JPH0423719Y2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0423719Y2
JPH0423719Y2 JP1984084770U JP8477084U JPH0423719Y2 JP H0423719 Y2 JPH0423719 Y2 JP H0423719Y2 JP 1984084770 U JP1984084770 U JP 1984084770U JP 8477084 U JP8477084 U JP 8477084U JP H0423719 Y2 JPH0423719 Y2 JP H0423719Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brake
fluid
reservoir
passage
master cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP1984084770U
Other languages
English (en)
Other versions
JPS613059U (ja
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP8477084U priority Critical patent/JPS613059U/ja
Publication of JPS613059U publication Critical patent/JPS613059U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH0423719Y2 publication Critical patent/JPH0423719Y2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は自動車用液圧ブレーキ装置に関するも
のであり、特に、制動時に車輪と路面とのスリツ
プ率が過大となることを防止するアンチスキツド
装置を備えた液圧ブレーキ装置に関するものであ
る。
従来の技術 自動車のブレーキ装置としては、ブレーキペダ
ル等ブレーキ操作部材の操作に応じてマスタシリ
ンダに発生させられたブレーキ液圧をブレーキシ
リンダに導き、ドラムブレーキ、デイスクブレー
キ等のブレーキを作動させて自動車の車輪の回転
を抑制する液圧ブレーキ装置が一般的に用いられ
ている。この場合、車輪と路面との摩擦係数は両
者のスリツプ率が特定の値のとき最大となるた
め、自動車の走行安定性を損なうことなく、しか
も最も効率良く減速し、あるいは停車させるため
には、スリツプ率がその特定値付近に保たれるよ
うにブレーキシリンダの液圧を制御しつつ制動を
行うことが望ましい。そのため、近年、例えば特
公昭49−28307号公報に記載されているようなア
ンチスキツド装置が使用されるようになつた。
この種のアンチスキツド装置を備えた液圧ブレ
ーキ装置は、一般に、(a)ブレーキ操作部材の操作
に応じてブレーキ液圧を発生させるマスタシリン
ダと、(b)車輪の回転を抑制するブレーキを作動さ
せるブレーキシリンダと、(c)マスタシリンダに発
生したブレーキ液圧をブレーキシリンダに導く主
液通路と、(d)その主液通路の途中に設けられ、ブ
レーキシリンダをマスタシリンダに連通させてブ
レーキシリンダ液圧の上昇を許容する昇圧許容状
態と、ブレーキシリンダをリザーバに連通させて
ブレーキシリンダ液圧の下降を許容する降圧許容
状態とに切換えが可能な電磁制御弁と、(e)車輪の
スリツプ率が適正範囲となるように電磁制御弁を
制御するコントローラと、(f)ブレーキシリンダと
連通させられるリザーバからブレーキ液を汲み上
げて主液通路のマスタシリンダと電磁制御弁との
間の部分に供給するポンプとを含むように構成さ
れる。
そして、この種のアンチスキツド型液圧ブレー
キ装置の一種に、ブレーキシリンダから排出され
たブレーキ液を収容するリザーバ内のブレーキ液
が、1回の制動が終了する毎にすべてポンプによ
り汲み上げられてマスタシリンダ側へ戻される形
式のものがあり、この種のものにおいては、アン
チスキツド装置による液圧制御が終了した後、一
定時間の間ポンプが作動を継続するようにされる
のが普通である。しかし、この場合には自動車が
停止した後にもこのポンプが作動する事態が生
じ、ポンプの運転騒音が耳障りなものとなる。
また、この形式の液圧ブレーキ装置においては
リザーバの容量が比較的小さくされるのが普通で
あるため、例えばアンチスキツド装置が作動しな
い程度のブレーキ操作が繰り返されている状態で
電磁制御弁に漏れが生じた場合などには、漏れた
ブレーキ液がリザーバに流入する可能性がある。
そして、一旦流入したブレーキ液は、リザーバ自
体がブレーキ液を排出する十分な能力を有しない
のが普通であるため、リザーバ内に蓄えられ、次
にアンチスキツド装置が作動して電磁制御弁が降
圧許容状態に切り換えられ、ブレーキシリンダか
らブレーキ液が排出されようとした場合にリザー
バにそのブレーキ液を収容するに十分な余裕がな
く、液圧制御が不完全となる恐れがある。
考案が解決しようとする問題点 本考案は上記のように1回の制動が終了する毎
にリザーバ内のブレーキ液がポンプにより完全に
排出される形式のアンチスキツド型液圧ブレーキ
装置において、車両が停止した後にもポンプが作
動して耳障りな運転騒音を発生させたり、あるい
は電磁制御弁等から漏れたブレーキ液がリザーバ
内に溜つて、次にアンチスキツド装置が作動した
場合に十分な液圧制御が行われなくなる問題を解
決するために為されたものである。
問題点を解決するための手段 本考案は上記の問題を解決するために、前述の
ように(a)マスタシリンダ、(b)ブレーキシリンダ、
(c)主液通路、(d)電磁制御弁、(e)コントローラおよ
び(f)ポンプを含むアンチスキツド型液圧ブレーキ
装置において、リザーバを、容積が可変でありか
つ付勢手段により容積が減少するように付勢され
ている液室を備え、その液室に前記ブレーキシリ
ンダから排出されたブレーキ液を収容するものと
するとともに、その液室を前記ポンプをバイパス
して前記マスタシリンダに連通させる排出通路を
設け、その排出通路に、液室からマスタシリンダ
に向かう方向を順方向としかつその順方向の開弁
圧が前記付勢手段により液室に発生させられる液
圧より低い逆止弁を設けたことを要旨とするもの
である。
作 用 上記のようにすれば、リザーバはそれ自身、内
部に収容しているブレーキ液を排出する能力を備
えることとなるが、そのためにリザーバによつて
ブレーキ液に生じさせられる液圧は僅かであるた
め、アンチスキツド装置の作動中はリザーバをこ
のように構成したことの影響は生じない。アンチ
スキツド装置の作動中はマスタシリンダの液圧が
高いため、リザーバから排出通路を経てマスタシ
リンダにブレーキ液が排出されることはなく、逆
にマスタシリンダからブレーキ液がリザーバに流
入することは逆止弁によつて阻止されるからであ
り、また、電磁制御弁が降圧許容状態となつたと
きにはブレーキシリンダからブレーキ液が支障な
くリザーバに排出されるからである。
そして、ブレーキが解除されてマスタシリンダ
の液圧が低下した状態では、リザーバ内の液圧に
より排出通路の逆止弁が開かれ、リザーバ内のブ
レーキ液が排出通路を経てマスタシリンダに戻さ
れる。
実施例 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
第1図において38はリザーバタンクであり、
マスタシリンダ40に取り付けられてこれにブレ
ーキ液を供給する。マスタシリンダ40にはブー
スタ42を介してブレーキ操作部材たるブレーキ
ペダル44が接続されており、ブレーキペダル4
4の踏込操作に応じてマスタシリンダ40の2つ
の独立した加圧室に同じ高さの液圧が発生する。
マスタシリンダ40の各加圧室に発生した液圧
は、それぞれ左右の後輪46および48に設けら
れたブレーキのブレーキシリンダであるリヤホイ
ールシリンダ50および52と、左右の前輪54
および56に設けられたブレーキのフロントホイ
ールシリンダ58および60とに供給される。本
実施例の液圧ブレーキ装置は前後2系統式となつ
ているのである。なお、前後のブレーキ系統は基
本的な構成がほぼ同じであるので、以下、同様の
作用を為すものについて前後の系統に共通の符号
を付すとともに、前輪のブレーキ系統を主体に説
明し、後輪のブレーキ系統については必要に応じ
て補足することとする。
マスタシリンダ40とフロントホイールシリン
ダ58および60とをつなぐ主液通路の途中に
は、各フロントホイールシリンダ58および60
に対して共通の切換弁62とそれらフロントホイ
ールシリンダ58および60にそれぞれ対応した
2つの電磁制御弁64とが設けられており、それ
らによつて主液通路がマスタシリンダ側通路6
6、中間通路68および2つのホイールシリンダ
側通路70に分けられている。なお、後輪のブレ
ーキ系統では、図から明らかなように、切換弁6
2と電磁制御弁64とがいずれもリヤホイールシ
リンダ50および52に対して共通とされてお
り、この点において前輪のブレーキ系統と異なつ
ている。
各電磁制御弁64にはリザーバ通路76が接続
され、その先端に共通のリザーバ78が設けられ
ている。第2図に示すように、リザーバ78のハ
ウジング80内にはピストン82が液密かつ摺動
可能に配設されており、これによつて容積可変の
液室84が形成されている。ピストン82はハウ
ジング80によつてその移動範囲が規制されてい
るとともに、付勢手段たるスプリング86によつ
て液室84の容積を減少させる方向に付勢されて
いる。
上記リザーバ78に蓄えられたブレーキ液はポ
ンプ88によつて汲み上げられ、アキユムレータ
90によつて脈動を緩和されつつポンプ通路92
および前記切換弁62を経て主液通路の一部であ
る中間通路68へ供給されるようになつている。
また、ポンプ88の前後にはリザーバ78からア
キユムレータ90へ向かう方向を順方向とする一
対の逆止弁93が設けられ、ブレーキ液がリザー
バ78へ逆流しないようにされているとともに、
これらポンプ88と2個の逆止弁93との直列回
路に対して並列にリリーフバルブ94が接続さ
れ、アキユムレータ90内の液圧が設定値を超え
た場合にはポンプ88から吐出されたブレーキ液
がリリーフバルブ94を経てリザーバ78に還流
するようにされている。
また、リザーバ78と主液通路の一部であるホ
イールシリンダ側通路70との間には、逆止弁9
5を備えた排出通路96が設けられている。逆止
弁95はリザーバ78からホイールシリンダ側通
路70に向かう方向を順方向として設けられてお
り、その順方向の開弁圧が、リザーバ78の液室
84にスプリング86によつて発生させられる液
圧より低くされている。
また、主液通路には切換弁62および各電磁制
御弁64をバイパスする2本のバイパス通路97
が設けられ、それらバイパス通路97の途中に各
フロントホイールシリンダ58および60側から
マスタシリンダ40側へ向かう方向を順方向とす
る逆止弁98がそれぞれ設けられている。したが
つて、ブレーキペダル44の踏込みが解除され、
マスタシリンダ液圧が低下させられた場合には、
フロントホイールシリンダ58および60から各
電磁制御弁64および切換弁62をバイパスして
ブレーキ液が速やかにマスタシリンダ40へ戻る
ことが可能である。
前記電磁制御弁64は昇圧許容状態と液圧保持
状態と降圧許容状態との3つの状態に切換えが可
能な切換弁とされている。昇圧許容状態は、第1
図に示されているように中間通路68を各対応す
るホイールシリンダ側通路70に連通させて、マ
スタシリンダ40もしくはポンプ88から中間通
路68に供給されるブレーキ液によつて各対応す
るフロントホイールシリンダ58および60の液
圧が上昇することを許容する状態であり、液圧保
持状態は、中間通路68、ホイールシリンダ側通
路70およびリザーバ通路76のすべてを遮断し
て、対応するフロントホイールシリンダ58およ
び60の液圧を一定に保持する状態である。ま
た、降圧許容状態は、各対応するホイールシリン
ダ側通路70をリザーバ通路76に連通させ、フ
ロントホイールシリンダ58および60からブレ
ーキ液がリザーバ78へ流出してホイールシリン
ダ液圧が下降することを許容する状態である。
これらの電磁制御弁64の切換えはコントロー
ラ99によつて行われる。このコントローラ99
はマイクロコンピユータを主体とするものであ
り、左右前輪54および56の回転速度を検出す
る回転センサ100の出力信号からそれら前輪5
4および56のスリツプ状態を推定し、各電磁制
御弁64のソレノイド101に対する電流の供給
を制御することによりそれら電磁制御弁64を前
記3つの状態に切り換えて、左右前輪54および
56のスリツプ率が適正な値となるように制御す
るのであるが、公知のものであり、またこの切換
制御自体は本考案を理解する上で必ずしも不可欠
なものではないため、詳細な説明は省略する。な
お、このコントローラ99による制御は後輪のブ
レーキ系統に対しても同様に行われるが、後輪の
系統では両後輪46および48の平均スリツプ率
が適正な値となるように制御される。また、前記
ポンプ88を駆動するモータ102もこのコント
ローラ99で制御されるようになつており、アン
チスキツド装置によるフロントホイールシリンダ
58および60の液圧制御が開始されたとき、換
言すれば、2つの電磁制御弁64のうちの一方が
昇圧許容状態から液圧保持状態若しくは降圧許容
状態へ第一回目に切り換えられたときモータ10
2が起動され、アンチスキツド装置の作動中は継
続してポンプ88を駆動するようになつている。
前記切換弁62は、第3図に示すように、その
ハウジング104内に、前記マスタシリンダ側通
路66、中間通路68およびポンプ通路92に連
通するように形成された弁室106と、ポンプ通
路92上においてその弁室106に近接して形成
されたピストン室108とを備えている。弁室1
06にはマスタシリンダ側通路66およびポンプ
通路92の開口部が互に対向する状態で形成され
ており、それぞれその開口部に第一の弁座110
と第二の弁座112とが形成されている。そし
て、それら弁座110および112とに択一的に
着座し得る状態で球状の弁子114が設けられ、
常にはスプリング116により第二の弁座112
に着座させられて、ポンプ通路92を遮断してマ
スタシリンダ側通路66を中間通路68に連通さ
せる一方、そのスプリング116の付勢力に抗し
て第一の弁座110に着座させられたときには、
マスタシリンダ側通路66を遮断してポンプ通路
92を中間通路68に連通させるようになつてい
る。
前記ピストン室108内にはピストン部材11
8が摺動可能に嵌合されており、これによつてピ
ストン室108が弁室106側の第一室120と
ポンプ88側の第二室122とに分けられてい
る。ピストン部材118にはそれら第一室120
と第二室122とを連通させる絞り通路124が
形成されているとともに、前記弁子114に当接
し得る状態で突出部126が形成されている。ピ
ストン部材118は常に弁子114を介して加え
られる前記スプリング116の付勢力によつて第
二室122側に移動させられているが、ポンプ8
8の起動に伴つて第二室122側から第一室12
0側へのブレーキ液の流れが生じたときには、上
記絞り通路124に基づいて生じる第一室120
と第二室122との間の液圧差によつて第一室1
20側に移動させられ、突出部126によつて弁
子114を前記第一の弁座110に着座させるよ
うになつている。
以上のように構成された液圧ブレーキ装置にお
いて通常は切換弁62が第3図に示す状態にあつ
てマスタシリンダ側通路66と中間通路68とを
連通させており、かつ、電磁制御弁64が第1図
の状態にあつて中間通路68とホイールシリンダ
側通路70とを連通させている。また、リザーバ
78は液室84の容積が最小の状態にあり、ポン
プ88は停止している。
この状態においてブレーキペダル44が踏み込
まれればマスタシリンダ40に液圧が発生し、マ
スタシリンダ側通路66、切換弁62、中間通路
68、電磁制御弁64およびホイールシリンダ側
通路70を経てブレーキ液がフロントホイールシ
リンダ58および60に供給される。その結果、
ブレーキが作動して前輪54および56が制動さ
れることとなるが、この制動力が路面の摩擦係数
との関係において低ければ前輪54および56の
スリツプ率が過大となることはなく、コントロー
ラ99が電磁制御弁64を切り換えず、また、ポ
ンプ88を駆動するモータ102を起動させるこ
ともなくアンチスキツド装置は作動しない。した
がつて、本実施例の液圧ブレーキ装置はアンチス
キツド装置がない通常の液圧ブレーキ装置と同様
に作動する。なお、このとき、電磁制御弁64等
に漏れが生じてリザーバ78にブレーキ液が流入
することがあつても、1回の制動が終了して主液
通路の液圧が低下する毎にリザーバ78からブレ
ーキ液が排出される。主液通路の液圧が低下すれ
ば、リザーバ78内の液圧により逆止弁95が開
かれ、ブレーキ液が排出通路96と、主液通路
(詳細にはホイールシリンダ側通路70、電磁制
御弁64、中間通路68、切換弁62およびマス
タシリンダ側通路66)とを経てマスタシリンダ
40に戻されるため、ブレーキ液がリザーバ78
に留まることがないのであり、次にアンチスキツ
ド装置が作動してフロントホイールシリンダ58
および60からリザーバ78に向かつてブレーキ
液が排出されるとき、そのブレーキ液をリザーバ
78が確実に収容することが保証される。
フロントホイールシリンダ58および60の液
圧が路面の摩擦係数との関係において過大となれ
ば、前輪54および56のいずれか一方あるいは
両方のスリツプ率が適正値を超えて増大するた
め、コントローラ99は回転センサ100からの
信号に基づいてこの事実を検知し、スリツプ率が
過大となつた前輪に対応する電磁制御弁64のソ
レノイド101に励磁電流を供給して液圧保持状
態または降圧許容状態に切り換えるとともにモー
タ102を起動する。
フロントホイールシリンダ58(フロントホイ
ールシリンダ60についても同様であるため、以
下、フロントホイールシリンダ58についてのみ
説明する)に対応する電磁制御弁64が降圧許容
状態に切り換えられた場合にはフロントホイール
シリンダ58がリザーバ通路76に連通させら
れ、フロントホイールシリンダ58からリザーバ
78に向かつてブレーキ液が流出する。そして、
リザーバ78へ排出されたブレーキ液はポンプ8
8によつて汲み上げられ、アキユムレータ90に
よつて脈動を低減させられつつ切換弁62へ送ら
れる。その結果、切換弁62はマスタシリンダ側
通路66を中間通路68から遮断するとともに、
ポンプ通路92を中間通路68に連通させる。し
たがつて、ポンプ88から送られた高圧のブレー
キ液がマスタシリンダ側通路66を経てマスタシ
リンダ40に流入し、ブレーキペダル44を突き
戻す所謂キツクバツク現象の発生が防止される。
上述のようにしてフロントホイールシリンダ5
8の液圧が低下させられ、左前輪54に対する制
動力が低下すれば左前輪54のスリツプ率が適正
値まで低下し、あるいは適正値より小さくなるの
であるが、この事実をコントローラ99が検出
し、電磁制御弁64を液圧保持状態あるいは昇圧
許容状態に切り換える。昇圧許容状態に切り換え
られた場合には、前述のようにポンプ88から送
られてアキユムレータ90に蓄えられている高圧
のブレーキ液がフロントホイールシリンダ58へ
供給される。その結果、左前輪54のスリツプ率
が再び適正値を超えて増大すれば電磁制御弁64
が再び降圧許容状態に切り換えられ、以後、同様
の作動が繰り返されることによつてフロントホイ
ールシリンダ58の液圧が適正値付近に維持され
ることとなり、左前輪54のスリツプ率も適正値
付近に維持されることとなる。
なお、右前輪56および左右後輪46,48に
ついても同様な制御が行われ、結局、自動車は最
も効率良く、しかも走行安定性を損なうことなく
減速させられることとなる。
自動車が運転者の希望する速度まで減速してブ
レーキペダル44の踏込みが解除されれば、マス
タシリンダ40の液圧が低下する。そのため、切
換弁62および電磁制御弁64の状態如何を問わ
ず、フロントホイールシリンダ58等、各ブレー
キシリンダからブレーキ液がバイパス通路97、
逆止弁98およびマスタシリンダ側通路66を経
て速やかにマスタシリンダ40へ戻り、各車輪に
対する制動が速やかに解除される。
また、ブレーキペダル44が原位置へ復帰した
ことが図示しないスイツチによつて検知され、そ
れに基づいてコントローラ99が電磁制御弁64
を昇圧許容状態に復帰させ、同時にモータ102
を停止させる。したがつて、自動車が停止した後
にもポンプ88が作動し続け、耳障りな騒音が運
転者に聞こえることがなくなる。しかも、リザー
バ78からは逆止弁95、排出通路96および主
液通路を経てマスタシリンダ40へブレーキ液が
戻され、リザーバ78内にブレーキ液が残留する
ことがない。
また、ポンプ88の停止後にアキユムレータ9
0内のブレーキ液がすべて排出され、ポンプ通路
92にブレーキ液の流れがなくなれば、切換弁6
2が中間通路68とマスタシリンダ側通路68と
を連通させる状態に復帰する。したがつて、フロ
ントホイールシリンダ58等の全ブレーキシリン
ダが主液通路を経て完全にマスタシリンダ40に
連通した状態となり、ブレーキシリンダに液圧が
残つてブレーキの引き摺りを増大させる不具合が
回避される。
以上、本考案の一実施例を詳細に説明したが、
本考案はこれに限定されるものではなく、例えば
上記実施例においては逆止弁95および排出通路
96がリザーバ78とホイールシリンダ側通路7
0との間に設けられているが、マスタシリンダ側
通路66もしくは中間通路68とリザーバ78と
の間に設けることも可能である。要するに、排出
通路96はリザーバ78内のブレーキ液をマスタ
シリンダ40に戻すための通路であり、この排出
通路96を主液通路に接続するのは主液通路を排
出通路の一部として利用するためであつて、排出
通路96は少なくともブレーキが解除された状態
ではマスタシリンダ40と連通した状態となるよ
うに設ければよいのである。
その他、液圧ブレーキ装置全体の構成を変える
ことによつて互に独立に液圧を制御されるブレー
キの組合わせを変えるなど、当業者の知識に基づ
いて種々の変更、改良を施した態様で本考案を実
施することができる。
考案の効果 以上詳記したように、本考案はリザーバを容積
が可変であり、かつ、付勢手段により容積が減少
するように付勢されている液室を備えたものとす
ることによつてリザーバ自体に内部のブレーキ液
を排出する能力を与え、かつ、そのリザーバを、
リザーバにより発生させられる液圧より開弁圧が
低い逆止弁を備えた排出通路により、マスタシリ
ンダに接続したものであるため、1回の制動が終
了してマスタシリンダおよび主液通路の液圧が低
下させられる毎にリザーバ内のブレーキ液は逆止
弁を経て自然に排出されることとなる。
したがつて、リザーバからブレーキ液を汲み上
げるためのポンプをアンチスキツド装置の作動が
終了すると同時に停止させることができ、自動車
が停止した後にもポンプが作動して耳障りな運転
騒音を発生させることがなくなる。また、万一、
電磁制御弁等に漏れが生じて漏れたブレーキ液が
リザーバに流入した場合でも、リザーバは自身で
そのブレーキ液を排出することができるため、ア
ンチスキツド装置の作動時にブレーキシリンダか
ら排出されたブレーキ液をリザーバが収容し得な
くなる事態の発生が未然に防止され、アンチスキ
ツド装置の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例である液圧ブレーキ
装置を示す回路図であり、第2図および第3図は
それぞれ第1図におけるリザーバおよび切換弁を
模型的に示す正面断面図である。 40……マスタシリンダ、44……ブレーキペ
ダル(ブレーキ操作部材)、{50,52……リヤ
ホイールシリンダ、58,60……フロントホイ
ールシリンダ}(ブレーキシリンダ)、62……切
換弁、64……電磁制御弁、{66……マスタシ
リンダ側通路、68……中間通路、70……ホイ
ールシリンダ側通路}主液通路、78……リザー
バ、80……ハウジング、82……ピストン、8
4……液室、86……スプリング(付勢手段)、
88……ポンプ、95……逆止弁、96……排出
通路、99……コントローラ。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 ブレーキ操作部材44の操作に応じてブレーキ
    液圧を発生させるマスタシリンダ40と、 車輪46,48,54,56の回転を抑制する
    ブレーキを作動させるブレーキシリンダ50,5
    2,58,60と、 マスタシリンダに発生したブレーキ液圧をブレ
    ーキシリンダに導く主液通路66,68,70
    と、 その主液通路の途中に設けられ、ブレーキシリ
    ンダをマスタシリンダに連通させてブレーキシリ
    ンダ液圧の上昇を許容する昇圧許容状態と、ブレ
    ーキシリンダをリザーバ78に連通させてブレー
    キシリンダ液圧の下降を許容する降圧許容状態と
    に切換えが可能な電磁制御弁64と、 前記車輪のスリツプ率が適正範囲となるように
    電磁制御弁を制御するコントーラ99と、 前記リザーバからブレーキ液を汲み上げ、前記
    主液通路のマスタシリンダと電磁制御弁との間の
    部分に供給するポンプ88と を含む自動車用アンチスキツド型液圧ブレーキ装
    置において、 前記リザーバ78を、容積が可変でありかつ付
    勢手段86により容積が減少するように付勢され
    ている液室84を備え、その液室に前記ブレーキ
    シリンダから排出されたブレーキ液を収容するも
    のとするとともに、その液室を前記ポンプ88を
    バイパスして前記マスタシリンダ40に連通させ
    る排出通路96を設け、その排出通路に、液室か
    らマスタシリンダに向かう方向を順方向としかつ
    その順方向の開弁圧が前記付勢手段により液室に
    発生させられる液圧より低い逆止弁95を設けた
    ことを特徴とする液圧ブレーキ装置。
JP8477084U 1984-06-07 1984-06-07 自動車用アンチスキツド型液圧ブレ−キ装置 Granted JPS613059U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8477084U JPS613059U (ja) 1984-06-07 1984-06-07 自動車用アンチスキツド型液圧ブレ−キ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8477084U JPS613059U (ja) 1984-06-07 1984-06-07 自動車用アンチスキツド型液圧ブレ−キ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS613059U JPS613059U (ja) 1986-01-09
JPH0423719Y2 true JPH0423719Y2 (ja) 1992-06-03

Family

ID=30634557

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8477084U Granted JPS613059U (ja) 1984-06-07 1984-06-07 自動車用アンチスキツド型液圧ブレ−キ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS613059U (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4244674C2 (de) * 1991-11-07 1998-07-23 Tokico Ltd Antiblockiersystem
DE4237561C2 (de) * 1991-11-07 1998-06-04 Tokico Ltd Antiblockiersystem
JP2006182095A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Honda Motor Co Ltd ブレーキ液圧制御装置

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4932494A (ja) * 1972-07-24 1974-03-25
JPS5741236A (en) * 1980-08-22 1982-03-08 Nissan Motor Co Ltd Anti-skid control device
JPS5799447A (en) * 1980-12-10 1982-06-21 Nippon Air Brake Co Ltd Antiskid device
JPS5873461A (ja) * 1981-07-06 1983-05-02 Nippon Air Brake Co Ltd 車両用アンチスキツド装置
JPS58156441A (ja) * 1982-03-12 1983-09-17 Akebono Brake Ind Co Ltd アンチスキツド制御装置
JPS598554A (ja) * 1982-07-05 1984-01-17 Akebono Brake Ind Co Ltd 車輪ロツク防止装置
JPS5911950A (ja) * 1982-07-09 1984-01-21 Aisin Seiki Co Ltd 車両用アンチスキツド装置
JPS5912497A (ja) * 1982-07-14 1984-01-23 日産自動車株式会社 制振方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4932494A (ja) * 1972-07-24 1974-03-25
JPS5741236A (en) * 1980-08-22 1982-03-08 Nissan Motor Co Ltd Anti-skid control device
JPS5799447A (en) * 1980-12-10 1982-06-21 Nippon Air Brake Co Ltd Antiskid device
JPS5873461A (ja) * 1981-07-06 1983-05-02 Nippon Air Brake Co Ltd 車両用アンチスキツド装置
JPS58156441A (ja) * 1982-03-12 1983-09-17 Akebono Brake Ind Co Ltd アンチスキツド制御装置
JPS598554A (ja) * 1982-07-05 1984-01-17 Akebono Brake Ind Co Ltd 車輪ロツク防止装置
JPS5911950A (ja) * 1982-07-09 1984-01-21 Aisin Seiki Co Ltd 車両用アンチスキツド装置
JPS5912497A (ja) * 1982-07-14 1984-01-23 日産自動車株式会社 制振方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS613059U (ja) 1986-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3866983A (en) Anti-skid device for automotive vehicles
JPH0572312B2 (ja)
US4779935A (en) Anti-skid apparatus for an automotive vehicle
JPH0551500B2 (ja)
JP3115909B2 (ja) 車両用アンチロックブレーキおよびトラクションコントロールシステム用油圧モジュレータ
US6402264B1 (en) Hydraulic wheel brake system
JPS61160343A (ja) キツクバツク防止形アンチスキツド液圧ブレ−キ装置
US5947566A (en) Brake booster system
JPH0423719Y2 (ja)
JPH0672301A (ja) 液圧式ブレーキ装置付き自動車におけるブレーキ時および駆動時の車輪スリップを防止するためのブレーキ液圧調節装置
JPH0553672B2 (ja)
US4834468A (en) Antiskid apparatus
JP4484986B2 (ja) ブレーキ液圧源装置およびブレーキ装置
JP3330161B2 (ja) 車両用ブレーキ装置
JPS62191260A (ja) 車輪ロツク防止装置
JPH0423718Y2 (ja)
JPS62187640A (ja) 車輪ロツク防止装置
JPH06312658A (ja) 液圧ブレーキ装置
JPH0423088Y2 (ja)
JPS63270270A (ja) 車輪ロツク防止装置
JPH0218147A (ja) 自動車のアンチロック制御装置を備えたブレーキ装置
JPS60209351A (ja) アンチスキツド装置
JPS60206760A (ja) アンチスキツド装置
JPH0229012Y2 (ja)
JPH05201320A (ja) 還流式アンチスキッド型液圧ブレーキ装置