JPH0521535Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は予め掘削された杭穴へ杭を吊り込
み、中途で上下の杭を接続する際に、下杭を一定
の高さに吊り下げ支持する為に用いる杭支持装置
に関するものであつて、建築・土木の分野で利用
されるものである。

（従来の技術） 吊込まれた下杭の上端に上杭の下端を当接溶接
する場合には、下杭を一定の高さに吊り下げ支持
しておく必要がある。そしてその為の支持装置と
して先に出願人は、内側の杭を吊り込むことがで
きる間〓をもつた支枠の一部に支持脚を対向植設
し、この支持脚に杭支持用ワイヤーを吊下する吊
鈎と掛止鈎とを取付けた杭支持装置を提案した
（特公昭58−45530号）。

（考案が解決すべき課題） 上記従来の技術においては、下杭の上端部にワ
イヤを装着し、このワイヤを吊鈎に係止した後、
前記下杭を下方へ吊り込むことによつてワイヤを
下杭に緊締し、下杭を支持するものであつた。そ
のために、下杭を吊り込むときの力が吊鈎および
支持脚に加わることとなり、大きな強度が要求さ
れるという問題点があつた。

（課題を解決する為の手段） この考案の杭支持装置は、内側に杭を吊り込む
ことができる間〓をたもつて対向した支枠に、杭
吊上げ用の一対の油圧シリンダーが、そのピスト
ンロツドを垂直にして対向設置し、前記ピストン
ロツドの上端部に杭支持用ワイヤを係止できる吊
鈎が突出対向して取付けられた構成である。

前記支枠１は、内側に杭を吊り込むことができ
る間〓があれば、平面コ字状の他、円形、楕円
形、紡錘形その他適宜の形状とすることができ
る。また支枠はバツクフオーのアームに取付けて
おき、油圧シリンダー作動用の動力はバツクフオ
ーに取付けておけば、取扱が便利である。

（作用） この考案の杭支持装置は、下杭の上端部に装着
したワイヤを吊鈎４に掛止して使用するものであ
り、この状態で油圧シリンダーのピストンロツド
３を上昇させるとワイヤは引張られて下杭に緊締
し、下杭を支持する。この場合、油圧シリンダー
２の力で下杭を上方へ押し上げる状態となるの
で、前記従来の装置に比較して吊鈎に加わる下向
きの力は著しく小さいものとなる。

以下この考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

（実施例） 平面コ字状で内側に杭を吊り込むことのできる
間〓をもつた鋼製の支枠１の対向側枠１ａ，１ａ
の中央部に油圧シリンダー２，２がそのピストン
ロツド３を垂直にして埋設固定してあり、該ピス
トンロツド３の上端にワイヤ係止用の吊鈎４が突
出して取付けてある。前記支枠１は連結杆５を介
してバツクフオーのアーム６に連結してある。図
中７は泥よけのジヤバラ、８，９は油圧ホースで
あつて、バツクフオーに取付けられた油圧ユニツ
ト（図示していない）に連結されている。

この実施例の杭支持装置を使用するには、支枠
１をその中央部へ杭穴が臨むように設置し、通常
の要領で下杭１０を吊り込む。そして下杭１０が
所定の位置まで吊り込まれたら、下杭１０の上端
部にワイヤ１１を装着してその端部を吊鈎４に掛
ける。

この状態で油圧シリンダー２，２に加圧油を導
入してピストンロツド３，３を上昇させると、前
記ワイヤ１１は自動的に緊締される。前記ピスト
ンロツド３，３を完全に上昇させた後、下杭のチ
ヤツクをはずして上杭１２を吊り下げて両杭の上
下端面を当接させ、両端板を溶接固着する。

溶接後、ピストンロツド３，３を若干上昇させ
ると、上杭と下杭が同時に上昇するので、下杭の
抵抗が小さくなるので、爾後上下杭を容易に吊り
上げることができる。このようにすれば、前記ワ
イヤ１１は弛むので、ワイヤ１１を吊鈎４から外
すことができる。

この実施例によれば、支枠１をバツクフオーの
アームに取付けたので、油圧シリンダー作動用の
動力を容易に得ることができると共に、運搬も容
易である。

（考案の効果） この考案によれば、支持枠に油圧シリンダーを
取付け、該油圧シリンダーのピストンロツドの上
端部に吊鈎を設け、該吊鈎に下杭緊締用のワイヤ
を係止させることとしたので、油圧シリンダーの
力によつて下杭を吊り上げ支持することができる
が、一旦吊り上げると、杭と杭穴側壁との縁が切
れ、杭に掛る摩擦力が小さくなるので、吊り上げ
は比較して小さな力でよくなる効果がある。また
吊鈎を斜上向に突出対向させたので、ワイヤを容
易に掛けたり外したりすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の斜視図、第２図は
同じく平面図、第３図及び第４図は使用状態の正
面図断面であつて、第３図はピストンロツドの下
降時、第４図は上昇時である。 １……支枠、２……油圧シリンダー、３……ピ
ストンロツド、４……吊鈎。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 内側に杭を吊り込むことができる間〓をたも
   つて対向した支枠に、杭吊上げ用の一対の油圧
   シリンダーがそのピストンロツドを垂直にして
   対向設置され、前記ピストンロツドの上端部に
   杭支持用ワイヤを係止できる吊鈎が斜上方に突
   出対向して取付けられた杭支持装置。 ２ 支枠は、平面コ字状とした実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の杭支持装置。 ３ 支枠はバツクフオーのアームに連結された実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の杭支持装
   置。