JPH05204065A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH05204065A
JPH05204065A JP1223692A JP1223692A JPH05204065A JP H05204065 A JPH05204065 A JP H05204065A JP 1223692 A JP1223692 A JP 1223692A JP 1223692 A JP1223692 A JP 1223692A JP H05204065 A JPH05204065 A JP H05204065A
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chemical
gelatin
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JP1223692A
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Kumiko Takemura
久美子 竹村
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感光材料の経時保存中に於けるカブリの発生
がなく、かつ赤色セーフライト下で長時間フィルムを取
り扱ってもセーフライトカブリの発生がない平板状粒子
を含むハロゲン化銀写真感光材料の提供。さらに自動現
像機によるローラマークの発生がない上記のハロゲン化
銀写真感光材料の提供。 【構成】 支持体上の少なくとも一方の側に、感光性ハ
ロゲン化銀乳剤層を有する写真感光材料において、該感
光性ハロゲン化銀乳剤層を構成するハロゲン化銀粒子の
少なくとも一つは、投影面積の50%以上が(粒子直径/
粒子厚み)の比が3以上であって、その製造時に高分子
凝集剤によって懸濁媒中の溶存物を除去したものであ
り、かつその親水性コロイド層は、少なくとも一つのカ
ルボキシル基を活性化することにより作用する硬膜剤で
硬化されていることを特徴とするハロゲン化銀写真感光
材料による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光材料の生保存中の
カブリ及び赤色セーフライトカブリの発生を抑制し、か
つ圧力耐性(ローラマーク)を改良した高感度のハロゲン
化銀写真感光材料に関するものである。
【0002】
【発明の背景】ハロゲン化銀写真感光材料においては、
感度、鮮鋭性およびカバリングパワー等を向上改良する
目的で(粒子直径/粒子厚み)の比(アスペクト比と言う)
が高い平板状ハロゲン化銀粒子を用いることは良く知ら
れている。
【0003】例えばカバリングパワーの高い平板状粒子
の製造方法として、核形成、オストワルド熟成により粒
子成長を得る特開昭63-92942号、同51-39027号などが開
示されている。
【0004】しかしながら、上述したようなアスペクト
比の大きな平板状ハロゲン化銀粒子はその形状のため、
一般的に外力に対して著しく弱く、感光材料に加わる様
々な圧力への耐性に欠ける欠点を有している。
【0005】一方、ハロゲン化銀乳剤の調製において、
乳剤の可溶性塩類を除去するために凝集剤を用いた凝析
法により溶存物を除去する方法が知られており、例えば
特公昭35-16086号のスルホ基を含む芳香族炭化水素系ア
ルデヒド樹脂を用いる方法、或は特開昭63-158644号の
高分子凝集剤などが知られている。
【0006】本発明と同一の出願人による特開平1-2792
38号によれば、上述した平板状ハロゲン化銀粒子の脱塩
に高分子凝集剤を用いることにより、ハロゲン化銀粒子
の圧力耐性、特に現像時のローラマークの発生を防止す
ることが開示されている。
【0007】しかしながら、該平板状ハロゲン化銀乳剤
の調製に高分子凝集剤を用いて脱塩すると、ローラマー
クを防止する反面、感光材料の生保存性及び暗室用の赤
色セーフライト耐性が劣化し、いずれもカブリを発生す
ると言う問題を生じた。
【0008】そのため、感光材料の生保存中及び赤色セ
ーフライト下で、カブリの発生がなく、かつローラマー
クの発生がない平板状ハロゲン化銀粒子よりなるハロゲ
ン化銀写真感光材料が求められていた。
【0009】
【発明の目的】従って本発明の目的は、感光材料の経時
保存中に於けるカブリの発生がなく安定した写真性能を
有し、かつ赤色セーフライト下で長時間フィルムを取り
扱ってもセーフライトカブリの発生がない平板状粒子を
含むハロゲン化銀写真感光材料を提供することである。
さらに現像時における自動現像機のローラマークの発生
がない平板状ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀写真
感光材料を提供することである。
【0010】
【発明の構成】本発明の上記の目的は、支持体上の少な
くとも一方の側に、感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する
写真感光材料において、該感光性ハロゲン化銀乳剤層を
構成するハロゲン化銀粒子の少なくとも一つは、投影面
積の50%以上が(粒子直径/粒子厚み)の比が3以上であ
って、その製造時に高分子凝集剤によって懸濁媒中の溶
存物を除去したものであり、かつその親水性コロイド層
は、少なくとも一つのカルボキシル基を活性化すること
により作用する硬膜剤で硬化されているハロゲン化銀写
真感光材料により達成された。
【0011】以下、本発明を詳述する。
【0012】本発明において、投影面積の50%以上がア
スペクト比が3以上である粒子とは、全AgX粒子の投
影面積の50%以上、好ましくは70%以上、より好ましく
は90%以上の粒子が、アスペクト比が3以上、より好ま
しくは5以上であるハロゲン化銀粒子を言う。
【0013】本発明における平板状ハロゲン化銀粒子
は、単分散性を向上するために核形成、オストワルド熟
成により粒子成長を行ってもよい。
【0014】その好ましい条件としては、例えば核形成
時の温度は40℃以上で、かつpAgは9.5 〜10.5好まし
くは9.7〜10.2で核形成を行い、pAgを8.0〜9.4好まし
くは8.5〜9.2にした後、温度を降下する。
【0015】降下温度は15〜35℃で、好ましくは15〜25
℃に降下した後、pAg9.5〜10.5好ましくは9.7〜10.2に
してオストワルド熟成を行い、得られた球状粒子を種粒
子として成長を行うのが好ましい。
【0016】次に本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤の製
造時に用いられる高分子凝集剤について述べる。
【0017】一般に、写真用ハロゲン化銀乳剤の製造工
程において、物理熟成を終了したハロゲン化銀乳剤は過
剰のハロゲン化物をはじめとして硝酸アルカリ塩、アン
モニウムなどの可溶性塩を除去するための脱塩工程を行
うのが普通である。
【0018】脱塩法としては例えばヌーデル法、透析法
或いは凝析沈降法などが知られているが、そのうちの凝
析沈降法は他の方法に比して優れることから広く実用化
されている。
【0019】本発明に用いる凝集ゼラチン剤は、ゼラチ
ン分子のアミノ基の50%以上を置換した変性ゼラチンが
有利に用いられる。ゼラチンのアミノ基に対する置換例
は米国特許2,691,582号、 同2,614,928号、同2,525,753号
に記載がある。
【0020】有用な置換基としては、(1) アルキルア
シル、アリールアシル、アセチル及び置換、無置換のベ
ンゾイル等のアシル基(2) アルキルカルバモイル、ア
リールカルバモイル等のカルバモイル基、(3) アルキ
ルスルホニル、アリールスルホニル等のスルホニル基、
(4) アルキルチオカルバモイル、アリールチオカルバ
モイル等のチオカルバモイル基、(5) 炭素数1〜18個
の直鎖、分岐のアルキル基、(6) 置換、無置換のフェ
ニル、ナフチル及びピリジル、フリル等の芳香族複素環
等のアリール基、が挙げられる。
【0021】就中、好しい凝集ゼラチン剤はアシル基
(−COR1)カルバモイル基(−CON(R2)R1)によるものであ
る。
【0022】前記R1は置換、無置換の脂肪族基(例え
ば炭素数1〜18個のアルキル基、アリル基)、アリール
基又はアラルキル基(例えばフェネチル基)であり、R
2は水素原子、脂肪族基、アリール基、アラルキル基で
ある。特に好ましいものはR1がアリール基、R2が水素
原子の場合である。
【0023】以下に凝集ゼラチン剤の具体例をアミノ基
置換基によって例示する。
【0024】
【化1】
【0025】脱塩に使用する凝集ゼラチン剤の添加量
は、特に制限はないが脱塩時に保護膠質として含まれて
いるゼラチンの0.3〜10倍量(重量)が適当であり、特に
好ましくは1〜5倍量(重量)である。
【0026】次に本発明に用いられる凝集剤として、例
えば下記一般式〔I〕で表される高分子凝集剤が挙げら
れる。
【0027】
【化2】
【0028】式中のR1,R2はそれぞれ同じか又は異な
ってもよい炭素数1〜8のアルキル基を表す。
【0029】Z,Yはそれぞれ式−COOM基、−COOR3基又
は−CON(R4)(R5)基を表す。
【0030】Mは水素原子、アルカリ金属原子又はアン
モニウム基を表し、R3は炭素数1〜20のアルキル基、
アリール基を表す。
【0031】R4,R5は水素原子、炭素数1〜20のアル
キル基、アリール基でR4とR5は互いに結合して複素環
を形成してもよい。nは10〜104の整数を表す。 上記一般式〔I〕に於て、R1,R2のアルキル基とは炭素
数1〜8のもので、より好ましくは1〜5の例えばメチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基な
どが挙げられる。
【0032】これらのアルキル基は置換基を有していて
もよい。R3は炭素数1〜20のアルキル基で、好ましく
は炭素数1〜12の例えばメチル基、エチル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、ドデシル基
などでこれらのアルキル基は置換可能な置換基を有して
いてもよい。
【0033】アリール基としては例えばフェニル基を表
す。R4,R5は、R3と同義のアルキル基を表し、R4
5が互いに結合して形成する複素環としては、例えば
ピリジル基、モルホリノ基、イミダゾール基などであ
る。
【0034】以下に一般式〔I〕で表わされる高分子化
合物の具体例を示す。
【0035】
【化3】
【0036】
【化4】
【0037】
【化5】
【0038】上記化合物は、高分子凝集剤として知られ
たもので、市販品としても容易に入手可能なものであ
る。
【0039】前記一般式〔I〕で表される高分子凝集剤
は分子量として103〜106好ましくは3×103〜2×105
あり、添加量は乳剤に含まれているゼラチンに対し重量
比で1/50〜1/4好ましくは1/40〜1/10である。 本発明の実施態様においては、これらの高分子凝集剤を
添加した後pHを調整してAgX乳剤を凝析せしめる。凝
析を行わせるpHとしては、2.0以上5.5以下で、好まし
くは、3.8以上5.0以下である。
【0040】pH調整に用いる酸には特に制限はない
が、酢酸、くえん酸、サルチル酸等の有機酸、塩酸、硝
酸、硫酸、燐酸等の無機酸が好ましく用いられる。高分
子凝集剤に併用して重金属イオン例えばマグネシユウム
イオン、カドミウムイオン、鉛イオン、ジルコニウムイ
オン等を添加してもよい。
【0041】脱塩は1回でも数回繰返してもかまわな
い。数回繰返す場合、脱塩の度に高分子凝集剤を添加し
てもよいが、最初に高分子凝集剤を添加しただけでもよ
い。
【0042】また、本発明において高分子凝集剤を用い
る脱塩は、種晶の調製時の脱塩のみ、種晶からの成長時
の脱塩のみ、種晶の調製時及び種晶からの成長時の脱塩
のいずれの場合でもよい。
【0043】次に、本発明に係る親水性コロイド層に用
いられる少なくとも一つのカルボキシル基を活性化する
ことにより作用する硬膜剤について述べる。
【0044】本発明におけるカルボキシル基を活性化す
ることにより作用する硬膜剤(以下、カルボキシル基活
性型硬膜剤という。)とは、バインダー中のカルボキシ
ル基と反応する硬膜剤をさす。
【0045】本発明における前記硬膜剤としては例え
ば、下記一般式〔H―I〕〜〔H―VIII〕で表される化
合物を挙げることができる。
【0046】
【化6】
【0047】式中、R1,R2はアルキル基(例えばメチル
基、エチル基、ベンジル基、フェネチル基、2‐エチル
ヘキシル基など)又はアリール基(例えばフェニル基、ナ
フチル基など)を表し、互いに結合して窒素原子と共に
複素環を形成することも好ましい。該環の例としてはピ
ロリジン環、ピペラジン環、モルホリン環などが挙げら
れる。
【0048】R3は置換基、例えば−NR4R5(R4及びR5
R1,R2と同義)、ハロゲン原子、カルバモイル基、スルホ
基、ウレイド基、アルコキシ基、アルキル基などを表
す。R3は置換基を有するものを含み置換基の例として
は、ハロゲン原子、アルキル基、カルバモイル基、スル
ホ基、スルホオキシ基、ウレイド基などが挙げられる。
【0049】mは0〜5を表すが、m≧2のとき、複数個
のR3は同じであっても互いに異なっていてもよい。
【0050】X-は陰イオンを表し、好ましい例として
は、ハロゲン化物イオン、硫酸イオン、スルホネートイ
オン、ClO4 -、 BF4 -、 PF6 -などが挙げられる。lは0
又は1を、nは0〜2を表し、分子内塩を形成するとき
nは0である。
【0051】一般式〔H―II〕 R1−N=C=N−R2 式中、R1及びR2はシクロアルキル基(例えばシクロヘキ
シル基など)又はアルキル基(例えばメチル基、エチル
基、2‐エチルヘキシル基など)の他、メトキシエチル基
などのアルコキシアルキル基、ベンジル基、フェネチル
基などのアラルキル基、
【0052】
【化7】
【0053】で表される基を表す。
【0054】ここにR3はアルキレン基(例えばエチレン
基、プロピレン基、トリメチレン基など)を、R4,R5及び
R6はアルキル基(例えばメチル基、エチル基など)を表
し、R4〜R6のうちの2つが結合して窒素原子と共に複素
環(例えばピロリジン環、ピペラジン環、モルホリン環
など)を形成する場合や、置換基を有する場合を含む。
【0055】置換基の例としてはジエチルカルバモイ
ル、ピペリジノカルボニルなどのカルバモイル基、スル
ホ基などが好ましい。mは0又は1を、X-は陰イオン
を表し、ハロゲン化物イオン、スルホネートイオン、硫
酸イオン、ClO4 -、BF4 -、PF6 -などが好ましい。又分子
内塩を形成する場合mは0である。
【0056】
【化8】
【0057】式中、R1はアルキル基(例えばメチル基、
エチル基、ブチル基などの他、ベンジル基、フェネチル
基などのアラルキル基)又はアリール基(例えばフェニル
基、ナフチル基など)を表す。これらの基は更に置換基
を有するものを含み置換基の例としてはカルバモイル
基、スルファモイル基、スルホ基などが挙げられる。
【0058】R2、R3は水素原子又は置換基、例えばハロ
ゲン原子、アシルアミド基、ニトロ基、カルバモイル
基、ウレイド基、アルコキシ基、アルキル基、アルケニ
ル基、アリール基、アラルキル基などを表し、又R2とR3
が結合してピリジニウム環骨格と共に縮合環を形成する
ことも好ましい。
【0059】Xは一般式〔H―III〕で表される化合物
が求核試薬と反応した際に脱離し得る基を表す。好まし
い例としてはハロゲン原子、スルホニルオキシ基、スルホ
アルキル基或いは−OPO(OR4)2で表される基(R4はアル
キル基又はアリール基を表す)が挙げられる。
【0060】Xがスルホニルオキシ基を表す場合にはX
とR1が結合していることも好ましい。
【0061】Y-は陰イオンを表し、ハロゲン化物イオ
ン、スルホネートイオン、硫酸イオン、ClO4 -、BF4 -
PF6 -などが好ましい。
【0062】mは0又は1を表し、分子内塩を形成する
ときはmは0である。
【0063】
【化9】
【0064】式中、R1、R2の定義は一般式〔H―I〕に
おけるR1、R2の定義と全く同様であり、R3はアルキル基 (例えばメチル基、エチル基、ブチル基などの他、ベン
ジル基、フェネチル基等のアラルキル基)又はアリール
基(例えばフェニル基、ナフチル基など)を表す。
【0065】X-は陰イオンであり、ハロゲン化物イオ
ン、スルホネートイオン、硫酸イオン、ClO4 -、BF4 -
PF6 -などが好ましい。
【0066】
【化10】
【0067】式中、R1、R2及びR3、R4の定義は一般式
〔H―I〕におけるR1、R2の定義と全く同じであり、更
にR1とR3で環を形成してもよい。
【0068】X1は求核試薬と反応した際に脱離しうる
基を表し、好ましくはハロゲン原子、スルホニルオキシ
基(好ましくはアルキルスルホニルオキシ、アリールス
ルホニルオキシ)、1‐ピリジウム基、イミジルオキシ
基(例えばフタルイミジルオキシ、サクシンイミジルオ
キシ、グルタルイミジルオキシ)、アゾリルオキシ基、
アンモニオ基が挙げられる。
【0069】Y1 -で表される陰イオンとしては、例えば
ハロゲンイオン、スルホネートイオン、硫酸イオン、C
lO4 -、BF4 -、PF6 -、ホスホネートイオン、燐酸イオン
が挙げられる。
【0070】
【化11】
【0071】式中、R1、R2はアルキル基、アルケニル
基、シクロアルキル基、アリール基、芳香族複素環基又
は−NR3R4(R3、R4はアルキル基、アルケニル基、シクロ
アルキル基、アリール基又は芳香族複素環基を表し、
R3、R4が結合して環を形成したものも含む)を表す。X1
は、一般式〔H―V〕のX1の定義と同じである。
【0072】
【化12】
【0073】式中、R1、R2及びR3、R4及びR5、R6は、一
般式〔H―I〕におけるR1、R2の定義と同じであり、X1
は一般式〔H―V〕におけるX1と、Y-は一般式〔H―V〕
におけるY1 -の定義と同じである。
【0074】
【化13】
【0075】式中、R1はアリール基を、Zは芳香族複素
環を形成するに必要な非金属原子群を表し、R1及びZに
より形成される環は置換基を有するものを含む。
【0076】Y-は陰イオンを、mは0又は1を表し、
分子内塩を形成するとき、mは0である。
【0077】本発明で用いられるカルボキシル基活性型
硬膜剤としては、前記一般式〔H―I〕〜〔H―VIII〕
で表される化合物の他にも、特開昭50‐38540号、同52‐
93470号、同56‐43353号、同58‐113929号、米国特許3,
321,313号に記載された化合物なども好ましい。以下に
本発明に使用される化合物の具体的な例を分類して挙げ
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0078】一般式〔H―I〕による化合物 (これらの化合物及びその合成法については、特開昭49
‐51945号、同51‐59625号、同61‐9641号、同62‐2628
54号、同62‐264044号に詳しい。)
【0079】
【化14】
【0080】
【化15】
【0081】
【化16】
【0082】一般式〔H―II〕による化合物 (これらの化合物及びその合成法は、特開昭51‐126125
号、 同52‐48311号に詳しい。)
【0083】
【化17】
【0084】
【化18】
【0085】一般式〔H―III〕による化合物 (これらの化合物及びその合成法は、特開昭57‐44140
号、 特公昭57‐46538号、同58‐50669号に詳しい。)
【0086】
【化19】
【0087】一般式〔H―IV〕による化合物 (これらの化合物及びその合成法は、特開昭52‐54427
号に詳しい。)
【0088】
【化20】
【0089】一般式〔H―V〕による化合物 (これらの化合物及びその合成法は、特開昭60‐225148
号、同61‐240236号に詳しい。)
【0090】
【化21】
【0091】
【化22】
【0092】
【化23】
【0093】一般式〔H―VI〕による化合物 (これらの化合物及びその合成法は、特開昭62‐68866
号、 同62‐68867号に詳しい。)
【0094】
【化24】
【0095】一般式〔H―VII〕による化合物 (これらの化合物及びその合成法は、特開昭61‐128241
号に詳しい。)
【0096】
【化25】
【0097】一般式〔H―VIII〕による化合物 (これらの化合物及びその合成法は、特開昭62‐234152
号に詳しい。)
【0098】
【化26】
【0099】
【化27】
【0100】
【化28】
【0101】
【化29】
【0102】
【化30】
【0103】本発明に使用するカルボキシル基活性型硬
膜剤の使用量は、目的に応じて任意に選ぶことができ
る。通常は乾燥ゼラチンに対して0.01〜10重量パー
セントの割合で使用できる。特に好ましくは0.05〜5重
量パーセントの割合で使用する。
【0104】又、カルボキシル基活性型硬膜剤と、その
他の硬化剤とは任意の割合で使用できるが、カルボキシ
ル基活性型硬膜剤を1とした場合、重量比でその他の硬
化剤は、0.01〜1の範囲が好ましい。
【0105】次に親水性コロイド層について説明する。
【0106】本発明における親水性コロイド層は、アミ
ノ基とカルボキシル基を有するバインダーがよく、本発
明に用いるカルボキシル基活性型硬膜剤により硬化反応
を起こすバインダーであればよいが、通常はゼラチンを
用いるのが有利である。
【0107】ゼラチンには石灰処理ゼラチン、酸処理ゼ
ラチン、Bull.Soc.Sci.Phot,Japan.No.16,30頁(1966)に
記載されたような酵素処理ゼラチンの他、ゼラチン誘導
体(ゼラチンに例えば酸ハライド、酸無水物、イソシア
ナート類、ブロモ酢酸、アルカンサルトン類、ビニルス
ルホンアミド類、マレインイミド化合物類、ポリアルキ
レンオキシド類、エポキシ化合物類等の種々の化合物を
反応させて得られるもの)が包含される。
【0108】乳剤層、その他の親水性コロイド層は、可
塑剤、水不溶性又は難溶性合成ポリマーの分散物(ラテ
ックス)を含有させることができる。
【0109】本発明におけるローラマークとは、自動現
像機の搬送用である対向式ローラ圧或は液圧によって発
生するカブリを指し、特に高感度で高銀量な感光材料に
多く見られる現象である。
【0110】又、本発明における赤色セーフライトと
は、暗室内でフィルムを取り扱う際の赤色の安全光を指
し、青感性及び緑感性の感光材料に用いられるものであ
る。
【0111】ハロゲン化銀感光材料の特性の一つとし
て、分光増感色素を用いなくても硫化銀などにより赤感
性を有するようになる。そのため赤色セーフライトで感
光しカブリとなるため、高感度感光材料の赤色感度への
対策が重要となる。
【0112】本発明のハロゲン化銀写真感光材料が、前
述した本発明の構成によりローラマークと赤色セーフラ
イトの二つの耐性が同時に得られたことは予想し得なか
ったことである。
【0113】本発明のハロゲン化銀写真感光材料のハロ
ゲン化銀組成としては、臭化銀、沃臭化銀、或は少量の
塩化銀を含む沃塩臭化銀乳剤乳であってよい。
【0114】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、例えばT.H.James著“The Theory of the
Photographic process”第4版、Macmillan社刊(1977
年)38〜104頁に記載の方法、G.F.Duffin著“Photograph
ic Emulsion Chemistry”、Focal Press社刊(1966年)、
P.Glafkides著“Chimie et Physique Photographique”
Paul Montel社刊(1967年)或はV.L.Zelikman他著“Makin
g And Coting Photographic Emulsion" Focal Press社
刊(1964)などに記載の方法により調製することができ
る。
【0115】即ち、酸性法、アンモニア法、中性法など
の溶液条件にて順混合法、逆混合法、ダブルジェット
法、コントロール・ダブルジェット法などの混合条件、
コンバージョン法、コア/シェル法などの粒子調製条件
およびこれらの組合わせ法を用いて製造することができ
る。
【0116】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤の好ましい実施態様としては、沃化銀を粒子
内部に局在させた単分散乳剤が挙げられる。ここで言う
単分散とは、常法により平均粒子直径を測定したとき、
粒子数又は重量で少なくとも95%の粒子が平均粒子径の
±40%以内、好ましくは±30%以内にあるハロゲン化銀
粒子である。
【0117】ハロゲン化銀の粒径分布は、狭い分布を有
した単分散乳剤であってもよく、ハロゲン化銀の結晶構
造は内部と外部が異なったハロゲン化銀組成からなって
いてもよく、例えば高沃化銀のコア部分に低沃化銀のシ
ェル層を被覆して明確な2層構造を有したコア/シェル
型単分散乳剤であってもよい。
【0118】上記の単分散乳剤の製法は公知で、例えば
J.Phot.Sci,12.242〜251,(1963)、特開昭48-36890号、
同52-16364号、同55-142329号、同58-49938号、英国特
許1,413,748号、米国特許3,574,628号、同3,655,394号
などに詳しく記載されている。本発明のハロゲン化銀写
真感光材料に用いられる乳剤は、上記の単分散乳剤を得
るための方法として、例えば種晶を用い、この種晶を成
長核として銀イオン及びハライドイオンを供給し成長さ
せた乳剤を用いてもよい。上記のコア/シェル型乳剤の
製法は公知で、例えばJ.Phot.Sci,24.198.(1976)、米国
特許2、592、250号、同3,505,068号、同4,210,450号、同
4,444,877号或は特開昭60-143331号などに記載の方法を
参考にすることができる。
【0119】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、アスペクト比が3以上の平板状粒子であ
って、このような平板状粒子の利点としては、分光増感
効率の向上や画像の粒状性及び鮮鋭性の改良などが得ら
れるとして例えば英国特許2,112,157号、米国特許4,41
4,310号、同4,434,226号などで開示されており、乳剤は
これら公報に記載の方法により調製することができる。
【0120】上述した乳剤は、粒子表面に潜像を形成す
る表面潜像型或は粒子内部に潜像を形成する内部潜像
型、表面と内部の両方に潜像を形成する型のいずれの乳
剤であってもよい。
【0121】これらの乳剤は物理熟成或は粒子調製の段
階で、例えばカドミウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タリウム
塩、イリジウム塩又はその錯塩、ロジウム塩又はその錯
塩、鉄塩又はその錯塩などを用いてもよい。
【0122】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、物理熟成又は化学熟成前後の工程で、各
種の写真用添加剤を用いることができる。このような工
程で使用される化合物としては例えば、前述の(RD)No.1
7643、(RD)No.18716及び(RD)No.308119(1989年12月)に記
載されている各種の化合物を用いることができる。これ
ら3つの(RD)リサーチ・ディスクロージャーに記載され
ている化合物種類と記載箇所を下記に掲載した。
【0123】 添加剤 RD-17643 RD-18716 RD-308119 頁 分類 頁 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IV 減感色素 23 IV 998 B 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 硬膜剤 26 X 651左 1004〜5 X 界面活性剤 26〜27 XI 650右 1005〜6 XI 可塑剤 27 XII 650右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1003〜4 IX 支持体 28 XVII 1009 XVII 本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる支持体
としては、上記のRDに記載されているものが挙げられ、
適当な支持体としてはプラスチックフィルムなどで、支
持体表面は塗布層の接着性をよくするために下引き層を
設けたりコロナ放電や紫外線照射などが施されてもよ
い。
【0124】本発明の感光材料の写真処理は例えば、前
記のRD-17643のXX〜XXI、29〜30頁或は同308119のXX〜XX
I、1011〜1012頁に記載されているような、処理液による
処理がなされてよい。この処理は銀画像を形成する白黒
写真処理、或は色素像を形成するカラー写真処理のいず
れであってもよい。処理温度は通常18℃から50℃の範囲
で処理される。
【0125】白黒写真処理での現像剤としては、ジヒド
ロキシベンゼン類(例えばハイドロキノン)、3-ピラゾリ
ドン類(例えば1-フェニル-3-ピラゾリドン)、アミノフ
ェノール類(例えばN-メチル-P-アミノフエノール)など
を単独もしくは組合せて用いることができる。なお、現
像液には公知の例えば保恒剤、アルカリ剤、pH緩衡
剤、カブリ防止剤、硬膜剤、現像促進剤、界面活性剤、
消泡剤、色調剤、硬水軟化剤、溶解助剤、粘性付与剤な
どを必要に応じて用いてもよい。
【0126】定着液にはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩な
どの定着剤が用いられ、さらに硬膜剤として水溶性のア
ルミニウム塩例えば硫酸アルミニウム或はカリ明ばんな
どを含んでいてもよく、その他保恒剤、pH調整剤、硬水
軟化剤などを含有していてもよい。
【0127】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。
【0128】実施例1 下記に示す5種類の種晶T-1、T-2、T-3、T-4、T-5
を調製し、各々を粒子成長させて乳剤を得た。 (種晶T-1、T-2の調製)以下に示す溶液を用いて臭化銀
から成る種晶T-1、T-2を調製した。
【0129】 A1 オセインゼラチン 40g プロピレンオキシ-ポリエチレンオキシ- ジサクシネートジナトリウム塩(10%メタノール溶液) 10ml 臭化カリウム 23.7g 水で 4000ml B1 硝酸銀 600g 水で 803ml C1 オセインゼラチン 16.1g 臭化カリウム 420g 水で 803ml D1 アンモニア水(28%) 235ml 特開昭62-160128号に記載の装置を用い、混合用撹拌ペ
ラの下部への供給ノズルを、B1液、C1液で各々6本と
なるようにセットした。
【0130】平均温度40℃、430rpmで高速撹拌したA1
液に、B1とC1液をダブルジェット法にて流速62.8ml/
minで添加した。添加開始後4分46秒から除々に流速を上
げ最終の流速は105ml/minで総添加時間を10分45秒とな
るようにした。なお添加中のpAgは臭化カリウムで10に
保った。
【0131】添加終了から30分後に液温を平均20℃、撹
拌回転数を460rpmとし、D1液を1分で添加し5分間のオ
ストワルド熟成を行った。熟成時の臭化カリウム濃度は
0.028モル/l、アンモニア濃度は0.63モル/l、pHは11.
7であった。
【0132】その後、直ちにpHが5.7になるまで酢酸を
加えて中和し、熟成を停止した。
【0133】(種晶T-3、T-4の調製)前記の種晶T-1、
T-2の調製において、A1液にB1液とC1液を添加終了
1分30秒後に、液温40℃のままで撹拌回転数を460rpmと
し、D1液を1分で添加し、5分間のオストワルド熟成
を行った以外は同様にして種晶T-3、T-4を得た。
【0134】(種晶T-5の調製)前記の種晶T-1、T-2の
調製において、A1液にB1液とC1液を添加終了してか
ら、pAgを8.9に調整し、30分後に液温が20℃になるよ
うに温度を降下した後、pAgを10に調整し撹拌回転数を
460rpmとし、D1液を1分で添加し、5分間のオストワ
ルド熟成を行った以外は同様にして種晶T-5を得た。
【0135】種晶の脱塩 種晶T-1、T-3の脱塩 混合終了して得られた反応液を40℃にしてから、特開昭
58-140322号の例示化合物のII-1であるナフタレンスル
ホン酸ソーダ塩のホルムアルデヒド縮合物(商品名デモ
ールN[花王アトラス])と硫酸マグネシウムをそれぞれ
ハロゲン化銀(AgX)1モル当たり15gと60g加え3分間
撹拌した。
【0136】その後、静置し、デカンテーションにより
過剰な塩類を除去する。次いで40℃の純水を2.1l/Ag
X1モル当たり加え分散させた後、硫酸マグネシウムを
30g/AgX1モル当たり加え、3分撹拌した後静置しデ
カンテーションを行った。
【0137】次いでゼラチンを加え55℃に保ち20分間撹
拌して再分散し、種晶T-1とT-3を得た。
【0138】種晶T-2、T-4、T-5の脱塩 混合終了して得られた反応液に60℃のまま高分子凝集剤
として例示化合物のG-3で変性された変性ゼラチン(置
換比率90%の凝集ゼラチン剤)を38g添加し3分間撹拌し
た。次いで水酸化カリウムを0.13g添加し、pHを4.0に
し静置し、デカンテーションを行った。次いで40℃の純
水を2.1l加えた後、水酸化カリウムを0.25g加え、pH
を5.8にして5分間撹拌する。
【0139】その後、硝酸(1.7規定)を1.5ml加えpHを
4.3にし静置、デカンテーションを行った。次いでゼラ
チンと水酸化カリウムの0.2gを加え、pHを5.8にして
再分散を行い種晶T-2、T-4、T-5を得た。(上記の添
加量は、いずれもハロゲン化銀1モル当たりの量で示
す。)得られた種晶乳剤をそれぞれ電子顕微鏡写真で計
測したところ、下記に示すような平均粒径及び粒径の変
動係数を有した球形粒子であった。
【0140】 種晶 平均粒径(μm) 粒径の変動係数(%) T-1、T-2 0.19 27 T-3、T-4 0.25 30 T-5 0.14 24 (乳剤の調製)得られた種晶T-1〜T-5を用いて、以下
のようにして粒子の成長を行い本発明に係るハロゲン化
乳剤を調製した。
【0141】 A2 オセインゼラチン 16g プロピレンオキシ-ポリエチレンオキシ- ジサクシネートジナトリウム塩(10%メタノール溶液) 3ml 種晶(T-1) 0.27モル相当 水で 1000ml B2 オセインゼラチン 5g 臭化カリウム 307g 沃化カリウム 8g 水で 880ml C2 硝酸銀 448g 水で 880ml D2 オセインゼラチン 2.7g 臭化カリウム 19g 水で 530ml E2 硝酸銀 27g 水で 530ml 温度75℃で激しく撹拌したA2液に、B2液とC2液を38
分でダブルジェット法にて添加した。B2液とC2液の添
加速度は初期と最終で2.4倍となるよう直線的に増加さ
せた。その後D2液とE2液を6分間等速添加した。但し
添加中はpAgを10に終始保った。
【0142】添加終了後、pHを6.0に合わせ下記の分光
増感色素(A)及び(B)をそれぞれハロゲン化銀1モ
ル当たり400mgと15mg添加し30分間撹拌を続けた。
【0143】(A)5,5′-ジクロロ-9-エチル-3,3′-ジ
-(3-スルホプロピル)オキサカルボシアニンナトリウム
塩の無水物 (B)5,5′-ジ-(ブトキシカルボニル)-1,1′-ジエチル
-3,3′-ジ-(4-スルホブチル)ベンゾイミダゾロカルボ
シアニンナトリウム塩の無水物 次に下記に示す脱塩方法(イ)及び(ロ)の2種の方法
により過剰な可溶性塩類の除去(溶存物の除去に該等)
を行った。なお添加量はハロゲン化銀1モル当たりの量
で示してある。
【0144】脱塩方法(イ) 1.混合終了して得られた反応液を40℃にしてから、前
記したナフタレンスルホン酸ソーダ塩のホルムアルデヒ
ド縮合物(本発明に係る高分子凝集剤に対する比較化合
物)の5.5gと硫酸マグネシウムを8.5g加え、3分間撹拌
したのち静置し、デカンテーションを行う。
【0145】2.次いで40℃の純水を1.8l加え分散し
た後、硫酸マグネシウムを20g加え、3分撹拌した後静
置しデカンテーションを行った。
【0146】3.上記の2の工程をもう1回くり返す。
【0147】4.後ゼラチンを15gと水を加え450mlに仕
上げた後、55℃で20分間撹拌し分散した。
【0148】脱塩方法(ロ) 1.混合終了して得られた反応液を表1に示す温度、p
H、pAg及び乳剤濃度にしてから高分子凝集剤として前
記例示のG-3で変性された変性ゼラチン(置換比率90%
の凝集ゼラチン剤)を50g添加し、その後56%酢酸を110
ml添加し、pHを5.0に落とし静置し、デカンテーション
を行った。
【0149】2.次いで40℃の純水を1.8l加えた後、
水酸化カリウムを6.8g加え、pHを6.0にして分散させ
る。充分に分散させた後、56%の酢酸を70ml加え、pH
を4.5にして静置し、デカンテーションを行う。
【0150】3.上記の2の工程をもう一度くり返す。
【0151】4.次いで後ゼラチン15gと水酸化カリウ
ムの1gを加え、水を加えて450mlに仕上げた。
【0152】上記の脱塩方法(ロ)は、本発明に係る高
分子凝集剤によるハロゲン化銀乳剤の溶存物除去手段で
ある。
【0153】同様にして種晶T-2〜T-5を用いて粒子を
成長させた乳剤も前述した2つの脱塩方法により表1に
示した乳剤を得た。得られた5種の乳剤をそれぞれ電子
顕微鏡により計測した結果を下記に示す。
【0154】 種晶 平均粒径(μm) 粒径の変動係数(%) 平均アスペクト比 T-1、T-2 1.04 15 5.03 T-3、T-4 0.93 18 3.21 T-5 1.15 14 7.52 得られた各々の乳剤について、化学増感剤添加直前に前
記分光増感色素の(A)及び(B)を各々ハロゲン化銀1モ
ル当たり140mg、3mg添加した。
【0155】化学熟成終了後、後記の各種添加剤を加え
た。乳剤液(感光性ハロゲン化銀乳剤塗布液)用いた化合
物は以下のもので、添加量はハロゲン化銀1モル当たり
の量で示す。
【0156】 1,1-ジメチロール-1-ブロム-1-ニトロメタン 6.2mg t-ブチル-カテコール 60mg ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 1.0g スチレン-無水マレイン酸共重合体 2.5g トリメチロールプロパン 15g 2-メルカプトベンツイミダゾール-5-スルホン酸ナトリウム 1.5mg ニトロフェニル-トリフェニルホスホニウムクロリド 28mg 1,3-ジヒドロキシベンゼン-4-スルホン酸アンモニウム 1.5g C4H9OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1g
【0157】
【化31】
【0158】又、保護層液に用いた添加物は次のとおり
である。添加量はゼラチン1g当たりの量で示す。
【0159】 二酸化ケイ素粒子 (面積平均粒径7μmのポリメチルメタクリレートからなるマット剤) 7mg i-アミル-n-デシルスルホサクシネートナトリウム塩 7mg 表1に示すカルボキシル基活性型化合物 20m
【0160】
【化32】
【0161】
【化33】
【0162】得られた各々の塗布液を、厚さ180μm
の下引き済みのブルーに着色したポリエチレンテレフタ
レートベース上に2台のスライドホッパー型コーターを
用い、両面同時に乳剤層、保護層の順に塗布し試料No.
1〜18を得た。
【0163】なお塗布銀量は両面で4.5g/m2で乳剤層と
保護層のゼラチン総量は、3g/m2になるよう調整して試
料を作成した。
【0164】得られた試料の一部を温度23℃で3日間と
50℃で3日間放置した保存試料を作った。
【0165】(センシトメトリー)フィルム試料を「新
編・照明のデータブック」社団法人照明学会編第1版、
第2印刷、第39頁に記載の標準の光Bを光源とし露光時
間0.1秒で3.2CMSでノンフィルターで露光した。
【0166】これらの露光した試料を自動現像機SRX-50
1(コニカ〔株〕製)を用いて35℃の現像液XD-SR(同社
製)で現像、定着液XD-SR(同社製)で定着、水洗、乾
燥まで45秒で処理し、現像済み試料を得た。
【0167】感度は、黒化濃度が1.0だけ増加するのに
必要な光量の逆数を求め、表1の試料1の感度を100と
した相対感度で表した。
【0168】(セーフライトカブリの評価)図1に示す
透過率を持つ赤色フィルターを通して、白熱電球光で試
料の上方1.2mから30分間照射した後、同様の露光・現像
処理を行い、カブリの増加を測定した。
【0169】(ローラマーク性の評価)自動現像機のロ
ーラによる圧力マーク即ちローラマークは、以下のよう
にして評価した。
【0170】未露光の状態で対向式ローラをもつ自動現
像機で処理した。その時発生したローラマークを目視に
より、次の5段階に分類して評価した。
【0171】5:ローラマークの発生なし 4:ごくわずかに発生あり 3:やや発生あり(実用許可内) 2:発生が多い(実用許可外) 1:発生が非常に多い (後硬膜性の評価)得られた試料を温度40℃、RH80%の雰
囲気下に12時間放置した後、一部の試料の膨潤度SW1
を測定し、さらに一部の試料は50℃、RH80%の雰囲気
下で14日間放置した後、膨潤SW2を測定し後硬膜性を
SW2/SW1として表した。
【0172】なお、膨潤度Sは現像処理前の乳剤層の膜
厚d1、現像処理後の膜厚d2を測定し、S=d2/d1
して得た。
【0173】以上により得られた結果を表2に示す。
【0174】
【表1】
【0175】
【表2】
【0176】表から明らかなように、本発明によればロ
ーラマークの発生及び赤色セーフライトカブリの発生を
防止するだけでなく、後硬膜性が改良され、かつ感光材
料の生保存中のカブリを抑制していることが分かる。
【0177】
【発明の効果】本発明により、感光材料の経時保存中に
於けるカブリの発生がなく安定した写真性能を有し、か
つ赤色セーフライト下で長時間フィルムを取り扱っても
セーフライトカブリの発生がない平板状粒子を含むハロ
ゲン化銀写真感光材料が得られた。さらに本発明によれ
ば現像時における自動現像機のローラマークの発生のな
いハロゲン化銀写真感光材料を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施例に用いたフィルターの透
過率を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年1月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】降下温度は15〜35℃で、好ましくは15〜25
℃に、温度降下速度は0.2〜1℃/minで、好ましくは0.
35〜1℃/minで降下した後、pAg9.5〜10.5好ましくは
9.7〜10.2にしてオストワルド熟成を行い、得られた球
状粒子を種粒子として成長を行うのが好ましい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】本発明の高分子凝集剤として用いられる
集ゼラチン剤は、ゼラチン分子のアミノ基の50%以上を
置換した変性ゼラチンが有利に用いられる。ゼラチンの
アミノ基に対する置換例は米国特許2,691,582号、同2,6
14,928号、同2,525,753号に記載がある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】就中、好しい凝集ゼラチン剤はアシル基
(−COR1)カルバモイル基(−CON(R2)R3 )によるものであ
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】前記R 1及びR3はそれぞれ置換、無置換の
脂肪族基(例えば炭素数1〜18個のアルキル基、アリル
基)、アリール基又はアラルキル基(例えばフェネチル
基)であり、R2は水素原子、脂肪族基、アリール基、
アラルキル基である。特に好ましいものはR 3 がアリー
ル基、R2が水素原子の場合である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】また、前記のゼラチン凝集剤の他に用いら
れる凝集剤として、例えば下記一般式〔I〕で表される
高分子凝集剤が挙げられる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正内容】
【0080】
【化15】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正内容】
【0083】
【化17】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0174
【補正方法】変更
【補正内容】
【0174】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の少なくとも一方の側に、感光
    性ハロゲン化銀乳剤層を有する写真感光材料において、
    該感光性ハロゲン化銀乳剤層を構成するハロゲン化銀粒
    子の少なくとも一つは、投影面積の50%以上が(粒子直
    径/粒子厚み)の比が3以上であって、その製造時に高
    分子凝集剤によって懸濁媒中の溶存物を除去したもので
    あり、かつその親水性コロイド層は少なくとも一つのカ
    ルボキシル基を活性化することにより作用する硬膜剤で
    硬化されていることを特徴とするハロゲン化銀写真感光
    材料。
JP1223692A 1992-01-27 1992-01-27 ハロゲン化銀写真感光材料 Pending JPH05204065A (ja)

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