JPH06262755A - 段ボールシート用印刷機 - Google Patents

段ボールシート用印刷機

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JPH06262755A
JPH06262755A JP8150993A JP8150993A JPH06262755A JP H06262755 A JPH06262755 A JP H06262755A JP 8150993 A JP8150993 A JP 8150993A JP 8150993 A JP8150993 A JP 8150993A JP H06262755 A JPH06262755 A JP H06262755A
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JP
Japan
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ink
printing
transfer roll
roll
recovery
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Pending
Application number
JP8150993A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Isowa
保之 磯輪
Nobuo Mori
信夫 毛利
Masanori Ikeda
政則 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isowa Corp
Original Assignee
Isowa Industry Co Ltd
Isowa Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インキ転移機構に残留するインキが無駄に廃
棄されるのを防ぐと共に、インキ替えを迅速に行なう。 【構成】 インキ貯留部と平行に配設したガイドロッド
118,118に、移動部材120が摺動自在に配設さ
れる。移動部材120にエアシリンダ122が倒立配置
され、そのピストンロッド122aにブラケット124
が配設される。ブラケット124の下面に、インキ貯留
部の上方に臨む回収補助部材126が垂設される。移動
部材120は、ねじ軸128の正逆回転によってガイド
ロッド118,118に沿って往復移動する。すなわ
ち、回収補助部材126をインキ貯留部の底部近傍に臨
ませた状態で、移動部材120を移動させることによ
り、貯留部に残留しているインキは移動側に掻き集めら
れる。回収補助部材126の移動側に、インキ供給・回
収装置54のパイプ30が垂下している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、段ボールシート用印
刷機に関し、更に詳細には、印刷オーダの変更等に伴い
残留する旧オーダのインキを回収して、無駄に廃棄され
るインキ量を抑制すると共に、そのインキ替えを迅速に
行ない得るよう構成した印刷機に関するものである。
【0002】
【従来技術】段ボールシートに印刷を行なう方法として
は、所謂プリスロ印刷とフレキソ印刷とが一般に知られ
ている。前者のプリスロ印刷は、粘度の高いグリコール
系インキを使用し、該インキを多くのゴムロールにより
練って均一にしてから、版胴に装着した印版に転移させ
ることを内容としている。このプリスロ印刷は、印刷の
仕上りに光沢があると共に、インキは循環させないので
インキ消費量が少なくて済む利点がある。しかしその反
面として、印刷後の乾燥にかなりの時間を要し、またイ
ンキ転移のためのロールが多段化して機構が複雑化する
欠点を内在している。
【0003】後者のフレキソ印刷は、流動性に富む低粘
度の水性インキを使用するものであって、インキ乾燥が
速いため印刷後にダイカッタ等の次工程へ直ちに送るこ
とができ、インキ転移機構を極めて簡単になし得る等の
利点を有している。その反面、プリスロ印刷に比べると
光沢がなく、またインキを常に循環させるシステムを採
用しているので、色替えの際は多量の水でロールおよび
循環系を洗浄する必要がある。このためインキの損失を
生ずると共に、洗浄廃液の処理設備が必要となってコス
ト高となる欠点を有している。このようにプリスロ印刷
とフレキソ印刷とは、その使用するインキの性状に応じ
て、殆ど相反し合う長所と短所とを夫々有している。そ
して段ボールシートの印刷に関しては、フレキソ印刷の
長所が着目され、プリスロ印刷からフレキソ印刷への転
換が広く行なわれるに至っている。
【0004】ところで最近の業界は、多品種かつ少量の
段ボールシートを加工する小ロット対応に迫られてお
り、その傾向は年を追って顕著なものとなっている。こ
れを印刷機に関して考察すると、多種・少量の段ボール
シートの印刷に対応するために、限られた時間内で色替
えを行なう必要があることを意味する。しかるに前記小
ロットの印刷に伴う頻繁なオーダ変更の要請に対して
は、先にフレキソ印刷の短所で述べた如く、色替えに時
間を要する対応が不充分である。また、洗浄廃液を処理
する問題も内在している。このような小ロットの印刷に
対しては、色替え時間が短いことから、本来はプリスロ
印刷がこれに適している。しかしプリスロ印刷は、それ
自体として前述した諸欠点を有しているものであり、小
ロットの印刷に対応し得るという利点とても、これらの
欠点を補填し得るものではなかった。
【0005】すなわち、色替え時間が短縮されて小ロッ
ト印刷への対応が充分可能で、しかも印刷後は後工程に
直結し得る機能を備えた印刷機に対するユーザーの旺盛
な潜在的需要がある訳であるが、未だ実現されていない
のが実情である。このような、謂わばプリスロおよびフ
レキソ印刷の各長所を備えた印刷機を実用化するために
は、前記の仕様を満たすに適したインキの開発がキーポ
イントとなる(これは、先に述べた両タイプの印刷機が
夫々使用されるインキの性状に依存していたのと同様で
ある)。この点に関して出願人は、前述のユーザーサイ
ドでの潜在需要に応えるべくインキメーカーとタイアッ
プし、インキ自体の改良から根本的に取り組んだ結果、
フレキソインキに近い低粘度と速乾性とを有するグリコ
ール系のインキを開発するのに成功した。
【0006】しかし、この新開発に係るインキを種々試
験した結果、在来のプリスロ印刷機では、該インキの特
性を最大限に引出し得ないことが判明した。またフレキ
ソ印刷機で該インキを使用し得なくはないが、このイン
キは本来のフレキソインキ程に低粘度かつ速乾性という
訳ではないので、インキを循環させる必要はない。従っ
てフレキソ印刷機に特有のインキ循環機構を設ける意味
がなく、また色替えに際しても、洗浄時間を要して小ロ
ット対応が図られず、インキの無駄を生ずることにな
る。既に述べた如く夫々の型式の印刷機は、高粘度のグ
リコール系インキおよび低粘度の水性インキの各特性を
発揮させる構造を採用している訳であるから、これは当
然のことでもある。
【0007】そこで、ユーザーに段ボールシート用印刷
機を提供している出願人は、この新開発に係るインキの
特性を最大限に引出し得る新たな構想に係る印刷機につ
き、発明「段ボールシート用印刷機」として出願した。先
の出願に係る印刷機は、印版にインキを転移するインキ
転移ロールと、該ロールに運転中は常に接触して回転す
るインキ量の絞り調節を行なう絞りロールと、両ロール
の長手方向における接触領域に画成したインキ貯留部へ
のインキ供給並びに残留インキの回収を選択的に行なう
供給・回収装置とを備えている。この構成に係る印刷機
によれば、色替えに際し、インキ貯留部に残留する前オ
ーダのインキを供給・回収装置により回収することがで
きる。従って、無駄に廃棄されるインキを極めて少なく
抑制することができ、インキの節約が図られると共に、
印刷オーダの変更等に伴うインキ替えを迅速に行なうこ
とができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記印刷機の供給・回
収装置は、可逆モータにより正逆付勢されるチュービン
グポンプと、このチュービングポンプに着脱自在に介挿
される可撓性チューブとを備え、可撓性チューブの一端
をインキポット中のインキに浸漬させると共に、他端を
インキ貯留部に臨ませるよう構成される。そして印刷オ
ーダの変更等に伴うインキ替えに際しては、可撓性チュ
ーブの他端をインキ貯留部に残留する旧オーダのインキ
に浸漬させた状態で、可逆モータを所要方向に付勢する
ことにより、インキ貯留部に残留するインキを可撓性チ
ューブを介してインキポットに回収するようになってい
る。この場合において、前記インキ転移ロールと絞りロ
ールとが接触するインキ貯留部の底部近傍は極めて狭く
なっているため、前記可撓性チューブの他端を該底部近
傍にまで臨ませるのが困難で、インキ貯留部の底部にイ
ンキが残留することとなっていた。
【0009】また前記印刷機では、インキ貯留部の必要
個所に必要量のインキを供給し得るように、供給・回収
装置を貯留部の長手方向に移動自在に構成してある。し
かるに、供給・回収装置を移動させたとしても、インキ
貯留部の長手方向両端部に前記可撓性チューブを臨ませ
ることができない領域を生じ、該領域に残留するインキ
を回収し得ない難点があった。
【0010】
【発明の目的】この発明は、前述した印刷機に内在する
前記の課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案され
たものであって、印刷オーダの変更に際して、インキ転
移機構に残留する旧オーダに係るインキが無駄に廃棄さ
れるのを防ぐと共に、インキ替えを迅速に行ない得る印
刷機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、所期
の目的を達成するため本発明は、印版を装着した版胴
と、この版胴に対向配置した圧胴とを備え、前記印版に
インキを転移させると共に、相互に反対方向に回転する
前記版胴と圧胴との間に段ボールシートを通過させて、
該シートに所要の印刷を行なうよう構成した段ボールシ
ート用印刷機において、前記版胴に対し近接・離間自在
に配設され、近接時に該版胴の印版と接触して回転する
インキ転移ロールと、このインキ転移ロールに運転中は
常に接触して、インキ量の絞り調整を行なう調整手段
と、これらインキ転移ロールおよび調整手段の上方に配
設されて該ロールおよび調整手段と平行に移動可能で、
インキ転移ロールと調整手段との間に画成されるインキ
貯留部への低粘度かつ高度速乾性インキの供給並びに残
留インキの回収を選択的に行なう供給・回収装置と、前
記インキ貯留部に沿って移動可能に配設され、該貯留部
に残留するインキを前記供給・回収装置のインキ回収部
位に向けて掻き集める回収補助部材とから構成したこと
を特徴とする。
【0012】
【実施例】次に、本発明に係る段ボールシート用印刷機
につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しなが
ら以下説明する。
【0013】
【第1実施例について】なお本願は、本件出願人が先に
出願した段ボールシート用印刷機の改良に関するもので
あるので、先ず前記印刷機の基本構成について説明す
る。図4に示す印刷機40は、段ボールシート43の給
送方向と交差する方向に所定間隔離間した一対の機枠5
1,51(一部のみ図示)の間に、印版42が着脱自在に
装着される版胴44と、段ボールシート43のパスライ
ンを挟む下方に対向配置した圧胴46とを回転自在に備
えていて、これら版胴44および圧胴46は相互に反対
方向への回転がなされる。
【0014】前記版胴44の上方には、印版42にイン
キを転移させるインキ転移機構48が配設されている。
このインキ転移機構48は、供給されたインキを印版4
2に直接転移させるインキ転移ロール50と、該ロール
50に圧接されてインキ量の絞り調整を行なう絞りロー
ル52と、絞りロール52の回転軸を中心としてインキ
転移ロール50を所要の角度範囲で変位させ得る揺動機
構53とから基本的に構成されている。そして該揺動機
構53を選択的に作動させることにより、後述する如く
インキ転移ロール50を、前記印版42に接触させて
インキを該印版42に転移させるインキ転移位置と、
前記印版42から離間してインキ転移不能状態とするイ
ンキ洗浄位置とに変位させ得るものである。
【0015】すなわちインキ転移ロール50は、前記版
胴44に対し近接・離間自在に配設され、近接時には該
版胴44に装着した印版42に接触して回転可能となっ
ている。このインキ転移ロール50の表面には、微細な
窪みを所要のパターンで凹設したアニロックスが形成さ
れ、これら微細窪みは、一定量のインキを溜めると共に
ロール回転時のインキ飛散を防止するべく機能してい
る。なおインキ転移ロール50には鉄系金属材質が採用
されるが、金属ロールの表面にセラミックス被膜を爆発
溶射等の手段により形成し、このセラミックス被膜にア
ニロックスを彫刻するようにしてもよい。更に、このイ
ンキ転移ロール50として、アニロックスの彫刻を施し
てない鉄ロール(メッキだけを施したもの)や、単なるゴ
ムロールも好適に使用可能である。
【0016】前記インキ転移ロール50に隣接して配設
される絞りロール52は、インキ転移ロール50と運転
中は常に接触すると共に、該ロール50と同速若しくは
低速で回転して、インキ転移ロール50の表面における
余剰インキの絞り調整を行なうべく機能する。この絞り
ロール52は、鉄系の金属材質またはゴム等の柔軟な材
質のものとするのが好適である。なおゴム系材質を使用
する場合は、その硬度を、ロールの長短に応じて例えば
ショアー硬度50〜75度の範囲内で適宜選択すること
が推奨される。
【0017】前記インキ転移ロール50および絞りロー
ル52を備えるインキ転移機構48において、絞りロー
ル52の回転軸を中心として、前記インキ転移ロール5
0を所要角度範囲で変位させ得る揺動機構53が設けら
れている。すなわち、機枠51,51に回転自在に配設
した絞りロール52の機枠51内部に臨む両軸端部に、
支持ブラケット62,62(一方のみを図示)が回転自在
に枢支され、該支持ブラケット62,62間にインキ転
移ロール50が回転自在に枢支されている。支持ブラケ
ット62におけるインキ転移ロール50が枢支される側
の上端部に、保持部材64が配設されると共に、機枠5
1,51に回転自在に枢支した切換え軸66に偏心的に
配設した対応の偏心輪68が、各保持部材64に回転自
在に枢支してある。また切換え軸66は、図示しないモ
ータまたはエアシリンダにより回転駆動されるようにな
っている。従って、モータまたはエアシリンダを付勢し
て偏心輪68,68を所定中心角で回動させることによ
り、インキ転移ロール50を、印版42に接触させて
インキの転移を行なうインキ転移位置と、印版42か
ら離間してインキの転移を不能とするインキ洗浄位置と
を選択し得るものである。なお揺動機構53は、適宜の
検知手段(図示せず)により前記版胴44と圧胴46との
間に段ボールシート43が通紙されているか否かを検出
して、該シート43が通紙されていないときは、インキ
転移ロール50を印版42から自動的に離間させるよう
設定されている。また両方のロール50,52に異なる
回転を与える機構については、それ自体は公知であるの
で説明は省略する。
【0018】前記インキ転移ロール50および絞りロー
ル52においては、両ロール50,52を圧接させた際
に、これら両ロールの長手方向の接触領域にインキ貯留
部Aを画成し得るようになっている。そしてこのインキ
貯留部Aにインキを供給すると共に、該貯留部Aに残留
するインキを回収する供給・回収装置54が、前記両ロ
ール50,52の上方に移動自在に配設されている。
【0019】すなわち、前記機枠51,51の上端間に
両ロール50,52と平行な横桁85が架設され、該横
桁85の上面に形成したガイドレール86に、ローラ8
7,87を介して移動台88が移動自在に支持されてい
る。横桁85には、長手方向に所定間隔離間して一対の
スプロケット89,89が回転自在に枢支されると共
に、一方のスプロケット89は駆動モータ90により正
逆回転されるよう構成してある(後述する第2実施例に
関する図9参照)。また両スプロケット89,89間に無
端チェン91が巻掛けられると共に、該無端チェン91
の所要部位が前記移動台88に固定されている。従っ
て、駆動モータ90を正逆付勢して無端チェン91を走
行させることにより、該チェン91の走行に伴って移動
台88はガイドレール86に沿って往復移動する。
【0020】前記移動台88には、図2および図3に示
す如く、該移動台88の移動方向に離間する一対のブラ
ケット20,20が、前記絞りロール52の上方に垂下
し、その下端に載置板22が水平に配設されている。そ
して両ブラケット20,20の間に臨む載置板上に、所
定量のインキが貯留されるインキポット58が着脱自在
に装着されるようになっている。また一方のブラケット
20から外方に延出する載置板22には、チュービング
ポンプ95および該ポンプ95を駆動する可逆モータ9
6が配置されている。このチュービングポンプ95に
は、可撓性のチューブ60が着脱自在に介挿され、該チ
ューブ60の一方の開口部60aに剛性を有するパイプ
28(例えば銅パイプ)が連接されて、このパイプ28が
インキポット58に貯留したインキに浸漬されている。
また該可撓性チューブ60の他方の開口部60bは、後
述するホルダ26に装着されて前記インキ貯留部Aの上
方に臨んでいる剛性を有するパイプ30に連通接続され
ている。
【0021】前記チュービングポンプ95の基本構造は
公知のものであって、所定の軌道に沿って移動する複数
のローラ97により可撓性チューブ60をしごくことに
より、該チューブ内のインキを所定方向に押出すもので
ある。そして、前記可逆モータ96を正転方向に付勢し
てチュービングポンプ95のローラ97を反時計方向
(図2において)に移動すると、可撓性チューブ60内の
インキが開口部60bからパイプ30に押出され、これ
によりインキポット58のインキをインキ貯留部Aに供
給する(図4参照)。また前記可逆モータ96を逆転方向
に付勢してローラ97を時計方向に移動すると、可撓性
チューブ60内のインキは開口部60aからパイプ28
に押出され、これによりインキ貯留部Aのインキをイン
キポット58に回収するよう設定されている(図5参
照)。
【0022】従って、前記駆動モータ90により移動台
88を軸方向に移動させつつ、前記可逆モータ96を正
転方向に付勢すれば、インキ貯留部Aの全幅に亘って前
記パイプ30を介してインキを短時間で供給し得る。こ
の印刷機40に使用されるインキは、先に述べた如く、
出願人により新たに開発された低粘度かつ高度に速乾性
のグリコール系インキであって、フレキソ印刷機の如く
インキ循環させる必要はない。なお実施例では、基本的
にはインキ貯留部Aに常に一定量のインキを貯留した状
態で運転する場合につき説明するが、色替えに要する時
間を短くするためインキ回収を省略したい場合は、供給
・回収装置54を印刷物の図柄に合わせて移動して、必
要個所に重点的に必要量のインキを供給することも可能
である。
【0023】前記載置板22の下面には、図2に示す如
く、エアシリンダ24が垂設され、該シリンダ24の載
置板上面に臨むピストンロッド24aにホルダ26が配
設されている。このホルダ26には、図示形状に折曲形
成したパイプ30が、複数のピン31を介して着脱自在
に配設され、該パイプ30の一方の端部に、前記チュー
ビングポンプ95から延出する可撓性チューブ60の開
口部60bが連通接続される。またパイプ30の他方の
端部は、ホルダ26から所定長さ垂下してインキ貯留部
Aの上方に臨むようになっている。すなわち、印刷オー
ダの変更等に伴うインキ替えに際し、シリンダ24を所
要方向に付勢することにより、可撓性チューブ60の開
口部60bが接続されるパイプ30の開放端部をインキ
貯留部Aに残留している旧オーダのインキに浸漬させる
ことができる(図5参照)。そしてこの状態で前記可逆モ
ータ96を逆転方向に付勢すれば、インキ貯留部Aに残
留するインキをインキポット58に回収し得る。なお、
適宜の手段によりチュービングポンプ95自体を昇降さ
せて、パイプ30における開放端部の高さ位置を変える
ようにすることも可能である。
【0024】図4に示す如く、前記載置板22の底面に
案内ローラ93,93が回転自在に枢支され、この案内
ローラ93,93は、前記両ロール50,52と平行に設
けたガイド56に摺動自在に当接し、供給・回収装置5
4が円滑に移動し得るよう構成されている。
【0025】また載置板22には、適宜の手段を介して
洗浄液供給管(図示せず)が配設され、該洗浄液供給管の
開口部はインキ貯留部Aに臨んでいる。この洗浄液供給
管には、適宜の固定位置に配置した洗浄液タンクが、パ
イプ(何れも図示せず)を介して接続されており、該タン
クに貯留された洗浄液は、圧縮空気により供給管に圧送
されるようになっている。すなわち、供給・回収装置5
4は、その印刷運転時には前記ガイドレール86に沿っ
て水平方向に走行し、可撓性チューブ60およびパイプ
28,30を介して前述のインキ貯留部Aにインキを供
給する。また段ボールシート43における印刷オーダの
変更等に伴う色替えに際しては、前記インキ貯留部Aに
残留する旧オーダのインキを回収すると共に、図示しな
い洗浄液供給管を介して貯留部Aに洗浄液を供給するよ
う構成されている。
【0026】前記支持ブラケット62には、図4に示す
如く、支持部材70を介してエアシリンダ72が倒立配
置され、該エアシリンダ72のピストンロッド72aに
板状の堰部材74が配設されている。そしてこの堰部材
74は、常にはエアシリンダ72の付勢により下降され
て、インキ転移ロール50と絞りロール52の軸方向端
部に密着させることによって、両ロール50,52の間
に画成されるインキ貯留部Aを閉成し、前記供給・回収
装置54から供給されるインキや洗浄液を該貯留部Aに
貯留し得るようになっている(図1参照)。なお、印刷運
転時においてインキ貯留部Aの軸方向中央部でのインキ
消費が多く発生し、軸方向両端部近傍に多量のインキが
残留した場合は、洗浄運転に移行する前に、前記堰部材
74をエアシリンダ72の逆付勢により上昇させて前記
インキ貯留部Aを開放し、該貯留部Aに残留しているイ
ンキを長手方向の両端部から排出することができる。ま
た、インキ転移ロール50および絞りロール52の軸方
向両端部より下方に樋部材76が配設され、前記堰部材
74,74の開放動作によりインキ貯留部Aから流出す
るインキをこの樋部材76で受けて、後述するインキパ
ン78に排出するようになっている。
【0027】前記絞りロール52に近接した略接線位置
には、オーダ変更等による色替えに際し、インキの洗浄
を行なうための長尺のブレード状板体からなるスクレー
パ80が配設されている。このスクレーパ80は、絞り
ロール52の回転方向に対し逆らう方向に、その先端を
接線方向に沿って指向させており、適宜のモータ82に
より正逆回転されてロール表面に接離自在となってい
る。そしてインキの洗浄に際しては、モータ82を付勢
してスクレーパ80を、絞りロール52に接触させるこ
とにより、該ロール52に転移しているインキが掻き上
げ除去される。この除去されたインキは、スクレーパ8
0の下方に設けたインキパン78に排出される。またイ
ンキパン78には、廃液タンク(図示せず)に連通する廃
液管84が接続され、該インキパン78に排出された廃
液は所要部位に設けた廃液タンクに集められるようにな
っている。
【0028】前記スクレーパ80は、鉄系の金属材質や
ゴム等の柔軟な材質が適宜選択される。なお、前記絞り
ロール52がゴム等の柔軟な材質の場合は、スクレーパ
80はロール52の硬度と同等かもしくは低い硬度の材
料(例えば硬度の低いゴム板等)を使用することが推奨さ
れる。これにより、該スクレーパ80を絞りロール52
に当接してインキを掻き取る際に、絞りロール52が損
傷するのを防止できる。なお、この場合にスクレーパ8
0全体を軟質の材料で構成する必要は必ずしもなく、金
属材質のスクレーパ80の先端に別途軟質材料を設ける
ようにしてもよい。また図示例のスクレーパ80は、そ
の先端を絞りロール52の回転方向に対し逆らう方向に
指向させてあるが、これに限られるものではない。逆に
該スクレーパ80を、絞りロール52の回転方向に対し
順方向に指向させた状態で、該ロール52の表面に対し
接離自在に構成してもよい。更に、該スクレーパ80を
絞りロール52に対して当接および離間させる手段とし
て、エアシリンダ等のリニアアクチュエータも使用可能
である。
【0029】前記インキ貯留部Aの上方には、印刷オー
ダの変更等に伴う色替えに際して、貯留部Aに残留する
旧オーダのインキを供給・回収装置54により回収する
のを補助する装置が設けられている。すなわち、前記機
枠51,51間における供給・回収装置54の移動に支
障を来たすことのない位置に、図1に示す如く、上下に
離間して一対のガイドロッド118,118が平行に架
設され、該ロッド118,118に移動部材120が摺
動自在に配設される。この移動部材120にエアシリン
ダ122が倒立配置され、その下方を指向するピストン
ロッド122aにブラケット124が配設されている。
またブラケット124の下面には、図6に示す如く、イ
ンキ貯留部Aの上方に臨む回収補助部材126が垂設さ
れており、前記エアシリンダ122を正逆付勢すること
により該回収補助部材126は貯留部Aに対して昇降移
動する。なお回収補助部材126の下部におけるインキ
転移ロール50および絞りロール52と対向する面は、
両ロール50,52の外周に倣う弧状に形成され、エア
シリンダ122を付勢してブラケット124を下降した
際に、回収補助部材126の下部が両ロール50,52
に当接すると共にインキ貯留部Aの底部近傍まで臨み得
るようになっている(図7参照)。
【0030】前記ガイドロッド118,118に近接し
てこれと平行にねじ軸128が機枠51,51間に回転
自在に架設され、該ねじ軸128が移動部材120に螺
挿されている。このねじ軸128には図示しないモータ
が接続され、該モータを付勢してねじ軸128を正逆回
転することにより、移動部材120はガイドロッド11
8,118に沿って往復移動する。すなわち、前記回収
補助部材126をインキ貯留部Aの底部近傍に臨ませた
状態で、移動部材120を移動させることにより、貯留
部Aに残留しているインキを移動側に掻き集めることが
できる(図8参照)。なお、移動部材120の移動手段と
して、前記供給・回収装置54の移動手段と同様な手段
を採用することも可能であり、またガイドロッド118
を1本のみ配設する構成とすることもできる。更にま
た、前記パイプ30に回収補助部材126を直接配設す
ることにより、該補助部材126の移動手段や昇降手段
を省略することもできる。
【0031】ここで、前記インキ貯留部Aの底部は極め
て狭いために、該貯留部Aの底部近傍に回収補助部材1
26を臨ませたとしても、該回収補助部材126の下端
と底部との間に隙間を生ずることは避けられず、回収補
助部材126を移動した際に該隙間から移動方向後側に
インキが逃げて残留してしまう。そこで実施例では、回
収補助部材126の下端と貯留部Aの底部との隙間から
インキが逃げるのを防止する手段を設けている。すなわ
ち、前記ブラケット124には、図2に示す如く、前記
回収補助部材126の配設位置を挟んで前記載置板22
からインキ貯留部Aに垂下するパイプ30の臨む側と反
対側に、図示しないエア供給源に接続するエア吹出管1
30が支持され、その吹出口130aを回収補助部材1
26の下部に指向させている。このエア吹出管130
は、後述するインキの回収運転に際し、インキ貯留部A
の底部近傍に臨ませた回収補助部材126の下部に向け
てエアを吹付け、該回収補助部材126が移動した際に
前記隙間を介して移動方向後側にインキが逃げるのを防
止するべく機能する。
【0032】前記インキ貯留部Aの長手方向両端部近傍
には、図1に示す如く、図示しないエア供給源に接続す
るエア吹出管132,132が臨み、その吹出口132
a,132aを相互に対向させている。そして各吹出管
132,132からエアを吹出すことにより、インキ貯
留部Aの両端部に残留するインキを中央部に向けて移動
させるようになっている。これにより、インキ貯留部A
の長手方向両端部に残留するインキを、インキ供給・回
収装置54のパイプ30を臨ませ得る位置まで移動して
回収させることができ、該供給・回収装置54によるイ
ンキの回収率を向上させることが可能となる。
【0033】
【第1実施例の作用について】次に、前述した第1実施
例に係る段ボールシート用印刷機の作用につき説明す
る。
【0034】(印刷運転について)印刷の準備作業とし
て、前述した揺動機構53を作動させ、絞りロール52
の回転軸を中心としてインキ転移ロール50を時計方向
に変位させる。これにより図4に示すように、インキ
転移機構48のインキ転移ロール50は版胴44(印版
42)に接触させられる。またスクレーパ80も、絞
りロール52から離間している。更に、両ロール5
0,52の軸方向の両端部に設けた堰部材74,74は下
降位置にあって、前記インキ貯留部Aにおける長手方向
の両端部を閉成している。また供給・回収装置54の
チュービングポンプ95に介挿した可撓性チューブ60
は、その一方の開口部60aに接続するパイプ28をイ
ンキポット58に貯留したインキに浸漬すると共に、他
方の開口部60bをパイプ30に接続している。そして
このパイプ30の開放端部は、インキ貯留部Aの上方に
臨んでいる。更にまた、回収補助部材126をインキ
貯留部Aの上方に臨ませている(図6参照)。
【0035】この状態で、前記駆動モータ90により供
給・回収装置54を軸方向に移動させる。また前記可逆
モータ96を正転方向に付勢し、チュービングポンプ9
5のローラ97を反時計方向(図2において)に移動させ
て、可撓性チューブ60をしごいて内部のインキを開口
部60b側に押出す。すなわち、ローラ97によるチュ
ーブ60の連続的なしごきによって、インキポット58
中のインキは、パイプ28、可撓性チューブ60おびパ
イプ30を介して回転中のインキ転移ロール50と絞り
ロール52との間(インキ貯留部A)に供給される。この
インキは、両ロール50,52の軸端に臨む堰部材74,
74に規制された状態で貯留される。なお、印刷運転時
における回収補助部材126は、軸方向に移動する供給
・回収装置54と接触干渉しない位置に退避している。
【0036】これにより版胴44に装着した印版42の
表面には、インキ転移ロール50を介して、適正量のイ
ンキが転移される。この状態の下で、図示しない上流側
のストッカより、段ボールシート43を1枚づつ版胴4
4と圧胴46との間に供給することにより、該シート4
3には所要の印刷が施される。インキは速乾性であるか
ら、印刷後は直ちに後工程のダイカッタやフォルダグル
ワ等に送り込むことができる。またインキはインキ転移
ロール50と絞りロール52の間全体に行き渡っている
ので、印刷時に幅方向の色ムラを生ずることがなく、従
ってオペレータは印刷状態を常に監視する必要がない。
更に、インキを循環していないので、従来循環のために
必要であったインキを省くことができ、インキ購入時の
ロット単位を少なくすることができ、在庫費用を軽減さ
せ得る。
【0037】なお、インキ貯留部Aに貯留されるインキ
の消費量は、その軸方向に均一に減るものでなく、前記
段ボールシート43の印刷位置や印刷面積によって異な
るので、インキ消費量の多い場所や少ない場所に応じ
て、前記インキ供給・回収装置54により必要量のイン
キを供給するようにしてもよい。
【0038】(インキの回収運転について)印刷オーダの
変更等に伴う色替えのために、使用するインキを替える
場合は、以下の手順でインキの回収運転がなされる。先
ず、前記可逆モータ96を停止して、可撓性チューブ6
0およびパイプ28,30によるインキ供給を停止し、
また前記両ロール50,52の回転を停止すると共に、
インキ供給・回収装置54のパイプ30および回収補助
部材126をインキ貯留部Aの左端(図8(a)において)
に移動させる。このとき、回収補助部材126の右側に
パイプ30が臨むと共に、回収補助部材126の左側に
エア吹出管130が臨んでいる。また、前記インキ貯留
部Aの端部近傍に臨ませたエア吹出管132,132か
らエアを吹出して、図8(a)に示す如く、該端部に残留
するインキを中央部に向けて移動させる。
【0039】次いで、前記エアシリンダ24をロッド2
4aがバレル内に引込まれる方向に付勢し、ホルダ26
を介してパイプ30を下降させ、図5に示す如く、その
開放端部をインキ貯留部Aに残留する旧オーダのインキ
に浸漬させる。また前記エアシリンダ122をロッド1
22aを延出する方向に付勢し、ブラケット124と共
に回収補助部材126を下降させ、図7に示す如く、該
回収補助部材126を前記両ロール50,52に当接す
ると共にインキ貯留部Aの底部近傍に臨ませる。更に、
エア吹出管130から回収補助部材126の下部に向け
てエアを吹出させる。
【0040】この状態で、前記可逆モータ96を逆転方
向に付勢し、チュービングポンプ95のローラ97を時
計方向に移動させることにより、インキ貯留部Aに残留
するインキはパイプ30および可撓性チューブ60を介
して吸上げられて、前記パイプ28から前記インキポッ
ト58に回収される。なお、このとき前記左側に配設し
たエア吹出管132から吹出されたエアにより移動され
たインキが、可撓性チューブ60およびパイプ28,3
0を介してインキポット58に回収され、パイプ30を
臨ませることのできないインキ貯留部Aの端部に残留す
るインキを回収することができる。また前記移動台88
および移動部材120を両ロール50,52の軸方向右
方へ移動させることにより、図8(b),(c)に示す如
く、回収補助部材126によりインキ貯留部Aに残留し
ているインキはパイプ30が臨む側に掻き集められ、該
パイプ30によりインキが効率的に回収される。なお、
回収補助部材126を挟んでパイプ30と反対側から
は、前記エア吹出管130を介して回収補助部材126
とインキ貯留部Aの底部との間に向けてエアが吹付けら
れているので、回収補助部材126の下方からインキが
移動方向後側(図において左側)に逃げるのが防止され
る。
【0041】このように、可撓性チューブ60が接続さ
れるパイプ30の開放端部を臨ますことのできないイン
キ貯留部Aの底部および長手方向両端部に残留するイン
キを、回収補助部材126およびエア吹出管132,1
32によって、パイプ30により効率的に吸上げ回収し
得る状態および位置まで移動させることができる。従っ
て、印刷オーダの変更等に伴う色替えに際して無駄に廃
棄されるインキを極めて少なくすることができ、インキ
の節約が図られる。例えば従来の装置では、イキンの色
替えに際して約150〜200gのインキが廃棄されて
いたが、前述した実施例装置では、インキの廃棄量が約
80〜100g程度で済むことが判明している。なお、
印刷運転によりインキ貯留部Aに貯留されているインキ
の粘度が高くなっている場合は、前記インキ回収運転に
先立ち、インキ貯留部Aに適量の水を散水してインキの
粘度を低下させることが推奨される。
【0042】(インキの洗浄運転について)前記パイプ3
0および回収補助部材126をインキ貯留部Aの右端ま
で移動して残留インキの回収を完了すると、前記エアシ
リンダ24を逆付勢してパイプ30の開放端部を上昇さ
せると共に、前記エアシリンダ122を逆付勢して回収
補助部材126およびエア吹出管130を上昇させる。
なお、前記印刷運転が終了して前記版胴44と圧胴46
との間に段ボールシート43が通紙されなくなった時点
で、インキ転移機構48のインキ転移ロール50は、前
記揺動機構53により版胴44(印版42)から離間する
インキ洗浄位置に移動されている。そこで前記モータ8
2を付勢して、スクレーパ80を絞りロール52に適正
圧で接触させる。そしてインキ転移ロール50および絞
りロール52を同一周速で空回転させると、絞りロール
52の表面に付着しているインキは、前記スクレーパ8
0により掻き上げ除去され、該インキはインキパン78
に排出される。
【0043】前記供給・回収装置54により回収される
ことなくインキ貯留部Aに残留するインキの殆どは、前
記スクレーパ80により除去されるが、前記インキ転移
ロール50のアニロックス内には微量のインキが残留し
ている。そこで、スクレーパ30を絞りロール52から
離間させ、前記供給・回収装置54に配設した洗浄液供
給管を介して、両ロール50,52間に画成される前記
インキ貯留部Aに洗浄液を供給する。この貯留部Aは、
前記堰部材74,74によって長手方向の両端部を閉成
されているので、洗浄液は軸方向の全体に行き亘った状
態で貯留されることとなる。この状態で所定時間だけ前
記洗浄運転を行なうことにより、インキ貯留部Aに残留
する洗浄液がスクレーパ80により除去されてインキパ
ン78に排出され、ここから図示しない廃液タンクに排
出される。なお、洗浄時間を短縮する方法として、前
記洗浄液をインキ貯留部Aに供給するに際し、前記供給
・回収装置54を両ロール50,52の軸方向へ移動さ
せてもよい。また、堰部材74,74を上昇させ、両
ロール50,52の両端より洗浄液を排出しながら洗浄
液をスクレーパ80により除去するようにしてもよい。
更に、洗浄液を前記載置板22に配設した洗浄液供給
管により供給することに代えて、両ロール50,52の
上方にこれと平行にパイプを配設し、該パイプの軸方向
に所定間隔で穿設した複数の孔を介して、インキ貯留部
Aの全体に洗浄液を一度に供給するようにしてもよい。
【0044】また、前記供給・回収装置54の載置板2
2に装着したインキポット58を、新たなオーダに係る
インキを貯留したものに替えると共に、チュービングポ
ンプ95から可撓性チューブ60を取外す。また、可撓
性チューブ60を取外す際に、前記パイプ30をホルダ
26から取外す。可撓性チューブ60およびパイプ2
8,30を装置の外部で洗浄した後、再びチュービング
ポンプ95およびホルダ26に介挿すると共に、パイプ
28をインキポット58に貯留したインキに浸漬し、ま
たパイプ30の開放端部をインキ貯留部Aの上方に臨ま
せることにより、色替えが完了する。
【0045】このようにオーダ変更に伴う色替えに際
し、インキ貯留部Aに残留するインキを効率的に回収し
得るので、無駄に廃棄されるインキを極めて少なく抑え
ることができ、インキの節約が図られる。またスクレー
パ80により大部分のインキを掻き取った後に極めて少
量の洗浄液を使用するだけで、インキ転移ロール50に
付着するインキを確実に除去し得る。更に、可撓性チェ
ーブ60やパイプ28,30を交換するようにすれば、
ポンプやインキ循環系の洗浄を行なう必要がないので、
短時間でオーダチェンジができて多種少量の小ロット印
刷に好適に対応することができる。またインキ洗浄に使
用される洗浄液の量は、従来のフレキソ印刷機において
は約60リットル程度必要であったのに対し、新開発の
インキを使用した場合は100cc程度で済み、洗浄廃
液を極めて少なく抑えることができ、公害防止に大きく
貢献することができる。
【0046】なお第1実施例においては、回収補助部材
126を板状の部材から構成すると共に、該部材126
をパイプ30に近接配置した場合につき説明したが、例
えば回収補助部材126を、一端をインキ貯留部Aの底
部近傍まで臨み得る舌片状に切欠いた可撓性の管体で構
成し、該管体の他端をパイプ30に接続するようにして
もよい。この場合は、パイプ30をインキ貯留部Aに向
けて下降させると、管体の舌片が両ロール50,52間
に折曲状態で当接し、パイプ30の移動に伴って該舌片
がインキ貯留部Aに残留するインキをパイプ30側に掻
き集めるものである。
【0047】
【第2実施例について】図9〜図11は、第2実施例に
係る段ボールシート用印刷機を示すものであって、基本
的な構成は第1実施例と同様であるが、インキ供給・回
収装置の構成が異なっている。なお、同一または同一の
機能を有する部材については、第1実施例と同一の符号
を付して詳細説明は省略する。
【0048】前記横桁85に形成したガイドレール86
に移動自在に支持されている移動台88には、図9に示
す如く、前記絞りロール52の上方に垂下する略U形状
のブラケット92が配設され、該ブラケット92に、所
定量のインキが貯留されるインキポット58が着脱自在
に装着されるようになっている。またブラケット92に
は、インキポット58の上方に支持板94が配設される
と共に、該支持板94にチュービングポンプ95および
該ポンプ95を駆動する可逆モータ96が配置されてい
る。このチュービングポンプ95に着脱自在に介挿され
た可撓性のチューブ60は、図10に示す如く、その一
方の開口部60aがインキポット58に貯留したインキ
に浸漬され、他方の開口部60bが前記インキ貯留部A
の上方に臨んでいる。そして、可逆モータ96を正転方
向に付勢してチュービングポンプ95のローラ97を時
計方向(図10において)に移動することにより、インキ
ポット58のインキをインキ貯留部Aに供給することが
でき、また可逆モータ96を逆転方向に付勢してローラ
97を反時計方向に移動することにより、インキ貯留部
Aのインキをインキポット58に回収することができる
(図11参照)。
【0049】前記ブラケット92には、図10に示す如
く、チュービングポンプ95の右方に延出する可撓性チ
ューブ60が挿通されるホルダ98が昇降自在に配設さ
れ、該ホルダ98に通挿されて垂下する下端開口部60
bがインキ貯留部Aの上方に臨んでいる。またブラケッ
ト92にエアシリンダ99が倒立配置され、そのピスト
ンロッド99aにホルダ98が連結され、シリンダ99
を正逆付勢することによって、開口部60bの高さ位置
を変位させ得るよう構成されている。すなわち、印刷オ
ーダの変更等に伴うインキ替えに際し、可撓性チューブ
60の開口部60bをインキ貯留部Aに残留している旧
オーダのインキに浸漬させると共に、可逆モータ96を
逆転方向に付勢すれば、インキ貯留部Aに残留するイン
キはインキポット58に回収される(図11参照)。なお
符号100は、前記ホルダ98から垂下する可撓性チュ
ーブ60を支持して、インキ貯留部Aの上方に開口部6
0bを安定的に臨ませるガイドを示す。更に、開口部6
0bの高さ位置を変える手段として、エアシリンダを介
して支持板94を昇降させることにより、チュービング
ポンプ95自体を昇降させるようにしてもよい。
【0050】そして第2実施例においても、印刷オーダ
の変更等に伴う色替えのためのインキの回収運転におい
ては、前記回収補助部材126およびエア吹出管130
の作用により、インキ貯留部Aに残留するインキを可撓
性チューブ60の開口部60bが臨む位置に掻き寄せ
る。そして、可撓性チューブ60の開口部60bを残留
インキに浸漬させた状態で前記チュービングポンプ95
を逆付勢すれば、可撓性チューブ60を介してインキ貯
留部Aに残留するインキを効率的に回収することができ
る。従って、印刷オーダの変更等に伴う色替えに際して
無駄に廃棄されるインキを極めて少なくすることがで
き、インキの節約が図られる。なお第2実施例では、図
9においてインキ貯留部Aの右方から左方へインキ供給
・回収装置54を移動させる際に、インキの回収が行な
われる。
【0051】
【変更例について】前記第1および第2実施例に係る印
刷機では、インキ転移ロール50に絞りロール52を圧
接してインキ量の絞り調整を行なう構成となっている
が、本発明はこれに限定されるものではない。従って、
図12に示すように、長尺板体からなる調節板110を
インキ転移ロール50と平行に配設し、該調節板110
の先端とインキ転移ロール50の表面との間隔をモータ
112の正逆付勢により調節することによって、インキ
量の絞り調整を行なうようにしてもよい。また実施例で
は回収補助部材およびエア吹出管を、インキ供給・回収
装置の移動手段および可撓性チューブの昇降手段とは別
の手段により移動および昇降させるよう構成したが、本
願はこれに限られるものでなく、インキ供給・回収装置
の移動手段および可撓性チューブの昇降手段により回収
補助部材およびエア吹出管を一体的に移動および昇降さ
せるようにしてもよい。更に、インキ供給・回収装置を
定位置に臨ませた状態で、該装置の可撓性チューブが臨
む部位に向けて回収補助部材を移動してインキを掻き集
めるようにしてもよい。
【0052】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明に係る段ボ
ールシート用印刷機によれば、印刷オーダの変更等に伴
う色替えに際し、インキ貯留部に残留するインキを回収
補助部材により掻き集めて供給・回収装置により効率的
に回収し得るので、無駄に廃棄されるインキを極めて少
なく抑制することができ、インキの節約が図られる。ま
た、インキ貯留部の残留インキを極めて少なくし得るの
で、インキ洗浄運転での洗浄廃液は極めて少量となり、
公害防止の見地からも極めて有利である。更に、洗浄運
転に要する時間を短縮することができるので、色替に要
する時間を短縮して運転効率を向上させ得る利点があ
る。
【0053】また、インキ貯留部の長手方向両端部に残
留するインキをエア吹出管により中央部に移動させるこ
とができるので、インキ供給・回収装置によるインキの
回収効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る印刷機におけるイン
キ転移機構およびインキ回収補助手段の概略構成を示す
要部斜視図である。
【図2】第1実施例に係る印刷機におけるインキ転移機
構,供給・回収装置およびインキ回収補助手段を示す要
部正面図である。
【図3】第1実施例に係る印刷機におけるインキ転移機
構,供給・回収装置およびインキ回収補助手段を示す要
部平面図である。
【図4】第1実施例に係る印刷機におけるインキ回収補
助手段を省略した状態の概略側面図であって、段ボール
シートへの印刷状態で示すものである。
【図5】第1実施例に係る印刷機におけるインキ回収補
助手段を省略した状態の概略側面図であって、印刷終了
後におけるインキ回収状態を示すものである。
【図6】第1実施例に係る印刷機において、インキ回収
補助手段における回収補助部材をインキ貯留部の上方に
臨ませている状態で示す要部概略側面図である。
【図7】第1実施例に係る印刷機において、インキ回収
補助手段における回収補助部材をインキ貯留部の底部近
傍に臨ませた状態で示す要部概略側面図である。
【図8】第1実施例に係る印刷機によるインキ回収運転
の工程を示す説明図である。
【図9】本発明の第2実施例に係る印刷機におけるイン
キ転移機構および供給・回収装置の概略構成を示す要部
斜視図である。
【図10】第2実施例に係る印刷機の概略側面図であっ
て、段ボールシートへの印刷状態で示すものである。
【図11】第2実施例に係る印刷機において、印刷終了
後におけるインキ回収状態を示す概略側面図である。
【図12】本発明に係る印刷機の変形例を示す要部概略
側面図である。
【符号の説明】
42 印版 43 段ボールシート 44 版胴 46 圧胴 50 インキ転移ロール 52 絞りロール 54 供給・回収装置 110 調節板 126 回収補助部材 130 エア吹出管 132 エア吹出管 A インキ貯留部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印版(42)を装着した版胴(44)と、この版
    胴(44)に対向配置した圧胴(46)とを備え、前記印版(42)
    にインキを転移させると共に、相互に反対方向に回転す
    る前記版胴(44)と圧胴(46)との間に段ボールシート(43)
    を通過させて、該シート(43)に所要の印刷を行なうよう
    構成した段ボールシート用印刷機において、 前記版胴(44)に対し近接・離間自在に配設され、近接時
    に該版胴(44)の印版(42)と接触して回転するインキ転移
    ロール(50)と、 このインキ転移ロール(50)に運転中は常に接触して、イ
    ンキ量の絞り調整を行なう調整手段(52,110)と、 これらインキ転移ロール(50)および調整手段(52,110)の
    上方に配設されて該ロール(50)および調整手段(52,110)
    と平行に移動可能で、インキ転移ロール(50)と調整手段
    (52,110)との間に画成されるインキ貯留部(A)への低粘
    度かつ高度速乾性インキの供給並びに残留インキの回収
    を選択的に行なう供給・回収装置(54)と、 前記インキ貯留部(A)に沿って移動可能に配設され、該
    貯留部(A)に残留するインキを前記供給・回収装置(54)
    のインキ回収部位に向けて掻き集める回収補助部材(12
    6)とから構成したことを特徴とする段ボールシート用印
    刷機。
  2. 【請求項2】 前記回収補助部材(126)に近接する位置
    に、該回収補助部材(126)とインキ貯留部(A)の底部との
    間に向けてエアを吹付けるエア吹出管(130)を配設した
    請求項1記載の段ボールシート用印刷機。
  3. 【請求項3】 前記インキ貯留部(A)の長手方向両端部
    近傍にエア吹出管(132,132)を配設し、該吹出管(132,13
    2)から吹出すエアにより貯留部(A)の長手方向両端部に
    残留するインキを中央部に向けて移動させるようにした
    請求項1または2記載の段ボールシート用印刷機。
  4. 【請求項4】 前記回収補助部材(126)は、インキ貯留
    部(A)を画成するインキ転移ロール(50)および調整手段
    (52,110)に対して接離自在に配設され、該インキ転移ロ
    ール(50)および調整手段(52,110)に当接した状態でイン
    キ貯留部(A)に沿って移動するよう構成される請求項1,
    2,3の何れかに記載の段ボールシート用印刷機。
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