JP4705708B2 - ビームクランプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、主としてチェーンブロックやホイストなどの荷役装置を特にH型鋼やI型鋼、T型鋼などのビームに吊り下げられるようにしたビームクランプの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より欧州ではH型鋼やI型鋼などのビームにチェーンブロック等の連結箇所を設けることを目的としたビームクランプが広く利用されている。その構造は図7に示したように、ビームBのフランジに挟持固定されるプレート状のクランプ20・20を共通の開閉軸21を介して二組一対に連結したものであり、ハンドル22の操作により両クランプを連動開閉してビームに着脱すると共に、上記開閉軸21に荷役装置のフック等Fを引っ掛けて使用する。この種ビームクランプはまだ国内では使用実績が少ないものの、特段荷役装置の取り付け箇所を備えていない建築工事現場や倉庫などにおいても仮設あるいは恒久的に荷役環境を手軽に構築できる利便性を有し、もともと強度計算されたビームを取り付けの対象とするため安全性の面でも利点がある。
【0003】
なお、上記ビームクランプにおいて開閉軸21は、荷重による変形や損傷を回避するために、図8に示したように、クランプ間を取付部23として、荷役装置のフック等Fはこの取付部23に引っ掛けられる。また、フック等Fの位置を安定させるために、取付部23の中間部24を窪ませた構造もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記ビームクランプは荷役装置を吊り下げるために使用されることが多く、単に荷を上げ下ろしする場合には問題はない。しかし、荷を平面上で移動させる場合、特に開閉軸の軸方向にいわゆる斜め引きという作業を行うときは、図9に示したように、荷役装置のフック等Fが傾斜してクランプ20のサイドプレート25に接触する。つまり、フック等の最大傾斜時にはフック等Fの下端がサイドプレート25の下端に接触することになるが、この状態からさらにフック等Fを傾斜させると、フック等Fの懸吊点を支点、上記接触点を力点とするてこの原理により、サイドプレート25にはこれを押し広げる力が作用する。このように従来のビームクランプでは、斜め引き作業を行った場合、サイドプレートが変形したり、これに伴って開閉軸のカシメが損傷するという課題があった。
【0005】
他方、エレベータなどの特殊工事では、図10に示したように、ビームクランプを横に寝かせた状態でビームに取り付けて、いわゆる横引き作業を行うことがある。この場合、ビームクランプは荷役装置のフック等Fを片方のサイドプレートのみで支持する片荷の状態となる。そして、この横引きによる作業でも、上述した斜め引き作業と同様にフック等Fがサイドプレートに直接接触する上、そもそも片荷の状態にあるため、サイドプレートの変形や開閉軸のカシメ損傷が助長されるという課題があった。
【0006】
本発明は上述した課題に鑑みなされたもので、その目的は斜め引きや横引きによる荷役作業でもクランプの変形がない構成を提供することである。なお、クランプのサイドプレートはその構造上下端ほど変形しやすいが、本発明では上記従来の課題を解決するにあたり、いかなる使用態様においてもフック等がサイドプレートの下端ができるだけ接触しないような構造とすることに着目した。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために本発明では、ビームのフランジに挟持可能に開閉する二組のクランプ一対を共通の開閉軸を介して連結し、前記一対のクランプ間の前記開閉軸を荷役装置のフック等を懸吊する取付部としたビームクランプであって、上記取付部はフック等の最大傾斜時にフック等の懸吊部と該フック等の下方とが二点接触する形状とするという手段を用いた。この手段によれば、斜め引きや横引きによる荷役作業においても、フック等がクランプのサイドプレートに直接接触することがなく、該サイドプレートは取付部により保護される。
【0008】
請求項2では、ビームのフランジに挟持可能に開閉する二組のクランプ一対を共通の開閉軸を介して連結し、前記一対のクランプ間の前記開閉軸を荷役装置のフック等を懸吊する取付部としたビームクランプであって、上記取付部はその両端下縁をクランプのサイドプレート下端と一致ないしは突出させるという手段を用いた。この手段によっても、請求項1の場合と同様に、フック等がクランプのサイドプレートに直接接触することがなく、当該保護が図られる。また、請求項3では取付部の具体的形状として、中央から両側に向かって湾曲状に形状を大きくした鼓状とするという手段を選択的に用いた。なお、請求項2および3の手段は請求項1の手段と重複する。言い換えれば、請求項1の手段のうち、構造的な特徴から具体例を挙げれば請求項2、3の手段を採用することになる。
【0009】
一方、請求項4では、同様のビームクランプにおいて、取付部をリング状に形成するという手段を用いた。なお、この手段は請求項1の手段と必ずしも重複しないため、上述した手段とは独立して成立する。
【0010】
また請求項5では、取付部はクランプのサイドプレート下端から突出してリングを設けるという手段を用いた。この場合も、請求項4と同様の位置づけである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。図1は本発明の第一実施形態を示したものである。なお、この実施形態に係るビームクランプもプレート状のクランプを一対に連結してなること、ハンドル操作等によりクランプを着脱することなど、主として上部構造にかかる部分は既述した従来技術と変わるところがない。このため、これらの基本構造に係る説明は省略し、以下の実施形態を含め、本発明の要部である荷役装置のフック等を懸吊する取付部について説明する。
【0012】
図1において、1・2はクランプのサイドプレート、3は両クランプで共通する開閉軸であって、その両端はカシメ4による抜け止めとなっている。5は開閉軸3のうちサイドプレート1・2間に位置する取付部であり、荷役装置(ホイストやチェーンブロック等)のフック等を懸吊する部分である。
【0013】
この実施形態において取付部5は、中央から左右両側に向かって湾曲状に径を大きくした鼓状の形状をなす。ここで取付部5の両端膨成部6は、サイドプレート1・2の下端1a・2aと一致するように径が設定される。言い換えれば、取付部5は、フック等の最大傾斜時にフック等の懸吊部(取付部に掛止される湾曲部)とフック等の下方とが二点接触する構造となっている。
【0014】
この実施形態によれば、中央の窪みよって荷役装置を安定して吊り上げられ、また斜め引き作業において荷役装置のフック等を最大に傾斜させた場合でも、図2に示したように、フック等がサイドプレートに接触することはない。同時に、フック等の最大傾斜時においてフック等が膨成部6の先端6aに接触することがあっても、膨成部6は湾曲状に径を大きくした形状であるため、直線的な加工に比べて局所的な脆弱箇所がなく本来的に変形しにくい構造であるため、通常の使用で膨成部6が変形し、これに伴ってサイドプレートを変形させることは皆無に近い。さらに、この状態で開閉軸3に過剰な外力は作用せず、カシメ4を損傷することがないのはもちろんである。
【0015】
図3は第二実施形態を示したものである。この実施形態では取付部5の上部のみを湾曲状として膨成部7を形成する一方、その下部はサイドプレート1・2の下端1a・2aと面一の平坦部8としたものである。
【0016】
この第二実施形態でも、図4に示すように、中央の窪みにより荷役装置が安定すると共に、斜め引き作業において荷役装置のフック等がサイドプレートに接触することが回避される。なお、この実施形態では上記第一実施形態のようにサイドプレート1・2の下端1a・2aが膨成部で保護されないものの、もともとフック等が当該下端1a・2aに接触しないため問題はない。ただし、サイドプレート1・2における取付部5の上部側は膨成部7により補強されることは第一実施形態の場合と同じである。
【0017】
図5は第三実施形態を示したものであり、サイドプレート1・2間における中間部をリング9とした開閉軸(取付部)10を採用したものである。また、開閉軸10の下端はサイドプレート1・2の下端1a・2aと一致するように設定している。
【0018】
この実施形態によれば、斜め引きの場合はもちろん、横引きの場合であってもフック等がサイドプレート1・2に接触することがない。また、リング9の厚みを相当幅に設定することで、当該開閉軸10のみで通常の荷役作業における荷重に耐え、サイドプレート1・2の変形には至らない。
【0019】
続いて図6は本発明の第四実施形態を示したものであり、上記第一・第二実施形態で説明した開閉軸3にサイドプレート1・2の下端から突出するリング11を形成した取付部12を挿通したものである。この実施形態でも、斜め引き及び横引きに際して、フック等のサイドプレート1・2に対する接触を回避し、リング11による荷重耐性が得られることは第三実施形態の場合とほぼ同等である。
【0020】
なお、上述した実施形態のうち第一実施形態は請求項1あるいは3に、第二実施形態は請求項1あるいは2に、第三実施形態は請求項4に、第四実施形態は請求項5にそれぞれ該当する。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、斜め引きあるいは横引きによる荷役作業でも荷役装置のフック等がクランプのサイドプレートに接触しないようにしたので、サイドプレートの変形等がなく、安全上優れたビームクランプを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態に係るビームクランプの正面図
【図2】同ビームクランプの使用説明図
【図3】第二実施形態に係るビームクランプの正面図
【図4】同ビームクランプの使用説明図
【図5】第三実施形態に係るビームクランプの正面図
【図6】同ビームクランプの使用説明図
【図7】従来のビームクランプの使用説明図
【図8】同ビームクランプの正面図
【図9】同ビームクランプに斜め引き作業時の使用説明図
【図10】同ビームクランプにおける横引き作業時の使用説明図
【符号の説明】
1・2 サイドプレート
3 開閉軸
4 カシメ
5 取付部
6 両端膨成部
Claims (5)
- ビームのフランジに挟持可能に開閉する二組のクランプ一対を共通の開閉軸を介して連結し、前記一対のクランプ間の前記開閉軸を荷役装置のフック等を懸吊する取付部としたビームクランプであって、上記取付部はフック等の最大傾斜時にフック等の懸吊部と該フック等の下方とが二点接触する形状であることを特徴としたビームクランプ。
- ビームのフランジに挟持可能に開閉する二組のクランプ一対を共通の開閉軸を介して連結し、前記一対のクランプ間の前記開閉軸を荷役装置のフック等を懸吊する取付部としたビームクランプであって、上記取付部はその両端下縁をクランプのサイドプレート下端と一致ないしは突出させたことを特徴とするビームクランプ。
- 取付部は中央から両側に向かって湾曲状に径を大きくした鼓状に形成される請求項2記載のビームクランプ。
- ビームのフランジに挟持可能に開閉する二組のクランプ一対を共通の開閉軸を介して連結し、前記一対のクランプ間の前記開閉軸を荷役装置のフック等を懸吊する取付部としたビームクランプであって、上記取付部はリング状に形成したことを特徴とするビームクランプ。
- ビームのフランジに挟持可能に開閉する二組のクランプ一対を共通の開閉軸を介して連結し、前記一対のクランプ間の前記開閉軸を荷役装置のフック等を懸吊する取付部としたビームクランプであって、上記取付部はクランプのサイドプレート下端から突出してリングを設けたことを特徴とするビームクランプ。
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