JPH05211030A - 電子放出素子及びその製造方法 - Google Patents

電子放出素子及びその製造方法

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JPH05211030A
JPH05211030A JP1562992A JP1562992A JPH05211030A JP H05211030 A JPH05211030 A JP H05211030A JP 1562992 A JP1562992 A JP 1562992A JP 1562992 A JP1562992 A JP 1562992A JP H05211030 A JPH05211030 A JP H05211030A
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JP
Japan
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electron
oxide film
anodic oxide
porous anodic
emitting device
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Application number
JP1562992A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kobayashi
寛史 小林
Yoshihiro Yoshida
芳博 吉田
Takeshi Kozuka
武 小塚
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、電子放出素子及びその製造方法に
関し、陰極先端に電界集中し易く、電子引出し効率を向
上させて信頼性を向上させることができる電子放出素子
を提供するとともに、複数個の陰極形状のばらつきが小
さく、しかも陰極先端と電子引出し用電極が正確に位置
合わせされた電子放出素子を容易に歩留まりよく形成す
ることができる電子放出素子の製造方法を提供すること
を目的とする。 【構成】 アルミニウム多孔性陽極酸化膜の孔内に形成
された電子放出材料部材を陰極とするように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子放出素子及びその
製造方法に係り、詳しくは、フラットCRT、高速電子
素子等に適用することができ、特に電子引出し効率を向
上させて信頼性を向上させることができる電子放出素子
と、電子放出素子を容易に歩留まりよく形成することが
できる電子放出素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出源としては熱陰極型電子
放出素子が多く用いられてきたが、熱陰極を利用した電
子放出素子では過熱によるエネルギーロスが大きく予備
電離が必要であるうえ、過熱による陰極先端の消耗や汚
染が激しく寿命が短い等の問題を有していた。
【0003】これらの問題を解決するために注目されて
いる従来の電子放出素子には、冷陰極型のものが知られ
ており、その中でも局部的に高電界を発生させて電解放
出を行わせることができる電界効果型の電子放出素子の
研究開発が近年盛んに行われている。この従来の電界効
果型の電子放出素子については、例えば特開平2−27
0247号公報、特開平3−147226号公報で報告
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た特開平2−270247号公報、特開平3−1472
26号公報で報告されている従来の電界効果型電子放出
素子では、電子放出部となる円錐状や三角錘状の陰極を
蒸着法により形成していたため、陰極の形状を精度よく
形成し難いうえ、再現性よく形成し難かった。特に、複
数個同時に配列されたマルチ電子源を形成する場合に
は、陰極の形状のばらつきが大きかった。このように陰
極の形状のばらつきが大きいと、各陰極での放出電流の
ばらつきが大きくなるという特性不良を生じるだけでな
く、一部の陰極は電子放出をしなかったり、一部の陰極
は異常な電界集中による先端の溶融が生じたりたりする
等信頼性が低下し易かった。
【0005】また、特公昭54−17551号公報や特
開平3−147226号公報で報告されている従来の電
子放出素子では、電子引出し用電極と陰極先端をミクロ
ンスケールの位置に精度よく形成することが困難であっ
た。そこで、本発明は、陰極先端に電界集中し易く、電
子引出し効率を向上させて信頼性を向上させることがで
きる電子放出素子を提供するとともに、複数個の陰極形
状のばらつきが小さく、しかも陰極先端と電子引出し用
電極が正確に位置合わせされた電子放出素子を容易に歩
留まりよく形成することができる電子放出素子の製造方
法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
アルミニウム多孔性陽極酸化膜の孔内に形成された電子
放出材料部材を陰極とすることを特徴とするものであ
る。請求項2記載の発明は、アルミニウム多孔性陽極酸
化膜の複数の孔内に形成された円柱状電子放出部を結合
して構成された陰極を有することを特徴とするものであ
る。
【0007】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記電子放出部の先端が前記アルミニウム
陽極酸化膜の孔底側に形成されてなることを特徴とする
ものである。請求項4記載の発明は、アルミニウム部材
を陽極酸化して複数の孔を有するアルミニウム多孔性陽
極酸化膜を形成する工程と、次いで、該アルミニウム多
孔性陽極酸化膜を陽極酸化されていないアルミニウム部
分から分離する工程と、次いで、該アルミニウム多孔性
陽極酸化膜の少なくとも一部の孔内に電子放出部を充填
する工程と、次いで、該アルミニウム多孔性陽極酸化膜
の片面上に導電部を形成することにより複数の電子放出
部が結合された陰極を形成する工程とを含むことを特徴
とするものである。
【0008】請求項5記載の発明は、アルミニウム部材
を陽極酸化して複数の孔を有するアルミニウム多孔性陽
極酸化膜を形成する工程と、次いで、該アルミニウム多
孔性陽極酸化膜の少なくとも一部の孔内に電子放出部を
充填する工程と、次いで、該アルミニウム多孔性陽極酸
化膜上に導電部を形成することにより複数の電子放出部
が結合された陰極を形成する工程と、次いで、該アルミ
ニウム多孔性陽極酸化膜のバリヤー層と陽極酸化されて
いないアルミニウム部分の少なくとも一部を除去して電
子放出部の先端を露出させる工程とを含むことを特徴と
するものである。
【0009】請求項6記載の発明は、請求項2記載の発
明において、前記導電部が形成されている側とは反対側
の前記アルミニウム多孔性陽極酸化膜上に絶縁膜が形成
され、該絶縁膜上に電子引出し用電極が形成されてなる
ことを特徴とするものである。請求項7記載の発明は、
アルミニウム部材を陽極酸化して複数の孔を有するアル
ミニウム多孔性陽極酸化膜を形成する工程と、次いで、
該アルミニウム多孔性陽極酸化膜の少なくとも一部の孔
内に電子放出部を充填する工程と、次いで、該アルミニ
ウム多孔性陽極酸化膜上に導電部を形成することにより
複数の電子放出部が結合された陰極を形成する工程と、
次いで、該アルミニウム部分を除去する工程と、次い
で、該アルミニウム多孔性陽極酸化膜のバリヤー層上に
電子引出し電極を形成する工程と、次いで、該電子放出
部の先端上の該バリヤー層を除去する工程とを含むこと
を特徴とするものである。
【0010】請求項8記載の発明は、請求項2乃至3記
載の発明において、前記電子放出部と前記導電部が電解
析出法で同一の材料で形成されてなることを特徴とする
ものである。請求項9記載の発明は、アルミニウム部材
を陽極酸化して複数の孔を有するアルミニウム多孔性陽
極酸化膜を形成する工程と、次いで、電解析出法により
該アルミニウム多孔性陽極酸化膜の孔内に電子放出部を
形成するとともに、該アルミニウム多孔性陽極酸化膜上
に導電部を同時形成する工程とを含むことを特徴とする
ものである。
【0011】請求項10記載の発明は、請求項2乃至7記
載の発明において、前記電子放出部は高融点金属で形成
されてなり、前記導電部は低抵抗金属で形成されてなる
ことを特徴とするものである。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明では、アルミニウム多孔性
陽極酸化膜の孔内に形成された電子放出材料部材を陰極
として構成したため、陰極形状を陽極酸化膜の孔形状で
決定することができる。このため、陰極の先端形状のば
らつきを小さくすることができ、信頼性の良好な電子放
出素子を得ることができる。
【0013】請求項2記載の発明では、1つの陰極に多
数の電子放出部を具備するように構成したため、電子放
出部全てに高電界強度をかけることができ、全体として
大きな放出電流となる電子放出素子を得ることができ
る。請求項3記載の発明では、電子放出部の先端をアル
ミニウム陽極酸化膜の孔底側に形成して構成したため、
陰極の先端形状を陽極酸化膜の孔底で決定することがで
きる。このため、曲率半径を小さくすることができ、陰
極先端に電界が集中し易く、電子放出特性の良好な電子
放出素子を得ることができる。
【0014】請求項4記載の発明では、上記請求項2記
載の電子放出素子を容易に歩留まりよく形成することが
できる。請求項5記載の発明では、上記請求項3記載の
電子放出素子を容易に歩留まりよく形成することができ
る。請求項6記載の発明では、電子引出し電極の位置を
絶縁膜の膜厚で制御することができ、電子引出し電極を
陰極に対してミクロンスケールの位置に精度よく形成す
ることができ、上記請求項2記載の電子放出素子の電子
放出特性を更に向上させた電子放出素子を得ることがで
きる。
【0015】請求項7記載の発明では、電子引出し電極
の位置を陽極酸化膜のバリヤー層の膜厚で制御すること
ができるため、電子引出し電極を陰極に対してミクロン
スケールの位置に精度よく形成することができ、上記請
求項3記載の電子放出素子の電子放出特性を更に向上さ
せた電子放出素子を得ることができるうえ、この電子放
出素子を容易に歩留まりよく形成することができる。
【0016】請求項8記載の発明では、円柱状電子放出
部と陽極酸化膜上の導電部を電解析出法で同一材料で形
成するようにしたため、製造コストを安くして安価な電
子放出素子を得ることができる。請求項9記載の発明で
は、電子放出材料部材の充填と陽極酸化膜上の導電部形
成を電解析出法により同時に行うようにしたため、製造
コストを安くした安価な電子放出素子を歩留まりよく形
成することができる。
【0017】請求項10記載の発明では、電子放出部に高
融点金属を用いることにより陰極の寿命を向上させるこ
とができ、かつ、陽極酸化膜上の導電部に低抵抗金属を
用いることにより電子放出部に電界を集中させて電子放
出特性を向上させることができる電子放出素子を得るこ
とができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
1は本発明の一実施例に則したAl多孔性陽極酸化膜の
構造を示す断面及び平面図である。図1において、1は
Al多孔性陽極酸化膜であり、このAl多孔性陽極酸化
膜1は径0.01〜 0.2μmでピッチ0.03〜0.06μmの孔1
aと、厚さ10〜 200nmのバリヤー層1bと、厚さ1〜 2
00μmのポーラス層1cとからなっている。なお、孔底
は半円状になっており、その曲率半径は孔径に略等しく
なっている。
【0019】次に、図2は本発明の第1実施例に則した
電子放出素子の構造を示す断面図である。図2におい
て、図1と同一符号は同一または相当部分を示し、2a
はAl多孔性陽極酸化膜1の複数の孔1a内に形成され
た円柱状電子放出部であり、2bはこの円柱状電子放出
部2aを結合するための導電部である。なお、円柱状電
子放出部2aの材料にはW、Mo、Cr、Fe、Co、
Ni、Mn、Cd、Au、Cu、C等やこれらの合金を
使用することができ、また、導電部2bの材料にはA
l、Cu、Au、W、Mo、Cr、Fe、Co、Ni、
Mn、Cd等を使用することができる。
【0020】このように、本実施例では、Al多孔性陽
極酸化膜1の複数の孔1a内に形成された円柱状電子放
出部2aを結合して構成された陰極を有するように構成
したため、1つの陰極に多数の電子放出部を具備するよ
うに構成することができる。このため、電子放出部全て
に高電界強度をかけることができ、全体として大きな放
出電流となる電子放出素子を得ることができる。 (第2実施例)図3は本発明の第2実施例に則した電子
放出素子の構造を示す断面図である。図3において、図
2と同一符号は同一または相当部分を示し、2cは先端
がAl多孔性陽極酸化膜1の孔底側に形成された電子放
出部である。
【0021】本実施例では、電子放出部2cの先端をA
l多孔性陽極酸化膜1の孔1a底側に形成して構成した
ため、陰極の先端形状をAl多孔性陽極酸化膜1の孔1
a底で決定することができる。このため、曲率半径を小
さくすることができ、陰極先端に電界が集中し易く、電
子放出特性の良好な電子放出素子を得ることができる。 (第3実施例)図4は本発明の第3実施例に則した電子
放出素子の製造方法を説明する図である。この図4は図
2に示す電子放出素子の製造方法の具体例である。図4
において、図1、2と同一符号は同一または相当部分を
示す。
【0022】次に、その電子放出素子の製造方法を説明
する。まず、図4(a)に示すように、Al箔またはA
l板の片面を硫酸、リン酸等の電解液で陽極酸化して複
数の孔1aを有するAl多孔性陽極酸化膜1を形成す
る。ここでの陽極酸化条件は電圧5〜 200V、液温0〜
30℃、時間5〜 300分である。
【0023】次に、図4(b)示すように、Al多孔性
陽極酸化膜1をAl箔又はAl板から分離する。ここで
の分離方法には、Al部分を硝酸等のエッチング液で溶
かす方法や逆電解法でバリヤー層を溶かしてAl多孔性
陽極酸化膜1とAl部分を分離する方法等が使用するこ
とができる。次に、図4(c)に示すように、Al多孔
性陽極酸化膜1の一部の孔1a(全部の孔1aでもよ
い)に円柱状電子放出部2aを充填する。ここでの充填
方法には電解析出法、蒸着法、溶融金属を流入する方法
等を使用することができ、一部の孔1a内に充填するに
はフォトプロセス技術を用いればよい。
【0024】そして、Al多孔性陽極酸化膜1の片面上
に導電部2bを形成することにより複数の電子放出部2
aを結合して陰極を形成することにより、図4(d)に
示すような電子放出素子を得ることができる。なお、図
4(d)は図2に示す電子放出素子と同じ構造のもので
ある。ここでの導電部2bの形成方法には、電解析出
法、蒸着法、スパッタ法を使用することができる。
【0025】本実施例では、電子放出素子を容易に歩留
まりよく形成することができる。 (第4実施例)図5は本発明の第4実施例に則した電子
放出素子の製造方法を説明する図である。この図5は図
3に示す電子放出素子の製造方法の具体例である。図5
において、図1、3と同一符号は同一または相当部分を
示す。
【0026】次に、その電子放出素子の製造方法を説明
する。まず、図5(a)に示すように、Al箔またはA
l板の片面を硫酸、リン酸等の電解液で陽極液化して複
数の孔1aを有するAl多孔性陽極酸化膜1を形成す
る。次に、図5(b)に示すように、孔1aの一部の孔
1a(全部の孔1aでもよい)内に電子放出部2cを充
填する。
【0027】次に、図5(c)に示すように、Al多孔
性陽極酸化膜1上に導電部2bを形成することにより複
数の電子放出部2cを結合して1つの陰極を形成する。
そして、Al多孔性陽極酸化膜1のバリヤー層1bとA
l部分の全部(一部でもよい)を除去して電子放出部2
cの先端を露出させることにより、図5(d)に示すよ
うな電子放出素子を得ることができる。なお、図5
(d)は図3に示す電子放出素子と同じ構造のものであ
る。ここでは、Al部分を硫酸等のエッチング液で溶か
し、バリヤー層1bを水酸化ナトリウム溶液等のエッチ
ング液で溶かす方法が使用することができる。なお、電
子放出部2c周辺のポーラス層1cを一部又は全部を溶
かしてもよい。
【0028】本実施例では、電子放出素子を容易に歩留
まりよく形成することができる。 (第5実施例)図6は本発明の第5実施例に則した電子
放出素子の製造方法を説明する図である。この図6は図
2に示す電子放出素子の応用例である。図5において、
図2と同一符号は同一または相当部分を示し、3は導電
部2bが形成されている側とは反対側のAl多孔性陽極
酸化膜1上に形成された絶縁層であり、4はレジストマ
スクであり、5は絶縁層3上に形成された電子引出し電
極である。
【0029】次に、その電子放出素子の製造方法を説明
する。まず、図6(a)に示すように、Al箔またはA
l板から分離されたAl多孔性陽極酸化膜1の孔1a内
に円柱状電子放出部2aを充填する。次に、図6(b)
に示すように、Al多孔性陽極酸化膜1の片面上に導電
部2bを形成して複数の電子放出部2aを結合する。
【0030】次に、図6(c)に示すように、導電部2
bが形成されている側とは反対側のAl多孔性陽極酸化
膜1上に絶縁層3を形成する。この時、絶縁層3間には
レジストマスク4が円柱状電子放出部2aを覆った状態
で形成されている。なお、ここでの絶縁層3はSi
2 、SiN、Al2 3 等を蒸着法、スパッタ法等で
形成することができる。
【0031】そして、絶縁層3上に電子引出し電極5を
形成した後、レジストマスク4を除去することにより、
図6(d)、(e)に示すような電子放出素子を得るこ
とができる。なお、電子引出し電極5の材料には、W、
Mo、Cr、Fe、Co、Ni、Mn、Cd、Au、C
u、Al及びその化合物等を使用することができる。本
実施例では、電子引出し電極5の位置を絶縁層3の膜厚
で制御することができるため、電子引出し電極5を陰極
に対してミクロンスケールの位置に精度よく形成するこ
とができ、電子放出特性を更に向上させた電子放出素子
を得ることができるうえ、この電子放出素子を容易に歩
留まりよく形成することができる。 (第6実施例)図7は本発明の第6実施例に則した電子
放出素子の製造方法を説明する図である。図7におい
て、図3、5と同一符号は同一または相当部分を示し、
5aはAl多孔性陽極酸化膜1のバリヤー層1b上に形
成された電子引出し電極である。
【0032】次に、その電子放出素子の製造方法を説明
する。まず、図7(a)に示すように、孔1a内に電子
放出部2cが充填されたAl多孔性陽極酸化膜1上に導
電部2bを形成する。次に、図7(b)に示すように、
アルミニウム部分を全て除去する。次に、図7(c)に
示すように、Al多孔性陽極酸化膜1のバリヤー層1b
上に電子引出し電極5aを形成する。
【0033】そして、電子放出部2cの先端上のAl多
孔性陽極酸化膜1のバリヤー層1bを除去することによ
り、図7(d)、(e)に示すような電子放出素子を得
ることができる。本実施例では、電子引出し電極5aの
位置をAl多孔性陽極酸化膜1のバリヤー層1bの膜厚
で制御することができるため、電子引出し電極5aを陰
極に対してミクロンスケールの位置に精度よく形成する
ことができ、電子放出特性を更に向上させた電子放出素
子を得ることができるうえ、この電子放出素子を容易に
歩留まりよく形成することができる。
【0034】次に、本発明においては、図2、3に示す
電子放出素子において、円柱状電子放出部2a、2cと
導電部2bを電解析出法で同一材料で形成されてなるよ
うに構成してもよく、この場合、製造コストを安くして
安価な電子放出素子を得ることができる。 (第7実施例)図8は本発明の第7実施例に則した電子
放出素子の製造方法を説明する図である。図8におい
て、図1、6と同一符号は同一または相当部分を示し、
2dはAl多孔性陽極酸化膜1の孔1a内に形成された
電子放出部であり、2eはAl多孔性陽極酸化膜1上に
形成された電子放出部2dと同一材料部材からなる導電
部であり、この導電部2eと電子放出部2dは電解析出
法により同時形成されている。
【0035】次に、その電子放出素子の製造方法を説明
する。まず、図8(a)に示すように、孔1aが形成さ
れたAl多孔性陽極酸化膜1上に導電部のパターンに対
応してレジストマスク4を形成する。次に、図8(b)
に示すように、電解析出法によりAl多孔性陽極酸化膜
1の孔1a内に電子放出部2dを形成するとともに、A
l多孔性陽極酸化膜1上に導電部2eを同時形成する。
【0036】そして、レジストマスク4を除去すること
により、図8(c)に示すような電子放出素子を得るこ
とができる。本実施例では、電子放出部2dと導電部2
eの形成を電解析出法により同時に行うようにしたた
め、製造コストを安くして安価な電子放出素子を歩留ま
りよく形成することができる。
【0037】次に、本発明においては、図2〜7に示す
電子放出素子及びその製造方法において、電子放出部を
高融点金属(W、Mo、Cr、Fe、Co、Ni、M
n、Cd、Au、Cu、等)で構成し、Al陽極酸化膜
上の導電部を低抵抗金属(Al、Cu、Au等)で構成
してもよく、この場合、電子放出部に高融点金属を用い
ることにより陰極の寿命を向上させることができ、か
つ、Al陽極酸化膜上の導電部に低抵抗金属を用いるこ
とにより電子放出部に電界を集中させて電子放出特性を
向上させることができる電子放出素子を得ることができ
る。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、陰極先端に電界集中し
易く、電子引出し効率を向上させて信頼性を向上させる
ことができるうえ、複数個の陰極形状のばらつきが小さ
く、しかも陰極先端と電子引出し電極が正確に位置合わ
せされた電子放出素子を容易に歩留まりよく形成するこ
とができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に則したAl多孔性陽極酸
化膜の構造を示す断面及び平面図である。
【図2】本発明の第1実施例に則した電子放出素子の構
造を示す断面図である。
【図3】本発明の第2実施例に則した電子放出素子の構
造を示す断面図である。
【図4】本発明の第3実施例に則した電子放出素子の製
造方法を説明する図である。
【図5】本発明の第4実施例に則した電子放出素子の製
造方法を説明する図である。
【図6】本発明の第5実施例に則した電子放出素子の製
造方法を説明する図である。
【図7】本発明の第6実施例に則した電子放出素子の製
造方法を説明する図である。
【図8】本発明の第7実施例に則した電子放出素子の製
造方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 多孔性陽極酸化膜 1a 孔 1b バリヤー層 1c ポーラス層 2a 円柱状電子放出部 2b 導電部 2c、2d 電子放出部 2e 導電部 3 絶縁層 4 レジストマスク 5、5a 電子引出し電極

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム多孔性陽極酸化膜の孔内に形
    成された電子放出材料部材を陰極とすることを特徴とす
    る電子放出素子。
  2. 【請求項2】アルミニウム多孔性陽極酸化膜(1)の複
    数の孔(1a)内に形成された円柱状電子放出部(2
    a)を結合して構成された陰極を有することを特徴とす
    る電子放出素子。
  3. 【請求項3】前記電子放出部(2c)の先端が前記アル
    ミニウム陽極酸化膜(1)の孔(1a)底側に形成され
    てなることを特徴とする請求項1記載の電子放出素子。
  4. 【請求項4】アルミニウム部材を陽極酸化して複数の孔
    (1a)を有するアルミニウム多孔性陽極酸化膜(1)
    を形成する工程と、 次いで、該アルミニウム多孔性陽極酸化膜(1)を陽極
    酸化されていないアルミニウム部分から分離する工程
    と、 次いで、該アルミニウム多孔性陽極酸化膜(1)の少な
    くとも一部の孔(1a)内に電子放出部(2a)を充填
    する工程と、 次いで、該アルミニウム多孔性陽極酸化膜(1)の片面
    上に導電部(2b)を形成することにより複数の電子放
    出部(2a)が結合された陰極を形成する工程とを含む
    ことを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  5. 【請求項5】アルミニウム部材を陽極酸化して複数の孔
    (1a)を有するアルミニウム多孔性陽極酸化膜(1)
    を形成する工程と、 次いで、該アルミニウム多孔性陽極酸化膜(1)の少な
    くとも一部の孔(1a)内に電子放出部(2c)を充填
    する工程と、 次いで、該アルミニウム多孔性陽極酸化膜(1)上に導
    電部(2b)を形成することにより複数の電子放出部
    (2c)が結合された陰極を形成する工程と、 次いで、該アルミニウム多孔性陽極酸化膜(1)のバリ
    ヤー層(1b)と陽極酸化されていないアルミニウム部
    分の少なくとも一部を除去して電子放出部(2c)の先
    端を露出させる工程とを含むことを特徴とする電子放出
    素子の製造方法。
  6. 【請求項6】前記導電部(2b)が形成されている側と
    は反対側の前記アルミニウム多孔性陽極酸化膜(1)上
    に絶縁膜(3)が形成され、該絶縁膜(3)上に電子引
    出し用電極(5)が形成されてなることを特徴とする請
    求項2記載の電子放出素子。
  7. 【請求項7】アルミニウム部材を陽極酸化して複数の孔
    (1a)を有するアルミニウム多孔性陽極酸化膜(1)
    を形成する工程と、 次いで、該アルミニウム多孔性陽極酸化膜(1)の少な
    くとも一部の孔(1a)内に電子放出部(2c)を充填
    する工程と、 次いで、該アルミニウム多孔性陽極酸化膜(1)上に導
    電部(2b)を形成することにより複数の電子放出部
    (2c)が結合された陰極を形成する工程と、 次いで、該アルミニウム部分を除去する工程と、 次いで、該アルミニウム多孔性陽極酸化膜(1)のバリ
    ヤー層(1b)上に電子引出し電極(5a)を形成する
    工程と、 次いで、該電子放出部(2c)の先端上の該バリヤー層
    (1b)を除去する工程とを含むことを特徴とする電子
    放出素子の製造方法。
  8. 【請求項8】前記電子放出部(2a、2c)と前記導電
    部(2b)が電解析出法で同一の材料で形成されてなる
    ことを特徴とする請求項2乃至3記載の電子放出素子。
  9. 【請求項9】アルミニウム部材を陽極酸化して複数の孔
    (1a)を有するアルミニウム多孔性陽極酸化膜(1)
    を形成する工程と、 次いで、電解析出法により該アルミニウム多孔性陽極酸
    化膜(1)の孔(1a)内に電子放出部(2d)を形成
    するとともに、該アルミニウム多孔性陽極酸化膜(1)
    上に導電部(2e)を同時形成する工程とを含むことを
    特徴とする電子放出素子の製造方法。
  10. 【請求項10】前記電子放出部は高融点金属で形成されて
    なり、前記導電部は低抵抗金属で形成されてなることを
    特徴とする請求項2乃至7記載の電子放出素子。
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