JPH052109A - 位相差フイルム - Google Patents

位相差フイルム

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JPH052109A
JPH052109A JP24045591A JP24045591A JPH052109A JP H052109 A JPH052109 A JP H052109A JP 24045591 A JP24045591 A JP 24045591A JP 24045591 A JP24045591 A JP 24045591A JP H052109 A JPH052109 A JP H052109A
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film
syndiotacticity
pva
vinyl
polymer
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JP24045591A
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Masahiro Nagao
昌浩 長尾
Hitoshi Maruyama
均 丸山
Toshiaki Sato
寿昭 佐藤
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性および耐湿熱性が著しく優れた位相差
フィルムを提供する。 【構成】 シンジオタククティシティーが55%以上の
PVA(例:ポリピバリン酸ビニルをけん化して得られ
たPVA)からなる位相差フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は位相差フィルムに関す
る。更に詳しくは耐熱性および耐湿熱性が著しく改善さ
れた位相差フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】位相差板とは複屈折性を有するフィルム
またはシート状物であり、位相差板を透過する光は互い
に直交する二方向の屈折率が異なるため、透過後に直交
する光線の電場ベクトルに位相差が生じるものを言う。
位相差板として現在市販され実用に供されているものと
しては1/4λ板がある。この1/4λ板は入射光線の
波長λに対して1/4λの位相差を生じるものであり、
直線偏光板の光学主軸に対して45度傾けて張り合わせ
ると円偏光板となる。円偏光板は、反射光をカットする
防眩機能があるため、VDTフィルターをはじめとして
各種の防眩材料に使用されている。
【0003】一方、液晶分子のねじれ角が90度である
従来の液晶表示装置は、液晶セルの上下に一対の偏光板
を設け、その吸収軸が直交または平行になるように配置
されたものであり、時計、電卓等に使用されてきた(一
般にTN型液晶表示装置と言われている)。このTN型
液晶表示装置に位相差板を適用し、表示品質を向上させ
る試みもなされている(例えば、特開昭61−1869
37号公報、特開昭60−26322号公報等)。近
年、表示容量の増大した液晶画面の拡大に伴って、液晶
分子のねじれ角を90度以上、具体的には180〜27
0度にした液晶表示装置が開発されている(一般にST
N型液晶表示装置と呼ばれている)。しかしながら、従
来のTN型液晶表示装置では白黒表示可能であったが、
STN型液晶表示装置では液晶分子の複屈折に起因する
着色が生じ、白黒表示ができなくなるという問題があ
る。一例を示せば、背景色が黄緑色で、表示色が濃紺色
であるような表示装置の場合には、マルチカラー、フル
カラーといったカラー表示を行う際に制約を受けること
が多い。この問題を解決するためSTN型液晶セルに色
消し用の液晶セルを光学補償板として1枚追加すること
により、着色を解消し、白黒表示を可能にする方法が提
案されている。
【0004】しかし、上述した方法では白黒表示は可能
になるものの液晶セルを光学補償板に用いるために、値
段が高い、重い、厚いといった問題点が生じる。そこ
で、異方性屈折率、すなわち複屈折率を有する有機高分
子フィルムが光学補償板として開発されてきた。これら
の有機高分子としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリ
アクリレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポ
リアクリロニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ
オレフィン系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられ、通
常これらのフィルムを一軸延伸したものが用いられてい
る。これらのなかでもポリビニルアルコール系樹脂は光
学的な透明性に優れており、また延伸性が良いため、極
めて有望な高分子化合物として期待されているが、充分
な性能を有する位相差フィルムが見いだされていなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のポリビニルアル
コール系重合体からなるフィルムは、耐水性、耐湿性ま
たは高温高湿下での寸法安定性、レターデーション変化
(以下、耐湿熱性と略記する)に劣るという欠点があっ
た。この様な状況下、本発明は耐水性、耐湿熱性および
耐熱性が改善された高耐久性の位相差フィルムを提供す
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題解
決するに向けて鋭意検討した結果、シンジオタクティシ
ティーが55%以上のポリビニルアルコール系重合体か
らなる位相差フィルムが上記目的を達成することを見い
出し、本発明を完成したものである。従来、位相差フィ
ルムの基材フィルムとして使用されているポリビニルア
ルコールはいわゆるアタクティック体で、シンジオタク
ティシティーがおよそ53%である。本発明の位相差フ
ィルムは、シンジオタクティシティーが55%以上のポ
リビニルアルコール系重合体を使用することで位相差フ
ィルムの水や熱による光学特性の低下を抑制することに
より耐久性の高いを位相差フィルムを得ることを特徴と
する。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の位相差フィルムは、従来の位相差フィルムに用い
られてきたポリビニルアルコールよりもシンジオタクテ
ィシティーの高いポリビニルアルコール系重合体を使用
することを特徴とする。シンジオタクティシティーの増
加による効果を十分に発揮させるためにシンジオタクテ
ィシティーは55%以上にすることが重要であり、好ま
しくは57%以上である。シンジオタクティシティーの
増加は、位相差フィルムの耐水性や耐熱性を向上させる
ものであるが、あまりシンジオタクティシティーが高く
なると、成膜や延伸等の加工工程において問題を生じる
点や該ポリビニルアルコール系重合体自身の製造も困難
となることから、シンジオタクティシティーは65%以
下であるのが好ましい。
【0008】該ポリビニルアルコール系重合体の重合度
やけん化度も本発明の位相差フィルムの性能に影響す
る。重合度はフィルム強度や加工特性の点からは500
以上であり、好ましくは1000以上、さらに好ましく
は1700以上、より好ましくは2000以上であり、
製膜や延伸等の加工特性の点から30000以下であ
る。 ここで重合度は該ポリビニルアルコール系重合体
を酢化したポリ酢酸ビニルのアセトン中の極限粘度(3
0℃測定)から次式により求めた粘度平均重合度で表し
たものである。 P=([η]×1000/7.94)(1/0.62) ここでけん化度は、けん化によりビニルアルコール単
位に変換され得る単位のなかで、実際にビニルアルコー
ル単位にけん化されている単位の割合を表したものであ
り、残基はビニルエステル単位である。けん化度として
は少なくとも90モル%以上、好ましくは95モル%以
上、より好ましくは98モル%以上である。
【0009】本発明の高シンジオタクティシティーのポ
リビニルアルコールは、通常のポリビニルアルコールの
製造法であるポリ酢酸ビニルのけん化からは得られな
い。本発明で用いられるような高シンジオタクティシテ
ィーのポリビニルアルコールは、ピバリン酸ビニル、ト
リフロロ酢酸ビニル、トリクロロ酢酸ビニル、蟻酸ビニ
ルのごとき側鎖の崇高いビニルエステルまたは極性の高
いビニルエステルの重合体の加水分解、もしくはt−ブ
チルビニルエーテルやトリメチルシリルビニルエーテル
のごときポリビニルエーテルの分解によって得られる。
この中で、高シンジオタクティシティーおよび高重合度
のポリマーを得やすく、分解反応が容易で、かつ得られ
るポリビニルアルコール系重合体の耐水性の良好なピバ
リン酸ビニルの単独重合体または共重合体からのポリビ
ニルアルコール系重合体が好んで用いられる。ここで共
重合体の場合のコモノマー単位は、けん化によってビニ
ルアルコール単位を生成する単位とそれ以外の単位に分
けられる。
【0010】前者の単位はタクティシティーの制御を目
的に共重合されるもので、酢酸ビニル、蟻酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バ
ーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン
酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類であ
り、共重合量はシンジオタクティシティー量との関係で
設定される。一方、後者のコモノマーは、主として変性
を目的に共重合されるもので、本発明の趣旨を損なわな
い範囲で使用される。このような単位として、たとえば
エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオ
レフィン類、アクリル酸およびその塩、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アク
リル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル
酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−
エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オク
タデシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸およ
びその塩、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチ
ル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタ
デシル等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、
n−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアク
リルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸および
その塩、、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよ
びその塩またはその4級塩、N−メチロールアクリルア
ミドおよびその誘導体等のアクリルアミド誘導体、メタ
クリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチル
メタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン
酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルア
ミンおよびその塩またはその4級塩、N−メチロールア
クリルアミドおよびその誘導体等のメタクリルアミド誘
導体、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、
n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエー
テル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエ
ーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエ
ーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル
類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリ
ル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フ
ッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類、酢酸アリル、
塩化アリル等のアリル化合物、マレイン酸およびその塩
またはそのエステル、イタコン酸およびその塩またはそ
のエステル、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリ
ル化合物、酢酸イソプロペニル等である。
【0011】本発明の位相差フィルムの製造法としては
特に限定はないが、例えば以下の方法で製造される。本
発明の位相差フィルムは、ポリビュルアルコール(以下
ポリビニルアルコールをPVAと略記することがある)
系重合体溶液を調整した後に、この溶液からフィルムを
形成することにより得られる。さらに得られたフィルム
を一軸延伸または二軸延伸するのが好ましい。まず、シ
ンジオタクティックPVA系重合体溶液の調整である
が、この時に使用される溶剤としてはジメチルスルホキ
シド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
N−メチルピロリドン、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、グリセリン、エチレンジアミン、ジエチ
レントリアミンおよび水等が単独もしくは組み合わせて
使用される。また塩化リチウム、塩化カリシウム等の無
機塩の水溶液も単独もしくは前記有機溶媒と組み合わせ
て使用できる。この中でも水単独溶媒、ジメチルスルホ
キシドやジメチルホルムアミドと水との混合溶媒および
グリセリン溶媒などが好適に使用される。これらの溶媒
のなかでは、水単独溶媒よりも有機溶媒単独溶媒または
水と有機溶媒との混合溶媒の方が耐湿熱性、耐熱性およ
び耐水性の点で好ましい。製膜時の該PVA系重合体の
濃度は使用するPVA系重合体の重合度および製膜方法
によって異なるが、通常1〜50重量%、好ましくは
1.5〜30重量%である。PVA系重合体溶液は、通
常室温から150℃の温度において調整される。この場
合、使用される溶媒にもよるが、PVA系重合体の分解
による重合度の低下を抑えるために、調整温度は上記の
範囲内で、低めの温度を採用することが好ましい。
【0012】次に、該PVA系重合体溶液からフィルム
を製膜する。フィルムの製造方法としては、該PVA系
重合体溶液からのキャスト製膜、空気中や窒素等の不活
性気体中への押し出しによる乾式製膜法、溶融成形法が
挙げられる。また、該PVA系重合体溶液からの貧溶媒
中への押し出しによる湿式製膜を行うこともできる。ま
た、該PVA系重合体溶液を一旦空気中や窒素等の不活
性気体中へ押し出し、液膜を形成した後、凝固浴中に導
入してフィルムを形成する乾湿式製膜法も可能である。
更にはこれらの製膜法を組合せ、かつ生成する液膜を冷
却ゲル化したものからフィルムを得るゲル製膜法を行な
うこともできる。ゲル製膜法とはPVA系重合体溶液と
一旦空気中や窒素等の不活性気体雰囲気中にて該PVA
系重合体溶液の液膜を形成し、次いで、この液膜をデカ
リン、パラフィン、トリクロロエチレン、四塩化炭素、
メタノール等の冷却媒体により冷却しゲル化させた後、
脱溶媒液中に導入して脱溶媒し、フィルムを形成した
り、該液膜を冷凍室等の冷却空間に導入し、冷却凝固し
ゲル化させた後に、脱溶媒してフィルムを形成すること
も可能である。またPVA系重合体溶液を空気中や窒素
等の不活性気体の雰囲気中を介せず、上記冷却媒体中に
直接液膜を投入し、冷却ゲル化した後、脱溶媒し、フィ
ルムを形成することも可能である。凝固剤としては、該
PVA系重合体溶液の溶剤に対して相溶性を有し、該P
VA系重合体に対して貧溶媒のもの、例えばメタノー
ル、エタノール、プロパノール等のアルコール類、アセ
トン、ベンゼン、トルエンまたはこれらの溶媒と該PV
A系重合体溶液の溶剤との混合溶液ならびに無機塩類水
溶液が用いられる。該PVA系重合体溶液の液膜は、該
PVA重合体溶液の溶剤によっても異なるが、通常−3
0〜120℃で調整される。
【0013】延伸を行う場の延伸方法としては、湿式延
伸法、乾熱延伸法、湿熱延伸法およびこれらの延伸法を
組み合わせた延伸法が可能であり、自由幅一軸延伸法、
固定幅一軸延伸法または二軸延伸法で行われる。延伸倍
率は目的とする位相差フィルムの厚みと位相差によって
制御されることが好ましいが、一軸延伸の場合には実用
上から、縦方向の延伸倍率は1.1〜3.0が好まし
い。二軸延伸の場合には面積延伸倍率が2以上、好まし
くは8以上、さらに好ましくは15以上であり、かつ横
方向の延伸倍率に対する縦方向の延伸倍率の比が1.1
以上であることが必要であり、好ましくは1.1〜1
0、さらに好ましくは1.5〜8である。また延伸速度
は、フィルムの元の長さを基準として、10〜5000
0%/分であることが好ましい。延伸時の温度は延伸条
件によって異なるが、通常10〜250℃の間である。
また乾熱延伸は不活性気体中で操作するのが好ましい。
【0014】延伸が実施されたフィルムは定長下または
収縮下で空気中または窒素等の不活性気体中で乾燥およ
び熱処理される。耐水性、耐熱性、耐湿熱性の目的から
は、延伸したフィルムを160〜250℃の空気中また
は不活性気体中で熱処理することが好ましい。本発明の
位相差フィルムの厚さについては特に制限はないが、3
〜100μmが好ましく、5〜50μmが特に好まし
い。また延伸前、延伸時あるいは延伸後に、PVA系重
合体に対する架橋剤、例えば、ほう酸、ほう砂、イソシ
アネート類等の水溶液に浸漬することにより、あるいは
延伸後のフィルムをホルマール化、アセタール化等の耐
水処理を施すことにより、さらに耐水性、耐久性を付与
することもできる。
【0015】このようにして得られた本発明の位相差フ
ィルムは、それ単独で用いることもできるし、その両面
あるいは片面に、光学的に透明性を有したり、機械的強
度を有した保護フィルムや偏光フィルムを貼合わせて使
用することもできる。保護フィルムとしては通常セルロ
ーストリアセテート系フィルム、ポリアクリレート系フ
ィルム、ポリエステル系フィルム等が使用される。ま
た、複数の位相差フィルムを貼合わせて使用することも
可能である。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるも
のではない。なお、以下で「部」または「%」は特に断
わりのない限り、「重量部」または「重量%」をそれぞ
れ意味する。また位相差は偏光顕微鏡とセナルモンまた
はベレックのコンペンセイターを用いて測定した値であ
り、面積収縮率は40℃、90%Rh下に放置する前の
フィルムを基準とした収縮率である。またシンジオタク
ティシティーは1H−NMRの測定値より計算した値で
ある。
【0017】実施例1 ピバリン酸ビニル系重合体のエステル交換反応により得
られた重合度3510,けん化度99.2モル%,シン
ジオタクティシティー61.5%のPVA系重合体をジ
メチルスルホキシドに溶解し濃度7%の溶液を得た。該
溶液をポリエステルフィルム上に流延した後、メタノー
ル中で溶媒を置換し風乾した。得られたフィルムを30
℃の4%ほう酸水溶液中で縦方向に3倍に延伸し、これ
を定長下50℃で乾燥した後、150℃で10分間熱処
理した。得られたフィルムの位相差は325nmであっ
た。更にこのフィルムを40℃、90%Rh下に10日
放置した後の位相差は323nm、面積収縮率は1.2
%であった。
【0018】実施例2 ピバリン酸ビニル系重合体のエステル交換反応により得
られた重合度1750,けん化度98.7モル%,シン
ジオタクティシティー55.4%のPVA系重合体を用
いて、実施例1と同様の方法で位相差フィルムを得た。
得られた位相差フィルムの位相差は402nmであり、
40℃,90%Rhに10日放置した後の位相差は、4
00.7nm,面積収縮率は、2.0%であった。
【0019】実施例3 ピバリン酸ビニル系重合体のエステル交換反応により得
られた重合度3600,けん化度99.3モル%,シン
ジオタクティシティー63.8%のPVA系重合体を用
い実施例1と同様の方法で位相差フィルムを得た。得ら
れたフィルムの位相差は、486nmであり、40℃,
90%Rh下に10日放置した後の位相差は485m
m,面積収縮率は、1.8%であった。
【0020】比較例1 重合度3500、けん化度99.9モル%、シンジオタ
クティシティー52.0%のPVAの4%水溶液を風乾
することによりPVAフィルムを得た。得られたフィル
ムを30℃の4%ほう酸水溶液中で縦方向に2倍に延伸
し、50℃で乾燥した後、150℃で10分間熱処理し
た。得られたフィルムの位相差は310nmであった。
該位相差フィルムを40℃、90%Rh下に10日放置
した後のフィルムは著しく収縮し位相差の測定は不可能
であり、面積収縮率は20.3%であった。
【0021】
【発明の効果】上記の実施例より明らかなとおり、本発
明の位相差フィルムは従来のアタクティックPVA系重
合体からなる位相差フィルムに比べ、耐湿熱性および機
械強度が優れている。これはシンジオタクティシティー
55モル%のPVA系重合体を用いることによりはじめ
て達成されたものである。本発明で得られたPVA系重
合体フィルムは上記の特徴を活かして、位相差フィルム
基材やフィルター基材等の光学用フィルムとして工業的
な価値が極めて高いものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シンジオタクティシティーが55%以上
    のポリビニルアルコール系重合体からなる位相差フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコール系重合体がピバリ
    ン酸ビニル単位を含有することを特徴とする請求項1記
    載の位相差フィルム。
JP24045591A 1991-04-08 1991-08-26 位相差フイルム Pending JPH052109A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2177936A1 (en) 2001-11-09 2010-04-21 Dainippon Printing Co., Ltd. Process for producing optical device
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