JPH05205926A - 耐食性を改善した希土類・遷移金属系永久磁石及びその製造方法 - Google Patents

耐食性を改善した希土類・遷移金属系永久磁石及びその製造方法

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JPH05205926A
JPH05205926A JP4250822A JP25082292A JPH05205926A JP H05205926 A JPH05205926 A JP H05205926A JP 4250822 A JP4250822 A JP 4250822A JP 25082292 A JP25082292 A JP 25082292A JP H05205926 A JPH05205926 A JP H05205926A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成で信頼性の高い耐食性を改善した
R−TM−B系永久磁石を提供する。 【構成】 Yを含む希土類元素の1種又は2種以上組み
合わせと、Feを主体とする遷移金属を含有する希土類
・遷移金属系永久磁石の表面に、導電性の下地層を有
し、その上に平均結晶粒径0.9μm以下の電解Cuめ
っき層を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、R−TM−B系永久磁
石であって、磁石体において結晶粒径が微細な電解Cu
めっき層を設けることにより耐食性を著しく改善したも
のに関する。
【0002】
【従来の技術】電気・電子機器の高性能・小型化に伴な
って、その一部品たる永久磁石にも同様の要求が強まっ
てきた。すなわち以前の最強の永久磁石は希土類・コバ
ルト(R−Co)系であったが、近年、より強力なR−
TM−B系永久磁石が台頭してきた(特開昭59−46
008号公報)。ここにRはYを含む希土類元素の1種
又は2種以上の組合わせであり、TMはFe,Coを中
心とする遷移金属であり、一部を他の金属元素又は非金
属元素で置換したものも包含する。Bは硼素である。し
かし、R−TM−B系永久磁石は極めて錆やすいという
問題点があった。そのため、耐食性を改善するために、
永久磁石体表面に耐酸化性の保護層を設ける手段がとら
れてきた。保護層の種類としては、電解Niめっき、耐
酸化性樹脂、Alイオンプレーティング等が提案されて
おり、とりわけ電解Niめっきは簡易な処理でR−TM
−B系永久磁石の耐食性を向上するものとして注目され
ている(特開昭60−54406号公報)。電解Niめ
っきは、耐酸化性樹脂と比較して表面保護層の機械的強
度に優れており、また保護層自体の吸湿性がほとんどな
いという長所を有している。しかしながら、電解Niめ
っきによる手法は、めっき電流が磁石体のコーナー部な
どの周辺部に集中しやすいことから周辺部の膜厚が厚く
なり、内穴及び内径部には電流が流れにくいことから内
穴及び内径部の膜厚が薄くなるという傾向を有してい
た。そのため電解Niめっきのままでは十分な膜厚均一
化を図ることができず、特に円筒状の様な異形品に関し
ては内径部にNiめっき層をほとんど被覆することがで
きず問題となっていた。この膜厚均一性の問題を解決す
るため、現在までに電解Niめっき下地めっきとして、
電解Cuめっきを設ける手法が提案されている(特開昭
62−236345,64−42805号公報等)。め
っき浴としては青化Cu浴及びリン酸エステルを主成分
としたアルカリ性有機酸Cu浴が利用でき、これらの浴
はCuの置換作用を有していないことからR−TM−B
系永久磁石表面に直接めっきができるという長所を有し
ている。ここで、置換作用とは、電気化学列が上位にあ
る金属を、その金属より電気化学列が下位にある金属の
塩類溶液中に浸積した際に、浸積した金属が溶解し、そ
の代わりに溶液中の金属がイオンの状態から還元されて
析出し被膜を形成することをいう。例えば、Nd,Fe
よりも電気化学列が上位な金属とは、Cr,18−8ス
テンレス(活性態),Pb,Sn,Ni(活性態),黄
銅,Cu,ブロンズ,Cu−Ni,Ni(不動態),1
8−8ステンレス(不動態),Ag,Cr,Au,Pt
などがあり、適宜、必要に応じて選択されてきた。ま
た、従来から光沢めっきが用いられてきた。ピンホール
が少なく耐食性が良好なためである。ここで、光沢と
は、表面の微視的平滑さのある状態で、表面の光沢を得
るために従来は、光沢剤を残留応力、被膜の硬度等を考
慮しつつ最適なものを選択したり、いわゆる光沢電流密
度で、ゆっくりと電解反応をおこさせていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら電解・無
電解を問わず、従来のCuめっきは空気中で容易に変色
し、表面酸化を発生し易いという欠点を有している。す
なわち、Cuめっき層の上に設けられた電解Niめっき
層は耐食性を維持する上で必要不可欠な被膜となってい
る。しかし青化Cu浴やリン酸エステルを主成分とした
アルカリ性有機酸Cu浴による電解Cuめっきは、その
表面形態が図8に示す様に10〜50μmの大きさを有
するほぼ円形の形態を呈するセル構造をとり、かつ図9
に示す様に結晶粒径が0.5〜2μmのやや粗雑な組織
を有する膜として形成される。特に図9においては、左
上部から横方向に鋭い亀裂が見られる。なお、写真の倍
率は、図8は500倍、図9は10,000倍である。
そのため、この表面粗度を有するセル構造をとる膜とし
て形成されることから、Cuめっきの上に更にNiめっ
きを設けても、図10に示すようにその表面形態が1〜
5μmの表面粗度を有するセル構造をとる膜として形成
されることから、Niめっき膜においてセル構造境界部
にピンホールが残存してしまい、耐食性の面で問題とな
っていた。この場合にピンホールの悪影響を避けようと
すると、膜厚を大きくしなければならないという問題点
があった。なお、レーザー顕微鏡は図10の中央線で示
される箇所をレーザー光で走査したときの、表面の凹凸
を計測するものであって、図10では上部の0μmの破
線を基準として5.28μmの破線までの間に凹凸のプ
ロフィール曲線が存在し、レーザー顕微鏡に設けられた
演算器で平均的な深さ(DEPTH)が表示される。図
10の場合には4.72μmである。また、光沢めっき
の場合には、最適な光沢剤を選択したり、生産性を犠牲
にしてめっき時間がかかる光沢電流密度範囲を選択しな
ければならないという問題点もあった。更に、光沢剤の
中にはイオウ(S)が含有されているため、下地、ある
いは上地との関係を十分に考慮しないと電気化学的な局
部電池が形成されて、かえって耐食性を低下させる場合
があるという問題点がある。そこで本発明の目的は、簡
単な構成で信頼性の高い耐食性を改善したR−TM−B
系永久磁石を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は導電性の下地
層を施した後ピロリン酸Cu浴による電解Cuめっきを
施した磁石が前記課題を解決することができることを知
見した。以下詳述する。ピロリン酸Cu浴による電解C
uめっきは、5μm程度のめっき厚さであっても、従来
のように厚膜にしなくとも、セル構造の全く存在しない
平滑性に優れた面を有し、かつ図6(倍率10,000
倍)に示す様に結晶粒径が0.9μm以下の微細な組織
を有する膜として形成される。そのため、このCuめっ
き層上に施される電解Niめっきも、図7に示す様に表
面粗度が1μm以下の平滑性に優れた面を有する膜とし
て形成され、この平滑性の効果によりNiめっき膜にお
けるピンホールが激減するものと考える。ここで、表面
粗度とは、レーザー顕微鏡によって所定の長さ、レーザ
ー光を走査したときの表面起伏のピーク・ピーク間の深
さを示す。通常のレーザー顕微鏡のDEPTHで表示さ
れる数値で測定する。前述の図10のDEPTH 4.
72μmに比べて、DEPTH 0.48μmと極めて
表面の粗度が小さい。本発明は、前記した様に、ピロリ
ン酸Cu浴による電解Cuめっき層を設けることによ
り、耐食性に問題がある鉄・希土類系永久磁石、例えば
R−TM−B系永久磁石の耐食性を向上するものであ
る。本発明においてピロリン酸Cuめっきをすることに
よって光沢剤を添加しなくても表面が平滑なめっき層を
得ることができる。もっとも、用途によってはCuめっ
きにはメルカプトチアゾール等の光沢剤を用いても良
い。本発明のピロリン酸Cuめっきは、電気伝導性及び
柔軟性・展延性に優れており、膜のつき回り性が良好で
ある。ここで、膜のつき回り性とは、めっきが下地を被
覆できる能力を示し、例えば焼結型永久磁石の深い凹部
や、円筒状磁石の内面などの電流密度が低くなってしま
う部分までめっきが付着する能力を示す。ピロリン酸C
u浴によるめっき処理の電流密度は1〜5A/dm2
良い。また、Cuめっき層の膜厚は2〜20μm,好ま
しくは10〜15μmである。
【0005】ピロリン酸Cu浴を用いた電解によるCu
めっき層を行なう前に、導電性の下地層の保護層の被覆
処理を行なう。これは青化Cu浴やリン酸エステルを主
成分としたアルカリ性有機酸Cu浴と異なり、ピロリン
酸浴はCuの置換作用を有していることから、R−TM
−B系永久磁石をピロリン酸浴に直接浸漬すると、Cu
の非常に薄い、めっき皮膜と磁石体表面との密着性が悪
い置換めっき皮膜が磁石体表面に形成されるためであ
る。そのため、保護皮膜として金属被膜等からなる下地
層をもうけることにより置換めっきを防ぐことが、密着
性を向上させる上で必要なのである。なお、密着性が悪
い場合には、下地の永久磁石表面との間には拡散層がな
んら観察されない。下地層としての金属被膜の種類は、
R−TM−B系永久磁石表面に直接めっきが可能な電解
Niめっき、無電解Cuめっき、青化Cu浴による電解
Cuめっき、リン酸エステルを主成分としたアルカリ性
有機酸Cu浴による電解Cuめっきが良く、特にめっき
液の安定性を優れている電解Niめっきが良い。電解N
iめっきの種類としては、ワット浴、スルファミン酸
浴、アンモン浴のいずれかでも良く、電流密度は1〜1
0A/dm2が良い。また下地層の膜厚としては、0.
1〜10μmが好ましい。前記下地層は、必ずしも金属
でなくても、導電性を有する被膜であって、且つ永久磁
石表面とのめっきの密着性が良好なものであれば、例え
ば有機金属被膜、導電性プラスチック、導電性セラミッ
クス等の金属以外のものでもよい。導電性が必要な理由
は、その上層にCuめっき層を電解めっきで積層するた
めである。また、前記下地層と永久磁石表面との密着性
が良好である、とは、鉄・希土類系永久磁石の主要構成
元素である鉄、希土類よりもイオン化傾向が低いことが
電気化学的な要件である。
【0006】ピロリン酸Cu浴を用いた電解によるCu
めっき層の上にさらに保護層を設けることができる。保
護層としては、電解Niめっき層、無電解Ni−Pめっ
き層、電解Ni合金めっき層のいずれかが有効である。
電解Niめっきの種類としては、ワット浴、スルファミ
ン酸浴、アンモン浴のいずれでも良く、電流密度は1〜
5A/dm2が良い。Niめっき層の膜厚は2〜20μ
m、好ましくは5〜10μmである。また、無電解Ni
−Pめっき層や、Ni−Co,Ni−Fe,Ni−P等
の電解Ni合金めっき層を被覆しても良い。この場合
も、Cuめっき層上の金属保護層の膜厚は2〜20μ
m、好ましくは5〜10μmである。めっき層の総厚と
しては、10〜25μmが適当である。なお、本発明に
おける保護層は、以上以外にメタルクラッド、酸化鉄,
希土類酸化物等の化合物コート等によることもできる。
あるいは、電子線照射によって表面改質してもよい。ま
た、無機材料(ガラス、クロメート、シリカ、窒化・炭
化・ほう化膜、酸化被膜、プラズマ重合膜、タンニン
膜、黒染め、ダイヤモンド被膜、リン酸処理膜)、また
は有機材料(金属粉を混練した樹脂層、金属マトリック
スにガラスを含有したもの、樹脂膜、PPX、カルボン
酸、金属石鹸、アンモニウム塩、アミン、有機ケイ素化
合物、電着塗装)による保護被膜を設けてもよい。
【0007】本発明における鉄・希土類系永久磁石と
は、重量比でR(ここでRは、Yを含む希土類元素の1
種又は2種以上組み合わせ)5〜40%,TM(ここで
TMはFeを主体とする遷移金属)50〜90%,B
(硼素)0.2〜8%からなるR−TM−B磁石、鉄・
希土類・窒素磁石、鉄・希土類・炭素系磁石等がある。
本発明において、例えばR−TM−B系永久磁石の場合
には、Fe,Co,Ni等のTMの一部を置換する元素
は、その添加目的に応じて、Ga,Al,Ti,V,C
r,Mn,Zr,Hf,Nb,Ta,Mo,Ge,S
b,Sn,Bi,Ni他を添加でき、本発明はいかなる
R−TM−B系磁石にも適用できる。また、その製造方
法は焼結法、溶湯急冷法、あるいはそれらの変形法のい
ずれの方法でもよい。
【0008】めっき前処理に関しては、加工変質層の除
去及びめっき前活性化を図る上で、酸性溶液を用いるの
が良い。硫酸や塩酸等の強酸がめっき前活性化にとって
有効であるが、めっき前処理の材質への影響を極力避け
るためには、2〜10vol%の硝酸による第1エッチ
ング、その後過酸化水素5〜10vol%、酢酸10〜
30vol%の混酸による第2エッチングが最も望まし
い。次いで、金属被膜からなる下地層の被覆処理を行な
う。
【0009】
【実施例】
(実施例1)Nd(Fe0.7Co0.20.07Ga0.03
6.5なる組成の合金をアーク溶解にて作製し、得られた
インゴットをスタンプミル及びディスクミルで粗粉砕し
た。粉砕媒体としてはN2ガスを用いジェットミルで微
粉砕を行なう粉砕粒度3.5μm(FSSS)の微粉砕
を得た。得られた原料粉を15kOeの磁場中で横磁場
成形した。成形圧力は2トン/cm2であった。本成形
体を真空中で1090℃×2時間焼結した。焼結体を1
8×10×6mm寸法に切り出し次いで900℃のアル
ゴン雰囲気中に2時間加熱保持した後に急冷し温度を6
00℃に保持したアルゴン雰囲気中で1時間保持した。
こうして得られた試料について、めっき前処理として5
vol%の硝酸による第1エッチング、その後過酸化水
素10vol%、酢酸25vol%の混酸による第2エ
ッチングを行なった。その後、表1に示す作業条件で、
めっき層の厚みが表1に示した値となる様に各種表面処
理を施した。
【0010】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料 番号 表 面 処 理 めっき層膜厚 (総厚) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実 1.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗 下地層としての 施 1 Niめっき 1μm 例 2.ピロリン酸Cu浴による電解Cuめっき処理後水洗 Cuめっき 5μm 3.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗して100 Niめっき 4μm ℃で5分間乾燥 (10μm) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 2 1.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗して100 Niめっき10μm 比 ℃で5分間乾燥 較 例 3 1.リン酸エステルを主成分としたアルカリ性有機酸 Cuめっき 5μm 浴による電解Cuめっき処理後水洗 2.ワット浴による電解Niめっき後水洗して100℃で Niめっき 5μm 5分間乾燥 (10μm) 4 1.ピロリン酸Cu浴による電解Cuめっき処理後水洗 Cuめっき 5μm 2.ワット浴による電解Niめっき後水洗して100℃で Niめっき 5μm 5分間乾燥 (10μm) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0011】表1に示した試料に関して、80℃90%
RHでの500時間の耐湿試験及び35℃5%NaCl
での100時間の塩水噴霧試験を行なった。結果を表2
に示す。なお、本実施例のCuめっき層の平均結晶粒径
は0.5μmであり、またNiめっき表面の表面粗度は
0.5μmであった。
【0012】
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料 耐 湿 試 験 塩 水 噴 霧 試 験 番号 (80℃、90%RH) (35℃ 5%NaCl) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例 1 500時間 変化無し 80時間 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 2 300時間で局所部に点サビ発生 30時間 比較例 3 200時間で局所的に点サビ発生 20時間 4 100時間で全面に膜ハガレ発生 5時間 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0013】表2において、耐湿試験結果は試料の外観
変化を、塩水噴霧試験結果は赤錆び発生時間を示したも
のである。表2より、本発明による永久磁石は、従来の
磁石と比較して、耐食性を著しく向上し得ることがわか
る。また、図1と図2には本発明と比較例の場合のめっ
き層のX線回折パターンを示す。図1(a)は本発明で
ピロリン酸Cu浴による電解Cuめっきを施した時のC
uめっき被膜のX線回折パターンを、図1(b)は比較
例でリン酸エステルを主成分にした有機酸Cu浴による
電解Cuめっき被膜のX線回折パターンを示す。図1
(a)から、本発明による被膜のX線回折強度は鋭く大
きいことが分かる。このことは、本発明によって得られ
た被膜が、一方向に均質に成長した結晶組織を有する緻
密なめっき膜であることを示している。同じく図2
(a)は本発明でピロリン酸Cu浴による電解Cuめっ
きを施した、更にその上に電解Niめっきを設けたとき
の、Niめっき被膜のX線回折パターンを、図1(b)
は比較例でリン酸エステルを主成分にした有機酸Cu浴
による電解Cuめっき被膜の上に電解Niめっきを設け
たときのNiめっき層のX線回折パターンを示す。図2
(a)から、本発明による被膜のX線回折強度は鋭く大
きいことが分かる。このことは、本発明によって得られ
た被膜が、一方向に均質に成長した結晶組織を有する緻
密なめっき膜であることを示している。これは、ピロリ
ン酸Cuめっきで形成された下地のCuめっき層が、前
述の通り均質で一方向性成長をしているため、その上地
もそれにならって成長する為だと考えられる。
【0014】(実施例2)実施例1と同様にして、表3
に示すような条件で、本発明に係るめっき(すなわちN
dFeB磁石の表面にNiストライクめっきを施し、そ
の上にピロリン酸Cuめっき)をしたものと、比較例と
して、NdFeB磁石の表面にNiストライクめっきを
施さずに直接ピロリン酸Cuめっきを施したもの、及び
NdFeB磁石の表面にリン酸エステルを主成分とした
アルカリ性有機酸浴による電解Cuめっき処理後水洗し
たもの、とを作成した。そして、それらのめっき層断面
を走査型電子顕微鏡で観察した。各々、倍率は左側の写
真が1000倍、右側の写真が3000倍である。図3
は、本発明に係るめっき層であり、平均結晶粒径0.5
μmと緻密で一方向にきれいに揃った結晶成長をしてい
ることがわかる。それに対して、図4に示す比較例で
は、平均結晶粒径2.0μmと粗い柱状晶がNdFeB
磁石の表面粒子に垂直方向に乱れた方向に、各々が成長
して、互いがぶつかりあい、境界面を形成していること
がわかる。このような境界面は、表面で二重点や三重点
を形成し、耐食性を劣化させるピンホール等の欠陥を生
成する。また、このような境界には内部応力が残留する
し、いずれにしても耐食性の点から好ましくないことは
明かである。また、図5に示す比較例は、結晶粒が本来
微細なピロリン酸Cuめっきを施したにも拘らず、導電
性の下地層であるNiストライクめっきを施さなかった
場合である。下側のNdFeB磁石の上層には置換めっ
きを生成できなかった為にできたスマット(汚れ)が不
規則に見られる。そこが、あたかも孔のように見える
が、これは断面試料を作成する際の研磨工程において付
着力が弱い為に脱落したものと思われる。このような下
地に、ピロリン酸Cuめっきを施しても、図4の場合に
比べると遥かに改善されるものの、平均結晶粒径2.0
μmと比較的粗い結晶が成長していることが分かる。ま
た、図1,2と同様にして、X線回折パターンを観察し
たところ、本発明に係る図3の場合には、Cuのピーク
強度が鋭いパターンが観察された。このことは、本発明
に係る適切な導電性下地層の上にピロリン酸Cuめっき
層を設けためっきにおいては、極めて配向性の良好なC
uの柱状晶が生成されることを裏付けている。
【0015】
【表3】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料 番号 表 面 処 理 めっき層膜厚 (総厚) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実 1.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗 下地層としての 施 1 Niめっき 1μm 例 2.ピロリン酸Cu浴による電解Cuめっき処理後水洗 Cuめっき 19μm −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 2 リン酸エステルを主成分としたアルカリ性有機酸 Cuめっき 20μm 浴による電解Cuめっき処理後水洗 3 ピロリン酸Cu浴による電解Cuめっき処理後水洗 Cuめっき 20μm −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0016】(実施例3)実施例1と同様の組成の合金
をアーク溶解にて作製し、得られたインゴットをスタン
プミル及びディスクミルで粗粉砕した。粉砕媒体として
はN2ガスを用いジェットミルで微粉砕を行なう粉砕粒
度3.5μm(FSSS)の微粉砕を得た。得られた原
料粉を外径9mm,内径25mm,高さ15mmの金型
に充填し、ラジアル方向に配向させた後、15kg/m
2の成形圧力で圧縮成形し、成形体を得た。本成形体
を真空中で1090℃×2時間焼結した。焼結体を90
0℃のアルゴン雰囲気中に2時間加熱保持した後に急冷
し温度を600℃に保持したアルゴン雰囲気中で1時間
保持した。こうして得られた試料について、実施例1と
同様にめっきした。すなわち、表4に示すめっき条件
で、円筒体外径部のめっき層膜厚が表5に示した値とな
る様に、めっき条件を変えながらマイクロメータで円筒
体の外径を測定しつつ、めっき条件を見いだして各種表
面処理を施した。表6に、そのようにして決定しためっ
き条件でめっきした場合の、円筒体内径のめっき層膜厚
を示す。表4〜表6で試料番号は対応する。
【0017】
【表4】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料 番号 表 面 処 理 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実 1.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗 施 1 例 2.ピロリン酸Cu浴による電解Cuめっき処理後水洗 3.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗して100 ℃で5分間乾燥 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 2 1.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗して100 比 ℃で5分間乾燥 較 例 3 1.リン酸エステルを主成分としたアルカリ性有機酸 浴による電解Cuめっき処理後水洗 2.ワット浴による電解Niめっき後水洗して100℃で 5分間乾燥 4 1.ピロリン酸Cu浴による電解Cuめっき処理後水洗 2.ワット浴による電解Niめっき後水洗して100℃で 5分間乾燥 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0018】
【表5】
【0019】
【表6】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料 円筒体内径部 番号 めっき層膜厚 (総厚) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実 下地層としての 施 1 Niめっき 1μm 例 Cuめっき 14μm Niめっき 2μm (17μm) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 2 Niめっき10μm 比 較 例 3 Cuめっき 14μm Niめっき 3μm (17μm) 4 Cuめっき 14μm Niめっき 3μm (17μm) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0020】表4〜6に示した試料に関して、80℃9
0%RHでの500時間の耐湿試験及び35℃5%Na
Clでの100時間の塩水噴霧試験を行なった。結果を
表7に示す。
【0021】
【表7】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料 耐 湿 試 験 塩 水 噴 霧 試 験 番号 (80℃、90%RH) (35℃ 5%NaCl) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例 1 500時間 変化無し 100時間変化なし −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 2 300時間で局所部に点サビ発生 30時間 比較例 3 200時間で局所的に点サビ発生 20時間 4 100時間で全面に膜ハガレ発生 5時間 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0022】表7において、耐湿試験結果は試料の外観
変化を、塩水噴霧試験結果は赤錆び発生時間を示したも
のである。表7より、本発明による永久磁石は、従来の
磁石と比較して、円筒状の磁石においても耐食性を著し
く向上し得ることがわかる。このことは、工業上の利用
性に大きな意義を持つ。すなわち、円筒状の磁石に均一
に良好なめっきをすることができるので、スピンドルモ
ータ,サーボモータ等の回転機、ボイスコイルモータ
(VCM)等のリニアモータに信頼性が高く、薄いめっ
き層であるために磁気特性を低下させることなく安価に
提供することができるからである。
【0023】(実施例4)実施例1と同様にして、種々
のめっき条件の組み合わせを試験してみた。表8〜11
にめっき条件を示す。
【0024】
【表8】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料 めっき層膜厚 番号 表 面 処 理 (カッコ内総厚) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実 1.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗い Niめっき 2μm 施 1 2.ピロリン酸Cu浴による電解Cuめっき処理後水洗 Cuめっき 3μm 例 3.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗して Niめっき 5μm 100℃で5分間乾燥 (10μm) Niめっき 2μm 2 同 上 Cuめっき 3μm Niめっき 15μm (20μm) Niめっき 2μm 3 同 上 Cuめっき 13μm Niめっき 5μm (20μm) Niめっき0.5μm 4 同 上 Cuめっき4.5μm Niめっき 5μm (10μm) Niめっき0.5μm 5 同 上 Cuめっき4.5μm Niめっき 15μm (20μm)
【0025】
【表9】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料 めっき層膜厚 番号 表 面 処 理 (カッコ内総厚) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実 1.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗 Niめっき 0.5μm 施 6 2.ピロリン酸Cu浴による電解Cuめっき処理後水洗 Cuめっき14.5μm 例 3.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗して Niめっき 5μm 100℃で5分間乾燥 (20μm) 1.無電解Cu浴による無電解Cuめっき処理後水洗 Niめっき 2μm 7 2.ピロリン酸Cu浴による電解Cuめっき処理後水洗 Cuめっき 13μm 3.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗して Niめっき 5μm 100℃で5分間乾燥 (20μm) 1.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗 Niめっき 2μm 8 2.ピロリン酸Cu浴による電解Cuめっき処理後水洗 Cuめっき 13μm 3.無電解Ni-P浴による無電解Ni-Pめっき処理後水 洗して100℃で5分間乾燥 Ni-Pめっき 5μm (20μm) 1.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗 Niめっき 2μm 9 2.ピロリン酸Cu浴による電解Cuめっき処理後水洗 Cuめっき 13μm 3.エポキシ樹脂電着浴による電着塗装処理後水洗 エポキシ樹脂層5μm して200℃で1時間焼き付け (20μm) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0026】
【表10】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料 めっき層膜厚 番号 表 面 処 理 (カッコ内総厚) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比 10 1.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗いして Niめっき 10μm 較 100℃で5分間乾燥 (10μm) 例 11 1.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗いして Niめっき 20μm 100℃で5分間乾燥 (20μm) 1.リン酸エステルを主成分としたアルカリ性有機酸 Cuめっき 5μm 12 Cu浴による電解Cuめっき処理後水洗 2.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗して100 Niめっき 5μm ℃で5分間乾燥 (10μm) Cuめっき 5μm 13 同 上 Niめっき 15μm (20μm) Cuめっき 5μm 14 同 上 Niめっき 5μm (20μm) 1.ピロリン酸Cu浴による電解Cuめっき処理後水洗 Cuめっき 5μm 15 2.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗して100 Niめっき 5μm ℃で5分間乾燥 (10μm) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0027】
【表11】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料 めっき層膜厚 番号 表 面 処 理 (カッコ内総厚) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比 1.ピロリン酸Cu浴による電解Cuめっき処理後水洗 Cuめっき 5μm 較 16 2.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗して100 Niめっき 15μm 例 ℃で5分間乾燥 (20μm) Cuめっき 15μm 17 同 上 Niめっき 5μm (20μm) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0028】表8〜11に示した試料に関して、80℃、
90%RHでの1000時間の耐湿試験、35℃、5%NaCl
での100時間の塩水噴射試験、119.6℃、100%RH2気
圧での100時間の蒸気加圧試験(PCT),及び磁石体
表面とめっき皮膜界面の密着強度試験を行なった。密着
強度試験は、Quad Group 社製のセバスチャンI型付着力
テスターで定量評価を、JISで規定された碁盤目試験
(クロスカット試験)にて目視評価した。クロスカット
試験で、○印は、剥がれが全くなかったことを示し、×
は全面剥離したことを示す。結果を表12,13に示す
ように、本発明に係るめっき層は、あらゆる耐食性試験
に対しても極めて耐食性が良好であることが分かる。
【0029】
【表12】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料 耐 湿 試 験 塩水噴霧試験 蒸気加圧試験 クロスカット 密着強度試験 番号 (80℃ 90%RH) (35℃5%NaCl) 試験 (kgf/cm2) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 800時間で局所 80時間後発錆 100時間剥離無 ○ 700/700 実 的に点錆発生 2 1000時間変化無 100時間発錆無 100時間剥離無 ○ 700/700 3 1000時間変化無 100時間発錆無 100時間剥離無 ○ 700/700 施 4 800時間で局所 80時間後発錆 100時間剥離無 ○ 700/700 的に点錆発生 5 1000時間変化無 100時間発錆無 100時間剥離無 ○ 700/700 例 6 1000時間変化無 100時間発錆無 100時間剥離無 ○ 700/700 7 1000時間変化無 100時間発錆無 100時間剥離無 ○ 700/700 8 1000時間変化無 100時間発錆無 100時間剥離無 ○ 700/700 9 1000時間変化無 100時間発錆無 100時間剥離無 ○ 700/700 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0030】
【表13】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料 耐 湿 試 験 塩水噴霧試験 蒸気加圧試験 クロスカット 密着強度試験 番号 (80℃ 90%RH) (35℃5%NaCl) 試験 (kgf/cm2) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 10 300時間で局所 30時間後発錆 100時間剥離無 ○ 700/700 的に点錆発生 比 11 600時間で局所 60時間後発錆 100時間剥離無 ○ 700/700 的に点錆発生 12 200時間で局所 20時間後発錆 100時間剥離無 ○ 700/700 的に点錆発性 較 13 500時間で局所 50時間後発錆 100時間剥離無 ○ 700/700 的に点錆発生 14 300時間で局所 30時間後発錆 100時間剥離無 ○ 700/700 的に点錆発生 例 15 100時間で全面 5時間後発錆 10時間剥離 × 50/700 で膜剥離発生 16 100時間で全面 5時間後発錆 10時間剥離 × 50/700 で膜剥離発生 17 100時間で全面 5時間後発錆 10時間剥離 × 50/700 で膜剥離発生 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0031】表12,13において、耐湿試験結果は試
料の外観変化を、塩水噴霧試験結果は赤錆発生の有無
を、蒸気加圧試験結果はめっき皮膜の剥離の有無を示し
たものである。表12,13より、本発明による永久磁
石は、従来の磁石と比較して耐食性を著しく向上し得る
ことがわかる。
【0032】(実施例5)実施例1と同様にして、表1
4に示す種々のめっき条件の組み合わせを試験してみ
た。
【0033】
【表14】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料 めっき層膜厚 番号 表 面 処 理 (カッコ内総厚) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実 1.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗い Niめっき 2μm 施 18 2.ピロリン酸Cu浴による電解Cuめっき処理後水洗 Cuめっき 3μm 例 3.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗して Niめっき 5μm 100℃で5分間乾燥 (10μm) 4.CrO3 10g/l 50℃の溶液中で5分浸漬後水洗 して100℃で5分間乾燥 19 1.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗い Niめっき 2μm 2.ピロリン酸Cu浴による電解Cuめっき処理後水洗 Cuめっき 3μm 3.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗して Niめっき 5μm 100℃で5分間乾燥 (10μm) 4.Na2Cr27・2H2O 10g/l 50℃の溶液中 で5分浸漬後水洗してい100℃で5分間乾燥
【0034】表14に示した試料に関して、80℃、90%
RHでの1000時間の耐湿試験、35℃、5%NaClでの1
00時間の塩水噴射試験、119.6℃、100%RH2気圧での
100時間の蒸気加圧試験(PCT),及び磁石体表面と
めっき皮膜界面の密着強度試験を行なった。密着強度試
験は、Quad Group 社製のセバスチャンI型付着力テスタ
ーで定量評価を、JISで規定された碁盤目試験(クロ
スカット試験)にて目視評価した。クロスカット試験
で、○印は、剥がれが全くなかったことを示し、×は全
面剥離したことを示す。結果を表15に示すように、本
発明に係るめっき層は、あらゆる耐食性試験に対しても
極めて耐食性が良好であることが分かる。
【0035】
【表15】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料 耐 湿 試 験 塩水噴霧試験 蒸気加圧試験 クロスカット 密着強度試験 番号 (80℃ 90%RH) (35℃5%NaCl) 試験 (kgf/cm2) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実 18 1000時間 100時間 100時間 ○ 700/700 施 変化無 発錆無 剥離無 例 19 1000時間 100時間 100時間 ○ 700/700 変化無 発錆無 剥離無
【0036】(実施例6)実施例5と同様にして、表1
6に示すめっき条件の組み合わせを試験してみた。
【0037】
【表16】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料 めっき層膜厚 番号 表 面 処 理 (カッコ内総厚) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実 20 1.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗い Niめっき 2μm 施 2.ピロリン酸Cu浴による電解Cuめっき処理後水洗 Cuめっき 3μm 例 3.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗して Niめっき 5μm 100℃で5分間乾燥 (10μm) 4.CrO3 10g/l 50℃の溶液中で5分浸漬後水洗 して100℃で5分間乾燥 5.NaOH 50g/l 50℃の溶液中で1分浸漬後水洗 して100℃で5分間乾燥 21 1.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗い Niめっき 2μm 2.ピロリン酸Cu浴による電解Cuめっき処理後水洗 Cuめっき 3μm 3.ワット浴による電解Niめっき処理後水洗して Niめっき 5μm 100℃で5分間乾燥 (10μm) 4.Na2Cr27・2H2O 10g/l 50℃の溶液中 で5分浸漬後水洗してい100℃で5分間乾燥 5.KOH 50g/l 50℃の溶液中で1分浸漬後水洗 して100℃で5分間乾燥
【0038】表16に示した試料に関して、80℃ 9
0%RHでの500時間の耐食性試験およびASTM
D−1001−64に準拠したせん断強度試験方法に基
づく接着性試験を行った。接着剤は日本ロックタイト
(株)製326UVを使用し、硬化条件は、常温での2
4時間放置とした。また、測定時における引っ張り速度
は5mm/minとした。結果を表17に示す。なお比較とし
て表14の試料番号18の接着強度も併記しておく。
【0039】
【表17】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料 番号 耐食試験(80℃ 90%RH) 接着性試験(ASTM D-1001-64) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 20 1000時間変化無 200kg/cm2 21 1000時間変化無 200kg/cm2 18 1000時間変化無 50kg/cm2
【0040】表17からクロメート処理後アルカリ溶液
中に浸漬することにより接着性が向上することがわか
る。
【0041】
【発明の効果】本発明により、希土類と鉄を主体とした
磁石において、従来のめっきでは不十分であった耐食性
の顕著な向上が図られた。特に、光沢剤を用いずに薄い
めっき膜で耐食性が十分であるものが得られるという効
果は、従来のめっきでは予期できない顕著な効果といえ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るCuめっき層と比較例のX線回折
パターンを比較した図である。
【図2】本発明に係るCuめっき層の上に更にNiめっ
きしたものと比較例のX線回折パターンを比較した図で
ある。
【図3】本発明に係るNiストライクめっきし、ピロリ
ン酸Cu浴による電解Cuめっきを施した場合の膜断面
の走査型電子顕微鏡写真で金属組織を示す写真である。
【図4】比較例として、直接ピロリン酸Cu浴による電
解Cuめっきを施した場合の膜断面の走査型電子顕微鏡
写真で金属組織を示す写真である。
【図5】比較例として、Niストライクめっきし、その
上にリン酸エステルを主成分としたアルカリ性有機酸C
u浴による電解Cuめっきを施した場合の膜断面の走査
型電子顕微鏡写真で金属組織を示す写真である。
【図6】本発明に係るピロリン酸Cu浴による電解Cu
めっきの表面の走査型電子顕微鏡写真で金属組織を示す
写真である。
【図7】本発明に係るピロリン酸Cu浴による電解Cu
めっき層の上に被覆した電解Niめっきの表面のレーザ
ー顕微鏡写真で金属組織を示す写真である。
【図8】比較例のリン酸エステルを主成分としたアルカ
リ性有機酸Cu浴による電解Cuめっきの表面の走査型
電子顕微鏡写真で金属組織を示す写真である。
【図9】比較例のリン酸エステルを主成分としたアルカ
リ性有機酸Cu浴による電解Cuめっきの表面の走査型
電子顕微鏡写真で金属組織を示す写真である。
【図10】比較例のリン酸エステルを主成分としたアル
カリ性有機酸Cu浴による電解Cuめっき層の上に被覆
した電解Niめっきの表面のレーザー顕微鏡写真で金属
組織を示す写真である。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Yを含む希土類元素の1種又は2種以上
    組み合わせと、Feを主体とする遷移金属を含有する希
    土類・遷移金属系永久磁石の表面に、導電性の下地層を
    有し、その上に平均結晶粒径0.9μm以下の電解Cu
    めっき層を有する耐食性を改善した希土類・遷移金属系
    永久磁石。
  2. 【請求項2】 電解Cuめっき層におけるCu(11
    1)面のX線回折強度が6KCPS以上である請求項1
    に記載の耐食性を改善した希土類・遷移金属系永久磁
    石。
  3. 【請求項3】 電解Cuめっき層は、一方向に成長した
    結晶組織を有する請求項1または請求項2に記載の耐食
    性を改善した希土類・遷移金属系永久磁石。
  4. 【請求項4】 導電性の下地層が、電解Niめっき層、
    無電解Cuめっき層、青化Cu浴による電解Cuめっき
    層、リン酸エステルを主成分としたアルカリ性有機酸浴
    による電解Cuめっき層のいずれかである請求項1〜3
    のいずれかに記載の希土類・遷移金属系永久磁石。
  5. 【請求項5】 Yを含む希土類元素の1種又は2種以上
    組み合わせと、Feを主体とする遷移金属を含有する希
    土類・遷移金属系永久磁石の表面に、導電性の下地層を
    有し、その上に平均結晶粒径0.9μm以下の電解Cu
    めっき層を有し、更にその上に保護層を有する耐食性を
    改善した希土類・遷移金属系永久磁石。
  6. 【請求項6】 保護層が電解Niめっき層、無電解Ni
    −Pめっき層、電解Ni合金めっき層のいずれかである
    請求項5に記載の耐食性を改善した希土類・遷移金属系
    永久磁石。
  7. 【請求項7】 保護層の表面粗度が1μm以下である請
    求項6に記載の耐食性を改善した希土類・遷移金属系永
    久磁石。
  8. 【請求項8】 保護層が電解Niめっき層であり、Ni
    (111)面のX線回折強度が4KCPS以上である請
    求項6または7に記載の耐食性を改善した希土類・遷移
    金属系永久磁石。
  9. 【請求項9】 保護層が、電解Niめっき層とクロメー
    ト層を順次積層したものである請求項5に記載の耐食性
    を改善した希土類・遷移金属系永久磁石。
  10. 【請求項10】 クロメート層表面がアルカリ溶液で浸
    漬処理したものである請求項9に記載の耐食性を改善し
    た希土類・遷移金属系永久磁石。
  11. 【請求項11】 希土類・遷移金属系永久磁石が、重量
    比でR(ここでRは、Yを含む希土類元素の1種又は2
    種以上組み合わせ)5〜40%,TM(ここでTMはF
    eを主体とする遷移金属)50〜90%,B(硼素)
    0.2〜8%からなる請求項1〜請求項8のいずれかに
    記載の耐食性を改善した希土類・遷移金属系永久磁石。
  12. 【請求項12】 重量比でR(ここでRは、Yを含む希
    土類元素の1種又は2種以上組み合わせ)5〜40%,
    TM(ここでTMはFeを主体とする遷移金属)50〜
    90%,B(硼素)0.2〜8%からなる磁石の表面
    に、電解によるNiめっき、無電解によるCuめっき、
    青化Cu浴による電解Cuめっき、リン酸エステルを主
    成分としたアルカリ性有機酸浴による電解Cuめっきの
    いずれかを施し、その上にピロリン酸Cu浴を用いた電
    解Cuめっきを施し、さらにその上に電解による電解に
    よるNiめっき、無電解によるNi−Pめっき、電解に
    よるNi合金めっきのいずれかを施すことを特徴とする
    耐食性を改善した希土類・遷移金属系永久磁石。
  13. 【請求項13】 下地層、電解Cuめっき層、保護層の
    膜厚が、それぞれ、0.1〜10μm,2〜20μm,
    2〜20μmである請求項1〜請求項8のいずれかに記
    載の耐食性を改善した希土類・遷移金属系永久磁石。
  14. 【請求項14】 Yを含む希土類元素の1種又は2種以
    上組み合わせと、Feを主体とする遷移金属を主体とす
    る鉄・希土類系永久磁石であって中空形状のものの表面
    に、導電性の下地層を有し、その上に平均結晶粒径0.
    9μm以下の電解Cuめっき層を有する耐食性を改善し
    た鉄・希土類系永久磁石。
  15. 【請求項15】 前記中空形状が円筒状であることを特
    徴とする請求項12に記載の耐食性を改善した鉄・希土
    類系永久磁石。
JP04250822A 1991-11-27 1992-08-26 耐食性を改善したr−tm−b系永久磁石及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3135174B2 (ja)

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