JPH05197162A - 記録シート用支持体 - Google Patents

記録シート用支持体

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JPH05197162A
JPH05197162A JP795092A JP795092A JPH05197162A JP H05197162 A JPH05197162 A JP H05197162A JP 795092 A JP795092 A JP 795092A JP 795092 A JP795092 A JP 795092A JP H05197162 A JPH05197162 A JP H05197162A
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JP
Japan
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group
alkyl group
structural unit
carbon atoms
carbon number
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JP795092A
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English (en)
Inventor
Shigeo Kamijukkoku
成夫 上拾石
Masashi Takeda
正志 武田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 導電性にすぐれ、導電層と高抵抗誘電体との
親和性にもすぐれた記録シート支持体を提供すること。 【構成】 基体上に導電層を設けてなる記録シート用支
持体であって、導電層がオレフィン構造単位50〜98モル
%、アクリレート構造単位1〜15モル%およびマレイミ
ド構造単位1〜35モル%からなる線状に不規則に配列し
た重量平均分子量1000〜50000 のポリオレフィン系樹脂
を含有したポリオレフィン系樹脂層であることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録シート用支持体に関
する。さらに詳しくは、文字や図形に対応した電気信号
を静電画像に変換して記録する静電記録体や、電子写真
法により光信号を静電画像に変換して記録する電子写真
記録体などに好適に使用しうる記録シート用支持体に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に記録シート用支持体は、紙、ポリ
エステルフィルムなどの膜状物の片面または両面にたと
えばポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロラ
イドなどの高分子電解質や、イオン性活性剤などの導電
剤を塗布することによりえられている。
【0003】しかしながら、これらの導電剤はいずれも
親水性を呈するものであるため、導電性が湿度によって
変化するので、結果として静電記録体としたときに静電
記録性能が湿度によって変化するという問題があった。
【0004】前記問題を解決する方法としては、金属を
蒸着する方法や導電性フィラーを添加したバインダーを
塗布する方法があるが、これらの方法は工程が複雑であ
るため、コストが高くなるという問題がある。また、こ
れらの方法を電子写真記録体などに適用したばあいに
は、着色により自然性が失われるという問題がある。
【0005】さらに、従来の導電剤は、カチオン性基ま
たはアニオン性基などの親水性基を有するものである
が、導電剤上に塗布される高抵抗誘電体層にはシリコー
ン、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル共重合体、ポリアク
リル酸エステル、ポリスチレンなどの親油性の樹脂が用
いられるため、両者の親和性がわるく、高抵抗誘電体層
が導電層上に均一に塗布されにくく、また画像が不鮮明
になるという問題があった。
【0006】また、導電剤で分子量が比較的小さい、す
なわち重量平均分子量が1000以下のものは時間が経過す
るにしたがって基体や高抵抗誘電体に移行し、記録性能
を阻害するという問題がある。
【0007】また、金属を蒸着する方法や導電性フィラ
ーを添加したバインダーを塗布する方法では、金属膜と
塗布される高抵抗誘電体層間の親和性がないため、蒸着
前の基体に接着剤をアンダーコートしておく必要があ
り、さらに導電性フィラーを添加したバインダーを塗布
する方法では、バインダーの種類によって接着性が変化
するため記録画像が不鮮明になるという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、導電性にすぐれること
は勿論のこと、導電層と高抵抗誘電体との親和性にもす
ぐれた記録シート用支持体を提供することを目的とする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は基体上に導電層
を設けてなる記録シート用支持体であって、一般式(I)
【0010】
【化4】
【0011】(式中、R1 は水素原子またはメチル基を
示す)で表わされるオレフィン構造単位50〜98モル%、
一般式(II):
【0012】
【化5】
【0013】(式中、R2 は炭素数1〜4のアルキル基
を示す)で表わされるアクリレート構造単位1〜15モル
%および一般式(III) :
【0014】
【化6】
【0015】(式中、R3 は炭素数2〜8のアルキレン
基、R4 およびR5 はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル
基、R6 は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12の
アリールアルキル基、アルキル基で置換されていてもよ
い炭素数2〜4のエポキシ基または炭素数6〜12の脂環
アルキル基、Xはハロゲン原子、CH3 OSO3 または
2 5 OSO3 を示す)で表わされるマレイミド構造
単位1〜35モル%からなる線状に不規則に配列した重量
平均分子量1000〜50000 のポリオレフィン系樹脂を含有
したポリオレフィン系樹脂層であることを特徴とする記
録シート用支持体に関する。
【0016】
【作用および実施例】本発明の記録シート支持体は、前
記したように、一般式(I) :
【0017】
【化7】
【0018】(式中、R1 は水素原子またはメチル基を
示す)で表わされるオレフィン構造単位50〜98モル%、
一般式(II):
【0019】
【化8】
【0020】(式中、R2 は炭素数1〜4のアルキル基
を示す)で表わされるアクリレート構造単位1〜15モル
%および一般式(III) :
【0021】
【化9】
【0022】(式中、R3 は炭素数2〜8のアルキレン
基、R4 およびR5 はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル
基、R6 は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12の
アリールアルキル基、アルキル基で置換されていてもよ
い炭素数2〜4のエポキシ基または炭素数6〜12の脂環
アルキル基、Xはハロゲン原子、CH3 OSO3 または
2 5 OSO3 を示す)で表わされるマレイミド構造
単位1〜35モル%からなる線状に不規則に配列した重量
平均分子量1000〜50000 のポリオレフィン系樹脂を含有
したポリオレフィン系樹脂層を導電層として設けたもの
である。
【0023】前記ポリオレフィン系樹脂中のオレフィン
構造単位の割合は50〜98モル%である。該オレフィン構
造単位の割合が50モル%未満であるばあいには、前記ポ
リオレフィン系樹脂の軟化点が高くなって可撓性を損
い、また98モル%をこえるばあいには、前記ポリオレフ
ィン系樹脂の帯電防止能が小さくなりすぎるようにな
る。なお、本発明においては、前記オレフィン構造単位
の割合は、軟化点および帯電防止能の釣り合いの点か
ら、85〜97モル%であることが好ましい。前記オレフィ
ン構造単位において、R1 は水素原子またはメチル基で
あり、これらの基は1分子中に混在していてもよい。
【0024】前記ポリオレフィン系樹脂中の前記アクリ
レート構造単位の割合は1〜15モル%である。該アクリ
レート構造単位の割合が1モル%未満であるばあいに
は、前記ポリオレフィン系樹脂の強靭性や耐衝撃性を損
い、また15モル%をこえるばあいには、前記ポリオレフ
ィン系樹脂の軟化点が低くなり、タックやベタツキが生
じるようになる。本発明において、前記アクリレート構
造単位が含まれていることにより、熱可塑性樹脂に配合
したときに強靭性、耐衝撃性、フィルム形成性および接
着性が付与される。なお、本発明においては、前記アク
リレート構造単位の割合は、軟化点と強靭性および耐衝
撃性との釣り合いの点から、3〜7モル%であることが
好ましい。
【0025】前記アクリレート構造単位において、R2
は炭素数1〜4のアルキル基である。かかるR2 の具体
例としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基な
どがあげられ、これらの基は1分子中に混在していても
よい。なお、これらの基のなかでは、メチル基およびエ
チル基は前記ポリオレフィン系樹脂の軟化点を維持する
うえでとくに好ましいものである。
【0026】前記ポリオレフィン系樹脂中のマレイミド
構造単位の割合は1〜35モル%である。該マレイミド構
造単位の割合が1モル%未満であるばあいには、帯電防
止能が小さくなりすぎ、また35モル%をこえるばあいに
は、前記ポリオレフィン系樹脂に吸湿性が生じるように
なる。なお、本発明においては、前記マレイミド構造単
位の割合は、帯電防止能および吸湿性の釣り合いの点か
ら、3〜15モル%であることが好ましい。
【0027】前記マレイミド構造単位において、R3
炭素数2〜8のアルキレン基である。かかるR3 の具体
例としては、たとえばエチレン基、プロピレン基、ヘキ
サメチレン基、ネオペンチレン基などがあげられ、これ
らの基は1分子中に混在していてもよい。なお、これら
の基のなかでは、製造の容易性および経済性の面からエ
チレン基およびプロピレン基が好ましく、とくにプロピ
レン基が好ましい。
【0028】前記R4 およびR5 はそれぞれ炭素数1〜
4のアルキル基である。かかるR4 およびR5 の具体例
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
があげられ、これらの基は1分子中に混在していてもよ
い。なお、これらの基のなかでは、帯電防止能付与の点
からメチル基およびエチル基が好ましい。
【0029】前記R6 は炭素数1〜12のアルキル基、炭
素数6〜12のアリールアルキル基、アルキル基で置換さ
れていてもよい炭素数2〜4のエポキシ基または炭素数
6〜12の脂環アルキル基である。かかるR6 の具体例と
しては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、n−オクチル基、n−ラウリル基などのアルキル
基;ベンジル基、4−メチルベンジル基などのアリール
アルキル基;エポキシエチル基、1,2−エポキシプロ
ピル基、2,3−エポキシプロピル基、1,2−エポキ
シブチル基、1,2−エポキシ−2,3−エポキシブチ
ル基などのアルキル基で置換されていてもよいエポキシ
基;シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基などの
脂環アルキル基があげられ、これらの基は1分子中に混
在していてもよい。なお、前記R6 としては、耐熱性の
観点から、直鎖状アルキル基およびアリールアルキル基
が好ましく、また帯電防止能付与の観点から低級アルキ
ル基が好ましい。とくに好ましいR6 としては、メチル
基およびエチル基があげられる。
【0030】前記Xは、たとえばCl、Br、Iなどの
ハロゲン原子、CH3 OSO3 またはC2 5 OSO3
であり、これらは1分子中に混在していてもよい。な
お、これらのなかでは、帯電防止能の点からCl、CH
3 OSO3 およびC2 5 OSO3 が好ましい。
【0031】前記ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子
量は、1000〜50000 である。該重量平均分子量が1000未
満であるばあいには、分子量が小さくなりすぎて加熱し
たときに揮散し、また50000 をこえるばあいには、熔融
したときの粘度が大きくなりすぎて作業性がわるくな
る。好ましい重量平均分子量は3000〜35000 である。
【0032】なお、本発明における重量平均分子量と
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)で測定した単分散のポリスチレン換算の重量平均分
子量をいう。
【0033】前記ポリオレフィン系樹脂は、テトラヒド
ロフラン(THF)やキシレンなどの通常のゲルパーミ
エーションの溶離液に難溶であるので、その重量平均分
子量を容易に測定することができないが、超高温GPC
法(絹川、高分子論文集、44巻、2号、139 〜141 頁(1
987 年))にしたがって測定することができる。
【0034】前記ポリオレフィン系樹脂の中間体である
前記一般式(I) で表わされるオレフィン構造単位、前記
一般式(II)で表わされるアクリレート構造単位および一
般式(IV):
【0035】
【化10】
【0036】(式中、R3 、R4 およびR5 は前記と同
じ)で表わされるマレイミド構造単位からなる線状に不
規則に配列した重量平均分子量1000〜50000 のオレフィ
ン系共重合体は、たとえば以下の方法によってえられ
る。
【0037】まず、前記オレフィン系共重合体の原料と
しては、とくに限定はないが、たとえばオートクレーブ
中にベンゼン、トルエンなどの溶媒を用い、アクリレー
ト、無水マレイン酸および過酸化ベンゾイルなどのラジ
カル重合開始剤を溶解させ、オレフィンをえられた溶液
に所定量吹きこみ、50〜80℃で200 〜300 kg/cm2 の圧
力下で8〜12時間反応させ、その後オートクレーブ中の
内容物を大量のたとえばエーテルなどの溶媒中に投入す
る方法などの公知の方法によってえられるオレフィン−
アクリレート−無水マレイン酸共重合体が用いられる。
ここでそれぞれの単量体の仕込モル比は、目的とする共
重合体の構造単位の割合にほぼ等しくなる。
【0038】かくしてえられるオレフィン−アクリレー
ト−無水マレイン酸共重合体を原料として前記ポリオレ
フィン系樹脂およびその中間体がえられる。
【0039】前記オレフィン−アクリレート−無水マレ
イン酸共重合体から前記ポリオレフィン系樹脂およびそ
の中間体を製造する方法についてはとくに限定がない
が、以下にその一例について説明する。
【0040】前記オレフィン−アクリレート−無水マレ
イン酸共重合体をたとえばベンゼン、トルエン、キシレ
ン、シクロヘキサノン、デカン、クメン、シメンなどの
芳香族または脂肪族炭化水素、ケトンなどの不活性溶媒
に溶解し、これに前記オレフィン−アクリレート−無水
マレイン酸共重合体の無水マレイン酸含有量に対して10
0 〜150 モル%のジアルキルアミノアルキルアミンを添
加し、130 〜180 ℃にて反応させて無水マレイン酸構造
単位に含まれる酸無水物基をジアルキルアミノアルキル
イミド基に変換することにより、ポリオレフィン系樹脂
の中間体がえられる。
【0041】つぎに、前記中間体を、たとえばアルキル
ハライド、ジアルキル硫酸塩などの公知の4級化剤でカ
チオン変性することにより、本発明に用いられる線状の
ランダム共重合体であるポリオレフィン系樹脂がえられ
る。
【0042】かくしてえられるポリオレフィン系樹脂は
すぐれた帯電防止能を呈するばかりでなく、マレイミド
基にもとづく特有のすぐれた耐熱性を呈する。その理由
は定かではないが、おそらくポリオレフィン系樹脂に含
まれるマレイミド構造単位が空気中の水分を取り込み、
- がイオン化して電気伝導性を示すため、低い電気抵
抗を示すことに起因するものと考えられる。
【0043】また、本発明においては、マレイミド構造
単位が高温下であっても揮発性を示さず、かつ本発明に
用いられるポリオレフィン系樹脂中に化学的に組み込ま
れているので、加工時における揮散がなく、加工後にお
いてはブロッキングの発生や熱可塑性樹脂の物性の低下
を招くことがないと考えられる。
【0044】本発明の記録シート用支持体は、前記ポリ
オレフィン系樹脂を含有した樹脂を導電層として基体上
に設けたものである。前記導電層には前記ポリオレフィ
ン系樹脂単独または該樹脂とその他のポリオレフィン系
樹脂とを混合したものが用いられる。
【0045】前記その他のポリオレフィン系樹脂として
は、たとえばポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化
物、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン
−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−
(メタ)アクリル酸−無水マレイン酸三元共重合体、エ
チレン-(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸三
元共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル
共重合体などがあげられ、これらの樹脂は、単独でまた
は2種以上を混合して用いられる。
【0046】なお、前記ポリオレフィン系樹脂と前記そ
の他のポリオレフィン系樹脂を併用するばあいには、前
記ポリオレフィン系樹脂の使用量は、えられる導電層用
樹脂100 部(重量部、以下同様)に対して1部以上、好
ましくは5部以上であることが、導電性を付与するうえ
で望ましい。
【0047】前記導電層を基体上に設ける方法について
はとくに限定はなく、たとえば前記導電層用樹脂をその
ままの状態でまたはエマルジョンとし、リバースロール
コート法、グラビアコート法、バーコート法などにより
コーティングする方法などがあげられる。
【0048】前記導電層の乾燥後の厚さは、通常えられ
る静電記録体の用途に応じて適宜調整されるが、通常0.
1 〜5μm、なかんづく0.5 〜3μm程度である。
【0049】なお、形成された導電層上には必要とされ
る電気抵抗値に応じて金属粉や無機微粒子の表面に金、
錫、銅などの金属をメッキとしたものを20重量%の範囲
であれば添加し、抵抗値を制御してもかまわない。
【0050】本発明において基体としては天然繊維パル
プからなる紙、合成樹脂繊維パルプからなる合成紙、ポ
リカーボネート、スチレン系重合体、2軸延伸ポリエス
テル、ポリメチルメタクリレートなどの樹脂からなる合
成紙などがあげられるが、本発明はかかる例示のみに限
定されるものではない。
【0051】基体上に形成された導電層上に高抵抗誘電
体層を設けて静電記録用紙をうるばあいには、高抵抗誘
電体層用としては、公知のものを用いることができる。
その一例をあげれば、たとえば高導電体樹脂に無機微粉
末を配合したものなどがあげられる。
【0052】前記高誘電体樹脂とは、電気抵抗が1×10
12Ω以上の樹脂のことであり、その具体例としては、た
とえば塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアセタール、塩
化ビニリデン、エチレン、スチレン、ブタジエン、(メ
タ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸などのビ
ニル単独重合体または共重合体などの有機溶剤系または
水分散系樹脂、ポリカーボネート、ポリオレフィン系樹
脂、ポリエステル系樹脂などがあげられる。
【0053】また、前記無機微粉末としては、たとえば
炭酸カルシウム、アルミナゾル、シリカゾルなどの粒子
径が3μm以下のものがあげられる。
【0054】前記無機微粉末の高誘電体樹脂への配合量
は、通常高誘電体樹脂100 部に対して1〜30部、なかん
づく5〜20部である。
【0055】前記高抵抗誘電体は、たとえば水性分散液
エマルジョン、メチルエチルケトンなどの有機溶媒溶液
として前記導電層上に設けられる。かかる高抵抗誘電体
の乾燥後の厚さは、えられる静電記録体の用途に応じて
適宜調整されるが、通常0.5〜20μm、なかんづく5〜
7μmである。
【0056】つぎに本発明の記録シート用支持体を実施
例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる
実施例のみに限定されるものではない。
【0057】実施例1 式:
【0058】
【化11】
【0059】で表わされるオレフィン構造単位85モル
%、式:
【0060】
【化12】
【0061】で表わされるアクリレート構造単位5モル
%および式:
【0062】
【化13】
【0063】で表わされるマレイミド構造単位10モル%
からなる線状に不規則に配列した重量平均分子量31300
のポリオレフィン系樹脂を24重量%含むエマルジョン溶
液を2軸延伸ポリエステルフィルム(厚さ:125 μm)
にバーコート法で12g/m2 となるようにコーティング
し、さらに100 ℃の熱風乾燥炉に供給し、乾燥した。乾
燥後の厚さは0.5 μmであった。
【0064】この導電体塗布後に20℃の温度下で相対湿
度(RH)が20%、40%、60%または80%のときの表面比抵
抗を下記の方法にしたがって測定した結果、それぞれ、
9.0×107 Ω、7.5 ×107 Ω、7.0 ×107 Ω、6.8 ×10
7 Ωときわめてすぐれた導電性を示し、従来のイオン伝
導による導電性の欠点であった抵抗値の湿度依存性が改
善され、きわめて抵抗値の湿度依存性が小さいものであ
った。
【0065】この導電層がコーティングされた基体の導
電層面にエチレン−アクリル酸(アクリル酸濃度20重量
%)共重合体とエチレン−イミン系カップリング剤で表
面処理した軽質炭酸カルシウムの微粉体を20重量%含有
した水分散エマルジョン溶液をバーコート法で厚さが5
μmとなるようにコーティングし、高抵抗誘電体層とし
たのち、110 ℃の熱風乾燥炉に供給し、乾燥した。この
ものを20℃、60%RHの雰囲気中に24時間入れて調湿して
静電記録体をえた。この静電記録体のコーティング層裏
面をセロファン粘着テープで補強し、さらに補強したコ
ーティング層面にセロファン粘着テープを貼り付けて素
早く180 °剥がしたが、基体、導電層および高抵抗誘電
体層の各界面での剥離は認められず、上質紙の凝集破れ
をおこしたことから良好な接着状態であることがわかっ
た。
【0066】この静電記録体は、静電マスターや電子写
真マスター用として好適に使用することができた。
【0067】(表面比抵抗)静電記録用体を10cm×10cm
に切り出し、20℃で20%、40%、60%または80%RHにコ
ントロールされた恒温恒湿室中に48時間放置してエージ
ングする。
【0068】エージング終了後、前記雰囲気中で表面比
抵抗を測定する。
【0069】測定器:(株)川口電機製作所製の超絶縁
計(VE-40 型)に常温測定箱(RC-02 型)を接続したも
の 測定条件:印加電圧100 V 本器で測定した値を採用する。
【0070】なお、前記表面比抵抗において1×1013Ω
以下のものが導電性にすぐれている。
【0071】実施例2 実施例1において、ポリオレフィン系樹脂エマルジョン
の固形分濃度を25重量%とし、厚さが15μmとなるよう
に塗布したほかは実施例1と同様にして導電層を形成し
た。乾燥後の導電層の厚さは3μmであった。
【0072】つぎに前記でえられた記録シート用支持体
にスーパーカレンダーを施して平滑にした。このものの
表面比抵抗は6.7 ×107 Ωであった。
【0073】えられた記録シート用支持体の基体の裏面
をセロファン粘着テープで裏打ちしたのち、セロファン
粘着テープで塗布面の剥離試験をしたが、塗布面の剥離
は認められなかった。
【0074】導電体層上に、アクリル樹脂(三菱レーヨ
ン(株)製、LR472 )20gおよびタルク4gをメチルエ
チルケトン76gに添加した溶液をバーコート法で厚さが
30μmとなるように塗布して乾燥して高抵抗誘電体層を
形成した。
【0075】えられた記録シートに前記と同様にして剥
離試験を行なったが、塗布層と高抵抗誘電体層間の剥離
は認められなかった。
【0076】実施例3 実施例2において、ポリオレフィン系樹脂としてマレイ
ミド構造単位が式:
【0077】
【化14】
【0078】で表わされるものを用いたほかは実施例2
と同様にして記録シート用支持体をえた。
【0079】えられた記録シート用支持体の物性を調べ
たところ、実施例2でえられたものと同様に、塗布層の
基体からの剥離は認められず、さらにポリエステル系樹
脂からなる高抵抗誘電体を塗布して乾燥したのち、静電
記録体としたものも実施例2でえられたものと同様に剥
離は認められず、良好な接着性を示した。
【0080】比較例1 導電剤としてカチオン型高分子導電剤(ポリビニルベン
ジルトリメチルアンモニウムクロライド)の25%エマル
ジョン溶液を実施例1と同じ基体に乾燥後の膜厚が2μ
mとなるように塗布したのち、実施例1と同じ高抵抗誘
電体を塗布して記録シート用支持体をえた。
【0081】えられた記録シート用支持体の基体面をセ
ロファン粘着テープで裏打ちし、セロファン粘着テープ
で塗布面の剥離試験を行なった結果、導電層と高抵抗誘
電体層間での剥離が認められた。
【0082】比較例2 導電剤としてカチオン型高分子導電剤(ポリ(N,N−
ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウムクロライ
ド))を用い、高抵抗誘電体層樹脂としてスチレン系樹
脂(テイサンレジンN101:帝国化成(株)製)とアクリ
ル系樹脂(アクリディック7-1021:大日本インキ化学工
業(株)製)の1.25:1(重量比)の混合物に対して炭
酸カルシウムを40重量%添加した30%トルエン溶液を用
いて実施例1と同様にして記録シート用支持体をえた。
【0083】えられた記録シート用支持体の塗布裏面を
セロファン粘着テープで裏打ちし、セロファン粘着テー
プで塗布面の剥離試験をした結果、比較例1でえられた
ものと同様に導電層と高抵抗誘電体層間で剥離が認めら
れた。
【0084】
【発明の効果】本発明の記録シート用支持体は、導電性
にすぐれることは勿論のこと、接着性を向上せしめるた
めのバインダーを用いなくても基体、導電層および高抵
抗誘電体の接着性にすぐれたものである。
【0085】したがって、本発明の記録シート用支持体
は、静電記録方式をとる情報伝達分野で静電マスターや
電子写真マスターなどに好適に使用しうるものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に導電層を設けてなる記録シート
    用支持体であって、導電層が一般式(I) : 【化1】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基を示す)で表わ
    されるオレフィン構造単位50〜98モル%、一般式(II): 【化2】 (式中、R2 は炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表
    わされるアクリレート構造単位1〜15モル%および一般
    式(III) : 【化3】 (式中、R3 は炭素数2〜8のアルキレン基、R4 およ
    びR5 はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R6 は炭
    素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリールアル
    キル基、アルキル基で置換されていてもよい炭素数2〜
    4のエポキシ基または炭素数6〜12の脂環アルキル基、
    Xはハロゲン原子、CH3 OSO3 またはC2 5 OS
    3 を示す)で表わされるマレイミド構造単位1〜35モ
    ル%からなる線状に不規則に配列した重量平均分子量10
    00〜50000 のポリオレフィン系樹脂を含有したポリオレ
    フィン系樹脂層であることを特徴とする記録シート用支
    持体。
JP795092A 1992-01-20 1992-01-20 記録シート用支持体 Pending JPH05197162A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7273686B2 (en) 2003-08-01 2007-09-25 Canon Kabushiki Kaisha Toner

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US7273686B2 (en) 2003-08-01 2007-09-25 Canon Kabushiki Kaisha Toner

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