JP3897471B2 - 画像センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、監視領域を撮影し、侵入異常及び画策異常を検出する画像に関し、特に、設定された警備モ−ドが、警戒解除モ−ドの場合には画策異常を検出する画像センサに関する。
【0002】
【従来技術】
従来より、建物の出入口及びその他の監視領域の画像を継続して撮影し、撮影した現画像と記憶してある基準画像とを比較照合することにより、監視領域が正常であるか異常であるかを判断する画像センサが実用化されている。この画像センサは、警戒セットモ−ド中に、侵入者が監視領域を通過したり、画像センサに近づいて来たりして、現画像と基準画像との間に急激な変化が生じると、侵入異常が発生したと判断する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年においては、侵入者は、侵入のための事前準備となる例えば画像センサ−の監視向きを変更するまたは画像センサ−の前に机や衝立てを配置するなどの画策行為を通常警戒解除モード中に行い、夜間無人になると、侵入行為を行う場合が生じている。しかしながら、従来の画像センサ−は、警戒セットモ−ド中に設定されているときのみ侵入者の検出を行い、警戒解除モ−ド中に行われる侵入行為の事前準備に対しては何ら対応されていなかった。したがって、未然に犯罪行為を抑止できず信頼性をなくしてしまうという問題点があった。
【0004】
本発明の目的は、警備モ−ドが警戒解除モ−ドに設定されているときには、画策行為を検出する信頼性の高い画像センサの提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものである。即ち、本発明は、監視領域の画像を撮影する撮像手段と、画策検出用基準画像と侵入者検出用基準画像とを記憶する記憶手段と、入力する現画像と前記画策検出用基準画像とを比較照合して画策異常の有無を判断する判断手段と、前記侵入者検出用基準画像を更新する時間間隔よりも長い時間間隔にて前記画策検出用基準画像を更新する制御手段とを備えた画像センサであって、前記記憶手段は、前記監視領域において設定されている警備モ−ドを記憶するモ−ド記憶領域を有し、前記判断手段は、前記モ−ド記憶領域に警戒解除モ−ドが設定されているときには、前記現画像と前記画策検出用基準画像との間で算出した類似度から前記現画像が前記画策検出用基準画像と似ていないと判定されると、似ていないと判定されている継続時間を算出し、該継続時間が継続しきい値を超えると前記画策異常有りとの判断を行うことを特徴とする。
【0006】
また、監視領域の画像を撮影する撮像手段と、画策検出用及び侵入者検出用基準画像を記憶する記憶手段と、入力する現画像と前記基準画像とを比較照合して異常か正常かを判断する判断手段と、前記侵入者検出用基準画像を更新する時間間隔よりも長い時間間隔にて前記画策検出用基準画像を更新する制御手段とを備えた画像センサであって、前記記憶手段は、前記監視領域において設定されている警備モ−ドを記憶するモ−ド記憶領域を有し、前記判断手段は、前記モ−ド記憶領域に警戒セットモ−ドが設定されているときには、前記現画像と前記侵入者検出用基準画像との差分の大きさが基準値を超えた場合に侵入異常有りとの判断を行うと共に、警戒解除モ−ドが設定されているときには、前記現画像と前記画策検出用基準画像との間で算出した類似度から前記現画像が前記画策検出用基準画像と似ていないと判定されると、似ていないと判定されている継続時間を算出し、該継続時間が継続しきい値を超えると画策異常有りとの判断を行うことを特徴とする。
【0007】
【本発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用した画像センサ1の構成を示している。画像センサ1には、CPU等により構成される制御手段11と電源12が設けられる。画像センサ1の内部の各部分は、制御手段11により制御され、電源12から電力の供給を受ける。なお、制御手段11は、現画像を取り込むタイミングを制御するためのカウンタと、侵入者検出用基準画像及び画策検出用基準画像を更新するための計時手段を具備する。このカウンタは、例えば0.5秒毎にカウントをする。また、カウンタは、1から4までをカウントし4の次には1に戻る。計時手段は少なくとも30分を計時する。電源12は、外部から供給されるAC電源をDC電圧に変換する変換装置から構成される。なお、電源12を画像センサ1内に設ける代わりに、コントロ−ラなどの外部から直流電源を供給させても良い。
【0008】
図2は、制御手段11に接続される記憶手段220の内容を示す。記憶手段220には、画像センサ1に所定の動作を実行させるためのプログラムを記憶したプログラム領域221、画像センサの設置高さ、俯角、監視ポイント、感度設定などを記憶したパラメ−タ領域222、ワ−クエリア223、監視領域の状態、即ち、現在の状態が正常であるか異常であるかを記憶する状態記憶領域224、監視領域の警備モ−ド、即ち、警戒セットモ−ド、警戒解除モ−ドなどを記憶するモ−ド記憶領域225、判定ブロック毎に設けられる判定ブロックカウンタのカウント値が記憶される判定カウンタ記憶領域230が設けられる。記憶手段220は、更に撮像手段13が撮影した画像を記憶する領域として、侵入者検出用基準画像記憶領域(第1の記憶メモリ)226、画策検出用基準画像領域(第2の記憶メモリ)227、現画像記憶領域228、異常画像記憶領域229を備えている。現画像記憶領域228には、撮像手段13が撮影した最新の画像とその9フレ−ム前までの画像が記憶される。
【0009】
図1に戻り、監視領域を撮影する撮像手段13は、CCDカメラにより構成され、可視領域から赤外領域までの感度を有する。赤外線投光手段14が設けられ、夜間など暗くなった時に、監視領域に赤外線が投光される。画像処理手段15は、記憶手段220に記憶された現画像と基準画像とを比較照合して、得られた差分の大きさが所定値を超える場合、監視領域に異常が発生したと判定する。表示手段16は、LEDにより構成され、異常検出時に点灯し、非検出時には消灯して、異常検出の有無を画像センサ1の外部に表示する。なお、異常検出時には外部への表記をせずに、容認された対処者がこの画像センサに対処をしたときに、初めて異常表示を行うようにすることもできる。通信手段17は、図示しないコントロ−ラと信号の送受信を行うインタ−フェ−スで、ディジタル信号線によりコントロ−ラと接続され、映像信号以外の信号の送受信が行われる。画像出力手段18は、異常発生時の画像を出力するためのインタ−フェ−スである。映像信号としてはアナログ信号線が使用され、画像出力手段18は、切換手段19を介してアナログ信号線と接続される。アナログ信号線は、コントロ−ラに対して各画像センサ1を直列に接続する。切換手段19は、画像センサ1が正常状態の時はアナログ信号線の入力側と出力側を接続する。なお、図1では、入力側を「他の画像センサから」、出力側を「コントロ−ラへ」と表示してある。
【0010】
正常状態の画像センサ1は、アナログ信号線から切り離されている。異常状態を検出した時は、入力側のアナログ信号線を切り離して、画像出力手段18を出力側のアナログ信号線に接続させる。したがって、異常状態を検知した画像センサ1の画像出力手段18は、コントロ−ラに接続されることとなる。アドレス設定部20は、ディップスイッチにより構成され、コントロ−ラが画像センサ1を特定するためのアドレスがここで設定される。操作手段21は、電源をオン・オフするための手段である。また、操作手段21がオフされると、切換手段19は、アナログ信号線の入力側と出力側を接続させて、当該画像センサ1をアナログ信号線からバイパスさせる。
【0011】
図3〜図7を用いて、画像センサ1により異常を検出する手法の1例を説明する。なお、最初に図3を用いて概略を説明した後、図4から図7のフロ−チャ−トを用いて具体的に説明する。図3(A)は第1の記憶メモリ226に記憶されている侵入者検出用基準画像、(B)は撮像手段13で撮影され、現画像記憶領域228に記憶される現画像、(C)は侵入者検出用基準画像(A)と現画像(B)の差分を示す画像である。なお、(B)の現画像は、撮像手段13が撮影した最新の画像である。画像処理手段15は、(A)の侵入者検出用基準画像と(B)の現画像と比較して、両画像の差分(C)を取り出す。制御手段11は、両画像の差分の大きさが所定の基準値を超えているか否か判断する(第1の判断手段)。なお、ここでは、差分の外接矩形を作成して、差分の大きさを算出するようにしても良い。
【0012】
差分の大きさが、基準値を超えていた場合、現画像をプレ異常画像として、ワ−クエリア223に記憶する。なお、ワ−クエリア223には、3枚の画像を記憶することができる。続いて、次のタイミングで、現画像と侵入者検出用基準画像とを前述同様に比較照合する。制御手段11は両画像の差分の大きさが所定の基準値を超えた場合(連続して所定の基準値を超えた)には、監視領域に異常が発生したと判断する。この場合、(B)の現画像(異常発生と判定された時の画像)は、異常画像記憶領域229に記憶される。
【0013】
また、プレ異常画像を記憶した後、次の現画像と侵入者検出用基準画像とを比較照合した時に、両画像の差分の大きさが所定の基準値を超えなかった(連続して所定の基準値を超えなかった)と判断した場合には、3回目、4回目の比較照合を行う。そして、3回目又は4回目の比較照合時に、基準値を超えた場合(即ち、連続する4回の内、2回、所定の基準値を超えた場合)は、侵入異常が発生したと判断する。そして、異常が発生したと判断された現画像は、異常画像記憶領域229に記憶される。
【0014】
一方、プレ異常画像が記憶された後、2〜4回目の比較照合でも所定の基準値をこえなかった場合は、監視領域に異常は発生していないと判断する。この場合には、制御手段11は、ワ−クエリア223に記憶されたプレ異常画像を、次の侵入者検出用基準画像の更新時に新たな基準画像として第1の記憶メモリ226に記憶する。
【0015】
また、制御手段11は、両画像の比較照合をしても異常と判断されない場合には、所定の時間間隔(第1の所定時間、例えば2秒)毎に、(B)の現画像を(A)の侵入者検出用基準画像として第1の記憶メモリ226に記憶する。画策異常の検出は、現画像と画策検出用基準画像の比較照合により行われる。画策異常を検出したときには、異常と判断された現画像が異常画像記憶領域229に記憶される。また、異常と判断されない場合には、所定の時間間隔(第2の所定時間、例えば30分)毎に、現画像を画策検出用基準画像として第2の記憶メモリ227に記憶する。
【0016】
図4から図6のフロ−チャ−トを用いて、画像センサ1の画策検出の具体的動作について説明する。画像センサ1は、ステップS1で、モ−ド記憶領域225に警戒解除モ−ドが設定されているか否かを判断する。モ−ド記憶領域225には、警戒セットモ−ド、警戒解除モ−ドなどの警備モ−ドが記憶される。この警備モ−ドは、コントロ−ラに付属した警備モ−ド設定器で設定される。
【0017】
ステップS1で、警戒解除モ−ドで無い場合(例、警戒セットモ−ド)は、ステップS2に進む。ステップS2で、モ−ド記憶領域225に警戒セットが設定されているか否かを判断し、警戒セットモードに設定されている場合には図7のフローチャートを用いて後述する侵入者検出の動作を行う。ステップS1で警戒解除モードであれば、ステップS3に進む。
【0018】
撮像手段13で撮影した現画像をカウンタのカウントごと(0.5秒)に取り込み、現画像記憶領域228に記憶される(ステップS3)。次にステップS4では、現画像と画策検出用基準画像との類似度を算出する。
【0019】
図5のフロ−チャ−トを用いて、ステップS4の類似度の算出方法を説明する。現画像と画策検出用基準画像とを、48の判定ブロックに区分する(ステップS15)。現画像と画策検出用基準画像とを48の各判定ブロックごとに比較照合し、各判定ブロックごとの正規化相関値と分散値を算出する(ステップS16)。この正規化相関値と分散値とから各判定ブロックごとに類似度を求める(ステップS17)。
【0020】
図4に戻ると、ステップS5で、各判定ブロックごとの類似度が小さくなる(似ていない)と判定ブロックごとのカウンタ(判定ブロックカウンタ)のカウント値をアップし、類似度が大きくなる(似ている)と判定ブロックカウンタのカウント値をダウンする。なお、この判定ブロックカウンタは、記憶手段220のカウンタ記憶領域230を使用している。ここで、カウント値が例えば5回連続してカウントダウンする場合には、カウント値を0になるように設定されている。ステップS6で、各判定ブロックカウンタのカウント値がしきい値以上の判定ブロックの数を算出する。また、しきい値以上の判定ブロック数ごとにその継続時間を算出する。
【0021】
図6を用いて、継続時間について説明する。時点t は、現画像を現画像記憶領域228に取り込む間隔の0.5秒で経過する。いま、時点tでしきい値以上となった判定ブロック数が10であるとすると、しきい値以上の判定ブロック数の継続時間は、0.5秒である。この状態が次の時点tn+1まで継続すると、しきい値以上の判定ブロック数10の継続時間は、1.0秒となる。時点tn+2で、しきい値以上となった判定ブロック数が11となると、判定ブロック数10の継続時間は1.5秒、判定ブロック数11の継続状態は0.5秒となる。以後、同様にして、しきい値以上となった判定ブロック数ごとに継続時間が算出される。
【0022】
ステップS7で、しきい値を超える判定ブロック数が所定値(ブロック所定値)以上か否かを判断する。ここで、ブロック所定値以上であれば、ステップS11へ進み、未満であればステップS8へ進む。ステップS8では、計時手段が30分を超えているか否かを判断する。ここで、計時手段が所定の時間(30分)を超えない場合、ステップS1に戻る。ステップS8で、計時手段が30分を超えた場合、ステップS9に進み、現画像を第2の記憶メモリ227へ記憶して、画策検出用基準画像を更新すると共に、各判定ブロックの判定カウンタ記憶領域226のカウント値をクリアする。そして、各判定ブロック所定値ごとの継続時間もクリアする。その後、計時手段をリセットして(ステップS10)、ステップS1へ戻る。したがって、画策異常の検出がなく30分を経過すると、30分ごとに画策検出用基準画像が更新される。
【0023】
ステップS7でブロック所定値以上であった場合、ステップS11で、しきい値を超える判定ブロック数ごとの継続時間が、所定のしきい値(継続しきい値)を超えているか否かを判断する。なお、継続しきい値は複数用意され、しきい値を超えた判定ブロック数が大きければ継続しきい値が小さく設定される。
しきい値を超える判定ブロック数ごとの継続時間が継続しきい値を超えている場合、制御手段11は、画策行為があったと判断する(ステップS13)。そして、現画像を異常画像記憶領域229に記憶すると共に、状態記憶領域224に画策異常を記憶して(ステップS14)処理を終了する。
【0024】
ステップS11で、しきい値を超える判定ブロック数ごとの継続時間が、継続しきい値を超えていない場合、ステップS12へ進む。ステップS12では、しきい値を超える判定ブロック数ごとの継続時間が、前記の継続しきい値より小さい値に設定された所定値(時間所定値)を超えているか否かを判断する。ここで、時間所定値を超えていない場合は、ステップS1へ戻り、時間所定値を超えている場合は、ステップS10へ進む。
【0025】
このステップS12で時間所定値を設けた理由は、次のとおりである。ステップS6で、判定ブロック数と継続時間を算出している間に、ステップS8で30分が経過すると、ステップS9で判定カウンタのカウント値と継続時間がクリアされる。すると、その時点から、新たに判定ブロック数と継続時間の算出が行われるため、画策行為を検出するのに時間がかかりすぎることとなる。したがって、継続しきい値より小さい時間しきい値を設定して、継続しきい値は超さないが、この時間しきい値を超えている場合は、ステップS10へ進んで、計時手段のみをクリアして、次の30分まで判定ブロック数と継続時間の算出を続ける。以上説明した処理により、30分が経過した場合は、画策検出用基準画像が更新されていく。
【0026】
画像センサ1は、コントロ−ラから状態呼出信号を通信手段17を介して受信すると、状態記憶領域224に記憶している状態信号を通信手段17を介してコントロ−ラへ送信する。ここで、異常信号を送信すると、コントロ−ラから異常画像送信要求信号が送信される。画像センサ1はこれに対して異常画像記憶領域229に記憶してある画像を画像出力手段18を介してコントロ−ラへ送信する。
【0027】
本実施態様においては、画策行為の検出の実施例として、ステップS12で判定ブロック数が時間所定値を超える場合、計時手段をリセットして、次の30分間で画策行為を検出する様に説明したが、次の30分以内で判定ブロック数が時間所定値を超えた場合、その時点で画策異常と判断してもよい。
【0028】
図7のフロ−チャ−トを用いて、画像センサ1の侵入者検出の具体的動作について説明する。画像センサ1は、撮像手段13で撮影した現画像をカウンタのカウントごと(0.5秒)に取り込み、現画像記憶領域228に記憶する(ステップS21)。現画像記憶領域228には、この最新の画像と、その前に獲得した9フレ−ム分の画像の合計10フレ−ムの画像が順次記憶される。この現画像記憶領域228には、常に最新の10フレ−ムの画像が記憶されるように、書換えが行われる。なお、侵入異常の検出には、プレ異常画像を検知してから連続する3回の現画像と侵入者検出用基準画像とを比較照合することで行う。
【0029】
ステップS22では、現画像と第1の記憶メモリ226に記憶されている侵入者検出用基準画像とを比較照合し、両画像の差分をとる。そして、ステップS23で、ワ−クエリア223に記憶されている画像があるか否かを判断する。なお、このワ−クエリア223には、後述のように、現画像に一応の異常が認められた場合、それがプレ異常画像として記憶される。したがって、現画像に異常が検出されていなければ、ワ−クエリア223には、画像が存在しない。ワ−クエリア223に画像が記憶されていない場合、ステップS22の差分が基準値以上か否かを判断する(ステップS24)。その結果、基準値未満と判断されたときは、図4のステップS1に戻る。基準値以上と判断された場合は、現画像をプレ異常画像としてワ−クエリア223に記憶し(ステップS25)、第2のカウンタのカウント値をリセットして、その値を0とする(ステップS26)。そして、ステップS1に戻る。これより、最初に現画像と侵入者検出用基準画像との間に基準値以上の差分が生じたときは、ワ−クエリア223に画像が記憶されることとなる。
【0030】
ステップS23で、ワ−クエリア223に記憶されている画像(プレ異常画像)がある場合、第2のカウンタをカウントアップし(ステップS27)、ステップS22で得た差分が基準値以上か否かを判断する(ステップS28)。その結果、基準値未満と判断されたときは、第2のカウンタのカウント値が3であるか否かを判断する(ステップS29)。ここでカウント値が「3」でない場合には、ステップS1に戻る。ステップS29で、第2のカウンタのカウント値が「3」である場合には、ワ−クエリア223に記憶されている画像を第1の記憶メモリ226に記憶して、侵入者検出用基準画像とする(ステップS30)。次いで、ワ−クエリア223に記憶されているプレ基準画像を削除し、第2のカウンタをリセットして(ステップS31)、ステップS1に戻る。
【0031】
以上のステップにより、現画像と侵入者基準画像との差分が所定の基準値を超えた場合、その現画像がプレ異常画像として、ワ−クエリア223に記憶されるが、以後、3回連続する比較照合において、差分が基準値を超えなかった場合は、侵入異常ありとはせずに、プレ異常画像をワ−クエリア223から削除して、プレ異常画像を新たな侵入者検出用基準画像とする。
【0032】
ステップS28で、前記差分が基準値以上と判断された場合、現画像を異常画像記憶領域229に記憶する(ステップS32)。この場合とは、差分が最初に基準値以上となって、その後、3回の比較照合を行う間に、差分が再び基準値以上となった場合であり、この場合は、4回の内2回だけ差分を検出したのであるから、監視領域に侵入者が存在すると判断する。次に、状態記憶領域224に侵入異常を記憶して(ステップS33)、ステップS3へ戻る。
【0033】
以上が、画像センサ1における侵入者検出用のロジックである。これより、画像センサ1は、侵入者異常を検出しない場合は、状態記憶領域224に正常を記憶し、2秒ごとに現画像を第1の記憶メモリ226に記憶して、侵入者検出用基準画像を更新していく。また、侵入者異常を検出した場合は、状態記憶領域224に異常を記憶し、現画像を異常画像記憶領域229に記憶する。画像センサ1は、コントロ−ラから状態呼出信号を通信手段17を介して受信すると、状態記憶領域224に記憶している状態信号を通信手段17を介してコントロ−ラへ送信する。ここで、異常信号を送信すると、コントロ−ラから異常画像送信要求信号が送信される。画像センサ1は、これに対して異常画像記憶領域229に記憶してある画像を画像出力手段18を介してコントロ−ラへ送信する。
【0034】
なお、以上の説明においては、継続して入力される4枚の現画像と侵入者検出用基準画像とを比較照合して、2枚の差分値が所定の基準値を超えたときに異常と判断している。しかしながら、異常と判断する手法はこれに限定されるものではなく、例えば、差分値の大きさに差分値の動きを加えて異常の有無の判断を行うことができる。差分値の動きは、差分と差分との差をとることによって得ることができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、警戒解除モ−ド中に行われる侵入行為の事前準備にあたる画策行為を検出することができるので、侵入行為を未然に防ぐことが可能となり、信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した画像センサの構成を示す図。
【図2】 図1の記憶手段の1例を示す図。
【図3】 図1の画像センサが異常を検出する手法を説明するための図。
【図4】 図1の画像センサの画策検出動作を説明するフロ−チャ−ト。
【図5】 図4における類似度算出の手法を示すフロ−チャ−ト。
【図6】 図4における継続時間を説明するための図。
【図7】 図1の画像センサの侵入者検出動作を説明するフロ−チャ−ト。
【符号の説明】
1…画像センサ
11…制御手段
12…電源
13…撮像手段
14…赤外線投光手段
15…画像処理手段
16…表示手段
17…通信手段
18…画像出力手段
19…切替手段
20…アドレス設定部
220…記憶手段

Claims (2)

  1. 監視領域の画像を撮影する撮像手段と、
    画策検出用基準画像と侵入者検出用基準画像とを記憶する記憶手段と、
    入力する現画像と前記画策検出用基準画像とを比較照合して画策異常の有無を判断する判断手段と
    前記侵入者検出用基準画像を更新する時間間隔よりも長い時間間隔にて前記画策検出用基準画像を更新する制御手段と
    を備えた画像センサであって、
    前記記憶手段は、前記監視領域において設定されている警備モ−ドを記憶するモ−ド記憶領域を有し、
    前記判断手段は、前記モ−ド記憶領域に警戒解除モ−ドが設定されているときには、前記現画像と前記画策検出用基準画像との間で算出した類似度から前記現画像が前記画策検出用基準画像と似ていないと判定されると、似ていないと判定されている継続時間を算出し、該継続時間が継続しきい値を超えると前記画策異常有りとの判断を行うことを特徴とする画像センサ。
  2. 監視領域の画像を撮影する撮像手段と、
    画策検出用及び侵入者検出用基準画像を記憶する記憶手段と、
    入力する現画像と前記基準画像とを比較照合して異常か正常かを判断する判断手段と
    前記侵入者検出用基準画像を更新する時間間隔よりも長い時間間隔にて前記画策検出用基準画像を更新する制御手段と
    を備えた画像センサであって、
    前記記憶手段は、前記監視領域において設定されている警備モ−ドを記憶するモ−ド記憶領域を有し、
    前記判断手段は、前記モ−ド記憶領域に警戒セットモ−ドが設定されているときには、前記現画像と前記侵入者検出用基準画像との差分の大きさが基準値を超えた場合に侵入異常有りとの判断を行うと共に、警戒解除モ−ドが設定されているときには、前記現画像と前記画策検出用基準画像との間で算出した類似度から前記現画像が前記画策検出用基準画像と似ていないと判定されると、似ていないと判定されている継続時間を算出し、該継続時間が継続しきい値を超えると画策異常有りとの判断を行うことを特徴とする画像センサ。
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