JPH0519897Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はテープリールロツク機構を有するテー
プカセツトに関する。

〔従来技術〕 従来、磁気テープカセツト、特にビデオテープ
カセツトには、不使用時の保存の為に、または運
搬等による磁気テープの巻き緩みを防止する為
に、カセツト内部に収納されたリールをロツクす
る機構が設けられている。

第１図の分解斜視図で示すように、このリール
ロツク部材２は、可撓爪４及び５を有し、バネ３
によつて内方に、即ちロツク位置に押圧されるよ
うに、下ハーフ１３の案内溝１４に取りつけられ
る。下ハーフ１３は、リール８及び９おハブを取
りつけるための開口を有し、またその後壁１には
案内溝１４を形成するように内方に突出する垂直
ピース片が一体に形成されている。また、リール
ロツク部材２の可撓爪４及び５を案内する為のピ
ン部材３３及び３５が下ハーフ１３に一体に設け
られている。リール８は、ラチエツト６を周囲に
設けた下フランジ１０を有し、リール９は、同様
に、ラチエツト７を周囲に設けた下フランジ１１
を有している。なお、１２は磁気テープを示す。

リールロツク部材２は、不使用時等において
は、バネ３によつて内方に押圧されて、その可撓
爪４及び５がリール８及び９のラチエツト６及び
７にそれぞれ係合し、リール８及び９の回転をロ
ツクするように構成されている。

そして、バネ３の下ハーフに対する取り付け
は、第２図及び第３図に示すように、第１軸２２
でバネ３を支持し、その一端２１を第２軸２３に
係止させ、その他端２０をロツク部材２に形成し
た溝１９に係止させている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このテープカセツトの組み立ては、自動組立機
によつて行われるが、バネを下ハーフに組み込む
とき、従来の第２軸２３は、第５図で示すよう
に、その頂部に載頭円錐状の面取りがなされてい
るため、水平方向の面取り間隔が狭く、バネが第
２軸２３の頂部中心に当たつてしまい、バネが曲
がつたり、第２軸が白化や変形を起こしてしま
う。

その結果、機械が止まり、稼動率が悪くなつて
しまうという問題があつた。

したがつて、本考案の目的は、自動組立機によ
る作業の際、バネが第２軸の頂部中心に当たるこ
とから生じる前述の問題点をなくして、バネを下
ハーフにスムースに組み込むことができるような
テープカセツトを提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上述の目的を達成するため、本考案は、テープ
カセツト内に収納された一対のテープリールに係
合するロツク位置と、一対のテープリールから離
間する解除位置との間で摺動するリールロツク部
材とを備えるテープカセツトにおいて、下ハーフ
の第１軸に支持され、リールロツク部材を前記ロ
ツク位置に押圧するバネの一端を係止する第２軸
の上端面を、前記バネの一端を係止する側にのみ
向けて下方傾斜させた、テープカセツトを提供す
る。

〔実施例〕

次に図面を参照して、本考案の実施例を説明す
る。第１図は、本考案のテープカセツトの分解斜
視図、第２図は、下ハーフに取りつけたリールロ
ツク部材の拡大平面図、第３図は、その側面図、
第４図は、本考案に従つて形成された第２軸の拡
大側面図、第５図は、従来の第２軸の側面図あ
る。

第１図〜第３図に示すように、下ハーフ１３に
は第１軸２２及び第２軸２３が一体に形成されて
いる。リールロツク部材２は下ハーフ１３に形成
した案内溝１４に挿入され、第１軸２２に支持し
たバネ３によつてロツク位置に押圧された状態で
取りつけられる。即ち、第１軸２２に支持したバ
ネ３は、その一端２１が第２軸２３に係止され、
その他端２０がリールロツク部材２の溝１９に係
止される。本考案による第２軸２３は、第４図に
示すように、その上端面が傾斜されており、傾斜
面は上端面の面積の半分以上を占めている、すな
わち、バネ３の一端２１を係止する側に向けて下
方傾斜されている。具体的には、傾斜面は、第２
図において上方に向けられている。

本考案のテープカセツトの組み立ては、自動組
立機によつて行われ、バネ３は、リールロツク部
材が下ハーフに取りつけられた後、自動組立機の
フインガーに把持されて下ハーフに対して上方か
ら取りつけられる。このとき、本考案の第２軸２
３は、既に説明したように、内方に向かつて大き
く傾斜されているので、バネ３を下ハーフに向か
つて下げるとき、たとえ第２軸の中心より第２図
で見て多少下方にずれたとしても、バネ３の一端
２１は、傾斜面に案内され、バネ３は所定位置に
取付けられる。

これに対して、第５図に示すような載頭円錐状
の面取りがされている従来技術の軸では、上端面
の平らな部分にバネ端が当たる可能性が高く、ま
た、最悪の場合には、反対側の面取り部分に当た
つてしまい、第２図において点線２４で示すよう
に定位置には取りつけられないことになる。

〔考案の効果〕

以上詳細に説明したように、本考案は、リール
ロツク部材を押圧するバネの一端を係止する第２
軸の上端面を、バネの一端２１を係止する側にの
み向けて下方傾斜させたので、テープカセツトの
組み立ての際、バネをスムースに組み込むことが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のテープカセツトの分解斜視
図、第２図は、下ハーフに取りつけたリールロツ
ク部材の拡大平面図、第３図は、その側面図、第
４図は、本考案に従つて形成された第２軸の拡大
側面図、第５図は、従来の第２軸の側面図であ
る。 ２……リールロツク部材、４，５……可撓爪、
３……バネ、２１，２０……バネの端部、２２…
…第１軸、２３……第２軸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) テープカセツト内に収納された一対のテープ
   リールに係合するロツク位置と、一対のテープ
   リールから離間する解除位置との間で摺動する
   リールロツク部材とを備えるテープカセツトに
   おいて、 下ハーフの第１軸に支持され、リールロツク
   部材を前記ロツク位置に押圧するバネの一端を
   係止する第２軸の上端面を、前記バネの一端を
   係止する側にのみ向けて下方傾斜させたことを
   特徴とする、 前記テープカセツト。 (2) 前記第２軸の上端面の面積の少なくとも半分
   以上を傾斜させた、実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のテープカセツト。