JPH05212389A - 有機ハロゲン化合物を含有する廃水の処理方法 - Google Patents

有機ハロゲン化合物を含有する廃水の処理方法

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JPH05212389A
JPH05212389A JP4019880A JP1988092A JPH05212389A JP H05212389 A JPH05212389 A JP H05212389A JP 4019880 A JP4019880 A JP 4019880A JP 1988092 A JP1988092 A JP 1988092A JP H05212389 A JPH05212389 A JP H05212389A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 有機ハロゲン化合物の1種以上を含む廃水を
処理するに際し、触媒A成分として、チタン、ケイ素、
セリウムおよびジルコニウムよりなる群から選ばれた少
なくとも1種の元素の酸化物、および、触媒B成分とし
てマンガン、鉄、コバルト、ニッケル、タングステン、
銅、銀、金、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウ
ム、およびイリジウムよりなる群から選ばれた少なくと
も1種の金属またはこれらの元素の水に不溶性または難
溶性の化合物を含有してなる触媒を用い、酸素含有ガス
の存在下に、該廃水を100〜370℃で液相酸化する
ことを特徴とする廃水の処理方法。 【効果】 本発明によれば、廃水中に含有される有機ハ
ロゲン化合物を有害物質の二次的な生成なしに炭酸ガ
ス、水、および溶解塩類や灰分等に効率よく転換せし
め、無害化することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属製品製造業やドラ
イクリーニング、電子部品製造業等において、洗浄剤等
として用いられる有機ハロゲン化合物を含有する廃水
を、触媒の存在下に湿式酸化処理することにより、これ
ら含有物質を、有害物質の二次的な生成なしに炭酸ガ
ス、水、および溶解塩類や灰分等に転換せしめて廃水の
無害化を行なう方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機ハロゲン化合物はその安定性から、
従来様々な用途に用いられてきた。これらは不燃性で脱
脂力が大きいことより、金属、機械、電子工業での脱脂
洗浄剤、ドライクリーニング用洗浄剤として大量に使用
されている。しかしその反面、これらの物質は様々なと
ころで問題を引き起こしている。一般的に有機ハロゲン
化合物は難分解性のため、環境への蓄積が進み、全国各
地での地下水汚染が顕在化してきている。また、有機ハ
ロゲン化合物の一部は人体に対して発ガン性を有するこ
とが判明し、例えば、トリクロロエチレン、テトラクロ
ロエチレン、1,1,1-トリクロロエタンなどは人への健康
影響への懸念から平成元年度には水質汚濁防止法による
規制対象項目となっている。
【0003】これらの有機ハロゲン化合物の処理につい
ては、様々な方法が提案、若しくは使用されているが、
これらを大別すると非分解的方法と分解的方法に大別さ
れる。非分解的方法に関しては、充填塔ストリッピン
グ、曝気、加熱などによる揮散法や、活性炭や高分子に
よる吸着法が挙げられるが、揮散法に関しては、操作自
体は非常に簡便でコスト的にも低いが、液中の有機ハロ
ゲン化合物が気中に放散されるのみで、根本的な有機ハ
ロゲン化合物の環境汚染の解決にはなっていない。吸着
法に関しても、吸着後の回収工程や吸着剤の処理工程な
どの二次処理が必要となる。
【0004】また、分解的方法に関しては、照射法、微
生物分解法、酸化還元法などが挙げられるが、半導体を
触媒として用いた光分解法や放射線を用いた放射線照射
法に代表される照射法は未だ実験段階であり、実用化に
は至っていない。微生物分解法は、処理時間が長いこと
および処理効率が不安定なことから、実用化については
問題視されている。酸化還元法についてはオゾンや過酸
化水素などの酸化剤を用いる方法や鉄による還元分解な
どの方法が試みられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、有機ハロゲン
化合物が高濃度で存在する場合には、非分解的方法およ
び分解的方法、いずれの場合についても効率的に処理す
る方法が発明されていない。揮散法では空気中に大量の
有機ハロゲン化合物が放出されることになり、根本的な
解決方法にはなっておらず、吸着法では高濃度の場合に
破過時間が短くなって実用的ではない。分解法に関して
も高効率で分解するのは実用化には至っておらず、また
有害な分解生成物が二次的に発生するという問題点もあ
り、実用的・根本的な除去方法が開発されていないのが
現状である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、以上の如き
既存の廃水処理技術に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特
定の触媒の存在下かつ特定の条件下において、操作容易
にして有害物質の二次的な生成もなく、実用上の経済性
も兼ね備えた有機ハロゲン化合物含有廃水の処理方法を
見いだした。すなわち、特定の固体触媒の存在下、有機
ハロゲン化合物を含む廃水を、酸素含有ガスの存在下
に、100〜370℃で液相酸化することにより、高効
率で有機ハロゲン化合物を炭酸ガス、水、および溶解塩
類や灰分等に分解し、廃水の無害化を行うことができる
との知見を得、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、有機ハロゲン化合物
の1種以上を含む廃水を処理するに際し、触媒A成分と
して、チタン、ケイ素、セリウムおよびジルコニウムよ
りなる群から選ばれた少なくとも1種の元素の酸化物、
および、触媒B成分としてマンガン、鉄、コバルト、ニ
ッケル、タングステン、銅、銀、金、白金、パラジウ
ム、ロジウム、ルテニウム、およびイリジウムよりなる
群から選ばれた少なくとも1種の金属またはこれらの元
素の水に不溶性または難溶性の化合物を含有してなる触
媒を用い、酸素含有ガスの存在下に、該廃水を100〜
370℃で液相酸化することを特徴とする廃水の処理方
法を提供する。
【0008】
【具体的な説明】本発明における有機ハロゲン化合物と
は、その分子内に少なくとも1個以上のハロゲン原子を
含有する有機化合物であればよく、例えば塩化メチル、
塩化エチル、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、
テトラクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、塩化
ビニル等の脂肪族有機塩素化合物;臭化メチル、臭化エ
チル、臭化ビニル等の脂肪族有機臭素化合物;モノクロ
ロベンゼン、ジクロロベンゼン、塩化ベンジル等の芳香
族有機塩素化合物;臭化ベンジル、臭化ベンジリデン等
の芳香族有機臭素化合物;およびトリクロロフルオロメ
タン、ジクロロフルオロメタン等のフロンが例示される
が、これらの有機ハロゲン化合物に限定されるものでは
ない。
【0009】本発明において、湿式酸化反応は、特定の
触媒の存在下、廃水を100〜370℃の範囲内、かつ
該廃水が液相を保持する圧力下、廃水中に含有される有
機ハロゲン化合物が炭酸ガス、水、および溶解塩類や灰
分などに酸化されるのに必要な理論酸素量以上の酸素ガ
スの存在下実施される。廃水中に、廃水の汚濁要因とな
るその他の有機物等の酸素消費物質(以下、「TOD成
分」と記す)が存在する場合には、このTOD成分の酸
化分解に必要な理論酸素量も加味される。なお、本発明
によって、有機ハロゲン化合物を処理した場合、該廃水
中のハロゲン原子はハロゲンイオンとなって無害化され
る。すなわち、有機塩素化合物中の塩素原子はCl
-に、有機フッ素化合物中のフッ素原子はF-に、有機臭
素化合物中の臭素原子はBr-となって無害化される。
【0010】本発明において、廃水中にあらかじめ、湿
式酸化処理によって発生するハロゲンイオンと対をなす
陽イオンを当量もしくはそれ以上に添加し、塩を形成さ
せることが好ましい。陽イオンを添加する場合、ナトリ
ウム、カリウムなどのアルカリ金属イオンを添加するこ
とが、より好ましい。アルカリ金属イオンを廃水中に添
加することによって、廃水が処理中に酸性条件となっ
て、反応管の耐久性を損なうことを防止するだけでな
く、反応速度も促進され、より迅速な処理が可能とな
る。アルカリ金属イオンは、溶解して塩基性になるもの
であればどのようなものを用いてもよく、例えば、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸
ナトリウムなどが挙げられる。酢酸ナトリウムなどの有
機酸を含む塩を廃水中に添加した場合、酢酸イオンも有
機ハロゲン化合物と同様に、二酸化炭素と水に分解され
る。
【0011】本発明における酸素含有ガスは、いずれの
酸素濃度のものを用いてもよい。酸素含有ガスの酸素濃
度が高いほうが反応速度が促進され、より迅速な処理が
可能となるが、空気によっても充分な処理効率は得られ
るので、酸素含有ガスの酸素濃度は、コストなどの条件
によって適宜決定すればよい。
【0012】本発明において使用する触媒は、固体触媒
でかつ液相酸化の条件下で活性と耐久性を兼ね備えたも
のであり、触媒A成分としてチタン、ケイ素、セリウム
およびジルコニウムよりなる群から選ばれた少なくとも
1種の元素の酸化物、および、触媒B成分としてマンガ
ン、鉄、コバルト、ニッケル、タングステン、銅、銀、
金、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、および
イリジウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の金
属またはこれらの元素の水に不溶性または難溶性の化合
物を含有してなる触媒である。該不溶性または難溶性の
化合物としては酸化物、硫化物等が挙げられる。触媒A
成分としてチタン、ケイ素、セリウムおよびジルコニウ
ムよりなる群から選ばれた少なくとも2種の元素の酸化
物を選択すると触媒活性が向上するので特に好ましい。
前記触媒における各触媒成分の比率はA成分が酸化物の
形で10〜99.95重量%、B成分は金属および化合
物の形で0.05〜90重量%の範囲が適当である。好
ましくはB成分のうちマンガン、鉄、コバルト、ニッケ
ル、タングステン、銅、および銀については、酸化物と
して0.05〜90重量%、金、白金、パラジウム、ロ
ジウム、ルテニウム、およびイリジウムについては0.
05〜10重量%の範囲である。B成分が上記範囲外で
は酸化活性が不充分であり、また白金、パラジウムおよ
びロジウムなどの貴金属の場合、上記範囲を越えた場合
は原料コストが高くなるだけで、使用量に相応した充分
な効果が期待できない。
【0013】本発明で使用する触媒は前記の通り特定さ
れた組成からなるものが好ましく、触媒形状としては、
ペレット、粒状、およびハニカムなどの一体構造体など
種々のものを採用することができる。粒状の触媒として
は、平均粒径1〜10mm、好ましくは2〜7mmであ
る。平均粒径が1mm未満であると圧力損失が増加し、
また10mmよりも大きい場合には充分な幾何学的表面
積をとれず、充分な処理能力が得られなくなり、好まし
くない。BET法比表面積は5〜200m2/g、好ま
しくは10〜80m2/gで、5m2/g未満の場合には
被処理分子と触媒との接触効率が低下し、また200m
2/gよりも大きい場合には固体触媒の機械的強度が弱
くなるので好ましくない。ペレット状の触媒としては、
平均径が1〜10mm、好ましくは3〜8mmで、長さ
2〜15mm、好ましくは3〜10mmである。平均径
が1mm未満、または長さが2mm未満であると圧力損
失が増大する恐れがあり、また平均径が10mmよりも
大きいもしくは長さが15mmよりも大きい場合には充
分な幾何学的表面積がとれず、接触効率が低下し、充分
な処理能力が得られなくなるおそれがあるため、好まし
くない。ペレット状触媒のBET法比表面積は粒状の場
合と同様の範囲内にあるものが好ましい。ハニカム状触
媒の形状としては、貫通孔の相当直径が2〜20mm,
セル肉厚が0.1〜3mmおよび開孔率が50〜90%
の範囲が好ましい。更に、相当直径が2.5〜15m
m、セル肉厚が0.5〜3mmおよび開孔率が50〜9
0%の範囲内にあることが特に好ましい。相当直径が2
mm未満である場合には圧力損失が大きく、また相当直
径が20mmを越える場合には、圧力損失は小さくなる
が、接触率が低下して触媒活性が低くなる。セル肉厚が
0.1mm以下の場合には圧力損失が小さくなり、触媒
を軽量化できるという利点があるが、触媒の機械的強度
が低下することがある。セル肉厚が3mmを越える場合
には機械的強度は充分であるが、圧力損失が大きくなる
ことがある。開孔率についても上記と同様の理由から5
0〜90%が好ましい。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例にしたがって詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0015】(実施例1)四塩化チタンに硝酸ジルコニ
ウム水溶液を添加し、熱加水分解反応せしめて沈澱を形
成させ、これを洗浄して得られたケーキを乾燥させて粉
砕して粉体状とした後、700℃で焼成、ペレット状
(BET法比表面積45m2/g、円柱状、径5mm、
長さ6mm)に成型し、乾燥、550℃で再焼成して得
られたチタン−ジルコニウムの酸化物(モル比Ti:Z
r=6:4)を得た。
【0016】かくして得られたペレット状成型体を塩化
白金酸水溶液中に含浸し、ついで120℃で5時間乾燥
させた後、400℃で4時間焼成した。得られた完成触
媒の重量比は、チタン−ジルコニウム酸化物:白金=9
9.7:0.3であった。
【0017】(実施例2)第1図に示すようなフローに
したがって、トリクロロエチレン500mg/リットル
を含有するモデル廃水を処理した。なお、本廃水中には
塩素イオンは含有されておらず、またトリクロロエチレ
ン以外の有機塩素化合物も含有されていない。まずライ
ン8より送られてくる廃水をポンプ3で0.5リットル
/Hrの流量で70kg/cm2まで昇圧し、またライン9よ
り供給される空気をコンプレッサー5で昇圧させた後、
10Nl/Hrで前記廃水に混入した。この気液混合物
質をライン10を通って熱交換器2および電気ヒーター
12において250℃に加熱した後、湿式酸化塔1へ導
入した。湿式酸化塔1には実施例1において得られた触
媒が0.5リットル充填されており、湿式酸化塔1にお
いて廃水を酸化処理し、ライン11を通って熱交換器2
において冷却され、気液分離器4へ流した。気液分離器
4においては、液面コントローラ(LC)により液面を
検出して液面制御弁6を作動させて一定の液面を保持す
るとともに、圧力コントローラ(PC)により圧力を検
出して圧力制御弁7を作動させて一定の圧力を保持する
ように操作されている。
【0018】このようにして処理した結果、トリクロロ
エチレンの除去率は95%であり、処理液中にはGC−
ECD法で測定したところ、トリクロロエチレン以外の
有機塩素化合物は検出されなかった。また、処理水中の
塩素イオン濃度は380mg/リットルであった。な
お、排ガス中にはトリクロロエチレンは検出されなかっ
た。
【0019】(実施例3)実施例2と同様のフローに従
い、実施例2と同様の条件下において、テトラクロロエ
チレン70mg/リットルを含有するモデル廃水を処理
した。その結果、テトラクロロエチレンの除去率は92
%であり、処理液中にはGC−ECD法で測定したとこ
ろ、テトラクロロエチレン以外の有機塩素化合物は検出
されなかった。また、処理水中の塩素イオン濃度は55
mg/リットルであった。なお、排ガス中にはテトラク
ロロエチレンは検出されなかった。
【0020】(実施例4)硫酸チタン水溶液に硝酸鉄お
よび硝酸セリウムを添加し、よく攪拌した後、アンモニ
アを添加してpHを8として沈澱を形成させ、これをろ
過洗浄して得られたケーキを乾燥させて粉砕後、700
℃で焼成し、粒状(BET法比表面積50m2/g、平
均粒径5mm)に成形し、乾燥後500℃で再焼成して
チタン−鉄−セリウム酸化物を得た。
【0021】かくして得られた粒状成型体を硝酸ルテニ
ウム水溶液中に含浸し、ついで120℃で6時間乾燥
後、450℃で4時間焼成した。得られた触媒の各成分
の構成比は酸化物(ただし、Ruは金属として)重量換
算でTiO2:Fe23:CeO2:Ru=31.0:5
2.3:16.1:0.6であった。
【0022】(実施例5)実施例2と同様のフローに従
い、実施例4で得られた触媒を湿式酸化塔内に充填し、
臭化エチル100mg/リットルを含有するモデル廃水
を用いて処理実験を行った。ただし、本実施例におい
て、反応器入口温度は270℃、反応圧力は80kg/cm2
とし、その他の条件は実施例2と同様である。このよう
にして処理を行った結果、臭化エチルの除去率は99%
であり、処理水中には臭化エチル以外の有機臭素化合物
は認められなかった。また、処理水中の臭素イオン濃度
は73mg/リットルであった。なお、排ガス中には臭
化エチルは検出されなかった。
【0023】(実施例6)硫酸チタンに硫酸第一鉄を添
加し、よく攪拌後アンモニア水を添加してpH7とし、
形成した沈澱をろ過洗浄して得られたケーキを粉砕した
後、700℃で焼成し、ハニカム状(BET法比表面積
50m2/g、貫通孔の相当直径10mm、セル肉厚1
mm、開孔率83%)に成形し、乾燥後、500℃で再
焼成してチタン−鉄酸化物を得た。かくして得られたハ
ニカム成型体を硝酸パラジウム中に含浸し、ついで12
0℃で6時間乾燥させた後、400℃で4時間焼成し
た。得られた触媒の各成分の構成比は酸化物(ただし、
Pdは金属として)重量換算で、TiO2:Fe23
Pd=45.2:54.1:0.7であった。
【0024】(実施例7)実施例2と同様のフローに従
い、実施例6で得られた触媒を湿式酸化塔内に充填し、
ジクロロベンゼン50mg/リットルを含有するモデル
廃水を用いて処理実験を行った。ただし、本実施例にお
いて、反応器入口温度は230℃、反応圧力は60kg/c
m2、空気量を5リットル/Hrとし、その他の条件は実
施例2と同様である。このようにして処理を行った結
果、ジクロロベンゼンの除去率89%であり、処理水中
にはジクロロベンゼン以外の有機塩素化合物は認められ
なかった。また、処理水中の塩素イオン濃度は21mg
/リットルであった。なお、排ガス中にはジクロロベン
ゼンは検出されなかった。
【0025】(実施例8)実施例7と同様のフローに従
い、実施例7と同様の条件下において、酸素濃度を70
%としたガスを用いて、実施例7と同様のモデル廃水の
処理実験を行った。このようにして処理を行った結果、
ジクロロベンゼンの除去率94%であり、処理水中には
ジクロロベンゼン以外の有機塩素化合物は認められなか
った。また、処理水中の塩素イオン濃度は54mg/リ
ットルであった。なお、排ガス中にはジクロロベンゼン
は検出されなかった。
【0026】(実施例9)実施例2と同様のフローに従
い、実施例2と同様の条件下において、トリクロロエチ
レン500mg/リットルに水酸化ナトリウムを460
mg/リットルの割合で添加したモデル廃水を処理し
た。その結果、トリクロロエチレンの除去率は98%で
あり、処理液中にはGC−ECD法で測定したところ、
トリクロロエチレン以外の有機塩素化合物は検出されな
かった。また、処理水中の塩素イオン濃度は400mg
/リットルであった。なお、排ガス中にはトリクロロエ
チレンは検出されなかった。
【0027】(実施例10)硫酸チタン水溶液に撹拌し
ながら水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH7.5と
し、形成した沈殿を濾過洗浄して得られたケーキを乾
燥、粉砕したのち、700℃で焼成し、ペレット状(B
ET法比表面積45m2/g、平均径5mm、長さ6m
m)に成形し、乾燥後、500℃で再焼成してチタン酸
化物を得た。
【0028】かくして得られたペレット状成型体を塩化
イリジウム水溶液中に含浸し、ついいで140℃で3時
間乾燥させた後、450℃で4時間焼成した。得られた
完成触媒の重量比は、チタン酸化物:イリジウム=9
9.8:0.2であった。
【0029】(実施例11)実施例2と同様のフローに
従い、実施例10で得られた触媒を湿式酸化塔内に充填
し、実施例2と同様のモデル廃水を用いて処理実験を行
ったところ、トリクロロエチレンの除去率は82%であ
り、処理水中にはトリクロロエチレン以外の有機塩素化
合物は認められなかった。また、処理水中の塩素イオン
は330mg/リットルであった。なお、排ガス中には
トリクロロエチレンは検出されなかった。
【0030】(実施例12)四塩化チタンをシリカゾル
と共に混合し、アンモニアを添加して沈殿を形成せし
め、この沈殿を濾過洗浄して得られたケーキを乾燥、粉
砕した後、600℃で焼成し、球状(BET法比表面積
90m2/g、平均粒径6mm)に成形し、乾燥後、5
00℃で再焼成してチタン−ケイ素酸化物(モル比 チ
タン:ケイ素=7:3)を得た。
【0031】かくして得られた球状成型体を硝酸パラジ
ウム水溶液中に含浸し、ついで140℃で3時間乾燥
後、450℃で4時間焼成した。得られた完成触媒の組
成は、重量比でチタン−ケイ素酸化物:パラジウム=9
9.7:0.3であった。
【0032】(実施例13)実施例2と同様のフローに
従い、実施例12で得られた触媒を湿式酸化塔内に充填
し、実施例2と同様のモデル廃水を用いて処理実験を行
ったところ、トリクロロエチレンの除去率は90%であ
り、処理水中にはトリクロロエチレン以外の有機塩素化
合物は認められなかった。また、処理水中の塩素イオン
は360mg/リットルであった。なお、排ガス中には
トリクロロエチレンは検出されなかった。
【0033】(実施例14〜16)実施例1で得られた
チタン−ジルコニウム酸化物のペレット状成型体に、実
施例1と同様にして各種金属溶液を含浸、焼成した触媒
をそれぞれ湿式酸化塔内に充填し、実施例2と同様にし
て廃水の処理実験を行った。結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】(実施例17〜18)実施例10で得られ
たチタン酸化物のペレット状成型体に、実施例10と同
様にして各種金属溶液を含浸、焼成して得られた触媒を
それぞれ湿式酸化塔内に充填し、実施例2と同様にして
廃水の処理実験を行った。結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】(実施例19〜21)実施例6で得られた
チタン−鉄酸化物のハニカム状成型体に、実施例6と同
様にして各種金属溶液を含浸、焼成して得られた触媒を
それぞれ湿式酸化塔内に充填し、実施例2と同様にして
廃水の処理実験を行った。結果を表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】(比較例)実施例2と同様のフローに従
い、実施例2と同様の条件下において、湿式酸化塔内を
空塔として実施例2と同様の廃水を処理した。その結
果、トリクロロエチレンの除去率は32%であった。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、廃水中に含有される有
機ハロゲン化合物を有害物質の二次的な生成なしに炭酸
ガス、水、および溶解塩類や灰分等に効率よく転換せし
め、無害化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施する際の一態様を示すフロー
チャート図である。
【符号の説明】
1.湿式反応塔 2.熱交換器 3.廃水供給ポンプ 4.気液分離器 5.コンプレッサー 6.液面制御弁 7.圧力制御弁 12.電気ヒーター.
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 23/72 M 8017−4G 23/74 M 8017−4G 23/89 M 8017−4G C02F 1/58 CDV A 7158−4D (72)発明者 佐野 邦夫 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒触媒研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機ハロゲン化合物の1種以上を含む廃
    水を処理するに際し、触媒A成分として、チタン、ケイ
    素、セリウムおよびジルコニウムよりなる群から選ばれ
    た少なくとも1種の元素の酸化物、および、触媒B成分
    としてマンガン、鉄、コバルト、ニッケル、タングステ
    ン、銅、銀、金、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニ
    ウム、およびイリジウムよりなる群から選ばれた少なく
    とも1種の金属またはこれらの元素の水に不溶性または
    難溶性の化合物を含有してなる触媒を用い、酸素含有ガ
    スの存在下に、該廃水を100〜370℃で液相酸化す
    ることを特徴とする廃水の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11513913A (ja) * 1996-03-22 1999-11-30 エスアールアイ インターナショナル 特殊な反応剤を用いる材料の高温かつ超臨界水の酸化の方法
WO2000043721A1 (en) * 1999-01-26 2000-07-27 Couch Harold T Heat exchanger and method of purifying and detoxifying water
WO2012133006A1 (ja) * 2011-03-29 2012-10-04 公立大学法人大阪市立大学 有機ハロゲン化合物の処理法
US9526936B2 (en) 2012-11-20 2016-12-27 Osaka City University Method for hydrothermal oxidation treatment for organic halogen compound

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