JPH05186593A - ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーの調製方法 - Google Patents

ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーの調製方法

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JPH05186593A
JPH05186593A JP16643792A JP16643792A JPH05186593A JP H05186593 A JPH05186593 A JP H05186593A JP 16643792 A JP16643792 A JP 16643792A JP 16643792 A JP16643792 A JP 16643792A JP H05186593 A JPH05186593 A JP H05186593A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーの調
製工程、特に、重合と回収の段階で、製品としてのポリ
マーの規格に外れているポリマーは、廃棄されるかまた
は何等かの方法で処分を必要としたが、このポリ(アリ
ーレンスルフィド)ポリマーの廃材料を製造工程に原料
の一部としてリサイクルする。 【構成】 廃材料の流れを重合条件下に重合混合物と接
触させて、普通は不合格品として廃棄されるか又は別の
方法で処分されるポリ(アリーレンスルフィド)ポリマ
ーから成る廃材料を使用して合格製品と比べて遜色のな
いポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーを調製する方
法が提供される。廃材料は、随意的には、環式と線状の
オリゴマー、無機の塩類、極性の有機化合物(主に溶剤
である)及び水を含み得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明はポリ(アリーレンスルフィド)、即
ち、(PAS)ポリマーに関する。一つの面では、本発明
は廃材料を重合の中で反応体として用いるポリ(アリー
レンスルフィド)ポリマーの調製方法に関する。
【0002】本発明の一つの具体例では、廃材料が前の
ポリ(アリーレンスルフィド)重合の好ましくない副生物
として得られる。別の具体例では、前に調製したポリ
(アリーレンスルフィド)の精製中に好ましくない製品と
して廃材料が得られる。更に別の具体例では、廃材料は
希望する製品の規格から外れた商業生産から得られた以
前に調製されたポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーで
ある。更に別の具体例では、調製および/または回収の
段階で十分に汚染されてその為に最初に意図した用途に
は使えないポリ(アリーレンスルフィド)物質である。
【0003】ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーは、
一般に当該技術には周知のものであり、その高い耐薬品
性と耐熱性の為に従来から有用であることが見出だされ
てきた。そのようなポリ(アリーレンスルフィド)ポリマ
ーの調製方法が当該技術に開示されている。典型的な調
製方法では、少なくとも一種のジハロ芳香族化合物、硫
黄源及び極性の有機化合物を重合条件下に接触させる。
重合中に同じく或る種の分子量増加剤を添加する場合も
多い。重合が終わると、極性の有機化合物、未消費の反
応体、副生物の無機の塩、及び存在するかも知れない水
の混合物の中から好ましい製品が回収される。ポリ(ア
リーレンスルフィド)ポリマーに対する幾つかの回収方
法は、更にその他に、余り望ましくない低分子量のポリ
(アリーレンスルフィド)と環式オリゴマー、線状オリゴ
マーから望ましい高分子量の製品を分離する。時おり、
回収されたポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーは望ま
しい高分子量の部分から低分子量の部分、オリゴマー及
び他の不純物を除去する為に精製工程に掛けられる。
【0004】商業生産の間に、時おり、望ましい製品の
規格から外れたポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーが
製造されることがある。調製および/または回収の間
に、ポリマー製品はその製品の一部であると考えていな
かった化合物と接触して汚染されることがある。
【0005】上述の状況の総てに於いて、望ましくない
物質は何等かの方法で処分しなければならない。そのよ
うな方法としては、例えば、望ましくない物質は埋め立
て地に投棄するか、又はその物質を使用に耐えるように
する為に他の製品とブレンドする等が考えられる。その
ような望ましくない物質または廃物質の少なくとも一部
を使用し、それによって物質の一部を処分する必要を無
くすような方法を持つことは経済的にも又環境的にも望
ましいことであろう。
【0006】原料の一部にポリ(アリーレンスルフィド)
ポリマーの廃材料を使用するポリ(アリーレンスルフィ
ド)ポリマーの調製方法を提供するのが此の発明の一つ
の目的である。
【0007】本発明に従えば、少なくとも一種のジハロ
芳香族化合物、硫黄源、及び極性の有機化合物から成る
重合反応混合物を、重合条件下にポリ(アリーレンスル
フィド)の廃材料と接触させることによってポリ(アリー
レンスルフィド)ポリマーが調製される。
【0008】本発明の一つの具体例に従えば、廃材料は
発明方法によって調製されるポリ(アリーレンスルフィ
ド)ポリマーと比較した時に相対的に低い分子量のポリ
(アリーレンスルフィド)ポリマーから成る。
【0009】本発明の別の具体例に従えば、廃材料は発
明方法によって調製されるポリ(アリーレンスルフィド)
ポリマーと同等、若しくはそれよりも高い分子量のポリ
(アリーレンスルフィド)ポリマーから成る。
【0010】本発明は、普通は廃品として捨てられる
か、又は別の何等かのやり方で処分される筈の材料をそ
の後の重合に於いて望ましいポリマーの製造に使用でき
る方法を提供する。
【0011】本発明に従えば、ポリ(アリーレンスルフ
ィド)ポリマーは、少なくとも一種のジハロ芳香族化合
物、硫黄源、及び極性の有機化合物から成る重合反応混
合物を、重合条件下にポリ(アリーレンスルフィド)の廃
材料と接触させることによって調製される。
【0012】本発明の方法の中で使用できるジハロ芳香
族化合物は次の式によって表わすことができる: 但し、上の式に於いて、各Xは塩素、臭素、及び沃素か
ら構成される群から選ばれ、各Rは水素原子およびヒド
ロカルビル(この場合、ヒドロカルビル(炭化水素基)は
アルキル、シクロアルキル、又はアリール基又はその組
み合わせである、例えば、アルカリール、アラルキル等
で有り得る)から構成される群から選ばれ、各分子の中
に含まれる炭素原子の総数は6から約24の範囲内にあ
る。ハロゲン原子はジハロ芳香族化合物の中のいかなる
位置に有っても良いが、p‐ジハロベンゼンをジハロ芳
香族化合物として用いるのが好ましい。
【0013】適当な p‐ジハロベンゼンの例としては、
p‐ジクロロベンゼン(DCB)、p‐ジブロモベンゼン、
p‐ジヨードベンゼン、1‐クロロ‐4‐ブロモベンゼ
ン、1‐クロロ‐4‐ヨードベンゼン、1‐ブロモ‐4
‐ヨードベンゼン、2,5‐ジクロロトルエン、2,5‐
ジクロロ‐p‐キシレン、1‐エチル‐4‐イソプロピ
ル‐2,5‐ジブロモベンゼン、1,2,4,5‐テトラメ
チル‐3,6‐ジクロロベンゼン、1‐ブチル‐4‐シ
クロヘキシル‐2,5‐ジブロモベンゼン、1‐ヘキシ
ル‐3‐ドデシル‐2,5‐ジクロロベンゼン、1‐オ
クタデシル‐2,5‐ジヨードベンゼン、1‐フェニル
‐2‐クロロ‐5‐ブロモベンゼン、1‐(p‐トリル)
‐2,5‐ジブロモベンゼン、1‐ベンジル‐2,5‐ジ
クロロベンゼン、1‐オクチル‐4‐(3‐メチルシク
ロペンチル)‐2,5‐ジクロロベンゼン等、及びそれら
の任意の二種以上の混合物が挙げられる。本発明で使用
するのに好ましいジハロ芳香族化合物は、市場での入手
のし易さと使用した時の効果から見て、p‐ジクロロベ
ンゼン(DCB)である。
【0014】本発明の方法の中で、いかなる適当な硫黄
源でも使用することができる。適当な硫黄源は米国特許
第3,919,177号明細書に開示されている。そのよ
うな適当な硫黄源には、チオ硫酸塩、チオ尿素、チオア
ミド、元素硫黄、チオカルバメート、金属の二硫化物と
オキシ硫化物、チオカーボネート、有機のメルカプタ
ン、有機のメルカプチド、有機のスルフィド、アルカリ
金属の硫化物と水硫化物および硫化水素があるが、それ
らに限定されない。アルカリ金属硫化物を硫黄源として
用いるのが差し当たって好ましい。
【0015】本発明の方法の中で使用できるアルカリ金
属硫化物には、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カ
リウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム、及びその混合
物が含まれる。好ましくは、アルカリ金属硫化物は水和
物または水性混合物として使用される。若しも望むなら
ば、アルカリ金属硫化物は、アルカリ金属水酸化物をア
ルカリ金属水硫化物と水性溶液中で反応させることによ
って水性溶液として調製することができる。本発明で
は、硫黄源として硫化ナトリウム又は水硫化ナトリウム
と水酸化ナトリウムの組み合わせを用いるのが好まし
い。
【0016】本発明に有用な極性の有機化合物は、ポリ
(アリーレンスルフィド)ポリマーの製造に用いられるジ
ハロ芳香族化合物と硫黄源の両者に対する溶媒である。
そのような極性の有機化合物には、ラクタムを含むアミ
ドとスルホンがある。これらの極性の有機化合物には、
ヘキサメチルホスホルアミド、、テトラメチル尿素、
N,N′‐エチレンジピロリドン、N‐メチル‐2‐ピ
ロリドン(NMP)、ピロリドン、カプロラクタム、N‐
エチルカプロラクタム、スルホラン、N,N′‐ジメチ
ルアセトアミド、1,3‐ジメチル‐2‐イミダゾリジ
ノン、低分子量のポリアミド等が含まれる。差し当たっ
て好ましい極性の有機化合物はNMPである。
【0017】重合反応混合物の中で、又は重合の間に他
の成分を使うのも此の発明の範囲内にある。例えば、ア
ルカリ金属カルボン酸塩、ハロゲン化リチウム、又は水
などの分子量調節剤または分子量向上剤を重合中に添
加、又は製造することができる。使用できる適当なアル
カリ金属カルボン酸塩には、式R′CO2Mを有するよ
うな物が含まれる。但し、前記の式の中でR′は、アル
キル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、
アリールアルキルから選ばれるヒドロカルビル基であ
り、R′の中に含まれる炭素原子の数は1から約20の
範囲にあり、そしてMはリチウム、ナトリウム、カリウ
ム、ルビジウム及びセシウムから選ばれるアルカリ金属
である。アルカリ金属カルボン酸塩は水和物または溶液
として、または水中分散液として使用することができ
る。好ましいアルカリ金属カルボン酸塩は、市場での入
手のし易さと使用した時の効果の点からみて酢酸ナトリ
ウムである。
【0018】本発明の一つの具体例では、本発明に従っ
て重合反応混合物と接触させられるポリ(アリーレンス
ルフィド)の廃材料は、一般に本発明方法によって調製
されるポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーに比較して
相対的に低い分子量のポリ(アリーレンスルフィド)ポリ
マーから成る。
【0019】本発明の第二の具体例では、本発明方法に
使用されるポリ(アリーレンスルフィド)の廃材料は、廃
材料を用いて調製されるポリ(アリーレンスルフィド)ポ
リマーと同等か又はそれよりも高い分子量のポリ(アリ
ーレンスルフィド)ポリマーから成る。
【0020】同じくまた廃材料は、例えば、環式と線状
のオリゴマー、極性の有機化合物、ジハロ芳香族化合物
とトリ‐またはテトラ‐ハロ芳香族化合物、無機の塩、
ポリ(アリーレンスルフィド)の重合副生物、及びポリ
(アリーレンスルフィド)の重合または回収の間に導入さ
れる種々の汚染物質を含むことができる。
【0021】廃材料は、ポリ(アリーレンスルフィド)の
重合の終了の後に続く有用で望ましいポリ(アリーレン
スルフィド)ポリマーの回収の間に、望ましくない物質
(副生物)として得ることができる。ポリ(アリーレンス
ルフィド)の重合は、一般に当該技術の中で開示されて
いる。例えば、米国特許第3,354,129号、同3,
919,177号、及び同4,645,826号各明細書
は総てポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーの調製方法
を開示する。同じく、上に引用した特許刊行物は有用な
ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマー製品の回収方法も
開示している。ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマー製
品を回収する別の適当な方法は、米国特許第4,415,
729号明細書の中に開示されている。これらの特許刊
行物の総ては種々の不純物と未反応の重合成分を含む反
応混合物から望ましいポリマー製品を分離する方法を記
述している。
【0022】ポリ(アリーレンスルフィド)の廃材料を生
産する別の方法は、既に調製され回収されたポリ(アリ
ーレンスルフィド)ポリマーを精製する工程の中で望ま
しい製品から廃棄物質、即ち、廃材料を分離することで
ある。前に調製されたポリ(アリーレンスルフィド)ポリ
マーの精製から得られる廃材料は、比較的低分子量のポ
リ(アリーレンスルフィド)ポリマー、環式と線状のオリ
ゴマー、無機の塩、水を含むことができる。
【0023】ポリ(アリーレンスルフィド)の廃材料を得
る別の方法は、販売できる製品の望ましい規格から外れ
ていると決定された、商業生産から回収されたポリマー
製品としてである。この物質は、比較的低分子量か又は
高分子量のいずれかのポリマーとして何等かの別の方法
で受容できる製品と為しうる物であって、先に引用した
方法のように当該技術に通常の熟練度を有する人々には
公知の任意の方法によって調製することができる。
【0024】同じくまたポリ(アリーレンスルフィド)の
廃材料は、所望の製品の中に本来混入すべきでなかった
物質と接触することによってポリマーの生産または回収
の間に汚染された以外の点では許容できる製品となりう
るポリマーとして得ることもできる。汚染は、例えば、
ポリマーを生産設備の中の汚れた装置または表面と接触
させることによっても起こりうる。
【0025】本発明の方法によって調製されるポリ(ア
リーレンスルフィド)ポリマーは、高分子量または低分
子量のポリマーのいずれかである。本発明方法によって
調製されるポリマーを記述する時に、低分子量のポリ
(アリーレンスルフィド)ポリマーという言葉は、一般
に、ASTM D 1238、条件316/5に従って測
定した時に1000g/10分間以上から約30,000g
/10分間の範囲にあるメルトフロー値を有するポリ(ア
リーレンスルフィド)ポリマーを意味する。
【0026】ここに用いられている高分子量のポリ(ア
リーレンスルフィド)ポリマーという言葉は、一般に、
未硬化の状態で測定した時に、約1000g/10分間以
下のメルトフロー値を有する、本質的に線状のポリ(ア
リーレンスルフィド)ポリマーを指している。ここで言
う“本質的に線状のポリ(アリーレンスルフィド)"は、
分子中に枝別れが全く無いか、又は有ったとしてもポリ
マーの性質に事実上影響しない程度の少量の枝分かれを
持つポリマーとして定義される。例えば、ポリ(アリー
レンスルフィド)の重合方法の中で用いられるジハロ芳
香族炭化水素の中に見出だされる程度のポリハロ芳香族
炭化水素の不純物の量ならば、結果として得られるポリ
(アリーレンスルフィド)を本質的に線状の定義の範囲外
に有らしめるには不十分であろう。
【0027】ポリ(アリーレンスルフィド)廃材料の中に
存在し得る一つの成分は、本発明の方法によって調製さ
れるポリマーよりも比較的低い分子量のポリ(アリーレ
ンスルフィド)ポリマーである。ここで廃材料に言及す
る時に用いられる“比較的低い分子量のポリ(アリーレ
ンスルフィド)ポリマー"という言葉は、廃材料に含まれ
るポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーが本発明の方法
から得られる望ましいポリ(アリーレンスルフィド)製品
の分子量よりも低分子量の物であることを示す為であ
る。望ましい製品よりも低分子量の物であるいずれのポ
リ(アリーレンスルフィド)ポリマー部分も使用できる
が、廃流中のこのような比較的低分子量のポリ(アリー
レンスルフィド)ポリマーは、それが分離された所望の
製品の中のその廃材料の包含が恐らく望ましい製品の性
質に悪い影響を与えるであろう程度に十分に低い分子量
のものであろうと想像される。このようにして本発明方
法の操業の経済性が最適化される。一般に、望ましくな
い物として系外に分離される比較的低分子量のポリ(ア
リーレンスルフィド)ポリマーは、夫れぞれASTM D
1238、条件316/0.345及び条件316/5に
従って測定した時に、それが分離された所望の製品の押
出量と溶融流量よりも少なくとも50%大きい押出量と
溶融流量を持つだろう。
【0028】廃材料は発明方法によって調製されるポリ
マーと同等か、若しくは其れよりも高い分子量を持つポ
リ(アリーレンスルフィド)ポリマーを含む場合がある。
【0029】廃材料の中に存在し得る他の成分は、環式
および/または線状のオリゴマーである。そのような環
式のオリゴマーは、一般に下記の式を持つだろう。
【0030】 但し、Rは先に定義した通りのものであり、そして4≦
n≦15である。
【0031】廃材料に含まれる線状のオリゴマーは、一
般に下記の式を持つだろう。
【0032】 但し、上記の式でXとYは重合の副生物として発生する
末端基である。典型的に存在するであろう末端基は、水
素原子、ハロゲン原子、チオールとその塩、フェノキシ
基、ヒドロキシルとその塩、環式のアミド基および式 但し、上の式に於いて、R1とR2は独立に水素原子、炭
素原子数が1〜10のアルキル基、炭素原子数が1〜1
0のカルボン酸及びその塩から選ばれる。
【0033】廃材料は随意的には、未反応の重合反応体
と重合調節剤のような他の成分を含むことがある。例え
ば、アルカリ金属カルボン酸塩は米国特許第3,919,
177号明細書に開示されるように重合調節剤として使
用することができ、従って廃材料の中に存在し得る。ハ
ロゲン化リチウムも同じく重合調節剤として用いること
ができ、従って廃材料の中に存在し得る。同じく、廃材
料は重合の間に調節剤として、又は重合反応の間に製造
された他の反応体と一緒に添加された、又はポリマーの
回収の間に添加された若干量の水を含む場合がある。
【0034】廃材料は重合および/または回収の間に汚
染された、何等かの別の方法で十分に許容できる物と為
し得るポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーを含むこと
ができる。本発明の中で使用される廃材料が、重合中に
重合の連鎖停止剤として作用するような成分を含むべき
ではない点に留意すべきである。例えば、廃材料は有意
的な量のチオフェノールを含んではならない。
【0035】例えば、蒸留、溶剤抽出、及び濾過などの
種々の方法によって除去された一つ又はそれ以上の成分
を予め含んでいた廃材料を利用することも本発明の範囲
内にある。
【0036】一般に、重合のプロセスに用いられる反応
体の比率は広い範囲に変化し得る。ジハロ芳香族化合物
の量と硫黄源の量のモル比は、約0.8/1から約2/1
の範囲にするのが好ましい。若しも分子量調節剤として
アルカリ金属カルボキシレート(カルボン酸塩)を用いる
ならば、アルカリ金属カルボン酸塩とジハロ芳香族化合
物のモル比は約0.05/1から約4/1の範囲内にする
のが好ましい。
【0037】使用される極性の有機化合物の量は重合中
に広い範囲に亙って変化し得る。しかしながら、極性の
有機化合物の量と硫黄源の量のモル比は、重合中は1/
1から10/1の範囲にあるのが好ましい。
【0038】重合反応混合物と接触させられる廃材料の
量は広い範囲に亙って変化し得る。一般に、使用される
廃材料の量の上限は、工程に使用する容器による種々の
制限、例えば、反応容器の体積の制限または固体の取り
扱い装置(貯蔵、運搬などの)による制限などによって課
せられるであろう。
【0039】若しも廃材料が重合反応混合物の中で使用
されるジハロ芳香族化合物または他の成分を含むなら
ば、使用される廃材料の量は、上述した反応体の相対的
な量に関する全般的なガイドラインが守られるように、
反応混合物の成分との組み合わせの中で制限されるべき
である点に留意する必要がある。廃材料は幾つかの反応
体の量を含み得るから、重合混合物にその特定の反応体
のいかなる追加量も加える必要が無い場合がある。若し
も、高分子量のポリ(アリーレンスルフィド)廃材料をポ
リ(アリーレンスルフィド)重合に添加するならば、発明
のプロセスが最初に目的とした分子量を有するポリマー
を生産できるように、添加する廃材料の量を重合混合物
の液体‐液体の相分離を引き起こすのに必要な所要量を
決して越えないようにするのが好ましいことにも留意す
べきである。
【0040】反応混合物の各成分は互いに任意の順序で
接触させることができる。一般に、廃材料は重合反応混
合物の成分と、重合の前または重合の間の任意の時点で
接触させることができる。若しも、廃材料が有意量の水
を含むならば、ジハロ芳香族化合物の添加と重合の開始
の前に少なくとも水の一部を除去するに足る条件の下
に、廃材料を硫黄源と極性の有機化合物と接触させるの
が好ましい。或るいはそれとも、水を含む廃材料の添加
が重合に悪い影響を与えないように、重合中の遅い時点
で廃材料を添加するのが好ましい。若しも、水を含んだ
廃材料を重合の開始後に添加しなければならない時は、
廃材料の添加前にジハロ芳香族炭化水素モノマーの少な
くとも40%の転化が起こった後に添加するのが好まし
い。
【0041】廃材料を重合反応混合物と接触させるの
は、重合が終了する迄に廃材料と重合反応混合物が十分
に反応するだけの余裕がある終了前の時点にするのが好
ましい。従って、廃材料は重合の終了の少なくとも30
分前に重合反応混合物と接触させるのが差し当たって好
ましい。
【0042】ここで用いられているような“重合の開
始"という言葉は、重合反応混合物が初めて重合を開始
するのに十分な重合条件を受ける時刻として定義され
る。ここで用いられているような“重合の終了"という
言葉は、重合を有効に続けさせるのに必要な条件を除去
しても良いと確信を以て言えるステップを取る時点、例
えば、重合混合物からポリ(アリーレンスルフィド)ポリ
マーの回収が始まって最早重合を存続させる必要が無く
なった時点として定義される。重合の終了という言葉の
使用は必ずしも重合反応成分の完全な反応が起こったこ
とを意味しないことに留意すべきである。同様に、ここ
で用いられる重合の終了という言葉は、必ずしも反応体
の重合が最早それ以上は起こり得ないことを意味しない
ことにも留意すべきである。一般には、経済的な理由か
ら重合が事実上終了した時点で、即ち、重合をそれ以上
続けることによって得られるであろうポリマーの分子量
の増加が更に重合を続行する事を正当化する程に意味が
あるとは言えなくなった時点でポリ(アリーレンスルフ
ィド)ポリマーの回収が始まるのが典型的なケースであ
る。
【0043】重合を実施する時の反応温度は広い範囲に
亙って変化し得るけれども、一般にそれは約170℃
(347°F)から約325℃(617°F)の範囲内に、
好ましくは約200℃から約290℃の範囲内にある。
反応時間は、部分的には反応温度に依存して広い範囲に
変化し得るが、しかし一般には、約10分間から約72
時間の範囲内に、好ましくは約1時間から約8時間の範
囲内にある。反応の圧力は、極性の有機化合物とジハロ
芳香族化合物を事実上、液相に保持するのに足る圧力で
あるべきである。
【0044】本発明に従って調製されるポリ(アリーレ
ンスルフィド)ポリマーは、当該技術に通常の熟練を有
する者にとって周知の任意の方法によって回収すること
ができる。本発明に従って調製される望ましいポリ(ア
リーレンスルフィド)ポリマーの回収の間に、その後の
重合に使用するポリ(アリーレンスルフィド)の廃材料を
得ることも此の発明の範囲内にある。このような方法
で、ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーの製造から生
ずる廃材料の一部は、そのような廃材料の少なくとも一
部を廃棄処分する必要を避けて連続してその後の重合の
中で使用することができる。
【0045】以下の実施例は、発明を更に具体的に例示
する為に提供されるものであって、決して発明の範囲を
限定することを意図するものではない。
【0046】
【実施例】以下の実施例に於いて、10分間当たりのグ
ラム数(g/10分間)として報告されるポリマーの押出量
は、ASTM D 1238、条件316/0.345に従
って測定された。押出量を測定する為に使用したオリフ
ィスは、直径が2.096±0.005mmで、長さは3
1.75±0.05mmのものであった。g/10分間の単位
で表示されるポリマーのメルトフロー(溶融流れ)値はA
STM D 1238、条件316/5の方法によって測
定された。メルトフロー値を測定する為に使用したオリ
フィスは、直径が2.096±0.005mmで、長さは
8.000±0.025mmのものであった。
【0047】ポリ(フェニレンスルフィド)(PPSと略
称)の分子量測定は、水素炎イオン化検出器を用いて特
殊構造の高温ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)装置
の上で行なった。GPC分析は、1‐クロロナフタレン
の中で220℃で実施した。結果は重量平均分子量(M
w)を用いて報告されている。分子量値はポリスチレン較
正標準に基づいている。分子量分布の特性を表示する為
に、試料の中に見出だされた低分子量物質の量を100
〜10,000g/モルの範囲内にある物質の重量パーセ
ントを用いて記述した。
【0048】以下の実施例の幾つかはPPS重合の中で
異なるタイプの粒子サイズの細かい廃材料(以下、微粒
子の廃材料と呼ぶ)を使用した。以下の実施例の中で使
用される廃材料は、“細かい"又は“微粒子の"材料とい
う言葉を用いて記述されているが、発明のプロセスの中
で使用されるポリ(アリーレンスルフィド)廃材料は重合
混合物に添加することができる物であれば、いかなる形
式または相にあっても良いことを認識すべきである。微
粒子の形であれ、ポリマー粒子が極性の有機化合物から
成る液体中に分散されたスラリーの形式であれ、固相に
ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーを含む廃材料を添
加するのが便宜上好ましい。
【0049】
【実施例1】この実施例は、米国特許第3,919,17
7号明細書の中に開示された方法に従ってポリ(p‐フェ
ニレンスルフィド)ポリマー(PPS)を調製する一般的
な方法と重合の粗生成物を顆粒の高分子量製品と微粒子
の低分子量製品に分離する方法に就いて記述する。この
典型的なPPS調製では、419.8モルの水性の水硫
化ナトリウム(NaSH)、428.2モルの水性の水酸化
ナトリウム(NaOH)、合計で1400モルのN‐メチ
ル‐2‐ピロリドン(NMP)の一部、及び127.3モ
ルの水性の酢酸ナトリウム(NaOAc)の混合物を攪拌幾
の付いた反応器の中で加熱し、反応水の一部を脱水段階
で除去した。
【0050】脱水段階の後、426.4モルの p‐ジク
ロロベンゼン(DCB)と1400モルのNMPの残りの
部分を脱水した混合物に加え、全混合物を重合条件(2
65.6℃)に加熱してPPSを製造した。重合が終了し
たら、反応器を約93℃まで冷却して顆粒のPPSと液
体中に分散した微粒子の物質から成る混合物を製造し
た。次に、反応器から内容物を取り出し易くする為に、
反応器の混合物に393モルのNMPを添加した。
【0051】反応器の粗生成物を粗いメッシュ(120
メッシュ)の濾過器の上で濾過して顆粒のPPS製品を
取り除いた。更に追加の983モルのNMPを反応器に
加え、次にそのNMPを粗い濾過器の上で固体のPPS
を濯ぐのに使用した。濾液、細かい固体の混合物及び塩
類(主としてNaOAcとNaCl)、NMP(NMPの濯ぎ
液を含む)、DCB、水及び反応の副生物から成る液体
の混合物をここでは“粗濾液"と呼ぶことにする。粗濾
液を細かいメッシュの濾過器の上で濾過して固体粒子を
分離し、固体粒子を、例えば水のような溶剤を用いて洗
浄して残留する塩類を除去したら、次いで固体を真空オ
ーブンの中で60℃で乾燥した。濾過され、洗浄され、
乾燥された固体のポリ(アリーレンスルフィド)物質をこ
こでは“洗浄したPPSの細分(ファイン)"と呼ぶこと
にする。
【0052】
【実施例2】この実施例はPPSの重合と回収から得ら
れたPPSのファインを別のPPS重合に添加した時の
効果に就いて記述する。対照PPS重合実験1は1リッ
トル容の攪拌したオートクレーブの中で実施した。7
3.4重量%のNaSHを含む水性混合物として1.0g‐
モルのNaSH、1.02g‐モルのNaOH及び2.00g
‐モルのNMPをオートクレーブに装入した。オートク
レーブを窒素でフラッシュした後、攪拌したオートクレ
ーブを加熱し、脱水を行なった。
【0053】脱水した後、1.03g‐モルのDCBと
1.00g‐モルのNMPを脱水した混合物に添加し、反
応器を235℃に加熱し、その温度で1時間保持した。
次ぎに、反応器を265℃に加熱し、その温度で2時間
保持した。次いで、反応器を冷却し、蓋を開いて内容物
を取り出した。製品混合物は灰色で乾燥した感じのケー
キであった。製品を蒸留水を用いて80〜90℃の温度
で8回洗浄し、次ぎに濾過してポリマー製品を回収し
た。乾燥した後に押出量が34.7g/10分のPPS大
凡そ106gを得た。
【0054】発明実験2は実験1に就いて述べた手順を
用いて行なったが、例外として今回は、DCBを装入し
た後に酢酸ナトリウムで調節したPPS重合から得られ
た洗浄したPPSファインAの大凡そ5gを反応器に添
加した。洗浄したPPSのファインAは重量平均分子量
Mwが38000g/モルで、100〜10,000g/モル
の範囲にある低分子量部分は29.0重量パーセントで
あった。実験1と2から得られた製品の比較を表Iに示
す。両性品とも本質的に同じ押出量、同じMw、同じ低
分子量物質含有量を持っている。重合実験2の中で洗浄
したPPSのファインを添加した時は、実験1と比較し
て低分子量のPPSを増加すること無しに製品収率が増
加した。
【0055】
【0056】
【実施例3】洗浄したファインの添加量水準を色々に変
えた時の効果と、重合の間にファインを添加する時点を
色々に変え時の効果を実証する為に幾つかのPPS重合
実験を行なった。実施例1に記述したのと同じ手順を用
いて、別のPPS粗濾液から洗浄したPPSのファイン
Bを調製した。洗浄したPPSファインBのMwは、3
1,100g/モルで、100〜10,000g/モルの範囲
にある低分子量部分の比率は37.9重量パーセントで
あった。洗浄したPPSのファインBのGPC分析によ
る分子量分布を図1に示す。
【0057】PPS重合実験3と4はファインを添加せ
ずに行なった対照実験である。これらの実験は、265
℃に於ける温度の保持時間を2時間ではなくて3時間と
した以外は、実施例2の実験1の手順と類似した方法で
行なった。これらの実施例の総ては、実験1と2を除い
て265℃に於ける保持時間を3時間とした。
【0058】発明実験5、6、7は、洗浄したPPSフ
ァインBをNMP‐DCB装入の直後に添加水準を三通
りに変えて添加した実験である。実験5では、0.75g
‐モルのNMPの中に溶解した1.01g‐モルのDCB
を脱水した混合物に装入し、続いて0.25g‐モルのN
MPに溶解した洗浄したPPSのファインBを5.4g添
加し、その後に10gのNMPを用いて濯いだ。添加用
シリンダーの中に幾らかのファインが残った。これらの
ファインを回収し、秤量し、それが0.6gの重さがある
ことを見出だした。従って、実際に重合に添加されたフ
ァインの量は、4.8gであると計算された。
【0059】実験6では、0.50g‐モルのNMPに溶
解した1.01g‐モルのDCBを脱水した混合物に添加
し、続いて0.50g‐モルのNMPに溶解した洗浄した
PPSのファインBを加え、その後に20gのNMPを
用いて濯いだ。重合に実際に添加された洗浄したPPS
のファインの量は10.32gであった。 実験7では、
0.25g‐モルのNMPに溶解したDCBを脱水した混
合物に装入し、その後続いて0.75g‐モルのNMPに
溶解した洗浄したPPSのファインBを27.0g添加
し、最後に0.5g‐モルのNMPを用いて濯いだ。実際
に重合に装入された洗浄したPPSファインの量は2
2.83gであると計算された。
【0060】実験8と9では、重合中の時間的に遅い段
階で、洗浄したPPSのファインBを添加した。実験8
では、0.75g‐モルのNMPに溶解した1.01g‐モ
ルのDCBを脱水が終わった後に反応器に装入し、23
5℃で1時間保持した後に0.25g‐モルのNMPに溶
解した洗浄したファインBの5.4gを混合物に装入し、
最後に10gのNMPを用いてリンスした。実際に添加
されたファインの量は4.66gと計算された。実験9で
は、0.75g‐モルのNMPに溶解した1.01g‐モル
のDCBを脱水した混合物に添加し、265℃で合計3
時間の保持時間のうちの初めの1時間後に、0.025g
‐モルのNMPに溶解した5.4gの洗浄したファインB
を混合物に装入し、最後に10gのNMPを用いてリン
スした。実際に重合に添加されたPPSのファインの量
は5.06gと計算された。
【0061】この実施例からの実験は表IIに要約され
ている。実験5、6、7の中でPPS重合に添加するフ
ァインの添加量を増加して行くと、対照実験3と4に比
較して単離されるポリマーの量的水準の増加が齎らさ
れ、ポリマーは本質的に同じ押出量と同じ分子量を持っ
ている。重合の後段で洗浄したPPSファインを添加す
ると、対照実験3と4に比較して単離されるポリマーの
水準に増加が見られ、ポリマーの押出量と分子量には何
等の有意的な変化は認められなかった。
【0062】 実験3からの対照ポリマー(図2)と実験6からの発明ポ
リマー(図3)のGPC分析による分子量分布は本質的に
同じである。洗浄したPPSファインBと対照PPSポ
リマーの等量の単純混合物に就いて計算した分子量分布
をポリマー7(図4)に対して実験で測定した分子量分布
と比較すると、ポリマー7は単純加成性から予測された
ものよりも低分子量物質の含有量は少ないことを示して
いる。
【0063】
【実施例4】この実施例は、PPS重合から回収された
高濃度の濾液を別のPPS重合に添加した時の効果を示
す。高濃度の濾液Cは、粗濾液のスラリーをフィルター
に掛けて液体の一部を除去することによって調製した。
従って、高濃度の濾液Cは、NMP、水、NaCl、Na
OAc、DCB、PPSと少量の他の重合副生物から成
っていた。最初の濾液のスラリーと、液体の少量を濾過
し、熱水(約80℃)で洗浄し、真空オーブンの中で乾燥
した濃縮物の両方の分析から、ポリ(アリーレンスルフ
ィド)のファインの含有量は、最初のスラリーでは1.2
7重量パーセントで濃縮した濾液Cでは2.6重量パー
セントから成ることが見出だされた。濃縮した濾液Cか
らのPPSファインの洗浄した試料は重量平均分子量M
w(GPCで測定)が13,400g/モルで100〜10,
000g/モルの範囲にある低分子量の物質の含有量は7
4.0重量パーセントであった。濾液Cからの洗浄した
PPSファインのGPC分析による分子量分布(図5)は
大量の低分子量物質が存在することを示す。
【0064】下記の変更以外は、実験3の中で記述した
のと類似の方法で二つの発明実験を行なった。発明実験
10では、0.5g‐モルのNMPの中に溶解した1.0
1g‐モルのDCBを脱水した混合物に装入した。次ぎ
に、120gの濃縮した濾液Bと1.0g‐モルのNMP
を一緒に反応器の混合物に装入した。
【0065】濃縮した濾液の中に含まれるPPSファイ
ンの量を計算する為に、濃縮した濾液の一部40gを8
0℃の脱イオン水を用いて4〜5回水洗浄し、濾過し、
真空オーブンの中で100℃で一晩中乾燥すると、1.
04gのPPSファインが得られた。120gの濃縮した
濾液を使用したから、計算上は約3.1gのポリ(アリー
レンスルフィド)ポリマーが装入した濾液の中に存在し
たことになる。実験11では、120gの濃縮した濾液
(約3.1gのPPSファインを含む)を脱水前の反応器へ
の最初の装入物に添加した。
【0066】二つの発明実験の結果を、比較の為に実施
例IIIからの対照実験3と4と共に表IIIに示す。実
験10から得られたポリマーは対照実験よりも僅かに高
い重量平均分子量Mwを持っていた。しかし、実験11
から得られたポリマーは対照実験と略同じ分子量を持っ
ていた。実験10と11からのポリマーは対照実験3と
4の場合と類似した低分子量物質の含有率を持ってい
た。これらの実験は、PPS重合から回収された未精製
の濃縮した濾液を、特に有意的なポリマーの変化無しに
脱水段階または重合中の別のPPSの調製に添加するこ
とができることを示している。
【0067】
【0068】
【実施例5】この実施例はPPS回収工程からの粗濾液
スラリーを高添加水準で別のPPS重合に使用した例に
就いて記述する。粗濾液スラリーDは、78.70重量
パーセントのNMP、4.42重量パーセントの水、0.
97重量パーセントのPPSファイン、15.53重量
パーセントの塩、及び0.38重量パーセントのDCB
を含んでいた。スラリーDの小部分を濾過し、熱水で洗
浄して分析用の洗浄したPPSファインを回収した。洗
浄したPPSファインは25,100g/モルの重量平均
分子量を持っていた。GPC分析による分子量分布(図
6)に示されるように、スラリーDから得られた洗浄し
たPPSファインの55.7重量パーセントが100〜
10,000g/モルの範囲の分子量を持つ低分子量物質
であった。
【0069】下記の変更以外は、実験3の中に記述した
のと同じ方法で二つの重合を行なった。実験12では、
脱水段階でNaSHとNaOHを313.4gの粗濾液のス
ラリーD(2.5g‐モルのNMPを含む)に添加した。脱
水段階の後、実験3の場合と同じようにDCBとNMP
を添加した。
【0070】実験13では、脱水段階でNaSHとNaO
Hを313.4gの粗濾液のスラリーD(2.5g‐モルの
NMPを含む)に添加した。脱水段階の後に、溶融物に
DCBを、続いてその後に粗濾液のスラリーDを添加し
た。二つのスラリーの添加で導入されたPPSファイン
の合計量は4.3gと計算された。
【0071】表IVは比較の為に実施例3からの実験3
と4の結果と一緒に二つの発明実験の結果を示す。実験
3と4から得られたポリマーのGPC分析による分子量
の値は、最も精確な比較の為に今回行なった再実験であ
る。実験3と4のポリマーと比較して、実験10と11
のポリマーの収量は増加し、押出量は略同じであった。
【0072】これらの結果は、NMPの代わりに脱水段
階で、又は脱水と重合の両方の段階で濾液スラリーを使
用してもPPSの特性に何等の有意的な変化も無しにP
PSの製造が間違いなく可能であることを示している。
PPS製品中の低分子量物質の量は、添加したファイン
を使用することによっても対照ポリマー中の低分子量物
質の量以上に増加することはない。
【0073】
【0074】
【実施例6】この実施例では、酢酸ナトリウム‐重合調
節したPPS重合からのPPSファインと粗濾液を別の
酢酸ナトリウム‐重合調節したPPS重合へ添加した場
合に就いて述べる。
【0075】実験14はファインも粗濾液のどちらも加
えずに行なった対照実験である。1リットル容のチタン
製オートクレーブに1.0g‐モルの水性のNaSH、1.
02g‐モルのNaOH、0.3g‐モルのNaOAc、及び
2.5g‐モルのNMPを装入した。オートクレーブを窒
素を用いてフラッシュし、蓋を閉め、攪拌しながら加熱
した。脱水の間、反応によって生じた水はガス抜き系統
を通して除去した。
【0076】脱水の後に、1.0g‐モルのNMPに溶解
した1.01g‐モルのDCBをオートクレーブに装入
し、混合物を235℃に加熱し、その温度で3時間保持
した。混合物を265℃まで加熱し、その温度に3時間
保持した。オートクレーブを冷却した後に蓋を開いて、
生成物を脱イオン水(80℃)で2回洗浄し、200メッ
シュのスクリーン(この実施例にとっては粗い濾過器で
ある)の上で篩別して、スクリーンの上に留まった顆粒
状の製品とスラリー中のPPSファインを製造した。顆
粒状の製品とファインを夫れぞれ別々に80℃の脱イオ
ン水で洗浄し、真空オーブンの中で120℃で一晩中乾
燥した。洗浄し、乾燥した顆粒のPPS製品物質は9
3.4g、洗浄し、乾燥したPPSファインは9.3gの目
方があった。
【0077】実験15は、DCBの装入量を1.005g
‐モルに減らした以外は実験14と同じ方法で行なった
別の対照実験であった。発明実験16は74.34gのN
MPを用いて洗浄したPPSファイン(実施例3に述べ
たもの)10.8gをDCBの装入後に添加した以外は、
実験14と類似した方法で行なった。DCBは0.25g
‐モルのNMPと一緒に装入した。ファインを添加した
後、49.57gのNMPを用いてリンスした。約2.1g
のファインが添加容器の中に残ったので、実際に重合に
導入したファインの量は8.7gと計算された。
【0078】発明実験17は、NMP源として粗濾液の
スラリーD(実施例5に記述したもの)125.38gをD
CBに添加した以外は、実験14の中で述べたのと類似
の方法で行なった。発明実験18では、0.5g‐モルの
NMPに溶解したDCBを装入した後に、80gのNM
Pの中に洗浄したPPSのファインA(実施例2に記述
した)10.8gを添加した。大凡そ19gのNMPを最終
のリンスとして使用した。発明実験19は、少量の(5.
4g)の洗浄したファインAをDCBと一緒に加えた以外
は、実験18の場合と同じようにして行なった。発明実
験20は、脱水と重合の両方の段階でNMP源として粗
濾液Dを使用した以外は実験17の場合と類似した方法
で行なった。脱水前に313.4gの粗濾液DをNaS
H、NaOH、及びNaOAcと一緒に添加し、50gの粗
濾液DをDCBと一緒に添加し、その後に75.38gの
粗濾液Dを用いてリンスした。明らかに、反応器にとっ
て此の重合混合物の固形分の水準は高過ぎた。何故かな
らば、265℃の保持の間に圧力低下がはっきりと認め
られ、そして反応器の蓋を開くと攪拌幾の上に堆積した
固体の塊が認められたから。回収されたポリマーは52
6g/10分という比較的高い溶融流量値を持っていた。
【0079】発明実験21は、重合混合物の攪拌を改善
する為に実験20の1/2のスケールで行なった以外
は、実験20と類似していた。反応容器に、0.50g‐
モルのNaSH、0.51g‐モルのNaOH、0.15g‐
モルのNaOAc、156.7gの粗濾液Dを脱水前に装入
した。脱水の後に0.505g‐モルのDCBと62.6
9gの粗濾液Dを添加した。得られたポリマーは262g
/10分の溶融流量を持っていた。
【0080】これらの実験の結果は表Vに要約されてい
る。総ての発明実験は対照実験(実験21は1/2の規模
であったことを考慮すると)よりも高い全収量を持って
いた。実験17、18、19、21は対照ポリマーのメ
ルトフロー値と類似したメルトフロー値を持っていた。
実験16は或る未知の理由から変則であったと信ぜられ
る。その訳は、ポリマーが対照よりも高い溶融流量値を
持っていたから。前に述べたように、実験20を実施中
に攪拌問題が発生した。
【0081】これらの実験は、重合から回収された比較
的低分子量のPPSのファインは、濾液(この場合、P
PS粒子は同じく塩類、水、及び重合の副生物を含むN
MPの中に分散されている)の形、及び濾液の濃縮され
た形で、回収されたファインとして酢酸ナトリウムで変
性した(重合調節剤として)PPS重合の中に導入するこ
とが出来、望ましいポリマーを製造できることを実証し
ている。
【0082】
【0083】
【実施例7】PPSの硬化の挙動はPPSの性状の変化
に極めて敏感であるから、前の実施例で調製したポリマ
ーの幾つかは比較の為に空気中で硬化させた。アルミニ
ウムの平鍋に入れた実験1と2からの試料は強制空気循
環式オーブンの中で264℃で1、2、4、6時間硬化
させ、溶融流量を測定した。図7の中にプロットされた
結果は発明ポリマーの挙動が対照ポリマーのそれと類似
していることを示している。此のことは、PPSファイ
ンを別のPPS重合に加えてもポリマー生成物の硬化挙
動に有意的な変化を与えないことを示している。
【0084】
【実施例8】この実施例は或るPPS重合から回収され
たPPSファインをその後の重合に使用する例を示す。
対照実験22は実験14の中に記述したのと同じように
実施した。実験22のPPS製品は165g/10分の溶
融流量を持っていた。洗浄したPPSのファインEは、
200メッシュのスクリーンの上で濾過し、熱水で洗浄
し、乾燥した後、9.6gの重量を持っていることが見出
だされた。
【0085】実験22からの洗浄したPPSファインE
(9.6g)は、実験23の中で脱水前に添加された。実験
23は、PPSファインを添加した以外は実験22と同
じように行なった。実験23の重合の生成物は164g/
10分の溶融流量を持ち、回収され、洗浄された実験2
3からのファインFの目方は10.9gあった。
【0086】実験24は、実験23からのPPSファイ
ンF10.0gを脱水前に添加した以外は実験23に記述
したのと同じように行なった。重合生成物は235g/1
0分の溶融流量を持っていた。
【0087】表VIに要約された三つの重合実験は、P
PSファインがその後の連続する重合に用いることがで
き、望ましいポリマーを製造できることを示している。
【0088】 この発明は具体例で説明する目的で詳細に亙って記述し
てきたが、これらの実施例によって発明を限定する積も
りは無く、総ての合理的な修正や変化は本発明の範囲内
にカバーされるというのが本発明人の意図する処であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリ(アリーレンスルフィド)廃材料に対してゲ
ル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定した分
子量分布を描いたものである。
【図2】慣用の方法によって調製されたポリ(アリーレ
ンスルフィド)ポリマーのGPC分析による分子量分布
を描いたものである。
【図3】本発明方法に従って調製されたポリ(アリーレ
ンスルフィド)ポリマーのGPC分析による分子量分布
を描いたものである。
【図4】ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーとポリ
(アリーレンスルフィド)廃材料のGPC分析による分子
量分布を数学的に組み合わせることによって調製された
理論的なGPC分子量分布と、発明に従って調製したポ
リマーに対してGPCで実際に測定した分子量分布との
比較を描いたものである。
【図5】洗浄して或る幾つかの成分を除いたポリ(アリ
ーレンスルフィド)ポリマーの廃材料のGPC分析によ
る分子量分布を描いたものである。
【図6】洗浄して或る幾つかの成分を除いたポリ(アリ
ーレンスルフィド)ポリマーの廃材料のGPC分析によ
る分子量分布を描いたものである。
【図7】慣用の方法で調製されたポリ(アリーレンスル
フィド)ポリマーと本発明に従って調製されたポリマー
の硬化挙動の比較をグラフに描いたものである。

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一種のジハロ芳香族化合物、
    硫黄源、少なくとも一種の分子量調節剤、及び極性の有
    機化合物から成る重合混合物を、ポリ(アリーレンスル
    フィド)ポリマーを含む廃材料と重合条件下に接触させ
    ることから成る本質的に線状の高分子量ポリ(アリーレ
    ンスルフィド)ポリマーの調製方法。
  2. 【請求項2】 該分子量調節剤がアルカリ金属カルボキ
    シレート、ハロゲン化リチウム、又は水である請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 該分子量調節剤がアルカリ金属カルボキ
    シレートである請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 該アルカリ金属カルボキシレートが酢酸
    ナトリウムである請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 該分子量調節剤が水である請求項2記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 廃材料のポリ(アリーレンスルフィド)ポ
    リマーが、製造するポリ(アリーレンスルフィド)ポリマ
    ーよりも低い分子量を有する請求項1乃至5のいずれか
    一つに記載の方法。
  7. 【請求項7】 廃材料のポリ(アリーレンスルフィド)ポ
    リマーが、製造するポリ(アリーレンスルフィド)ポリマ
    ーの分子量と等しいか、又はそれよりも大きい分子量を
    有する請求項1乃至5のいずれか一つに記載の方法。
  8. 【請求項8】 該廃材料が、式: の環式オリゴマー 但し、Rは此の中に定義される如きものであり、そして
    4≦n≦15である;式: の線状のオリゴマー 但し、1≦p≦50であり、そしてXとYは独立に水素
    原子、ハロゲン原子、フェノキシ基、ヒドロキシ基又は
    その塩、環式アミド、又は 但し、R1とR2は独立に水素原子、炭素原子数が1〜1
    0のアルキル基、炭素原子数が1〜10のカルボン酸ま
    たは炭素原子数が1〜10のカルボキシレートである;
    アルカリ金属カルボキシレート;アルカリ金属ハロゲン
    化物、水または極性の有機化合物である少なくとも一種
    の成分を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれ
    か一つに記載の方法。
  9. 【請求項9】 少なくとも一種のジハロ芳香族化合物、
    硫黄源および極性の有機化合物から成る重合反応混合物
    を、製造されるポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーに
    比較して相対的に低分子量のポリ(アリーレンスルフィ
    ド)ポリマーから成る廃材料、すなわち、式: の少なくとも一つの環式のオリゴマー、但し、Rは此の
    中に定義される如きものであり、そして4≦n≦15で
    ある;式 の少なくとも一つの線状のオリゴマー、但し、1≦p≦
    50であり、そしてXとYは独立に、水素原子、ハロゲ
    ン原子、フェノキシ基、ヒドロキシ基又はその塩、環式
    のアミド 但し、R1とR2は独立に、水素原子、炭素原子数が1〜
    10のアルキル基または炭素原子数が1〜10のカルボ
    キシレートである;及び極性の有機化合物;と接触させる
    ことから成る低分子量のポリ(アリーレンスルフィド)ポ
    リマーの製造方法。
  10. 【請求項10】 該廃材料が、アルカリ金属ハロゲン化
    物、アルカリ金属カルボキシレート又は水である少なく
    とも一種の成分を含む請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 少なくとも一種のジハロ芳香族化合
    物、硫黄源および極性の有機化合物から成る重合混合物
    を、製造されるポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーに
    比較して相対的に高い分子量のポリ(アリーレンスルフ
    ィド)ポリマーから成る廃材料の流れと接触させること
    から成る低分子量のポリ(アリーレンスルフィド)ポリマ
    ーの製造方法。
  12. 【請求項12】 該廃材料が式: の環式のオリゴマー、但し、Rは此の中に定義される如
    きものであり、そして4≦n≦15である;式 の線状のオリゴマー、但し、1≦p≦50であり、そし
    てXとYは独立に、水素原子、ハロゲン原子、フェノキ
    シ基、ヒドロキシ基又はその塩、環式アミド、又は 但し、R1とR2は独立に、水素原子、炭素原子数が1〜
    10のアルキル基、炭素原子数が1〜10のカルボン酸
    または炭素原子数が1〜10のカルボキシレートであ
    る;極性の有機化合物;少なくとも一種のアルカリ金属ハ
    ロゲン化物;少なくとも一種のアルカリ金属カルボキシ
    レート;又は水;である少なくとも一つの成分を含む請求
    項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 該ジハロ芳香族化合物と該硫黄源の量
    のモル比が約0.8/1から約2/1の範囲にある請求項
    1乃至12のいずれか一つに記載の方法。
  14. 【請求項14】 該第一の極性有機化合物と該硫黄源の
    量のモル比が約1/1から約10/1の範囲にある請求項
    1乃至13のいずれか一つに記載の方法。
  15. 【請求項15】 該第一と第二の極性の有機化合物の合
    計と該硫黄源の量のモル比が約1/1から約10/1の範
    囲にある請求項1乃至14のいずれか一つに記載の方
    法。
  16. 【請求項16】 該廃材料が更に水を含む請求項1乃至
    15のいずれか一つに記載の方法。
  17. 【請求項17】 該ジハロ芳香族化合物の添加と該重合
    条件の開始前に、該水の少なくとも一部分を除去するに
    足る条件下に該廃材料を該硫黄源と該第一の極性の有機
    化合物と接触させる請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 重合の開始後に、ジハロ芳香族化合物
    の約40モルパーセントが転化した後の任意の時点で該
    廃材料を該重合混合物と接触させる請求項16記載の方
    法。
  19. 【請求項19】 重合の開始後の任意の時点で該廃材料
    を該重合混合物と、重合が終了する迄接触させる請求項
    1乃至15のいずれか一つに記載の方法。
  20. 【請求項20】 該廃材料がポリ(アリーレンスルフィ
    ド)重合の終了時点で、ポリ(アリーレンスルフィド)ポ
    リマーの回収中に希望する製品から分離された物質とし
    て得られる請求項1乃至19のいずれか一つに記載の方
    法。
  21. 【請求項21】 該廃材料が予め前に製造されたポリ
    (アリーレンスルフィド)ポリマーを精製する工程で希望
    する製品から分離された物質として得られる請求項1乃
    至20のいずれか一つに記載の方法。
  22. 【請求項22】 該精製工程が、前に回収されたポリ
    (アリーレンスルフィド)ポリマーを、随意的には水の存
    在で極性の有機化合物の中に入れ、該ポリ(アリーレン
    スルフィド)ポリマー、極性の有機化合物および随意的
    には水から成る液体混合物を得る為に加熱し、次いで冷
    却し、このようにして精製されたポリ(アリーレンスル
    フィド)製品を該廃材料から分離する工程から成る請求
    項21記載の方法。
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