JPH11301979A - 形鋼の掛止具 - Google Patents

形鋼の掛止具

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JPH11301979A
JPH11301979A JP10975098A JP10975098A JPH11301979A JP H11301979 A JPH11301979 A JP H11301979A JP 10975098 A JP10975098 A JP 10975098A JP 10975098 A JP10975098 A JP 10975098A JP H11301979 A JPH11301979 A JP H11301979A
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restraining
steel
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JP10975098A
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English (en)
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Tomio Miyauchi
富夫 宮内
Toshitaka Terasaki
歳田加 寺崎
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築物等において梁として配設された形鋼
に、簡単且つ確実に取り付けることができる形鋼の掛止
具が無かったため、形鋼への台付け作業を、安全かつ迅
速に行うことができなかった。 【解決手段】 フランジ15a が略水平面をなすようにし
て配設される形鋼15のウェブ15b の内面22a 、フランジ
15a の内面23a および外面23b をそれぞれ拘束する第1
拘束部材11と、第1拘束部材11に対して形鋼15の長さ方
向に並設されてウェブ15b の外面22b およびフランジ15
a の外面23b をそれぞれ拘束する第2拘束部材12と、第
1拘束部材11および第2拘束部材12をそれぞれ貫通して
第1拘束部材11および第2拘束部材12を開閉自在に支持
する軸支部材13と、形鋼15を拘束した状態の第1拘束部
材11および第2拘束部材12をいずれも貫通して装着され
る開き防止部材14とを備える形鋼の掛止具10である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、建築物等
においてそのフランジが略水平面をなす姿勢で梁として
配設された形鋼に、簡単かつ確実に取り付けることがで
きる形鋼の掛止具に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、例えばビル等の建築物に
は、垂直材である柱と、水平またはこれに近い姿勢で設
けられる梁とが、構造部材として使用される。この梁
は、その軸方向に対する斜め方向または直角方向への荷
重を受けるため、曲げが発生する。このような曲げに対
する抵抗性を確保するため、従来より、梁には溝形鋼や
H形鋼等の形鋼が多用されている。
【0003】このような梁が配設された建築物の建築時
には、例えば梁等の構造材や他の設備部品 (例えば溶断
機) 等の重量物を、建築物内の所望の高さに持ち上げる
必要が生じる。従来より、このような重量物を人力で持
ち上げることができない場合には、フランジが略水平面
をなす姿勢で梁として配設された形鋼を利用していた。
すなわち、所望の高さを超えた任意の高さに梁として配
設された形鋼の一部に吊環を溶接固定したり、形鋼の外
周にワイヤロープ等を巻き付けることにより、チェーン
ブロック等の揚荷装置の取付け部を形成する台付け作業
を行い、この取付け部に揚荷装置を取り付けて、下方の
床面に置かれた重量物への玉掛けを行って、重量物を所
望の高さまで揚上していた。
【0004】しかし、この台付け作業は、チェーンブロ
ック等の揚程の関係上、高所で行われることが多い。そ
のため、吊環を溶接固定する作業やワイヤロープ等を巻
付ける作業は、危険を伴う作業となっていた。
【0005】また、以前に行われた台付け作業により溶
接固定された既設の吊環を流用することができれば、台
付け作業を省略することができる。しかし、溶接部近傍
における応力腐食割れ等のおそれを、簡易に確認する手
段がないため、安全面での信頼性に欠ける。そのため、
既設の吊環を流用することも難しい。
【0006】さらに、建築工程の関係で、梁として配設
された形鋼の、上部に位置するフランジの外面に敷板等
を取り付けた後にこの形鋼に台付け作業を行う必要が生
じる場合がある。しかし、このような場合には、ワイヤ
ロープを形鋼の周囲に巻き付けることができないため、
敷き板にワイヤロープ巻付け用小穴をガス溶断等によっ
て設けたり、形鋼のウェブや下部に位置するフランジに
吊環を溶接固定する必要があった。そのため、作業効率
の低下は免れなかった。
【0007】このような台付け作業を安全かつ効率的に
行うためには、形鋼に簡易に掛止できる掛止具が必要と
なる。形鋼の掛止具としては、例えば特開昭60−82593
号公報により、カムや回転板、さらには開閉桿等を用い
た溝形鋼のクランプ装置が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この提案にか
かるクランプ装置は、C型の開閉桿により溝形鋼のウェ
ブおよびフランジそれぞれの外面を覆う必要があるた
め、H形鋼への掛止を行うことは難しい。
【0009】また、この提案にかかるクランプ装置は部
品点数が多いため、製造コストが嵩む。また、部品点数
が多い分だけ故障因子が多く、建築現場での使用には適
さない。
【0010】ここに、本発明の目的は、建築物等におい
てフランジが略水平面をなす姿勢で梁として配設された
形鋼に簡単且つ確実に取り付けることができ、これによ
り、形鋼への台付け作業を、安全かつ迅速に行うことを
可能とする形鋼の掛止具を提供することである。さら
に、本発明の目的は、このような掛止具をできるだけ簡
素な構造で提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】ここに、本発明の要旨と
するところは、フランジが略水平面をなすようにして配
設される形鋼のウェブの内面、フランジの内面および外
面をそれぞれ拘束する第1拘束部材と、ウェブの内面の
反対面およびフランジの外面をそれぞれ拘束する第2拘
束部材と、形鋼を拘束した第1拘束部材および第2拘束
部材をいずれも貫通して装着され、第1拘束部材および
第2拘束部材を開閉自在に支持する軸支部材とを備える
ことを特徴とする形鋼の掛止具である。
【0012】上記の本発明にかかる形鋼の掛止具では、
第1拘束部材および第2拘束部材が、形鋼の長さ方向に
並設されることを、例示できる。また、これらの本発明
にかかる形鋼の掛止具が、さらに、形鋼を拘束した第1
拘束部材および第2拘束部材をいずれも貫通して装着さ
れ、第1拘束部材および第2拘束部材が開くことを防止
する開き防止部材を備えることが、形鋼に確実に掛止さ
れるために望ましい。
【0013】また、これらの本発明にかかる形鋼の掛止
具では、軸支部材が、第1拘束部材および第2拘束部材
の一方または双方を、形鋼のフランジ幅方向について、
移動自在に支持することが、様々なフランジ幅を有する
形鋼に確実に掛止されるために望ましい。
【0014】さらに、これらの本発明にかかる形鋼の掛
止具は、開き防止部材に、重量物を懸吊する懸吊部材が
取り付けられて使用される。なお、これらの本発明にお
ける「掛止」とは、ひっ掛けてとめることを意味する。
【0015】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明に
かかる形鋼の掛止具の実施形態を、添付図面を参照しな
がら詳細に説明する。なお、第1実施形態は、形鋼が溝
形鋼である場合を例にとるが、この第1実施形態は等辺
山形鋼または不等辺山形鋼へも適用可能である。
【0016】図1は、本実施形態の形鋼の掛止具10を示
す分解斜視図である。図1に示すように、本実施形態の
掛止具10は、第1拘束部材11と、第2拘束部材12と、こ
れらを貫通する軸支部材13と、開き防止部材14とを備え
る。以下、これらについて、分説する。
【0017】[第1拘束部材11]図2は、本実施形態の掛
止具10の構成部品である第1拘束部材11の説明図であ
り、図2(a) は正面図、図2(b) は側面図である。
【0018】第1拘束部材11は、本実施形態では、図2
(a) および図2(b) に示す形状を呈する、SS400 からな
る2枚の拘束板11a および11b を貼り合わせて、構成さ
れる。なお、第1拘束部材11の材質は、使用する荷重条
件によって、適宜選定すればよい。また、拘束板11a お
よび11b は、一体に形成してもよいことはいうまでもな
い。
【0019】拘束板11a には、溝形鋼15のフランジ15a
が嵌まる溝部16が設けられる。また、図2(a) における
拘束板11a の右下部の端面17は、後述する第2拘束部材
12の角部27を円滑に摺動させるために周面状に形成され
る。
【0020】一方、拘束板11b のうちで拘束板11a が張
り合わされる範囲18は、拘束板11aと同一の外形を呈す
る。また、拘束板11a が張り合わされない範囲19には、
軸支部材貫通孔20と、開き防止部材貫通孔21とが設けら
れる。
【0021】このようにして、この第1拘束部材11は、
図2(a) に示すように、溝部16を介して、ウェブ15b の
内面22a 、フランジ15a の内面23a および外面23b にそ
れぞれ当接する。これにより、第1拘束部材11は、フラ
ンジ15a が略水平面をなすようにして配設される溝形鋼
15に係合する。
【0022】[第2拘束部材12]図3は、本実施形態の掛
止具10の構成部品である第2拘束部材12の説明図であ
り、図3(a) は正面図、図3(b) は側面図である。
【0023】第2拘束部材12は、本実施形態では、図3
(a) および図3(b) に示す形状を呈する、SS400 からな
る拘束板12a により、構成される。なお、第2拘束部材
12の材質も、使用する荷重条件によって、適宜選定すれ
ばよい。
【0024】拘束板12a には、溝形鋼15の角部が当接す
る屈曲部24が設けられる。また、拘束板12a の所定の位
置には、拘束板11b に設けられた軸支部材貫通孔20およ
び開き防止部材貫通孔21と同一の径を有する軸支部材貫
通孔25および開き防止部材貫通孔26が、同一のピッチで
設けられる。さらに、拘束板12a の角部27には、拘束板
11a の右下部の端面17と、溝形鋼15のフランジ15a の外
面23b とに円滑に摺動させるために、面取りが行われ
る。
【0025】この第2拘束部材12a は、図3(a) に示す
ように、屈曲部24を介して、ウェブ15b の内面22a の反
対面である外面22b と、フランジ15a の外面23b とにそ
れぞれ当接する。これにより、第2拘束部材12は、フラ
ンジ15a が略水平面をなすようにして配設される形鋼15
に係合する。
【0026】[軸支部材13]本実施形態の掛止具10は、図
1に示すように、第1拘束板11に設けられた軸支部材貫
通孔20と、第2拘束部材12に設けられた軸支部材貫通孔
25とをいずれも貫通して装着される軸支部材13を有す
る。
【0027】本実施形態では、軸支部材13として互いに
嵌合する2本のピンを用いたが、これに限定されるもの
ではなく、棒材であればよい。ピン以外には、例えば、
六角ボルトおよびナットが例示される。軸支部材13は、
軸支部材貫通孔20および軸支部材貫通孔25のいずれに対
しても、隙間を有して貫通する。これにより、第1拘束
部材11および第2拘束部材12は、いずれも、軸支部材13
を回転中心として、回動自在に支持される。
【0028】第1拘束部材11および第2拘束部材12は、
ともに、軸支部材13が貫通することにより、溝形鋼15の
長さ方向 (軸支部材13が貫通する方向) へ並んだ状態で
配置される。これにより、第1拘束部材11が溝形鋼15の
ウェブ15b の内面22a 、フランジ15a の内面23a および
外面23b にそれぞれ当接した状態で、第2拘束部材12が
溝形鋼15のウェブ15b の外面22b およびフランジ15a の
外面23b に当接することができる。このようにして、本
実施形態の掛止具10は、第1拘束部材11および第2拘束
部材12により、溝形鋼15に掛止される。
【0029】なお、溝形鋼15の長さ方向 (軸支部材13が
貫通する方向) へ関して、第1拘束部材11および第2拘
束部材12を隣接した状態で配置する必要はなく、適度な
距離だけ離れていてもよい。
【0030】[開き防止部材14]本実施形態の掛止具10で
は、図1に示すように、溝形鋼15に当接した状態の第1
拘束部材11の開き防止部材貫通孔21と、第2拘束部材12
の開き防止部材貫通孔26とをいずれも貫通して、開き防
止部材14が装着される。
【0031】開き防止部材14としてはピン等の棒材を用
いればよい。本実施形態では、後述する図5に示すよう
に、JIS B 2801に規定されるSC16からなるシャックルを
用い、ピンの代わりとした。これにより、掛止具10が溝
形鋼15に掛止されている際に、第1拘束部材11および第
2拘束部材12が開くことと、第1拘束部材11および第2
拘束部材12間のがたつきとがいずれも防止される。これ
により、掛止具10は、第1拘束部材11および第2拘束部
材12により、溝形鋼15へ確実に掛止される。
【0032】なお、軸支部材13と、軸支部材貫通孔20お
よび軸支部材貫通孔25との間の隙間を小さくして摺動抵
抗を大きくすることにより、第1拘束部材11および第2
拘束部材12の開閉動作が重くなる。これにより、開き防
止部材14を設ける必要性が薄い場合もある。しかし、安
全上の観点から、このような場合にも、開き防止部材14
を設けることが望ましい。
【0033】本実施形態の掛止具10は、以上のように、
構成される。次に、本実施形態の掛止具10が、フランジ
15a が略水平面をなすようにして配設される溝形鋼15へ
掛止される状況を説明する。
【0034】図4(a) 〜図4(b) は、本実施形態の掛止
具10が溝形鋼15へ掛止される状況を、経時的に示す説明
図である。なお、図4における図中符号は、図1〜図3
と同じである。
【0035】図4(a) において、軸支部材13により開閉
自在に支持された第1拘束部材11および第2拘束部材12
を図示するように開いておき、第1拘束部材11の溝部16
を、溝形鋼15のフランジ15a に嵌める。このようにし
て、第1拘束部材11が溝形鋼15のウェブ15b の内面22a
、フランジ15a の内面23a および外面23b にそれぞれ
当接する。
【0036】次に、図4(b) に示すように、第1拘束部
材11の溝部16が溝形鋼15のフランジ15a に嵌め合わされ
た状態で、第2拘束部材12を軸支部材13の周りに矢印方
向へ回転させる。この際、第2拘束部材12の角部27は、
フランジ15a の外面23b に接触しながら、回転移動す
る。
【0037】第2拘束部材12をさらに回転させると、図
3(c) に示すように、角部27は、第1拘束部材11の端面
17に接触し、回転移動を続ける。第2拘束部材12をさら
に回転させると、図3(d) に示すように、第2拘束部材
12の屈曲部24が溝形鋼15の外面角部に当接する。これに
より、第2拘束部材12が溝形鋼15のウェブ15b の外面22
b およびフランジ15a の外面23b に当接する。この時、
第1拘束部材11の開き防止部材貫通孔21と、第2拘束部
材12の開き防止部材貫通孔26とは互いに一致する位置に
設けられるため、開き防止部材貫通孔21と開き防止部材
貫通孔26とに、開き防止部材14を挿入して装着する。
【0038】このようにして、第1拘束部材11および第
2拘束部材12により、掛止具10は、溝形鋼15へ確実に掛
止される。なお、溝形鋼15に取り付けられた掛止具10を
取り外すには、逆の手順で行えばよい。
【0039】このように、本実施形態の掛止具10は、溝
形鋼15に簡単に取り付け、また取り外すことができる。
そのため、高所作業となることが多い台付け作業を安全
かつ迅速に行うことができる。
【0040】また、本実施形態の掛止具10によれば、溶
接固定された吊環のように、溶接部近傍における応力腐
食割れ等のおそれが解消される。そのため、安全面での
信頼性が向上する。
【0041】さらに、上部に位置するフランジの外面に
敷板等が取り付けられていても、本実施形態の掛止具10
はこのフランジには関係なく取り付けることができるた
め、敷き板へ小穴を設けるといった余分な作業を解消で
き、作業効率を向上することができる。
【0042】なお、以上の説明では、第1拘束部材11お
よび第2拘束部材12は、溝形鋼15に当接することとした
が、必ずしも当接させる必要はなく、第1拘束部材11お
よび第2拘束部材12と、溝形鋼15との間には隙間が存在
してもよい。このような隙間が存在しても、溝形鋼15は
実用上の問題を生じない程度に確実に掛止される。
【0043】図5は、本実施形態の形鋼の掛止具10を用
いて、重量物を所定の高さまで揚上する状況を示す説明
図であって、図5(a) は正面図、図5(b) は側面図であ
る。
【0044】本実施形態では、図5(a) および図5(b)
に示すように、H150×75の溝形鋼15に取り付けられた本
実施形態の掛止具10の開き防止部材 (シャックル)14
に、重量物を揚上する揚荷装置であるチェーンブロック
28 (荷重能力:1トン) が取り付けられて使用される。
本実施形態により、重量物を建築物内の所定の高さに効
率的に持ち上げることができた。
【0045】(第2実施形態)次に、第2実施形態につ
いて説明する。前述したように、第1実施形態は、本発
明にかかる保持具を溝形鋼、等辺山形鋼または不等辺山
形鋼へ適用する場合であるが、本実施形態では、H形鋼
またはI形鋼へ適用する場合である。これに伴って、本
実施形態は、第1実施形態とは、第1拘束部材11および
第2拘束部材12の形状が異なり、これ以外は共通する。
そこで、以降の本実施形態の説明は、第1実施形態と相
違する部分について行うこととし、共通の部分について
は同一の図中符号を付すことにより、重複する説明を省
略する。また、以降の説明はH形鋼を例にとって行う。
【0046】図6は、本実施形態の形鋼の掛止具30を示
す分解斜視図である。図6に示すように、本実施形態の
掛止具30は、第1拘束部材11−1と、第2拘束部材12−
1と、これらを貫通する軸支部材13と、開き防止部材14
とを備える。以下、第1拘束部材11−1と、第2拘束部
材12−1とについて、分説する。
【0047】[第1拘束部材11−1]図7は、本実施形態
の掛止具30の主な構成部品である第1拘束部材11−1の
部品図であり、図7(a) は正面図、図7(b) は側面図で
ある。
【0048】第1拘束部材11−1は、本実施形態では、
図7(a) および図7(b) に示す形状を呈する、SS400 か
らなる2枚の拘束板11−1aおよび11−1bを貼り合わせ
て、構成される。なお、第1拘束部材11−1の材質は、
使用する荷重条件によって、適宜選定すればよい。ま
た、拘束板11−1aおよび11−1bは、一体に形成してもよ
いことはいうまでもない。
【0049】拘束板11−1aには、H形鋼31のフランジ31
a が嵌まる溝部16−1が設けられる。また、図7(a) に
おける拘束板11−1aの右下部の端面17−1は、後述する
第2拘束部材12−1の角部27−1と嵌まり合わせるため
に周面状に形成される。本実施形態では、この第2拘束
部材12−1は、後述するように、第1実施形態と同一で
ある。そのため、第1拘束部材11−1の角部27−1は、
第2拘束部材12−1の端面17−1と嵌まり合う周面状に
形成される。
【0050】一方、拘束板11−1bのうちで拘束板11a が
張り合わされる範囲18−1は、拘束板11−1aと同一の外
形を呈する。また、拘束板11−1aが張り合わされない範
囲19−1には、所定の位置に、H形鋼31のフランジ幅方
向に設けられた軸支部材貫通長孔20−1と、開き防止部
材貫通孔21とが設けられる。
【0051】このようにして、この第1拘束部材11−1
は、図7(a) に示すように、溝部16−1を介して、ウェ
ブ31b の一方の内面32a 、フランジ31a の内面33a およ
び外面33b にそれぞれ当接する。これにより、第1拘束
部材11−1は、フランジ31aが略水平面をなすようにし
て配設されるH形鋼31に係合する。
【0052】[第2拘束部材12]本実施形態では、第2拘
束部材12は、第1拘束部材と同一に構成される。そのた
め、第2拘束部材12に関する説明は省略する。
【0053】本実施形態の掛止具30は、図6に示すよう
に、互いに対称となるように、H形鋼31の長さ方向 (軸
支部材13が貫通する方向) へ並んだ状態で配置された第
1拘束部材11−1と、第2拘束部材12−1と、第1拘束
部材11−1に設けられた軸支部材貫通長孔20−1と第2
拘束部材12−1に設けられた軸支部材貫通長孔20−1と
をいずれも貫通して装着される軸支部材13を有する。
【0054】これにより、第1拘束部材11−1および第
2拘束部材12−1は、いずれも、軸支部材13を回転中心
として、回動自在に支持される。また、本実施形態で
は、軸支部材貫通長孔20−1を設けてあるため、軸支部
材13が、第1拘束部材11−1を、H形鋼31のフランジ幅
方向について、移動自在に支持することができる。これ
により、本実施形態の掛止具30は、様々なフランジ幅を
有するH形鋼31に確実に掛止される。
【0055】このようにして、第1拘束部材11−1がH
形鋼31のウェブ31b の一方の内面32a 、フランジ31a の
内面33a および外面33b にそれぞれ当接した状態で、第
2拘束部材12−1がH形鋼31のウェブ31b の他方の内面
32b 、フランジ31a'の内面33a および外面33b にそれぞ
れ当接することができる。このようにして、本実施形態
の掛止具30は、第1拘束部材11−1および第2拘束部材
12−1により、H形鋼31に掛止される。
【0056】さらに、本実施形態の掛止具30も、第1実
施形態の掛止具10と同様に、開き防止部材14を装着され
ており、第1拘束部材11−1および第2拘束部材12−1
により、H形鋼31に確実に掛止される。
【0057】本実施形態の掛止具30は、以上のように、
構成される。次に、本実施形態の掛止具30により、フラ
ンジ31a が略水平面をなすようにして配設されるH形鋼
31に掛止される状況を説明する。
【0058】図8(a) 〜図8(b) は、本実施形態の掛止
具30がH形鋼31に掛止される状況を、経時的に示す説明
図である。なお、図8における図中符号は、図6および
図7と同じである。
【0059】図8(a) において、軸支部材13により開閉
自在に支持された第1拘束部材11−1および第2拘束部
材12−を図示するように開いておき、第1拘束部材11−
1の溝部16−1を、H形鋼31のフランジ31a に嵌める。
このようにして、第1拘束部材11−1がH形鋼31のウェ
ブ31b の一方の内面32a 、フランジ31a の内面33a およ
び外面33b にそれぞれ当接する。
【0060】次に、図8(b) 〜図8(c) に示すように、
第1拘束部材11−1の溝部16−1がH形鋼31のフランジ
31a に嵌め合わされた状態で、第2拘束部材12−1を軸
支部材13の周りに回転させる。この際、第2拘束部材12
−1の角部27−1は、フランジ31a の外面33b に接触し
ながら、回転移動する。
【0061】第2拘束部材12−1をさらに回転させる
と、図8(d) に示すように、第2拘束部材12−1の拘束
板11−1aの上面が、フランジ31a の外面33b に当接す
る。この時、第2拘束部材12−1に設けられた溝部16−
1は、フランジ31a の延設方向に存在する。
【0062】この状態で、図8(e) および図8(f) に示
すように、第2拘束部材12−1をH形鋼31の方向へ平行
にスライドさせる。第2拘束部材12−1に設けられた支
部材貫通長孔20−1に案内されて、第2拘束部材12−1
は平行に移動する。
【0063】そして、図8(f) に示すように、第2拘束
部材12−1の角部27−1を第1拘束部材11−1の端面に
当接させる。この時、第1拘束部材11−1および第2拘
束部材12−1にそれぞれ設けられた開き防止部材貫通孔
21は、ともに一致する。そのため、これらの開き防止部
材貫通孔21に開き防止部材14を挿入して装着する。この
ようにして、本実施形態の掛止具30は、第1拘束部材11
−1および第2拘束部材12−1により、H形鋼31に確実
に掛止される。
【0064】本実施形態の掛止具30によっても、第1実
施形態の掛止具10と同様の効果を得ることができる。な
お、本実施形態においても、第1拘束部材11−1および
第2拘束部材12−は、H形鋼31に当接することとした
が、必ずしも当接させる必要はなく、第1拘束部材11−
1および第2拘束部材12−1と、H形鋼31との間には隙
間が存在してもよい。このような隙間が存在しても、実
用上の問題を生じない程度に確実に、H形鋼31に掛止さ
れる。
【0065】図9は、本実施形態の形鋼の保持具30を用
いて、重量物を所定の高さまで揚上する状況を示す説明
図であって、図9(a) は正面図、図9(b) は側面図であ
る。
【0066】本実施形態では、図9(a) および図9(b)
に示すように、H150×150 のH形鋼31に取り付けられた
本実施形態の掛止具30の開き防止部材 (シャックル)14
に、重量物を揚上する揚荷装置であるチェーンブロック
28 (荷重能力:1トン) が取り付けられて使用される。
本実施形態により、重量物を建築物内の所定の高さに効
率的に持ち上げることができた。
【0067】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる形鋼の掛止具は、形鋼に簡単かつ確実に取り付ける
ことができる。そのため、高所作業となることが多い台
付け作業を安全に行うことができる。
【0068】また、本発明にかかる形鋼の掛止具は、溶
接固定された吊環のように、溶接部近傍における応力腐
食割れ等のおそれがない。そのため、安全面での信頼性
が向上する。
【0069】さらに、上部に位置するフランジの外面に
敷板等が取り付けられていても、本発明にかかる形鋼の
掛止具はこのフランジには関係なく取り付けることがで
きるため、敷き板へ小穴を設けるといった余分な作業を
解消でき、作業効率を向上することができる。かかる効
果を有する本発明の意義は、極めて著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の形鋼の掛止具を示す分解斜視図
である。
【図2】第1実施形態の掛止具の構成部品である第1拘
束部材の説明図であり、図2(a) は正面図、図2(b) は
側面図である。
【図3】第1実施形態の掛止具の構成部品である第2拘
束部材の説明図であり、図3(a) は正面図、図3(b) は
側面図である。
【図4】図4(a) 〜図4(b) は、第1実施形態の掛止具
が溝形鋼に掛止される状況を、経時的に示す説明図であ
る。
【図5】第1実施形態の形鋼の保持具を用いて、重量物
を所定の高さまで揚上する状況を示す説明図であって、
図5(a) は正面図、図5(b) は側面図である。
【図6】第2実施形態の形鋼の掛止具を示す分解斜視図
である。
【図7】第2実施形態の掛止具の構成部品である第1拘
束部材の部品図であり、図7(a) は正面図、図7(b) は
側面図である。
【図8】図8(a) 〜図8(f) は、第2実施形態の掛止具
がH形鋼に掛止される状況を、経時的に示す説明図であ
る。
【図9】第2実施形態の形鋼の保持具を用いて、重量物
を所定の高さまで揚上する状況を示す説明図であって、
図9(a) は正面図、図9(b) は側面図である。
【符号の説明】
10 掛止具 11 第1拘束部材 12 第2拘束部材 13 軸支部材 14 開き防止部材 15 溝形鋼 15a フランジ 15b ウェブ 22a ウェブ内面 22b ウェブ外面 23a フランジ内面 23b フランジ外面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フランジが略水平面をなすようにして配
    設される形鋼のウェブの内面、フランジの内面および外
    面をそれぞれ拘束する第1拘束部材と、前記ウェブの前
    記内面の反対面および前記フランジの外面をそれぞれ拘
    束する第2拘束部材と、前記形鋼を拘束した前記第1拘
    束部材および前記第2拘束部材をいずれも貫通して装着
    され、前記第1拘束部材および前記第2拘束部材を開閉
    自在に支持する軸支部材とを備えることを特徴とする形
    鋼の掛止具。
JP10975098A 1998-04-20 1998-04-20 形鋼の掛止具 Withdrawn JPH11301979A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001234905A (ja) * 2000-02-22 2001-08-31 Three H:Kk ビームクランプ
JP2016113220A (ja) * 2014-12-11 2016-06-23 日本建設工業株式会社 ビームクランプ
JP2017024846A (ja) * 2015-07-21 2017-02-02 株式会社キトー 吊り具
JP2018008770A (ja) * 2016-07-12 2018-01-18 フジテック株式会社 エレベータ装置

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