JP2581309B2 - 静電記録用紙 - Google Patents

静電記録用紙

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JP2581309B2
JP2581309B2 JP2331078A JP33107890A JP2581309B2 JP 2581309 B2 JP2581309 B2 JP 2581309B2 JP 2331078 A JP2331078 A JP 2331078A JP 33107890 A JP33107890 A JP 33107890A JP 2581309 B2 JP2581309 B2 JP 2581309B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は静電記録用紙に関する。さらに詳しくは、電
子複写機用紙、高速ファクシミリ用紙などの印刷用紙な
どとして好適に使用しうる静電記録用紙に関する。
[従来の技術] 一般に静電記録用紙は、基紙などの片面または両面に
たとえばポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムク
ロライドなどの高分子電解質や、イオン性活性剤などの
導電剤を塗布し、さらにその上に高抵抗誘電体を塗布す
ることによりえられている。
しかしながら、これらの導電剤はいずれも親水性を呈
するものであるが、高抵抗誘電体はシリコーン、塩化ビ
ニル樹脂、酢酸ビニル系共重合体、ポリアクリル酸エス
テル、ポリスチレンなどの親油性を呈する樹脂であるた
め、両者の親和性がわるく、高抵抗誘電体が導電体上に
均一に塗布されにくく、また画像が不鮮明になるという
問題があった。
また、導電剤で分子量が比較的小さい、すなわち重量
平均分子量が1000以下のものは時間が経過するにしたが
って基紙や高抵抗誘電体に移行し、記録性能を阻害する
という問題がある。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであ
り、導電性にすぐれることは勿論のこと、導電剤と高抵
抗誘電体との親和性にもすぐれた静電記録用紙を提供す
ることを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は基紙上に導電体および高抵抗誘電体を積層し
てなる静電記録用紙であって、誘電体が式:CH2−CH2
で表わされるエチレン構造単位65〜98モル%、一般
式: (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表わ
されるアクリレート構造単位1〜15モル%および一般
式: (式中、R2は炭素数2〜8のアルキレン基、R3およびR4
はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R5は炭素数1〜
12のアルキル基、炭素数1〜12のアリールアルキル基ま
たは炭素数1〜12の脂環アルキル基、Xはハロゲン原
子、CH3OSO3またはC2H5OSO3を示す)で表わされるアク
リルアミド構造単位1〜34モル%からなる線状に不規則
に配列した重量平均分子量1000〜50000のポリオレフィ
ン系樹脂を含有したポリオレフィン系樹脂であることを
特徴とする静電記録用紙に関する。
[作用および実施例] 本発明の静電記録用紙は、前記したように、式:CH
2−CH2で表わされるエチレン構造単位65〜98モル%、
一般式: (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表わ
されるアクリレート構造単位1〜15モル%および一般
式: (式中、R2は炭素数2〜8のアルキレン基、R3およびR4
はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R5は炭素数1〜
12のアルキル基、炭素数1〜12のアリールアルキル基ま
たは炭素数1〜12の脂環アルキル基、Xはハロゲン原
子、CH3OSO3またはC2H5OSO3を示す)で表わされるアク
リルアミド構造単位1〜34モル%からなる線状に不規則
に配列した重量平均分子量1000〜50000のポリオレフィ
ン系樹脂を含有したポリオレフィン系樹脂を導電体とし
て設けたものである。
前記ポリオレフィン系樹脂中の式: CH2−CH2で表わされるエチレン構造単位の割合は65
〜98モル%である。該エチレン構造単位の割合が65モル
%未満であるばあいには、前記ポリオレフィン系樹脂の
軟化点が低くなってタックやベタツキが生じ、また98モ
ル%をこえるばあいには、前記ポリオレフィン系樹脂の
帯電防止性が小さくなりすぎるようになる。なお、本発
明においては、前記エチレン構造単位の割合は、軟化点
および帯電防止性の釣り合いの点から、85〜97モル%で
あることがとくに好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂の中の一般式: (式中、R1は前記と同じ)で表わされるアクリレート構
造単位の割合は1〜15モル%である。該アクリレート構
造単位の割合が15モル%をこえるばあいには、前記ポリ
オレフィン系樹脂の軟化点が低くなってタックやベタツ
キが生じるようになる。本発明において、強靭性および
耐衝撃性を付与するために、前記アクリレート構造単位
が含まれている。なお、本発明においては、前記アクリ
レート構造単位の割合は、軟化点と強靭性および耐衝撃
性との釣り合いの点から、1〜15モル%、なかんづく3
〜7モル%であることがとくに好ましい。
前記アクリレート構造単位において、R1は炭素数1〜
4のアルキル基である。かかるR1の具体例としては、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、
n−ブチル基、i−ブチル基があげられ、これらの基は
1分子中に混在してもよい。なお、これらの基のなかで
は、メチル基およびエチル基は前記ポリオレフィン系樹
脂の軟化点を維持するうえで好ましいものである。
前記ポリオレフィン系樹脂中の一般式: (式中、R2、R3、R4およびR5は前記と同じ)で表わされ
るアクリルアミド構造単位の割合は1〜34モル%であ
る。該アクリルアミド構造単位の割合が1モル%未満で
あるばあいには、帯電防止性が小さくなりすぎ、また34
モル%をこえるばあいには、前記ポリオレフィン系樹脂
に吸湿性が生じるようになる。なお、本発明において
は、前記アクリルアミド構造単位の割合は、帯電防止性
および吸湿性の釣り合いの点から、3〜15モル%である
ことがとくに好ましい。
前記アクリルアミド構造単位において、R2は炭素数2
〜8のアルキレン基である。かかるR2の具体例として
は、たとえばエチレン基、プロピレン基、ヘキサメチレ
ン基、ネオペンチレン基などがあげられ、これらの基は
1分子中に混在していてもよい。なお、これらの基のな
かでは、製造の容易性および経済性の面からエチレン基
およびプロピレン基が好ましく、とくにプロピレン基が
好ましい。
前記R3およびR4はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基
である。かかるR3およびR4の具体例としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基があげられ、これ
らの基は1分子中に混在していてもよい。なお、これら
の基のなかでは、帯電防止性の点からメチル基およびエ
チル基が好ましい。
前記R5は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12の
アリールアルキル基または炭素数1〜12の脂環アルキル
基である。かかるR5の具体例としては、たとえばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、sec−ブチル基、n−オクチル基、n−ラウ
リル基などのアルキル基;ベンジル基、4−メチルベン
ジル基などのアリールアルキル基;シクロヘキシル基、
メチルシクロヘキシル基などの脂環アルキル基があげら
れ、これらの基は1分子中に混在していてもよい。な
お、前記R5としては、耐熱性の点から、直鎖状アルキル
基およびアリールアルキル基が好ましく、また帯電防止
性の点から低級アルキル基が好ましい。とくに好ましい
R5としては、メチル基およびエチル基があげられる。
前記Xは、たとえばCl、Br、Iなどのハロゲン原子、
CH3OSO3またはC2H5OSO3であり、これらは1分子中に混
在していてもよい。なお、これらのなかでは、帯電防止
性の点からCl、CH3OSO3およびC2H5OSO3が好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量は、1000
〜50000である。該重量平均分子量が1000未満であるば
あいには、分子量が小さくなりすぎて加熱したときに揮
散し、また50000をこえるばあいには、熔融したときの
粘度が大きくなりすぎ、作業性がわるくなる。好ましい
重量平均分子量は3000〜30000である。
なお、本発明における重量平均分子量とは、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定した単分散
のポリスチレン換算の重量平均分子量をいう。
本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂は、テトラ
ヒドロフラン(THF)やキシレンなどの通常ゲルパーミ
エーション溶離液に難溶であるので、その重量平均分子
量を容易に測定することができないが、超高温GPC(絹
川、高分子論文集、44巻、2号、139〜141頁(1987
年))にしたがって測定することができる。
前記ポリオレフィン系樹脂の中間体である式:CH2
−CH2で表わされるエチレン構造単位、一般式: で表わされるアクリレート構造単位および一般式: (式中、R2、R3およびR4は前記と同じ)で表わされるア
クリルアミド構造単位からなる線状に不規則に配列した
重量平均分子量1000〜50000のオレフィン系共重合体
は、たとえば以下の方法によってえられる。
まず、前記オレフィン系共重合体の原料としては、と
くに限定はないが、より有利にはエチレン(C2H4)と一
般式:CH2CHCOOR1(式中、R1は前記と同じ)で表わされ
るアクリレートとからなる共重合体の(部分)加水分解
物が用いられる。かかる共重合体は、エチレンと前記ア
クリレートを高圧重合法で共重合させることによって容
易にえられる。
前記エチレンに由来するエチレン構造単位と前記アク
リレートに由来するアクリレート構造単位との比率は、
えられるオレフィン系共重合体のエチレン構造単位、ア
クリレート構造単位およびアクリルアミド構造単位の比
率を決定することになる。
前記共重合体は、通常メルトインデックス5〜300程
度の高分子量を有するものであるので、たとえば水の存
在下で高温高圧下で加水分解と同時に熱分解を行なう減
成方法により低分子量化されることが好ましい。
このとき、アクリレートに起因する一般式: (式中、R1は前記と同じ)で表わされるアクリレート構
造単位の全部または一部が加水分解により式: で表わされるアクリル酸構造単位となる。
前記共重合体を熱分解することにより低分子量化し、
重量平均分子量が1000〜50000の共重合体を調製するた
めには、水の存在下で前記共重合体を反応温度150〜500
℃、圧力3〜500kg/cm2で加熱により分子を切断すれば
よい。
また、本発明において、前記アクリル酸構造単位の割
合は、水の仕込み量、反応温度、圧力および反応時間を
調整することによって適宜調節しうる。
前記減成方法の具体例としては、たとえば特開昭53−
57295号公報、特開昭53−65389号公報、特開昭60−7900
8号公報、特開昭60−79015号公報などに記載された方法
があげられる。
なお、本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂は、
着色されたばあいには商品的価値を損なうことがあるの
で、本発明に用いる原料としては、たとえば特開昭60−
79008号公報に例示された方法の生成物を用いることが
好ましい。
かくしてえられるポリオレフィン系樹脂の中間体を用
いて本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂がえられ
る。
前記中間体から本発明に用いられるポリオレフィン系
樹脂を製造する方法についてはとくに限定はない。以下
にその一例について説明する。
前記中間体をたとえばベンゼン、トルエン、キシレ
ン、シクロヘキサノン、デカン、クメン、シメンなどの
芳香族または脂肪族炭化水素などの不活性溶媒に溶解
し、これに前記中間体のカルボキシル基に対して100〜1
50モル%のジアルキルアミノアルキルアミンなどのジア
ルキルアミン系モノマーを添加し、130〜220℃にて反応
させてアクリル酸構造単位に含まれるカルボキシル基を
ジアルキルアミノアルキルアミド基に変換して中間体と
したのち、たとえばアルキルハライド、ジアルキル硫酸
塩などの公知の4級化剤でカオチン変性することによ
り、本発明に用いられる線状のランダム共重合体である
ポリオレフィン系樹脂がえられる。
かくしてえられるポリオレフィン系樹脂はすぐれた帯
電防止性を呈する。このように帯電防止性を呈する理由
は定かではないが、ポリオレフィン系樹脂に含まれるア
クリルアミド構造単位が空気中に含まれる水分を取り込
み、X がイオン化して電気伝導性を呈することにより
低い電気抵抗を示すことに起因するものと考えられる。
また、本発明においては、アクリルアミド構造単位が
高温下であっても揮発性を示さず、かつ本発明に用いら
れるポリオレフィン系樹脂中に化学的に組み込まれてい
るので、加工時における揮散がなく、加工後においては
ブロッキングの発生などを招くことがないものと考えら
れる。
本発明の静電記録用紙は、前記ポリオレフィン系樹脂
を含有した樹脂を導電体として設けたものである。前記
導電体には前記ポリオレフィン系樹脂単独または該樹脂
とその他のポリオレフィン系樹脂とを混合したものが用
いられる。
前記その他のポリオレフィン系樹脂としては、たとえ
ばポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、前
記エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、エチレン
−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリ
ル酸−無水マレイン酸三元共重合体、エチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体
などがあげられ、これらの樹脂は、単独でまたは2種以
上を混合して用いられる。
なお、前記ポリオレフィン系樹脂と前記その他のポリ
オレフィン系樹脂を併用するばあいには、前記ポリオレ
フィン系樹脂の使用量は、えられる樹脂層用樹脂100部
(重量部、以下同様)に対して1部位上、好ましくは5
部以上であることが、帯電防止性を付与するうえで望ま
しい。
前記導電体を基紙上に設ける方法についてはとくに限
定はなく、たとえば前記導電体をエマルジョンとし、リ
バースロールコート法、グラビアコート法、バーコード
法などによりコーティングする方法などがあげられる。
前記導電体の乾燥後の厚さは、通常えられる静電記録
体の用途に応じて適宜調整されるが、通常0.1〜5μ
m、なかんづく0.5〜3.0μm程度である。
なお、形成された導電体上には必要とされる電気抵抗
値に応じて電子伝導性の金属粉や無機微粒子の表面に金
や錫、銅などの金属をメッキしたものを20重量%の範囲
であれば添加し、抵抗値を制御してもかまわない。
本発明において基紙としては天然繊維状パルプからな
る紙、合成樹脂繊維状パルプからなる合成紙、ポリカ−
ボネート、スチレン系重合体、2軸延伸ポリエステル、
ポリメチルメタクリレートなどの樹脂かならる合成紙な
どがあげられるが、本発明はかかる例示のみに限定され
るものではない。
基紙上に形成された導電体層上に設けられる高抵抗誘
電体としては、公知のものを用いることができる。その
一例をあげれば、たとえば高導電体樹脂に無機微粉末を
配合したものなどがあげられる。
前記高誘電体樹脂とは、電気抵抗が1012Ω以上の樹脂
のことであり、その具体例としては、たとえば塩化ビニ
ル、酢酸ビニル、ビニルアセタール、塩化ビニリデン、
エチレン、スチレン、ブタジエン、(メタ)アクリル酸
エステル、(メタ)アクリル酸などのビニル単一構造か
らなる樹脂または共重合体などの有機溶剤系または水分
散系樹脂などがあげられる。
また、前記無機微粉末としては、たとえば炭酸カルシ
ウム、水和アルミナゾル、シリカやこれらの表面をチタ
ネート系カップリング剤で表面処理した粒子径が2μm
以下のものがあげられる。
前記無機微粉末の高誘電体樹脂への配合量は、通常高
誘電体樹脂100部に対して3〜50部、なかんづく10〜40
部である。
前記高抵抗誘電体はたとえばエマルジョン、メチルエ
チルケトンなどの有機溶媒溶液として前記導電体上に設
けられる。かかる高抵抗誘電体の乾燥後の厚さは、通常
えられる静電記録体の用途に応じて適宜調整されるか、
通常0.5〜10μm、なかんづく5〜7g/m2である。
つぎに本発明の静電記録用紙を実施例に基づいてさら
に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定
されるものではない。
実施例1 式:CH2−CH2で表わされるエチレン構造単位85モ
ル%、式: で表されるアクリレート構造単位5モル%および式: で表わされるアクリルアミド構造単位10モル%からなる
線状に不規則に配列した重量平均分子量31300のポリオ
レフィン系樹脂を24重量%含むエマルジョン溶液を上質
紙(坪量:60g/m2)にバーコート法で厚さが2μmとな
るようにコーティングし、さらに100℃の熱風乾燥炉に
供給し、乾燥した。乾燥後の厚さは0.5μmであった。
この導電体層塗布後に20℃の温度下で相対湿度(RH)
が20%、40%、60%または80%のときの表面比抵抗を下
記の方法にしたがって測定した結果、それぞれ、9.0×1
07Ω、7.5×107Ω、7.0×107Ω、6.8×107Ωときわめて
すぐれた導電性を示し、従来のイオン伝導による導電性
の欠点であった抵抗値の湿度依存性が改善され、きわめ
て抵抗値の湿度依存性が小さいものであった。
この導電層がコーティングされた基紙の導電体層面に
エチレン−アクリル酸(アクリル酸濃度20重量%)共重
合体とエチレン−イミン系カップリング剤で表面処理し
た軽質炭酸カルシウムの微粉体を20重量%含有した水分
散エマルジョン溶液をバーコート法で厚さが5μmとな
るようにコーティングし、高抵抗誘電体層としたのち、
110℃の熱風乾燥炉に供給し、乾燥した。このものを20
℃、60%RHの雰囲気中に24時間入れて調湿して静電記録
用紙をえた。この静電記録用紙のコーティング層の裏面
をセロファン粘着テープで補強し、さらな補強したコー
ティング層面にセロファン粘着テープを貼り付けて素早
く180゜剥がしたが、基紙、導電体層および高抵抗誘電
体層の各界面での剥離は認められず、上質紙の凝集破れ
をおこしたことから良好な接着状態であることがわかっ
た。
この静電記録用紙を高速ファクシミリ機に装着して線
密度8/mm、パルス幅12μsec、ピン電極−300V、サブ
電極+300Vの印加電圧条件でマグネドライトナーを用い
て画像記録を行なった。えられた画像の濃度をマクベス
濃度計(RD−100R型、マクベス社製)で反射濃度として
測定した結果、0.9〜1.2ときわめて高濃度の記録画像が
えられた。
(表面比抵抗) 静電記録用紙を10cm×10cmに切り出し、20℃で20%、
40%、60%または80%RHにコントロールされた恒温恒室
中に48時間放置してエージングする。
エージング終了後、前記雰囲気中で表面比抵抗を測定
する。
測定器:(株)川口電機製作所製の超絶縁計(VE−40
型)に常温測定箱(RC−02型)を接続したもの 測定条件:印加電圧100V 本器で測定した値を採用する。
なお、上記表面比抵抗において1×1013Ω以下のもの
が導電性にすぐれている。
実施例2 実施例1において、ポリオレフィン系樹脂エマルジョ
ンの固形分濃度を25重量%とし、厚さが3μmとなるよ
うに塗布したほかは実施例1と同様にして導電体層を形
成した。乾燥後の導電体層の厚さは0.7μmであった。
つぎに上記でえられた静電記録用紙用支持体にスパー
カレンダーを施して平滑にした。このものの表面比抵抗
は6.7×107Ωであった。
導電体層上に、炭酸カルシウム35g、アクリル樹脂
(三菱レーヨン(株)製、LR472)15g、無水フタル酸80
mgおよびトルエン20gからなるエマルジョンをバーコー
ト法で厚さが5μmとなるように塗布して乾燥して高抵
抗誘電体層を形成した。
えられた静電記録用紙の基紙の裏面をセロファン粘着
テープで裏打ちしたのち、セロファン粘着テープで塗布
面の剥離試験を行なったが、塗布面の剥離は認められな
かった。
この静電記録用紙を高速ファクシミリ機に装着して線
密度8/mm、パルス幅12μsec、ピン電極−300V、サブ
電極+300Vの印加電圧条件でマグネドライトナーを使用
して画像記録を行なった。えられた画像の濃度をマクベ
ス濃度計(RD−100R型、マクベス社製)で反射濃度とし
て測定した結果、0.9〜1.2ときわめて高濃度の記録画像
がえられた。
実施例3 実施例2において、ポリオレフィン系樹脂としてアク
リルアミド構造単位が式: で表わされるものを用いたほかは実施例2と同様にして
静電記録用紙をえた。
えられた静電記録用紙の物性を調べたところ、実施例
2でえられたものと同様に、基紙と導電層間、導電層と
高抵抗誘電体層間の剥離は認められず、画像記録性にす
ぐれたものであった。
比較例1 導電体としてカチオン型高分子導電剤(ポリビニルベ
ンジルトリメチルアンモニウムクロライド)の25%エマ
ルジョン溶液を実施例2と同じ基紙に乾燥後の膜厚が2
μmとなるように塗布したのち、実施例2と同じ高抵抗
誘電体を塗布して静電記録用紙をえた。
えられた静電記録用紙の基紙面をセロファン粘着テー
プで裏打ちし、セロファン粘着テープで塗布面の剥離試
験した結果、導電層と高抵抗誘電体層間での剥離が認め
られた。
この静電記録用紙を実施例2と同じ方法で画像記録し
た結果、画像の反射濃度の点では本発明に近似していた
ものの画像のにじみを生じたり、記録ムラが認められ、
不満足なものであった。
比較例2 導電剤としてカオチン型高分子導電剤(ポリ(N,N−
ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウムクロライ
ド))を用い、高抵抗誘電体層樹脂成分としてスチレン
系樹脂(テイサンレジンN101:帝国化成(株)製)とア
クリル系樹脂(アクリディック7−1021:大日本インキ
化学工業(株)製)の1.25:1(重量比)の混合物に対し
て炭酸カルシウムを40重量%添加した10%トルエン溶液
を用いて実施例2と同様にして静電記録用紙をえた。
えられた静電記録用紙の塗布裏面をセロファン粘着テ
ープで裏打ちし、セロファン粘着テープで塗布面の剥離
試験した結果、比較例2でえられたものと同様に導電層
と高抵抗誘電体層間での剥離が認められた。また、実施
例2と同じ方法で画像記録をした結果、にじみおよび記
録ムラの欠点が認められた。
[発明の効果] 本発明の静電記録用紙は、導電性にすぐれることは勿
論のこと、基紙、導電体および高抵抗誘電体の接着性に
すぐれたものである。
したがって、本発明の静電記録用紙は高速ファクシミ
リなどの静電記録方式をとる情報伝達分野に好適に使用
しうるものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基紙上に導電体および高抵抗誘電体を積層
    してなる静電記録用紙であって、導電体が式:CH2−C
    H2で表わされるエチレン構造単位65〜98モル%、一般
    式: (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表わ
    されるアクリレート構造単位1〜15モル%および一般
    式: (式中、R2は炭素数2〜8のアルキレン基、R3およびR4
    はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R5は炭素数1〜
    12のアルキル基、炭素数1〜12のアリールアルキル基ま
    たは炭素数1〜12の脂環アルキル基、Xはハロゲン原
    子、CH3OSO3またはC2H5OSO3を示す)で表わされるアク
    リルアミド構造単位1〜34モル%からなる線状に不規則
    に配列した重量平均分子量1000〜50000のポリオレフィ
    ン系樹脂を含有したポリオレフィン系樹脂であることを
    特徴とする静電記録用紙。
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