JP2581310B2 - 記録シート用支持体 - Google Patents

記録シート用支持体

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JP2581310B2
JP2581310B2 JP2331079A JP33107990A JP2581310B2 JP 2581310 B2 JP2581310 B2 JP 2581310B2 JP 2331079 A JP2331079 A JP 2331079A JP 33107990 A JP33107990 A JP 33107990A JP 2581310 B2 JP2581310 B2 JP 2581310B2
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は記録シート用支持体に関する。さらに詳しく
は、文字や図形に対応した電気信号を静電画像に変換し
て記録する静電記録体や、電子写真法により光信号を静
電画像に変換して記録する電子写真記録体などに好適に
使用しうる記録シート用支持体に関する。
〔従来の技術〕
一般に記録シート用支持体は、紙、ポリエステルフィ
ルムなどの膜状物の片面または両面にたとえばポリビニ
ルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなどの高
分子電解質や、イオン性活性剤などの導電剤を塗布する
ことによりえられている。
しかしながら、これらの導電剤はいずれも親水性を呈
するものであるため、導電性が湿度によって変化するの
で、結果として静電記録体としたときに静電記録性能が
湿度によって変化するという問題があった。
前記問題を解決する方法としては、金属を蒸着する方
法や導電性フィラーを添加したバインダーを塗布する方
法があるが、これらの方法は工程が複雑であるため、コ
ストが高くなるという問題がある。また、これらの方法
を電子写真記録体などに適用したばあいには、着色によ
り自然性が失われるという問題がある。
さらに、従来の導電剤は、カチオン性基またはアニオ
ン性基などの親水性基を有するものであるが、導電剤上
に塗布される高抵抗誘電体層にはシリコーン、塩化ビニ
ル系樹脂、酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステ
ル、ポリスチレンなどの親油性の樹脂が用いられるた
め、両者の親和性がわるく、高抵抗誘電体層が導電層上
に均一に塗布されにくく、また画像が不鮮明になるとい
う問題があった。
また、導電剤で分子量が比較的小さい、すなわち重量
平均分子量が1000以下のものは時間が経過するにしたが
って基体や高抵抗誘電体に移行し、記録性能を阻害する
という問題がある。
また、金属を蒸着する方法や導電性フィラーを添加し
たバインダーを塗布する方法では、金属膜と塗布される
高抵抗誘電体層間の親和性がないため、蒸着前の基体に
接着剤をアンダーコートしておく必要があり、さらに導
電性フィラーを添加したバインダーを塗布する方法で
は、バインダーの種類によって接着性が変化するため記
録画像が不鮮明になるという問題がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであ
り、導電性にすぐれることは勿論のこと、導電層と高抵
抗誘電体との親和性にもすぐれた記録シート用支持体を
提供することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は基体上に導電層を設けてなる記録シート用支
持体であって、式:CH2−CH2で表わされるエチレン
構造単位65〜98モル%、一般式: (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表わ
されるアクリレート構造単位1〜15モル%および一般
式: (式中、R2は炭素数2〜8のアルキレン基、R3およびR4
はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R5は炭素数1〜
12のアルキル基、炭素数1〜12のアリールアルキル基ま
たは炭素数1〜12の脂環アルキル基、Xはハロゲン原
子、CH3OSO3またはC2H5OSO3を示す)で表わされるアク
リルアミド構造単位1〜34モル%からなる線状に不規則
に配列した重量平均分子量1000〜50000のポリオレフィ
ン系樹脂を含有したポリオレフィン系樹脂層であること
を特徴とする記録シート用支持体に関する。
〔作用および実施例〕
本発明の記録シート用支持体は、前記したように、
式:CH2−CH2で表わされるエチレン構造単位65〜98
モル%、一般式: (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表わ
されるアクリレート構造単位1〜15モル%および一般
式: (式中、R2は炭素数2〜8のアルキレン基、R3およびR4
はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R5は炭素数1〜
12のアルキル基、炭素数1〜12のアリールアルキル基ま
たは炭素数1〜12脂環アルキル基、Xはハロゲン原子、
CH3OSO3またはC2H5OSO3を示す)で表わされるアクリル
アミド構造単位1〜34モル%からなる線状に不規則に配
列した重量平均分子量1000〜50000のポリオレフィン系
樹脂を含有したポリオレフィン系樹脂層を導電層として
設けたものである。
前記ポリオレフィン系樹脂中の式: CH2−CH2で表わされるエチレン構造単位の割合は65
〜98モル%である。該エチレン構造単位の割合が65モル
%未満であるばあいには、前記ポリオレフィン系樹脂の
軟化点が低くなってタックやベタツキが生じ、また98モ
ル%をこえるばあいには、前記ポリオレフィン系樹脂の
導電性が小さくなりすぎるようになる。なお、本発明に
おいては、前記エチレン構造単位の割合は、軟化点およ
び導電性の釣り合いの点から、85〜97モル%であること
がとくに好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂の中の一般式: (式中、R1は前記と同じ)で表わされるアクリレート構
造単位の割合は1〜15モル%である。該アクリレート構
造単位の割合が15モル%をこえるばあいには、前記ポリ
オレフィン系樹脂の軟化点が低くなってタックやベタツ
キが生じるようになる。本発明において、強靭性および
耐衝撃性を付与するために、前記アクリレート構造単位
が含まれている。なお、本発明においては、前記アクリ
レート構造単位の割合は、軟化点と強靭性および耐衝撃
性との釣り合いの点から、1〜15モル%、なかんづく3
〜7モル%であることがとくに好ましい。
前記アクリレート構造単位において、R1は炭素数1〜
4のアルキル基である。かかるR1の具体例としては、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、
n−ブチル基、i−ブチル基があげられ、これらの基は
1分子中に混在してもよい。なお、これらの基のなかで
は、メチル基およびエチル基は前記ポリオレフィン系樹
脂の軟化点を維持するうえで好ましいものである。
前記ポリオレフィン系樹脂中の一般式: (式中、R2、R3、R4およびR5は前記と同じ)で表わされ
るアクリルアミド構造単位の割合は1〜34モル%であ
る。該アクリルアミド構造単位の割合が1モル%未満で
あるばあいには、導電性が小さくなりすぎ、また34モル
%をこえるばあいには、前記ポリオレフィン系樹脂に吸
湿性が生じるようになる。なお、本発明においては、前
記アクリルアミド構造単位の割合は、導電性および吸湿
性の釣り合いの点から、3〜15モル%であることがとく
に好ましい。
前記アクリルアミド構造単位において、R2は炭素数2
〜8のアルキレン基である。かかるR2の具体例として
は、たとえばエチレン基、プロピレン基、ヘキサメチレ
ン基、ネオペンチレン基などがあげられ、これらの基は
1分子中に混在していてもよい。なお、これらの基のな
かでは、製造の容易性および経済性の面からエチレン基
およびプロピレン基が好ましく、とくにプロピレン基が
好ましい。
前記R3およびR4はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基
である。かかるR3およいR4の具体例としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基があげられ、これ
らの基は1分子中に混在していてもよい。なお、これら
の基のなかでは、導電性の点からメチル基およびエチル
基が好ましい。
前記R5は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12の
アリールアルキル基または炭素数1〜12の脂環アルキル
基である。かかるR5の具体例としては、たとえばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、sec−ブチル基、n−オクチル基、n−ラウ
リル基などのアルキル基;ベンジル基、4−メチルベン
ジル基などのアリールアルキル基;シクロヘキシル基、
メチルシクロヘキシル基などの脂環アルキル基があげら
れ、これらの基は1分子中に混在していてもよい。な
お、前記R5としては、耐熱性の点から、直鎖状アルキル
基およびアリールアルキル基が好ましく、また導電性の
点から低級アルキル基が好ましい。とくに好ましいR5
しては、メチル基およびエチル基があげられる。
前記Xは、たとえばCl、Br、Iなどのハロゲン原子、
CH3OSO3または C2H5OSO3であり、これらは1分子中に混在していてもよ
い。なお、これらのなかでは、導電性の点からCl、CH3O
SO3および C2H5OSO3が好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量は、1000
〜50000である。該重量平均分子量が1000未満であるば
あいには、分子量が小さくなりすぎて加熱したときに揮
散し、また50000をこえるばあいには、熔融したときの
粘度が大きくなりすぎ、作業性がわるくなる。好ましい
重量平均分子量は3000〜30000である。
なお、本発明における重量平均分子量とは、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定した単分散
のポリスチレン換算の重量平均分子量をいう。
本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂は、テトラ
ヒドロフラン(THF)やキシレンなどの通常ゲルパーミ
エーション溶離液に難溶であるので、その重量平均分子
量を容易に測定することができないが、超高温GPC(絹
川、高分子論文集、44巻、2号、139〜141頁(1987
年))にしたがって測定することができる。
前記ポリオレフィン系樹脂の中間体である式:CH2
−CH2で表わされるエチレン構造単位、一般式: (式中、R1は前記と同じ)で表わされるアクリレート構
造単位および一般式: (式中、R2、R3およびR4は前記と同じ)で表わされるア
クリルアミド構造単位からなる線状に不規則に配列した
重量平均分子量1000〜50000のオレフィン系共重合体
は、たとえば以下の方法によってえられる。
まず、前記オレフィン系共重合体の原料としては、と
くに限定はないが、より有利にはエチレン(C2H4)と一
般式: CH2CHCOOR1(式中、R1は前記と同じ)で表わされるアク
リレートとからなる共重合体の(部分)加水分解物が用
いられる。かかる共重合体は、エチレンと前記アクリレ
ートを高圧重合法で共重合させることによって容易にえ
られる。
前記エチレンに由来するエチレン構造単位と前記アク
リレートに由来するアクリレート構造単位との比率は、
えられるオレフィン系共重合体のエチレン構造単位、ア
クリレート構造単位およびアクリルアミド構造単位の比
率を決定することになる。
前記共重合体は、通常メルトインデックス5〜300程
度の高分子量を有するものであるので、たとえば水の存
在下で高温高圧下で加水分解と同時に熱分解を行なう減
成方法により低分子量化されることが好ましい。
このとき、アクリレートに起因する一般式: (式中、R1は前記と同じ)で表わされるアクリレート構
造単位の全部または一部が加水分解により式: で表わされるアクリル酸構造単位となる。
前記共重合体を熱分解することにより低分子量化し、
重量平均分子が1000〜50000の共重合体を調製するため
には、水の存在下で前記共重合体を反応温度150〜500
℃、圧力3〜500kg/cm2で加熱により分子を切断すれば
よい。
また、本発明において、前記アクリル酸構造単位の割
合は、水の仕込み量、反応温度、圧力および反応時間を
調整することによって適宜調節しうる。
前記減成方法の具体例としては、たとえば特開昭53−
57295号公報、特開昭53−65389号公報、特開昭60−7900
8号公報、特開昭60−79015号公報などに記載された方法
があげられる。
なお、本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂は、
着色されたばあいには商品的価値を損なうことがあるの
で、本発明に用いる原料としては、たとえば特開昭60−
79008号公報に例示された方法の生成物を用いることが
好ましい。
かくしてえられるポリオレフィン系樹脂の中間体を用
いて本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂がえられ
る。
前記中間体から本発明に用いられるポリオレフィン系
樹脂を製造する方法についてはとくに限定はない。以下
にその一例について説明する。
前記中間体をたとえばベンゼン、トルエン、キシレ
ン、シクロヘキサノン、デカン、クメン、シメンなどの
芳香族または脂肪族炭化水素などの不活性溶媒に溶解
し、これに前記中間体のカルボキシル基に対して100〜1
50モル%のジアルキルアミノアルキルアミンなどのジア
ルキルアミン系モノマーを添加し、130〜220℃にて反応
させてアクリル酸構造単位に含まれるカルボキシル基を
ジアルキルアミノアルキルアミド基に変換して中間体と
したのち、たとえばアルキルハライド、ジアルキル硫酸
塩などの公知の4級化剤でカチオン変性することによ
り、本発明に用いられる線状のランダム共重合体である
ポリオレフィン系樹脂がえられる。
かくしてえられるポリオレフィン系樹脂はすぐれた導
電性を呈する。このように導電性を呈する理由は定かで
はないが、ポリオレフィン系樹脂に含まれるアクリルア
ミド構造単位が空気中に含まれる水分を取り込み、X
がイオン化して電気伝導性を呈することにより低い電気
抵抗を示すことに起因するものと考えられる。
また、本発明においては、アクリルアミド構造単位が
高温下であっても揮発性を示さず、かつ本発明に用いら
れるポリオレフィン系樹脂中に化学的に組み込まれてい
るので、加工時における揮散がなく、加工後においては
ブロッキングの発生などを招くことがないものと考えら
れる。
本発明の記録シート用支持体は、前記ポリオレフィン
系樹脂を含有した樹脂を導電層として基体上に設けたも
のである。前記導電層には前記ポリオレフィン系樹脂単
独または該樹脂とその他のポリオレフィン系樹脂とを混
合したものが用いられる。
前記その他のポリオレフィン系樹脂としては、たとえ
ばポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、前
記エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、エチレン
−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリ
ル酸−無水マイレン酸三元共重合体、エチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル−無水マイレン酸三元共重合
体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体
などがあげられ、これらの樹脂は、単独でまたは2種以
上を混合して用いられる。
なお、前記ポリオレフィン系樹脂と前記その他のポリ
オレフィン系樹脂を併用するばあいには、前記ポリオレ
フィン系樹脂の使用量は、えられる導電層用樹脂100部
(重量部、以下同様)に対して1部以上、好ましくは5
部以上であることが、導電性を付与するうえで望まし
い。
前記導電層を基体上に設ける方法についてはとくに限
定はなく、たとえば前記導電層用樹脂をそのままの状態
でまたはエマルジョンとし、リバースロールコート法、
グラビアコート法、バーコート法などによりコーティン
グする方法などがあげられる。
前記導電層の乾燥後の厚さは、通常えられるが静電記
録体の用途に応じて適宜調整されるが、通常0.1〜5μ
m、なかんづく0.5〜3μm程度である。
なお、形成された導電層上には必要とされる電気抵抗
値に応じて金属粉や無機微粒子の表面に金錫や銅などの
金属をメッキとしたものを20重量%の範囲であれば添加
し、抵抗値を制御してもかまわない。
本発明において基体としては天然繊維状パルプからな
る紙、合成樹脂繊維状パルプからなる合成紙、ポリカー
ボネート、スチレン系重合体、2軸延伸ポリエステル、
ポリメチルメタクリレートなどの樹脂からなる合成紙な
どがあげられるが、本発明はかか例示のみに限定される
ものではない。
基体上に形成された導電層上に高抵抗誘電体層を設け
て静電記録用紙をうるばあいには、高抵抗誘電体層用の
樹脂としては、公知のものを用いることができる。その
一例をあげれば、たとえば高導電体樹脂に無機微粉末を
配合したものなどがあげられる。
前記高誘電体層用の樹脂とは、電気抵抗が1012Ω以上
の樹脂のことであり、その具体例としては、たとえば塩
化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアセタール、塩化ビニリ
デン、エチレン、スチレン、ブタジエン、(メタ)アク
リル酸エステル、(メタ)アクリル酸などのビニル単独
重合体または共重合体などの有機溶剤系または水分散系
樹脂、ポリカーボネート、ポリオレフィン系樹脂、ポリ
エステル系樹脂などがあげられる。
また、前記無機微粉末としては、たとえば炭酸カルシ
ウム、アルミナゾル、シリカゾルなどの粒子径が3μm
以下のものがあげられる。
前記無機微粉末の高誘電体樹脂への配合量は、通常高
誘電体樹脂100部に対して1〜30部、なかんづく5〜20
部である。
前記高抵抗誘電体は、たとえば水性分散液エマルジョ
ン、メチルエチルケトンなどの有機溶媒溶液として前記
導電層上に設けられる。かかる高抵抗誘電体の乾燥後の
厚さは、えられる静電記録体の用途に応じて適宜調整さ
れるが、通常0.5〜20μm、なかんづく5〜7μmであ
る。
つぎに本発明の記録シート用支持体を実施例に基づい
てさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみ
に限定されるものではない。
実施例1 式:CH2−CH2で表わされるエチレン構造単位85モ
ル%、式: で表わされるアクリレート構造単位5モル%および式: で表わされるアクリルアミド構造単位10モル%からなる
線状に不規則に配列した重量平均分子量31300のポリオ
レフィン系樹脂を24重量%含むエマルジョン溶液を2軸
延伸ポリエステルフィルム(厚さ:125μm)にバーコー
ト法で12g/m2となるようにコーティングし、さらに100
℃の熱風乾燥炉に供給し、乾燥した。乾燥後の厚さは0.
5μmであった。
この導電体層塗布後に20℃の温度下で相対湿度(RH)
が20%、40%、60%または80%のときの表面比抵抗を下
記の方法にしたがって測定した結果、それぞれ、9.0×1
07Ω、7.5×107Ω、7.0×107Ω、6.8×107Ωときわめて
すぐれた導電性を示し、従来のイオン伝導による導電性
の欠点であった抵抗値の湿度依存性が改善され、きわめ
て抵抗値の湿度依存性が小さいものであった。
この導電層がコーティングされた基体の導電層面にエ
チレン−アクリル酸(アクリル酸濃度20重量%)共重合
体とエチレン−イミン系カップリング剤で表面処理した
軽質炭酸カルシウムの微粉体を20重量%含有した水分散
エマルジョン溶液をバーコード法で厚さが5μmとなる
ようにコーティングし、高抵抗誘電体層としたのち、11
0℃の熱風乾燥炉に供給し、乾燥した。このものを20
℃、60%RHの雰囲気中に24時間入れて調湿して静電記録
体をえた。この静電記録体のコーティング層裏面をセロ
ファン粘着テープで補強し、さらに補強したコーティン
グ層面にセロファン粘着テープを貼り付けて素早く180
゜剥したが、基体、導電層および高抵抗誘電体層の各界
面での剥離は認められず、上質紙の凝集破れをおこした
ことから良好な接着状態であることがわかった。
この静電記録体は、静電マスターや電子写真マスター
用として好適に使用することができた。
(表面比抵抗) 静電記録用体を10cm×10cmに切り出し、20℃で20%、
40%、60%または80%RHにコントロールされた恒温恒室
中に48時間放置してエージングする。
エージング終了後、前記雰囲気中で表面比抵抗を測定
する。
測定器: (株)川口電気製作所製の超絶縁計(VE−40型)に常温
測定箱(RC−02型)を接続したもの 測定条件: 印加電圧100V 本器で測定した値を採用する。
なお、上記表面比抵抗において1×1013Ω以下のもの
が導電性にすぐれている。
実施例2 実施例1において、ポリオレフィン系樹脂エマルジョ
ンの固形分濃度を25重量%とし、厚さが15μmとなるよ
うに塗布したほかは実施例1と同様にして導電層を形成
した。乾燥後の導電層の厚さは3μmであった。
つぎに上記でえられた記録シート用支持体にスパーカ
レンダーを施して平滑にした。このものの表面比抵抗は
6.7×107Ωであった。
えられた記録シート用支持体の基体の裏面をセロファ
ン粘着テープで裏打ちしたのち、セロファン粘着テープ
で塗布面の剥離試験したが、塗布面の剥離は認められな
かった。
導電体層上に、アクリル樹脂(三菱レーヨン(株)
製、LR472)20gおよびタルク4gをメチルエチルケトン76
gに添加した溶液をバーコート法で厚さが30μmとなる
ように塗布して乾燥して高抵抗誘電体層を形成した。
えられた記録シートに上記と同様にして剥離試験を行
なったが、塗布層と高抵抗誘電体層間の剥離は認められ
なかった。
実施例3 実施例2において、ポリオレフィン系樹脂としてアク
リルアミド構造単位が式: で表わされるものを用いたほかは実施例2と同様にして
記録シート用支持体をえた。
えられた記録シート用支持体の物性を調べたところ、
実施例2でえられたものと同様に、塗布層の基体からの
剥離は認められず、さらにポリエステル系樹脂からなる
高抵抗誘電体を塗布して乾燥したのち、静電記録体とし
たものも実施例2でえられたものと同様に剥離は認めら
れず、良好な接着性を示した。
比較例1 導電剤としてカチオン型高分子導電剤(ポリビニルベ
ンジルトリメチルアンモニウムクロライド)の25%エマ
ルジョン溶液を実施例1と同じ基体に乾燥後の膜厚が2
μmとなるように塗布したのち、実施例1と同じ高抵抗
誘電体を塗布して記録シート用支持体をえた。
えられた記録シート用支持体の基体面をセロファン粘
着テープで裏打ちし、セロファン粘着テープで塗布面の
剥離試験した結果、導電層と高抵抗誘電体層間での剥離
が認められた。
比較例2 導電剤としてカチオン型高分子導電剤(ポリ(N,N−
ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウムクロライ
ド))を用い、高抵抗誘電体層樹脂成分としてスチレン
系樹脂(テイサンレンジN101:帝国化成(株)製)とア
クリル系樹脂(アクリディック7−1021:大日本インキ
化学工業(株)製)の1.25:1(重量比)の混合物に対し
て炭酸カルシウム40重量%添加した30%トルエン溶液を
用いて実施例1と同様にして記録シート用支持体をえ
た。
えられた記録シート用支持体の塗布裏面をセロファン
粘着テープで裏打ちし、セロファン粘着テープで塗布面
の剥離試験した結果、比較列1でえられたものと同様に
導電層と高抵抗誘電体層間での剥離が認められた。
[発明の効果] 本発明の記録シート用支持体は、導電性にすぐれるこ
とは勿論のこと、接着性を向上せしめるためのバインダ
ーを用いなくても基体、導電層および高抵抗誘電体の接
着性にすぐれたものである。
したがって、本発明の記録シート用支持体は、静電記
録方式をとる情報伝達分野で静電マスターや電子写真マ
スターなどに好適に使用しうるものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に導電層を設けてなる記録シート用
    支持体であって、導電層が式:CH2−CH2で表わされ
    るエチレン構造単位65〜98モル%、 一般式: (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表わ
    されるアクリレート構造単位1〜15モル%および一般
    式: (式中、R2は炭素数2〜8のアルキレン基、R3およびR4
    はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R5は炭素数1〜
    12のアルキル基、炭素数1〜12のアリールアルキル基ま
    たは炭素数1〜12の脂環アルキル基、Xはハロゲン原
    子、CH3OSO3またはC2H5OSO3を示す)で表わされるアク
    リルアミド構造単位1〜34モル%からなる線状に不規則
    に配列した重量平均分子量1000〜50000のポリオレフィ
    ン系樹脂を含有したポリオレフィン系樹脂層であること
    を特徴とする記録シート用支持体。
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