JPH05216179A - ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機及び処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機及び処理方法

Info

Publication number
JPH05216179A
JPH05216179A JP4620692A JP4620692A JPH05216179A JP H05216179 A JPH05216179 A JP H05216179A JP 4620692 A JP4620692 A JP 4620692A JP 4620692 A JP4620692 A JP 4620692A JP H05216179 A JPH05216179 A JP H05216179A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
acid
mol
silver halide
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4620692A
Other languages
English (en)
Inventor
Kyoko Koma
京子 高麗
Hiroaki Kobayashi
弘明 小林
Moeko Hagiwara
茂枝子 萩原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP4620692A priority Critical patent/JPH05216179A/ja
Publication of JPH05216179A publication Critical patent/JPH05216179A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)
  • Photographic Processing Devices Using Wet Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動現像機の異常を防止すること、また低湿
下で色素の褪色が防止でき、安定浴の液保存性、硫化し
にくい処理液が得られ、かつ作業環境が良好である 【構成】 アルデヒド基、−CH(OR1 )(O
2 )、−CH(OR1 )OH基を含む炭素環又は複素
環化合物を含む処理液を使用する自動現像機において、
該自動現像機の接液部材がポリプロピレン系部材ででき
ていることを特徴とする。ポリプロピレン系部材として
は、主としてポリプロピレンの樹脂が用いられ、前記接
液部材としては、フィルター、スクイズブレード、ロー
ラー等である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料用自動現像機及び該自動現像機を用いてハロゲン化
銀写真感光材料を処理する方法に関し、更に詳しくは自
動現像機に設けられている接液部材、例えばフィルター
の変形、目詰まりを防止し、処理後の感光材料の汚れや
傷の発生等を抑えることのできるハロゲン化銀写真感光
材料用自動現像機及び該自動現像機を用いたハロゲン化
銀写真感光材料の処理方法に関する。
【0002】
【発明の背景】一般にハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、画像露光の後、発色現像処理し、漂白、定着又は漂
白定着処理の如く定着能を有する処理を施し、次いで水
洗、安定等の処理工程で処理される。
【0003】なかでも、ハロゲン化銀が沃臭化銀である
写真感光材料に代表される撮影用カラー写真感光材料を
処理する際は、水洗浴につづく最終処理工程にホルムア
ルデヒドを含有する安定浴が用いられている。該安定浴
に用いられるホルムアルデヒドは、カラー写真感光材料
の物性、特にカラー写真感光材料表面の傷の発生や経時
によって写真感光材料が次第に硬膜されていくことによ
る階調の変化等を防止する効果があり、更にカラー写真
感光材料中に残存する未反応カプラーによる色素画像の
安定性の劣化に対しても効果があることが知られてい
る。
【0004】しかしながら、処理浴中に色素画像安定化
等の目的で添加されているホルムアルデヒドは感光材料
に付着して前浴(定着能を有する処理液)から持ち込ま
れる亜硫酸イオンと付加物を形成し、本来の目的である
色素画像安定化効果が減少するばかりか、硫化を促進す
る欠点がある。
【0005】これらを解決するため米国特許第4,78
6,583号明細書に示される様にアルカノールアミン
を用いることが提案されているが、該アルカノールアミ
ンを用いると未露光部イエローステインに悪影響を及ぼ
す傾向にあり、又硫化防止効果も十分といえるものでは
なかった。
【0006】一方、ホルムアルデヒドは米国において
は、CIIT(化学工業協会毒性研究所)がホルムアル
デヒド15ppmでラットに鼻腔ガンが発生したと発表
しており、又、NIOSH(米国立労働安全衛生研究
所)、ACGIH(産業衛生政府専門官会議)でも発ガ
ンの可能性ありとしている。ヨーロッパにおいてもホル
ムアルデヒドは強い規制を受けているものであり、西独
においては10年前より住宅内ではホルムアルデヒド
0.1ppm以下にする様規制されている。
【0007】さらに日本においては、ホルムアルデヒド
の有害性として、粘膜に対する刺激作用により劇物、劇
薬物の法律、労安法特化則の有機溶媒中毒規制あるいは
家庭用品への規制、繊維、合板に関する規制や昭和50
年から新たに厚生省により下着類、ベビー用衣料に対
し、ホルムアルデヒド規制が実施される様になってきて
おり、したがってハロゲン化銀写真感光材料の技術分野
においても、ホルムアルデヒドを減少できる又は未使用
の技術が待ち望まれていた。
【0008】安定液中のホルムアルデヒド含有量を実質
的に0ないしは減少させる技術としては、特開昭62−
27742号公報及び同61−151538号公報に記
載されているヘキサヒドロトリアジン系化合物、更には
米国特許第4,859,574号明細書記載のN−メチ
ロール系化合物が上記目的の達成手段として開示されて
いる。
【0009】しかしながら、ヘキサヒドロトリアジン系
化合物はホルムアルデヒドが実質的に0になった場合で
も高温高湿下で色素の減退を防止することができるもの
の、低湿下、例えば相対湿度が20%以下の場合にはあ
まり効果がないという問題があり、更にはホルムアルデ
ヒド程ではないが安定液の保存安定性、特に硫化しやす
いという問題があり、長期にわたって処理された場合、
低処理量である場合、更には低補充にした場合に特に前
記保存安定性が問題となることが判明した。
【0010】又、上記N−メチロール系化合物は、ホル
ムアルデヒド代替化合物として使用したとき、色素の退
色防止効果、裏面汚れ及び安定液の保存性において十分
ではなく、色素の退色を防止しようとすると安定液の液
保存性が大巾に劣化するという問題がある。さらに又安
定液にヘキサメチレンテトラミン系化合物を使用する方
法も開示されているがヘキサヒドロトリアジン系化合物
と同様に低湿下での色素退色防止効果が弱いという欠点
がある。
【0011】本発明者らはホルムアルデヒドにかえて種
々の化合物について検討した結果、特定の芳香族アルデ
ヒドが好適であることを見出し、本発明に到達した訳で
あるが、芳香族アルデヒドを写真用処理液に使用する際
には、自動現像機の特定の材質に対して変質等の異常が
生じることが判明した。
【0012】例えばスクイズブレード、フィルターやロ
ーラーの材質に通常用いられるポリビニルアルコール系
の材質を用いる際には、膨潤等の変質が生じ、搬送不足
や目詰まりを生じてしまう。これらの故障により感光材
料にスリ傷がついたり、写真特性への異常を生じたりし
てしまうという問題がある。
【0013】
【発明の目的】そこで本発明の目的は、自動現像機の部
材が処理液により悪影響を受けるのを防止したハロゲン
化銀写真感光材料用自動現像機を提供することにある。
本発明の他の目的は、低湿下で色素の退色を防止でき、
液保存性に優れ、特に硫化が生じにくい処理液を供給で
き、未露光部イエローステインを改良でき、作業環境の
安全性を改善できるハロゲン化銀写真感光材料用自動現
像機を用いたハロゲン化銀写真感光材料の処理方法を提
供することにある。
【0014】
【発明の構成】本発明者らは上記目的を達成すべく、鋭
意検討の結果、本発明に至った。即ち、(1)一般式
〔I〕で示される化合物を含有する処理液を用いて処理
する自動現像機において、該自動現像機の接液部材の材
質の少なくとも一部がポリプロピレン系物質であること
を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。
【0015】
【化5】
【0016】〔式中、Zは炭素環(置換体も含む)又は
複素環(置換体も含む)を形成するに必要な原子群を表
し、Xはアルデヒド基、
【0017】
【化6】
【0018】(これらの基中、R1 及びR2 は各々低級
アルキル基を表す。)を表し、nは1〜4の整数を表
す。〕
【0019】(2)前記第1項記載の接液部材がフィル
ター、スクイズブレード又はローラーの中から選択され
る少なくともいづれかであることを特徴とするハロゲン
化銀写真感光材料用自動現像機。
【0020】(3)一般式〔I〕で示される化合物を含
有する処理液と自動現像機とを用いて処理するハロゲン
化銀写真感光材料の処理方法において、該自動現像機の
接液部材の材質の少なくとも一部がポリプロピレン系物
質であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の
処理方法。
【0021】
【化7】
【0022】〔式中、Zは炭素環(置換体も含む)又は
複素環(置換体も含む)を形成するに必要な原子群を表
し、Xはアルデヒド基、
【0023】
【化8】
【0024】(これらの基中、R1 及びR2 は各々低級
アルキル基を表す。)を表し、nは1〜4の整数を表
す。〕
【0025】(4)前記第3記載の接液部材がフィルタ
ー、スクイズブレード又はローラーの中から選択される
少なくともいづれかであることを特徴とするハロゲン化
銀写真感光材料の処理方法。
【0026】次に、本発明に用いられる一般式〔I〕で
示される化合物について説明する。一般式〔I〕におい
て、Zは置換もしくは未置換の炭素環又は置換もしくは
未置換の複素環を形成するに必要な原子群を表し、上記
炭素環及び複素環は単環であっても縮合環であってもよ
く、好ましくはZが置換基を有する芳香族炭素環又は複
素環であることである。
【0027】該Zの置換基が、アルデヒド基、水酸基、
アルキル基(例えば、メチル、エチル、メトキシエチ
ル、ベンジル、カルボキシメチル、スルホプロピル
等)、アラルキル基、アルコキシ基(例えば、メトキ
シ、エトキシ、メトキシエトキシ等)、ハロゲン原子、
ニトロ基、スルホ基、カルボキシ基、アミノ基(例え
ば、N,N−ジメチルアミノ、N−エチルアミノ、N−
フェニルアミノ等)、ヒドロキシアルキル基、アリール
基(例えば、フェニル、p−メトキシフェニル等)、シ
アノ基、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、p−
カルボキシフェニル等)、アシルオキシ基、アシルアミ
ノ基、スルホンアミド基、スルファモイル基(例えば、
N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファ
モイル等)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル、
N−メチルカルバモイル、N,N−テトラメチレンカル
バモイル等)、又はスルホニル基(例えば、メタンスル
ホニル、エタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、p−
トルエンスルホニル等)であることが好ましい。
【0028】Zが表す炭素環としては好ましくはベンゼ
ン環であり、またZが表す複素環としては好ましくは5
員もしくは6員の複素環であり、例えば5員環としては
チオフェン、ピロール、フラン、チアゾール、イミダゾ
ール、ピラゾール、スクシンイミド、トリアゾール、テ
トラゾール等であり、また6員環としては、ピリジン、
ピリミジン、トリアジン、チアジアジン等がそれぞれ挙
げられる。縮合環としてはナフタレン、ベンゾフラン、
インドール、チオナフタレン、ベンズイミダゾール、ベ
ンゾトリアゾール、キノリン等が挙げられる。
【0029】以下に一般式〔I〕で示される化合物の好
ましい例示化合物を挙げる。例示化合物(1)〜(5
2)は以下の表のように上式における1〜6に各種置換
基を挿入して得られる。
【0030】
【化9】
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】これら以外の具体的例示化合物としては特
願平3−89686号明細書の13頁〜14頁記載の化
合物例(76)〜(90)が挙げられる。これらの中で
も、特に好ましくは、下記一般式〔I′〕で表される化
合物が挙げられる。
【0037】
【化12】
【0038】を表し、Xは、水酸基、スルホン酸基、カ
ルボン酸基、アミノ基、スルホンアミド基、スルファモ
イル基、カルバモイル基、スルフィン基又はスルホニル
基を表す。nは0又は1〜3の整数であり、R1 及びR
2 はそれぞれ水素原子、アルコキシ基、置換基を有して
もよい低級アルキル基、アルデヒド基、水酸基、カルボ
ン酸基又はスルホン酸基を表し、R1 とR2 は同一でも
異なっていてもよい。〕
【0039】以下に、一般式〔I′〕で示される化合物
の例示化合物を挙げるが、これらに限定されない。
【0040】
【化13】
【0041】例示化合物(I′−1)〜(I′−38)
は、以下の表4のように上式における〜、A、n、
Xに各種置換基又は連結基、数字を導入して得られる。 6
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】最も好ましくは、前記一般式〔I′〕中の
1 及びR2 が共に水素原子であること、前記一般式
〔I′〕中のXが水酸基であり、かつnが0である場合
である。好ましい化合物の具体例としては、I′−1、
I′−2、I′−3、I′−6、I′−8、I′−1
1、I′−15、I′−19、I′−24、I′−2
7、I′−31が挙げられ、その中でも特に好ましく
は、I′−1が具体的に挙げられる。
【0045】一般式〔I〕で示される化合物は、市販品
としても入手できる。本発明のカラー写真用処理液を用
いた処理方法における処理工程としては、下記の工程が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0046】(1)発色現像→漂白定着→水洗→安定 (2)発色現像→漂白→定着→水洗→安定 (3)発色現像→漂白→漂白定着→水洗→安定 (4)発色現像→漂白定着→定着→水洗→安定 (5)発色現像→漂白定着→漂白定着→水洗→安定 (6)発色現像→定着→漂白定着→水洗→安定 (7)発色現像→漂白→漂白定着→定着→水洗→安定 (8)黒白現像→水洗→反転→発色現像→水洗→調整→
漂白→定着→水洗→安定 (9)黒白現像→水洗→反転→発色現像→水洗→調整→
漂白定着→水洗→安定 (10)発色現像→漂白定着→安定 (11)発色現像→漂白→定着→安定 (12)発色現像→漂白→漂白定着→安定 (13)発色現像→漂白定着→定着→安定 (14)発色現像→漂白定着→漂白定着→安定 (15)発色現像→定着→漂白定着→安定 (16)発色現像→漂白→漂白定着→定着→安定 (17)黒白現像→水洗→反転→発色現像→水洗→調整
→漂白→定着→安定 (18)黒白現像→水洗→反転→発色現像→水洗→調整
→漂白定着→安定
【0047】本発明において、好ましい処理工程は
(1)、(2)、(8)、(10)、(11)、(1
2)、(16)、(17)の工程であり、より好ましく
は、(2)、(11)、(12)、(16)、(17)
の工程で、特に好ましくは(11)の工程である。
【0048】本発明の処理方法の最も好ましい態様とし
ては、漂白能を有する処理液およびまたは定着能を有す
る処理液による処理後、あるいは定着能を有する処理液
による処理後、直ちに安定液による処理を行うことであ
る。ここで本発明における処理液とは、発色現像液、漂
白液、定着液、安定液、若しくは漂白定着液をいう。
【0049】一般式〔I〕で示される化合物はハロゲン
化銀写真感光材料用安定液中に含有せしめられる。なお
本発明の効果を損なわない範囲で、安定液とともに漂白
能を有する処理浴の前浴に用いられる処理液、漂白能を
有する処理液、定着能を有する処理液等にも含有せしめ
られる。
【0050】一般式〔I〕で示される化合物の添加量
は、安定液1リットル当り0.05〜20gが好まし
く、より好ましくは0.1〜15gの範囲であり、特に
好ましくは0.5〜10gの範囲である。一般式〔I〕
で示される化合物は、公知のホルムアルデヒド代替化合
物に比べ、特に低湿度の条件においても画像の保存性が
よいということに特徴がある。
【0051】本発明において、安定浴は複数のタンクで
構成されることが好ましく、各タンク間を接続する液の
流れは感光材料の搬送方向と相対する方向となる多段向
流が好ましく、特に2〜4タンクで構成したものが好ま
しい。本発明において、安定浴への好ましいふじゅう量
は感光材料1m2 あたり920ml以下であるが、極端
な補充量の削減は色素の褪色、乾燥後感光材料表面での
塩の析出等が起こるため、より好ましくは100ml以
上800ml以下である。
【0052】更に具体的な補充量の設定は、安定浴のタ
ンク構成によって異なり、タンク数を増すほど低い数値
に設定することが可能である。本発明に係わる安定液の
pHは5.5〜11.0の範囲が好ましく、特に本発明
の効果を促進する上からpH7〜10.5の範囲、特に
pHは7.5〜10が好ましい。また温度は15〜70
℃の範囲が好ましいが、より好ましくは20〜55℃の
範囲である。更に本発明に係わる安定浴処理時間は12
0秒以下であることが好ましいが、より好ましくは3〜
90秒であり、最も好ましくは6〜60秒である。
【0053】本発明において、定着能を有する処理浴と
安定浴並びに各安定浴間には、スクイージを設けて十分
な液切りをすることが好ましく、これによって補充量の
節減と感光材料の汚れ防止をより効果的になし得ること
ができる。本発明において、定着能を有する処理浴から
安定浴へのキャリーオーバー量は150ml/m2 の範
囲であり、20〜70ml/m2 が特に好ましい。
【0054】本発明において安定液には鉄イオンに対す
るキレート安定度定数が8以上であるキレート剤を含有
することが好ましい。ここにキレート安定度定数とは、
L.G.Sillen・A.E.Martell著、”
Stability Constants of Me
tal−ion Complexes”,The Ch
emical Society,London(196
4)、S.Chaberek・A.E.Martell
著、 ”Organic Sequestering
Agents”,Willey(1959)等により一
般に知られた定数を意味する。
【0055】鉄イオンに対するキレート安定度定数が8
以上であるキレート剤としては、有機カルボン酸キレー
ト剤、有機リン酸キレート剤、無機リン酸キレート剤、
ポリヒドロキシ化合物等が挙げられる。なお、上記鉄イ
オンとは、第2鉄イオン(Fe3+)を意味する。
【0056】第2鉄イオンとのキレート安定度定数が8
以上であるキレート剤の具体的化合物例としては、下記
化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。即ち、エチレンジアミンジオルトヒドロキシフェニ
ル酢酸、ジアミノプロパン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒ
ドロキシエチレンジアミン三酢酸、ジヒドロキシエチル
グリシン、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン
二プロピオン酸、イミノ二酢酸、ジエチレントリアミン
五酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ジアミノプロ
パノール四酢酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢
酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジア
ミンテトラキスメチレンホスホン酸、ニトリロトリメチ
レンホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−
ジホスホン酸、1,1−ジホスホノエタン−2−カルボ
ン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン
酸、1−ヒドロキシ−1−ホスホノプロパン−1,2,
3−トリカルボン酸、カテコール−3,5−ジホスホン
酸、ピロリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウ
ム、ヘキサメタリン酸ナトリウムが挙げられ、特に好ま
しくはジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ三酢酸、
ニトリロトリメチレンホスホン酸、1−ヒドロキシエチ
リデン−1,1−ジホスホン酸等であり、中でも1−ヒ
ドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸が最も好ま
しく用いられる。
【0057】上記キレート剤の使用量は安定液1リット
ル当り0.01〜50gが好ましく、より好ましくは
0.05〜20gの範囲で良好な結果が得られる。又安
定液に添加する好ましい化合物としては、アンモニウム
化合物が挙げられる。これらは各種の無機化合物のアン
モニウム塩によって供給されるが、具体的には水酸化ア
ンモニウム、臭化アンモニウム、炭酸アンモニウム、塩
化アンモニウム、リン酸アンモニウム等である。これら
は単用でも2以上の併用でもよい。アンモニウム化合物
の添加量は安定液1リットル当り0.001〜1.0モ
ルの範囲が好ましく、より好ましくは0.002〜2.
0モルの範囲である。
【0058】安定液は前記キレート剤と併用して金属塩
を含有することが好ましい。かかる金属塩としては、B
a、Ca、Ce、Co、In、La、Mn、Ni、B
i、Pb、Sn、Zn、Ti、Zr、Mg、Al又はS
rの金属塩があり、ハロゲン化物、水酸化物、硫酸塩、
炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩等の無機塩又は水溶性キレー
ト剤として供給できる。使用量としては安定液1リット
ル当り1×10-4〜1×10-1モルの範囲が好ましく、
より好ましくは、4×10-4〜2×10-2モルの範囲で
ある。
【0059】安定液には、有機酸塩(クエン酸、酢酸、
コハク酸、シュウ酸、安息香酸等)、pH調整剤(リン
酸塩、ホウ酸塩、塩酸、硫酸塩等)等を添加することが
できる。これらの化合物の添加量は安定浴のpHを維持
するに必要でかつカラー写真画像の保存時の安定性と沈
澱の発生に対し悪影響を及ぼさない範囲の量をどのよう
な組み合わせで使用してもさしつかえない。なお本発明
においては公知の防黴剤を本発明の効果を損なわない範
囲で単用又は併用することができる。
【0060】本発明に用いられる処理においては安定液
から銀を回収してもよい。例えば電気分解法(フランス
国特許2,299,667号明細書記載)、沈澱法(特
開昭52−73037号公報記載、独国特許2,33
1,220号明細書記載)、イオン交換法(特開昭51
−17114号公報記載、独国特許2,548,237
号明細書記載)及び金属置換法(英国特許1,353,
805号明細書記載)等が有効に利用できる。これら銀
回収はタンク液中から電解法又はアニオン交換樹脂を用
いてインラインで銀回収すると、迅速処理適性がさらに
良好となるため、特に好ましいが、オーバーフロー廃液
から銀回収し、再生使用してもよい。
【0061】又、安定液をイオン交換処理、電気透析処
理(特開昭61−28949号参照)や逆浸透処理(特
開昭60−240153号及び特開昭62−25415
1号参照)等してもよい。又、安定液に使用する水を予
め脱イオン処理したものを使用することも好ましい。即
ち安定液の防黴性や安定液の安定性及び画像保存性向上
が図られるからである。
【0062】脱イオン処理の手段としては、処理後の水
洗水のCa、Mgイオンを5ppm以下にするものであ
ればいかなるものでもよいが、例えばイオン交換樹脂や
逆浸透膜による処理を単独或いは併用することが好まし
い。イオン交換樹脂や逆浸透膜については公開技報87
−1984号や公開技報89−20511号に詳細に記
載されている。安定液中の塩濃度は1000ppm以下
が好ましく、より好ましくは800ppm以下である。
【0063】安定化処理の後には水洗処理を全く必要と
しないが、極く短時間内での少量水洗によるリンス、表
面洗浄等は必要に応じて任意に行うことができる。本発
明の処理液が発色現像の場合に用いられる発色現像主薬
としては、アミノフェノール系化合物及び水溶性基を有
するp−フェニレンジアミン系化合物があるが、本発明
においては後者の方が目的の効果を良好に奏し、かつカ
ブリの発生が少ないため好ましく用いられる。
【0064】水溶性基を有するp−フェニレンジアミン
系化合物は、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミ
ン等の水溶性基を有しないパラフェニレンジアミン系化
合物に比べ、感光材料の汚染がなく、かつ皮膚について
も皮膚がカブレにくいという長所を有するばかりでな
く、特に本発明の処理錠剤を用いることにより、本発明
の目的をより効果的に達成することができる。
【0065】前記水溶性基は、p−フェニレンジアミン
系化合物のアミノ基又はベンゼン核上に少なくとも一つ
を有するものが挙げられ、具体的な水溶性基としては、
−(CH2)n CH2OH 、−(CH2)m NHSO2(CH2)n CH3 、−(C
H2) mOCH2)nCH3、−(CH2CH2O) n CmHm+1(m及びnは各
々0以上の整数を表す。)、−COOH基、−SOH基
等が好ましいものとして挙げられる。
【0066】本発明に好ましく用いられる発色現像主薬
の具体的例示化合物としては、特願平2−203169
号明細書26〜31頁に記載されている。(C−1)〜
(C−16)、及び下記の化合物(C′−1)、(C′
−2)、(C′−3)、(C′−4)等が挙げられる。
【0067】
【化14】
【0068】上記発色現像主薬は通常、塩酸塩、硫酸
塩、p−トルエンスルホン酸塩等の形で用いられる。ま
た、前記発色現像主薬は単独あるいは2種以上併用し
て、また所望により白黒現像主薬、例えばフェニドン、
4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−3
−ピラゾリドンやメトール等と併用して用いてもよい。
【0069】また、本発明においては、本発明に係る発
色現像液中に下記一般式〔A〕及び一般式〔B〕でしめ
される化合物を含有すると、本発明の効果をより発揮す
るばかりでなく、未露光部に生じるカブリも少ないとい
う効果も生じるため、好ましい態様の一つである。
【0070】
【化15】
【0071】式中、R1 及びR2 で表される置換、無置
換のアルキル基は、同一でも異なってもよく、それぞれ
炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。更にこれらのア
ルキル基はカルボキシル基、燐酸基、スルホ基又はヒド
ロキシル基を有してもよい。R3 は置換、無置換のアル
コキシ基、置換、無置換のアルキル基または置換、無置
換のアリール基を表す。R1 とR2 で形成してもよい環
としては、ピペリジン、ピリジン、トリアジンやモルホ
リンの如き複素環が挙げられる。
【0072】
【化16】
【0073】式中、R11、R12、R13は各々、水素原
子、置換、無置換のアルキル基、アリール基又は複素環
基を表し、R14はヒドロキシル基、ヒドロキシアミノ
基、置換、無置換のアルキル基、アリール基、複素環
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルバモイル基
又はアミノ基を表す。複素環基としては、5〜6員環で
あり、C、H、O、N、S及びハロゲン原子から構成さ
れ、飽和でも不飽和でもよい。R12は−CO−、−SO
2 −又は−C(=NH)−から選ばれる2価の基を表
し、nは0又は1である。特にn=0の時、R14はアル
キル基、アリール基、複素環基から選ばれる基を表し、
13とR14は共同して複素環を形成してもよい。
【0074】前記一般式〔A〕で示されるヒドロキシル
アミン系化合物の具体例は、米国特許3,287,12
5号、同.,329,034号及び同3,287,12
4号等に記載されているが、特に好ましい具体的例示化
合物としては、特願平2−203169号明細書36〜
38頁記載の(A−1)〜(A−39)及び特開平3−
33845号公報3〜6頁記載の(1)〜(53)及び
特開平3−63646号公報5〜7頁記載の(1)〜
(52)が挙げられる。
【0075】次に、一般式〔B〕で示される化合物の具
体例は、特願平2−203169号明細書40〜43頁
記載の(B−1)〜(B−33)及び特開平3−338
46号公報4〜6頁記載の(1)〜(56)が挙げられ
る。
【0076】これらの一般式〔A〕又は一般式〔B〕で
示される化合物は、通常遊離のアミン、塩酸塩、硫酸
塩、p−トルエンスルホン酸塩、蓚酸塩、燐酸塩、酢酸
塩の形で用いられる。また、下記一般式〔A′〕で示さ
れるヒドロキシルアミン系化合物も発色現像液の保恒剤
として好ましく用いられている。
【0077】
【化17】
【0078】式中、Lは置換、無置換のアルキレン基を
表し、Aはカルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、ホ
スフィノ基、ヒドロキシル基、それぞれアルキル置換し
てもよいアミノ基、アンモニオ基、カルバモイル基又は
スルファモイル基を表し、Rは水素原子又は置換、無置
換のアルキル基を表す。
【0079】下記一般式〔A′〕で示される化合物とし
ては、特開平3−184144号公報の4頁左下欄〜6
頁右下欄に記載の(1)〜(54)が挙げられるが、中
でも(1)及び(7)で示される下記化合物が好まし
い。 (1)HON(CH2COOH)2 (7)HON(CH2CH2SO3H)2
【0080】一般式〔A′〕で示される化合物は、市販
されているヒドロキシルアミン類をアルキル化反応する
ことにより得られる。例えば西独特許1,159,63
4号やインオルガニカ・キミカ・アクタ(Inorga
nica ChimicaActa.),93(198
4)101〜108頁等に記載の合成法に準じて合成す
ることができる。
【0081】本発明に係る発色現像処理液中には、保恒
剤として硫酸塩を微量用いることができる。該亜硫酸塩
としては、例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、
重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム等が挙げられ
る。
【0082】発色現像処理工程に用いられる発色現像液
は、現像液に通常用いられるアルカリ剤、例えば水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、メタホ
ウ酸ナトリウム又は硼砂等を含むことができる。
【0083】更に種々の添加剤、例えば、ベンジルアル
コール、ハロゲン化アルカリ、例えば臭化カリウム又は
塩化カリウム等、或いは現像調節剤として例えばシトラ
ジン酸等、保恒剤としてヒドロキシルアミン、ヒドロキ
シルアミン誘導体(例えばジエチルヒドロキシルアミ
ン)、ヒドラジン誘導体(例えばヒドラジノジ酢酸)又
は亜硫酸塩等を含むことができる。
【0084】さらにまた、各種消泡剤や界面活性剤を、
またメタノール、ジメチルフォルムアミド又はジメチル
スルフォキシド等の有機溶剤等を適宜含有せしめること
ができる。発色現像液のpHは通常7以上であり、好ま
しくは約9〜13である。
【0085】発色現像液中には、金属イオン封鎖剤とし
て、種々なるキレート剤を併用することができる。例え
ば該キレート剤としてエチレンジアミン四酢酸、ジエチ
レントリアミン五酢酸等のアミノポリカルボン酸、1−
ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸等の有機
ホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)もしく
はエチレンジアミンテトラリン酸等のアミノポリホスホ
ン酸、クエン酸もしくはグルコン酸等のオキシカルボン
酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸
等のホスホノカルボン酸、トリポリリン酸もしくはヘキ
サメタリン酸等のポリリン酸等が挙げられる。
【0086】連続処理における発色現像液の好ましい補
充量はカラーネガティブフィルムについては感光材料
1.0m2 当り1.5リットル以下が好ましく、より好
ましくは250〜900ミリリットルであり、更に好ま
しくは300〜700ミリリットルである。
【0087】本発明に係る漂白液又は漂白定着液に好ま
しく用いられる漂白主剤は下記一般式〔II〕、〔II
I〕、〔IV〕又は〔V〕で表される有機酸の第2鉄錯
塩である。
【0088】
【化18】
【0089】式中、A1 〜A4 は各々、同一でも異なっ
てもよく、−CH2 OH,−COOM又は−PO3 1
2 を表す。M,M1 ,M2 は各々、水素原子、アルカ
リ金属又はアンモニウムを表す。Xは炭素数3〜6の置
換、無置換のアルキレン基を表す。
【0090】以下に一般式〔II〕で示される化合物に
ついて詳述する。なお A1 〜A2 は特願平1−260
628号12頁上から15行〜15頁上から3行記載の
1 〜A4 と同様であるので詳細な説明は省略する。以
下に、前記一般式〔II〕で示される化合物の好ましい
具体例を示す。
【0091】II−1 1,3−プロパンジアミン四
酢酸 II−2 2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジアミ
ン四酢酸 II−3 2,3−プロパンジアミン四酢酸 II−4 1,4−ブタンジアミン四酢酸 II−5 2−メチル−1,3−プロパンジアミン四
酢酸 II−6 N−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−
プロパンジアミン三酢酸 II−7 1,3−プロパンジアミンテトラキスメチ
レンホスホン酸 II−8 2−ヒドロキシ−1,3−3−プロパンジ
アミンテトラキスメチレンホスホン酸 II−9 2,2−ジメチル−1,3−プロパンジア
ミン四酢酸 II−10 2,4−ブタンジアミン四酢酸 II−11 2,4−ペンタンジアミン四酢酸 II−12 2−メチル−2,4−ペンタンジアミン四
酢酸
【0092】これらII−1〜II−12の化合物の第
2鉄錯塩としては、これらの第2鉄錯塩のナトリウム
塩、カリウム塩又はアンモニウム塩を任意に用いること
ができる。本発明の目的の効果及び溶解度の点から、こ
れらの第2鉄錯塩のアンモニウム塩が好ましく用いられ
る。
【0093】前記化合物例の中で、本発明において特に
好ましく用いられるものは、特にII−1,II−3,
II−4,II−5,II−9であり、とりわけ特に好
ましいのはII−1である。次に一般式〔III〕で示
される化合物について詳述する。
【0094】
【化19】
【0095】A1 〜A3 は前記一般式〔II〕で定義し
たものと同義であり、nは1〜8の整数を表す。B1
びB2 は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数
2〜5の置換、無置換のアルキレン基、(例えばエチレ
ン、プロピレン、ブチレン、ペンタメチレン等)を表
す。置換基としては水酸基、炭素数1〜3の低級アルキ
ル基(メチル基、エチル基、プロピル基)等が挙げられ
る。以下に前記一般式〔III〕で示される化合物の好
ましい具体例を示す。
【0096】
【化20】
【0097】これらIII−1〜III−7の化合物の
第2鉄錯塩は、これらの化合物の第2鉄錯塩のナトリウ
ム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩を任意に用いるこ
とができる。本発明の目的及び溶解度の点からは、これ
らの第2鉄錯塩のアンモニウム塩が好ましく用いられ
る。前記化合物の中で特に好ましく用いられるものは特
にIII−1,III−2,III−3であり、とりわ
け特に好ましいのはIII−1である。次に一般式〔I
V〕で表される化合物について詳述する。
【0098】
【化21】
【0099】式中、R1 は水素又は水酸基を表し、nは
1または2であり、xは2または3であり、yは0また
は1であり、そしてxとyの和は常に3である。一般式
〔IV〕によって表される好ましい化合物はニトリロモ
ノプロピオノニ酢酸IV−1、ニトリロトリ酢酸であ
る。 IV−1 (HOOCH2 2 −N−CH2 CH2 COOH 次に一般式〔V〕で表される化合物について詳述する。
【0100】
【化22】
【0101】式中、A1 〜A4 は一般式〔II〕のA1
〜A4 と同義であり、それぞれ同一であっても異なって
いてもよく、−CH2 OH、−PO3 2 又は−COO
Mを表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子(例えばナ
トリウム、カリウム)又はその他のカチオン(例えばア
ンモニウム、メチルアンモニウム、トリメチルアンモニ
ウム等)を表す。Xは炭素数2〜6の置換、無置換のア
ルキレン基又は−(B1 O)n−B2 −を示す。又、B
1 及びB2 は同一であっても異なっていてもよく、それ
ぞれ炭素数1〜5の置換、無置換のアルキレン基を表
す。
【0102】Xで表されるアルキレン基としては、エチ
レン、トリメチレン、テトラメチレン等が挙げられる。
又,B1 及びB2 で表されるアルキレン基としては、メ
チレン、エチレン、トリメチレン等が挙げられる。X,
1 又はB2 が表すアルキレン基の置換基としては、ヒ
ドロキシル、炭素数1〜3のアルキル基(例えば、メチ
ル基、エチル基)等が挙げられる。nは1〜8の整数を
表し、好ましくは1〜4である。以下に前記一般式
〔V〕で示される化合物の好ましい具体例を挙げるが、
これらに限定されるものではない。
【0103】
【化23】
【0104】
【化24】
【0105】
【化25】
【0106】これらV−1〜V−17の化合物の第2鉄
錯塩は、これらの化合物の第2鉄錯塩のナトリウム塩、
カリウム塩又はアンモニウム塩を任意に用いることがで
きる。
【0107】本発明において、漂白液又は漂白定着液に
は、漂白主剤としてて上記一般式〔II〕〜一般式
〔V〕で示される化合物の鉄錯塩以外に下記化合物の第
2鉄錯塩等を用いることができる。
【0108】(II′−1)エチレンジアミン四酢酸 (II′−2)トランス−1,2−シクロヘキサンジア
ミン四酢酸 (II′−3)ジヒドロキシエチルグリシン (II′−4)エチレンジアミンテトラキスメチレンホ
スホン酸 (II′−5)ニトリロトリスメチレンホスホン酸 (II′−6)ジエチレントリアミンペンタキスメチレ
ンホスホン酸 (II′−7)ジエチレントリアミン五酢酸 (II′−8)エチレンジアミンジオルトヒドロキシフ
ェニル酢酸 (II′−9)ヒドキシエチルエチレンジアミン三酢酸 (II′−10)エチレンジアミンジプロピオン酸 (II′−11)エチレンジアミンジ酢酸 (II′−12)ヒドキシエチルイミノジ酢酸 (II′−13)ニトリロトリ酢酸 (II′−14)ニトリロ三プロピオン酸 (II′−15)トリエチレンテトラミン六酢酸 (II′−16)エチレンジアミン四プロピオン酸
【0109】前記有機酸第2鉄錯塩の添加量は、漂白液
又は漂白定着液1000ml当り0.1〜2.0モルの
範囲で含有することが好ましく、より好ましくは0.1
5〜1.5モル/lである。
【0110】有機酸第2鉄錯塩を2種以上を組み合わせ
て使用する場合は、本発明の効果をより良好に奏すると
いう点から前記一般式〔A〕で示される化合物の第2鉄
錯塩が70%(モル換算)以上占めることが好ましく、
より好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90
%以上であり、最も好ましくは95%以上である。
【0111】有機酸鉄(III)錯塩は錯塩の形で使用
してもよいし、鉄(III)塩、例えば硫酸第2鉄、塩
化第2鉄、酢酸第2鉄、硫酸第2鉄アンモニウム、燐酸
第2鉄などとアミノポリカルボン酸又はその塩を用いて
溶液中で鉄(III)イオン錯塩を形成させてもよい。
また錯塩の形で使用する場合は、1種類の錯塩を用いて
もよいし、また2種類以上の錯塩を用いてもよい。さら
に第2鉄塩とアミノポリカルボン酸を用いて溶液中で錯
塩を形成する場合は第2鉄塩を1種類又は2種類以上使
用してもよい。更にまたアミノポリカルボン酸を1種類
又は2種類以上使用してもよい。又、いずれの場合にも
アミノポリカルボン酸を鉄(III)イオン錯塩を形成
する以上に過剰に用いてもよい。また上記の鉄(II
I)イオン錯塩を含む漂白定着液ないし漂白液には鉄以
外のコバルト、銅、ニッケル、亜鉛等の金属イオン錯塩
が入っていてもよい。
【0112】漂白液、漂白定着液及び定着液には、特開
昭64−295258号に記載のイミダゾール及び誘導
体又は同号の記載の一般式〔I〕〜〔IX〕で示される
化合物及びこれらの例示化合物の少なくとも1種を含有
することにより迅速性に効果を発揮する。
【0113】上記の促進剤の他、特開昭62−1234
59号公報の第51頁から第115頁に記載の例示化合
物及び特開昭63−17445号公報の第22頁から第
25頁に記載の例示化合物、特開昭53−95630
号、同53−28426号の各公報記載の化合物等も同
様に用いることができる。
【0114】これらの促進剤は単独で用いてもよいし、
2種以上を併用してもよく、添加量は一般に漂白液1リ
ットル当り約0.01〜100gの範囲が好ましく、よ
り好ましくは0.05〜50gであり、特に好ましくは
0.05〜15gである。促進剤を添加する場合には、
そのまま添加溶解してもよいが、水、アルカリ、有機酸
等に予め溶解して添加するのが一般的であり、必要に応
じてメタノール、エタノール、アセトン等の有機溶媒を
用いて溶解して添加することもできる。漂白液又は漂白
定着液の温度は20〜50℃で使用されるのがよいが、
望ましくは25〜45℃である。
【0115】漂白液のpHは6.0以下が好ましく、よ
り好ましくは1.0以上5.5以下にすることである。
漂白定着液のpHは5.0〜9.0が好ましく、より好
ましくは6.0〜8.5である。なお、漂白液又は漂白
定着液のpHはハロゲン化銀感光材料の処理時の処理槽
のpHであり、いわゆる補充液のpHとは明確に区別さ
れうる。
【0116】漂白液又は漂白定着液には、臭化アンモニ
ウム、臭化カリウム、臭化ナトリウムの如きハロゲン化
物を通常添加して用いる。又、各種の蛍光増白剤や消泡
剤あるいは界面活性剤を含有せしめることもできる。漂
白液又は漂白定着液の好ましい補充量はハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料1m2 当り500ミリリットル以下で
あり、好ましくは20ミリリットルないし400ミリリ
ットルであり、最も好ましくは40ミリリットルないし
350ミリリットルであり、低補充量になればなるほ
ど、本発明の効果がより顕著となる。
【0117】本発明においては漂白液又は漂白定着液の
活性度を高める為に処理浴中及び処理補充液貯蔵タンク
内で所望により空気の吹き込み、又は酸素の吹き込みを
行ってよく、或いは適当な酸化剤、例えば過酸化水素、
臭素酸塩、過硫酸塩等を適宜添加してもよい。
【0118】本発明に係る定着液又は漂白定着液に用い
られる定着剤としては、チオシアン酸塩、チオ硫酸塩が
好ましく用いられる。チオシアン酸塩の含有量は少なく
とも0.1モル/リットル以上が好ましく、カラーネガ
フィルムを処理する場合、より好ましくは0.3モル/
リットル以上であり、特に好ましくは0.5モル/リッ
トル以上である。またチオ硫酸塩の含有量は少なくとも
0.2モル/リットル以上が好ましく、カラーネガフィ
ルムを処理する場合、より好ましくは0.5モル/リッ
トル以上である。
【0119】又、本発明においては、チオシアン酸塩と
チオ硫酸塩を併用することにより更に効果的に本発明の
目的を達成できる。本発明に係る定着液又は漂白定着液
には、これら定着主剤の他に各種の塩から成るpH緩衡
剤を単独あるいは2種以上含むことができる。更にアル
カリハライド又はアンモニウムハライド、例えば臭化カ
リウム、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化アンモ
ニウム等の再ハロゲン化剤を多量に含有させることが望
ましい。又、アルキルアミン類、ポリエチレンオキサイ
ド類等の通常定着液又は漂白定着液に添加する化合物を
添加することが知られている化合物を適宜添加すること
ができる。
【0120】定着液又は漂白定着液には、特開昭64−
295258号第58頁に記載の〔FA〕で示される化
合物及びこの例示化合物を添加するのが好ましく、本発
明の効果をより発揮するばかりか、少量の感光材料を長
時間に亘って処理する際に定着能を有する処理液中に発
生するスラッジも極めて少ないという別なる効果が得ら
れる。
【0121】又、これら一般式〔FA〕で示される化合
物の添加量は処理液1リットル当り0.1〜200gの
範囲で好結果が得られる。本発明に係わる漂白液及び定
着液による処理時間は任意であるが、各々3分30秒以
下であることが好ましく、より好ましくは10秒〜2分
20秒、特に好ましくは20秒〜1分20秒の範囲であ
る。また漂白定着液による処理時間は4分以下が好まし
く、より好ましくは10秒〜2分20秒の範囲である。
【0122】同号記載の一般式〔FA〕で表される化合
物は、米国特許3,335,162号及び同3,26
0,718号に記載されている如き一般的な方法で合成
できる。これら一般式〔FA〕で示される化合物は、そ
れぞれ単独で用いてもよく、又、2種以上組み合わせて
用いてもよい。
【0123】本発明の処理方法の安定浴に強制的攪拌を
付与することが本発明の実施態様として好ましい。この
理由は本発明の目的の効果をより良好に奏するのみなら
ず、迅速処理適性の観点からである。ここに強制的攪拌
とは、通常の液の拡散移動でなく、攪拌手段を用いて強
制的に攪拌することを意味する。強制的攪拌手段として
は、特開昭64−222259号及び特開平1−206
343号等の各公報に記載の手段を採用することができ
る。
【0124】ハロゲン化銀カラー写真感光材料(以下、
必要により「感光材料」又は「感材」と略す)に用いら
れるハロゲン化銀粒子は塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、
塩沃臭化銀いずれでもよく、本発明の効果を奏する上で
沃臭化銀が好ましく用いられる。感剤中の銀量は80m
g/dm2 であることが、本発明においては好ましく、
より好ましくは30〜70mg/dm2 であり、最も好
ましくは40〜65mg/dm2 である。
【0125】感光材料中の全ハロゲン化銀乳剤の平均の
沃化銀含有率銀は、0.1〜15モル%が好ましく、よ
り好ましくは0.5〜12モル%であり、特に好ましく
は1〜10モル%である。感光材料中の全ハロゲン化銀
乳剤の平均粒径は2.0μm以下が好ましく、より好ま
しくは0.1〜1.0μmである。
【0126】ハロゲン化銀乳剤が粒径/粒子の厚さの平
均値が5未満である粒子を含む場合には粒子サイズ分布
が単分散性であることが脱銀性の上から好ましい。単分
散性ハロゲン化銀乳剤とは、平均粒径を中心に±20%
の粒径範囲内に含まれるハロゲン化銀乳剤量が全ハロゲ
ン化銀粒子重量の30%以上であるものを言い、好まし
くは70%以上、更に好ましくは80%以上である。
【0127】ここに、平均粒径は、粒径をriを有する
粒子の頻度niとri3 との積ni×ri3 が最大とな
るときの粒径と定義する(有効数字3桁、最小桁数字は
4捨5入する)。ここで言う粒径とは、球形のハロゲン
化銀粒子の場合は、その直径、また球状以外の形状の粒
子の場合は、その投影像を同面積の円像に換算した時の
直径である。
【0128】粒径は例えば該粒子を電子顕微鏡で1万倍
から5万倍に拡大して投影し、そのプリント上の粒子直
径又は投影時の面積を実測することによって得ることが
できる(測定粒子個数は無差別に1000個以上あるこ
ととする)。特に好ましい高度の単分散乳剤は (標準偏差/平均粒径)×100=分布の広さ(%) によって定義した分布の広さが20%以下のものであ
り、更に好ましくは15%以下のものである。
【0129】ハロゲン化銀粒子の結晶は、正常晶でも双
晶でもその他でもよく、〔1.0.0〕面と〔2.1.
1〕面の比率は任意のものが使用できる。更に、これら
のハロゲン化銀粒子の結晶構造は、内部から外部まで均
一なものであっても、内部と外部とが異質の層状構造
(コア・シェル型)をしたものであってもよい。また、
これらのハロゲン化銀は潜像を主として表面に形成する
型のものでも、粒子内部に形成する型のものでもよい。
さらに平板状ハロゲン化銀粒子(特開昭58−1139
34号、特願昭59−170070号参照)を用いるこ
ともできる。ハロゲン化銀粒子は、酸性法、中性法又は
アンモニア法等のいずれの調整法により得られたもので
もよい。
【0130】また例えば種粒子を酸性法でつくり、更
に、成長速度の速いアンモニア法により成長させ、所定
の大きさまで成長させる方法でもよい。ハロゲン化銀粒
子を成長させる場合には反応釜内のpH、pAg等をコ
ントロールし、例えば特開昭54−48521号に記載
されているようなハロゲン化銀粒子の成長速度に見合っ
た量の銀イオンとハライドイオンを逐次同時に注入混合
することが好ましい。
【0131】ハロゲン化銀粒子の調整は以上のようにし
て行われるのが好ましい。該ハロゲン化銀粒子を含有す
る組成物を、本明細書においてハロゲン化銀乳剤とい
う。また更に、本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材
料において、ハロゲン化銀乳剤は、リサーチ・ディスク
ロージャー308119(以下RD308119と略
す)に記載されているものを用いることができる。下表
に記載箇所を示す。
【0132】項 目 RD308119の頁 ヨード組成 993 I−A項 製造方法 993 I−A項及び994 E項 晶癖 正常晶 993 I−A項 双晶 993 I−A項 エピタキシャル 993 I−A項 ハロゲン組成 一様 993 I−B項 一様でない 993 I−B項 ハロゲンコンバージョン 994 I−C項 ハロゲン置換 994 I−C項 金属含有 994 I−D項 単分散 995 I−F項 溶媒添加 995 I−F項 潜像形成位置 表面 995 I−G項 内部 995 I−G項 適用感材 ネガ 995 I−H項 ポジ(内部カブリ粒子含) 995 I−H項 乳剤を混合して用いる 995 I−J項 脱塩 995 II−A項
【0133】本発明において、ハロゲン化銀乳剤は、物
理熟成、化学熟成及び分光増感を行ったものを使用す
る。このような工程で使用される添加剤は、リサーチ・
ディスクロージャーNo.17643、No.1871
6及びNo.308119(それぞれRD17643、
RD18716びRD308119と略す)に記載され
ている。
【0134】下記に記載箇所を示す。 項目 RD308119 RD17643 RD18716 の頁・項 の頁 の頁 化学増感剤 996 III−A項 23 648 分光増感剤 996 IV−A−A,B, 23〜24 648〜9 C,D,H,I,J項 強色増感剤 996 IV−A−E,J項 23〜24 648〜9 カブリ防止剤 998 VI 24〜25 649 安定剤 998 VI 24〜25 649
【0135】又、本発明の実施に際して、使用できる公
知の写真用添加剤も上記リサーチ・ディスクロージャー
に例示されている。下記に関連する記載箇所を示す。
【0136】 項目 RD308119 RD17643 RD18716 の頁・項 の頁 の頁 色濁り防止剤 1002 VII−I項 25 650 色素画像安定剤 1002 VII−J項 25 増 白 剤 998 V 24 紫外線吸収剤 1003 VIIIC, 25〜26 XIIIC項 光吸収剤 1003 VIII 25〜26 光散乱剤 1003 VIII フィルター染料 1003 VIII 25〜26 バインダー 1003 IX 26 651 スタチック防止 1006 XIII 27 650 剤 硬 膜 剤 1004 X 26 651 可 塑 性 1006 XII 27 650 潤 滑 剤 1006 XII 27 650 活性剤・塗布助 1005 XI 26〜27 650 剤 マット剤 1007 XVI 現 像 剤 1011 XXB項 (感光材料中に含有)
【0137】本発明の感光材料には、各色感光性層にお
いて発色させたい色に応じて、種々のカプラーを使用す
ることができ、その具体例は上記リサーチ・ディスクロ
ージャーに例示されている。下記に関連する記載箇所を
示す。
【0138】 項目 RD308119の頁・項目 RD17643の頁目 イエローカプラー 1001 VII−D項 VII C〜G項 マゼンタカプラー 1001 VII−D項 VII C〜G項 シアンカプラー 1001 VII−D項 VII C〜G項 カラードカプラー 1002 VII−G項 VII G項 DIRカプラー 1001 VII−F項 VII F項 BARカプラー 1002 VII−F項 その他の有用残基 1001 VII−F項 放出カプラー アルカリ可溶カプ 1001 VII−E項 ラー
【0139】本発明の感光材料に各種添加剤を使用する
場合、これらはRD308119XIVに記載されてい
る分散法などにより添加することできる。本発明におい
ては、前述のRD17643の28頁、RD18716
の647〜8頁、及びRD308119のXVIIに記
載されている支持体を使用することができる。
【0140】本発明の感光材料には、前述のRD308
119VII−K項に記載されているフィルター層や中
間層等の補助層を設けることができる。本発明の感光材
料は前述のRD308119VII−K項に記載されて
いる順層、逆層、ユニット構成等の様々な層構成をとる
ことができる。本発明においては、感光材料中にビニル
スルホン系硬膜剤を用いる際、本発明の効果をより良好
に奏する。
【0141】ビニルスルホン系硬膜剤とは、スルホニル
基に結合したビニル基或いはビニル基を形成しうる基を
有する化合物であり、好ましくは、スルホニル基に結合
したビニル基又はビニル基を形成しうる基を少なくとも
2つ有しているものである。例えば、下記一般式〔VS
−1〕で示される化合物が、本発明において好ましく用
いられる。
【0142】一般式〔VS−1〕 L−(SO2 −X)m 上記一般式〔VS−1〕において、Lはm価の連結基で
あり、Xは−CH=CH2 又は−CH2 CH2 Yであ
り、Yは塩基によってHYの形で脱離しうる基、例えば
ハロゲン原子、スルホニルオキシ基、スルホオキシ基
(塩を含む)、3級アミンの残基等を表す。mは2〜1
0の整数を表す。−SO2 −Xは、同じでも、互いに異
なっていてもよい。
【0143】m価の連結基Lは、例えば脂肪族炭化水素
基(例えば、アルキレン、アルキリデン、アルキリジン
等或いはこれらが結合して形成される基)、芳香族炭化
水素基(例えば、アリーレン等或いはこれらが結合して
形成される基)、−O−,−NR′−(R′は水素原子
又は好ましくは炭素数1〜15個のアルキル基を表
す)、−S−,−N<,−CO−,−SO−,−SO2
−又は−SO3 −で示される結合を1つ或いは複数組み
合わせることにより形成されるm価の基であり、−N
R′−を2つ以上含む場合、それらのR′同士が結合し
て環を形成してもよい。連結基Lは更に、ヒドロキシ
基、アルコキシ基、カルバモイル基、スルファモイル
基、アルキル基又はアリール基等の置換基を有するもの
も含む。
【0144】Xの具体例としては、−CH=CH2 又は
−CH2 CH2 Cl等が好ましい。以下に、ビニルスル
ホン系硬膜剤の代表的具体例を示す。
【0145】
【化26】
【0146】これら以外の具体的例示化合物としては特
願平2−274026号明細書の122〜128頁に記
載の(VS−1)、(VS−3)、(VS−5)、(V
S−7)、(VS−8)、(VS−11)、(VS−1
3)〜(VS−21)、(VS−23)〜(VS−3
2)、(VS−34)〜(VS−53)、(VS−5
5)〜(VS−57)が挙げられる。
【0147】本発明に用いられるビニルスルホン系硬膜
剤は、例えば、独国特許1,100,942号及び米国
特許3,490,911号等に記載されている如き芳香
族系化合物、特公昭44−29622号、同47−25
373号、同47−24259号等に記載されている如
きヘテロ原子で結合されたアルキル基化合物、特公昭4
7−8736号に記載されている如きスルホンアミド、
エステル系化合物、特開昭49−24435号等に記載
されている如き1,3,5−トリス〔β−(ビニルスル
ホニル)−プロピオニル〕−ヘキサヒドロ−s−トリア
ジン或いは特公昭50−35807号、特開昭51−4
4164号等に記載されている如きアルキル系化合物及
び特開昭59−18944号等に記載されている化合物
等を包含する。
【0148】これらのビニルスルホン系硬膜剤は、水又
は有機溶剤に溶解し、バインダー(例えばゼラチン)に
対して0.005〜20重量%、好ましくは0.02〜
10重量%用いられる。写真層への添加はバッチ方式或
いはインライン添加方式等が採用される。これらの硬膜
剤の写真層への添加の層は特に限定されることはなく、
例えば最上層一層、最下層一層、あるいは全層に添加し
てもよい。
【0149】更に、本発明においては、感光材料中に防
黴剤を用いる際、効果がより良好になる。かかる防黴剤
としては下記一般式〔C−1〕から〔C−3〕で表され
る化合物を本発明に組み合わせて使用する際に本発明の
目的の効果をより良好に奏する。
【0150】
【化27】
【0151】〔式中、R1 はアルキル基、シクロアルキ
ル基、アリール基、水酸基、アルコキシカルボニル基、
アミノ基、カルボン酸基(その塩を含む)又はスルホン
酸基(その塩を含む)を表す。R2 及びR3 はそれぞれ
水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、水酸
基、アルコキシカルボニル基、カルボン酸基(その塩を
含む)又はスルホン酸基(その塩を含む)を表す。Mは
水素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウム基を表
す。〕
【0152】
【化28】
【0153】式中、R4 は水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、−R12
−OR13 −CONHR14(ここでR12はアルキレン基
を表し、R13、R14それぞれ水素原子、アルキル基又は
アリールアルキル基を表す。)又はアリールアルキル基
を表し、R5 及びR6 はそれぞれ水素原子、ハロゲン原
子、ハロゲン化アルキル基又はアルキル基を表し、R7
は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、
ハロゲン化アルキル基、アリールアルキル基、−R15
OR16又は−CONHR17を表し(ここで、R15はアル
キレン基を表し、R16及びR17はともに水素原子又はア
ルキル基を表す。)、R8 、R9 、R10及びR11はそれ
ぞれ水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル
基、アミノ基又はニトロ基を表す。
【0154】次に一般式〔C−1〕〜〔C−3〕で示さ
れる化合物について説明する。一般式〔C−1〕で示さ
れる化合物の具体例としては、下記例示化合物が挙げら
れる。
【0155】
【化29】
【0156】
【化30】
【0157】上記一般式〔C−1〕で示される化合物
は、一部ミカン等の防腐剤として知られていて市販され
て炒るものもあり、当業者は容易に入手することができ
る。上記例示化合物のうち、好ましい化合物としては、
〔C−1−1〕、〔C−1−2〕、〔C−1−3〕、
〔C−1−4〕及び〔C−1−5〕である。
【0158】上記本発明に用いられる一般式〔C−1〕
の化合物は、本発明の安定液1リットル当り0.03〜
50gで用いることが好ましく、より好ましくは0.1
2〜10gであり、特に好ましくは0.15〜5gであ
る。前記一般式〔C−2〕、〔C−3〕で示される化合
物の具体的な化合物例を以下に記載するが、これらに限
定されるものではない。
【0159】(C−2−1)2−メチル−4−イソチア
ゾリン−3−オン (C−2−2)5−クロロ−2−メチル−4−イソチア
ゾリン−3−オン (C−2−3)2−メチル−5−フェニル−4−イソチ
アゾリン−3−オン (C−2−4)4−ブロモ−5−クロロ−2−メチル−
4−イソチアゾリン−3−オン (C−2−5)2−ヒドロキシメチル−4−イソチアゾ
リン−3−オン (C−2−6)2−(2−エトキシエチル)−4−イソ
チアゾリン−3−オン (C−2−7)2−(N−メチル−カルバモイル)−4
−イソチアゾリン−3−C オン (C−2−8)5−ブロモメチル−2−(N−ジクロロ
フェニル−カルバモイル)−4−イソチアゾリン−3−
オン (C−2−9)5−クロロ−2−(2−フェニルエチ
ル)−4−イソチアゾリン−3−オン (C−2−10)4−メチル−2−(3,4−ジクロロ
フェニル)−4−イソチアゾリン−3−オン (C−3−1)1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オ
ン (C−3−2)2−(2−ブロモエチル)−1,2−ベ
ンズイソチアゾリン−3−オン (C−3−3)2−メチル−1,2−ベンズイソチアゾ
リン−3−オン (C−3−4)2−エチル−5−ニトロ−1,2−ベン
ズイソチアゾリン−3−オン (C−3−5)2−ベンジル−1,2−ベンズイソチア
ゾリン−3−オン (C−3−6)5−クロロ−1,2−ベンズイソチアゾ
リン−3−オン
【0160】これら例示化合物は、米国特許2,76
7,172号明細書、同2,767,173号明細書、
同2,767,174号明細書、同2,870,015
号明細書、英国特許848,130号明細書、フランス
国特許1,555,416号明細書等に合成法及び他の
分野への適用例が記載されている。又市販されているも
のもあり、トップサイド300(パーマケムアジア
(株))、トップサイド600(パーマケムアジア
(株))、ファインサイドJ−700(東京ファインケ
ミカル(株))、Proxel GXL(I.C.I
(株))の商品名で入手することが可能である。
【0161】これら一般式〔C−2〕ないし〔C−3〕
の化合物は、本発明の処理液1リットル当り0.001
〜20gの範囲で用いるのが好ましく、より好ましくは
0.005〜5gの範囲である。本発明の自動現像機
は、図3に示されるように、現像槽I、漂白槽定着I
I、定着槽III、安定浴槽IV、安定浴槽Vを含む構
成からなり、図1で示されるように、例えば安定浴槽A
にはフィルター2が設けられ、ポンプ8で安定液が循環
している。図2は、図1の安定浴槽の側面図であり、上
段にスクイズローラー3及び4があり、また下段には搬
送ローラー5が設けられ、感光材7が搬送される構造と
なっている。ここでいうフィルター2とは、処理液の循
環途中にあって、液中の不純物を除去又は吸着する能力
を持つ、多孔質の筒である。
【0162】スクイズブレード3、4とは、フィルムの
平面に付着した処理液が次の処理槽にできる限り持ち込
まれない様に排除するためのものである。ローラー5と
は、フィルムを自現機搬入口から排出口まで局部的に誘
導するための部材のことをいう。これらフィルター、ス
クイズブレード、ローラーの構成材料としては、例え
ば、ポリブチルテレフタレート樹脂、ポリフェニレンエ
ーテル、ポリプロピレン、ポリウレタン、塩化ビニル、
ポリエチレン、ポリビニルアルコール等あるいはこれら
のうちの任意を積層したもの等が挙げられる。
【0163】
【実施例】以下に本発明の具体的実施例を述べるが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0164】実施例1 トリアセチルセルロースフィルム支持体上に、下記に示
すような組成の各層を順次支持体側から形成して、多層
カラー写真感光材料の試料を作製した。
【0165】ハロゲン化銀写真感光材料中の添加量は、
特に記載のない限り1m2 当りのグラム数を示す。な
お、ハロゲン化銀及びコロイド銀は、銀に換算して示し
た。ただし、増感色素については同一層中のハロゲン化
銀1モルに対するモル数で示した。
【0166】 〔感光材料試料〕 第1層;ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.2 紫外線吸収剤(UV−1) 0.23 高沸点溶媒(Oil−1) 0.18 ゼラチン 1.4
【0167】 第2層;第1中間層 ゼラチン 1.3
【0168】 第3層;低感度赤感性乳剤層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.4μm、AgI 2.0モル%) 1.0 増感色素(SD−1) 1.8×10-5(モル/銀1モル) 増感色素(SD−2) 2.8×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(SD−3) 3.0×10-4(モル/銀1モル) シアンカプラー(C−1) 0.70 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.066 DIR化合物(D−1) 0.03 DIR化合物(D−3) 0.01 高沸点溶媒(Oil−1) 0.64 ゼラチン 1.2
【0169】 第4層 中感度赤感性乳剤層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.7μm、AgI 8.0モル%) 0.8 増感色素(SD−1) 2.1×10-5(モル/銀1モル) 増感色素(SD−2) 1.9×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(SD−3) 1.9×10-4(モル/銀1モル) シアンカプラー(C−2) 0.28 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.027 DIR化合物(D−1) 0.01 高沸点溶媒(Oil−1) 0.26 ゼラチン 0.60
【0170】 第5層 高感度赤感性乳剤層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.8μm、AgI 8.0モル%) 0.8 増感色素(SD−1) 1.9×10-5(モル/銀1モル) 増感色素(SD−2) 1.7×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(SD−3) 1.7×10-4(モル/銀1モル) シアンカプラー(C−1) 0.05 シアンカプラー(C−2) 0.10 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.02 DIR化合物(D−1) 0.025 高沸点溶媒(Oil−1) 0.17 ゼラチン 1.2
【0171】 第6層;第2中間層 ゼラチン 0.8 第7層;低感度緑感性乳剤層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.4μm、AgI 2.0モル%) 0.8 増感色素(SD−4) 6.8×10-5(モル/銀1モル) 増感色素(SD−5) 6.2×10-4(モル/銀1モル) マゼンタカプラー(M−1) 0.54 マゼンタカプラー(M−2) 0.19 カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.06 DIR化合物(D−2) 0.017 DIR化合物(D−3) 0.01 高沸点溶媒(Oil−1) 0.81 ゼラチン 1.8
【0172】 第8層;中感度緑感性乳剤層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.7μm、AgI 8.0モル%) 0.7 増感色素(SD−6) 1.9×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(SD−7) 1.2×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(SD−8) 1.5×10-5(モル/銀1モル) マゼンタカプラー(M−1) 0.07 マゼンタカプラー(M−2) 0.03 カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.04 DIR化合物(D−2) 0.018 高沸点溶媒(Oil−2) 0.30 ゼラチン 0.8
【0173】 第9層;高感度緑感性乳剤層 沃臭化銀乳剤(平均粒径1.0μm、AgI 8.0モル%) 0.7 増感色素(SD−6) 1.2×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(SD−7) 1.0×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(SD−8) 3.4×10-6(モル/銀1モル) マゼンタカプラー(M−1) 0.09 マゼンタカプラー(M−3) 0.04 カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.04 高沸点溶媒(Oil−2) 0.31 ゼラチン 1.2
【0174】 第10層;イエローフィルター層 黄色コロイド銀 0.05 色汚染防止剤(SC−1) 0.1 高沸点溶媒(Oil−2) 0.13 ゼラチン 0.7 ホルマリンスカベンジャー(HS−1) 0.09 ホルマリンスカベンジャー(HS−2) 0.07
【0175】 第11層;低感度青感性乳剤層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.4μm、AgI 2.0モル%) 0.5 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.7μm、AgI 8.0モル%) 0.5 増感色素(SD−9) 5.2×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(SD−10) 1.9×10-5(モル/銀1モル) イエローカプラー(Y−1) 0.65 イエローカプラー(Y−2) 0.24 DIR化合物(D−1) 0.03 高沸点溶媒(Oil−2) 0.18 ゼラチン 1.3 ホルマリンスカベンジャー(HS−1) 0.08
【0176】 第12層;高感度青感性乳剤層 沃臭化銀乳剤(平均粒径1.0μm、AgI 8.0モル%) 1.0 増感色素(SD−9) 1.8×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(SD−10) 7.9×10-5(モル/銀1モル) イエローカプラー(Y−1) 0.15 イエローカプラー(Y−2) 0.05 高沸点溶媒(Oil−2) 0.074 ゼラチン 1.30 ホルマリンスカベンジャー(HS−1) 0.05 ホルマリンスカベンジャー(HS−2) 0.12
【0177】 第13層;第1保護層 微粒子沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.08μm、AgI 1.0モル%) 1.0 紫外線吸収剤 (UV−1) 0.07 紫外線吸収剤 (UV−2) 0.10 高沸点溶媒(Oil−1) 0.07 高沸点溶媒(Oil−3) 0.07 ホルマリンスカベンジャー(HS−1) 0.13 ホルマリンスカベンジャー(HS−2) 0.37 ゼラチン 1.3
【0178】 第14層;第2保護層 アルカリ可溶性マット剤(平均粒径2.0μm) 0.13 ポリメチルメタクリレート(平均粒径3.0μm) 0.02 滑り剤(WAX−1) 0.04 ゼラチン 0.6
【0179】なお、上記組成物の他に、塗布助剤Su−
1、分散助剤Su−2、粘度調整剤、硬膜剤H−1、H
−2、安定剤ST−1、カブリ防止剤AF−1、Mw:
10000及びMw:1100000の2種のAF−2
を添加した。上記試料に用いた乳剤は単分散性の表面低
沃化銀含有型乳剤であり、常法に従い、金硫黄増感を最
適に施した。なお平均粒径は、立方体に換算した粒径で
示した。
【0180】
【化31】
【0181】
【化32】
【0182】
【化33】
【0183】
【化34】
【0184】
【化35】
【0185】
【化36】
【0186】
【化37】
【0187】
【化38】
【0188】以上のようにして作製したカラーネガフィ
ルムをコニカFS−1(コニカ(株)製)を用いて撮影
した後、下記の条件で連続処理した。
【0189】処理工程 処理工程 処理時間 処理温度 補充量* 発色現像 3分15秒 38±0.3℃ 536ml 漂 白 45秒 38±2.0℃ 150ml 定 着 1分30秒 38±2.0℃ 830ml 安定化 60秒 38±5.0℃ 830ml 乾 燥 1分 55±5.0℃ − *補充量は感光材料1m2 当りの値である。 発色現像液、漂白液、定着液、安定液及びその補充液
は、以下のものを使用した。
【0190】 〔発色現像液〕 水 800ml 炭酸カリウム 30g 炭酸水素ナトリウム 2.5g 亜硫酸カリウム 3.0g 臭化ナトリウム 1.3g 沃化カリウム 1.2mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.5g 塩化ナトリウム 0.6g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アニリン硫酸塩 4.5g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 水酸化カリウム 1.2g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウム又は20%
硫酸を用いてpH10.06に調整する。
【0191】 〔発色現像補充液〕 水 800ml 炭酸カリウム 35g 炭酸水素ナトリウム 3g 亜硫酸カリウム 5g 臭化ナトリウム 0.4g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.1g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アニリン硫酸塩 6.3g 水酸化カリウム 2g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウム又は20%
硫酸を用いてpH10.18に調整する。
【0192】 〔漂白液〕 水 700ml 1,3−ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 125g エチレンジアミン四酢酸 2g 硝酸ナトリウム 40g 臭化アンモニウム 150g 氷酢酸 40g 水を加えて1リットルとし、アンモニア水又は氷酢酸を
用いてpH4.4に調整する。
【0193】 〔漂白補充液〕 水 700ml 1,3−ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 175g エチレンジアミン四酢酸 2g 硝酸ナトリウム 50g 臭化アンモニウム 200g 氷酢酸 56g アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH4.0に調整後、
水を加えて1リットルとする。
【0194】 〔定着液〕 水 800ml チオシアン酸アンモニウム 120g チオ硫酸アンモニウム 150g 亜硫酸ナトリウム 15g エチレンジアミン四酢酸 2g アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH6.2に調整後、
水を加えて1リットルとする。
【0195】 〔定着補充液〕 水 800ml チオシアン酸アンモニウム 150g チオ硫酸アンモニウム 180g 亜硫酸ナトリウム 20g エチレンジアミン四酢酸 2g アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH6.5に調整後、
水を加えて1リットルとする。
【0196】 〔安定液及び安定補充液〕 水 900ml 添加剤(表4参照) 表5に記載 界面活性剤 3.0g
【0197】
【化39】
【0198】 アンモニア水 1.0ml 水を加えて1リットルとした後、アンモニア水又は50
%硫酸でpH8.5に調整する。
【0199】連続処理に使用した自動現像機は、小型の
コニカ特製の自動現像機である。なお、安定浴の槽構成
は3槽のカウンターフローとした。この小型自動現像機
の各工程の処理時間の調整は各槽に入れる搬送用のラッ
クの長さを調整できるように工夫してある。
【0200】各槽には温度循環濾過フィルター、補充口
が設けられており、一般に市場で販売しているカラーネ
ガフィルム用自動現像機と同一の機能を備えている。な
お、連続処理は、安定浴への補充量が安定浴槽と同一容
量になるのを1ラウンドと表現すると、表5に示す組合
せで3ラウンドまで行った。ランニング処理終了後の処
理済フィルム試料の最高濃度部のマゼンタ濃度を測定
し、次いで75℃、湿度20%RHの状態で2週間保存
し、保存後のマゼンタ最高濃度を測定し色素の褪色率を
求めた。
【0201】また75℃、湿度60%RHの状態で2週
間保存し、未露光部のイエロー濃度を測定しイエロース
テインを求めた。更にランニング処理後のフィルム試料
の裏面のスリ傷の状況を観察した。また安定槽2層目の
液1リットルを開口面積50cm2 のビーカーに25℃
で保存し、液の安定性(硫化までの日数)を評価した。
得られた結果をまとめて表6及び表7に示す。
【0202】
【表6】
【0203】
【表7】
【0204】表6及び表7中、スリ傷評価の中で、〇は
裏面にスリ傷の発生がないことを表し、×は若干のスリ
傷の発生が認められることを表し、×の数が多いほどス
リ傷の程度がひどいことを意味している。表6及び表7
より明らかなように、ホルムアルデヒドを使用すると褪
色率及びスリ傷は問題ないものの、液保存性が著しく劣
ることがわかる。また従来のホルムアルデヒド代替化合
物を用いた実験No.1−3及び1−17の場合には低
湿度条件では画像の褪色率が劣り、更にスリ傷や液保存
性も共に劣ることがわかる。またポリプロピレン系材料
以外の材料でフィルターを作ったものは、スリ傷が発生
していることがわかる。
【0205】比較処理に比べて、本発明の処理は、低湿
度下における褪色率及び高湿度下におけるイエローステ
インが優れているばかりでなく、特にスリ傷及び液保存
性に優れていることがわかる。
【0206】実施例2 実施例1の実験No.1−18で作製したフィルム試料
中の硬膜剤(H−2)を、下記の表8に示すが如き硬膜
剤に変更し、他は実施例1の実験No.1−18と同じ
にして、それぞれの試料を作製した。
【0207】〔フィルム汚れに関する目視判定基準〕 A:フィルム汚れはない。 B:数カ所にフィルム汚れが発生している。 C:多くの箇所にフィルム汚れが発生している。 フィルターの交換回数については、有意差がなかった。
以下スリ傷、イエローステイン、フィルムの汚れについ
て、その結果を表8にまとめて示す。
【0208】 〔表8〕実験No. 硬 膜 剤 スリ傷の イエロー フィルム 発生状況 ステイン 汚れ 2−1 例示(VS−2) ○ 0.00 A 2−2 例示(VS−4) ○ 0.01 B〜A 2−3 例示(VS−6) ○ 0.01 A 2−4 例示(VS−9) △ 0.00 A 2−5 例示(VS−10) ○ 0.01 B〜A 2−6 例示(VS−12) △〜○ 0.01 A 2−7 例示(VS−22) ○ 0.02 A 2−8 例示(VS−33) △〜○ 0.00 B〜A 2−9 例示(VS−54) △〜○ 0.01 B〜A 2−10 下記RH−1 △ 0.04 B 2−11 下記RH−2 △〜× 0.04 B〜A 2−12 下記RH−3 △ 0.04 B 2−13 下記RH−4 △ 0.04 C〜B 2−14 下記RH−5 △ 0.04 B〜A
【0209】
【化40】
【0210】表8より明らかなように、本発明の処理方
法にビニルスルホン酸系硬膜剤を組み合わせて使用する
際には、本発明のスリ傷の発生防止に優れ、またフィル
ムの汚れのないという本発明の効果がより良好に発揮さ
れることがわかる。
【0211】実施例3 実施例1の実験No.1−18で作製したカラーネガフ
ィルム試料に下記の表7に記載した化合物を10mg/
2 となるように添加含有させ、他は実施例1の実験N
o.1−18と同じにして、それぞれの試料を作製し
た。フィルターの交換回数については、有意差がなかっ
た。以下沈澱、汚れ、マゼンタステインについて、その
結果を表9にまとめて示す。
【0212】 〔表9〕 実験No. 添 加 剤 沈澱発生 フィルム マゼンタ (10mg/m2 状況 汚れ ステイン 3−1 未添加 △〜○ A 0.02 3−2 フェノール ○ B 0.01 3−3 デヒドロ酢酸 △ B 0.02 3−4 チアゾリルベンズ イミダゾール △ B 0.01 3−5 クロロジフェニル △ B 0.02 3−6 クレゾール △ B 0.02 3−7 p−アミノベンゼン スルファミド △ B〜A 0.02 3−8 (C−1−1) ○ A 0.01 3−9 (C−1−16) ○ A 0.01 3−10 (C−1−18) ○ A 0.01 3−11 (C−2−1) △〜○ A 0.01 3−12 (C−2−2) ○ A 0.01 3−13 (C−2−7) ○ A 0.01 3−14 (C−2−10) ○ A 0.01 3−15 (C−3−1) ○ A 0.01 3−16 (C−3−6) △〜○ A 0.01
【0213】〔沈澱発生状況に関する目視判定基準〕 〇:沈澱の発生がない。 △:安定槽フィルターにわずかに沈澱が発生する。 ×:安定槽フィルター全面に沈澱が発生する。
【0214】表9から明らかなように、本発明の処理方
法で用いる感光材料に、前記一般式〔C−1〕〜〔C−
3〕で表される化合物を組み合わせて使用する際に、沈
澱発生の防止に優れた効果を有し、またフィルム汚れも
なく、マゼンタステインの発生も殆どないという本発明
の効果がより良好に奏されることがわかる。
【0215】
【発明の効果】本発明は、一般式〔I〕で示される化合
物を含有する処理液を使用した自動現像機及びこれを使
用した処理した処理方法において、該自動現像機の接液
部材をポリプロピレン系物質で構成することにより、感
光材料にスリ傷及び汚れが発生するのを防止し、迅速に
連続処理した場合のイエローステインの発生が改良さ
れ、安定液の保存性が向上し、かつ硫化物の沈澱発生を
抑制する。更には処理品質を損なうことなく作業環境の
安全性に問題があるショルムアルデヒドを処理液に使用
することを避けることができる等の優れた効果を奏する
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動現像機の安定浴槽を示す断面図で
ある。
【図2】図1の安定浴槽の側断面図である。
【図3】本発明の自動現像機の各槽を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
A 安定浴 2 フィルター 3、4 スクイズローラー 5 搬送ローラー 6 ガイド 7 感光材 8 ポンプ I 現像槽 II 漂白定着槽 III 定着槽 IV 安定浴槽 V 安定浴槽
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像
機及び処理方法

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔I〕で示される化合物を含有す
    る処理液を用いて処理する自動現像機において、該自動
    現像機の接液部材の材質の少なくとも一部がポリプロピ
    レン系物質であることを特徴とするハロゲン化銀写真感
    光材料用自動現像機。 【化1】 〔式中、Zは炭素環又は複素環を形成するに必要な原子
    群を表し、Xはアルデヒド基、 【化2】 (これらの基中、R1 及びR2 は各々低級アルキル基を
    表す。)を表し、nは1〜4の整数を表す。〕
  2. 【請求項2】 請求項1記載の接液部材がフィルター、
    スクイズブレード又はローラーの中から選択される少な
    くともいづれかであることを特徴とするハロゲン化銀写
    真感光材料用自動現像機。
  3. 【請求項3】 一般式〔I〕で示される化合物を含有す
    る処理液と自動現像機とを用いて処理するハロゲン化銀
    写真感光材料の処理方法において、該自動現像機の接液
    部材の材質の少なくとも一部がポリプロピレン系物質で
    あることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理
    方法。 【化3】 〔式中、Zは炭素環又は複素環を形成するに必要な原子
    群を表し、Xはアルデヒド基、 【化4】 (これらの基中、R1 及びR2 は各々低級アルキル基を
    表す。)を表し、nは1〜4の整数を表す。〕
  4. 【請求項4】 請求項3記載の接液部材がフィルター、
    スクイズブレード又はローラーの中から選択される少な
    くともいづれかであることを特徴とするハロゲン化銀写
    真感光材料の処理方法。
JP4620692A 1992-01-31 1992-01-31 ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機及び処理方法 Pending JPH05216179A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4620692A JPH05216179A (ja) 1992-01-31 1992-01-31 ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機及び処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4620692A JPH05216179A (ja) 1992-01-31 1992-01-31 ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機及び処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05216179A true JPH05216179A (ja) 1993-08-27

Family

ID=12740616

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4620692A Pending JPH05216179A (ja) 1992-01-31 1992-01-31 ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機及び処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05216179A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0506349B1 (en) Stabilising solution for lightsensitive silver halide color photographic material, and processing method making use of the stabilizing solution
JP2909668B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
JPS62250444A (ja) 発色現像液及び該発色現像液を用いたハロゲン化銀カラ−写真感光材料の処理方法
JPH0473646A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
JPS6348548A (ja) ハロゲン化銀カラ−写真感光材料用発色現像液
JPH05216179A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機及び処理方法
JP2990311B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
JP2873637B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
JP3146380B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
JPS62242938A (ja) 最大発色濃度の高い色素画像が得られるハロゲン化銀写真感光材料の処理方法
JP2855493B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
JP2873638B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
JPH0580476A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料用安定液及び該安定液を用いた処理方法
JP3146383B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料用安定液とその濃縮組成物及び該安定液を用いた処理方法
JPS6289960A (ja) ハロゲン化銀感光材料
JPH05232660A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
JPH05232661A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
JPH05273718A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法及び処理液
JPH01189652A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料用発色現像液および該発色現像液を用いたハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
JPH05232663A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
JP2673715B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
JPH05232662A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
JPH0437847A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料発色現像用濃厚組成物及び処理液並びに処理方法
JPH0229645A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
JPH0683008A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法