JPH0520559A - 画像処理を用いた防災監視装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】テレビカメラで警戒区域を監視し、同じテレビ
カメラの画像から火災及び盗難を認識して警報するよう
にした防災監視装置に関し、現状の画像認識技術であっ
ても、装置コストを最小限に抑えると共に監視業務の信
頼性を向上することを目的とする。 【構成】テレビの監視画像から火災を認識して火災検出
情報を出力する火災画像認識部と、同じテレビカメラの
監視画像から侵入体を認識して盗難検出情報を出力する
侵入体認識部とを設け、火災画像と侵入体画像の両方又
はいずれか一方の処理モードを設定可能とし、火災画像
又は侵入体画像の認識処理により異常検出情報を受けた
際にプリアラームを集中監視室側で出力し、更に集中監
視室のモニタ画像を異常を検出した現場画像に切替え
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、テレビカメラで警戒区
域を監視し、同じテレビカメラの画像から火災及び盗難
を認識して警報するようにした防災監視装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、情報量が豊富で広い警戒区域を監
視できる利点をもったテレビカメラを用いた火災監視装
置が知られており、またテレビカメラを用いた盗難監視
装置も知られている。テレビカメラを用いた火災監視装
置としては、例えば特開平１−２６８５７０号の消火装
置があり、この装置では監視用のテレビカメラで把えた
監視画像の輝度信号の処理により炎の位置を検出して炎
の大きさを認識し、もし複数の炎があれば、大きい炎か
ら順番に消火対象に組替えてノズル制御により消火する
ようにしている。

【０００３】またテレビカメラを用いた盗難監視装置と
しては、例えば特開平２−１７１８９７号の異常監視装
置があり、この装置では、監視区域の正常状態を予め記
憶した参照画像を準備し、テレビカメラで把えた現画像
のエッジを抽出して参照画像と比較し、参照画像にはな
く現画像に新たに出現したエッジのみを抽出し、エッジ
で囲まれた領域の画素数が閾値数を越えたときに侵入物
体と認識している。また参照画像には現画像のエッジ情
報がその都度、論理的に加算修正され、太陽の動きで室
内の物の影が動いても侵入者と誤認しないようにしてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
テレビカメラを用いた監視装置にあっては、火災監視用
と盗難監視用に分かれて個別に考えられており、次の問
題がある。まずテレビカメラを用いた監視装置は、現在
実用化されている火災感知器や侵入者検出器を使用した
監視装置に比べ、テレビカメラ及び膨大なデータ量を処
理する専用の画像処理装置を使用することから装置コス
トがかなり高くなり、普及を妨げる要因となっている。

【０００５】また火災を認識する画像処理技術及び侵入
体を認識する画像処理技術が完成且つ熟成されるには至
っておらず、火災や盗難以外の要因によって誤認識する
可能性が残っている。このため画像認識による判断結果
から、通常の火災感知器や侵入者検出器のように自動的
に警報を出すことは信頼性の点で問題がある。本発明
は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、
現状の画像認識技術であっても、装置コストを最小限に
抑えると共に監視業務の信頼性を向上することのできる
画像処理を用いた防災監視装置を提供することを可能と
する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は次のように構成する。尚、実施例図面中の対応
する符号を併せて示す。本発明の画像処理を用いた防災
監視装置は、警戒区域内を撮像する撮像装置１０−１〜
１０−ｎと、撮像装置１０−１〜１０−ｎの監視画像か
ら火災を認識して火災検出情報を出力する火災画像認識
部２６と、撮像装置１０−１〜１０−ｎからの監視画像
から侵入体を認識して盗難検出情報を出力する侵入体画
像認識部２８と、火災画像認識部２６と侵入体画像認識
部２８の両方又はいずれか一方による監視画像の処理を
指定するモード切替部２４と、火災画像認識部２６又は
侵入体画像認識部２８からの検出情報を受けた際にプリ
アラームを集中監視室側で出力するプリアラーム出力部
４０と、プリアラーム出力時に集中監視室のモニタ画像
を異常を検出した現場画像に切替える画像切替部１８と
を設けたことを特徴とする。

【０００７】

【作用】このような構成を備えた本発明の画像処理を用
いた防災監視装置によれば、１つの監視区域には１台の
テレビカメラを設け、その監視映像からモード設定に応
じた火災画像及び又は侵入体画像の処理により火災及び
又は盗難を認識することができる。

【０００８】このため火災監視と盗難監視につきテレビ
カメラ、ＡＤ変換器やフレームメモリを含む画像処理装
置のハードウェアを共用することができ、実際には火災
画像認識用のソフトウェアと侵入体認識用のソフトウェ
アを搭載するだけでよく、個別の装置に比べ装置構成を
簡単にし、装置コストを大幅に低減することができる。

【０００９】また画像処理により火災又は盗難を検出し
た場合は、集中監視室側でプリアラームを出力させ、且
つ手動或いは自動で異常を検出した現場画像にモニタ画
像を切替えることから、プリアラームを受けて監視員が
モニタの現場画像を確認することで火災或いは盗難を確
認でき、画像処理で誤認識があっても、同じテレビカメ
ラの現場画像を人間が見て最終判断を下すことから、、
装置運用上の信頼性を十分に確保することができる。

【００１０】

【実施例】図１は本発明の一実施例を示した実施例構成
図である。図１において、１０−１，１０−２，・・・
１０−ｎは撮像装置としてのテレビカメラであり、この
実施例にあっては監視区域１２−１，１２−２，・・・
１２−ｎ毎に１台ずつ設けている。テレビカメラ１０−
１〜１０−ｎとしては、例えばカラーＣＣＤカメラや赤
外ＣＣＤカメラ等の適宜の撮像装置を使用することがで
きる。

【００１１】テレビカメラ１０−１〜１０−ｎの出力は
画像処理装置１６に与えられている。画像処理装置１６
は画像切替部としてのカメラ切替部１８、ＡＤ変換器２
０、フレームメモリ２２、モード切替部２４、火災画像
認識部２６、侵入体画像認識部２８及び異常判定部３０
を備える。

【００１２】この画像処理装置１６の構成をその作用と
共に詳細に説明すると次のようになる。カメラ切替部１
８は一定の切替周期毎にテレビカメラ１０−１〜１０−
ｎを切り替えて各監視画像をＡＤ変換器２０に与え、映
像信号として得られた例えばＲＧＢの各成分信号及び輝
度信号を一定のサンプリング周期で抽出して画素単位と
し、各画素単位に多階調のデジタルデータに変換する。
ＡＤ変換器２０の変換データはフレームメモリ２２に格
納される。フレームメモリ２２の容量は画像認識で必要
とする画面枚数に応じて適宜に定められる。

【００１３】フレームメモリ２２に続いて設けられたモ
ード切替部２４は外部からのモード切替信号に基づきフ
レームメモリ２２から処理対象とする画像データを読み
出して、指定された火災画像認識部２６及びまたは侵入
体画像認識部２８に転送する。ここでモード切替部２４
によるモードとしては、次のモードがある。

【００１４】 （ａ）火災画像認識モード （ｂ）侵入体画像認識モード （ｃ）火災及び侵入体画像認識モード 具体的には、モード切替部２４に対しては、例えば昼間
はモード（ａ）の火災画像認識モードを指定し、夜間は
モード（ｃ）の火災及び侵入体画像認識モードを指定す
る。

【００１５】火災画像認識部２６は、例えば特開平１−
２６８５７０号に示されたように、監視画像の中の輝度
信号から火災による炎部分を抽出して認識すればよい。
この炎部分の抽出による認識処理は更に炎領域の大きさ
を認識してもよい。更に、輝度信号から検出した炎のち
ら付き周波数から火災を認識してもよい。また、監視画
像で捕えた火災による煙を画像処理により捕え、煙濃度
あるいは火災による煙の上昇速度から火災を認識しても
よい。また、これ以外に適宜の監視画像の処理により火
災を認識する処理をそのまま用いることができる。

【００１６】一方、侵入体画像認識部２８としては、例
えば特開平２−１７１８９７号に記載されたような参照
画像と現画像のエッジ情報を比較して、現画像に初めて
現われたエッジ部分を侵入体として認識する処理を用い
ることができる。勿論、この認識処理に限定されず、適
宜の画像処理による人体の認識がそのまま使用できる。

【００１７】異常判定部３０は火災画像認識部２６また
は侵入体画像認識部２８から出力された認識結果に基づ
いて火災か盗難かの異常判定を行う。例えば、火災判定
を例にとると、火災画像認識部２６から出力された火災
認識結果、例えば炎の大きさを示す画素数を予め定めた
閾値と比較し、閾値以上であれば火災と判断する。ま
た、単純な閾値との比較判断以外に前回の認識結果と今
回の認識結果に基づく時間的な変化量を求め、この時間
的な変化量が所定値を越えたときに火災と判断する。更
に、過去複数回の認識結果に基づいて、例えば２次関数
ｙ＝ａｘ² ＋ｂｘ＋ｃの定数ａ，ｂ，ｃの値を求め、将
来火災と判断される閾値レベルを越えるまでの残り時間
を予測し、この残り時間が閾値以下となったときに火災
と判断する予測判断を行うようにしてもよい。

【００１８】侵入体画像認識部２８からの認識結果につ
いても、同様に人体として抽出されたエッジ内の画素数
と閾値の比較、人体として認識されたエッジ部分の時間
的な動きから侵入者を判定すればよい。異常判定部３０
で火災または侵入体の判定結果が得られると、各検出情
報と共に検出位置を示す情報が集中監視室側に設けられ
たホストコンピュータ３２に送られる。

【００１９】ホストコンピュータ３２はモニタディスプ
レイ４２、コンピュータ本体４４、操作部としてのキー
ボード４６で構成される。ホストコンピュータ３２は端
末側に設けた画像処理装置１６の異常判定部３０より異
常検出情報を受信すると、同じく中央監視室に設置して
いる防災警報盤３４のプリアラーム出力部４０を起動
し、プリアラームを出させる。勿論、プリアラーム出力
部４０はコンピュータ本体４４側に設けるようにしても
よい。同時にモニタディスプレイ４２上に火災が発生し
た監視区域、例えば監視区域１２−１の位置情報をプリ
アラーム表示と共にメッセージ表示する。

【００２０】ホストコンピュータ３２側でプリアラーム
出力が行われたならば、監視員はキーボード４６を使用
して現場画像の表示指示をコンピュータ本体４４に与え
ると、コンピュータ本体４４より画像処理装置１６のカ
メラ切替部１８に切替制御信号が与えられ、このとき火
災が検出された監視区域１２−１以外の区域のテレビカ
メラに切り替わっていても強制的に火災が認識された監
視区域１２−１のテレビカメラ１０−１の出力に切り替
え、ＡＤ変換器２０及びフレームメモリ２２を介して異
常が認識された現場映像をモニタディスプレイ４２上に
映し出す。

【００２１】勿論、カメラ切替部１８に対する現場映像
の切替指令は監視員によるキーボード４６の操作によら
ず、ホストコンピュータ３２で異常検出情報の受信に基
づいてプリアラーム出力を出したと同時に自動的にカメ
ラ切替部１８に制御信号を与えて現場映像に切り替える
ようにしてもよい。監視員の手動操作あるいは自動的に
モニタディスプレイ４２が現場映像に切り替えた状態
で、監視員は現場映像を見て火災あるいは盗難の異常を
確認したならば、例えばキーボード４６から確認入力操
作を行うとコンピュータ本体４４から警報指示信号が与
えられ、防災警報盤３４から本警報が出される。同時
に、火災時には防災制御盤３６に連動制御信号が出さ
れ、図示しない排煙口、防火扉等の防排煙機器を連動制
御するようになる。

【００２２】また、盗難検出であれば図示しない自動通
報装置により警察等の外部機関に対する自動通報を同時
に行うようになる。一方、画像処理装置１６のモード切
替部２４に対するモード切替指令はホストコンピュータ
３２側から行われ、ホストコンピュータ３２におけるタ
イマ管理で昼間と夜間に分けて適宜のモード切替えを行
うことができる。また従来の火災センサや侵入者センサ
を使用して監視状態でいずれかのセンサからの出力でモ
ード切替制御を行うこともできる。勿論、モード切替え
はキーボード４６による手動操作で行うこともできる。

【００２３】更に、テレビカメラ１０−１〜１０−ｎに
ズーム制御機能や走査機構を設けておくことで、監視区
域１２−１〜１２−ｎをスキャニングしながら監視映像
を撮像して処理することができる。また、監視映像を処
理する際に、例えば前処理等により異常点を検出した場
合には、この異常点に対しテレビカメラ１０−１〜１０
−ｎを指向制御して異常点を画面中心にセンタリング
し、その状態でズームアップした監視画像を取り込んで
画像認識処理を行うようにしてもよい。

【００２４】

【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、火災監視と盗難監視の両方につきテレビカメラ認識
処理のための画像処理装置のハードウェアを共用するこ
とができ、装置コストを大幅に低減してテレビカメラを
用いた防災監視装置の普及を促進することができる。

【００２５】また、火災画像及び侵入体画像の認識技術
が必ずしも完全でなくても、プリアラーム出力を受けて
現場映像を監視員が確認することから、火災または盗難
の異常であるか、それとも誤報であるかが直ちに分か
り、たとえ誤報を生じても運用上の信頼性を確保するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示した実施例構成図

【符号の説明】

１０−１〜１０−２：テレビカメラ（撮像装置） １２−１〜１２−ｎ：監視区画 １６：画像処理装置 １８：カメラ切替部（画像切替部） ２０：ＡＤ変換器 ２２：フレームメモリ ２４：モード切替部 ２６：火災画像認識部 ２８：侵入体画像認識部 ３０：異常判定部 ３２：ホストコンピュータ ３４：防災警報盤 ３６：防災制御盤 ４０：プリアラーム出力部 ４２：モニタディスプレイ ４４：コンピュータ本体 ４６：キーボード

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】警戒区域内を撮像する撮像装置と、 前記撮像装置の監視画像から火災を認識して火災検出情
   報を出力する火災画像認識部と、 前記撮像装置からの監視画像から侵入体を認識して盗難
   検出情報を出力する侵入体認識部と、 前記火災画像認識部と侵入体画像認識部の両方又はいず
   れか一方による監視画像の処理を指定するモード切替部
   と、 前記火災画像認識部又は侵入体画像認識部からの検出情
   報を受けた際にプリアラームを集中監視室側で出力する
   プリアラーム出力部と、 該プリアラーム出力時に集中監視室のモニタ画像を異常
   を検出した現場画像に切替える画像切替部と、 を設けたことを特徴とする画像処理を用いた防災監視装
   置。