JPH0530071U - 天井梁への係止用簡易クランプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 逆Ｔ字状断面の天井梁に簡単に着脱自在に取
りつけうる簡易クランプを提供する。 【構成】 天井梁４、20のフランジ５の片側に係合する
スリット６を有し、天井梁を挟んで交互に向い合うよう
に配列される３枚のＣ字状のフックプレ―ト１、２、３
と、フックプレ―トの重なる部位の上部に貫通支持され
るピン７および下部に貫通されるシャックル８からなる
クランプ。簡易な工具を用いた操作だけで簡単に繰り返
し取り付けることができ、天井梁の上部が塞っていても
使用でき、安全、確実にチェンブロックなど吊り支持し
うる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は天井梁への係止用簡易クランプに関する。さらに詳しくは、地下駐車 場の据付工事などを大幅に省力化しうる簡易クランプに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、地下駐車場などのクレ―ンを持ち込めない屋内建造物の据付け工事のと きは、あらかじめ設置されているＨ型鋼などの天井梁に、チェンブロックのフッ クが通る孔を有する吊りピ―スを溶接し、あるいは天井梁にワイヤを掛けること により、チェンブロックなどの吊り支持部（吊点）とし、工事材料の搬送や据え 付けに利用している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし天井梁に吊りピ―スを溶接するばあいは、梁に熱歪などの悪影響を与 える、火花が散るなどにより作業性、作業環境が悪化する、溶接やガス切断 による撤去に手間がかかる、吊りピ―スが使い捨てになり、コストがかかる、 などの問題がある。 他方、天井梁にワイヤを掛けるばあいは、梁に集中荷重が掛る、天井梁の 上が塞っているばあいなど、ワイヤが通らない場所があり、使用位置が制限され る、ワイヤの分だけ支持点が下り、チェンブロックなどの揚程が少なくなる、 などの問題がある。

【０００４】 本考案はかかる問題を解消し、溶接やガス切断などの熱を伴う作業を用いず、 簡単かつ安全に建屋の天井梁に着脱自在に取りつけうる係止用簡易クランプを提 供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の天井梁への係止用簡易クランプ（以下、単にクランプという）は、 (a) 前記梁のフランジの一方の側に係合するスリットを有する２枚の第１フック プレ―トと、 (b) フランジの他方の側に係合するスリットを有し、その下部が前記２枚の第１ フックプレ―トの下部の間に挟まれる第２フックプレ―トと、 (c) 前記３枚のフックプレ―トの重なる部位の上部に貫通されるピンと、 (d) 前記重なる部位の下部に貫通されるピンを備えたシャックル とからなることを特徴としている。

【０００６】

【作用】

本考案のクランプは、通常はボルトおよびシャックルで３枚のフックプレ―ト を連結した状態で保管しておく。使用時にはそれらをバラバラにし、３枚のフッ クプレ―トを天井梁の下側フランジに互いに向き合うように係止させる。そうす ると位置決め用のピンおよびシャックルのピンを通すべき孔がそれぞれ一直線に 並ぶので、上の孔にピンを通し、さらにシャックルの吊り鐶をフックプレ―トの 下部をまたがせるように保持し、ピンを吊り鐶の孔、フックプレ―トの下の孔、 吊り鐶の他方の孔の順で通して各ピンの先端にナットを螺着する。なお他方の孔 がネジ孔のばあいは、ピンをそのネジ孔に螺合させる。 それによりフックプレ―トは２箇所のピンで固定されるので開きが防止される 。また吊り鐶にチェンブロックのフックを掛けて重量物を吊るばあい、フックプ レ―トの上端は天井梁のリブを挟みつけるように作用するので、真下の力が加わ るばあいはもちろんのこと、少々斜めに力が加わってもすべったりせず、安全で ある。 なお３枚のフックプレ―トのうち中間のフックプレ―トの先端の踏み面を反 対側の２枚のフックプレ―トの幅まで広げることにより、一層荷重点を分散させ 、安定させることができる。

【０００７】

【実施例】

つぎに図面を参照しながら本考案のクランプの好ましい実施例を説明する。 図１において、１および２は同形状の第１フックプレートであり、３は前記第 １フックプレート１、２の間に挿入される第２フックプレートである。第２フッ クプレート３も第１フックプレート１、２とほぼ同形状である。各フックプレ― ト１．２．３はそれぞれ梁を構成する逆Ｔ字状の型鋼４のフランジ５の片側の幅 Ｗと同じ長さ（フックプレ―トの上部先端から止まり部までの長さ）のスリット ６を有するＣ字状を呈しており、輪郭はホ―ムベ―スないしハ―ト型を縦に２分 割したような形状である（図２参照）。

【０００８】 第１フックプレ―ト１、２と第２フックプレ―ト３の下側は３枚重ねにされ、 その重なった部分の上部および下部に、位置決め用のピン７およびシャックル８ のピン９を挿入しうる孔10、11が形成されている。各孔10、11の中心位置はフッ クプレ―トの上部先端より型鋼４のリブ12の厚さの１／２だけ前に出た位置であ る。各フックプレ―ト１、２、３は、たとえば厚さ９〜20mmの鋼板をガス溶断す ることにより形成しうる。

【０００９】 前記ピン７は通常のボルトであってナット7aと共に用いられているが、端部に 抜き止め用バネピンを備える軸ピンでもよい。またシャックル８はＵ字状の吊り 鐶13と、その先端の孔14に貫通されるピン９と、前記ピン９の先端に螺合される ナット9aとから構成される。 なお、前記フックプレ―ト１〜３のスリット６の止まり部には、応力集中を緩 和するための逃げ16が形成され、コ―ナ部にも応力集中を緩和するための切り欠 き17が形成されている。 さらに第２フックプレ―ト３の上部先端には、スリット６に沿うように拡幅ブ ロック18が溶着されており、それにより第１フックプレ―ト１．２の幅と同じ程 度まで踏み面19（図２）の幅が広げられている。

【００１０】 叙上のごとく構成されるクランプは通常は図２〜３に示すようにピン７，シャ ックル８が組み立てられた状態で保管されている。 使用時はピン７およびシャックル８を外し、各フックプレ―トのスリット６を 型鋼４の両側のフランジ５に向い合わせるようにして挿入する。ついでピン７お よびシャックル８をセットすればよい。したがって取りつけ、取り外しはスパナ 等の簡単な工具を用いるだけの簡単な作業で済み、繰返し使用することができる 。

【００１１】 このクランプは、たとえば図５に示すように天井に通っているＨ型鋼、２枚の Ｃ型チャンネルを背中合せにした梁、あるいはＩ型鋼など、下側が逆Ｔ字状の１ 本の梁20に１個または２〜３個取りつけ、または２〜３本の梁に一列に取りつけ 、チェンブロック21のフック22をシャックルの吊り鐶13に引っ掛けて吊り支持部 として使用しうる。

【００１２】

【考案の効果】

本考案のクランプは、天井梁のフランジに係合させるだけであるので、 吊りピ―スを取りつけるばあいのような溶接作業、ガスの切断作業が不要であ り、それゆえ建屋の天井梁に悪影響を与えず、 取りつけ取り外しが簡単で、繰り返し使用ができ、 天井梁の上部が塞っているばあいも使用できる、 というすぐれた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係るクランプの斜視図であ
る。

【図２】図１のクランプの一部断面正面図である。

【図３】図１のクランプの一部断面平面図である。

【図４】図１のクランプの一部断面側面図である。

【図５】本考案のクランプの使用状態説明図である。

【符号の説明】

１ 第１フックプレ―ト ２ 第１フックプレ―ト ３
第２フックプレ―ト ４ 型鋼 ６ スリット ７
ピン ８ シャックル ９ ピン 10
孔 11 孔 20 梁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】断面逆Ｔ字状の下部を有する天井梁に係止
   しうるクランプであって、 (a) 前記梁のフランジの一方の側に係合するスリットを
   有する２枚の第１フックプレ―トと、 (b) フランジの他方の側に係合するスリットを有し、そ
   の下部が前記２枚の第１フックプレ―トの下部の間に挟
   まれる第２フックプレ―トと、 (c) 前記３枚のフックプレ―トの重なる部位の上部に貫
   通されるピンと、 (d) 前記重なる部位の下部に貫通されるピンを備えたシ
   ャックルとからなることを特徴とする天井梁への係止用
   簡易クランプ。