JPH05187084A - ユニット式カーテンウォールにおける接合部の水密構造 - Google Patents

ユニット式カーテンウォールにおける接合部の水密構造

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JPH05187084A
JPH05187084A JP395392A JP395392A JPH05187084A JP H05187084 A JPH05187084 A JP H05187084A JP 395392 A JP395392 A JP 395392A JP 395392 A JP395392 A JP 395392A JP H05187084 A JPH05187084 A JP H05187084A
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裕市 鹿野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 互いに噛み合って隣接するユニット式カーテ
ンウォールの、4枚のユニットが集合する接合部の水密
性を確保する。 【構成】 横方向に隣接するユニットU,Uの、上方が
開放した溝形の断面形状をした上枠F3,F3間に連結材5
を跨設して接合部を水密するもので、連結材5が上枠
F3,F3間に跨る長さを持ち、その室内側の起立片51に取
り付けられたシール材6が上側に隣接するユニットUの
下枠F4に密着することによりシール材6が接合部の縦目
地を挟んで両上枠間F3,F3に連続し、平常時の水密性を
確保し、またシール材6が下側のユニットUの上枠F
3と、上側のユニットUの下枠F4から分離していること
により各ユニットUの相対移動時にも上側のユニット
U,Uの下枠F4,F4への密着状態を維持したまま追従可
能となり、この高さ方向と横方向に隣接するユニット
U,U間の相対移動時の水密性も確保するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は高さ方向と横方向に隣
接するユニットが互いにインターロック式に接続される
ユニット式カーテンウォールにおいて、4枚のユニット
が集合する接合部の水密性を確保した、ユニット式カー
テンウォールにおける接合部の水密構造に関するもので
ある。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】高さ方向
と横方向に隣接するユニットを互いに噛み合わせて接続
する、インターロック式のカーテンウォールのユニット
間の水密性は従来、ユニットの各枠の対向する面に敷設
されたシール材を互いに密着させることにより確保され
ているが、この水密構造は施工精度が悪い場合の他、層
間変位時や熱膨張時に隣接するユニット間に相対変位が
生じた場合に容易に密着状態が外れるため水密性能の確
実さに欠けている。
【0003】これに対し、実開平2-49410号に対向する
縦枠や上下枠の面に互いに噛み合う凹部と凸部を形成
し、双方の噛合い部分にシール材を敷設し、これを対向
する側の枠に密着させることにより縦枠間と上下枠間の
水密性を確保する構造が提案されている。これは各枠に
つき、見込み幅方向に並列する噛合い部のそれぞれにシ
ール材を設置することから、噛合い部分、すなわち対向
する枠間の水密性は確保されるが、4枚のユニットの隅
角部が集合する接合部の水密性までは解決されない。
【0004】接合部の水密処理は通常、下側で隣接する
2枚のユニットの上枠間に両者に跨るジョイント材を設
置し、これと上側に隣接するユニットの下枠との接触部
分に、ユニットの組み立て後に湿式のシール材を充填し
て接合部の目地を塞ぐことにより行われるが、層間変位
時に隣接するユニットが相対移動したときにシール材が
切断され易く、またユニットが層間変位に追従したり、
振動した場合にはジョイント材がユニットに拘束されて
いるため外力を負担し、ジョイント材やユニットに変形
を生じさせる恐れがある。
【0005】この発明はインターロック式カーテンウォ
ールの接合部における水密性の問題に着目してなされた
もので、ユニット間に相対移動が生じた場合にも確実に
水密性を保持する水密構造を新たに提案しようとするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では横方向に隣接
するカーテンウォールユニットの上枠間に、上枠に内接
する形状で、両上枠間に跨る長さの連結材を跨設し、こ
の連結材に上側のユニットの下枠に密着するシール材を
取り付けておくことにより平常時と相対移動時の密着状
態を維持し、接合部における水密性を常に確保する。
【0007】カーテンウォールユニットの上枠は上方が
開放した溝形の断面形状をし、連結材は両上枠間に跨る
長さを持ち、上枠上に載る基部とその見込み幅方向の両
側から立ち上がる起立片とから溝形の形状をし、室内側
の起立片の室外側の面に、上側に隣接するカーテンウォ
ールユニットの下枠の室内側の面に密着するシール材が
取り付けられる。
【0008】連結材が下側で横方向に隣接するユニット
の上枠間に跨り、室内側の起立片のシール材が上側に隣
接するユニットの下枠に密着することにより、シール材
は接合部の縦目地を挟んで両上枠間で連続し、平常時の
水密性が確保される。シール材はまた、下側のユニット
の上枠と、上側のユニットの下枠から分離していること
により各ユニットの相対移動時にも上側のユニットの下
枠への密着状態を維持したまま追従可能となり、高さ方
向と横方向に隣接するユニット間の相対移動時の水密性
も保たれる。
【0009】また連結材が隣接する上枠の少なくとも一
方の上面に、ユニットの面外方向の軸回りに回転自在に
連結されることにより、もしくは連結材が弾性体で成型
され、隣接する上枠間の目地に位置する中間部が伸長自
在となることにより、ユニットが層間変位に追従した
り、振動した時にも連結材が追従し、この相対変位時の
水密性が保持される。
【0010】
【実施例】以下本発明を一実施例を示す図面に基づいて
説明する。
【0011】まず請求項1記載の発明を説明する。
【0012】この発明は図7に示すように縦枠F1,F2
上枠F3及び下枠F4を方形状に組み立ててユニット化され
たカーテンウォールユニット(以下ユニット)Uが高さ
方向と横方向に互いに噛み合って隣接するユニット式カ
ーテンウォールにおいて、4枚のユニットU,U,U,
Uの隅角部が集合する接合部の水密性を確保したもので
ある。
【0013】高さ方向に隣接するユニットU,Uの上枠
F3と下枠F4の対向する面、及び横方向に隣接するユニッ
トU,Uの縦枠F1と縦枠F2の対向する面には図1,図4
に示すように互いに噛み合う噛合い部1,2、3,4が
形成されており、各ユニットUはこれらの噛合い部1,
2、3,4が対向する側に噛み合うことにより隣接する
ユニットUに接続する。
【0014】ユニットUの上枠F3の上面には図1に示す
ように上側のユニットUの下枠F4と噛み合う噛合い部
3,3が起立し、上枠F3は上方が開放した溝形の断面形
状をしている。この上枠F3の噛合い部3,3に内接し、
横方向に隣接するユニットU,Uの上枠F3,F3間に図3
に示すように連結材5が跨設される。上側のユニットU
の下枠F4は下側のユニットUの上枠F3の噛合い部3,3
に噛み合う断面形状をするが、実施例では上枠F3の断面
形状を溝形にすると同時に、後述の、連結材5のシール
材6を室外側に向けて配置したことに伴い、室外側の噛
合い部4を凹部状に、室内側の噛合い部4を噛合い部3
と連結材5に接する形にしている。
【0015】連結材5は上枠F3の上面に載る基部50と、
その見込み幅方向の両側から立ち上がる室内側と室外側
の起立片51,51とから溝形の断面形状をし、上枠F3の噛
合い部3,3に内接して設置される。
【0016】この連結材5の室内側の起立片51の室外側
の面に、図1〜図3に示すように2条の乾式のシール材
6が横方向に敷設される。シール材6は上側のユニット
Uの、下側のユニットUとの接続時にその下枠F4の室内
側の噛合い部4の室内側の面に密着する。
【0017】連結材5は図2に示すように隣接するユニ
ットU,Uの一方の上枠F3の噛合い部3,3間にスライ
ドさせられて差し込まれ、その上枠F3に対向するユニッ
トU側へ張り出した状態で連結される。張り出し部分は
そのまま図3に示すように対向するユニットUの上枠F3
の噛合い部3,3内に差し込まれる。
【0018】高さ方向に隣接するユニットU,Uの上枠
F3と下枠F4の噛合い部3,4、及び横方向に隣接するユ
ニットU,Uの縦枠F1と縦枠F2の噛合い部1,2との間
は図1,図4に示すようにそのいずれか一方側に敷設さ
れ、他方側に密着するシール材7によって水密されてい
る。また隣接する上枠F3,F3の室外側の噛合い部3,3
間には図3に示すように双方に跨る継手板8が設置さ
れ、噛合い部3,3間の縦目地の1次シールが施され
る。
【0019】連結材5が接合部において下側で隣接する
ユニットU,Uの上枠F3,F3間に跨って設置されること
により、連結材5上には図4に示すように縦枠F1,F2
のシール材7を越えて浸入した雨水がその目地を伝って
落下するが、この雨水は連結材5が受け皿状をすること
により一旦連結材5に受けられた後、両側の上枠F3,F3
上へ流され、更に上枠F3に明けられた排水孔f3より排出
される。また図1に示すように上下のユニットU,U間
の目地から浸入し、継手板8とシール材7を越えた雨水
も同様の経路で排水孔f3から排出される。
【0020】次に請求項2記載の発明を説明する。
【0021】この発明は上記発明において、ユニットU
が躯体に対して変位可能に支持され、層間変位時に移
動,または振動する場合に、連結材5を4枚のユニット
U,U,U,U間の相対変位に追従可能に上枠F3に連結
したものである。
【0022】連結材5は図2に示すように隣接する上枠
F3,F3の一方の上面に、底面が点で,もしくはユニット
Uの面外方向の線で接触する等によりユニットUの面外
方向の軸回りに回転自在に連結される。
【0023】図2は連結材5を上に凸の曲面となった座
金9を介して上枠F3にボルト10により接合した場合の実
施例を示したものであるが、逆に連結材5の底面に下に
凸の座面を形成する等、層間変位時のユニットUの変位
時に、連結材5が横方向と高さ方向に跨る上枠F3,F3
下枠F4,F4との接続状態を維持したまま揺動して追従す
る状態に連結されていさえすればよく、このユニット
U,U間の相対的な変形に連結材5が追従することによ
り連結材5には外力が加わらず、連結材5やユニットU
の変形が防止され、また水密性能の低下も免れている。
【0024】続いて請求項3記載の発明を説明する。
【0025】この発明は連結材5自身をシール材6と同
質の弾性体で成型し、図5に示すように請求項1記載発
明と同様に噛合い部3,3に内接させて上枠F3,F3間に
跨設し、請求項2記載発明と同じくユニットUの変位に
追従可能に設置したものである。
【0026】この発明では連結材5自身が弾性体である
ことから、室内側の起立片51に上記発明におけるシール
材6が一体化した形になっており、この部分が上側のユ
ニットUの下枠F4に密着する。
【0027】連結材5の外周面には図5のZ−Z線の断
面図である図6に示すように多数のひれ5aが突設されて
おり、このひれ5aが上枠F3の上面と噛合い部3,3に接
して密着し、連結材5は単純に上枠F3の上面と噛合い部
3,3との間の摩擦力によって両上枠F3,F3に固定され
る。
【0028】連結材5の、隣接する上枠F3,F3間の目地
に位置する中間部5bは図6に示すようにベローズ状をす
る等により伸長自在となっており、ユニットUが躯体に
変位可能に支持された場合の、横方向に隣接するユニッ
トU,U間の相対移動に無理なく追従し、請求項2記載
発明と同じくユニットUの変形を防止する。
【0029】
【発明の効果】この発明は以上の通りであり、横方向に
隣接するカーテンウォールユニットの上枠間に、上枠に
内接する形状で、両上枠間に跨る長さの連結材を跨設
し、この連結材に上側のユニットの下枠に密着するシー
ル材を取り付けたものであるためシール材が接合部の縦
目地を挟んで両上枠間に連続し、平常時の水密性が確保
されると同時に、シール材が下側のユニットの上枠と、
上側のユニットの下枠から分離しているため、各ユニッ
トの相対移動時にも上側のユニットの下枠への密着状態
を維持したまま追従可能となり、この高さ方向と横方向
に隣接するユニット間の相対移動時の水密性も保つこと
ができる。
【0030】また連結材を隣接する上枠の一方の上面
に、ユニットの面外方向の軸回りに回転自在に連結し、
もしくは連結材を弾性体で成型し、隣接する上枠間の目
地に位置する中間部を伸長自在にした場合には、ユニッ
トが躯体に変位可能に支持された場合の層間変位への追
従時,または振動時に連結材が追従するため、このとき
の水密性も確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高さ方向に隣接するユニットの連結部分を示し
たもので、図7のX−X線断面図である。
【図2】連結材の設置の様子を示した斜視図である。
【図3】連結材の設置状態を示した斜視図である。
【図4】横方向に隣接するユニットの連結部分を示した
もので、図7のY−Y線断面図である。
【図5】連結材を弾性体で成型した場合の、ユニットの
連結部分を示した縦断面図である。
【図6】図5のZ−Z線断面図である。
【図7】カーテンウォールの外観を示した立面図であ
る。
【符号の説明】
U……カーテンウォールユニット、F1……縦枠、1……
噛合い部、F2……縦枠、2……噛合い部、F3……上枠、
3……噛合い部、f3……排水孔、F4……下枠、4……噛
合い部、5……連結材、50……基部、51……起立片、5a
……ひれ、5b……中間部、6……シール材、7……シー
ル材、8……継手板、9……座金、10……ボルト。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦枠F1,F2と上枠F3及び下枠F4を方形状
    に組み立ててユニット化されたカーテンウォールユニッ
    トUが高さ方向と横方向に、互いに噛み合って隣接する
    ユニット式カーテンウォールにおいて、4枚のカーテン
    ウォールユニットU,U,U,Uが集合する接合部の水
    密構造であり、カーテンウォールユニットUの上枠F3
    上方が開放した溝形の断面形状をし、横方向に隣接する
    カーテンウォールユニットU,Uの上枠F3,F3間には、
    両者間に跨る長さを持ち、上枠F3上に載る基部50とその
    見込み幅方向の両側から立ち上がる起立片51,51とから
    なる溝形の連結材5が跨設され、連結材5の室内側の起
    立片51の室外側の面には上側に隣接するカーテンウォー
    ルユニットUの下枠F4の室内側の面に密着するシール材
    6が取り付けられていることを特徴とするユニット式カ
    ーテンウォールにおける接合部の水密構造。
  2. 【請求項2】 連結材5は隣接する上枠F3,F3の少なく
    とも一方の上面に、カーテンウォールユニットUの面外
    方向の軸回りに回転自在に連結されていることを特徴と
    する請求項1記載のユニット式カーテンウォールにおけ
    る接合部の水密構造。
  3. 【請求項3】 連結材5は弾性体で成型され、隣接する
    上枠F3,F3間の目地に位置する中間部5bが伸長自在であ
    ることを特徴とする請求項1記載のユニット式カーテン
    ウォールにおける接合部の水密構造。
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