216A - 金属板貼合せ加工用ポリエステルフイルム - Google Patents

金属板貼合せ加工用ポリエステルフイルム

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JPH05222216A
JPH05222216A JP4057191A JP5719192A JPH05222216A JP H05222216 A JPH05222216 A JP H05222216A JP 4057191 A JP4057191 A JP 4057191A JP 5719192 A JP5719192 A JP 5719192A JP H05222216 A JPH05222216 A JP H05222216A
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lubricant
polybutylene terephthalate
less
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欣治 長谷川
Takeo Asai
武夫 浅井
Yoji Murakami
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属板と貼合せて絞り加工等の製缶加工性に
優れ、かつ耐熱性、耐衝撃性及び保香性に優れた金属缶
を製造するのに有用な加工用ポリエステルフイルムを提
供する。 【構成】 ポリエチレンテレフタレートを主体とする融
点が210〜245℃の共重合ポリエステル99〜60
重量%と、ポリブチレンテレフタレート又はポリブチレ
ンテレフタレートを主体とする融点が180〜223℃
の共重合ポリエステル1〜40重量%とからなり、平均
粒径が2.5μm以下の滑剤を含有し、面配向係数が
0.08〜0.16、150℃での熱収縮率が10%以
下、密度が1.385g/cm3 未満であり、かつフイ
ルム表面の突起が下記式を満足することを特徴とする金
属板貼合せ加工用ポリエステルフイルム。 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属板貼合せ加工用ポリ
エステルフイルムに関し、更に詳しくは金属板と貼合せ
て絞り加工等の製缶加工をする際優れた成形加工性を示
し、かつ耐熱性及び保香性に優れた金属缶例えば飲料
缶、食品缶等を製造し得る金属板貼合せ加工用ポリエス
テルフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】金属缶には内外面の腐蝕防止として一般
に塗装が施されているが、最近、工程簡素化、衛生性向
上、公害防止等の目的で、有機溶剤を使用せずに防錆性
を得る方法の開発が進められ、その一つとして熱可塑性
樹脂フイルムによる被覆が試みられている。すなわち、
ブリキ、ティンフリースチール、アルミニウム等の金属
板に熱可塑性樹脂フイルムをラミネートした後、絞り加
工等により製缶する方法の検討が進められている。この
熱可塑性樹脂フイルムとしてポリオレフィンフイルムや
ポリアミドフイルムが試みられたが、成形加工性、耐熱
性、保香性の全てを満足するものでない。
【0003】一方、ポリエステルフイルム、特にポリエ
チレンテレフタレートフイルムがバランスのとれた特性
を有するとして注目され、これをベースとしたいくつか
の提案がされている。すなわち、 (A)二軸配向ポリエチレンテレフタレートフイルムを
低融点ポリエステルの接着層を介して金属にラミネート
し、製缶材料として用いる(特開昭56―10451
号、特開平1―192546号)。 (B)非晶性もしくは極めて低結晶性の芳香族ポリエス
テルフイルムを金属板にラミネートし、製缶材料として
用いる(特開平1―192545号、特開平2―573
39号)。 (C)低配向で、熱固定された二軸配向ポリエチレンテ
レフタレートフイルムを金属板にラミネートし、製缶材
料として用いる(特開昭64―22530号)。 (D)特定の面配向係数、熱収縮率、密度を有する共重
合ポリエステルフイルムを金属板にラミネートし、製缶
材料として用いる(特開平3―86729号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者らの
検討では、いずれも充分な特性が得られず、それぞれ次
の問題のあることが明らかとなった。
【0005】(A)については、二軸配向ポリエチレン
テレフタレートフイルムは耐熱性、保香性に優れるが、
成形加工性が不充分であり、大きな変形を伴う製缶加工
ではフイルムの白化(微小クラックの発生)、破断が発
生する。
【0006】(B)については、非晶性もしくは極めて
低結晶性の芳香族ポリエステルフイルムであるため成形
加工性は良好であるが、保香性が劣り、また製缶後の印
刷、レトルト殺菌処理等の後処理、更には長期の保存に
より脆化しやすく、缶外部からの衝撃により割れ易いフ
イルムに変質する恐れがある。
【0007】(C)については、上記(A)と(B)の
中間領域で効果を発揮せんとするものであるが、未だ製
缶加工に適用可能な低配向には達しておらず、またフイ
ルム面の等方性が保障されないので、製缶加工(深絞り
加工)のように全方位の変形が行われる場合、フイルム
の特定方向において成形加工性が不充分となることがあ
る。
【0008】(D)については、特に内圧の加わる缶に
用いる場合、缶外部からの衝撃によりフイルムが割れ易
く、優れた品質の缶が得られないことがある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、さらにこ
れらの問題のない製缶加工用ポリエステルフイルムを開
発すべく鋭意研究した結果、本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明はポリエチレンテレフタ
レートを主体とする融点が210〜245℃の共重合ポ
リエステル99〜60重量%と、ポリブチレンテレフタ
レート又はポリブチレンテレフタレートを主体とする融
点が180〜223℃の共重合ポリエステル1〜40重
量%とからなり、平均粒径が2.5μm以下の滑剤を含
有し、面配向係数が0.08〜0.16、150℃での
熱収縮率が10%以下、密度が1.385g/cm3
満であり、かつフイルム表面の突起が下記式を満足する
ことを特徴とする金属板貼合せ加工用ポリエステルフイ
ルムである。
【0011】
【数2】
【0012】本発明において用いられるポリエチレンテ
レフタレートを主体とする共重合ポリエステルについて
は、その共重合成分は酸成分でもアルコール成分でも良
い。該酸成分としてはイソフタル酸、フタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸等の如き芳香族二塩基酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等
の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン
酸の如き脂環族ジカルボン酸等が例示でき、またアルコ
ール成分としてはブタンジオール、ヘキサンジオール等
の如き脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノールの
如き脂環族ジオール等が例示できる。これらは単独また
は二種以上を使用することができる。
【0013】共重合成分の割合は、その種類にもよるが
結果としてポリマー融点が210〜245℃、好ましく
は215〜240℃、更に好ましくは220〜235℃
の範囲になる割合である。ポリマー融点が210℃未満
では耐熱性が劣る為、製缶後の印刷における加熱に耐え
られない。一方、ポリマー融点が245℃を越えると、
ポリマーの結晶性が大きすぎて成形加工性が損われる。
【0014】一方、本発明において用いられるポリブチ
レンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステルに
ついてもその共重合成分は酸成分でもアルコール成分で
もよい。該酸成分としてはイソフタル酸、フタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸等の如き芳香族二塩基酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸
等の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボ
ン酸の如き脂環族ジカルボン酸等が例示でき、またアル
コール成分としてはエチレングリコール、ヘキサンジオ
ール等の如き脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノ
ールの如き脂環族ジオール等が例示できる。これらは単
独または二種以上を使用することができる。
【0015】共重合成分の割合は、その種類にもよるが
結果としてポリマー融点が180〜223℃、好ましく
は200〜223℃、更に好ましくは210〜223℃
の範囲になる割合である。ポリマー融点が180℃未満
では耐熱性が劣る為、製缶後の印刷における加熱に耐え
られない。なお、ポリブチレンテレフタレートホモポリ
マーの融点は223℃であり、これよりも融点の高い共
重合ポリエステルを得るのは困難である。
【0016】ここで、共重合ポリエステルの融点測定
は、Du Pont Instruments 910
DSCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求
める方法による。なおサンプル量は約20mgとする。
【0017】本発明において用いられるポリエチレンテ
レフタレートを主体とする共重合ポリエステル、及びポ
リブチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレ
ートを主体とする共重合ポリエステルは、その製法によ
って限定されることはない。例えば、ポリエチレンテレ
フタレートを主体とする共重合ポリエステルの場合は、
テレフタル酸、エチレングリコール及び共重合成分をエ
ステル化反応させ、次いで得られる反応生成物を重縮合
反応させて共重合ポリエステルとする方法、或はジメチ
ルテレフタレート、エチレングリコール及び共重合成分
をエステル交換反応させ、次いで得られる反応生成物を
重縮合反応させて共重合ポリエステルとする方法、が好
ましく用いられる。各共重合ポリエステル及びポリブチ
レンテレフタレートの製造においては、必要に応じ、他
の添加剤例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、
帯電防止剤等も添加することができる。
【0018】本発明のポリエステルフイルムは、ポリエ
チレンテレフタレートを主体とする融点が210〜24
5℃の共重合ポリエステル99〜60重量%と、ポリブ
チレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレート
を主体とする融点が180〜223℃の共重合ポリエス
テル1〜40重量%からなることが必要である。ポリブ
チレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレート
を主体とする共重合ポリエステルが1重量%未満で、ポ
リエチレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエス
テルが99重量%を超えるフイルムでは、特に内圧の加
わる缶に用いた場合、缶外部からの衝撃により割れ易
く、優れた品質の缶が得られない。また、ポリブチレン
テレフタレート又はポリブチレンテレフタレートを主体
とする共重合ポリエステルが40重量%を超え、ポリエ
チレンテレフタレート共重合ポリエステルが60重量%
未満の場合は、フイルムの耐熱性が低下し、耐衝撃性も
不充分となる。
【0019】更に、本発明のポリエステルフイルムは、
平均粒径が2.5μm以下の滑剤を含有する。この滑剤
は無機、有機系を問わないが、無機系が好ましい。無機
系滑剤としては、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、炭
酸カルシウム、硫酸バリウム等が例示でき、有機系滑剤
としては架橋ポリスチレン粒子、シリコーン粒子等が例
示できる。いずれも平均粒径が2.5μm以下であるこ
とを要する。滑剤の平均粒径が2.5μmを超える場合
は、深絞り製缶等の加工により変形した部分の、粗大滑
剤粒子(例えば10μm以上の粒子)が起点となり、ピ
ンホールを生じたり、場合によっては破断するので、好
ましくない。
【0020】また、耐ピンホール性の点で好ましい滑剤
は、平均粒径が2.5μm以下であると共に、粒径比
(長径/短径)が1.0〜1.2である単分散の滑剤で
ある。このような滑剤としては、真球状シリカ、真球状
酸化タチン、真球状ジルコニウム、真球状シリコーン粒
子等が例示できる。
【0021】ここで、球状単分散の滑剤の平均粒径及び
粒径比は、先ず粒子表面に金属を蒸着してのち電子顕微
鏡にて例えば1万〜3万倍に拡大した像から、長径、短
径及び面積円相当径を求め、次いでこれらを次式にあて
はめることによって、算出される。
【0022】平均粒径=測定粒子の面積円相当径の総和
/測定粒子の数 粒径比=粒子の平均長径/該粒子の平均短径
【0023】また、球状滑剤粒子は粒径分布がシャープ
であることが好ましく、分布の急峻度を表わす相対標準
偏差が0.5以下、更には0.3以下であることが好ま
しい。この相対標準偏差は次式で表わされる。
【0024】
【数3】
【0025】ポリエステルフイルム中の滑剤の量は、フ
イルム製造工程における巻取性によって決めるとよい。
一般に粒径の大なるものは少量、小なるものは多量添加
するのが好ましい。例えば、平均粒径2.0μmのシリ
カの場合は0.05重量%、平均粒径0.3μmの二酸
化チタンでは0.3重量%程度添加するのかが好まし
い。また意図的に滑剤の含量を調整することにより、フ
イルムを不透明化することもできる。例えば二酸化チタ
ンを5〜20重量%、好ましくは10〜15重量%添加
することにより、白色のフイルムとすることができる。
【0026】本発明のポリエステルフイルムは、上記し
たポリエチレンテレフタレートを主体とする共重合ポリ
エステルと、ポリブチレンテレフタレート又はポリブチ
レンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステルと
を、それぞれ所定量配合し、溶融押出してフイルム状に
成形し、二軸延伸、熱固定することによって製造するこ
とができる。この際、上記の滑剤例えば球状単分散滑剤
は、ポリエチレンテレフタレート共重合ポリエステルと
ポリブチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタ
レート共重合ポリエステルのいずれか一方又は両方に、
重合時に含有させておいてもよいし、溶融押出時に添加
混合してもよい。
【0027】かくして得られる本発明のポリエステルフ
イルムは、面配向係数が0.08以上、0.16以下、
好ましくは0.09を超え、0.15以下、更に好まし
くは0.10を超え、0.14以下であることが必要で
ある。フイルムの面配向係数が0.08未満では、深絞
り加工の深絞り比が高くなった場合、クラックが入る等
の問題が生ずるので好ましくない。一方、面配向係数が
0.16を超えると、深絞り加工時破断が生じ、深絞り
加工そのものが不可能となる。
【0028】ここで、面配向係数とは、以下の式により
定義されるものである。
【0029】
【数4】
【0030】なお、屈折率は以下のようにして測定す
る。アッベの屈折計の接眼側に偏光板アナライザーを取
り付け、単色光Na D線で、それぞれの屈折率を測定
する。マウント液はヨウ化メチレンを用い、測定温度は
25℃である。
【0031】本発明のポリエステルフイルムは、更に、
150℃での熱収縮率が10%以下、好ましくは7%以
下、特に好ましくは6%以下であり、かつ密度が1.3
85g/cm3 未満、好ましくは1.380〜1.35
0g/cm3 、更に好ましくは1.375〜1.355
g/cm3 であることを要する。
【0032】ここで、熱収縮率は、室温にてサンプルフ
イルムに2点(約10cmの間隔)の標点をつけ、15
0℃の熱風循環型オーブン内に30分間保持し、その後
室温に戻して上記標点の間隔を測定し、150℃での温
度保持前後の差を求め、この差と150℃での温度保持
前の標点間隔とから算出する。そして、フイルムの縦方
向の熱収縮率をもって代表させる。また、密度は密度勾
配管にて測定する。
【0033】ポリエステルの熱収縮率(150℃)が1
0%を超えると、金属板に貼合せた時に寸法収縮が大き
く、フイルムにしわが発生する等の欠点が生じ、好まし
くない。この熱収縮率が10%以下、更には7%以下、
特に6%以下であれば、金属板に貼合せた時、フイルム
にしわが発生する等の欠点が少なくない良好な結果が得
られる。またフイルム密度が1.385g/cm3 を超
えると、深絞り成形性に劣り、フイルムが割れたり、破
れたり、或は破断することが生じ、好ましくない。
【0034】更に、本発明のポリエステルフイルムは、
フイルム表面の滑剤を核として周囲に陥没した窪みを有
する突起の数が、全突起数の10%を越え50%以下、
好ましくは15%を越え45%以下、更に好ましくは2
0%を越え40%以下であることが必要である。この
「滑剤を核として周囲に陥没した窪みを有する突起」
(以下、窪みを有する突起ということがある)は延伸処
理によって形成するものであり、例えば梨地加工による
凹凸形成とは異なる。
【0035】この窪みを有する突起の数が10%未満で
は、製缶時にフイルムが破断したり、製缶後の耐衝撃割
れ性が劣ったフイルムとなる。一方この突起の数が50
%を越えるフイルムは製膜が困難で、第1次の延伸の
時、延伸斑が激しく、二軸延伸製膜したフイルムに段々
状の斑が顕著に現われ、フイルムとして品質の均一性が
損われる。
【0036】この窪みを有する突起の模式図を図1に示
す。図1において(A)は平面図、(B)は断面図であ
る。一方窪みを有しない突起(通常の突起)の模式図を
図2に示す。図2において(A)は平面図、(B)は断
面図である。また、フイルム表面の拡大写真を図3、図
4に示す。図3はフイルム表面の突起が通常の突起から
なるものであり、図4はフイルム表面の突起が通常の突
起と窪みを有する突起とからなるものである。
【0037】上述した面配向係数、熱収縮率(150
℃)、密度及び窪みを有する突起を満足するポリエステ
ルフイルムを得るには、例えば下記の二軸延伸、特に逐
次二軸延伸による方法が用いられるが、本発明のポリエ
ステルフイルムは、この方法によって得られたフイルム
に限定されるものではない。
【0038】まず、ポリエチレンテレフタレートを主体
とする共重合ポリエステルとポリブチレンテレフタレー
ト又はポリブチレンテレフタレートを主体とする共重合
ポリエステルとを所定の割合に配合して溶融し、ダイよ
り吐出してフイルム状に成形し、直ちに急冷して実質的
に非晶質の共重合ポリエステルシートを得る。次にこの
シートをロール加熱、赤外線加熱等で加熱して縦方向に
延伸する。この時、延伸温度を共重合ポリエステルのガ
ラス転移点(Tg)より40〜55℃高い温度とし、延
伸倍率を2.5〜3.5倍とすることが好ましい。横方
向の延伸は、Tgより40℃以上高い温度から始め、共
重合ポリエステルの融点(Tm)より70〜110℃低
い温度まで昇温しながら行うのが好ましい。横延伸の倍
率は2.7〜3.6倍とすることが好ましい。また、熱
固定温度を150〜220℃の範囲でポリマーのTmに
応じフイルム品質を調整すべく選択する。
【0039】以上の製膜条件のうち、延伸温度を高く、
延伸倍率を低くすることにより、上記窪みを有する突起
の数が増加する。同時に二軸延伸フイルムの幅方向物性
差を大きくすることなく、配向を低下せしめ、以後の形
成性に優れたフイルムを得ることができる。
【0040】本発明のポリエステルフイルムは、好まし
くは厚みが6〜75μmである。さらに10〜75μ
m、特に15〜50μmであることが好ましい。厚みが
6μm未満では加工時に破れ等が生じやすくなり、一方
75μmを越えるものは過剰品質であって不経済であ
る。
【0041】本発明のポリエステルフイルムが貼合せら
れる金属板、特に製缶用金属板としては、ブリキ、ティ
ンフリースチール、アルミニウム等の板が適切である。
金属板へのポリエステルフイルムの貼合せは、例えば下
記,の方法で行うことができる。 金属板をフイルムの融点以上に加熱しておいてフイ
ルムを貼合せた後冷却し、金属板に接するフイルムの表
層部(薄層部)を非晶化して密着させる。 フイルムに予め接着剤層をプライマーコートしてお
き、この面と金属板を貼合せる。接着剤層としては公知
の樹脂接着剤、例えばエポキシ系接着剤、エポキシ―エ
ステル系接着剤、アルキッド系接着剤等を用いることが
できる。
【0042】
【実施例】以下実施例を掲げて本発明を更に説明する。
【0043】
【実施例1〜6及び比較例1〜8】平均粒径1.5μm
の球状単分散シリカ(粒径比1.07,相対標準偏差
0.1)を0.1重量%を添加含有し、表1に示す成分
を共重合したポリエチレンテレフタレートを主体とする
共重合ポリエステル(以下、PET共重合ポリエステル
と略記する)とポリブチレンテレフタレート(以下、P
BTと略記する)又は表1に示す成分を共重合したポリ
ブチレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステ
ル(以下、BBT共重合ポリエステルと略記する)とを
表1に示す割合で配合し、280℃で溶融押出し、急冷
固化して未延伸フイルムを得た。
【0044】次いで、この未延伸フイルムを同表を示す
条件で縦延伸、横延伸し、続いて熱固定処理して厚み2
5μmの二軸配向フイルムを得た。
【0045】
【表1】
【0046】このフイルムの面配向係数、熱収縮率、密
度、窪みを有する突起の発生率を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】
【実施例7及び比較例9】実施例5において、表3に示
す滑剤を使用し、その他の条件は実施例5と同様にし
て、二軸配向フイルムを得た。
【0049】
【表3】
【0050】得られた二軸配向フイルムの面配向係数、
熱収縮率、密度、窪みを有する突起の発生率を表4に示
す。
【0051】
【表4】
【0052】
【比較例10,11】実施例3において得られた未延伸
フイルムを表5に示す条件で縦延伸、横延伸し、続いて
熱固定処理して二軸配向フイルムを得た。
【0053】
【表5】
【0054】得られた二軸配向フイルムの面配向係数、
熱収縮率、密度、窪みを有する突起の発生率を表6に示
す。
【0055】
【表6】
【0056】上記実施例1〜7,比較例1〜11で得ら
れた計18種のフイルムを、230℃に加熱した板厚
0.25mmのティンフリースチールの両面に貼合せ、
水冷した後150mm径の円板状に切取り、絞りダイス
とポンチを用いて4段階で深絞り加工し、55mm径の
側面無継目容器(以下、缶と略す)を作成した。
【0057】この缶について以下の観察および試験を行
い、各々下記の標準で評価した。
【0058】(1) ラミネート適性 ○:しわの発生がなくラミネート可能なもの △:ラミネート時幅収縮が著しいもの ×:ラミネート時のしわが発生するもの
【0059】(2) 深絞り加工性―1 ○:内外面ともフイルムに異常なく加工され、缶内外面
のフイルムに白化や破断が認められない △:缶内外面のフイルムの缶上部に白化が認められる ×:缶内外面のフイルムの一部にフイルム破断が認めら
れる
【0060】(3) 深絞り加工性―2 ○:内外面とも異常なく加工され、缶内フイルム面の防
錆性試験(1%NaCl水を缶内に入れ、電極を挿入
し、缶体を陽極にして6Vの電圧をかけた時の電流値を
測定する。以下ERV試験と略す)において0.1mA
以下を示す ×:内外面ともフイルムに異常はないが、ERV試験で
電流値が0.1mA以上であり、通電個所を拡大観察す
るとフイルムに粗大滑剤を起点としたピンホール状の割
れが認められる
【0061】(4) 耐衝撃割れ性 深絞り成形が良好な缶について、水を満注し、各テスト
につき10個ずつを高さ30cmから塩ビタイル床面に
落した後、缶内のERV試験を行った結果、 ○:全10個について0.1mA以下であった △:1〜5個について0.1mA以上であった ×:6個以上について0.1mA以上であったか、ある
いは、落下後既にフイルムのひび割れが認められた
【0062】(5) 耐熱脆化性 深絞り成形が良好であった缶を200℃×5分間、加熱
保持した後、(4)に記した耐衝撃割れ性評価を行った
結果、 ○:全10個について0.1mA以下であった △:1〜5個について0.1mA以上であった ×:6個以上について0.1mA以上であったか、ある
いは、200℃×5分間加熱後、既にフイルムのひび割
れが認められた
【0063】以上5種の評価結果を表7に示す。
【0064】
【表7】
【0065】表7の結果から実施例のフイルムは、ラミ
ネート適性、深絞り加工性、耐衝撃割れ性、耐熱性の全
てに対して優れていることがわかる。
【0066】
【発明の効果】本発明の金属板貼合せ加工用ポリエステ
ルフイルムは、金属板と貼合せた後製缶加工、例えば深
絞り加工して金属缶を成形するにあたり、ラミネート適
性、深絞り加工性、製缶後の耐衝撃性及び耐熱性に優れ
たものであり、金属容器用として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリエステルフイルムであって、粒子
を核としてその周囲に窪みが形成された突起の模式図で
あり、Aは平面図、Bは破断図である。
【図2】従来法で延伸した場合の、粒子の周囲の状況を
示し模式図であり、Aは平面図、Bは断面図である。
【図3】従来のポリエステルフイルムの表面を示す微分
干渉顕微鏡写真(倍率650倍)である。
【図4】本発明のポリエステルフイルムの表面を示す微
分干渉顕微鏡写真(倍率650倍)である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】この窪みを有する突起の模式図を図1に示
す。図1において(A)は平面図、(B)は断面図であ
る。一方窪みを有しない突起(通常の突起)の模式図を
図2に示す。図2において(A)は平面図、(B)は断
面図である。また、フイルム(薄膜)表面の拡大写真を
図3、図4に示す。図3はフイルム(薄膜)表面の突起
が通常の突起からなるものであり、図4はフイルム(薄
膜)表面の突起が通常の突起と窪みを有する突起とから
なるものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】本発明のポリエステルフイルム(薄膜)であっ
て、表面上に形成された粒子を核としてその周囲に窪み
が形成された突起の模式図であり、Aは平面図、Bは破
断図である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】従来のポリエステル薄膜の表面形状を示す微分
干渉顕微鏡写真(倍率650倍)である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】本発明のポリエステル薄膜の表面形状を示す微
分干渉顕微鏡写真(倍率650倍)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 23:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレートを主体とす
    る融点が210〜245℃の共重合ポリエステル99〜
    60重量%と、ポリブチレンテレフタレート又はポリブ
    チレンテレフタレートを主体とする融点が180〜22
    3℃の共重合ポリエステル1〜40重量%とからなり、
    平均粒径が2.5μm以下の滑剤を含有し、面配向係数
    が0.08〜0.16、150℃での熱収縮率が10%
    以下、密度が1.385g/cm3 未満であり、かつフ
    イルム表面の突起が下記式を満足することを特徴とする
    金属板貼合せ加工用ポリエステルフイルム。 【数1】
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