JPH051983A - 分注ノズル洗浄装置 - Google Patents

分注ノズル洗浄装置

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JPH051983A
JPH051983A JP3020174A JP2017491A JPH051983A JP H051983 A JPH051983 A JP H051983A JP 3020174 A JP3020174 A JP 3020174A JP 2017491 A JP2017491 A JP 2017491A JP H051983 A JPH051983 A JP H051983A
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Hiroyuki Imabayashi
浩之 今林
Takenao Fujimura
毅直 藤村
Hisanobu Niimura
寿信 新村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単な手段で、分注ノズルの内面及び外面の洗
浄を充分に行うことができ、且つ、洗浄後に洗浄水が残
留しない。 【構成】第1及び第2の共振器36、37の間に、厚さ
1mmの圧電素子38を6枚積層し、これらを前記第1及
び第2の共振器36、37で挟持して構成されたランジ
ュバン振動子28を備えている。このランジュバン振動
子28の下部にはホーン部30が設けられている。この
ホーン部30の下部には、ステンレス製で中空の分注ノ
ズル32が下方に延出して設けられている。この分注ノ
ズル32の下方には、分注ノズル32に洗浄を施すため
の洗浄部34が設けられている。超音波振動の腹の効果
と、前記イオン交換水31の圧送力と、によって、分注
ノズル32の内面及び外面に渡って付着した試料35
は、分注ノズル32から完全に除去される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、医療用分析装
置に用いられ、試薬、検体等の試料を吸引し並びに吐出
する分注ノズルの洗浄を行う分注ノズル洗浄装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の分注ノズルの洗浄は、一
般的に、イオン交換水、洗剤等によって行われている。
しかし、最近では、特開昭60−42635号公報に開
示されているような、超音波洗浄器を用いて洗浄する洗
浄装置が開発されている。
【0003】このような洗浄装置には、図12に示すよ
うに、底部に超音波発生手段、即ち超音波振動部2、を
備えた洗浄槽4が設けられている。この洗浄槽4には、
その上部に、図示しないポンプから自動的に一定量の洗
浄水6を流入させる注入口8が、また、下部に、洗浄後
の汚水を流出させるための排水口10が設けられてい
る。
【0004】試薬、検体等の試料の分注工程等が終了し
た分注ノズル12は、前記洗浄槽4内に流入された洗浄
水6内に浸漬される。この浸漬の後、前記超音波振動部
2が作動して、洗浄槽4内に定在波の超音波振動を発生
させる。この超音波は、洗浄水6に伝導される。この結
果、分注ノズル12の外面及び内面に渡って超音波洗浄
が施される。
【0005】また、前記洗浄装置の変形例として、図1
3に示すような洗浄装置がある。なお、この装置の構成
のうち、図12と同一の構成は、同一の符号を付して、
その説明を省略する。この洗浄装置は、図示しない超音
波発生手段、即ち超音波振動部、に接続された伝導棒1
4を、洗浄槽4内の洗浄水6に浸漬させて、構成されて
いる。前記超音波振動部が作動して伝導棒14から超音
波振動を発生させる。この超音波振動が洗浄水6に伝導
され、分注ノズル12の超音波洗浄を施す。また、米国
特許第4、754、186号に開示されているような洗
浄装置もある。
【0006】図14に示すように、この洗浄装置は、超
音波振動を発生させる超音波発生手段、即ちランジュバ
ン振動子16と、このランジュバン振動子16からの超
音波振動が伝導されるホーン部18と、を備えている。
このホーン部18は、その内部に流路20が形成されて
おり、分注ノズルとして機能する。
【0007】また、前記ホーン部18は、図14の振幅
状態図に示すように、洗浄時での、ランジュバン振動子
16からの超音波振動の振動振幅が、小径部22で最大
となるように、構成されている。この結果、洗浄時、超
音波振動の最大振幅が前記小径部22に作用し、効率よ
くホーン部18の洗浄が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図12及び図
13に示すような洗浄装置では、前記試料を微量に吸引
して吐出するため、分注ノズル12の内径は、小径に形
成されている。このため、分注ノズル12の内面には、
超音波振動が伝達され難く、充分に洗浄することができ
ないという問題を生じる。
【0009】また、分注ノズル12のうち、前記洗浄水
6に浸漬されなかった部分に付着した、例えばラテック
ス等の微粒子、血液成分中の抗体や抗原体等の蛋白質及
び感染症等の付着物等は、洗浄水6を超音波振動させて
も、充分に除去できないという問題を生じる。
【0010】また、図14に示すような洗浄装置では、
振幅状態図に示すように、分注ノズルとして機能するホ
ーン部18のうち、前記小径部22の基端部に振動の節
が発生している。この節の部分に該当する部分には、超
音波振動が充分に発生していない。このため、この部分
の洗浄効果は低下し、付着物が溜りやすいという問題を
生じる。
【0011】このように、分注ノズル12(ホーン部1
8)の洗浄不良は、試料を吸引して吐出した後、次に、
吸引する試料へのキャリーオーバーや試薬間の相互汚染
(クロスコンタミネーション)を生じさせる。この結
果、分析機の性能が低下するという問題を生じる。
【0012】また、洗浄終了後、分注ノズル12(ホー
ン部18)に洗浄水が付着したままになっていると、試
料の濃度低下を引き起こす。この結果、分析機の分析精
度の低下という問題も生じる。
【0013】また、図15に示すように、試料の微量吸
引及び吐出するために分注ノズル12(ホーン部18)
の吐出口24の径は小径に構成されている。このため、
試料の吐出後、吐出口24に、表面張力で試料26が付
着して残留する場合がある。この結果、微量吐出が高精
度に行えず、分析精度の低下という問題も生じる。
【0014】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされ、その目的は、簡単な手段で、分注ノズルの
内面及び外面の洗浄を充分に行うことができ、且つ、洗
浄後に洗浄水が残留しない分注ノズル洗浄装置を提供す
ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明の分注ノズル洗浄装置は、試料を吸引し並
びに吐出して分注する分注ノズルに超音波振動の節を発
生させないで、又は、前記分注ノズルに前記節の位置を
任意に変化させつつ超音波振動を発生させて、前記分注
ノズルを振動させ、前記分注ノズルの内面及び外面に付
着した前記試料を、前記分注ノズルから振り落とす超音
波発生手段を備えたことを特徴とする。また、前記超音
波発生手段が設けられた前記分注ノズルは、前記超音波
発生手段から発生した超音波振動により、振動して、吸
引され並びに吐出されて分注された前記試料を撹拌する
ことを特徴とする。
【0016】
【作用】超音波発生手段が、分注ノズルに超音波振動の
節を発生させないで、又は、前記分注ノズルに前記節の
位置を任意に変化させつつ超音波振動を発生させて、前
記分注ノズルを振動させる。この結果、分注ノズルの内
面及び外面に付着した試料は、分注ノズルから振り落と
される。
【0017】
【実施例】以下、本発明の分注ノズル洗浄装置の第1の
実施例について、図1を参照して説明する。
【0018】本実施例の分注ノズル洗浄装置は、超音波
発生手段、即ちランジュバン振動子28と、このランジ
ュバン振動子28の下部に設けられたホーン部30と、
を備えている。このホーン部30の下部には、ステンレ
ス製で中空の分注ノズル32が下方に延出して設けられ
ている。この分注ノズル32の下方には、分注ノズル3
2に洗浄を施すための洗浄部34が設けられている。
【0019】前記ランジュバン振動子28は、第1及び
第2の共振器36、37の間に、厚さ1mmの圧電素子3
8を6枚積層して構成されている。これら圧電素子38
は、第1の共振器36側から螺合された固定ボルト58
で、第1および第2の共振器36、37の間に挟持され
ている。この圧電素子38には、印加コード29が接続
されている。この圧電素子38には、この印加コード2
9を介して、図示しない電源回路から所定の共振周波数
を有する正弦波の電圧が加えられる。なお、挟持された
圧電素子38の外周面には、絶縁被覆40が施され、外
部からの電磁気作用が遮断されている。
【0020】また、第1及び第2の共振器36、37
は、夫々、弾性係数が大きく、且つ、振動減衰の少な
い、例えば、ステンレス、アルミ、ジュラルミン、リン
青銅等で形成されている。前記第2の共振器37の下端
部には、ホーン部30が接続されている。このホーン部
30は、前記第2の共振器37との接続部42と、この
接続部42から下方に突出したホーン細径部44と、を
備えている。このホーン細径部44は、前記接続部42
の下端面60から下方に向うに従って、外径が小さくな
るようにテーパが施されている。
【0021】このホーン細径部44の下端部に、前記分
注ノズル32が、例えば、接着若しくはロウ付け等によ
り固定されている。この分注ノズル32から、順に、ホ
ーン細径部44、接続部42を貫通して延出する流路4
6が形成されている。この流路46の延出端は、図示し
ない、例えば、シリンジ機構に接続されている。
【0022】このシリンジ機構から流路46を介して前
記分注ノズル32の先端に渡って、非圧縮性のイオン交
換水31(図2参照)が満たされている。このため、シ
リンジ機構の吸引圧縮作用は、そのまま分注ノズル32
の先端に作用する。
【0023】このようなシリンジ機構の作動により、例
えば、薬液・検体等の試料35が、空気層33(図2参
照)に追従して分注ノズル32の先端からホーン部30
の下端面60近傍まで吸引され、吐出される。吸引・吐
出工程が終了した分注ノズル32は、洗浄部34内に下
降される。
【0024】この洗浄部34内には、洗浄水供給パイプ
54を介して供給される洗浄水50を収容する洗浄槽4
8と、洗浄済の廃液を排水パイプ56方向に案内する廃
液槽52と、を備えている。
【0025】このような分注ノズル洗浄装置の各構成部
材は、図1の振幅状態図に示すように、ランジュバン振
動子28の圧電素子38が節、ランジュバン振動子28
とホーン部30との接触面が腹、前記接続部42の下端
面60が節、分注ノズル32の先端が腹となるように、
その軸方向の長さ寸法を周波数の約1/4波長に設定さ
れている。なお、この固定ボルト58のねじ部の直径
は、第1及び第2の共振器36、37の直径の約1/3
が好ましい。
【0026】また、前記圧電素子38の振幅状態図の節
に当る部分には、止板27が介挿されている。この止板
27は、所定のベースに固定されている。この結果、分
注ノズル32は、洗浄部34上に位置付けられる。次
に、このように構成された本実施例の分注ノズル洗浄装
置の作動について、図1及び図2を参照して、説明す
る。
【0027】前記ランジュバン振動子28には、前記分
注ノズル32の先端が洗浄水50に接触するまでに、前
記印加コード29を介して上述した振幅状態の共振周波
数を有する正弦波の電圧が印加される。電圧の印加によ
りランジュバン振動子28から超音波振動が発生する。
この超音波振動は、第2の共振器37を介してホーン部
30に伝達される。このホーン部30で前記超音波振動
は、その縦振動が増幅されて、分注ノズル32に伝達さ
れる。この分注ノズル32は、超音波振動をしながら、
洗浄水50が満たされた洗浄槽48内に下降する。
【0028】分注ノズル32が洗浄水50内に浸漬した
とき、前記シリンジ機構が作動して、イオン交換水31
を分注ノズル32の先端に圧送させる。この圧送力によ
り、分注ノズル32内に残留した試料35を洗浄水50
内に吐出させる。このとき、上述したように試料35
は、ホーン部30の前記下端面60近傍まで吸引される
ので、分注ノズル32のうち、前記振幅状態図の節の部
分には、試料35は接触されない。
【0029】この結果、前記超音波振動の腹の効果と、
前記イオン交換水31の圧送力と、によって、分注ノズ
ル32の内・外面に渡って付着した試料35は、分注ノ
ズル32から吐出される。
【0030】この吐出と同時に、洗浄槽48内には、洗
浄水供給パイプ54を介して洗浄水50が供給され、前
記除去された試料35と共に、洗浄槽48からオーバー
フローさせる。オーバーフローされた廃液は、廃液槽5
2に集められ、排水パイプ56を介して外部に放出され
る。
【0031】洗浄後も、超音波振動は、分注ノズル32
の先端が、洗浄水50の水面から数ミリ離間した位置
で、数秒間継続される。このため、分注ノズル32外周
面に付着した洗浄水50の水滴が振り落とされる。この
結果、次の検査に対する影響が防止される。
【0032】このような本実施例の分注ノズル洗浄装置
によれば、超音波振動を単に分注ノズル28に伝達させ
るのではなく、振動の節に試料を接触させないように、
超音波振動を伝達させる。この結果、分注ノズル28の
内・外面を完全に洗浄することができ、キャリーオーバ
ーやコンタミネーションもなく、高精度の分析ができ
る。
【0033】また、このように、ランジュバン振動子2
8を超音波発生手段として利用する場合、約10〜15
℃の発熱現象が起こる。この結果、洗浄効果を向上させ
る付随効果を発生させる。
【0034】このような温度上昇は、分析機のサイクル
タイムが一定なので、所定の温度以上に上昇することは
ない。このため、試薬、検体等の試料に悪影響を与える
ことはない。
【0035】なお、酸素基質反応を利用した発色による
キャリーオーバー実験を行った。この実験によると、通
常の洗浄水だけの洗浄方法による次の試料へのキャリー
オーバーの濃度に対し、本実施例の分注ノズル洗浄装置
の分注ノズル32では、その濃度を1/100に低下さ
せることができた。この結果、ほとんど完全に洗浄が施
され、特に、感染症等の分析においても、充分に応用で
きることが判明した。
【0036】なお、本実施例は、上述の構成に限定され
ない。例えば、超音波振動の代りに可聴域の振動でもよ
い。即ち、本実施例のランジュバン振動子28の圧電素
子38に10KHzの周波数の電圧を印加する。この場
合、通常の洗浄水だけの洗浄方法による次の試料へのキ
ャリーオーバーの濃度に比べて、約1/10に濃度を低
下させることができる。また、図3に示すように、ホー
ン部30のホーン細径部44の下端部に、分注ノズル3
2と液面検知針62とを併置させる構成にしてもよい。
この場合、両者を同時に洗浄することができる。
【0037】次に、本発明の分注ノズル洗浄装置の第2
の実施例について、図4を参照して説明する。なお、本
実施例の分注ノズル洗浄装置の構成のうち、第1の実施
例の構成と同一の部分には、同一の符号を付してその説
明を省略する。
【0038】本実施例の分注ノズル洗浄装置も、止板2
7で所定のベースに固定された第1の実施例と同様のラ
ンジュバン振動子28を備えている。このランジュバン
振動子28の第2の共振器37の下端面には、振動板6
4がボルト63で締結されている。この振動板64の自
由端に、分注ノズル32が、接着若しくはロウ付けされ
て支持されている。
【0039】このように支持された分注ノズル32が、
下方に配置された洗浄槽48内の洗浄水50に接触する
までに、ランジュバン振動子28には、第1及び第2の
共振周波数の正弦波の電圧が、図示しない回路から印加
コード29を介して、交互に、印加される。
【0040】まず、第1の周波数として縦振動モードを
印加すると、ランジュバン振動子28が作動して、振動
板64を矢印F方向に振動させる。この結果、分注ノズ
ル32は、洗浄水50の面に対して垂直方向に、上下動
する。
【0041】次に、第2の周波数としてねじり振動モー
ドを印加すると、ランジュバン振動子28が作動して、
振動板64を矢印S方向に振動させる。この結果、分注
ノズル32は、ねじり振動して、その先端が揺動する。
これら第1及び第2の周波数を交互に印加された分注ノ
ズル32は、超音波振動させながら洗浄水50内に浸漬
される。
【0042】浸漬されたとき、図示しないシリンジ機構
が作動して、イオン交換水を分注ノズル32の先端方向
に押圧する。この押圧力により、分注ノズル32内部に
吸引又は付着した試料が吐出される。
【0043】このとき、前記縦振動モード及びねじり振
動モードの周波数を交互に変化させることにより、振動
の節と腹の位置が夫々異なった位置に発生する。このた
め、縦振動の節の位置に付着した試料等の付着物は、ね
じり振動の腹の位置でふるい落とされる。逆に、ねじり
振動の節の位置に付着した付着物は、縦振動の腹の位置
でふるい落とされる。
【0044】この結果、分注ノズル32の内面に残留し
た試料は、イオン交換水の水圧と共にふるい落とされ
る。また、外面に付着した試料も、分注ノズル32の上
述したような振動により洗浄水50との間に発生する水
圧により除去される。
【0045】同時に、洗浄水供給パイプ54から洗浄水
50が供給され、吐出された廃液と共に、洗浄槽48か
らオーバーフローさせる。オーバーフローした廃液は、
廃液槽52に集められ、排水パイプ56を介して外部に
放出される。
【0046】洗浄後も、超音波振動は、分注ノズル32
の先端が、洗浄水50の水面から数ミリ離間した位置
で、数秒間継続される。このため、分注ノズル32外周
面に付着した洗浄水50の水滴が振り落とされる。この
結果、次の検査に対する影響が防止される。
【0047】なお、本実施例は、上述の構成に限定され
ない。例えば、上述の振動の節又は腹の位置を変化させ
る方法として、縦振動モードにおける一次共振と二次共
振とを相互に印加してもよい。この場合でも、上述の例
と同一の効果が得られる。また、分注ノズル32の設置
状態を、図5に示すような構成にしてもよい。
【0048】第2の共振器37の下端面中央部に断面V
字状の溝72を形成する。この溝72内に分注ノズル3
2を配置する。この分注ノズル32を固定板68で支持
する。この状態で、2本のボルト66で固定板68を第
2の共振器37に固定する。この結果、分注ノズル32
は、第2の共振器37の下端面に固定される。このよう
に構成すると、分注ノズル32が外力により破損した場
合でも、簡単に交換することができる。
【0049】また、本実施例では、1本の分注ノズル3
2の洗浄装置を示したが、図6に示すような構成にし
て、多数の分注ノズル32を同時に洗浄できるような構
成としてもよい。多数の分注ノズル32が一対の振動板
74によって挟持され、所定のボルトを介して3個のラ
ンジュバン振動子28の第2の共振器37に接続されて
いる。
【0050】洗浄時、3個のランジュバン振動子28に
印加された電圧により生じた超音波振動は、多数の分注
ノズル32を夫々揺動させる。このため、各分注ノズル
32の内・外面に渡って洗浄が施される。この場合、ラ
ンジュバン振動子28よりも多い分注ノズル32を同時
に洗浄できる。この結果、洗浄効率が向上する。洗浄ス
ペースもコンパクトになる。その他の効果は第1の実施
例のものと同様である。
【0051】次に、本発明の分注ノズル洗浄装置の第3
の実施例について図7を参照して説明する。なお、本実
施例の分注ノズル洗浄装置の構成のうち、第1の実施例
の構成と同一の部分には、同一の符号を付してその説明
を省略する。
【0052】本実施例の分注ノズル洗浄装置は、止板2
7で所定のベースに固定された第1の実施例と同様のラ
ンジュバン振動子28を備えている。このランジュバン
振動子28の下端部には、ホーン部30が設けられてい
る。このホーン部30は、前記第2の共振器37に接続
した接続部42と、この接続部42の下端面60から下
方に突出したホーン細径部44と、を備えている。
【0053】このホーン細径部44の外周面には、分注
ノズル32の一部が巻き付けられた巻付部80が設けら
れている。この巻付部80は、接着又はロウ付け等によ
ってホーン細径部44に固定されている。このような分
注ノズル32の先端は、洗浄部34の洗浄槽48方向に
延出されている。なお、前記巻付部80は、吸引された
試料が付着して、特に、汚れが残る部分である。
【0054】前記ランジュバン振動子28には、前記分
注ノズル32の先端が洗浄水50に接触するまでに、共
振周波数の正弦波の電圧が図示しない回路から印加コー
ド29を介して印加される。電圧の印加によりランジュ
バン振動子28から超音波振動が発生する。この超音波
振動は、第2の共振器37を介してホーン部30に伝達
される。このホーン部30で前記超音波振動は、その縦
振動が増幅されて、分注ノズル32に伝達される。この
分注ノズル32は、超音波振動をしながら、洗浄水50
が満たされた洗浄槽48内に下降される。
【0055】分注ノズル32が洗浄水50内に浸漬され
たとき、前記シリンジ機構が作動して、イオン交換水を
分注ノズル32の先端に圧送させる。この圧送力によ
り、分注ノズル32内に残留した試料を洗浄水50内に
吐出させる。
【0056】図中の振幅状態図に示すように、前記超音
波振動の腹の効果と、前記イオン交換水31の圧送力
と、によって、分注ノズル32の内・外面に渡って付着
した試料は、分注ノズル32から完全に除去される。ま
た、分注ノズル32の巻付部80が設けられているホー
ン細径部44には、超音波振動の節が生じない。この結
果、洗浄不良を無くすることができる。
【0057】この除去と同時に、洗浄槽48内には、洗
浄水供給パイプ54を介して洗浄水50が供給され、前
記除去された試料と共に、洗浄槽48からオーバーフロ
ーさせる。オーバーフローされた廃液は、廃液槽52に
集められ、排水パイプ56を介して外部に放出される。
【0058】洗浄後も、超音波振動は、分注ノズル32
の先端が、洗浄水50の水面から数ミリ離間した位置
で、数秒間継続される。このため、分注ノズル32外周
面に付着した洗浄水50の水滴が振り落とされる。この
結果、次の検査に対する影響が防止される。このような
本実施例の分注ノズル洗浄装置も、第1の実施例の効果
と同様に、振動の節を発生しないため、洗浄不良をなく
することができる。
【0059】なお、本実施例は、上述の構成に限定され
ない。例えば、前記巻付部80の巻き付け回数を更に多
くする構成にすることもできる。この巻き付け回数の増
加により、多量の試料が吸引され、分注ノズル32内が
ひどく汚れても、上述したように、ホーン細径部44に
は、超音波振動の節が生じず、超音波振動が確実に伝達
される。この結果、洗浄不良を生じない。また、微量か
ら多量の試料に対して応用され得る。
【0060】また、図8に示すように、第2の共振器3
7の外面に断面L字状の切欠部81を設ける。この切欠
部81の面上に分注ノズル32を蛇行させ、固定板70
を介してボルト締めしてもよい。この場合も、その効果
は第1の実施例のものと同一である。
【0061】次に、本発明の分注ノズル洗浄装置の第4
の実施例について、図9及び図10を参照して説明す
る。なお、本実施例の分注ノズル洗浄装置の構成のう
ち、第1の実施例の構成と同一の部分には、同一の符号
を付してその説明を省略する。
【0062】本実施例の分注ノズル洗浄装置は、円環状
の圧電素子88を備えている。この圧電素子88には、
第1の振動を発生させるための第1の電極群94と第2
の振動を発生させるための第2の電極群96とが、互い
に、1/4波長ずれて(図10参照)形成されている。
これら第1及び第2の電極群94、96には、夫々、4
つの電極92が配置されている。
【0063】このような圧伝素子88の両側には、第1
及び第2の共振器83、85が配置されている。これら
各構成が集合して1つの超音波発生手段、即ち進行波型
超音波振動子84、を構成している。
【0064】第2の共振器85は、所定のベースにボル
ト締めされている。第1の共振器83の面上には、分注
ノズル80の一部が前記圧電素子88の形状に沿って円
弧状に這い回されている。這い回された部分の分注ノズ
ル80は、圧電素子88と同形の固定板86で挟持さ
れ、3本のボルト82で第1の共振器83の面上に締結
されている。なお、この分注ノズル80の先端は、洗浄
部34方向に延出されている。
【0065】このような分注ノズル洗浄装置において、
第1及び第2の電極群94、96には、分注ノズル80
の先端が洗浄水50に接触するまでに、1/4波長だけ
時間的にずれた共振周波数の正弦波の電圧が図示しない
回路から印加される。
【0066】電圧の印加により進行波型超音波振動子8
4からは、図中の振幅状態図に示すように、同心円弧状
に這い回された分注ノズル80の前記一部から、この分
注ノズル80の先端に向って移動する進行波の超音波振
動が発生する。この分注ノズル80は、超音波振動をし
ながら、洗浄水50が満たされた洗浄槽48内に下降さ
れる。
【0067】分注ノズル80が洗浄水50内に浸漬され
たとき、前記シリンジ機構が作動して、イオン交換水を
分注ノズル80の先端に圧送させる。この圧送力によ
り、分注ノズル80内に残留した試料を洗浄水50内に
吐出させる。このイオン交換水の圧送力と、前記超音波
振動によって、分注ノズル80の内面及び外面に渡って
付着した試料は、分注ノズル80から完全に除去され
る。
【0068】この除去と同時に、洗浄槽48内には、洗
浄水供給パイプ54を介して洗浄水50が供給され、前
記除去された試料と共に、洗浄槽48からオーバーフロ
ーさせる。オーバーフローされた廃液は、廃液槽52に
集められ、排水パイプ56を介して外部に放出される。
【0069】洗浄後も、超音波振動は、分注ノズル80
の先端が、洗浄水50の水面から数ミリ離間した位置
で、数秒間継続される。このため、分注ノズル80外周
面に付着した洗浄水50の水滴が振り落とされる。この
結果、次の検査に対する影響が防止される。
【0070】本実施例のように、前記超音波振動に進行
波を用いることにより、節が一定位置に発生するのを防
止している。また、分注ノズル80の振動の節腹が時間
と共に移動する。このため、一定時間に振動の節腹が交
互に繰返され、分注ノズル80の洗浄が行われる。ま
た、進行波によって、洗浄水50や試料等の付着物を搬
送させることができるため、試料、洗浄水の再付着を防
止することができる。
【0071】また、洗浄後、分注ノズル80の外面に付
着した洗浄水50の水滴を進行波の超音波振動によって
先端まで搬送し、先端から振り落とすことができる。こ
の結果、洗浄水50の水滴が確実に洗浄槽50内に戻さ
れる。その他の効果は第1の実施例と同様である。
【0072】次に、本発明の分注ノズル洗浄装置の第5
の実施例について、図11を参照して説明する。なお、
本実施例の分注ノズル洗浄装置の構成のうち、第1の実
施例の構成と同一の部分には、同一の符号を付してその
説明を省略する。
【0073】本実施例の分注ノズル洗浄装置は、L字状
に折り曲げられた分注ノズル100の部分を、エポキシ
系の接着剤を介して、挟持する厚さ0.2mmで台形状の
一対のリン青銅板102を備えている。
【0074】これらリン青銅板102は、その幅広の基
端部106が所定のベースに固定されている。このよう
なリン青銅板102の夫々の外面(前記分注ノズル10
0が介装された側とは反対側の面)には、これらリン青
銅板102よりわずかに小形で、厚さ0.3mmの台形状
の圧電素子104がエポキシ系の接着剤で接着されてい
る。このように構成されたリン青銅板102及び圧電素
子104が、全体として1つの超音波発生手段、即ちバ
イモルフ振動子108、を形成する。このバイモルフ振
動子108は、基端部106が節、先端部110が腹と
なるような振動モードで振動する。本実施例の場合も、
分注ノズル100が、洗浄水50に接触するまで、圧電
素子104に正弦波の電圧が図示しない回路より印加さ
れる。電圧の印加により、バイモルフ振動子108から
超音波振動が発生し、分注ノズル100に伝達される。
この分注ノズル32は、超音波振動をしながら、洗浄水
50が満たされた洗浄槽48内に下降され、上述の各実
施例と同様の洗浄が施される。
【0075】洗浄後も、上述と同様に、超音波振動は、
分注ノズル100の先端が、洗浄水50の水面から数ミ
リ離間した位置で、数秒間継続される。このため、分注
ノズル100外周面に付着した洗浄水50の水滴が振り
落とされる。
【0076】本実施例の場合、バイモルフ振動子108
は、その基端部106を中心に、先端部110が大きく
振動する。このため、先端部110から下方に延出され
ている分注ノズル100の先端には、数mmの振動振幅が
容易に発生される。
【0077】この結果、分注ノズル100の内外に付着
した試料、洗浄水50等の水滴や分注ノズル100の吐
出口に表面張力で付着した試料を短時間に振り落とすこ
とができる。
【0078】また、バイモルフ振動子108は、低電圧
駆動が可能で、駆動周波数が共振周波数でなくても、比
較的大きな振動振幅が得られ、発熱も少ない。また、基
端部106から前記分注ノズル100の吐出口までに振
動の節も発生しない。更に、バイモルフ振動子108
は、非常に薄形に形成することができ、この結果、分析
機の小形化が可能となる。
【0079】なお、以上、説明した各実施例の分注ノズ
ル洗浄装置において、分注ノズル32、80、100で
微量の試料を吸引し、図示しない反応セルに吐出すると
き、分注ノズル32、80、100の先端を超音波振動
させ、残留した試薬、検体を完全に振り落とすことがで
きる。そして、この超音波振動させた状態で、反応セル
内の液中に浸漬させ、これら試薬、検体の撹拌を行うこ
ともできる。この結果、試薬、検体の吐出量を高精度に
維持させることができると共に、試薬、検体の撹拌時間
を短縮させることもできる。
【0080】
【発明の効果】本発明は、超音波発生手段を分注ノズル
に設け、この分注ノズルに振動の節を発生させなかった
り、節の位置を任意に変化させるように構成されてい
る。このため、分注ノズルの内面及び外面の全体に渡っ
て、充分に洗浄を施すことができる。また、洗浄後も、
しばらくの間、分注ノズルを振動させることにより、洗
浄水の水滴も除去でき、分析性能の向上を図ることもで
きる。また、本発明の超音波発生手段は、コンパクトに
形成することができるので、これを設ける分析機も小型
にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の分注ノズル洗浄装置の
全体と、この分注ノズル洗浄装置の構成であるランジュ
バン振動子から発生する超音波振動の振幅状態と、の関
係を概略的に示す図。
【図2】図1の分注ノズル洗浄装置に設けられている分
注ノズルの一部を拡大して示す部分断面図。
【図3】図1の分注ノズル洗浄装置に設けられているホ
ーン細径部の下端部に、分注ノズルと液面検知針とを併
置させた第1の実施例の変形例を示す図。
【図4】本発明の第2の実施例の分注ノズル洗浄装置の
全体を概略的に示す図。
【図5】図4の分注ノズル洗浄装置の変形例であり、分
注ノズルが第2の共振器に取り付けられた状態を示す
図。
【図6】図4の分注ノズル洗浄装置の変形例であり、多
数の分注ノズルを同時に洗浄できるような構成とした分
注ノズル洗浄装置の全体を概略的に示す図。
【図7】本発明の第3の実施例の分注ノズル洗浄装置の
全体と、この分注ノズル洗浄装置の構成であるランジュ
バン振動子から発生する超音波振動の振幅状態と、の関
係を概略的に示す図。
【図8】図7の分注ノズル洗浄装置の変形例であり、分
注ノズルが第2の共振器に取り付けられた状態を拡大し
て示す図。
【図9】本発明の第4の実施例の分注ノズル洗浄装置の
全体と、この分注ノズル洗浄装置の構成である進行型超
音波振動子から発生する超音波振動の振幅状態と、の関
係を概略的に示す図。
【図10】図9の分注ノズル洗浄装置の構成である圧電
素子を拡大して示す平面図。
【図11】本発明の第5の実施例の分注ノズル洗浄装置
の全体と、その振動状態を概略的に示す図。
【図12】従来の分注ノズルの洗浄装置の全体を概略的
に示す図。
【図13】従来の分注ノズルの洗浄装置の全体を概略的
に示す図。
【図14】従来の分注ノズルの洗浄装置の全体を概略的
に示す図。
【図15】従来、分注ノズルの先端に、試料が付着して
残留した状態を拡大して示す部分断面図。
【符号の説明】
28…ランジュバン振動子、30…ホーン部、31…イ
オン交換水、32…分注ノズル、34…洗浄部、35…
試料、36…第1の共振器、37…第2の共振器、38
…圧電素子。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料を吸引並びに吐出して分注する分注
    ノズルに超音波振動の節を発生させないで、又は、前記
    分注ノズルに前記節の位置を任意に変化させつつ超音波
    振動を発生させて、前記分注ノズルを振動させ、前記分
    注ノズルの内面及び外面に付着した前記試料を、前記分
    注ノズルから振り落とす超音波発生手段を備えたことを
    特徴とする分注ノズル洗浄装置。
  2. 【請求項2】 前記超音波発生手段が設けられた前記分
    注ノズルは、前記超音波発生手段から発生した超音波振
    動により、振動して、吸引され並びに吐出されて分注さ
    れた前記試料を撹拌することを特徴とする請求項1に記
    載の分注ノズル洗浄装置。
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