JP3573623B2 - 印刷機の液体排出装置 - Google Patents

印刷機の液体排出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3573623B2
JP3573623B2 JP20999398A JP20999398A JP3573623B2 JP 3573623 B2 JP3573623 B2 JP 3573623B2 JP 20999398 A JP20999398 A JP 20999398A JP 20999398 A JP20999398 A JP 20999398A JP 3573623 B2 JP3573623 B2 JP 3573623B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
operating state
liquid
storage section
discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20999398A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000037857A (ja
Inventor
広美 渡辺
Original Assignee
株式会社イソワ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社イソワ filed Critical 株式会社イソワ
Priority to JP20999398A priority Critical patent/JP3573623B2/ja
Publication of JP2000037857A publication Critical patent/JP2000037857A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3573623B2 publication Critical patent/JP3573623B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、印刷機の液体排出装置に関し、更に詳細には、例えば印刷オーダの変更等に伴い残留する旧オーダのインキを回収して、無駄に廃棄されるインキ量を抑制すると共に、そのインキ替えを迅速に行ない得るよう構成した印刷機の液体排出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
段ボールシートに所要の印刷を行なうフレキソ印刷機においては、対設されたインキロールと絞りロールとの間に画成したインキ貯留部に、インキタンクからポンプを介して吸上げたインキを供給するよう構成される。このインキは、両ロール間で均一に絞られてインキロール上にインキ被膜として形成され、該インキロールから版胴に巻装した印版に転移し、このインキが転移した印版により段ボールシートに印刷を施すようになっている。
【0003】
前記フレキソ印刷機では、流動性に富む低粘度の水性インキを使用するため、前記インキタンクとインキ貯留部との間でインキを常に循環させるシステムを採用している。すなわち、前記インキロールと絞りロールの長手方向両端部にインキパンを配設し、前記インキ貯留部に供給されたインキの余剰分を、インキ貯留部の長手方向両端から各インキパン中に回収する。このインキパンは、印刷機の幅方向(インキ貯留部の長手方向)一方である操作側に配置されるインキタンクに回収管を介して夫々連通されており、両インキパンに回収された余剰インキを各回収管を介してインキタンクに自重により帰還させて再循環に供するよう構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記フレキソ印刷機では、所定の印刷オーダが終了し別の色のインキにより次のオーダの印刷を行なう場合は、インキの色替え(カラーチェンジ)を行なわなければならない。すなわち、前記両ロールの表面およびインキ供給管や回収管等のインキ循環路の内壁に残留付着している前のオーダで使用したインキを回収し、次いで前記インキ付着帯域に洗浄液を供給してインキ洗浄を行なった後、別の色のインキを供給する色替え作業が必要とされる。
【0005】
前記オーダチェンジに伴う色替え時のインキ回収は、前記インキ貯留部に残留するインキをインキ貯留部の長手方向両側から自然流出させ、このインキをインキパンで受けると共にインキ回収管を介してインキタンクに回収している。しかるにインキは固有の粘度を有しているから、その自重による自然回収には時間が掛かると共に、インキ貯留部や回収管に残留するインキを効率的に回収し得なかった。
【0006】
そこで、インキ貯留部に残留するインキを、貯留部に沿って往復動するスクレーパにより強制的に排出・回収する提案がなされている。この場合において、前述したようにインキタンクは印刷機の操作側に設けられているから、インキ貯留部の操作側端部から排出されるインキをインキタンクに回収する管路(操作側のインキパンおよびインキ回収管)は短かく、該インキを短時間で効率的に回収し得る。しかるに、インキ貯留部のインキタンクから離間している駆動側端部から排出されるインキをインキタンクに回収する管路(駆動側のインキパンおよびインキ回収管)は長く、しかも機械の構成上、駆動側のインキパンと操作側のインキタンクとの高低差を大きくすることが困難で駆動側のインキ回収管は緩やかに傾斜している。このため、インキ貯留部の駆動側端部から排出されるインキをインキタンクに回収するのには時間が掛かり、該回収管に多くのインキが残留している状態で洗浄液を供給して洗浄運転が行なわれるのが現状であり、無駄に廃棄されるインキが多くなってランニングコストが嵩む原因となっている。
【0007】
また、洗浄中に際して駆動側のインキパンおよびインキ回収管に多量のインキが残留しているため、該インキの洗浄に多量の洗浄液が必要になると共に、洗浄廃液も多量に発生する問題がある。しかも、洗浄液自体も、駆動側のインキパンおよびインキ回収管を介して操作側に配置した廃液タンクに廃棄されるため、この廃棄にも時間が掛かる。すなわち、オーダチェンジに際してのインキ回収および廃液回収に時間を要するため、そのサイクルタイムが長くなって生産能率が低下する難点が指摘される。
【0008】
殊に最近の業界は、多品種かつ少量の段ボールシートを加工する小ロット対応に迫られており、その傾向は年を追って顕著なものとなっている。これを印刷機に関して考察すると、多種・少量の段ボールシートの印刷に対応するために、限られた時間内で色替えを行なう必要があることを意味する。しかるに前記小ロットの印刷に伴う頻繁なオーダ変更の要請に対しては、従来のフレキソ印刷機では、色替えに時間を要すると共に、インキ回収効率の点で対応が不充分である。
【0009】
【発明の目的】
この発明は、前述した従来の技術に内在する前記の課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、インキ貯留部に残留する液体を短時間で排出すると共に、その回収効率を向上し得る印刷機の液体排出方法および装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため、本発明に係る印刷機の液体排出方法は、
版胴に巻装された印版へインキを転移するインキ転移ロールの軸方向に沿って画成されたインキ貯留部に供給された液体が、その長手方向の端部から排出される印刷機において、
前記インキ貯留部に沿って往復動する排出手段を、インキ貯留部の一端から他端への移動時には作動状態として、その移動に伴って液体をインキ貯留部から排出するようにし、
前記排出手段のインキ貯留部の他端から一端への移動時には非作動状態として、その移動に伴って液体をインキ貯留部から排出しないようにしたことを特徴とする。
【0011】
前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため、本願の別の発明に係る印刷機の液体排出装置は、
版胴に巻装された印版へインキを転移するインキ転移ロールの軸方向に沿って画成されたインキ貯留部に供給された液体が、その長手方向の端部から排出される印刷機において、
前記インキ貯留部に沿って移動手段により往復動される排出手段と、
前記排出手段を、インキ貯留部の一端から他端への移動時には該貯留部から液体を排出する作動状態とし、インキ貯留部の他端から一端への移動時には該貯留部から液体を排出しない非作動状態とする切換え手段とを備え、
前記排出手段をインキ貯留部の一端から他端へ移動するときにのみ該貯留部から液体を排出するよう構成したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る印刷機の液体排出方法および装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。図1は、実施例に係る印刷機における基本ロール配列を示すものであって、図示の印刷機10は、印版12が着脱自在に装着される版胴14と、段ボールシート16のパスラインを挟む下方に対向配置した圧胴18とを回転自在に備え、これら版胴14および圧胴18は相互に反対方向への回転がなされる。版胴14の上方には、印版12にインキを転移させるインキ転移機構20が配設されている。このインキ転移機構20は、供給されたインキを印版12に直接転移させるインキ転移ロール22と、該ロール22に圧接されてインキ量の絞り調整を行なう絞りロール24とから基本的に構成され、両ロール22,24の長手方向の接触領域にインキ貯留部Aを画成している。そして、前記版胴14、圧胴18、インキ転移ロール22および絞りロール24は、段ボールシート16の給送方向と交差する方向に所定間隔離間した一対の機枠26,28の間に配設される。なお、実施例の印刷機10においては、図2において左側を駆動側と称し、右側を操作側と称するものとする。
【0013】
図2に示す如く、前記操作側機枠28の外側にインキタンク30が配置され、該インキタンク30から図示しないポンプを介してインキ貯留部Aにインキを供給するよう構成される。前記インキ転移ロール22および絞りロール24の軸方向両端部より下方にインキパン32,34が配設され、前記インキ貯留部Aに供給された余剰のインキは両端部から流出してインキパン32,34で受けられるよう構成される。駆動側のインキパン32と操作側のインキパン34とは第1回収管36で連通接続されると共に、操作側のインキパン34にはインキタンク30に連通接続される第2回収管38が接続されている。すなわち、インキ貯留部Aの駆動側端部から流出するインキは、駆動側インキパン32、第1回収管36、操作側インキパン34および第2回収管38を介してインキタンク30に回収され、インキ貯留部Aの操作側端部から流出するインキは、操作側インキパン34および第2回収管38を介してインキタンク30に回収されるようになっている。
【0014】
前記インキ貯留部Aの上方には、印刷オーダの変更等に伴う色替えに際して、貯留部Aに残留する旧オーダのインキ(液体)を積極的に排出する排出装置40が設けられている。すなわち、前記機枠26,28の上端間にインキ貯留部Aと平行な横桁42が架設され、該横桁42の下面に沿って移動手段としてのロッドレスシリンダ44が配設されると共に、該シリンダ44のスライド体46に、第1および第2ブラケット48,50を介して排出部材(排出手段)52が配設されている。そしてロッドレスシリンダ44を正逆付勢してスライド体46をインキ貯留部Aに沿って往復移動することで、排出部材52は、駆動側機枠26に近接する待機位置(図5)と、操作側機枠28に近接する排出完了位置(図7)との間を往復動されるよう構成される。
【0015】
前記排出部材52は、図3および図4に示す如く、前記第2ブラケット50に配設固定されてインキ貯留部Aの上方に臨む固定部材54と、該固定部材54に蝶番56を介して回動自在に取付けられた可倒部材58とから構成され、該可倒部材58の下部には、インキ貯留部Aの底部まで臨み得るスクレーパ60が配設されている。そして可倒部材58は、固定部材54に対してスクレーパ60をインキ貯留部Aに臨ませた起立する作動状態(図4の実線位置)と、スクレーパ60をインキ貯留部Aから上方に退避させた可倒する非作動状態(図4の二点鎖線位置)とに切換え可能に構成される。また可倒部材58は、インキ貯留部Aの駆動側(一端)から操作側(他端)への移動時には作動状態に保持され、インキ貯留部Aの操作側(他端)から駆動側(一端)への移動時には非作動状態に保持されるよう設定される。
【0016】
前記スクレーパ60の下部におけるインキ転移ロール22および絞りロール24と対向する面は、図3に示す如く、両ロール22,24の外周に倣う弧状に形成され、可倒部材58を作動状態としたもとで排出部材52を駆動側から操作側へ移動することで、当該スクレーパ60によりインキ貯留部Aに残留するインキを確実に操作側端部から排出し得るよう構成される。なおスクレーパ60は、好適には両ロール22,24より軟質の金属あるいは合成樹脂等を材料として形成される。また実施例とは逆に、駆動側にインキタンク30が配置される型式では、イキン貯留部Aに残留するインキは、スクレーパ60を操作側から駆動側へ作動状態で移動することで駆動側端部から排出するよう構成される。そしてこの構成では、後述する第1規制部材66と第2規制部材68との配置も逆となる。
【0017】
前記蝶番56は、固定部材54および可倒部材58の操作側の面に配設され、該蝶番56により可倒部材58は、作動状態からスクレーパ60の下端が操作側へ向けて移動する方向への回動(可倒)は許容するが、逆方向への回動は規制するようになっている。すなわち、前記排出部材52が駆動側から操作側へ移動する際に、前記スクレーパ60が両ロール22,24に摺接することで加わる力によって、作動状態の可倒部材58が駆動側へ回動するのは阻止されている。また可倒部材58には、前記蝶番56の回動中心より上方に延出する当接部58aが設けられ、該当接部58aが後述する切換え手段としての第1規制部材66または第2規制部材68に当接することで、当該可倒部材58が作動状態と非作動状態とに切換えられるよう構成される。
【0018】
前記固定部材54と可倒部材58との間に引張りバネ62が張設され、該バネ62の弾力は、固定部材54に対して可倒部材58が作動状態となっているときには、可倒部材58を垂直上方に引上げる方向に作用し、可倒部材58が非作動状態となっているときには、スクレーパ側を上方に引上げる方向に作用する。なお、前記可倒部材58の操作側面にストッパ64が配設され、該ストッパ64が固定部材54の操作側面に当接することで、可倒部材58を非作動状態に保持するよう構成される。
【0019】
前記切換え手段を構成する第1規制部材66は、図6に示す如く、前記横桁42におけるインキ貯留部Aの操作側端部より内側(排出完了位置より駆動側)の位置に垂設され、駆動側から操作側に向けて移動する排出部材52における可倒部材58の当接部58aが、第1規制部材66に駆動側から当接するよう構成される。そして、第1規制部材66に当接部58aが当接した状態で排出部材52が更に操作側に移動することで、図7に示す如く、作動状態の可倒部材58が固定部材54に対して回動して非作動状態に切換えられるようになっている。
【0020】
また切換え手段を構成する第2規制部材68は、図5に示す如く、駆動側機枠26の内側に突設され、該規制部材68に非作動状態の前記可倒部材58の当接部58aが当接可能に構成される。なお、第2規制部材68の駆動側機枠26からの突出寸法は、前記排出部材52が待機位置に到来する前に、非作動状態の可倒部材58における固定部材54から駆動側に突出している当接部58aが当接するよう設定される(図8参照)。すなわち、第2規制部材68に当接部58aが当接した状態で、排出部材52が更に駆動側の待機位置に移動することで、非作動状態の可倒部材58が固定部材54に対して回動して作動状態に切換えられるようになっている。
【0021】
【実施例の作用】
次に、前述した構成に係る実施例の印刷機の液体排出装置につき、液体排出方法との関係で説明する。段ボールシート16に印刷を施す場合は、前記排出部材52を図5に示す待機位置に臨ませた状態で、前記インキタンク30からインキをインキ貯留部Aに供給する。このインキは、インキ転移ロール22と絞りロール24との間で均一に絞られてインキ転移ロール22上にインキ被膜として形成され、該インキ転移ロール22から版胴14に巻装した印版12に転移する。そして、版胴14と圧胴18との間に供給される段ボールシート16には、インキが転移した印版12により所要の印刷が施される。なお、印刷運転中にインキ貯留部Aに供給されたインキの余剰分は、インキ貯留部Aの駆動側および操作側の各端部から対応するインキパン32,34に流出し、各回収管36,38を介してインキタンク30に回収されて、再循環に供される。
【0022】
印刷オーダの変更等に伴う色替えのために、使用するインキを替える場合は、駆動側の待機位置に臨む前記排出部材52を、ロッドレスシリンダ44を付勢することで操作側に向けて移動する。このとき排出部材52の可倒部材58は作動状態に保持されているので、該部材58に配設されるスクレーパ60は、インキ貯留部Aを画成するインキ転移ロール22と絞りロール24に当接した状態でインキ貯留部Aに沿って移動する。従って、インキ貯留部Aに残留しているインキは、駆動側から操作側に移動され、インキ貯留部Aの操作側端部から操作側インキパン34に落下し、前記第2回収管38を介してインキタンク30に回収される。
【0023】
前記排出部材52が第1規制部材66の配設位置を通過する際に、図6および図7に示す如く、該規制部材66に可倒部材58の当接部58aが当接することで、該可倒部材58は固定部材54に対して回動(可倒)して、スクレーパ60をインキ貯留部Aから上方に離間させた非作動状態に切換えられる。すなわち、第1規制部材66に当接する可倒部材58が固定部材54に対して所要角度位置まで回動すると、前記引張りバネ62の弾力がスクレーパ側を上方に引上げる方向に作用して、当該可倒部材58は前記ストッパ64が固定部材54の操作側面に当接する非作動状態に保持される。このときスクレーパ60は、駆動側から操作側に向けて移動するので、この移動作用によって残留インキは効率的にインキ貯留部Aから端部側に押出される。
【0024】
前記排出部材52が操作側の排出完了位置まで移動すると、前記ロッドレスシリンダ44が逆付勢され、排出部材52を操作側から駆動側に移動させる。このとき可倒部材58は非作動状態に保持されているので、前記スクレーパ60によってインキ貯留部Aのインキが操作側から駆動側に移動されることはない。そして、排出部材52が駆動側の機枠26に近接し、図8に示す如く、前記可倒部材58の当接部58aが第2規制部材68に当接した状態で更に待機位置に向けて移動することで、当該可倒部材58は非作動状態から作動状態に切換えられる(図5参照)。なお、可倒部材58の作動状態では、前記引張りバネ62が可倒部材58を垂直上方に引上げる方向に作用することで、当該可倒部材58を作動状態に保持する。
【0025】
すなわち実施例においては、前記インキ貯留部Aに残留するインキを、排出部材52によりインキタンク30へのインキ回収路(操作側インキパン34および第2回収管38)が短かい操作側端部から排出するので、インキ回収を短時間で効率的に行なうことができ、少ロット印刷に充分に対応し得る。また、インキタンク30へのインキ回収路(駆動側インキパン32、第1回収管36、操作側インキパン34および第2回収管38)が長いインキ貯留部Aの駆動側端部からはインキを排出しないので、長い回収路内に多量のインキが付着残留することはなく、無駄に廃棄されるインキを極めて少なく抑制することができ、インキの節約が図られる。更には、実施例では可倒部材58を作動状態と非作動状態とに切換えるための駆動源を要しないので、構成を簡単化して製造コストを低廉に抑えることができる。
【0026】
前記排出部材52を待機位置と排出完了位置との間を任意の回数往復動させてインキの回収を完了すると、前記インキタンク30に代えて廃液タンクを操作側機枠28の外側に配置し、前記インキ貯留部Aに洗浄液または水を供給してインキを洗浄する。この場合に、インキ回収路には多量のインキが残留していないから、該インキの洗浄に要する洗浄液や水の量も少なく抑制することができ、洗浄廃液も少なくなる。また洗浄運転が完了する直前に、前述したように排出部材52を待機位置と排出完了位置との間を往復動させれば、インキ回収と同様に廃液の回収を短時間で行なうことができ、印刷オーダの変更等に伴う色替え時間を短縮して生産能率が低下するの防止し得る。
【0027】
【変更例について】
本願発明は、前述した実施例の構成に限定されるものでなく、各種の変更例を採用し得る。
【0028】
図9は、切換え手段の変更例を示すものであって、前記第2ブラケット50に切換え手段としてのエアシリンダ70が揺動自在に配設され、該シリンダ70のピストンロッド70aが可倒部材58の当接部58aに回動自在に連結されている。そして、エアシリンダ70の正逆付勢により、可倒部材58を作動状態(図9(a))と非作動状態(図9(b))とに切換えるよう構成される。
【0029】
すなわち、図9の変更例においては、前記待機位置から排出完了位置に排出部材52を移動する際には、エアシリンダ70により前記可倒部材58を作動状態に保持し、該排出部材52が排出完了位置に到来した時点でエアシリンダ70を付勢して可倒部材58を作動状態から非作動状態に切換える。そして、排出部材52が待機位置に戻った際に、エアシリンダ70を逆付勢して可倒部材58を非作動状態から作動状態に切換えることで、インキ貯留部Aに残留するイキンや洗浄液等を操作側端部からのみ排出し得る。
【0030】
図10は、排出手段と切換え手段の変更例を示すものであって、前記ロッドレスシリンダ44のスライド体46に、昇降装置(切換え手段)としてのエアシリンダ72が倒立状態で配設され、その下方を指向するピストンロッド72aに、排出部材(排出手段)74が配設される。この排出部材74は、ピストンロッド72aに垂設されたホルダ76にスクレーパ60を配設したものであって、エアシリンダ72を正逆付勢することで、スクレーパ60がインキ貯留部Aに臨む下降した作動状態(図10(a))と、インキ貯留部Aから上方に離間する上昇した非作動状態(図10(b))とに切換えられるよう構成されている。
【0031】
すなわち、図10の変更例においては、前記待機位置から排出完了位置に排出部材74を移動する際には、エアシリンダ72により前記排出部材74を作動状態に保持し、該排出部材74が排出完了位置に到来した時点でエアシリンダ72を付勢して排出部材74を作動状態から非作動状態に切換える。そして、排出部材74が待機位置に戻った際に、エアシリンダ72を逆付勢して排出部材74を非作動状態から作動状態に切換えることで、インキ貯留部Aに残留するイキンや洗浄液等を操作側端部からのみ排出し得る。
【0032】
なお、図10に示す排出部材74を昇降移動して作動状態と非作動状態とに切換える昇降装置としては、前記エアシリンダ72に限定されるものではない。例えば排出部材74をスライド体46に対して適宜の手段で昇降自在に配設し、該スライド体46に配設したモータとスライド体とを、ラック−ピニオンまたはチェン−スプロケット等の連繋手段で連繋して、該モータの正逆回転により作動状態と非作動状態とに切換える構成を採用し得る。
【0033】
前記移動手段に関しては、駆動側と操作側とに離間した一対のスプロケット間に巻掛けられた無端チェンあるいは一対のプーリ間に巻掛けられた無端ベルトに排出部材を配設、スプロケットあるいはプーリを駆動モータで回転することで排出部材をインキ貯留部に沿って往復動させるものであってもよい。
【0034】
前記実施例の排出部材では、可倒部材に別途スクレーパを配設した構成としたが、可倒部材にスクレーパを一体に設けたものであってもよい。またインキ貯留部からインキや洗浄液等の液体を排出する排出手段としては、エアー供給源に接続するエアー吹出管を採用可能である。すなわち、エアー吹出管の吹出口を操作側に向けた姿勢で該吹出管をインキ貯留部内に臨まない位置で移動手段に配設し、エアー吹出管を駆動側から操作側に移動する際にエアー(非接触体)を吹出す作動状態とすることで、インキ貯留部に残留する液体を操作側端部から排出することができる。そして、エアー吹出管が操作側から駆動側に移動する際にはエアーの吹出しを停止した非作動状態とすることで、液体の駆動側への排出を行なわないようにし得る。
【0035】
実施例に係る印刷機では、インキ転移ロールと絞りロールとによりインキ貯留部を画成する構成となっているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、長尺板体からなる調節板をインキ転移ロールと平行に配設し、該ロールと調節板とでインキ貯留部を画成するものであってもよい。なお、インキ量の絞り調整は、調節板の先端とインキ転移ロールの表面との間隔をモータの正逆付勢により調節することにより行なわれる。またスクレーパの形状は、インキ貯留部を構成する部材に応じて設定され、該貯留部に残留する液体を確実に排出するよう構成されるものである。
【0036】
【発明の効果】
以上に説明した如く、本発明に係る印刷機の液体排出方法および装置によれば、印刷オーダの変更等に伴う色替えに際し、インキ貯留部に残留するインキ、洗浄液または水等の液体を排出手段によりインキ貯留部の一方の端部からのみ強制的に排出することができる。すなわち、液体を回収するためのタンクが機械の一方の側にのみ配置される印刷機においては、インキを短時間で効率的に回収し得るので、無駄に廃棄されるインキを極めて少なく抑制することができ、インキの節約が図られる。また、インキの回収路に残留するインキ量を少なくし得るので、インキ洗浄運転での洗浄廃液は極めて少量となり、公害防止の見地からも極めて有利である。更に、洗浄運転に際しても洗浄液を排出手段で一方の端部からのみ強制的に排出すれば、洗浄時間を短縮することができ、色替えに要する時間を短縮して運転効率を向上させ得る利点がある。
【0037】
前記排出手段を構成する可倒部材を作動状態と非作動状態とに切換えるための切換え手段として一対の規制部材を採用した場合は、該可倒部材を切換えるための専用の駆動源を要しないので、構成を簡単化して製造コストを低廉に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る印刷機の基本ロール配列を示す概略構成図である。
【図2】実施例に係る印刷機の排出装置を示す側面図である。
【図3】実施例に係る印刷機の排出装置を示す正面図である。
【図4】実施例に係る印刷機の排出装置を示す要部側面図である。
【図5】実施例に係る排出部材を待機位置で示す説明図である。
【図6】実施例に係る排出部材の可倒部材が第1規制部材に当接する直前の状態で示す説明図である。
【図7】実施例に係る排出部材が排出完了位置に到来した状態で示す説明図である。
【図8】実施例に係る排出部材の可倒部材が第2規制部材に当接する直前の状態で示す説明図である。
【図9】切換え手段の変更例を示す概略構成図である。
【図10】排出手段および切換え手段の変更例を示す概略構図である。
【符号の説明】
12 印版
14 版胴
22 インキ転移ロール
44 ロッドレスシリンダ(移動手段)
52 排出部材(排出手段)
54 固定部材
58 可倒部材
66 第1規制部材(切換え手段)
68 第2規制部材(切換え手段)
70 エアシリンダ(切換え手段)
72 エアシリンダ(昇降装置)
74 排出部材(排出手段)
A インキ貯留部

Claims (3)

  1. 版胴(14)に巻装された印版(12)へインキを転移するインキ転移ロール(22)の軸方向に沿って画成されたインキ貯留部(A)に供給された液体が、その長手方向の端部から排出される印刷機において、前記インキ貯留部に沿って移動手段(44)により往復動される排出手段(52、74)と、前記排出手段を、前記インキ貯留部の一端から他端への移動時には、該貯留部から液体を排出する作動状態とし、インキ貯留部の他端から一端への移動時には、該貯留部から液体を排出しない非作動状態とする切り替え手段(66、68、70、72)とを備え、前記排出手段をインキ貯留部の一端から他端へ移動するときにのみ該貯留部から液体を排出するよう構成し、
    前記排出手段は、前記移動手段に配設された固定部材(54)と、該固定部材に対して可倒式に配設された可倒部材(58)とからなり、前記可倒部材は、前記固定部材に対して切替え手段(66、68、70)によりインキ貯留部に臨む起立した作動状態と、インキ貯留部から退避するよう倒れた非作動状態とに切替えられる、ことを特徴とする印刷機の液体排出装置。
  2. 前記切り替え手段は、インキ貯留部の一端及び他端近傍において可倒部材が当接可能な位置に臨む一対の規制部材(66、68)であり、前記排出手段がインキ貯留部の一端から他端への移動時に、作動状態の可倒部材が、他端側の規制部材に当接することで該可倒部材が固定部材に対して倒れて非作動状態となり、排出手段がインキ貯留部の他端から一端への移動時に、非作動状態の可倒部材が一端側の規制部材に当接することで該可倒部材が固定部材に対して起立して作動状態となるように構成した、請求項1に記載の印刷機の液体排出装置。
  3. 前記切り替え手段は、エアシリンダ(70)であり、該シリンダの正逆付勢により固定部材に対して可倒部材が作動状態と非作動状態とに切替えられる、請求項1に記載の印刷機の液体排出装置。
JP20999398A 1998-07-24 1998-07-24 印刷機の液体排出装置 Expired - Fee Related JP3573623B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20999398A JP3573623B2 (ja) 1998-07-24 1998-07-24 印刷機の液体排出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20999398A JP3573623B2 (ja) 1998-07-24 1998-07-24 印刷機の液体排出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000037857A JP2000037857A (ja) 2000-02-08
JP3573623B2 true JP3573623B2 (ja) 2004-10-06

Family

ID=16582091

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20999398A Expired - Fee Related JP3573623B2 (ja) 1998-07-24 1998-07-24 印刷機の液体排出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3573623B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101219040B1 (ko) 2005-07-26 2013-01-07 삼성디스플레이 주식회사 액정 표시 장치의 제조 장치 및 방법
JP4671801B2 (ja) * 2005-08-12 2011-04-20 株式会社Isowa 掻き取りブレードを有する印刷機
JP7454841B2 (ja) 2020-04-08 2024-03-25 株式会社Isowa 印刷機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000037857A (ja) 2000-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH072200Y2 (ja) 印刷装置
JP4163923B2 (ja) 凹版印刷機
GB2262716A (en) Printing machine for corrugated board sheet.
US20060032387A1 (en) Flexographic ink printing machine
JP3573623B2 (ja) 印刷機の液体排出装置
US6047640A (en) Printing machine for corrugated board sheets and method of cleaning ink fountain of the machine
JP3370600B2 (ja) フレキソ印刷機
JP2627865B2 (ja) 輪転印刷機のインク供給及び洗浄装置
JP4671801B2 (ja) 掻き取りブレードを有する印刷機
KR0162728B1 (ko) 회전 인쇄기의 잉킹장치를 세척하는 장치
JPH10157079A (ja) 段ボールシート用印刷機およびその運転方法
JP2534949B2 (ja) 段ボ―ルシ―ト用印刷機
JP2951637B1 (ja) 段ボールシート印刷機及び該印刷機のインキ供給部の洗浄方法
JP3002218U (ja) 段ボールシート用印刷機のインキ供給・回収機構
JP2948570B1 (ja) 段ボールシート印刷機
CN220536780U (zh) 包装印刷机的传送机构
JP3053666U (ja) 印刷機
JPH08244213A (ja) グラビア印刷機の版胴自動洗浄装置
JP2727302B2 (ja) 印刷装置
JPH06286113A (ja) 版胴へのインキ供給装置
JPH06262755A (ja) 段ボールシート用印刷機
JPH0640015A (ja) 段ボールシート用印刷機のインキ回収方法
JPS60139452A (ja) 印刷機のインキ排出装置
JPH0688409B2 (ja) 印刷機のインキ排出方法およびその装置
JP2000085111A (ja) 印刷機

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040621

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040629

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090709

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090709

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100709

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100709

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110709

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120709

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120709

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130709

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees