JPH05192083A - パフスナックの製造方法 - Google Patents

パフスナックの製造方法

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JPH05192083A
JPH05192083A JP4007717A JP771792A JPH05192083A JP H05192083 A JPH05192083 A JP H05192083A JP 4007717 A JP4007717 A JP 4007717A JP 771792 A JP771792 A JP 771792A JP H05192083 A JPH05192083 A JP H05192083A
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寿彦 鳴神
Yoshiyuki Miyaoku
美行 宮奥
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 (1) そら豆とその皮部分から得られるそら豆
原料の粗繊維の含量が2.5〜5.5重量%になるよう
にそら豆の皮部分を含有する、水分9〜20重量%のそ
ら豆原料又は(2) 豆原料65〜97重量部と脱脂大豆原
料35〜3重量部とを含有する、水分9〜20重量%の
原料をエクストルーダーにより、使用するそら豆原料の
水分が9〜11%の場合には90〜150°C、11%
より多く15%までの場合には100〜210°C、1
5%より多く20%までの場合には160〜240°C
のダイ温度条件で膨化度が3.0〜25.0倍になるよ
うに膨化処理を施し、次いで乾燥処理を施すか或いは乾
燥処理を施さずに水分7重量%以下の膨化物を得た後、
得られた膨化物に油付着処理を施すことを特徴とするパ
フスナックの製造方法。 【効果】 原料(1) を使用する場合には、そら豆の風味
を充分に有すると共に良好な外観、適度な歯応えを有
し、また原料(2) の場合には、組織が緻密になり歯応え
のある食感を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、そら豆やえんどう豆等
の豆類を主原料とし、エクストルーダーにより膨化処理
したパフスナックの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】そら豆やえんどう豆等の豆類を原料の1
つとして使用し、エクストルーダーによる膨化処理を施
してスナック食品を製造する方法としては、特開昭61
−9253号公報に記載の方法がある。この方法は、小
麦粉、小麦デンプン等の澱粉原料を2軸型エクストルー
ダーで膨化処理した後、得られた膨化物を粉砕し、これ
にそら豆等の豆類を原料全体の5〜50%となるように
混合した後、再度2軸型エクストルーダーで膨化処理し
ている。
【0003】しかしながら、この方法により得られるパ
フスナックには、豆類独特の風味及び豆類らしい色調に
欠けるとの問題点があった。また、エクストルーダーに
よる膨化処理を2度行わねばならず、煩雑であると共に
ランニングコストが高くなるとの問題点があった。
【0004】また、そら豆やえんどう豆等の豆類を原料
の1つとして使用し、エクストルーダーによる膨化処理
を施してスナック食品を製造する方法としては、特開昭
59−51746号公報に記載の方法がある。即ち、該
公報にはそら豆等の豆類のみを原料とした場合、多孔質
組織の膨化物とならず、食べるのが困難なものとなるこ
とが示されており、こうした問題点を解決するために、
原料として豆類原料75〜25部にタピオカ等の特定の
澱粉原料25〜75部を加えたものを採用することが開
示されている。
【0005】しかしながら、この方法により得られるパ
フスナックは、豆類独特な風味、豆類らしい色調及び歯
応えが充分でないとの問題点があった。
【0006】また、そら豆やえんどう豆等の豆類を原料
の1つとして使用し、エクストルーダーによる膨化処理
を施してスナック食品を製造する方法としては、特開昭
61−58539号公報に記載の方法がある。この方法
は、そら豆等の豆類を2軸型エクストルーダーに供し、
加水を行わずに、または加水を行い、水分を調整してエ
クストルージョンクッキングを行うものであるが、具体
的には豆類をエクストルーダーのフィード口に供給する
と共に水をフィード口に定量ポンプで供給し、水分含量
30〜40%と高い値に調整した後、押し出してエクス
トルージョンクッキングを行っている。
【0007】しかしながら、この方法により得られるパ
フスナックは、極めて軽いサクサクした食感のものであ
り、菓子として喫食するには適するが、おつまみとして
喫食する場合には、歯応え及び豆類独特な風味が充分で
ないとの問題点があった。
【0008】本発明者等は、上記した問題点を解決する
ための方法として、皮部分を含むか又は皮部分を含まな
い豆原料自体又は、この原料に、適宜他のスナック原料
を、添加後の豆原料の割合が55重量%以上となるよう
に添加混合した、水分9〜20重量%の原料をエクスト
ルーダーにより、使用する原料の水分が9〜11%の場
合には90〜150°C、11%より多く15%までの
場合には100〜210°C、15%より多く20%ま
での場合には160〜240°Cのダイ温度条件で3.
0〜28.0倍になるように膨化処理を施し、次いで乾
燥処理を施すか或いは乾燥処理を施さずに水分7重量%
以下の膨化物を得た後、得られた膨化物に油付着処理を
施すことを特徴とするパフスナックの製造方法について
既に出願している(特願平2−281336号)。
【0009】しかしながら、この方法において、原料と
してそら豆を用いてパフスナックを製造すると、得られ
たパフスナックは皮部分が散在し暗い色調となるとの問
題が生じた。また、原料としてそら豆やえんどう豆を用
いてパフスナックを製造した場合、ロースト風味のもの
が所望された。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、第1に、そ
ら豆の風味を充分に有すると共に適度な歯応えを有し、
更に良好な外観を呈するパフスナックの製造方法を提供
することを目的とする。本発明は、第2に、豆の風味を
充分に有すると共にローストした様な風味を有するパフ
スナックの製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の目的は、
そら豆原料中の粗繊維の含量が2.5〜5.5重量%に
なるようにそら豆の皮部分を使用することにより達成す
ることができた。又、第2の目的は、豆原料65〜97
重量部と脱脂大豆原料35〜3重量部の混合物を使用す
ることにより達成することができた。
【0012】すなわち、第1の発明は、そら豆とその皮
部分から得られるそら豆原料の粗繊維の含量が2.5〜
5.5重量%になるようにそら豆の皮部分を含有する、
水分9〜20重量%のそら豆原料をエクストルーダーに
より、使用するそら豆原料の水分が9〜11%の場合に
は90〜150°C、11%より多く15%までの場合
には100〜210°C、15%より多く20%までの
場合には160〜240°Cのダイ温度条件で膨化度が
3.0〜25.0倍になるように膨化処理を施し、次い
で乾燥処理を施すか或いは乾燥処理を施さずに水分7重
量%以下の膨化物を得た後、得られた膨化物に油付着処
理を施すことを特徴とするパフスナックの製造方法を提
供する。
【0013】又、第2の方法は、豆原料65〜97重量
部と脱脂大豆原料35〜3重量部とを含有する、水分9
〜20重量%の原料をエクストルーダーにより、使用す
る原料の水分が9〜11%の場合には90〜150°
C、11%より多く15%までの場合には100〜21
0°C、15%より多く20%までの場合には160〜
240°Cのダイ温度条件で膨化度が3.0〜28.0
倍になるように膨化処理を施し、次いで乾燥処理を施す
か或いは乾燥処理を施さずに水分7重量%以下の膨化物
を得た後、得られた膨化物に油付着処理を施すことを特
徴とするパフスナックの製造方法を提供する。
【0014】先ず第1の発明について説明すると、第1
の発明で使用できるそら豆原料は、そら豆の皮部分を、
得られるそら豆原料の粗繊維の含量が2.5〜5.5重
量%、好ましくは2.5〜4.5重量%、更に好ましく
は3.0〜4.5重量%になるように調整したものであ
ることが重要である。
【0015】上記範囲を下回る場合、得られるパフスナ
ックのそら豆独特な風味が弱くなると共に、緻密な組織
になり難く、その食感も軽すぎる歯応えに欠けるものと
なる傾向にある。一方、上記範囲を上回る場合には、得
られるパフスナックは形が歪になると共に皮部分が散在
して暗い色調となる傾向にある。
【0016】上記皮部分の含量の調整は、例えばそら豆
から皮部分を一旦取り除き、その後、混合後の原料の粗
繊維の含量が上記範囲になるようにそら豆の皮部分と皮
部分が取り除かれたそら豆との混合割合を調整すること
により行われる。ここで、粗繊維の含量は、そら豆原料
を1.25%硫酸溶液と1.25水酸化ナトリウム溶液
で加熱消化した後の不溶性留物を秤量し、次いでこれを
炭化して混在する不溶性無機物の量を秤り、その差を求
めることによって測定することができる。
【0017】上記そら豆原料は、適宜粉砕処理した状態
で使用することが望ましく、その粒度は目開き8000
μmの篩を通過可能なものであることが、得られるパフ
スナックの焦げの発生をより有効に防止することができ
る点で好ましい。更に、詳細には、目開き3000μm
の篩を通過し、目開き1000μmの篩を通過しないも
のが全体の60%以上となるものを使用することが好ま
しい。
【0018】上記範囲より粒度の大きい原料の比率が大
きくなると、得られるパフスナックに焦げが発生し易い
傾向にあり、一方、上記範囲より粒度の小さい原料の比
率が大きくなると、膨化不良が発生し易い傾向にある。
こうした傾向はエクストルーダーとしてショートスクリ
ュータイプの1軸型エクストルーダーを使用する場合、
特に顕著である。本発明の原料は、基本的に上記したそ
ら豆原料からなるが、本発明の効果を損なわない範囲
で、食塩、糖類等の調味料、着香料等を使用しても良
い。
【0019】第2の発明で使用できる豆類の種類は、油
脂含量15%以下、好ましくは3%以下、蛋白質含量1
5〜30%、炭水化物40〜60%のものを用いるのが
好ましい。その例としてえんどう豆、そら豆、小豆、い
んげん、ささげ等があげられ、その1種又は2種以上を
適宜選択して採用する。小豆、いんげん、ささげ等を採
用する場合には、得られるパフスナックに青臭みが生
じ、この青臭みを低減するために、例えば水浸漬、煮沸
等のあく抜きのための処理を行うことが好ましい。あく
抜き条件としては、水浸漬の場合、例えば常温で2〜3
時間、煮沸の場合、例えば95〜98°Cで15〜40
分間が適当である。
【0020】上記豆原料は皮部分(表皮部分)を含むも
の又は皮部分を含まないもののどちらを使用しても良
い。皮部分を含むものを使用する場合には、得られるパ
フスナックが食物繊維を豊富に含有すると共に豆独特な
風味が強くなる。一方、皮部分を含まないものを使用す
る場合には、色調の鮮やかなパフスナックを得ることが
できる。
【0021】尚、豆原料としてそら豆を採用する場合に
は、そら豆の皮部分を、得られる豆原料の粗繊維の含量
が2.5〜5.5重量%好ましくは2.5〜4.5重量
%更に好ましくは3.0〜4.5重量%になるように調
整することが望ましい。上記範囲を下回る場合、得られ
るパフスナックのそら豆独特な風味が弱くなると共に、
その食感も軽すぎる歯応えに欠けるものとなる傾向にあ
る。一方、上記範囲を上回る場合には、得られるパフス
ナックは皮部分が散在して暗い色調となり、また、食感
もやや硬すぎるものになる傾向にある。
【0022】上記皮部分の含量の調整は、例えばそら豆
から皮部分を一旦取り除き、その後、混合後の原料の粗
繊維の含量が上記範囲になるようにそら豆の皮部分と皮
部分が取り除かれたそら豆との混合割合を調整すること
により行われる。上記豆原料は、適宜粉砕処理した状態
で使用することが望ましく、その粒度は目開き8000
μmの篩を通過可能なものであることが、得られるパフ
スナックの焦げの発生をより有効に防止することができ
る点で好ましい。
【0023】更に、詳細には、丸粒のえんどう豆の場合
は、目開き8000μmの篩を通過するものを使用する
ことが好ましく、粉砕したえんどう豆の場合は、目開き
4000μmの篩を通過し、目開き1000μmの篩を
通過しないものが全体の45%以上好ましくは60%以
上となるものを使用することが好ましい。また、そら豆
の場合、目開き3000μmの篩を通過し、目開き10
00μmの篩を通過しないものが全体の60%以上とな
るものを使用することが好ましい。
【0024】上記範囲より粒度の大きい原料の比率が大
きくなると、得られるパフスナックに焦げが発生し易い
傾向にあり、一方、上記範囲より粒度の小さい原料の比
率が大きくなると、膨化不良が発生し易い傾向にある。
こうした傾向はエクストルーダーとしてショートスクリ
ュータイプの1軸型エクストルーダーを使用する場合、
特に顕著である。
【0025】第2の発明では、原料として上記豆原料の
他に脱脂大豆原料を使用する。両者の使用割合は、豆原
料65〜97重量部に対して脱脂大豆原料35〜3重量
部好ましくは豆原料90〜95重量部に対して脱脂大豆
原料10〜5重量部であることが望ましい。豆原料の割
合が上記範囲を下回り、脱脂大豆原料の割合が上記範囲
を上回る場合には、得られるパフスナックが豆類独特な
風味が充分でなくなると共に脱脂大豆の風味が強くなり
すぎる傾向にある。一方、脱脂大豆原料の割合が上記範
囲を下回る場合には、得られるパフスナックに充分な歯
応え及び豆をローストした様な風味を付与し難い傾向に
ある。尚、脱脂大豆原料、つまり脱脂大豆とは大豆から
油をとった残りである。この大豆から油をとる方法に
は、大豆に圧力をかけて搾油する圧搾法及びn−ヘキサ
ン等の溶剤を用いて大豆から油を抽出する溶剤抽出法が
ある。
【0026】第2の発明の原料は、基本的には上記豆原
料と脱脂大豆原料とからなるが、本発明の効果を損なわ
ない範囲で、食塩、糖類等の調味料、着香料、とうもろ
こし澱粉、馬鈴薯澱粉等の他のスナック原料等を使用し
ても良い。
【0027】第1及び第2の発明における上記原料の水
分は9〜20%、好ましくは9〜15%、更に好ましく
は12〜13%であることが重要である(また、エクス
トルーダーとしてショートスクリュータイプの1軸型エ
クストルーダーを使用する場合には、9〜16%、好ま
しくは9〜15%、更に好ましくは12〜13%である
ことが重要である。)。上記範囲を下回る場合には、エ
クストルーダーによる処理中に原料つまりや焦げ等が生
じる虞があり、一方、上記範囲を超える場合には、得ら
れるパフスナックはそら豆やえんどう豆独特の風味が弱
くなると共に歯応えに欠ける食感になったり、或いは処
理条件によっては膨化不良となる。使用する豆原料が上
記範囲にない場合には、上記水分範囲になるように予め
加水、乾燥等の水分調整を行うのが良い。
【0028】次いで、上記水分範囲の豆原料をダイ温度
90〜240°C、好ましくは90〜190°Cの条件
で豆原料に対して膨化度が3.0〜25.0倍、好まし
くは8.4〜16.0倍、更に好ましくは10.5〜1
3.2倍になるようにエクストルーダーにより膨化処理
を施す。尚、上記豆原料に対する膨化度は、押し出し直
後の膨化物が原料となる豆とほぼ相似形になるようにカ
ットし、得られたパフスナックと原料となるそら豆との
体積比を求めたものである。
【0029】尚、第2の発明において、例えば豆原料と
してえんどう豆を単独で使用する場合、上記膨化度は
3.0〜23.0倍、好ましくは5.1〜12.7倍、
更に好ましくは5.5〜7.1倍であり、豆原料として
そら豆を単独で使用する場合、3.0〜25.0倍、好
ましくは8.4〜16.0倍、更に好ましくは10.5
〜13.2倍である。
【0030】第1の発明及び第2の発明において、上記
ダイ温度は、更に詳細には、使用する原料の水分が9〜
11%の場合には90〜150°C、11%よりも多く
15%までの場合には100〜210°C、好ましくは
140〜210°C、更に好ましくは150〜190°
C、15%よりも多く20%までの場合には160〜2
40°C、好ましくは180〜240°Cであることが
望ましい。上記範囲を下回る場合には、得られるパフス
ナックが膨化不良になる傾向にあり、一方上記範囲を超
える場合には、得られるパフスナックに焦げが多発し風
味が焦げ臭いものになる傾向がある。また、上記膨化度
が上記範囲を下回る場合、得られるパフスナックの膨化
程度が不充分な硬すぎるものとなり、一方上記範囲を上
回る場合には、得られるパフスナックは食感の軽すぎる
ものとなり、充分に歯応えのある食感にならない傾向に
ある。
【0031】使用できるエクストルーダーの種類として
は、特に制限されず、例えばショートスクリュータイプ
の1軸型エクストルーダーを利用することができる(そ
の他にもロングスクリュータイプの1軸型エクストルー
ダー又は2軸型エクストルーダーを使用することもでき
るが、得られるパフスナックの焦げの発生をより有効に
防止することができる点、より歯応えのある食感のパフ
スナックを得ることができる点でショートスクリュータ
イプの1軸型エクストルーダーが好ましい。また、ショ
ートスクリュータイプの1軸型エクストルーダーには、
装置の費用が安い、多量処理が可能であるとの利点があ
る。このような1軸型エクストルーダーとしては、L/
Dが1〜5、スクリューの長さが10〜20cmのもの
が好ましい。又、圧縮比2〜3のものが好ましい。
【0032】また、圧力条件は、30〜160kg/c
2が例示できる。上記圧力条件の範囲となるスクリュ
ー回転数、フィード量は、使用するエクストルーダーの
種類、エクストルーダーの各部のサイズ、ダイに形成さ
れた孔の面積や数等により異なる。一例として、エクス
トルーダーとしてTape Inc.製のコレットマシ
ーン(ショートスクリュータイプの1軸型エクストルー
ダー、2箇所に直径2〜4mmの円形の孔を設けたダイ
を装着したもの)を採用した場合、スクリュー回転数4
00〜1000rpm好ましくは400〜600rp
m、フィード量400g/分〜1800g/分好ましく
は400g/分〜700g/分が例示できる。
【0033】その後(好ましくはエクストルーダーのダ
イから押し出された直後)、得られた膨化物を適宜の長
さにカッティングした後、必要により例えば熱風乾燥等
の乾燥処理を施し、水分が7%以下、好ましくは2%以
下の膨化物を得る。水分が7%を超えると、得られるパ
フスナックが噛み切り難いものとなる傾向にある。ここ
で乾燥条件としては100〜190°Cで1〜20分の
条件が例示できる。
【0034】次に、上記膨化物に例えば噴霧や塗布等の
方法で油付着処理を施す。これにより、豆原料に対して
3.0〜25.0倍になるように膨化処理を施して得ら
れた充分に歯応えのある食感のパフスナックで、かつ口
溶けが良く後味の良好なものとなる。
【0035】油脂の使用量は、膨化物100重量部当り
30〜150重量部、好ましくは40〜80重量部であ
る。尚、油脂としては融点0〜40°Cのものを使用す
るのが良い。また、付着時の油脂の温度としては、10
〜220°Cが例示できるが、得られるパフスナックに
油揚げを行ったような香ばしい風味を付与する点から1
50〜220°Cが好ましい。
【0036】次に、得られる膨化物に必要により食塩、
調味料等を振りかけることができる。また、油脂の付着
前又は付着後に膨化物に醤油、糖液、食塩水等の水系調
味液を噴霧や塗布等の方法で付着させても良い。この場
合、その後の熱風乾燥等の乾燥処理を施し、水分が7%
以下、好ましくは2%以下にする。これにより、得られ
るパフスナックは、パリパリした食感のものとなる。
【0037】第1及び第2の発明では以上の方法により
パフスナックを製造する。次に、必要により得られるパ
フスナックを袋・箱等に充填密封する。袋等の材質とし
ては、特に制限されないが、豆原料としてえんどう豆を
使用して得られたパフスナックの場合には、アルミ、ア
ルミ蒸着等の遮光性のものを使用することが望ましい。
これにより、得られるパフスナックの保存中に生じる退
色及び風味の劣化を有効に防止することができる。同様
な観点から豆原料としてえんどう豆を使用する場合に
は、保存中に生じる退色及び風味の劣化を有効に防止す
るために、豆原料の保管(特に粉砕後)、パフスナック
の製造及び袋等への充填密封を実質的に遮光された状態
下で行うことが好ましい。
【0038】
【発明の効果】第1の発明によれば、そら豆の風味を充
分に有すると共に適度な歯応えを有し、更に良好な外観
を呈するパフスナックを得ることができる。また、第2
の発明によれば、豆の風味を充分に有すると共に、より
歯応えのある食感であり、更に豆をローストした様な風
味を有するパフスナックを得ることができる.次に、実
施例により本発明を説明する。
【0039】
【実施例】
実施例1 水分14%のそら豆の粉砕物(粗繊維の含量が4.0重
量%になるようにそら豆の皮部分(表皮)の量を調整し
た後粉砕処理を施したもので、目開き3000μmの篩
を通過し、目開き1000μmの篩を通過しないものが
全体の84%を占める)を1軸型のエクストルーダーT
ape Inc.製のコレットマシーン(2箇所に直径
3mmの円形の孔を設けたダイを装着したもの)によ
り、ダイ温度190°C、フィード量500g/分、ス
クリュー回転数500rpmの条件で膨化処理を施した
後、得られた膨化物を4cm程度の長さにカットした
(膨化度13.2倍)。
【0040】次いで、カットされた膨化物を160°
C、5分間の条件で熱風乾燥した後、得られた膨化物
(水分1.3重量%)100重量部に対して60重量部
の油脂を噴霧した。その後、該油脂を噴霧した膨化物に
対して1%の食塩をふりかけた。得られたパフスナック
は、そら豆の風味を充分に有すると共に適度な歯応えを
有し、更にその外観は皮部分が目立たない明るい色調を
呈していた。
【0041】比較例1 そら豆の皮部分(表皮)の量を調整しない(粗繊維の含
量は7.4重量%)ことの他は、実施例1と全く同様な
方法でパフスナックを得た。得られたパフスナックは、
そら豆の風味は充分に有するものの、やや硬すぎる食感
であり、また、その外観は皮部分が散在した暗い色調を
呈していた。 比較例2 粗繊維の含量が2.0重量%になるようにそら豆の皮部
分(表皮)の量を調整することの他は、実施例1と全く
同様な方法でパフスナックを得た。得られたパフスナッ
クは、そら豆の風味が弱く、やや歯応えに欠ける食感で
あった。
【0042】実施例2 水分14%のそら豆の粉砕物(粗繊維の含量が4.0重
量%になるようにそら豆の皮部分(表皮)の量を調整し
た後粉砕処理を施したもので、目開き3000μmの篩
を通過し、目開き1000μmの篩を通過しないものが
全体の84%を占める)92重量部と脱脂大豆(目開き
3000μmの篩を通過し、目開き1000μmの篩を
通過しないものが全体の84%を占める)8重量部を1
軸型のエクストルーダーTape Inc.製のコレッ
トマシーン(2箇所に直径3mmの円形の孔を設けたダ
イを装着したもの)により、ダイ温度190°C、フィ
ード量500g/分、スクリュー回転数500rpmの
条件で膨化処理を施した後、得られた膨化物を4cm程
度の長さにカットした(膨化度13.2倍)。
【0043】次いで、カットされた膨化物を160°
C、5分間の条件で熱風乾燥した後、得られた膨化物
(水分1.3重量%)100重量部に対して60重量部
の油脂を噴霧した。その後、該油脂を噴霧した膨化物に
対して1%の食塩をふりかけた。得られたパフスナック
は、そら豆の風味を充分に有すると共にそら豆をロース
トしたような風味を呈するものであった。また、得られ
たパフスナックは、充分な歯応えを有し、更にその外観
は皮部分が目立たない明るい色調を呈しており、また、
その形状はほぼ一定であった。
【0044】実施例3 表皮の付いたえんどう豆を粉砕処理し、得られた粉砕物
を紙袋で1週間保管した後、該粉砕物(水分10%、目
開き4000μmの篩を通過し、目開き2000μmの
篩を通過しないものが全体の69%を占める)95重量
部と脱脂大豆(目開き4000μmの篩を通過し、目開
き2000μmの篩を通過しないものが全体の69%を
占める)5重量部を1軸型のエクストルーダーTape
Inc.製のコレットマシーン(2箇所に直径3mm
の円形の孔を設けたダイを装着したもの)により、ダイ
温度90°C、フィード量600g/分、スクリュー回
転数500rpmの条件で膨化処理を施した後、得られ
た膨化物(水分4%、膨化度7倍)を4cm程度の長さ
にカットした。
【0045】次いで、カットされた膨化物を180°
C、2分間の条件で熱風乾燥した後、得られた膨化物
(水分1.3重量%)100重量部に対して60重量部
の油脂を噴霧した。その後、該油脂を噴霧した膨化物に
対して1%の食塩をふりかけた。得られたパフスナック
は、えんどう豆の風味を充分に有すると共にえんどう豆
をローストしたような風味を呈するものであった。ま
た、得られたパフスナックは、充分な歯応えを有してい
た。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 そら豆とその皮部分から得られるそら豆
    原料の粗繊維の含量が2.5〜5.5重量%になるよう
    にそら豆の皮部分を含有する、水分9〜20重量%のそ
    ら豆原料をエクストルーダーにより、使用するそら豆原
    料の水分が9〜11%の場合には90〜150°C、1
    1%より多く15%までの場合には100〜210°
    C、15%より多く20%までの場合には160〜24
    0°Cのダイ温度条件で膨化度が3.0〜25.0倍に
    なるように膨化処理を施し、次いで乾燥処理を施すか或
    いは乾燥処理を施さずに水分7重量%以下の膨化物を得
    た後、得られた膨化物に油付着処理を施すことを特徴と
    するパフスナックの製造方法。
  2. 【請求項2】 豆原料65〜97重量部と脱脂大豆原料
    35〜3重量部とを含有する、水分9〜20重量%の原
    料をエクストルーダーにより、使用する原料の水分が9
    〜11%の場合には90〜150°C、11%より多く
    15%までの場合には100〜210°C、15%より
    多く20%までの場合には160〜240°Cのダイ温
    度条件で膨化度が3.0〜28.0倍になるように膨化
    処理を施し、次いで乾燥処理を施すか或いは乾燥処理を
    施さずに水分7重量%以下の膨化物を得た後、得られた
    膨化物に油付着処理を施すことを特徴とするパフスナッ
    クの製造方法。
  3. 【請求項3】 得られた膨化物100重量部に対して3
    0〜150重量部の油脂を付着処理する請求項1又は2
    記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 油脂の付着を温度が150〜220°C
    の条件で行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1項記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 エクストルーダーがショートスクリュー
    タイプの1軸型エクストルーダーであることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 使用する原料の粒度が目開き8000μ
    mの篩を通過可能なものであることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか1項記載の製造方法。
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