JPH05201320A - 還流式アンチスキッド型液圧ブレーキ装置 - Google Patents

還流式アンチスキッド型液圧ブレーキ装置

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JPH05201320A
JPH05201320A JP3851192A JP3851192A JPH05201320A JP H05201320 A JPH05201320 A JP H05201320A JP 3851192 A JP3851192 A JP 3851192A JP 3851192 A JP3851192 A JP 3851192A JP H05201320 A JPH05201320 A JP H05201320A
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JP
Japan
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brake
fluid
reservoir
pump
cylinder
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JP3851192A
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English (en)
Inventor
Akira Nakamura
彰 中村
Nobuyasu Nakanishi
伸育 中西
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 短時間のアンチスキッド制御実行時に生じる
ポンプおよびモータの運転騒音を防止する。 【構成】 アンチスキッド制御が開始されれば、ホイー
ルシリンダのブレーキ液がリザーバ通路48を経てリザ
ーバ50の液室82へ排出される。液室82内のブレー
キ液が一定値に達しないうちは開閉弁98が閉状態に保
たれるため、ポンプおよびモータが作動してもブレーキ
液の汲上げが行われない。そのため、ポンプに負荷がか
からず作動音が小さくて済む。アンチスキッド制御が短
時間で終了すれば開閉弁98は閉状態に保たれたまま制
動が終了し、ブレーキ液は逆止弁94から排出通路90
を経てマスタシリンダへ戻される。アンチスキッド制御
が長く行われれば液室82に収容されるブレーキ液が一
定値を超えて増大するため、開閉弁90が開かれ、ポン
プによりブレーキ液の汲上げが行われ、マスタシリンダ
側通路へ戻される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液圧ブレーキ装置に関す
るものであり、特に、還流式アンチスキッド制御装置を
備えた液圧ブレーキ装置に関するものである。
【0002】還流式アンチスキッド制御装置を備えた液
圧ブレーキ装置として、例えば、特開昭61−3059
号公報に記載されたものがある。この装置は、ブレー
キ操作部材の操作に応じてブレーキ液圧を発生させるマ
スタシリンダと、車輪の回転を抑制するブレーキを作
動させるブレーキシリンダと、マスタシリンダに発生
したブレーキ液圧をブレーキシリンダに導く主液通路
と、容積が可変でありかつ付勢手段により容積が減少
するように付勢されている液室を備え、その液室にブレ
ーキシリンダから排出されたブレーキ液を収容するリザ
ーバと、主液通路の途中に設けられ、ブレーキシリン
ダをマスタシリンダに連通させてブレーキシリンダ液圧
の上昇を許容する昇圧許容状態と、ブレーキシリンダを
リザーバに連通させてブレーキシリンダ液圧の下降を許
容する降圧許容状態とに切換えが可能な制御弁装置と、
車輪のスリップ率が適正範囲となるように制御弁装置
を制御する制御装置と、リザーバからブレーキ液を汲
み上げ、主液通路のマスタシリンダと制御弁装置との間
の部分に還流させるポンプと、リザーバの液室をポン
プをバイパスしてマスタシリンダに連通させるとともに
リザーバからマスタシリンダに向かう方向を順方向とす
る逆止弁を備えた排出通路とを含むように構成される。
【0003】この液圧ブレーキ装置において、運転者に
よりブレーキ操作部材が操作されれば、マスタシリンダ
に発生させられたブレーキ液圧が主液通路を経てブレー
キシリンダに導かれ、ブレーキが作動させられる。この
とき、制動力が路面の摩擦係数との関係において高過ぎ
て、車輪のスリップ率が過大となった場合には、制御装
置により制御弁装置が切り換えられてアンチスキッド制
御が行われる。制御弁装置が降圧許容状態となったとき
には、ブレーキシリンダからブレーキ液が排出され、リ
ザーバの液室内に収容される。このブレーキ液はポンプ
によって汲み上げられ、主液通路のマスタシリンダと制
御弁装置との間の部分に還流させられる。アンチスキッ
ド制御中はマスタシリンダの液圧が高いため、リザーバ
から排出通路を経てマスタシリンダにブレーキ液が排出
されることはなく、逆にマスタシリンダからブレーキ液
がリザーバに流入することは逆止弁によって阻止され
る。
【0004】一方、1回の制動が終了してマスタシリン
ダおよび主液通路の液圧が低下させられる毎に、リザー
バ内のブレーキ液が逆止弁を経て排出通路からマスタシ
リンダへ排出される。ブレーキ操作部材の操作が解除さ
れれば、マスタシリンダの液圧が低下するため、リザー
バ内の液圧により排出通路の逆止弁が開かれるのであ
る。したがって、アンチスキッド制御が終了すると同時
にポンプおよびそれを駆動するモータの作動を停止させ
ることができ、ブレーキ液の汲上げによって生ずるポン
プおよびモータの運転騒音を減少させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような液圧ブレ
ーキ装置において、制動中に車両が石等の突起やマンホ
ールを乗り越したりすると車輪のスリップ率が一時的に
過大となって、アンチスキッド制御が開始されることが
ある。このようなアンチスキッド制御は本来不必要なの
であるが、通常のアンチスキッド制御時と同様に制御弁
装置が切り換えられ、ブレーキシリンダから少量のブレ
ーキ液がリザーバの液室に排出され、ポンプによるブレ
ーキ液の汲上げが行われる。このアンチスキッド制御は
きわめて短時間で終了するが、ブレーキ液の汲上げ時に
は通常の汲上げ時と同様にポンプに負荷がかかるため、
ポンプおよびモータの作動音が大きい。このような極め
て短時間のアンチスキッド制御が頻繁に生ずると、運転
者に不快感を与える。
【0006】本発明はこの問題に鑑み、アンチスキッド
制御が極めて短時間行われる場合には、ポンプおよびモ
ータの作動音を小さくすることにより、運転者に不快感
を与えることを回避し得る液圧ブレーキ装置を得ること
を課題として為されたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】そして、本発明の要旨
は、前記マスタシリンダ,ブレーキシリンダ,主
液通路,リザーバ,制御弁装置,制御装置,ポ
ンプおよび排出通路を含む還流式アンチスキッド型液
圧ブレーキ装置において、リザーバに、液室内に収容さ
れたブレーキ液の量が予め定められた一定値以下のとき
は液室とポンプとを遮断し、一定値より多くなれば液室
とポンプとを連通させる開閉弁を設けるとともに、排出
通路をその開閉弁をバイパスさせてリザーバの液室に接
続したことにある。
【0008】
【作用】上記のように構成された液圧ブレーキ装置にお
いて、制動中にアンチスキッド制御が行われれば、制御
弁装置の切換えによってブレーキシリンダからブレーキ
液がリザーバの液室に排出される。このとき、液室内に
収容されたブレーキ液の量が予め定められた一定値以下
の間は開閉弁が閉状態とされて液室とポンプとが遮断さ
れ、ブレーキ液の量が一定値より多くなれば開閉弁が開
かれて液室とポンプとが連通させられる。この一定値
は、前記不必要なアンチスキッド制御時にブレーキシリ
ンダから排出されるわずかなブレーキ液の量よりやや大
きい値に設定される。
【0009】通常のアンチスキッド制御時には、液室内
に収容されるブレーキ液量が多く、収容液量が一定値よ
り多くなるため開閉弁が開かれ、液室内のブレーキ液が
ポンプにより汲み上げられて、主液通路のマスタシリン
ダと制御弁装置との間の部分に供給される。それに対し
て、液室内のブレーキ液量が一定値より多くなる前にア
ンチスキッド制御が終了した場合には、開閉弁が閉状態
に保たれる。そのため、ポンプが作動しても液室内のブ
レーキ液の汲上げが行われず、ポンプに負荷がかかるこ
とがなく、ポンプの作動音が通常のブレーキ液の汲上げ
時に比較して小さくなる。液室内に収容されたブレーキ
液は、1回の制動終了後、逆止弁を経て排出通路からマ
スタシリンダへ戻される。排出通路は、開閉弁をバイパ
スしてリザーバの液室に接続されているため、開閉弁が
閉じた状態でもブレーキ液をマスタシリンダに戻すこと
ができるのである。
【0010】
【発明の効果】上記のように、本発明によれば、制動中
に車両が突起やマンホール等を乗り越したりして極めて
短時間のアンチスキッド制御が行われる場合には、ブレ
ーキシリンダから排出されるブレーキ液がリザーバ内に
保持されるため、ポンプおよびモータに負荷がかかるこ
とがなく、これらの作動音がブレーキ液の汲上げ時に比
較して小さくなる。また、収容されたブレーキ液は、制
動終了後にポンプをバイパスしてマスタシリンダへ戻さ
れ、ポンプによる汲上げは行われない。したがって、短
時間のアンチスキッド制御が頻繁に行われても、ポンプ
およびモータの作動に基づく騒音が生じることがなく、
運転者に不快感を与えることが回避される。
【0011】
【実施例】以下、本発明を自動車用アンチスキッド型液
圧制御装置に適用した場合の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明する。図4において、10はタンデム型マス
タシリンダである。マスタシリンダ10にはブースタ1
2を介してブレーキ操作部材たるブレーキペダル14が
接続されており、ブレーキペダルの踏込み操作に応じ
て、マスタシリンダ10のそれぞれ独立した2つの加圧
室に同じ高さの液圧が発生する。16は、マスタシリン
ダ10に取り付けられ、これにブレーキ液を供給するリ
ザーバである。
【0012】マスタシリンダ10の各加圧室に発生した
液圧は、それぞれ左右前輪20,22および左右後輪2
4,26にそれぞれ設けられたブレーキのブレーキシリ
ンダたるフロントホイールシリンダ30,32およびリ
ヤホイールシリンダ34,36に供給される。本実施例
の液圧ブレーキ装置は前後2系統式となっているのであ
る。前後のブレーキ系統は基本的な構成がほぼ同じであ
るので、以下、同様の作用を為すものについて前後の系
統に共通の符号を付すとともに、前輪のブレーキ系統を
主体に説明し、後輪のブレーキ系統については必要に応
じて補足することとする。
【0013】マスタシリンダ10とフロントホイールシ
リンダ30,32とをつなぐ主液通路の途中には、各フ
ロントホイールシリンダ30,32にそれぞれ対応した
2つの電磁制御弁40が設けられており、それにより主
液通路がマスタシリンダ側通路42とホイールシリンダ
側通路44とに分けられている。後輪24,26のブレ
ーキ系統では、図から明らかなように電磁制御弁40が
リヤホイールシリンダ34,36に対して共通とされて
おり、この点において前輪20,22のブレーキ系統と
異なっている。
【0014】各電磁制御弁40は、昇圧許容状態と液圧
保持状態と降圧状態との3つの状態に切換えが可能な切
換弁とされている。昇圧許容状態は、図4に示されてい
るように、マスタシリンダ側通路42を各対応するホイ
ールシリンダ側通路44に連通させて、マスタシリンダ
シリンダ側通路42に供給されるブレーキ液によって各
対応するフロントホイールシリンダ30,32の液圧が
上昇することを許容する状態である。液圧保持状態は、
マスタシリンダ側通路42,ホイールシリンダ側通路4
4およびリザーバ通路48のすべてを遮断して、対応す
るフロントホイールシリンダ30,32の液圧を一定に
保持する状態である。また、降圧許容状態は、各対応す
るホイールシリンダ側通路44をリザーバ通路48を介
して共通のリザーバ50に連通させ、フロントホイール
シリンダ30,32からブレーキ液がリザーバ50へ流
出してフロントホイールシリンダ30,32の液圧が下
降することを許容する状態である。
【0015】電磁制御弁40のこれらの切換えは、制御
装置54によって行われる。制御装置54はマイクロコ
ンピュータを主体とするものであり、左前輪20および
右前輪22の各回転速度と左右後輪24,26の平均回
転速度とをそれぞれ検出する回転センサ56の出力信号
からそれら車輪20,22,24,26のスリップ状態
を推定し、各電磁制御弁40のソレノイド58に対する
電流の供給量を制御することにより、電磁制御弁40を
前記3つの状態に切り換えて、左前輪20および右前輪
22の各スリップ率と左右後輪24,26の平均スリッ
プ率とが適正な値となるように制御するものである。こ
の還流式アンチスキッド制御は公知のものであり、か
つ、この切換制御自体は本考案を理解する上で必ずしも
不可欠なものではないため、詳細な説明は省略する。
【0016】リザーバ50に収容されたブレーキ液はポ
ンプ62によって汲み上げられる。ポンプ62はモータ
64により駆動されるようになっており、モータ64の
発停は制御装置54により制御される。すなわち、アン
チスキッド装置によるホイールシリンダ30,32の液
圧制御が開始され、制御装置54によって2つの電磁制
御弁40のうち一方が昇圧許容状態から液圧保持状態も
しくは降圧許容状態へ最初に切り換えられたとき、モー
タ64が起動され、アンチスキッド制御中は継続してポ
ンプ62が駆動されるようになっているのである。ポン
プ62の駆動により、リザーバ50内のブレーキ液はア
キュムレータ66により脈動を緩和されつつ逆止弁67
を備えたポンプ通路68を経て、マスタシリンダ側通路
42へ供給される。
【0017】ポンプ62の前後にはリザーバ50からア
キュムレータ66へ向かう方向を順方向とする一対の逆
止弁70が設けられ、ブレーキ液がリザーバ50へ逆流
しないようにされている。なお、72はリリーフ弁であ
り、ポンプ62と2個の逆止弁70との直列回路に対し
て並立に接続され、アキュムレータ66内の液圧が設定
値を超えた場合に、ポンプ62から吐出されたブレーキ
液がリリーフ弁72を経てリザーバ50側へ還流するよ
うになっている。
【0018】また、マスタシリンダ側通路42とホイー
ルシリンダ側通路44との間には、各電磁制御弁40を
バイパスするバイパス通路73がそれぞれ接続され、そ
れらバイパス通路73の途中に各フロントホイールシリ
ンダ30,32側からマスタシリンダ10側へ向かう方
向を順方向とする逆止弁74がそれぞれ設けられてい
る。したがって、ブレーキペダル14の踏込みが解除さ
れ、マスタシリンダ液圧が低下させられた場合には、フ
ロントホイールシリンダ30,32から各電磁制御弁4
0をバイパスしてブレーキ液が速やかにマスタシリンダ
10へ戻される。
【0019】図1に拡大して示すように、リザーバ50
はハウジング76を備えている。ハウジング76のシリ
ンダボア78内にはピストン80が液密かつ摺動可能に
嵌合され、それによって容積可変の液室82が形成され
ている。ピストン80はシリンダボア78の長さによっ
てその移動範囲を規制されており、液室82とは反対側
の端面とシリンダボア78との間に配設されたスプリン
グ84によって、液室82の容積を減少させる方向に付
勢されている。86はOリングである。
【0020】ハウジング76には、液室82をリザーバ
通路48と連通させる連通路88が形成されており、フ
ロントホイールシリンダ30,32のブレーキ液がリザ
ーバ通路48から連通路88を経て液室82へ流入する
ようになっている。
【0021】また、ハウジング76には、排出通路90
の一部としての連通路92が形成されており、液室82
がポンプ62をバイパスしてホイールシリンダ側通路4
4と連通させられている。したがって、液室82が排出
通路90,図4の状態の電磁制御弁40およびマスタシ
リンダ側通路42を経て、あるいは排出通路90,バイ
パス通路73およびマスタシリンダ側通路42を経てマ
スタシリンダ10に連通させられるようになっている。
また、連通路92には逆止弁94が設けられている。逆
止弁94は、液室82からマスタシリンダ側通路42へ
向かう方向を順方向として設けられており、その順方向
の開弁圧が、液室82にスプリング84によって発生さ
せられる液圧より低くされている。
【0022】さらに、ハウジング76には、液室82を
ポンプ通路68と連通させる連通路96が形成されてい
る。連通路96は連通路92とは並列に設けられてお
り、液室82と連通路96との間には開閉弁98が設け
られている。開閉弁98は、ハウジング76に形成され
た弁座100と球状の弁子102とを備えており、弁子
102はロッド104の一端に固定されている。ピスト
ン80には液室82側の端面106に開口する係合穴1
10が形成されており、ロッド104がこの係合穴11
0に軸方向に摺動可能に挿通されている。ロッド104
の他端には抜け止め板112が固定されており、抜け止
め板112と係合穴110の肩面114との当接によ
り、ロッド104のピストン80からの突出限度が規定
されている。
【0023】弁子102とピストン80の端面106と
の間には円錐コイルスプリング116が配設されてお
り、弁子102を弁座100側に付勢している。液室8
2にブレーキ液が収容されていない状態では、図1に示
すように、スプリング84の付勢力によりピストン80
が液室82の容積が最小となる原位置に位置させられ、
スプリング116の付勢力により弁子102が弁座10
0に着座させられて開閉弁98が閉状態とされ、液室8
2とポンプ通路68との連通が遮断される。
【0024】液室82内にブレーキ液が供給されれば、
ピストン80がスプリング84の付勢力に抗して液室8
2の容積が増大する向きに移動する。このとき、図2に
示すように、ピストン80の係合穴110の肩面114
が抜け止め板112に当接しない間は、ピストン80と
ロッド104との相対移動が許容されるため、弁子10
2は弁座100に着座したままピストン80のみが移動
し、開閉弁98が閉状態に保たれる。
【0025】それに対して、液室82内のブレーキ液の
量が増大し、係合穴110の肩面114が抜け止め板1
12に当接した後さらにピストン80が移動させられれ
ば、ロッド104がピストン80と一体的に移動させら
れる。その結果、弁子102が弁座100から離間させ
られ、開閉弁98が開かれて液室82とポンプ通路68
との連通が許容される。本実施例においては、ピストン
80がスプリング84の付勢力に抗して移動を開始して
から開閉弁98が開かれるまでに液室82に収容される
ブレーキ液の量が、アンチスキッド制御が極めて短時間
実行された時にフロントホイールシリンダ20,22か
ら排出されるブレーキ液の量よりやや多く設定されてい
る。
【0026】以上のように構成された還流式アンチスキ
ッド型液圧ブレーキ装置において、通常は電磁制御弁4
0が図4に示す状態にあって、マスタシリンダ側通路4
2とホイールシリンダ側通路44とを連通させている。
また、リザーバ50のピストン80は原位置にあり、液
室82の容積が最小の状態とされている。さらに、ポン
プ62およびモータ64が停止状態とされている。
【0027】この状態において、ブレーキペダル14が
踏み込まれれば、マスタシリンダ側通路42,電磁制御
弁40およびホイールシリンダ側通路44を経てブレー
キ液がフロントホイールシリンダ30,32に供給さ
れ、ブレーキが作動して前輪20,22が制動される。
この制動力が路面の摩擦係数との関係において低ければ
前輪20,22のスリップ率が過大となることはなく、
制御装置54による電磁制御弁40の切換えは行われな
い。また、ポンプ62を駆動するモータ64が起動させ
られることもなく、アンチスキッド装置は作動しない。
なお、ブレーキ液がホイールシリンダ通路44から排出
通路90を経てリザーバ50へ流入することは、逆止弁
94によって阻止される。
【0028】フロントホイールシリンダ30,32の液
圧が路面の摩擦係数との関係において過大となれば、回
転センサ56からの信号に基づいて、前輪20,22の
いずれか一方あるいは両方のスリップ率が適正値を超え
て増大したことが制御装置54により検出され、アンチ
スキッド制御が開始される。すなわち、スリップ率が過
大となった前輪に対応する電磁制御弁40のソレノイド
58に励磁電流が供給されて、液圧保持状態または降圧
許容状態に切り換えられるとともにモータ64が起動さ
れるのである。
【0029】フロントホイールシリンダ30(あるいは
32)に対応する電磁制御弁40が降圧許容状態に切り
換えられた場合には、フロントホイールシリンダ30が
リザーバ通路48に連通させられ、フロントホイールシ
リンダ30からリザーバ50に向かってブレーキ液が流
出し、連通路88を経て液室82へ収容される。このと
き、ブレーキ液の量が一定値に達するまでは、図2に示
すように開閉弁98が閉状態に保たれ、液室82とポン
プ通路68との連通が遮断されている。
【0030】例えば、自動車がマンホール等を乗り越し
たりした場合のようにアンチスキッド制御がごく短時間
で終了した場合には、フロントホイールシリンダ30か
らリザーバ50に流入するブレーキ液の量がそれ以上増
大しないため、開閉弁98が閉状態に保たれ、液室82
にブレーキ液が保持された状態でブレーキペダル14の
解除が待たれるのである。極めて短時間のアンチスキッ
ド制御においては、ポンプ62およびモータ64が作動
してもブレーキ液の汲上げが行われないため、これらの
作動音が騒音となって運転者に不快感を与えることが防
止される。
【0031】一方、アンチスキッド制御が続行され、液
室82に収容されるブレーキ液が一定値を超えて増大す
れば、図3に示すように開閉弁98が開かれて液室82
とポンプ通路68とが連通させられ、液室82内のブレ
ーキ液がポンプ62により汲み上げられる。そして、ア
キュムレータ66によって脈動を低減させられつつ、マ
スタシリンダ側通路42へ送られる。ポンプ62から送
られた高圧のブレーキ液はマスタシリンダ側通路42を
経てマスタシリンダ10に流入する。
【0032】上記のようにしてフロントホイールシリン
ダ30の液圧が低下させられ、左前輪20に対する制動
力が低下すれば、左前輪20のスリップ率が適正値ま
で、あるいはそれよりも低下する。スリップ率が適正値
を超えて低下したことが検出されれば、制御装置54に
より電磁制御弁40が液圧保持状態、あるいは昇圧許容
状態に切り換えられる。昇圧許容状態に切り換えられた
場合には、ブレーキ液がマスタシリンダ10からフロン
トホイールシリンダ30へ供給される。以下、同様の作
動が繰り返されることによってフロントホイールシリン
ダ30の液圧が適正値付近に維持されることとなり、左
前輪20のスリップ率も適正値付近に維持される。
【0033】ブレーキペダル14の踏込みが解除されれ
ば、マスタシリンダ液圧が低下する。そのため、電磁制
御弁40の状態如何を問わず、フロントホイールシリン
ダ30をはじめとする各ブレーキシリンダからブレーキ
液がバイパス通路73を経て速やかにマスタシリンダ1
0へ戻され、各車輪に対する制動が速やかに解除され
る。
【0034】そして、ブレーキペダル14が原位置へ復
帰したことが図示しないスイッチによって検知され、そ
れに基づいて制御装置54が電磁制御弁40を昇圧許容
状態に復帰させ、フロントホイールシリンダ30をはじ
めとする各ブレーキシリンダが逆止弁を介することなく
マスタシリンダ10に連通させられ、ブレーキシリンダ
に液圧が残ることが回避させれる。また、電磁制御弁4
0の昇圧許容状態への復帰と同時にモータ64も停止さ
せられるため、自動車が停止した後にもポンプ62が作
動し続け、耳障りな騒音が運転者に聞こえることがな
い。
【0035】さらに、マスタシリンダ側通路42の液圧
が低下すれば、リザーバ50内の液圧により逆止弁94
が開かれ、ブレーキ液が最初は排出通路90,ホイール
シリンダ側通路44,バイパス通路73およびマスタシ
リンダ通路42を経てマスタシリンダ10へ戻され、電
磁制御弁40が昇圧許容状態に復帰させられた後は電磁
制御弁40を経てマスタシリンダ10へ戻される。した
がって、ブレーキ液がリザーバ50の液室82に留まる
ことが防止され、次にアンチスキッド制御が開始された
際、液室82に必ず一定量のブレーキ液を収容すること
ができる。
【0036】以上、本発明の一実施例について説明した
が、この他にも、液圧ブレーキ装置の回路や制御弁装置
の構成を変更し、あるいは開閉弁98の構成や逆止弁9
4,排出通路90の配設位置を変更する等、当業者の知
識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で、本発明
を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である還流式アンチスキッド
型液圧ブレーキ装置のリザーバを示す正面断面図であ
る。
【図2】上記リザーバの図1とは別の作動状態を示す正
面断面図である。
【図3】上記リザーバの図1および図2とは別の作動状
態を示す正面断面図である。
【図4】上記液圧ブレーキ装置の回路図である。
【符号の説明】
10 マスタシリンダ 14 ブレーキペダル 30 フロントホイールシリンダ 32 フロントホイールシリンダ 34 リヤホイールシリンダ 36 リヤホイールシリンダ 40 電磁制御弁 42 マスタシリンダ側通路 44 ホイールシリンダ側通路 50 リザーバ 54 制御装置 62 ポンプ 64 モータ 68 ポンプ通路 82 液室 84 スプリング 90 排出通路 94 逆止弁 98 開閉弁
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年3月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】 還流式アンチスキッド制御装置を備えた
液圧ブレーキ装置として、例えば、特開昭61−305
9号公報に記載されたものがある。この装置は、ブレ
ーキ操作部材の操作に応じてブレーキ液圧を発生させる
マスタシリンダと、車輪の回転を抑制するブレーキを
作動させるブレーキシリンダと、マスタシリンダに発
生したブレーキ液圧をブレーキシリンダに導く主液通路
と、容積が可変でありかつ付勢手段により容積が減少
するように付勢されている液室を備え、その液室にブレ
ーキシリンダから排出されたブレーキ液を収容するリザ
ーバと、主液通路の途中に設けられ、ブレーキシリン
ダをマスタシリンダに連通させてブレーキシリンダ液圧
の上昇を許容する昇圧許容状態と、ブレーキシリンダを
リザーバに連通させてブレーキシリンダ液圧の下降を許
容する降圧許容状態とに切換えが可能な制御弁装置と、
車輪のスリップ率が適正範囲となるように制御弁装置
を制御する制御装置と、リザーバからブレーキ液を汲
み上げ、主液通路のマスタシリンダと制御弁装置との間
の部分に還流させるポンプと、リザーバの液室をポン
プをバイパスしてマスタシリンダに連通させるとともに
リザーバからマスタシリンダに向かう方向を順方向とす
る逆止弁を備えた排出通路とを含むように構成される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ操作部材の操作に応じてブレー
    キ液圧を発生させるマスタシリンダと、 車輪の回転を抑制するブレーキを作動させるブレーキシ
    リンダと、 マスタシリンダに発生したブレーキ液圧をブレーキシリ
    ンダに導く主液通路と、 容積が可変でありかつ付勢手段により容積が減少するよ
    うに付勢されている液室を備え、その液室にブレーキシ
    リンダから排出されたブレーキ液を収容するリザーバ
    と、 前記主液通路の途中に設けられ、ブレーキシリンダをマ
    スタシリンダに連通させてブレーキシリンダ液圧の上昇
    を許容する昇圧許容状態と、ブレーキシリンダを前記リ
    ザーバに連通させてブレーキシリンダ液圧の下降を許容
    する降圧許容状態とに切換えが可能な制御弁装置と、 前記車輪のスリップ率が適正範囲となるように前記制御
    弁装置を制御する制御装置と、 前記リザーバからブレーキ液を汲み上げ、前記主液通路
    のマスタシリンダと制御弁装置との間の部分に還流させ
    るポンプと、 前記リザーバの液室を前記ポンプをバイパスしてマスタ
    シリンダに連通させるとともにリザーバからマスタシリ
    ンダに向かう方向を順方向とする逆止弁を備えた排出通
    路とを含む還流式アンチスキッド型液圧ブレーキ装置に
    おいて、 前記リザーバに、前記液室内に収容されたブレーキ液の
    量が予め定められた一定値以下のときは液室と前記ポン
    プとを遮断し、一定値より多くなれば液室とポンプとを
    連通させる開閉弁を設けるとともに、前記排出通路をそ
    の開閉弁をバイパスさせてリザーバの液室に接続したこ
    とを特徴とする液圧ブレーキ装置。
JP3851192A 1992-01-29 1992-01-29 還流式アンチスキッド型液圧ブレーキ装置 Pending JPH05201320A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07232627A (ja) * 1994-02-23 1995-09-05 Nisshinbo Ind Inc 車両用ブレーキ制御装置
JP2009537369A (ja) * 2006-05-17 2009-10-29 コンチネンタル・テベス・アーゲー・ウント・コンパニー・オーハーゲー オートバイブレーキ装置
US20140292066A1 (en) * 2013-03-26 2014-10-02 Nissin Kogyo Co., Ltd. Vehicle brake hydraulic pressure control apparatus

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