JPH0518855U - カード印刷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 サーマルヘッドの発熱抵抗体の位置にばらつ
きがあっても、サーマルヘッドとカードとの接触角を最
適な状態に容易に調整することができるカード印刷装置
を得る。 【構成】 サーマルヘッド１を補助支持部材１２に固定
し、補助支持部材１２を支持部材１３に固定する。レバ
ー１４を回転させて押圧部１５を押すことにより支持部
材１３は垂直に降下し、サーマルヘッド１はインクリボ
ン１７を介してカード１８に接触する。サーマルヘッド
１の発熱抵抗体の位置が先端径の中心と一致していない
場合、この先端径の中心を回動中心としてサーマルヘッ
ド１をインクリボン１７の移動方向に回動させてサーマ
ルヘッド１とカード１８との接触角を最適な状態に調整
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ＩＤカード，ＩＣカード，光カード等に画像，文字等を熱転写印刷 するためのカード印刷装置に関する。そして、本考案は特に、カード印刷装置の サーマルヘッド支持構造の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、薄膜フィルム（インクリボン）に塗布された昇華性または溶融性の インクをサーマルヘッドで加熱して、ＩＤカード，ＩＣカード，光カード等のカ ードに画像あるいは文字等を熱転写印刷するカード印刷装置が種々提案されてい る。 図５は本出願人による先願、特願平３−８９９７８号に記載されているカード 印刷装置における従来のサーマルヘッド支持構造を示す分解斜視図である。図５ に示すように、従来のサーマルヘッド支持構造は、サーマルヘッド１をサーマル ヘッド補助支持部材２（以下、単に補助支持部材２と記す）に固定し、さらに、 この補助支持部材２をサーマルヘッド支持部材３（以下、単に支持部材３と記す ）に固定するものである。 そして、支持部材３は図示せぬ駆動手段により主走査方向（インクリボンの移 動方向に対して直角方向）及び上下方向に駆動される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、サーマルヘッド１の下端部、即ちインクリボンを介してカードに接 触する位置には、図示していないが発熱抵抗体が形成されている。そして、この 発熱抵抗体の位置は製造誤差等によりサーマルヘッドごとに異なっている。従っ て、上記のように、サーマルヘッド１を補助支持部材２を介して支持部材３に固 定して使用すると、カードと発熱抵抗体との最適接触位置がサーマルヘッドごと に異なることになるので、支持部材３にサーマルヘッド１を取り付ける際、サー マルヘッド１の取り付け位置をずらして調整していた。このため調整に時間がか かり、また、発熱抵抗体の最適接触位置が水平方向（インクリボンの移動方向） にずれることもあった。さらに、印刷するカードの厚さが異なると、その都度調 整する必要もあった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上述した従来の技術の課題を解決するため、 (1) インクリボンに塗布された昇華性または溶融性のインクをサーマルヘッド で加熱してカードに熱転写印刷するカード印刷装置において、前記サーマルヘッ ドをサーマルヘッド補助支持部材に固定し、このサーマルヘッド補助支持部材を 、上下方向に垂直に昇降するサーマルヘッド支持部材に固定し、前記サーマルヘ ッドを、このサーマルヘッドの発熱抵抗体が形成されている側の先端径の中心を 回動中心として前記インクリボンの移動方向に回動自在に構成したことを特徴と するカード印刷装置を提供し、 (2) 前記サーマルヘッド補助支持部材を前記サーマルヘッド支持部材に着脱自 在に構成したことを特徴とする(1) 記載のカード印刷装置を提供するものである 。

【０００５】

【実施例】

以下、本考案のカード印刷装置について、添付図面を参照して説明する。図１ は本考案のカード印刷装置におけるサーマルヘッド支持構造を示す側面図、図２ は本考案のカード印刷装置におけるサーマルヘッドの取り付け構造を示す斜視図 、図３は本考案のカード印刷装置を説明するための図、図４は本考案のカード印 刷装置におけるサーマルヘッド支持構造の構成例を示す分解斜視図である。なお 、図１〜図４において図５と同一部分には同一符号を付す。

【０００６】 まず、図１において、サーマルヘッド１は後述する如くサーマルヘッド補助支 持部材１２（以下、単に補助支持部材１２と記す）に取り付けられており、そし て、補助支持部材１２はサーマルヘッド支持部材１３（以下、単に支持部材１３ と記す）に取り付けられている。 支持部材１３には円柱状の押圧部１５が設けられており、レバー（押圧部材） １４を回転させて押圧部１５を押すことにより支持部材１３はスライド用円柱１ ６に沿って垂直に降下する。支持部材１３の降下に伴い、サーマルヘッド１も垂 直に降下し、サーマルヘッド１はインクリボン１７を介してカード１８に接触す る。カード１８はカード保持部材１９に固定されており、サーマルヘッド１に電 流を流しながらカード保持部材１９を移動させることによりカード１８に所定の 印刷を行う。なお、支持部材１３は印刷終了後図示せぬバネ部材により上方に移 動するよう構成されている。

【０００７】 サーマルヘッド１は補助支持部材１２に図２に示す如く取り付けられている。 即ち、サーマルヘッド１にブラケット２０を取り付け、そしてこれを補助支持部 材１２に取り付けている。補助支持部材１２の上部には細長の開孔２１が形成さ れており、ネジ２２により固定されている。さらに、補助支持部材１２の下部に は後に詳述する位置に開孔２３が形成されており、ブラケット２０にも開孔２３ に対応する位置に開孔が形成されている。そして、これらの２つの開孔には図示 せぬピンが挿入されてブラケット２０と補助支持部材１２が取り付けられる。

【０００８】 次に、図３を用いて本考案のカード印刷装置の要旨を説明する。図３において 、Ｐはサーマルヘッド１の発熱抵抗体が形成された側の先端径の中心であって、 前述の開孔２３の中心はこのＰ点になるように設定されている。サーマルヘッド １（ブラケット２０）と補助支持部材１２とは前述のように、ネジ２２及び開孔 ２３に挿入されたピンにより一体となされている。そして、サーマルヘッド１を 補助支持部材１２に取り付ける位置は、ネジ２２によって固定する位置を細長の 開孔２１の範囲内において左右に移動させることにより容易に調整することがで きることが分かる。即ち、サーマルヘッド１はＰ点を回動中心として左右（イン クリボンの移動方向）に回動自在である。

【０００９】 そして、サーマルヘッド１に形成された発熱抵抗体の位置が最適接触位置Ａと 一致、即ち、サーマルヘッド１とカードとの接触角が最適であれば、図示のよう にサーマルヘッド１を垂直にしてネジ２２により固定する。しかし、製造誤差等 により発熱抵抗体の位置がサーマルヘッド１の先端径の中心からずれた状態にお いては、発熱抵抗体の位置は最適接触位置Ａとずれてしまう。この場合、サーマ ルヘッド１を回動中心であるＰ点を中心として左右に回動させ、ネジ２２により 固定する。従って、発熱抵抗体の位置がサーマルヘッドごとに異なってもサーマ ルヘッド１を左右に回動させて調整することにより、常に最適接触位置Ａで接触 することになる。そして、前述のように、支持部材１３を垂直に移動させれば、 印刷するカードの厚さが異なっても常に一定の印刷位置を得ることができる。

【００１０】 図４はサーマルヘッド１，補助支持部材１２，支持部材１３の具体的構成例を 示している。補助支持部材１２に形成された開孔２４に支持部材１３に形成され た突起２５を挿入し、さらに、補助支持部材１２に形成された軸２６を支持部材 １３に形成された嵌合部２７に嵌合させることにより、補助支持部材１２と支持 部材１３とを固定する。このように構成すれば、補助支持部材１２と支持部材１ ３とは着脱自在となるので、サーマルヘッド１の破損等によりサーマルヘッド１ を交換する必要が生じたときは容易に交換することができる。

【００１１】 図１〜図４を用いて説明した本考案のカード印刷装置においては、支持部材１ ３を予めカード印刷装置本体に適切に取り付けておく。そして、サーマルヘッド １の交換の際、サーマルヘッド１を補助支持部材１２に取り付ける位置を上記の ように調整した後、補助支持部材１２を支持部材１３に取り付ければ、サーマル ヘッド１の交換の際に必要な調整時間を従来と比較して極めて少なくすることが できる。

【００１２】

【考案の効果】

以上詳細に説明したように、本考案のカード印刷装置は上述の如く、サーマル ヘッドを、このサーマルヘッドの発熱抵抗体が形成されている側の先端径の中心 を回動中心としてインクリボンの移動方向に回動自在に構成したので、サーマル ヘッドごとに発熱抵抗体の位置にばらつきがあっても、サーマルヘッドとカード との接触角を最適な状態に容易に調整することができ、また、サーマルヘッドを サーマルヘッド補助支持部材に固定し、このサーマルヘッド補助支持部材を、上 下方向に垂直に昇降するサーマルヘッド支持部材に固定したので、カードの厚さ が異なっても常に一定の印刷位置が得られ、カードの種類ごとに位置調整をする 必要もない。 さらに、サーマルヘッド補助支持部材をサーマルヘッド支持部材に着脱自在に 構成すれば、サーマルヘッドの交換も容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のカード印刷装置の要部の一実施例を示
す側面図である。

【図２】本考案のカード印刷装置におけるサーマルヘッ
ドの取り付け構造を示す斜視図である。

【図３】本考案のカード印刷装置を説明するための図で
ある。

【図４】本考案のカード印刷装置におけるサーマルヘッ
ド支持構造の構成例を示す分解斜視図である。

【図５】従来のカード印刷装置におけるサーマルヘッド
支持構造を示す分解斜視図である。

【符号の説明】

１ サーマルヘッド １２ サーマルヘッド補助支持部材 １３ サーマルヘッド支持部材 １７ インクリボン １８ カード

フロントページの続き (72)考案者 加藤 茂 神奈川県横浜市神奈川区守屋町３丁目12番 地 日本ビクター株式会社内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】インクリボンに塗布された昇華性または溶
   融性のインクをサーマルヘッドで加熱してカードに熱転
   写印刷するカード印刷装置において、 前記サーマルヘッドをサーマルヘッド補助支持部材に固
   定し、このサーマルヘッド補助支持部材を、上下方向に
   垂直に昇降するサーマルヘッド支持部材に固定し、 前記サーマルヘッドを、このサーマルヘッドの発熱抵抗
   体が形成されている側の先端径の中心を回動中心として
   前記インクリボンの移動方向に回動自在に構成したこと
   を特徴とするカード印刷装置。
2. 【請求項２】前記サーマルヘッド補助支持部材を前記サ
   ーマルヘッド支持部材に着脱自在に構成したことを特徴
   とする請求項１記載のカード印刷装置。