JPH05193116A - 段ボールシート用印刷機 - Google Patents

段ボールシート用印刷機

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JPH05193116A
JPH05193116A JP2723692A JP2723692A JPH05193116A JP H05193116 A JPH05193116 A JP H05193116A JP 2723692 A JP2723692 A JP 2723692A JP 2723692 A JP2723692 A JP 2723692A JP H05193116 A JPH05193116 A JP H05193116A
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printing
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transfer roll
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Yasuyuki Isowa
保之 磯輪
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Isowa Industry Co Ltd
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  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 残留インキを回収して、インキ消費量を少な
く抑える。 【構成】 版胴46の上方に、インキ転移ロール50と
絞りロール52とを備えるインキ転移機構48が配設さ
れる。インキ転移ロール50は、揺動機構53により圧
胴46に対して接離自在に構成される。両ロール50,
52の上方に、インキ貯留部Aへのインキの供給並びに
残留インキの回収を選択的に行なう供給・回収装置54
が軸方向に移動自在に配設される。両ロール50,52
の軸方向両端に、エアシリンダ72により昇降されて貯
留部Aの閉成および開放を選択的に行なう堰部材74が
夫々配設される。前記絞りロール52に近接する位置
に、該ロール52に接離自在にスクレーパ80が配設さ
れ、その接触時にロール表面に付着するインキを掻き取
るようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、段ボールシート用印
刷機に関し、更に詳細には、出願人の新たな開発に係る
低粘度で高度の速乾性を有するグリコール系インキを使
用するに際し、印刷オーダの変更等に伴ない残留する旧
オーダのインキを回収して、無駄に廃棄されるインキ量
を抑制すると共に、そのインキ替えを迅速に行ない得る
よう構成した印刷機に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来の段ボールシート用印刷機は、一般に
これを2つの型式に大別することができる。すなわち図
7に示す縦通し輪転印刷機と、図8に示すフレキソ印刷
機とがこれであって、使用するインキの性状に伴い夫々
異なる構成が採用されると共に、後述の如く長所および
短所が略相反している。
【0003】先ず縦通し輪転印刷機について述べると、
これは段ボールシートが、その段と直角をなす縦長方向
に通されるのでこの名がある。しかし現在では、段ボー
ルシートを横通しして印刷すると共に、スロッティング
等の工程も併せて実施するプリンタ・スロッタに広く採
用されており、業界ではプリスロ印刷機と称しているの
で、以下この通称に従うものとする。このプリスロ印刷
機は、粘度の高いグリコール系インキを使用し、該イン
キを多くのゴムロールにより練って均一にしてから、版
胴に装着した印版に転移させることを内容としている。
例えば図7は、プリスロ印刷機の各種ロール群を示し、
印版10を装着した版胴12と、該版胴12に対向配置
した圧胴14との間に、段ボールシート16が通されて
適宜の印刷がなされる。またインキ溜め20中のインキ
は、呼出しロール22,仲介ロール24および一連のト
ランスファーロール群18を介して、前記印版10に転
移される。
【0004】前述したプリスロ印刷機には、固有の長所
と短所とがあり、これを列挙すれば以下の通りである。
そしてこれら長所および短所は、基本的に高粘度のグリ
コール系インキを使用することに起因していると云って
よい。 〈長所〉 (a) シート表面に盛り上げた形で印刷するため、印刷
の仕上りに光沢がある。( b) 印版の必要箇所にだけインキを供給すればよいの
で、インキ消費量が少なくて済む(インキは循環させて
いない)。 (c) 色替えに際し、ロール上のインキは掻き取るだけ
で除去される。従って短時間でオーダチェンジができ、
多種少量の小ロット印刷に対応し得る。また後述のフレ
キソ印刷とは異なり、洗浄廃液は殆ど出ないので、コス
ト高となる廃液処理設備を設ける必要がない。 〈短所〉 (a) 近年のグリコール系インキは、速乾性のものが主
流となっており、最近は更にその程度につき改良がなさ
れている。しかし後述のフレキソ印刷に比べると、印刷
後の乾燥に未だかなりの時間を要する。従って、後工程
におけるダイカッタやフォルダグルワ等に直結し得な
い。 (b) 高粘度のインキを均一に練る必要があるので、イ
ンキ転移のためのロールが多段化して機構が複雑にな
る。またロールが摩耗した場合は、各ロールの間隔を調
整する煩雑な作業を必要とする。 (c) インキ供給時には、シートへのインキ転移量が多
いため濃く印刷され、インキが消費されるにつれシート
へのインキ転移量が減少して薄く印刷され、従って印刷
の濃淡ムラを生じ易い。このためオペレータは、色の濃
さ・薄さを常に監視し、色が薄くなった時点でインキを
供給する等の煩雑な作業を必要とする。
【0005】次にフレキソ印刷機は、プリスロ印刷機と
は異なり流動性に富む低粘度の水性インキを使用するも
のであって、インキ乾燥が極めて速いという特徴を有し
ている。例えば図8は、フレキソ印刷機の各種ロール群
を概略的に示し、印版10を装着した版胴12と、該版
胴12に対向配置した圧胴14との間に、段ボールシー
ト16が通されて適宜の印刷がなされる。また版胴12
に近接して、インキロール26および絞りロール28が
回転自在に配設され、両ロール26,28の間に供給さ
れたインキは、版胴12の印版10にインキロール26
を介して転移される。なおフレキソインキは高度に速乾
性であるため、前述のプリスロ印刷とは異なり、常に循
環させて乾燥固化を防止する必要がある。このため図9
に示すように、タンク30中のインキは、ポンプ32お
よび供給管34を介して前記両ロール26,28の間に
供給すると共に、ここに滞留したインキは、両ロール2
6,28の両端部から堰止部36,36および回収管38
を介して前記タンク30に回収する循環機構が採用され
ている。
【0006】前述したフレキソ印刷機の長所と短所とを
列挙すれば、以下の通りである。これらの長所および短
所も、使用するインキの性状、すなわち低粘度で高度に
速乾性である点に起因している。 〈長所〉 (a) 速乾性のインキを使用するため、印刷後にダイカ
ッタやフォルダグルワ等の次工程へ直ちに送ることがで
きる。 (b) インキはインキロールおよび絞りロールの間全体
に行き渡っているので、印刷時に幅方向の色ムラを生じ
ない。従ってオペレータは、印刷状態を常に監視する必
要がない。 (c) インキの転移機構が極めて簡単である。 〈短所〉 (a) インキを常に循環させるシステムを採用している
ので、色替えの際は多量の水でロールおよび循環系を洗
浄する必要がある。従って、インキの完全回収は無理で
かなりの損失を生ずると共に、公害防止対策の見地から
洗浄廃液の処理設備が必要となってコスト高となる。 (b) 色替えに時間を要するため、多種少量の小ロット
印刷には不適である。 (c) プリスロ印刷に比べると光沢がない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べた如く、プ
リスロ印刷機およびフレキソ印刷機は、その使用するイ
ンキの性状に応じて、殆ど相反し合う長所と短所とを夫
々有している。そして業界では、前述したフレキソ印刷
機の長所が着目され、プリスロ印刷機からフレキソ印刷
機への転換が広く行なわれるに至っている。すなわちフ
レキソ印刷機には固有の欠点はあるものの、それを考慮
に入れても、プリスロ印刷機より導入のメリットがあ
る、と業界で認知された結果と云ってよい。
【0008】ところで最近の業界は、多品種かつ少量の
段ボールシートを加工する小ロット対応に迫られてお
り、その傾向は年を追って顕著なものとなっている。こ
れを印刷機に関して考察すると、多種・少量の段ボール
シートの印刷に対応するために、限られた時間内で色替
えを行なう必要があることを意味する。しかるに前記小
ロットの印刷に伴う頻繁なオーダ変更の要請に対して
は、先にフレキソ印刷機の短所で述べた如く、色替えに
時間を要する対応が不充分である。また、洗浄廃液を処
理する問題も内在している。
【0009】このような小ロットの印刷に対しては、色
替え時間が短いことから、前述したプリスロ印刷機が好
適に使用可能である。しかしプリスロ印刷機は、印刷状
態を最適に維持するためオペレータに経験と勘が必要と
され、また印刷後の乾燥に時間を要し後工程に直結しな
い等、先に述べた欠点を有している。従ってユーザー
は、最近増大している多種・少量の小ロット印刷に対し
て、前記プリスロ印刷機を必ずしも満足して使用してい
るものではなく、フレキソ印刷よりは色替え時間が短い
から、という消極的な理由で該プリスロ印刷機を採用し
ているに過ぎない。
【0010】逆に云えば、色替え時間が短縮されて小ロ
ット印刷への対応が充分可能で、印刷中はオペレータに
よる常時監視を必要とせず、しかも印刷後は後工程に直
結し得る機能を備えた印刷機に対するユーザーの旺盛な
潜在的需要がある訳であるが、未だ実現されていないの
が実情である。このような、謂わばプリスロおよびフレ
キソ印刷の各長所を備えた印刷機を実用化するために
は、前記の仕様を満たすに適したインキの開発がキーポ
イントとなる(これは、先に述べた両タイプの印刷機が
夫々使用されるインキの性状に依存していたのと同様で
ある)。この点に関して出願人は、前述のユーザーサイ
ドでの潜在需要に応えるべくインキメーカーとタイアッ
プし、インキ自体の改良から根本的に取り組んだ結果、
フレキソインキに近い低粘度と速乾性とを有するグリコ
ール系のインキを開発するのに成功した。
【0011】しかし、この新開発に係るインキを種々試
験した結果、在来のプリスロ印刷機では、該インキの特
性を最大限に引出し得ないことが判明した。またフレキ
ソ印刷機で該インキを使用し得なくはないが、このイン
キは本来のフレキソインキ程に低粘度かつ速乾性という
訳ではないので、インキを循環させる必要はない。従っ
てフレキソ印刷機に特有のインキ循環機構を設ける意味
がなく、また色替えに際しても、洗浄時間を要して小ロ
ット対応が図られず、インキの無駄を生ずることにな
る。既に述べた如く夫々の型式の印刷機は、高粘度のグ
リコール系インキおよび低粘度の水性インキの各特性を
発揮させる構造を採用している訳であるから、これは当
然のことでもある。
【0012】そこで、ユーザーに段ボールシート用印刷
機を提供している出願人は、この新開発に係るインキの
特性を最大限に引出し得る新たな構想に係る印刷機につ
き、発明「段ボールシートへの印刷方法および装置」とし
て出願した。先の出願に係る印刷装置では、印版にイン
キを転移する機構および色替えに際しインキの洗浄を行
なう新たな機構を採用することにより、印刷運転時のイ
ンキ消費量が少なくて済むと共に、印刷オーダの変更等
に伴うインキ替えを迅速に行なうことができ、しかも後
工程に直結することができて、鮮明で美しい印刷を段ボ
ールシートに施すことができるようにしたものである。
但し、先の出願では、新開発に係るインキの特性を最大
限に引出し得る複数の実施例を包含する基本構成を提案
したものであり、各実施例において奏する効果のポイン
トは異なるものであった。また前記印刷装置を実用化す
る際には、ユーザーが最も望む効果を満すと共に、装置
を導入するに際して生ずる諸条件(例えば設置スペース
やコスト等)をクリアすることが必要となり、出願時点
では提案した何れの実施例が最適であるかは判明してい
なかった。
【0013】
【発明の目的】この発明は、新開発に係るインキの特性
を最大限に引出し得る印刷機を実用化するに際し、殊に
印刷オーダの変更等に伴なう作業に着目して、インキ転
移機構に残留する旧オーダに係るインキが無駄に廃棄さ
れるのを防ぐと共に、インキ替えを迅速に行ない得る印
刷機を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、所期
の目的を達成するため本発明は、印版を装着した版胴
と、この版胴に対向配置した圧胴とを備え、前記印版に
インキを転移させると共に、相互に反対方向に回転する
前記版胴と圧胴との間に段ボールシートを通過させて、
該シートに所要の印刷を行なうよう構成した段ボールシ
ート用印刷機において、前記版胴に対し近接・離間自在
に配設され、近接時に該版胴の印版と接触して回転する
インキ転移ロールと、このインキ転移ロールに運転中は
常に接触して回転し、インキ量の絞り調整を行なう絞り
ロールと、これらインキ転移ロールおよび絞りロールの
上方に配設されて該ロールと平行に移動可能で、両ロー
ルの間に画成されるインキ貯留部への低粘度かつ高度速
乾性インキの供給並びに残留インキの回収を選択的に行
なう供給・回収装置と、前記インキ転移ロールおよび絞
りロールにおける軸方向の両端部に接離自在に配置さ
れ、前記インキ貯留部の長手方向両端部を選択的に閉成
または開放する堰部材とから構成したことを特徴とす
る。
【0015】
【実施例】次に、本発明に係る段ボールシート用印刷機
につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しなが
ら以下説明する。図1は、実施例に係る印刷機の概略側
面図であって、段ボールシートへの印刷状態で示し、ま
た図4は、同印刷機の印刷終了後におけるインキ洗浄状
態を示す概略側面図である。図示の印刷機40は、段ボ
ールシート43の給送方向と交差する方向に所定間隔離
間した機枠51,51(一部のみ図示)の間に、印版42
が着脱自在に装着される版胴44と、段ボールシート4
3のパスラインを挟む下方に対向配置した圧胴46とを
回転自在に備えていて、これら版胴44および圧胴46
は相互に反対方向への回転がなされる。
【0016】前記版胴44の上方には、印版42にイン
キを転移させるインキ転移機構48が配設されている。
このインキ転移機構48は、供給されたインキを印版4
2に直接転移させるインキ転移ロール50と、該ロール
50に圧接されてインキ量の絞り調整を行なう絞りロー
ル52と、絞りロール52の回転軸を中心としてインキ
転移ロール50を所要の角度範囲で変位させ得る揺動機
構53とから基本的に構成されている。そして該揺動機
構53を選択的に作動させることにより、後述する如く
インキ転移ロール50を、前記印版42に接触させて
インキを該印版42に転移させるインキ転移位置と、
前記印版42から離間してインキ転移不能状態とするイ
ンキ洗浄位置とに変位させ得るものである。
【0017】すなわちインキ転移ロール50は、前記版
胴44に対し近接・離間自在に配設され、近接時には該
版胴44に装着した印版42に接触して回転可能となっ
ている。このインキ転移ロール50の表面には、微細な
窪みを所要のパターンで凹設したアニロックスが形成さ
れ、これら微細窪みは、一定量のインキを溜めると共に
ロール回転時のインキ飛散を防止するべく機能してい
る。なおインキ転移ロール50には鉄系金属材質が採用
されるが、金属ロールの表面にセラミックス被膜を爆発
溶射等の手段により形成し、このセラミックス被膜にア
ニロックスを彫刻するようにしてもよい。更に、このイ
ンキ転移ロール50として、アニロックスの彫刻を施し
てない鉄ロール(メッキだけを施したもの)や、単なるゴ
ムロールも好適に使用可能である。
【0018】前記インキ転移ロール50に隣接して配設
される絞りロール52は、インキ転移ロール50と運転
中は常に接触すると共に、該ロール50と同速若しくは
低速で回転して、インキ転移ロール50の表面における
余剰インキの絞り調整を行なうべく機能する。この絞り
ロール52は、鉄系の金属材質またはゴム等の柔軟な材
質のものとするのが好適である。なおゴム系材質を使用
する場合は、その硬度を、ロールの長短に応じて例えば
ショアー硬度50〜75度の範囲内で適宜選択すること
が推奨される。
【0019】前記インキ転移ロール50および絞りロー
ル52を備えるインキ転移機構48において、絞りロー
ル52の回転軸を中心として、前記インキ転移ロール5
0を所要角度範囲で変位させ得る揺動機構53が設けら
れている。すなわち、機枠51,51に回転自在に配設
した絞りロール52の機枠51内部に臨む両軸端部に、
支持ブラケット62,62(一方のみを図示)が回転自在
に枢支され、該支持ブラケット62,62間にインキ転
移ロール50が回転自在に枢支されている。支持ブラケ
ット62におけるインキ転移ロール50が枢支される側
の上端部に、保持部材64が配設されると共に、機枠5
1,51に回転自在に枢支した切換え軸66に偏心的に
配設した対応の偏心輪68が、各保持部材64に回転自
在に枢支してある。また切換え軸66は、図示しないモ
ータまたはエアシリンダにより回転駆動されるようにな
っている。従って、モータまたはエアシリンダを付勢し
て偏心輪68,68を所定中心角で回動させることによ
り、インキ転移ロール50を、図1に示す如く、印版
42に接触させてインキの転移を行なうインキ転移位置
と、図4に示す如く、印版42から離間してインキの
転移を不能とするインキ洗浄位置とを選択し得るもので
ある。また両方のロール50,52に異なる回転を与え
る機構については、それ自体は公知であるので説明は省
略する。
【0020】前記インキ転移ロール50および絞りロー
ル52においては、両ロール50,52を圧接させた際
に、これら両ロールの長手方向の接触領域にインキ貯留
部Aを画成し得るようになっている。そしてこのインキ
貯留部Aにインキを供給すると共に、該貯留部Aに残留
するインキを回収する供給・回収装置54が、前記両ロ
ール50,52の上方に配設されている。なお、印刷時
のインキ供給量が少なすぎると、印刷面にカスレや抜け
を生ずる。
【0021】そこで図2に示す如くこの供給・回収装置
54は、インキ供給量を印刷物の図柄に合わせて、必要
個所に重点的にインキを供給し得るようになっている。
すなわち、前記機枠51,51の上端間に両ロール50,
52と平行な横桁85が架設され、該横桁85の上面に
形成したガイドレール86に、ローラ87,87を介し
て移動台88が移動自在に支持されている。横桁85に
は、長手方向に所定間隔離間して一対のスプロケット8
9,89が回転自在に枢支されると共に、一方のスプロ
ケット89は駆動モータ90により正逆回転されるよう
構成してある。また両スプロケット89,89間に無端
チェン91が巻掛けられると共に、該無端チェン91の
所要部位が前記移動台88に固定されている。従って、
駆動モータ90を正逆付勢して無端チェン91を走行さ
せることにより、該チェン91の走行に伴って移動台8
8はガイドレール86に沿って往復移動する。
【0022】前記移動台88には、図2に示す如く、前
記絞りロール52の上方に垂下する略U形状のブラケッ
ト92が配設され、該ブラケット92に、所定量のイン
キが貯留されるインキポット58が着脱自在に装着され
るようになっている。またブラケット92には、インキ
ポット58の上方に支持板94が配設されると共に、該
支持板94にチュービングポンプ95および該ポンプ9
5を駆動する可逆モータ96が配置されている。このチ
ュービングポンプ95には、可撓性のチューブ60が着
脱自在に介挿され、該チューブ60の一方の開口部60
aはインキポット58に貯留したインキに浸漬されてい
る。また該可撓性チューブ60の他方の開口部60b
は、前記インキ貯留部Aの上方に臨んでいる。
【0023】前記チュービングポンプ95の基本構造は
公知のものであって、所定の軌道に沿って移動するロー
ラ97により可撓性チューブ60をしごくことにより、
該チューブ内のインキを所定方向に押出すものである。
そして、前記可逆モータ96を正転方向に付勢してチュ
ービングポンプ95のローラ60を時計方向に移動する
と、可撓性チューブ60内のインキが開口部60b側に
押出され、これによりインキポット58のインキをイン
キ貯留部Aに供給する。また前記可逆モータ96を逆転
方向に付勢してローラ97を反時計方向に移動すると、
可撓性チューブ60内のインキは開口部60a側に押出
され、これによりインキ貯留部Aのインキをインキポッ
ト58に回収するよう設定されている。
【0024】従って、前記駆動モータ90により移動台
88を移動させることにより、前記可撓性チューブ60
の開口部60bを両ロール50,52の軸方向に移動さ
せた後、前記可逆モータ96を正転方向に付勢すれば、
所要個所に重点的にインキを供給することができる。こ
の印刷機40に使用されるインキは、先に述べた如く、
出願人により新たに開発された低粘度かつ高度に速乾性
のグリコール系インキであって、フレキソ印刷機の如く
インキ循環させる必要はない。
【0025】前記ブラケット92には、図1に示す如
く、前記チュービングポンプ95の右方に延出する可撓
性チューブ60が挿通されるホルダ98が昇降自在に配
設され、該ホルダ98に通挿されて垂下する下端開口部
60bがインキ貯留部Aの上方に臨んでいる。またブラ
ケット92にエアシリンダ99が倒立配置され、そのピ
ストンロッド99aにホルダ98が連結され、シリンダ
99を正逆付勢することによって、開口部60bの高さ
位置を変位させ得るよう構成されている。すなわち、印
刷オーダの変更等に伴なうインキ替えに際し、可撓性チ
ューブ60の開口部60bをインキ貯留部Aに残留して
いる旧オーダのインキに浸漬させることができる。そし
てこの状態で前記可逆モータ96を逆転方向に付勢すれ
ば、インキ貯留部Aに残留するインキをインキポット5
8に回収することができる(図3参照)。なお符号100
は、前記ホルダ98から垂下する可撓性チューブ60を
支持して、インキ貯留部Aの上方に開口部60bを安定
的に臨ませるガイドを示す。更に、開口部60bの高さ
位置を変える手段として、エアシリンダを介して支持板
94を昇降させることにより、チュービングポンプ95
自体を昇降させるようにしてもよい。
【0026】前記ブラケット92の底面に案内ローラ9
3,93が回転自在に枢支され、この案内ローラ93,9
3は、図1に示す如く、前記両ロール50,52と平行
に設けたガイド56に摺動自在に当接し、ブラケット9
2が円滑に移動し得るよう構成されている。
【0027】またブラケット92には、洗浄液供給管
(図示せず)が配設され、該洗浄液供給管の開口部はイン
キ貯留部Aに臨んでいる。この洗浄液供給管には、適宜
の固定位置に配置した洗浄液タンクが、パイプ(何れも
図示せず)を介して接続されており、該タンクに貯留さ
れた洗浄液は、圧縮空気により供給管に圧送されるよう
になっている。すなわち、供給・回収装置54は、その
印刷運転時には前記ガイドレール86に沿って水平方行
に走行し、可撓性チューブ60を介して前述のインキ貯
留部Aにインキを供給する。また段ボールシート43に
おける印刷オーダの変更等に伴う色替えに際しては、前
記インキ貯留部Aに残留する旧オーダのインキを回収す
ると共に、図示しない洗浄液供給管を介して貯留部Aに
洗浄液を供給するよう構成されている。
【0028】前記支持ブラケット62には、図1に示す
如く、支持部材70を介してエアシリンダ72が倒立配
置され、該エアシリンダ72のピストンロッド72aに
板状の堰部材74が配設されている。この堰部材74
は、図2に示す如く、印刷運転時にエアシリンダ72の
付勢により下降される。そして該堰部材74を、インキ
転移ロール50と絞りロール52の軸方向端部に密着さ
せることによって、両ロール50,52の間に画成され
るインキ貯留部Aを閉成し、前記供給・回収装置54か
ら供給されるインキや洗浄液を該貯留部Aに貯留し得る
ようになっている(図1参照)。またインキ洗浄に際して
は、該堰部材74はエアシリンダ72の逆付勢により上
昇して前記インキ貯留部Aを開放し、該貯留部Aに残留
しているインキを洗い流した洗浄廃液を長手方向の両端
部から排出し得るよう構成される(図4参照)。なおイン
キ転移ロール50および絞りロール52の軸方向両端部
より下方に樋部材76が配設され、前記堰部材74,7
4の開放動作によりインキ貯留部Aから流出するインキ
洗浄水をこの樋部材76で受けて、後述するインキパン
78に回収するようになっている。
【0029】前記絞りロール52に近接した略接線位置
には、オーダ変更等による色替えに際し、インキの洗浄
を行なうための長尺のブレード状板体からなるスクレー
パ80が配設されている。このスクレーパ80は、絞り
ロール52の回転方向に対し逆らう方向に、その先端を
接線方向に沿って指向させており、適宜のモータ82に
より正逆回転されてロール表面に接離自在となってい
る。そしてインキの洗浄に際しては、インキ転移機構4
8に関連して設けた前記揺動機構53を作動させ、絞り
ロール52の回転軸を中心として前記インキ転移ロール
50を、図4に示す如く反時計方向に変位させることに
より、印版42から離間するインキ洗浄位置に臨ませ
る。次いで、モータ82を付勢してスクレーパ80を、
絞りロール52に接触させることにより、該ロール52
に転移しているインキが掻き上げ除去される。この除去
されたインキは、スクレーパ80の下方に設けたインキ
パン78に回収される。またインキパン78には、廃液
タンク(図示せず)に連通する廃液管84が接続され、該
インキパン78に回収された廃液は所要部位に設けた廃
液タンクに集められるようになっている。なお、前記樋
部材76に排出された洗浄廃液を、インキパン78を介
すことなく、直接廃液タンクに導くようにしてもよい。
【0030】前記スクレーパ80は、鉄系の金属材質や
ゴム等の柔軟な材質が適宜選択される。なお、前記絞り
ロール52がゴム等の柔軟な材質の場合は、スクレーパ
80はロール52の硬度より低い硬度の材料(例えば硬
度の低いゴム板等)を使用することが推奨される。これ
により、該スクレーパ80を絞りロール52に当接して
インキを掻き取る際に、絞りロール52が損傷するのを
防止できる。なお、この場合にスクレーパ80全体を軟
質の材料で構成する必要は必ずしもなく、金属材質のス
クレーパ80の先端に別途軟質材料を設けるようにして
もよい。また図示例のスクレーパ80は、その先端を絞
りロール52の回転方向に対し逆らう方向に指向させて
あるが、これに限られるものではない。逆に該スクレー
パ80を、絞りロール52の回転方向に対し順方向に指
向させた状態で、該ロール52の表面に対し接離自在に
構成してもよい。更に、該スクレーパ80を絞りロール
52に対して当接および離間させる手段として、エアシ
リンダ等のリニアアクチュエータも使用可能である。
【0031】
【実施例の作用】次に、前述した構成に係る段ボールシ
ート用印刷機の作用につき説明する。印刷の準備作業と
して、前述した揺動機構53を作動させ、絞りロール5
2の回転軸を中心としてインキ転移ロール50を時計方
向に変位させる。これにより図1に示すように、イン
キ転移機構48のインキ転移ロール50は版胴44(印
版42)に接触させられる。またスクレーパ80も、
絞りロール52から離間している。更に、両ロール5
0,52の軸方向の両端部に設けた堰部材74,74は下
降位置にあって、前記インキ貯留部Aにおける長手方向
の両端部を閉成している。また供給・回収装置54の
チュービングポンプ95に介挿した可撓性チューブ60
は、その一方の開口部60aをインキポット58に貯留
したインキに浸漬すると共に、他方の開口部60bをイ
ンキ貯留部Aの上方に臨ませている。
【0032】この状態で前記可逆モータ96を正転方向
に付勢すると、チュービングポンプ95のローラ97が
時計方向に移動し、可撓性チューブ60をしごいて内部
のインキを開口部60b側に押出す。すなわち、ローラ
97によるチューブ60の連続的なしごきによって、イ
ンキポット58中のインキは、可撓性チューブ60を介
して回転中のインキ転移ロール50と絞りロール52と
の間(インキ貯留部A)に供給される。このインキは、両
ロール50,52の軸端に臨む堰部材74,74に規制さ
れた状態で貯留される。
【0033】これにより版胴44に装着した印版42の
表面には、インキ転移ロール50を介して、適正量のイ
ンキが転移される。この状態の下で、図示しない上流側
のストッカより、段ボールシート43を1枚づつ版胴4
4と圧胴46との間に供給することにより、該シート4
3には所要の印刷が施される。インキは速乾性であるか
ら、印刷後は直ちに後工程のダイカッタやフォルダグル
ワ等に送り込むことができる。またインキはインキ転移
ロール50と絞りロール52の間全体に行き渡っている
ので、印刷時に幅方向の色ムラを生ずることがなく、従
ってオペレータは印刷状態を常に監視する必要がない。
【0034】ここで、前記インキ貯留部Aに貯留される
インキの消費量は、その軸方向に均一に減るものでな
く、前記段ボールシート43の印刷位置や印刷面積によ
って異なる。従ってこの場合は、前記駆動モータ90を
付勢して移動台88をガイドレール86に沿って移動さ
せ、前記可撓性チューブ60の開口部60bをインキ貯
留部Aにおけるインキ消費量の多い場所に臨ませる。次
いで、前記インキポット58のインキを、チューブ60
を介して貯留部Aに供給することにより、インキ消費量
に応じた個所に必要量のインキを供給することができ
る。この結果、インキ消費量が少なくて済む利点があ
る。またインキを循環していないので、従来循環のため
に必要であったインキを省くことができ、インキ購入時
のロット単位を少なくすることができ、在庫費用を軽減
させ得る。
【0035】印刷オーダの変更等に伴う色替えのため
に、使用するインキを替える場合は、以下の手順でイン
キ回収および洗浄がなされる。先ず、前記可逆モータ9
6を停止して、可撓性チューブ60によるインキ供給を
停止する。また前記エアシリンダ99をロッド99aを
延出する方向に付勢し、ホルダ98と共に可撓性チュー
ブ60を下降させ、図3に示す如く、その開口部60b
をインキ貯留部Aに残留する旧オーダのインキに浸漬さ
せる。次いで、可逆モータ96を逆転方向に付勢し、チ
ュービングポンプ95のローラ97を反時計方向に移動
させることにより、インキ貯留部Aに残留するインキは
可撓性チューブ60を介して吸上げられて、前記インキ
ポット58に回収される。これにより、使用されること
なく貯留部Aに残留しているインキを回収することがで
き、該インキが無駄に廃棄されるのを防止し得る。な
お、この際に前記ブラケット92を両ロール50,52
の軸方向へ移動させながらインキの回収を同時に行なえ
ば、回収時間の短縮を図ることができる。
【0036】次に、エアシリンダ99を逆付勢して開口
部60bを上昇させた後、前記揺動機構53を逆作動さ
せて、絞りロール52の回転軸を中心としてインキ転移
ロール50を反時計方向に変位させることにより、図4
に示す如く、インキ転移ロール50は版胴44(印版4
2)から離間させられる。そこで前記モータ82を付勢
して、スクレーパ80を絞りロール52に適正圧で接触
させる。そしてインキ転移ロール50および絞りロール
52を同一周速で空回転させると、絞りロール52の表
面に付着しているインキは、前記スクレーパ80により
掻き上げ除去され、該インキはインキパン78に回収さ
れる。
【0037】前記供給・回収装置54により回収される
ことなくインキ貯留部Aに残留するインキの殆どは、前
記スクレーパ80により除去されるが、前記インキ転移
ロール50のアニロックス内には微量のインキが残留し
ている。そこで、スクレーパ30を絞りロール52から
離間させ、前記供給・回収装置54に配設した洗浄液供
給管を介して、両ロール50,52間に画成される前記
インキ貯留部Aに洗浄液を供給する。この貯留部Aは、
前記堰部材74,74によって長手方向の両端部を閉成
されているので、洗浄液は軸方向の全体に行き亘った状
態で貯留されることとなる。この状態で所定時間だけ洗
浄運転を行なった後、堰部材74,74を上昇させてイ
ンキ貯留部Aを開放すれば、インキ転移ロール50に残
留するインキを洗い流した洗浄廃液は、該貯留部Aの両
端から前記樋部材76に排出される。更にこの洗浄廃液
は、前記樋部材76よりインキパン78に供給され、こ
こから図示しない廃液タンクに回収される。なお、前記
洗浄液をインキ貯留部Aに供給するに際し、前記ブラケ
ット92を両ロール50,52の軸方向へ移動させつつ
行なえば、洗浄時間を短縮することができる。
【0038】また、前記供給・回収装置54のブラケッ
ト92に装着したインキポット58を、新たなオーダに
係るインキを貯留したものに替えると共に、チュービン
グポンプ95から可撓性チューブ60を取外す。この可
撓性チューブ60を装置の外部で洗浄した後、再びチュ
ービングポンプ95に介挿すると共に、一方の開口部6
0aをインキポット58に貯留したインキに浸漬し、ま
た他方の開口部60bをインキ貯留部Aの上方に臨ませ
ることにより、色替えが完了する。
【0039】なお、インキポット58とインキ貯留部A
とは近接しているので、可撓性チューブ60の長さ寸法
は短く、該チューブ60内に付着残留するするインキを
少なくすることができると共に、チュービングポンプ9
5自体の洗浄は必要ないので、インキロスを少なく抑え
ることができる。また、オーダ変更に際して予め洗浄済
みの可撓性チューブ60を用意しておけば、チューブ6
0を交換するだけの極めて短かい時間で色替えを行なう
ことができる。
【0040】このようにオーダ変更に伴う色替えに際
し、インキ貯留部Aに残留するインキを回収し得るの
で、無駄に廃棄されるインキを極めて少なく抑えること
ができ、インキの節約が図られる。またスクレーパ80
により大部分のインキを掻き取った後に極めて少量の洗
浄液を使用するだけで、インキ転移ロール50に付着す
るインキを確実に除去し得る。更に、可撓性チェーブを
交換するようにすれば、ポンプやインキ循環系の洗浄を
行なう必要がないので、短時間でオーダチェンジができ
て多種少量の小ロット印刷に好適に対応することができ
る。またインキ洗浄に使用される洗浄液の量は、従来の
フレキソ印刷機においては約60リットル程度必要であ
ったのに対し、新開発のインキを使用した場合は200
cc程度で済み、洗浄廃液を極めて少なく抑えることが
でき、公害防止に大きく貢献することができる。
【0041】なお、インキ洗浄に際しては、前述した方
法の他に、前記洗浄廃液を回収した後、前記スクレー
パ80を再び絞りロール52に当接し、該ロール52に
付着する水分を除去するようにしてもよい。また、前
記スクレーパ80により絞りロール52のインキを掻き
取った後、該スクレーパ80をロール52に当接した状
態のまま、インキ転移ロール50と絞りロール52の間
に洗浄液を供給することにより洗浄を行なうようにする
か、または絞りロール52のインキを掻き取った後、
一旦スクレーパ80をロール52から離し、洗浄液がロ
ール軸方向全体に行き渡ったのを見計らって、該スクレ
ーパ80を再び絞りロール52に当接し、洗浄廃液をイ
ンキパン78に回収するようにしてもよい。の場合
は、インキ転移ロール50に残留するインキの殆どをス
クレーパ80を介して除去することができるので、両ロ
ール50,52の間に供給する洗浄液を極めて小量で済
ませることができる。
【0042】
【別実施例について】図5は、別実施例に係る印刷機を
概略側面で示すものであって、版胴44と圧胴46およ
びインキの供給・回収装置54の基本構成は、図1〜図
4に関連して説明したところと同一である。但し、印版
42にインキを転移する機構48におけるインキ転移ロ
ール50のインキ量を調節する機構が相違している。す
なわち、インキ転移ロール50が回転自在に枢支される
一対の支持ブラケット62,62に、長尺板体からなる
調節板110が転移ロール50の回転方向に対して順方
向に、その先端を接線方向に沿って指向させている。こ
の調節板110はモータ112に接続され、該モータ1
12の正逆付勢により、その先端とロール表面との間隔
を調節自在に構成されて、インキ転移ロール50の表面
におけるインキ量を調節するべく機能する。なお、モー
タ112に代えてエアシリンダ等のリニアアクチュエー
タにより、調節板110とインキ転移ロール50との間
隔調節を行なうようにしてもよい。
【0043】また、インキ転移ロール50および調節板
110の上方には、両部材の長手方向にインキ貯留部A
が画成されると共に、該貯留部Aの長手方向両端は、前
述した堰部材74,74により閉成および開放を選択的
に行なうよう構成されている。なお、インキ貯留部Aに
おける長手方向両端の閉成および開放を、エアカーテン
により行なうようにしてもよい。例えば、送風源に接続
する一対の空気吹付管を、インキ貯留部Aの両端部近傍
の上方に臨ませ、印刷機の印刷運転時には、空気吹付管
から貯留部Aに向けて空気を吹出すことによりインキを
堰止める。そして、オーダ変更等に伴なう色替えに際し
ては、空気吹付管からの空気吹出しを停止することによ
り、インキ貯留部Aの残留インキや洗浄廃液を端部から
樋部材76に排出することができる。
【0044】前記インキ転移ロール50に近接した位置
に、長尺板体からなるスクレーパ80が配設され、この
スクレーパ80は、流体圧シリンダ114に接続してロ
ール表面に接離自在となっている。そして図6に示すよ
うに、該スクレーパ80がインキ転移ロール50に接触
することにより、該ロール50に転移したインキの除去
がなされる。除去されたインキは、スクレーパ80の下
方に設けたインキパン78に回収されるようになってい
る。またスクレーパ80の駆動源としては、図1に示す
実施例と同様にモータであってもよい。
【0045】なお、前記インキ転移ロール50を、印
版42に接触させてインキの転移を行なうインキ転移位
置と、印版42から離間してインキの転移を不能とす
るインキ洗浄位置とに変位させる揺動機構53は、基本
的には図1に示す実施例と同一である。但し、各支持ブ
ラケット62は、外側(対向する他方の支持ブラケット
62から離間する側)に突設した突出軸116を介して
機枠に回転自在に枢支されている。そして、前記切換え
軸66を回転させることにより、支持ブラケット62,
62は突出軸116,116を中心として回動し、イン
キ転移ロール50をインキ転移位置(図5)とインキ洗浄
位置(図6)とに変位させるよう構成される。
【0046】
【別実施例の作用】次に、前述した別実施例に係る段ボ
ールシート用印刷機の作用につき説明する。印刷の準備
作業として、図5に示すように、インキ転移ロール5
0を版胴44(印版42)に接触させると共に、スクレ
ーパ80をインキ転移ロール50から離間させる。ま
た、調節板110の先端とインキ転移ロール50の表
面との隙間を、前記モータ112を付勢して適正な値に
調節する。更に、堰部材74,74は下降位置にあっ
て、前記インキ貯留部Aにおける長手方向の両端部を閉
成している。そして調節板110と回転中のインキ転移
ロール50の間に、前記チュービングポンプ95から延
出する可撓性チューブ60を介してインキを供給する
と、該インキは堰部材74,74に規制された状態でイ
ンキ貯留部Aに貯留される。
【0047】これにより版胴44に装着した印版42の
表面には、インキ転移ロール50を介して、適正量のイ
ンキが転移される。この状態の下で、図示しない上流側
のストッカより、段ボールシート43を1枚づつ版胴4
4と圧胴46との間に供給することにより、該シート4
3には所要の印刷が施される。インキは速乾性であるか
ら、印刷後は直ちに後工程のダイカッタやフォルダグル
ワ等に送り込むことができる。またインキはインキ転移
ロール50と調節板110の間全体に行き渡っているの
で、印刷時に幅方向の色ムラを生ずることがなく、従っ
てオペレータは印刷状態を常に監視する必要がない。
【0048】印刷オーダの変更等に伴なう色替えのため
に、使用するインキを替える場合は、以下の手順でイン
キ洗浄がなされる。先ず、チュービングポンプ95から
延出する可撓性チューブ60によるインキ供給が停止さ
せられる。また可撓性チューブ60を下降し、その開口
部60bをインキ貯留部Aに残留しているインキに浸漬
した状態で、チュービングポンプ95を逆作動すること
により、残留インキをインキポット58に回収する。
【0049】次に、可撓性チューブ60を上昇した後、
前記揺動機構53を逆作動させて、前記突出軸116,
116を中心としてインキ転移ロール50を反時計方向
に変位させることにより、図6に示す如く、インキ転移
ロール50は版胴44(印版42)から離間させられる。
そこで前記流体圧シリンダ114を付勢して、スクレー
パ80をインキ転移ロール50に適正圧で接触させる。
そしてインキ転移ロール50と調節板110との間隔を
拡げると、可撓性チューブ60により回収されることな
くインキ貯留部Aに残留するインキの殆どは転移ロール
50の表面に付着し、該インキはスクレーパ80により
掻き上げ除去されてインキパン78に回収される。
【0050】次に、スクレーパ80をインキ転移ロール
50から離間させると共に、調節板110を該ロール5
0に接触させ、前記供給・回収装置54に配設した洗浄
液供給管を介して、前記インキ貯留部Aに洗浄液を供給
する。この貯留部Aは、前記堰部材74,74によって
長手方向の両端部を閉成されているので、洗浄液は軸方
向の全体に行き亘った状態で貯留されることとなる。こ
の状態で所定時間だけ洗浄運転を行なった後、堰部材7
4,74を上昇させてインキ貯留部Aを開放すれば、イ
ンキ転移ロール50に残留するインキを洗い流した洗浄
廃液は、該貯留部Aの両端から前記樋部材76に排出さ
れる。更にこの洗浄廃液は、前記樋部材76よりインキ
パン78に供給され、ここから図示しない廃液タンクに
回収される。
【0051】また前記供給・回収装置54のインキポッ
ト58を交換すると共に、チュービングポンプ95から
可撓性チューブ60を取外して洗浄するか、または予め
用意しておいたチューブ60と交換することにより、色
替えが完了する。
【0052】なお、インキ洗浄方法としては、洗浄廃
液を回収した後、スクレーパ80によりインキ転移ロー
ル50に付着する水分を除去するようにしたり、スク
レーパ80によりインキ転移ロール50のインキを掻き
取った後、該スクレーパ80をロール50に当接した状
態のまま、インキ貯留部Aに洗浄液を供給することによ
り洗浄を行なうようにしてもよい。また図1に示す実施
例に関して説明したその他の方法も、適宜採用可能なこ
と勿論である。
【0053】実施例では、樋部材に排出された洗浄廃液
をインキパンを介して廃液タンクに回収するようにした
が、本願はこれに限定されるものでなく、樋部材に排出
された洗浄廃液を、直接廃液タンクに導くよう構成する
ようにしてもよい。また、インキの供給並びに回収を選
択的に行なう供給・回収装置は、実施例の如く1基に限
定されるものでなく、複数の供給・回収装置を直列に配
設してもよい。この場合は、各供給・回収装置は短い領
域を移動すればよいので、インキ貯留部の必要個所に迅
速にインキを供給することができる。更に実施例では、
インキ貯留部へのインキ供給およびインキ回収をチュー
ビングポンプを使用して行なう場合につき説明したが、
本願はこれに限定されるものでなく、正逆付勢可能なポ
ンプであれば、その他の種類のものも採用し得るもので
ある。
【0054】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明に係る段ボ
ールシート用印刷機によれば、インキ転移ロールと絞り
ロールとの間にインキ貯留部を画成し、該貯留部を堰部
材により閉成可能に構成したので、該貯留部に必要量の
インキを貯留することができる。このため色ムラを生ず
ることがなく、オペレータは印刷状態を常に監視する必
要がない。更に、インキの供給・回収装置をインキ貯留
部に沿って移動可能に構成することにより、印版の必要
箇所にインキを重点的に供給することが可能となる。従
ってインキ消費量が少なくて済み、しかもインキを常時
循環させる必要がないため、機構が簡素化される利点が
ある。
【0055】また印刷オーダの変更等に伴う色替えに際
し、インキ貯留部に残留するインキを供給・回収装置を
介して回収し得るので、無駄に廃棄されるインキを極め
て少なく抑制することができ、インキの節約が図られ
る。しかも前記の如くインキの常時循環は必要としない
ために、洗浄廃液は極めて少量となり、インキの大幅な
節約が図られると共に公害防止の見地からも極めて有利
である。また、インキの練り機構や循環機構を必要とし
ないので、省スペースと低コストとを実現し得る。
【0056】更に、チュービングポンプを使用してイン
キの供給と回収とを行なうよう構成することにより、色
替えに際しては、ポンプ自体の洗浄を行なう必要がな
く、洗浄により廃棄されるインキの量を少なく抑制する
ことができる。また可撓性チューブはポンプから簡単に
取外し得るので、該チューブの洗浄を短時間で容易に行
なうことができ、色替に要する時間を極めて短縮し得
る。また、色替に際して予め洗浄済みの可撓性チューブ
を用意しておけば、これにより更に時間短縮を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る印刷機の概略側面図であ
って、段ボールシートへの印刷状態で示すものである。
【図2】図1に示す印刷機におけるインキ転移機構およ
び供給・回収装置の概略構成を示す要部斜視図である。
【図3】図1に示す印刷機において、印刷終了後におけ
るインキ回収状態を示す概略側面図である。
【図4】図1に示す印刷機において、印刷終了後におけ
るインキ洗浄状態を示す概略側面図である。
【図5】本発明の別実施例に係る印刷機の概略側面図で
あって、段ボールシートへの印刷状態で示すものであ
る。
【図6】図5に示す印刷機において、印刷終了後におけ
るインキ洗浄状態を示す概略側面図である。
【図7】従来技術に係るプリスロ印刷機において、その
各種ロール配列を概略的に示す側面図である。
【図8】従来技術に係るフレキソ印刷機の各種ロール配
列を、概略的に示す側面図である。
【図9】図8に示すフレキソ印刷機におけるインキ循環
供給系の概略機構を示す斜視図である。
【符号の説明】
42 印版 43 段ボールシート 44 版胴 46 圧胴 50 インキ転移ロール 52 絞りロール 54 供給・回収装置 58 インキポット 60 可撓性チューブ 74 堰部材 95 チュービングポンプ 96 可逆モータ A インキ貯留部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印版(42)を装着した版胴(44)と、この版
    胴(44)に対向配置した圧胴(46)とを備え、前記印版(42)
    にインキを転移させると共に、相互に反対方向に回転す
    る前記版胴(44)と圧胴(46)との間に段ボールシート(43)
    を通過させて、該シート(43)に所要の印刷を行なうよう
    構成した段ボールシート用印刷機において、 前記版胴(44)に対し近接・離間自在に配設され、近接時
    に該版胴(44)の印版(42)と接触して回転するインキ転移
    ロール(50)と、 このインキ転移ロール(50)に運転中は常に接触して回転
    し、インキ量の絞り調整を行なう絞りロール(52)と、 これらインキ転移ロール(50)および絞りロール(52)の上
    方に配設されて該ロール(50,52)と平行に移動可能で、
    両ロール(50,52)の間に画成されるインキ貯留部(A)への
    低粘度かつ高度速乾性インキの供給並びに残留インキの
    回収を選択的に行なう供給・回収装置(54)と、 前記インキ転移ロール(50)および絞りロール(52)におけ
    る軸方向の両端部に接離自在に配置され、前記インキ貯
    留部(A)の長手方向両端部を選択的に閉成または開放す
    る堰部材(74,74)とから構成したことを特徴とする段ボ
    ールシート用印刷機。
  2. 【請求項2】 前記供給・回収装置(54)は、可逆モータ
    (96)により正逆付勢されるチュービングポンプ(95)と、
    このチュービングポンプ(95)に着脱自在に介挿される可
    撓性チューブ(60)とを備え、 前記可撓性チューブ(60)における一方の開口部(60a)を
    インキポット(58)中のインキに浸漬させると共に、他方
    の開口部(60b)をインキ貯留部(A)に臨ませ、 前記可逆モータ(96)の付勢によりインキポット(58)中の
    インキをインキ貯留部(A)に供給し、また該モータ(96)
    の逆付勢により該インキ貯留部(A)中の残留インキをイ
    ンキポット(58)に回収するよう構成した請求項1記載の
    段ボールシート用印刷機。
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