JPH0446006Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はコンクリート天井の吊り金具支持構造
体における吊り金具の収納構造に関する。

〔従来の技術〕

コンクリート天井の吊り金具支持構造体は、コ
ンクリート天井の建造物において、重量物の運
搬、搬入の際に吊りチエーンや吊りロープを天井
から吊下げるために用いられるが、従来は重量物
の運搬、搬入の必要時に、コンクリート天井に埋
設された金属板に吊り治具を直接溶接したり、こ
の金属板に穿設されたボルト孔にアイボルトなど
の吊り金具を取付けて使用していた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、上記従来の支持構造体では、コンクリ
ート天井に埋設された金属板に吊り治具を溶接す
る場合には、そのために足場を構築しなければな
らず、また溶接が上向き姿勢となるため、溶接作
業がし難く、充分な溶接が行われない。また、金
属板に穿設されたボルト孔にアイボルトなどの吊
り金具を取付ける場合にも、取付け取外しに危険
な高所作業が必要となる問題があつた。

一方、吊り金具支持構造体の他の例として、吊
り金具としてフツクを使用した照明器具類の吊り
下げ装置が提案されている（実開昭57−6106号公
報参照）。しかしながら、この吊り下げ装置を重
量物の吊り下げに適用した場合、フツクが可撓性
ではないので天井面からの突出全長が限られ、天
井面から充分低い位置で重量物の吊り下げること
ができない。このため、重量物の吊り下げ作業は
困難であつた。

また、上記吊り下げ装置はフツクを収納した状
態で天井面から椀状の蓋部３１（公報の第３図参
照）が突出しており、天井面からの出代が大きく
美観が損なわれるという問題があつた。

本考案は上記の事実を考慮し、吊りチエーンな
どの吊り金具の取付け取外しが不要な吊り金具の
収納構造を提供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係る吊り金具の収納構造は、コンクリ
ート天井に埋設した吊り金具支持構造体におい
て、吊り金具としてのチエーンの支持部を天井面
から後退させて天井面の内側にチエーンの収納部
を形成し、該収納部に天井面に沿つた蓋体を設け
たものである。

〔作用〕

上記の通りに構成した本考案にあつては、チエ
ーンの可撓性を利用し、収納時には天井面の内側
に設けた収納部内に蓋体によつてチエーンを収納
する。これにより、収納時にチエーンが邪魔とな
つたり美観を損ねることはない。

また、チエーンは収納部の蓋体を開放するだけ
で使用することができる。したがつて、重量物の
運搬、搬入の必要時に、その都度コンクリート天
井に埋設された金属板に吊り治具を直接溶接した
り、この金属板に穿設されたボルト孔にアイボル
トなどの吊り金具を取付ける必要がなくなる。

さらに、吊り金具としてチエーンを用いている
ので、天井から吊り下げた状態でチエーンの下端
部の位置が天井面から充分に低い位置となるよう
にチエーンの長さを調整し、前記下端部に重量物
を継合させることができ、吊り作業が極めて簡便
となる。

〔実施例〕

第１図は本考案の吊り金具収納構造の収納時に
おける一実施例を示す断面図である。

吊り金具支持構造体１０はコンクリート天井１
２内に全体が埋設されており、天井面から凹部を
形成するように埋設された皿状の金属板１４を有
し、この金属板１４はアンカーフレーム１６によ
りコンクリート天井１２に固定されている。

金属板１４には天井面に沿つて蓋体１８がボル
ト２０により取付けられており、金属板１４と蓋
体１８とで収納部２２が形成される。

吊りチエーン２４はアンカーフレーム１６の３
本の荷重受材１６に繋着され、金属板１４の中央
部から垂下される。このように吊りチエーン２４
の支持部２６は天井面から後退した位置となつて
おり、垂下された吊りチエーン２４は蓋体１８上
に載置され収納される。

第２図は同実施例の使用状態を示す一部断面図
である。重量物３０は吊りワイヤ３２、吊り治具
３４等を介して、垂下された吊りチエーン２４か
ら吊り下げられる。

このように、吊り金具として吊りチエーン２４
を用いているので、天井から吊り下げた状態で吊
りチエーン２４の下端部の位置が天井面から充分
に低い位置となるように吊りチエーン２４の長さ
を充分長くし、前記天井面から充分に低い位置に
ある吊りチエーン２４の下端部に重量物３０を継
合させることができるので、吊り作業が極めて簡
便となる。

また、重量物３０の吊り下げ作業を行わない場
合及びコンクリート打設等の他の作業を行う場合
には、チエーンの可撓性を利用し、第１図に示す
ように、吊りチエーン２４を蓋体１８上に載置し
て収納部２２内に収納することができるので、吊
りチエーン２４が邪魔になることはなく、美観が
損なわれることもない。

次に本実施例の収納構造をコンクリート天井に
設ける方法について説明する。

コンクリート天井１２は第３図に示すように型
枠３６を用い、この上にコンクリートを流し込ん
で形成するが、この際に吊り金具支持構造体１０
の金属板１４の下方開口端を、内部に吊りチエー
ン２４を収納したまま型枠３６に当接させてお
く。そしてコンクリートが固まつたら、型枠３６
を取除き、第１図に示すように金属板１４の開口
端に蓋体１８を取付ける。

〔考案の効果〕

以上説明した通り、本考案にかかる吊り金具収
納構造は、吊り金具としてのチエーンの支持部を
天井面から後退させて天井面の内側にチエーンの
収納部を形成し、該収納部に天井面に沿つた蓋体
を設けたので、重量物の運搬、搬入の必要時に、
その都度コンクリート天井に埋設された金属板に
吊り治具を直接溶接したり、この金属板に穿設さ
れたボルト孔にアイボルトなどの吊り金具を取付
ける必要がなく、使用時には蓋体を開けるだけで
使用することができる。したがつて、危険性の高
い天井に対する溶接作業を行わないで済み作業の
安全性を向上させる効果がある。

また、吊り金具としてチエーンを用いたので、
天井面から充分に低い位置で重量物を吊り下げる
ことができ、吊り作業が極めて簡便になると共
に、チエーンの収納状態でチエーンが邪魔となつ
たり、美観が損なわれたりすることはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の吊り金具収納構造の収納時に
おける一実施例を示す断面図、第２図は同実施例
の使用状態を示す一部断面図、第３図は同実施例
の収納構造をコンクリート天井に設ける状態を示
す断面図である。 １０……吊り金具支持構造体、１２……コンク
リート天井、１４……金属板、１８……蓋体、２
２……収納部、２４……吊りチエーン（吊り金
具）、２６……支持部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンクリート天井に埋設した吊り金具支持構造
   体において、前記吊り金具としてのチエーンの支
   持部を天井面から後退させて天井面の内側にチエ
   ーンの収納部を形成し、該収納部に天井面に沿つ
   た蓋体を設けたことを特徴とするコンクリート天
   井の吊り金具支持構造体における吊り金具の収納
   構造。