JPH0521129Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、自動車などにおける作動伝達ケー
ブル等の軸状部材の取付固定装置の改良に関する
ものである。

（従来の技術） 自動車などにおけるアクセルペダルその他の部
材からの作動を伝達するケーブルやストツプラン
プスイツチの取付軸部などの軸状部材の取付位置
を調整して固定する手段としては、実開昭53−
19940号公開公報に開示されている手段のほか、
一般には、第５図または第６図に示すように、例
えば、軸状部材としてのケーブルＡ（第５図）ま
たはストツプランプスイツチＢ（第６図）のアジ
ヤスタボルトＣをブラケツトＤに挿通し、位置決
めした後に該ブラケツトの両側から一対の締付ナ
ツトＥを介して締付けて取付固定する手段が採用
されている。

（考案が解決しようとする問題点） 前記した従来の一般的な手段は、一対の締付ナ
ツトＥをスパナで締め上げる手作業に頼るのが現
状であつて、取付作業が非能率となる問題点があ
る。

（問題点を解決するための具体的手段） この考案は、前記のような手作業による非能率
的な取付作業の問題点を機械作業が可能な取付手
段により解決するために考案されたものであつ
て、作動伝達ケーブル、ストツプランプスイツチ
の取付軸部などの軸状部材の取付位置を調整、固
定するに当り、該軸状部材の取付位置調整ボルト
に形成されたネジ溝部を一対のクランププレート
により挟持し、前記ネジ溝部に該クランププレー
トの断面半円形のネジ溝面を螺合して、軸状部材
を取付固定する点を具体的手段とする。

（実施例） つぎに、この考案を図示の実施例により詳細に
説明する。

この考案を自動車のアクセルペダルの作動伝達
ケーブルに実施した第１実施例を示す第１図にお
いては、作動伝達ケーブル１は、そのアジヤスタ
ボルト（取付位置調整ボルト）１１に形成された
ネジ溝部１２に一対のクランププレート２，３が
螺合し、緊締に挟持され、該クランププレートの
一方が自動車の車体構造部分に固定されて、取付
けられる構造になつている。

一対のクランププレート２，３は、板金加工に
より成形された帯板状部材からなり、それぞれの
中央に垂直方向断面が半円形のネジ溝部２１，３
１（ハーフナツト面）が形成されていて、一方の
クランププレート２の端部２２には、他方のクラ
ンププレート３の端部３２の掛け止め爪３３が掛
け止めされる掛け止め口２３が形成され、クラン
ププレート２の他方の端部２４には、ナツトが固
着された螺着部２５が形成されている。そして、
この螺着部２５には、他方のクランププレート３
の端部３４には、ボルト挿通孔３５が形成され、
このボルト挿通孔３５を介して挿通されたボルト
４が前記螺着部に螺合する構造になつている。

したがつて、第１図の例において、作動伝達ケ
ーブル１を取付位置の調整をしながら取付固定す
るには、自動車の車体構造部分にクランププレー
ト２を固定し、他方のクランププレート３を掛け
止め爪３３を介して一方のクランププレート２に
掛け止めし、これらクランププレート２，３を開
脚した状態で（第２図参照）、ケーブル１のアジ
ヤスタボルト１１を前記一対のクランププレート
の間に挟み込み、前記アジヤスタボルトの位置を
調整して位置決めした後に、前記クランププレー
トのネジ溝面２１，３１でアジヤスタボルトのネ
ジ溝部１２を噛ませ、クランププレート３のボル
ト挿通孔３５からボルト４を挿通し、前記螺着部
２５のナツトに螺合させ、締付ければ、ネジ溝面
２１，３１とネジ溝部１２との噛み合いにより作
動伝達ケーブル１は、前記クランププレートに挟
持されながら取付固定される。

また、第３図に示す第２実施例においては、前
記のケーブルの代りにストツプランプスイツチ５
を取付固定する例が示されており、該スイツチ５
のアジヤスタボルト５１（取付位置調整ボルト）
を前記実施例に述べたと同じ一対のクランププレ
ート２，３により上下から挟持するものであつ
て、取付位置の調整、締付、固定の要領は、前記
第１実施例と同様である。

第４図は、第１実施例のクランププレートを変
形させた第３実施例を示すものであつて、クラン
ププレート２Ａ，３Ａは、螺着部２５Ａがバーリ
ング孔から構成され、これにタツピングスクリユ
６が螺合されて締付けられるものであり、ケーブ
ル１の位置調整、取付固定は、前記第１実施例と
同様である。

（考案の効果） 以上述べたように、この考案によれば、作動伝
達ケーブル、ストツプランプスイツチの取付軸部
などの軸状部材の取付位置を調整、固定するに当
り、該軸状部材の取付位置調整ボルトに形成され
たネジ溝部を一対のクランププレートにより挟持
し、前記ネジ溝部に該クランププレートの断面半
円形のネジ溝面を螺合させて、作動伝達ケーブル
等の軸状部材を位置決めしながら取付固定するも
のであるから、一対のクランププレートによる挟
持、ネジ締付が機械作業によつて行なえ、従来の
手作業によるナツト締付に比較し、取付固定作業
の能率が飛躍的に向上するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の第１実施例を示す分解斜
視図、第２図は、第１実施例における一対のクラ
ンププレートによる挟持、締付態様を示す説明
図、第３図は、第２実施例の分解斜視図、第４図
は、第３実施例の分解斜視図、第５図は、従来構
造によるケーブルの取付固定の態様を示す説明
図、第６図は、同じく従来構造のストツプランプ
スイツチの取付固定の態様を示す説明図である。 １……作動伝達ケーブル、１１……アジヤスタ
ボルト（取付位置調整ボルト）、１２……ネジ溝
部、２，３……クランププレート、２１，３１…
…ネジ溝面（ハーフナツト面）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 作動伝達ケーブル、ストツプランプスイツチ
   の取付軸部などの軸状部材の取付位置を調整、
   固定するに当り、該軸状部材の取付位置調整ボ
   ルトに形成されたネジ溝部を一対のクランププ
   レートにより挟持し、前記ネジ溝部に該クラン
   ププレートの断面半円形のネジ溝面を螺合させ
   てなる作動伝達ケーブル等の軸状部材の取付固
   定装置。 (2) 前記一対のクランププレートは、一端が掛け
   止めされ、他端がネジ締付けされて、前記軸状
   部材を緊締に挟持する構造であつて、掛け止め
   された端部側で自動車車体などの構造部分に固
   定されるブラケツトとして機能する実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の作動伝達ケーブル等
   の軸状部材の取付固定装置。