JPH05309907A - サーマルヘッドの支持機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 サーマルヘッドとプラテンローラとの圧接力
の均一化と位置合わせの無調整化を簡単な構造で実現す
る。 【構成】 先端形状が球状のヘッド支持ピン４をヘッド
支持フレーム２の中央に設けた遊嵌孔２ａに挿入したヘ
ッドホルダ３は、全方向運動自在であって、案内ピン付
ネジ５を中心に遊嵌長穴３ａの範囲内では摺動自在に保
持され、ヘッド支持フレーム端面に設けた位置決め板８
をプラテンベアリング７に押圧してプラテンローラ６と
サーマルヘッド１の位置決めをする。 【効果】 ヘッドのそりがなく真に均一な圧力を得
る。プラテンベアリングとヘッド位置決め板は圧接し
ていて隙間がない。ヘッドの幅方向のガタも無い。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、熱転写及び感熱記録
装置に係り、特に記録面濃度の均一性向上を計り、さら
にサーマルヘッドとプラテンローラの位置合わせ手段を
改良したサーマルヘッドの支持機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、熱転写及び感熱記録装置が広く用
いられている。熱転写記録装置は、サーマルヘッドとプ
ラテンローラとの間に熱転写リボンと用紙を重ねて通
し、熱転写リボンに塗布された熱溶融性のインクをサー
マルヘッドによって溶かして用紙に転写するものであ
り、多色印字が比較的容易にできる上に 小形、軽量か
つ騒音が少ない等の特徴を持っている。又、感熱転写記
録装置においては更に簡素な構成でサーマルヘッドとプ
ラテンローラとの間に、サーマルペーパーを通し、サー
マルヘッドによってサーマルペーパーを発色させ記録を
行うもので熱転写記録と同様の特徴を持っている。

【０００３】このような熱転写及び感熱記録装置にあっ
て、記録面の濃度を均一にするためには、記録紙の幅方
向における（すなわち、プラテンローラの軸方向におけ
る）、サーマルヘッドとプラテンローラの圧接力を均一
にするとともに、プラテンローラの軸線とサーマルヘッ
ドの発熱素子との位置合わせをを完全に行うことが、極
めて重要な条件である。更に多色印字においては、転写
インクの色ズレを無くすために、記録紙の幅方向に対す
るサーマルヘッドの押圧位置再現性も重要な条件となっ
てくる。このような条件を満足するために従来技術にお
いても様々な試みがなされてきた、しかし全ての条件を
満たす機構は今だ開示されていない。

【０００４】例えば実開昭６３−１０４０３６号公報に
は、印字動作時プラテンに圧接するようにプリンターフ
レームに軸支されたヘッド作動板と、ヘッド作動板と同
軸に軸支され、これに対して制限された範囲で相対的に
揺動運動するヘッド取り付け板とサーマルヘッドを固定
したヘッド保持板との間に全方位運動自在連結手段を具
備する事によってヘッドを保持し、ヘッド両側面に取り
付けられたヘッド支持板の位置決め凹部がプラテンロー
ラの両端に同軸に配置されたプラテンベアリングに係合
する構造のサーマルヘッドの支持機構が開示されてい
る。

【０００５】また、例えば特開平３−５７６７５号公
報、特開平３−５７６７３号公報、特開平１−１３２７
２８号公報、特開平２−１６０５５８号公報などに類似
の構造が開示されている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
のサーマルヘッドの支持機構においては、次のような課
題が有った。 ヘッド支持板に設けられた位置決め凹部とプラテン
ベアリングとの間には必ず微小隙間が必要である。 サーマルヘッドの位置決めをヘッド支持板のみで行
うため、記録紙の幅方向に対するサーマルヘッドの押圧
位置は再現性が悪い。 サーマルヘッドの支持をプラテンローラと対向する
位置で全方向運動自在連結手段により行っているため
に、サーマルヘッドが傾いた状態で押圧されてしまう。

【０００７】この発明はこのような背景の下になされた
もので、サーマルヘッドとプラテンローラとの均一な圧
接力とプラテンローラの軸線とサーマルヘッドの発熱素
子との位置合わせを無調整で得られ、記録紙の幅方向に
対するサーマルヘッドの押圧位置再現性を向上させたサ
ーマルヘッドの支持機構を提供するものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
にこの発明は、印字動作位置と非印字動作位置に前記サ
ーマルヘッドを移動させるヘッドホルダに先端形状が球
状のヘッド支持ピンを具備し、サーマルヘッドを固着し
たヘッド支持フレームのヘッド幅方向中央であって用紙
送り方向に水平に設けた遊嵌孔にヘッド支持ピン先端を
嵌入し、サーマルヘッドを制限された範囲で全方向に揺
動自在であって、サーマルヘッドの用紙送り方向にもヘ
ッドホルダの遊嵌長穴の範囲で摺動自在に保持し、ヘッ
ドホルダとサーマルヘッドまたはヘッド支持フレームの
両側面に取付けたヘッド位置決め板との間にスプリング
を係止し、ヘッド位置決め板を、プラテンベアリングに
圧接する構成とし、サーマルヘッド圧接力の均一化と押
圧位置合わせの無調整化と押圧位置再現性の向上を図れ
るようにした。

【０００９】

【作用】上記のように構成されたサーマルヘッドの支持
機構においては、サーマルヘッドはヘッド支持ピン（す
なわちサーマルヘッド幅方向中央部）を中心に制限され
た範囲で全方向に揺動自在に動作するようにヘッドホル
ダに支持される。このためヘッドホルダを印字動作位置
に移動させるとサーマルヘッドはプラテンに対してなら
う形で圧接される。たとえヘッドホルダの回動中心とプ
ラテンローラの軸心の平行度にズレが生じても圧接力は
全長にわたって均一に加えられる。 さらに、サーマル
ヘッドはヘッドホルダを介したスプリングにより紙送り
方向に押圧されているため、サーマルヘッドまたはヘッ
ド支持フレームの両側面に取り付けられたヘッド位置決
め板をプラテンベアリングに押しつける。ヘッド位置決
め板は予めサーマルヘッドの発熱素子との位置関係を合
わせ込まれているため、プラテンベアリングに押しつけ
られることによってプラテンローラの軸線とサーマルヘ
ッドの発熱素子とは無調整で一致することとなる。

【００１０】さらに言えば、ヘッド支持ピンの先端形状
が球状であるためヘッド支持フレームの遊嵌孔との接触
はサーマルヘッド押圧状態で常に一定である。このため
記録紙の幅方向に対するサーマルヘッドの押圧位置も常
に一定となる。

【００１１】

【実施例】以下に、この発明の実施例を図面に基づいて
説明する。図１は、本発明のサーマルヘッドの支持機構
の要部中央断面図である。図１において サーマルヘッ
ド１は放熱板と兼用のヘッド支持フレーム２に図示しな
いネジ等により固着されている。印字動作位置と非印字
動作位置に前記サーマルヘッド１を移動（図中 イ方
向）させるヘッドホルダ３には先端形状が球状のヘッド
支持ピン４がネジ止めやカシメ、溶接等の固定手段によ
りヘッドホルダ３の幅方向中央であって用紙送り方向に
対して水平に固定されており、前記ヘッド支持フレーム
２のこれも同じヘッド支持フレーム２の幅方向中央であ
って用紙送り方向に対して水平に設けた遊嵌孔２ａに前
記ヘッド支持ピン４先端を嵌入されている。

【００１２】さらにヘッド支持フレーム２の上面の溝部
２ｂには、サーマルヘッド１を押圧する圧縮コイルバネ
１０がヘッドホルダ３との間に配置され、その中央部に
は圧縮コイルバネ１０の案内を兼ねる凸起部２ｃがあ
り、そこに案内ピン付ネジ５がネジ止めされていてヘッ
ドホルダ３の遊嵌長穴３ａに案内ピン部が係合されヘッ
ドの動きを遊嵌長穴３ａの遊嵌長穴端面３ｂ、３ｃで制
限している、このことによりサーマルヘッド１はヘッド
支持ピン４（すなわちサーマルヘッド幅方向中央部）を
中心に制限された範囲で全方向に揺動自在で、本実施例
ではヘッドホルダ３のレバー部に時計方向の力を、図示
しない駆動装置により加えると、同じく図示しないヘッ
ドホルダ位置決め機構が解除される。これにより圧縮コ
イルバネ１０の圧縮バネ力も解除され、ヘッドホルダ３
の上面はヘッド支持ピン４の先端球状部を支点に時計方
向に回動し、案内ピン付ネジ５のネジ頭下面までの距離
２ｍｍを移動し、接触し停止する。これにつれ、サーマ
ルヘッド１もプラテンローラ６との非接触状態になる。
サーマルヘッド１の用紙送り方向（図中 ロ方向）の移
動は、案内ピン付ネジ５の案内ピン外径と遊嵌長穴端面
３ｂとの隙間１ｍｍと遊嵌長穴端面３ｃの隙間３ｍｍの
範囲内は摺動自在に動作するようにヘッドホルダ３に支
持される。

【００１３】このためヘッドホルダ３を反時計方向に回
動させ、印字動作位置に回動させるとサーマルヘッド１
はプラテンローラ６に対してならう形で圧接される。た
とえヘッドホルダ３の揺動中心とプラテンローラ６の軸
心の平行度にズレが生じても圧接力は全長にわたって均
一に加えられる。さらに、図２は本発明のサーマルヘッ
ドの支持機構の要部側面図である。図２に示すようにヘ
ッド支持フレーム２に固着したサーマルヘッド１とヘッ
ドホルダ３はヘッド支持フレーム２の側面にネジ止めさ
れているヘッド位置決め板８とスプリング９で連絡して
いるので、サーマルヘッド１は常にスプリング９により
紙送り方向（図中 ハ方向）に押圧されている。

【００１４】このため、図２では図示しないが非印字動
作位置においてもサーマルヘッド１は紙送り方向（図中
ハ方向）に常に移動し、ヘッド支持フレーム２の上面
に取り付けられた案内ピン付ネジ５がヘッドホルダ３の
遊嵌長穴３ａ端面３ｂに圧接した状態でヘッドホルダ３
に支持されている。非印字動作位置から印字動作位置に
ヘッドホルダ３を図示しない駆動手段により反時計方向
に回動するとサーマルヘッド１も印字動作位置に移動し
ていく。そしてサーマルヘッド１がプラテンローラ６に
圧接する前にヘッド支持フレーム２の両側面に具備した
ヘッド位置決め板８がプラテンローラ６の両端に同軸に
設けられたプラテンベアリング７にまず接触し、更にヘ
ッドホルダ３をスプリング９のバネ力に抗して、反時計
方向に回動していくとサーマルヘッド１はプラテンロー
ラ６に圧接する。

【００１５】本実施例では、ヘッド位置決め板８はヘッ
ド支持フレーム２の両側面に取付けたが、サーマルヘッ
ド１の両側面に取付ても機能は変わらない。この時サー
マルヘッド１はヘッド位置決め板８により押し下げられ
る形となり圧接していた案内ピン付ネジ５とヘッドホル
ダ３の遊嵌長穴３ａの端面３ｂは離れた状態となるが、
ヘッド位置決め板８はプラテンベアリング７に押しつけ
られた状態のままである。ヘッド位置決め板８は予めサ
ーマルヘッド１の発熱素子１ａとの位置関係を合わせ込
まれているため、プラテンベアリング７に押しつけられ
ることによってプラテンローラ６の軸線とサーマルヘッ
ド１の発熱素子１ａとは無調整で一致することとなる。

【００１６】さらに、ヘッド支持ピン４の先端形状が球
状であるため、ヘッド支持フレーム２の遊嵌孔２ａとの
接触はサーマルヘッド押圧状態（印字動作位置）で常に
一定である。このため図示しない記録紙の幅方向に対す
るサーマルヘッド１の押圧位置も常に一定となる。

【００１７】

【考案の効果】この発明は、以上説明したようにサーマ
ルヘッドは先端が球形状のピンを支点として、全方向運
動自在に、かつヘッドホルダ遊嵌長穴の範囲内で摺動自
在に支持したことにより、サーマルヘッド圧接力のプラ
テンローラへの均一化と押圧位置合わせの無調整化と押
圧位置再現性の向上を図れるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のサーマルヘッドの支持機構の要部中央
断面図である。

【図２】本発明のサーマルヘッドの支持機構の要部側面
図である

【符号の説明】

１ サーマルヘッド ２ ヘッド支持フレーム ３ ヘッドホルダ ３ａ 遊嵌長穴 ３ｂ 遊嵌長穴端面 ３ｃ 遊嵌長穴端面 ４ ヘッド支持ピン ５ 案内ピン付ネジ ６ プラテンローラ ７ プラテンベアリング ８ ヘッド位置決め板 ９ スプリング １０ 圧縮コイルバネ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱転写及び感熱記録装置のライン型サー
   マルヘッドとプラテンローラとを対向させ位置合わせを
   するサーマルヘッドの支持機構において、印字動作位置
   と非印字動作位置に前記サーマルヘッドを移動させるヘ
   ッドホルダに先端形状が球状のヘッド支持ピンを具備
   し、前記サーマルヘッドを固着したヘッド支持フレーム
   のヘッド幅方向中央であって用紙送り方向に水平に設け
   た遊嵌孔に前記ヘッド支持ピン先端を嵌入し、サーマル
   ヘッドを制限された範囲で全方向に揺動自在として、ヘ
   ッドホルダに設けた遊嵌長穴の範囲内で用紙送り方向に
   も摺動自在に保持したことを特徴とするサーマルヘッド
   支持機構。
2. 【請求項２】 前記ヘッドホルダと前記サーマルヘッド
   または前記サーマルヘッド支持フレームの両側面に取り
   付けられたヘッド位置決め板との間にスプリングを係止
   し、前記ヘッド位置決め板をプラテンベアリングに圧接
   させたことを特徴とする請求項１記載のサーマルヘッド
   の支持機構。