JPH0525958B2 - - Google Patents

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JPH0525958B2
JPH0525958B2 JP63282694A JP28269488A JPH0525958B2 JP H0525958 B2 JPH0525958 B2 JP H0525958B2 JP 63282694 A JP63282694 A JP 63282694A JP 28269488 A JP28269488 A JP 28269488A JP H0525958 B2 JPH0525958 B2 JP H0525958B2
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JP
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plating
layer
alloy
heat treatment
plated
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Hitoshi Oomura
Katsutada Yamada
Hideo Oomura
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Toyo Kohan Co Ltd
Original Assignee
Toyo Kohan Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0525958B2 publication Critical patent/JPH0525958B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D5/00Electroplating characterised by the process; Pretreatment or after-treatment of workpieces
    • C25D5/48After-treatment of electroplated surfaces
    • C25D5/50After-treatment of electroplated surfaces by heat-treatment

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は耐疵付き性Niめつき鋼板およびその
製造法に関し、より詳しくは乾電池ケースや電子
材料またはバインダ等の文具その他の材料に適し
た耐疵付き性Niめつき鋼板とその製造法に関す
る。 〔従来の技術〕 従来、加工後Niめつきする所謂バレルめつき
の非能率性、めつき量の不均一性を改善するた
め、予めNiめつきしたNiめつき鋼板が使われて
いる。しかし、単にNiめつきしたNiめつき鋼板
では、めつき層密着性が不充分であつて、加工部
においてしばしばめつき層が剥離する傾向があ
り、問題点となつていた。この対策として、Ni
めつき後Niめつき鋼板を加熱処理することによ
り、Ni層と鋼板との間にNi−Fe合金層を形成さ
せ、めつき層密着性を確保する手段が講じられ
た。(例えば、特開昭61−235594号公報) 一方、耐食性についても、加熱処理は有効であ
り、特に張出し、絞り加工等の高加工部において
改善が著しい。 その理由は、めつきされたまま(As plated)
のNiめつき層は硬くて加工性に乏しくクラツク
が入り易いのに対し、加熱処理後のそれはめつき
歪みが開放されて軟化し、延性を増して被覆性が
良くなる傾向があり、且つ形成された界面のNi
−Fe合金層自体も前述のとおりめつき層密着性
を高める他、局部電池における電位勾配を緩和す
る機能を果たすので、耐食性、特に加工後耐食性
向上に寄与するからであろうと思われる。 〔発明が解決すべき課題〕 しかし、以上の従来技術では、前述の如く加熱
によつてNiめつき層が軟化する結果、耐疵付き
性が損なわれるのが避けられない。 しかも、耐疵付き性が損なわれると輸送もしく
は工程中においてめつき層が損傷を受ける機会が
多くなり、その結果全体として却つて耐食性が低
下する傾向があつた。 特に乾電池ケース等に用いた場合、深い疵がつ
いてFeが露出し、孔開き腐食を生じ、甚だしく
は電解液の漏洩に至り、周辺の電子回路を破壊す
る危険性さえあつた。 〔発明の目的〕 そこで、本発明は優れた加工性を保持しつつ、
耐疵付き性、ひいては加工後耐食性を兼ね備えた
Niめつき鋼板とその製造法を提供する事を目的
とする。 〔発明の構成〕 本発明により、 表裏両面に付着量5〜45g/m2のNiめつき層及
び/もしくはNi−Fe合金層を有し、更に少なく
とも片面上層にPの含有量3〜15重量%、Ni付
着量として1〜18g/m2の加熱処理によつて析出
硬化したNi−P合金層を有してなる事を特徴と
する耐疵付き性Niめつき鋼板、 及び 鋼板の表裏両面に付着量5〜45g/m2のNiめつ
きを施し、更に少なくとも片面上層にPの含有量
3〜15重量%、Ni付着量として1〜18g/m2のNi
−P合金めつきを施した後、(450〜800)℃×
(0.2〜900)min.の加熱処理を施す事を特徴とす
る耐疵付き性Niめつき鋼板の製造法 が提供される。 以下に本発明を詳細に説明する。 鋼板 鋼板は通常、普通鋼冷延鋼板が用いられる。就
中低炭素Aキルド鋼連鋳材をベースとする冷延
鋼板が主として用いられる。 また、C:0.003重量%以下の極低炭素鋼や更
にこれにNb,Ti等を添加した非時効性鋼から作
られた冷延鋼板も用いられる。 更に、3〜18重量%のCrを含んだCr含有鋼な
いしステンレス鋼板(更に1〜10重量%程度の
Niを含む場合もある。)が、好適に用いられる。 Niめつき 一般にNiめつき浴にはワツト浴、スルフアミ
ン酸浴、ホウフツ化物浴、塩化物浴等があり、本
発明ではこれらのいずれの浴であつてもよい。 なお、Niめつきの前処理として、アルカリ脱
脂(電解含む)、有機溶剤脱脂、酸洗(硫酸、塩
酸、硝酸浸漬等、電解する場合もある。)及び水
洗を行う。 Niめつき自体には工業的にはワツト浴、スル
フアミン酸浴が多用される。無電解法もあるが、
本発明では電解(陰極処理)の方が無電解処理に
較べてめつき厚みのコントロール及び浴管理がや
り易いので、電解法を採用する。通常この場合、
電流密度は3〜80A/dm2程度である。 また、浴のPHは3.5〜5.5の酸性領域が良い。浴
温は40〜60℃程度である。 なお、浴中にSを含有する光沢剤、例えばナフ
タレンスルホン酸塩を含むと、後の加熱処理工程
でめつき層が脆化するので望ましくない。しか
し、ブチンジオール、クマリン、エチレンシアン
ヒドリン等の光沢剤は問題なく本発明に適用でき
る。 Niめつき層のNi付着量は5〜45g/m2、望まし
くは18〜36g/m2の範囲が本発明では好適に採用
される。付着量が5g/m2に達しないと鋼板の表
面を充分に被覆出来ず、45g/m2を超えると本発
明効果が飽和してしまつて、不経済であり、製品
の価格的競争力を失うからである。 Ni−P合金めつき Ni−P合金めつきは通常Niめつき素表面を水
洗後直接施すが、脱脂−水洗−酸洗−水洗などの
前処理を施すことも出来る。 Niめつき層の上に施すNi−P合金めつき法は、
めつき歪みを嫌う磁気デイスク等のめつきに広く
採用されている無電解Ni−P合金めつき法、ま
たは、めつき量を制御しやすい電解Ni−P合金
めつき法のどちらであつてもよい。 無電解Ni−P合金めつき法において用いられ
る浴としては次亜リン酸塩を還元剤とする酸性浴
が一般的である。この酸性浴の浴組成は、硫酸ニ
ツケル20〜50g/、塩化ニツケル15〜30g/、
次亜リン酸ナトリウム20〜50g/、更に添加剤
として酢酸ナトリウムとコハク酸、クエン酸、リ
ンゴ酸もしくはそれらのナトリウム塩等の有機添
加剤を含む。 浴温は、80〜95℃の比較的高温が採用される。
PHは4.3〜5.5の範囲である。Ni−P合金めつき層
の付着量はNiとして1〜18g/m2、望ましくは3
〜10g/m2の範囲が本発明では適当である。ま
た、Ni−P合金めつき層中のPは、3〜15重量
%、望ましくは5〜12重量%の範囲が好適に採用
される。 本発明におけるNi−P合金めつき層は、3〜
15重量%のPを含むNiめつき層であつて、付着
量はNiとして1〜18g/m2の範囲でなければなら
ない。Ni付着量は1g/m2に達しないと目的とす
る耐疵付き性が得られず、18g/m2を超えるとめ
つき層の加工性が確保困難になるし、不経済であ
るからである。 また、当Ni−P合金めつき層中のP成分は3
重量%未満では、充分なめつき層の硬化効果が得
られず、15重量%を超えるNi−P合金めつき層
では、めつき応力が極めて高くなり、めつき層の
密着性が損なわれるからである。 無電解Ni−P合金めつき法では、同じ付着量
を得るために多くの時間を要する。即ち、電解処
理のように鋼帯板を連続的に高速めつき出来ない
から切板鋼板を前記めつき浴に浸漬して行う。こ
の浸漬時間は40sec〜25min.程度である。Ni−P
合金めつき終了後は鋼板を取り出し水洗、乾燥す
る。後処理は特に行わない。 一方、電解Ni−P合金めつき法におけるめつ
き浴は以下の通りである。 本発明を工業的に実施する場合、無電解Ni−
P合金めつきよりも短時間で所定のめつき厚にめ
つきが可能な電解Ni−P合金めつき法の方が有
利である。 電解Ni−P合金めつきの工業的な浴としては、
硫酸ニツケル、塩化ニツケルを主体とした浴もし
くはスルフアミン酸ニツケル浴にPの供給源とし
て亜リン酸、リン酸、次亜リン酸、及び/もしく
は亜リン酸塩、リン酸塩、次亜リン酸塩等を添加
した浴が通常用いられる。 硫酸ニツケル、塩化ニツケルを主体とした代表
的なめつき浴は、例えば硫酸ニツケル100〜
350g/、塩化ニツケル10〜50g/に、に亜リ
ン酸5〜40g/あるいは更にリン酸30〜50cc/
を添加したものである。この浴で浴温50〜70
℃、PH0.5〜1.5において電流密度3〜15A/dm2
の陰極電解処理を行う。 スルフアミン酸塩浴の例としては、特公昭58−
48038号公報等に記載されている次のものがある。 すなわち、スルフアミン酸ニツケル200〜
800g/、塩化ニツケル5〜20g/、ほう酸30
〜60g/に、P供給源として次亜リン酸ナトリ
ウム0.05〜20g/、または亜リン酸ナトリウム
0.05〜20g/を含む浴である。この浴を用いて
行われる陰極電解処理条件は、浴温50〜70℃、PH
5〜5.5、電流密度10〜100A/dm2である。 なお、電解Ni−P合金めつきの陰極析出効率
が低いため、浴中で可溶性Niアノードから溶解
するニツケルイオンが増加する。更には、Pの供
給源として添加する亜リン酸、次亜リン酸が陽極
において酸化されてリン酸となり遊離酸濃度が上
昇する。従つて浴組成及びPHの変動をきたし、適
正めつき条件から外れる傾向がある。これを防止
するため、アノード面積を陰極面積に対し、適当
に小さくする必要がある。 電解Ni−P合金めつきのめつき付着量につい
ては無電解Ni−P合金めつきにて記述した範囲
と同一である。 また、めつきの前処理法としては、無電解Ni
−P合金めつきで述べたのと同様な方法がとられ
る。 片面めつき・両面めつき 叙上のNiめつきおよびNi−P合金めつきは、
用途に応じて、鋼板の片面もしくは両面に施す。
例えば、アルカリマンガン電池やNi−Cd電池の
ような乾電池ケースに用いる場合は、有底シリン
ダ状ケースの内面はNiめつき層のみとし、外面
はNiめつき層+Ni−P合金めつき層として、作
業工程中その他の疵付きに対処する。またバイン
ダ等の文具、金属食器等の用途にはNiめつき+
Ni−P合金めつきを両面に施したものが用いら
れる。 加熱処理 前記のようにして鋼帯板上にNiめつき、Ni−
P合金めつきの2層めつきをした後、加熱処理を
施す。この加熱処理は、一つにはNiめつきを下
層にNi−Fe合金層を形成させてめつき層密着性
を向上させ、二つには、Ni−P合金層を硬化さ
せ、総じて同時に耐疵付き性と加工後耐食性を改
善するためである。その加熱処理は、非酸化性雰
囲気ガス中で温度(450〜800)℃、均熱時間
(0.2〜900)min.加熱する一種の焼きなまし処理
である。その具体的方法としては、切板の場合
は、箱型焼鈍炉中で温度450〜650℃、均熱時間
(60〜900)min.の加熱処理をする方法がとられ
る。 鋼帯板コイルの場合には、上記切板と同様に箱
型焼鈍炉で加熱処理する場合の他、鋼帯板コイル
を連続的に通板加熱処理する連続焼鈍法がある。
連続的焼鈍法では、温度600〜800℃、均熱時間
(0.2〜5)min.の加熱処理が行われる。いずれの
場合も加熱処理は非酸化性雰囲気中で行なう。 本発明における非酸化性ガスとしては、各種変
性ガス、即ち吸熱型ないし発熱型ガスが用いられ
る。これらには例えばHNXガス、DXガス、NX
ガス、RXガス、AXガス等がある。それ以外に
も水素のみ、若しくはHe,Ne,Ar等の不活性
ガス、真空等も用いることができる。 Ni−Fe合金層は、加熱処理の結果形成される。
その厚さは、加熱温度と加熱時間によつて定まる
がNi−Fe合金層の厚さは、0.2μm〜10μmの範囲
でなければならない。Ni−Fe合金層の厚さが
0.2μmに達しない場合は、めつき密着性の向上が
得られないし、一方、10μmを超えると、Niめつ
き層が全てNi−Fe合金層となり、めつき表層中
のFeの割合が多すぎて耐食性の劣化をきたすた
めである。 即ち本発明では、Ni−Fe合金層はNi層の全厚
みに達さず純Ni層が僅かでも残存する方が望ま
しい。 Ni−Fe合金層の厚さを0.2〜10μmとするため
に、熱処理条件は前述の通り(450〜800)℃×
(0.2〜900)min.でなければならない。加熱温度
が450℃未満では均熱時間を900min.以上に長く
しても必要な合金層が形成されないし、800℃を
超えると鋼板の結晶粒が粗大化して機械的性質が
劣化し、使用に耐えなくなるからである。また、
0.2min.未満では温度を高くしても必要な合金層
が形成されないからである。 以上、ニツケルめつき+Ni−P合金めつきの
2層めつき後の加熱処理までの方法を述べてき
た。本発明では、加熱処理までの工程により、本
発明の目的が達せられるわけであるが、使用用途
によつては、加熱処理後、腰折れ防止などの機械
的性質の改善並びに所望する表面仕上げを付与す
るため伸び率0.5〜5%程度の調質圧延を施す場
合もある。 〔発明の作用〕 本発明のではNiめつき+Ni−P合金めつきの
2層めつき後加熱処理することによつて、耐疵付
き性に優れたニツケルめつき鋼板を得ることが出
来る。 本発明の加熱処理条件において、Niめつき下
層にFeとNiの固体拡散によるNi−Fe合金層が形
成されその厚さは、0.2〜10μmとなる。 Ni−Fe合金層の形成による直接の効果として、
被めつき体の鋼帯とNiめつき層の密着性の向上
及びNiめつき層の延性向上による加工性の向上
が得られる。Ni−Fe合金層の厚さについては、
必ずしもNiめつき層の全てをNi−Fe合金層にす
る必要はない。Niめつき層の軟化再結晶の起こ
る温度450℃×加熱時間60min.の場合、Ni−Fe合
金層の厚さは、0.2μm程度である。従つて、この
場合Niめつき層は、下層のNi−Fe合金層と軟化
再結晶した上層のNi層の2層となる。本発明の
熱処理条件のうち、加熱温度750℃×均熱時間
360min.とした場合には、Ni−Fe合金層の厚さが
6μmとなり、Niめつき層の全てがNi−Fe合金層
となる。この場合も前記のNiめつき層がNi−Fe
合金層と軟化Ni層の2層構成になつた場合と同
様の耐食性と加工性の向上が得られる。 一方で軟化再結晶が完了すると、めつき表層は
軟らかくなつて耐疵付き性が損なわれる。そして
取扱い方法によつては、加熱処理によつて得られ
る耐食性の向上効果よりも、軟化効果による耐疵
付き性不良に基づく耐食性不良化が進むことがあ
る。事実、軟化再結晶しためつき層の表層硬度を
測定してみると、As platedではHv300〜350で
あるのに対し、軟化再結晶の起こる450℃以上の
加熱後の場合はHv150〜200と甚だしく表層が軟
化し、耐疵付き性が劣化する傾向が認められる。 これを解決する手段として、本発明では、Ni
−P合金めつきをNiめつき層の上に施し、同時
に加熱処理することによつて下層のNiめつき層
にはNi−Fe合金層を形成させ、上層のNi−P合
金めつき層を同時に熱硬化させる方法を提供する
ものである。 一般に表面処理によつて表層を硬化させる方法
としては、拡散処理としてのガス浸炭、窒化処理
やNi−B合金めつき,更には、炭化ホウ素等を
添加した複合めつきなどの方法があるが、いずれ
の方法も処理方法が複雑でコストが高く、実用性
に乏しい。 本発明の如く、Ni−P合金めつきをNiめつき
層の上に施すメリツトとしては、 1 Niめつき層を加熱処理してNi−Fe合金層が
形成される加熱処理条件の範囲でNi−P合金
めつき層が著しく硬化すること、 2 加熱処理によつて、下層のNiめつき層と上
層のNi−P合金めつき層の相互拡散が起こら
ない、即ち、Niめつき層、Ni−P合金めつき
層のそれぞれの加熱処理による特性改善が別々
に得られること、 3 Niめつき後にNi−P合金めつきを施すに当
つて何ら前処理を必要としないこと、 などが挙げられる。 Ni−P合金めつき層の硬さは、As Platedで
Hv500〜600であるが、加熱処理することにより、
Ni3Pの析出硬化によつてHv900〜1000と硬度は
硬質Crめつき並みに硬化する訳である。 〔発明の効果〕 本発明を実施することにより、前記目的が達成
される。即ち、優れた加工性を保持しつつ耐疵付
き性と加工後耐食性を兼備したNiめつき鋼板と
その製造法が提供される。 〔実施例〕 以下に実施例を用いて本発明を更に詳細に説明
する。 (実施例 1) 板厚0.25mmの焼鈍済み低炭素アルミキルド鋼薄
鋼板にアルカリ電解脱脂、硫酸浸漬酸洗を施した
後、下記の条件でNiめつきを行つた。 浴組成 硫酸ニツケル 350g/ 塩化ニツケル 45g/ ホウ酸 30g/ ラウリル硫酸ソーダ 0.5g/ 浴温 50℃ PH 4.2 電流密度 10A/dm2 NiめつきのNi付着量は、8.0g/m2とした。 次いで下記の条件で電解Ni−P合金めつきを
行つた。 浴組成 硫酸ニツケル 150g/ 塩化ニツケル 80g/ 亜リン酸 30g/ 浴温 50℃ PH 0.6 電流密度 3A/dm2 Ni−P合金めつき付着量は、Niとして1.4g/
m2、同めつき層中のP含有量は、12%重量とし
た。 電解Ni−P合金めつき後鋼板を水洗乾燥した。
なお、めつきはいずれも片面に施した(他の実施
例、比較例も同じ。)。 次いでH26%のHNXガス(露点−10℃)で、
加熱温度520℃、均熱時間360min.の加熱処理を
施し、伸び率1.2%の調質圧延を行つた。 (実施例 2) 実施例1に記載した薄鋼板を用いて、実施例と
同一条件でNiめつきを施した。Ni付着量は、
43.0g/m2とした。 次いで、下記の条件で電解Ni−P合金めつき
を行つた。 浴組成 硫酸ニツケル 150g/ 塩化ニツケル 40g/ 亜リン酸 5g/ 浴温 65℃ 電流密度 15A/dm2 Ni−P合金めつき付着量は、Niとして10.8g/
m2、同めつき層中のP含有量は4重量%とした。
電解Ni−P合金めつき後鋼板を水洗乾燥し、実
施例1と同一条件で加熱処理をし、次いで調質圧
延を行つた。 (実施例 3) 板厚0.25mmの遅時効性極低炭素アルミキルド鋼
の未焼鈍薄鋼板に脱脂、酸洗を施した後、下記の
条件でNiめつきを施した。Ni付着量は、
Ni18.0g/m2とした。 浴組成 スルフアミン酸ニツケル 400g/ 塩化ニツケル 20g/ ホウ酸 30g/ ラウリル硫酸ナトリウム 0.5g/ 浴温 50℃ PH 4.0 電流密度 15A/dm2 次いで水洗後直ちに下記の条件で電解Ni−P
合金めつきを行つた。 浴組成 スルフアミン酸ニツケル 350g/ 塩化ニツケル 20g/ ホウ酸 25g/ 亜リン酸 40g/ 浴温 45℃ PH 1.2 電流密度 3A/dm2 Ni−P合金めつき付着量は、Niとして5.3g/
m2、同めつき層中P含有量は8重量%とした。 電解Ni−P合金めつき後鋼板を水洗乾燥した。
次に加熱温度750℃×均熱時間1min.の加熱処理
をし、更に伸び率1.5%の調質圧延を行つた。 (実施例 4) 実施例3に記載したのと同一の薄鋼板にアルカ
リ電解脱脂、硫酸浸漬酸洗を施した後、実施例3
と同一条件でNiめつき及び電解Ni−P合金めつ
きを施した。但し、NiめつきのNi付着量は、
27.1g/m2、電解Ni−P合金めつきの付着量は、
Niとして、3.5g/m2、同めつき層中のP含有量
は、8重量%とした。電解Ni−P合金めつき後、
鋼板を水洗乾燥し、次いで実施例3と同一条件で
加熱処理し、調質圧延を行つた。 (実施例 5) 実施例1に記載したのと同一の薄鋼板に、アル
カリ電解脱脂、硫酸浸漬酸洗を施した後、実施例
1と同一条件でNiめつきを行つた。但し、Niめ
つきのNi付着量は、17.5g/m2とした。次いで下
記の条件で無電解Ni−P合金めつきを施した。 浴組成 硫酸ニツケル 25g/ 次亜リン酸ナトリウム 30g/ リンゴ酸 30g/ コハク酸ナトリウム 5g/ 硝酸鉛 1.2mg/ 浴温 90℃ PH 4.5 Ni−P合金めつき付着量は、Niとして、
5.8g/m2、同めつき層中のP含有量は、11重量%
とした。該無電解Ni−P合金めつき後、鋼板を
水洗乾燥した。次いで加熱温度650℃、均熱時間
480min.の加熱処理を行い、伸び率0.8%の調質圧
延を行つた。 (実施例 6) 実施例5においてNiめつきのNi付着量を
34.5g/m2、無電解Ni−P合金めつき付着量をNi
付着量として、15.8g/m2、同めつき層中のP含
有量を11重量%とした。 (比較例 1) 実施例1に記載した薄鋼板を用いて、本発明の
実施例1と同一条件でNi付着量9.6g/m2のNiめ
つきを施し、水洗乾燥した。但し、Ni−P合金
めつき、加熱処理はいずれも行わなかつた。 (比較例 2) 実施例1に記載した薄鋼板を用いて本発明の実
施例1と同一条件でNi付着量9.5g/m2のNiめつ
きを施した。次いで水洗乾燥後、実施例1と同じ
HNXガス雰囲気中で、加熱温度500℃、均熱時
間120min.の加熱処理を行い、冷却後伸び率1.2%
の調質圧延を行つた。 (比較例 3) 比較例1においてNiめつきのNi付着量を
25.2g/m2とし、更に加熱処理を加熱温度550℃×
均熱時間600min.とした。 (比較例 4) 比較例1においてNi付着量を36.7g/m2とし、
更に加熱処理を加熱温度650℃×均熱時間
480min.とした。 (試験法) 本発明によるNiめつき+Ni−P合金めつきの
2層めつき後加熱処理した薄鋼板と、比較例であ
るNiめつきしたまま、もしくはNiめつきのみで
加熱処理した薄鋼板について、下記の方法で試験
を行つた。 (1) 硬度測定 めつき表層硬度としてHv(5g)、実施例及び比
較例で得られた鋼板の鋼素地硬度としてHv
(500g)の2種類の硬度測定を行つた。 (2) 耐疵付き性 めつき表層の耐疵付き性を見るため、加重式引
掻強度試験機(新東科学(株)製HEIDON−14S/
D)を用いて、一定荷重の下で、試料をサフアイ
ア針で引掻いた。その時試料表面の疵付き状態を
観察した。評価は、疵が観察され始める荷重で表
した。 (3) 塩水噴霧耐食性 平板部並びにエリキセン張出し6mm加工部につ
いて、塩水噴霧試験(JISZ2371)の4時間後の
赤錆発生を評価した。評点は平板部を10点評価法
〔10点(良)→1点(不良)〕で、エリキセン張出
し6mm加工部は◎良、○やや良、△やや不良、×
不良で表わした。
【表】
【表】 以上の実施例、及び比較例のめつき条件、加熱
条件と試験結果を第1表にまとめた。尚Ni−Fe
合金層の厚さはグロー放電発光分光分析によつて
測定した。 第1表から次のことが明らかである。 硬さ 比較例の表層硬度は、加熱処理しないAs
PlatedでHv(5g)は285であるが加熱処理した場
合、155〜180と軟化する。一方実施例ではHv305
〜710を示しめつき表層が著しく硬化しているこ
とがわかる。 耐疵付き性 加重式引掻強度試験機で加熱処理した比較例は
1g荷重で疵が付くのに対して、本発明の実施例
では、疵が付くのは全て3g以上であり、めつき
表層の硬化と共に耐疵付き性が向上することがわ
かる。 塩水噴霧耐食性 本発明の実施例は同レベルのNiめつき付着量
の比較例に比べて、平板部、エリキセン張出し加
工部共塩水噴霧耐食性が優れていることがわか
る。これはNi−P合金めつき層がNiめつき上層
に形成されることにより、Niめつき層のめつき
ポアーを埋める効果とNi−P合金めつき層自身
による耐食性向上がもたらされるものと考えられ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 表裏両面に付着量5〜45g/m2のNiめつき層
    及び/もしくはNi−Fe合金層を有し、更に少な
    くとも片面上層にPの含有量3〜15重量%、Ni
    付着量として1〜18g/m2の加熱処理によつて析
    出硬化したNi−P合金層を有してなる事を特徴
    とする耐疵付き性Niめつき鋼板。 2 Ni−Fe合金層の厚みが0.2〜10μmである特
    許請求の範囲第1項記載のNiめつき鋼板。 3 鋼板の表裏両面に付着量5〜45g/m2のNiめ
    つきを施し、更に少なくとも片面上層にPの含有
    量3〜15重量%、Ni付着量として1〜18g/m2
    Ni−P合金めつきを施した後、(450〜800)℃×
    (0.2〜900)min.の加熱処理を施す事を特徴とす
    る耐疵付き性Niめつき鋼板の製造法。
JP63282694A 1988-11-08 1988-11-08 耐疵付き性Niめっき鋼板およびその製造法 Granted JPH02129395A (ja)

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