JPH05201661A - エレベータのかご - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】救出扉が取付けられている側板は、回転可能な
軸部１２とこの軸部１２と同一高さに固定部１３を取付
け、取手１１の一端を前記軸部１２に枢着し、他端を固
定部１３に挾着可能な構成としている。したがって非常
時には、取手１１を持ち、軸部１２を軸として上方向に
回転することにより、救出扉８を開放しかご外へ脱出す
ることができる。 【効果】これまでの固定手摺では救出口側に手摺を設け
られなかったが、限定されることなく手摺を配すること
が可能となり、かつ救出口からの脱出も安全に行なえる
ようになる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エレベータのかごの改
良に関する。

【０００２】

【従来の技術】斜行エレベータのかごは、たとえば、特
公昭63−32885 号公報に開示しているように、かごの山
側の側板に救出扉が設けられ、万一かごが途中階に停止
したときには、この救出扉を開き安全に外部へ脱出する
ことができる。また、斜行エレベータは走行中、水平分
力があるため、加減速時には、乗客の体がふらつき、不
安定となる。そのため、かごの谷側の側板と、かご扉の
反対側の側板には手摺が設けられ、乗客は手摺をにぎ
り、かごの加減速時に体が倒れないように保持してい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のかご
内の手摺は、かごの谷側の側板と、かご扉の反対側の側
板の二つの側板に設けられ、山側の側板には設けられて
いない。これは、緊急時に救出扉から脱出するとき、手
摺があると邪魔となるからである。そのため、これらの
側板の近くに乗っている乗客は、手摺がないので、かご
の加減速時に体が倒れるおそれがあった。

【０００４】本発明の目的は救出扉が設けられている側
板にも、手摺を設置するかごを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は救出扉が設けられている側板に、回転可能
な軸部と、この軸部の横方向に固定部を設け、取手の一
端を前記軸部に枢着し、他端を前記固定部に載着可能な
手摺を設ける。

【０００６】

【作用】平常時には、乗客はかごの側板に設けられてい
る手摺を握ることにより、安全に乗ることができる。

【０００７】ところで、万一、停電事故等が発生し、か
ごが非常停止すると、保守技術員がかごの外部より救出
扉を開放し、乗客、あるいは、保守技術員が、手摺の取
手を持って、上方へ引き上げる。その結果、乗客は取手
が邪魔になることなく速やかに、かごより救出口を通っ
て、外部へ脱出することができる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明になる一実施例を図１ないし図
４を用いて説明する。

【０００９】図１は本発明の手摺が設けられている側板
を見た正面図、図２はかごの平面を示したものである。
図２において、１はかご、２はかご扉、３，４，５はそ
れぞれ側板で、側板３には手摺６，側板４には手摺７，
谷側の側板５には手摺８が取付けられている。９は側板
に設けられた救出扉で、側板３の外部に設けられたキー
１０を開放することにより、救出扉９は外方向に開き、
救出口１１を通って乗客は外部へ脱出することができ
る。

【００１０】１２は手摺６の取手、１３は側板３に固定
された手摺５の軸部、１４は軸部１３の横方向に側板３
に固定された手摺６の固定部で、図３に要部詳細図を、
図４に固定部の要部詳細図を示した。図３において、固
定台２０は、ボルト２１により側板３に固定され、中央
部には貫通孔２２を設けている。取手１２の一端には孔
２２に内挿するピン２３を設け、ピン２３はナット２４
により螺着されている。そして、ピン２３を介して回転
可能となるように構成されている。さらに取手１２の他
の一端は、図４で示すように固定台３０をボルト３１に
より側板３に固定し、この固定台３０には取手１２が挾
着されるように、溝３３が設けられ、平常時には取手１
２の一端が、この溝３３に挾着されている。

【００１１】この構造で、平常時には、取手１２は固定
部１４に挾着されているので、乗客は走行中、手摺６の
取手１２を握ることができ、乗客は安全に乗ることがで
きる。

【００１２】次に、何らかの原因によりかご１が非常停
止し、乗客がかご内に閉じ込められた場合、乗客をかご
１内より、保守技術員などが、外部から救出扉９を開い
て救出する。これまでのようにかご側板に固着された手
摺では、仮に救出扉を開けたとしても、その開口部を手
摺をさえぎるため円滑な脱出が困難となることは明らか
である。しかし本発明によれば、乗客あるいは保守技術
員が、取手１２を上方向へ回転させ、救出口の範囲外へ
回避することができるから、乗客は取手１２に邪魔され
ることなく速やかに、救出口１１を出て図示しない避難
階段を通り、かご１の外へ脱出することができる。

【００１３】本実施例によれば、救出扉９を取付けた側
板３に手摺６を設けても、この手摺６の取手１２を回転
することにより、非常時には救出口１１より容易に脱出
することができる。

【００１４】なお、本実施例では、斜行エレベータに適
用した場合について説明したが、垂直走行する一般用エ
レベータにも同時に適用することができる。

【００１５】

【発明の効果】本発明によれば、非常時にはこの取手を
回転することにより、取手に邪魔されることなく、乗客
は安全にしかも速やかにかご外へ脱出することができる
から、救出扉を取付けた側にも手摺を設けることがで
き、これまでのように手摺がないために乗客が不安定に
なることもなく、安全に利用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の手摺を取付けた側板を見たかごの正面
図。

【図２】本発明のかごの平面図。

【図３】手摺の軸部の要部詳細図。

【図４】手摺の固定部の要部詳細図。

【図５】図４の断面図。

【符号の説明】

１…かご、２…かご扉、６…手摺、９…救出扉、１２…
取手、１３…軸部、１４…固定部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺西 勝也 茨城県勝田市堀口832番地の２ 日立エレ ベータエンジニアリング株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】かご内の側板に手摺と、救出扉が設けられ
   たエレベータにおいて、前記救出扉が設けられている側
   板に、回転可能な軸部と、前記軸部の横方向に固定部を
   設け、取手の一端を前記軸部に枢着し、他端を前記固定
   部に挾着可能な構成とした手摺を設けたことを特徴とす
   るエレベータのかご。