JPH05186453A - (±)−ノルアンブレノリドの製造方法 - Google Patents
(±)−ノルアンブレノリドの製造方法Info
- Publication number
- JPH05186453A JPH05186453A JP3358776A JP35877691A JPH05186453A JP H05186453 A JPH05186453 A JP H05186453A JP 3358776 A JP3358776 A JP 3358776A JP 35877691 A JP35877691 A JP 35877691A JP H05186453 A JPH05186453 A JP H05186453A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- formula
- dihydro
- acid
- norambrenolide
- catalyst
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Furan Compounds (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Fats And Perfumes (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 ノルアンブレノリドを低コストで且つ工業的
に効率よく且つ高純度で製造できるようにする。 【構成】 β−ヨノンをニッケルケイソウ土触媒の存在
下で水添してジヒドロ−β−ヨノン(3)とし、次いで
CH2=CHMgX(式中Xはハロゲンである)を反応
させた後に加水分解してジヒドロ−β−ビニル−ヨノー
ル(4)を形成する。得られた化合物(14)にハロゲ
ン化ギ酸エステルを反応させて炭酸エステル化し
(5)、更にパラジウム触媒の存在下で一酸化炭素と反
応させてβ−モノシクロホモファルネシル酸(6)を形
成する。この化合物(6)を酸触媒により環化すること
により(±)−ノルアンブレノリド(1)を得る。更
に、水酸化アルカリにより加水分解処理により精製する
ことにより高純度の(±)−ノルアンブレノリドを得
る。 (式中、Rは脂肪族アルキル基である)
に効率よく且つ高純度で製造できるようにする。 【構成】 β−ヨノンをニッケルケイソウ土触媒の存在
下で水添してジヒドロ−β−ヨノン(3)とし、次いで
CH2=CHMgX(式中Xはハロゲンである)を反応
させた後に加水分解してジヒドロ−β−ビニル−ヨノー
ル(4)を形成する。得られた化合物(14)にハロゲ
ン化ギ酸エステルを反応させて炭酸エステル化し
(5)、更にパラジウム触媒の存在下で一酸化炭素と反
応させてβ−モノシクロホモファルネシル酸(6)を形
成する。この化合物(6)を酸触媒により環化すること
により(±)−ノルアンブレノリド(1)を得る。更
に、水酸化アルカリにより加水分解処理により精製する
ことにより高純度の(±)−ノルアンブレノリドを得
る。 (式中、Rは脂肪族アルキル基である)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、煙草の香喫改良剤と
して、また、優れたアンバー香を有するデカヒドロ−3
a,6,6,9a−テトラメチル−(3aα,5aβ,
9aα,9bβ)−(±)−ナフト[2,1−b]フラ
ン(慣用名、アンブロックス)の合成中間体として有用
な式(1)のデカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラ
メチル−(3aα,5aβ,9aα,9bβ)−(±)
−ナフト[2,1−b]フラン−2(1H)−オン(慣
用名、(±)−ノルアンブレノリド)の製造方法に関す
る。
して、また、優れたアンバー香を有するデカヒドロ−3
a,6,6,9a−テトラメチル−(3aα,5aβ,
9aα,9bβ)−(±)−ナフト[2,1−b]フラ
ン(慣用名、アンブロックス)の合成中間体として有用
な式(1)のデカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラ
メチル−(3aα,5aβ,9aα,9bβ)−(±)
−ナフト[2,1−b]フラン−2(1H)−オン(慣
用名、(±)−ノルアンブレノリド)の製造方法に関す
る。
【0002】
【化9】
【0003】
【従来の技術】ノルアンブレノリドは、葉巻タバコから
単離同定された成分であり[H.KANEKO,Ag
r.Biol.Chem.,35,1461(197
1)]、その縮合環を形成する部分がトランスの立体配
置を有する化合物である。ノルアンブレノリドは、タバ
コに快い木様の香りを付与し、刺激を抑える効果を有す
るタバコ香喫改良剤として知られている(米国特許第2
905576号明細書)ばかりでなく、優れたアンバー
香を有するアンブロックスの合成中間体としても知られ
ている。
単離同定された成分であり[H.KANEKO,Ag
r.Biol.Chem.,35,1461(197
1)]、その縮合環を形成する部分がトランスの立体配
置を有する化合物である。ノルアンブレノリドは、タバ
コに快い木様の香りを付与し、刺激を抑える効果を有す
るタバコ香喫改良剤として知られている(米国特許第2
905576号明細書)ばかりでなく、優れたアンバー
香を有するアンブロックスの合成中間体としても知られ
ている。
【0004】このノルアンブレノリドの従来の製造方法
としては: a) スクラレオールを出発原料とし、酸化剤としてク
ロム酸を用いる方法[L.Ruzicka,et a
l.,Helv.Chim.Acta.,14,570
(1931); b) β−ヨノンを部分水添して得られるジヒドロ−β
−ヨノンとβ−カルボキシエチルトリフェニルホスホニ
ウムクロリドとのウィティヒ反応により誘導されるβ−
モノシクロホモファルネシル酸を酸触媒で環化する方法
(特開昭57−145869号公報);そして c) 全トランス体のファルネソールをPBr3で臭素
化し、ついでシアン化ナトリウムと反応させてシアン化
物に変換した後にアルカリ加水分解してホモファルネシ
ル酸とし、最後に酸触媒で環化する方法(特開昭60−
123483号公報)が提案されている。
としては: a) スクラレオールを出発原料とし、酸化剤としてク
ロム酸を用いる方法[L.Ruzicka,et a
l.,Helv.Chim.Acta.,14,570
(1931); b) β−ヨノンを部分水添して得られるジヒドロ−β
−ヨノンとβ−カルボキシエチルトリフェニルホスホニ
ウムクロリドとのウィティヒ反応により誘導されるβ−
モノシクロホモファルネシル酸を酸触媒で環化する方法
(特開昭57−145869号公報);そして c) 全トランス体のファルネソールをPBr3で臭素
化し、ついでシアン化ナトリウムと反応させてシアン化
物に変換した後にアルカリ加水分解してホモファルネシ
ル酸とし、最後に酸触媒で環化する方法(特開昭60−
123483号公報)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ような従来のノルアンブレノリドの製造方法には、次に
述べるような問題がある。
ような従来のノルアンブレノリドの製造方法には、次に
述べるような問題がある。
【0006】即ち、上記方法a)Helv.Chim.
Acta.,14,570(1931)に記載された方
法には、出発原料のスクラレオールが高価な天然物であ
り、しかも天然物であるためにその品質が一定せず、ま
た原料供給が安定しないという欠点がある。更に有害な
クロム酸を使用するという欠点もある。
Acta.,14,570(1931)に記載された方
法には、出発原料のスクラレオールが高価な天然物であ
り、しかも天然物であるためにその品質が一定せず、ま
た原料供給が安定しないという欠点がある。更に有害な
クロム酸を使用するという欠点もある。
【0007】また、上記方法b)特開昭57−1458
69号公報に記載された方法には、β−モノシクロホモ
ファルネシル酸の環化反応の収率や立体選択性には優れ
ているが、β−モノシクロホモファルネシル酸を合成す
る際のウィティヒ反応に使用するトリフェニルホスフィ
ンが比較的高価な試薬であり、またウィティヒ反応の際
に大量のトリフェニルホスフィンオキシドが副生してし
まうという欠点がある。
69号公報に記載された方法には、β−モノシクロホモ
ファルネシル酸の環化反応の収率や立体選択性には優れ
ているが、β−モノシクロホモファルネシル酸を合成す
る際のウィティヒ反応に使用するトリフェニルホスフィ
ンが比較的高価な試薬であり、またウィティヒ反応の際
に大量のトリフェニルホスフィンオキシドが副生してし
まうという欠点がある。
【0008】また、上記方法c)特開昭60−1234
83号公報に記載された方法には、出発原料の全トラン
ス体のファルネソールが非常に高価であり、しかも有害
なシアン化合物を使用し、更にホモファルネシル酸の環
化反応の収率や立体選択性が低いという欠点がある。
83号公報に記載された方法には、出発原料の全トラン
ス体のファルネソールが非常に高価であり、しかも有害
なシアン化合物を使用し、更にホモファルネシル酸の環
化反応の収率や立体選択性が低いという欠点がある。
【0009】本発明は以上のような従来技術の問題点を
解決しようとするものであり、(±)−ノルアンブレノ
リドを低コストで且つ工業的に効率よく製造できるよう
にすることを目的としている。
解決しようとするものであり、(±)−ノルアンブレノ
リドを低コストで且つ工業的に効率よく製造できるよう
にすることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的が、出発原料として安価で商業的に入手容易なβ−ヨ
ノンもしくはジヒドロ−β−ヨノンを用い、パラジウム
触媒の存在下で一酸化炭素挿入反応を利用してβ−モノ
シクロホモファルネシル酸を製造し、それを環化して
(±)−ノルアンブレノリドを合成することにより達成
できることを見出し、この発明を完成させるに至った。
的が、出発原料として安価で商業的に入手容易なβ−ヨ
ノンもしくはジヒドロ−β−ヨノンを用い、パラジウム
触媒の存在下で一酸化炭素挿入反応を利用してβ−モノ
シクロホモファルネシル酸を製造し、それを環化して
(±)−ノルアンブレノリドを合成することにより達成
できることを見出し、この発明を完成させるに至った。
【0011】即ち、本発明は式(5)のジヒドロ−β−
ビニル−ヨノールの炭酸エステル
ビニル−ヨノールの炭酸エステル
【0012】
【化10】 をパラジウム触媒の存在下で一酸化炭素と反応させて式
(6)のβ−モノシクロホモファルネシル酸を形成し、
(6)のβ−モノシクロホモファルネシル酸を形成し、
【0013】
【化11】 更に酸触媒を作用させることにより環化させることを特
徴とする式(1)
徴とする式(1)
【0014】
【化12】 の(±)−ノルアンブレノリドの製造方法を提供する。
【0015】また、この発明においては、ジヒドロ−β
−ビニル−ヨノールの炭酸エステルとしては、安価で商
業的に入手容易な式(2)のβ−ヨノン
−ビニル−ヨノールの炭酸エステルとしては、安価で商
業的に入手容易な式(2)のβ−ヨノン
【0016】
【化13】 をニッケルケイソウ土触媒の存在下で水添して、式
(3)のジヒドロ−β−ヨノン
(3)のジヒドロ−β−ヨノン
【0017】
【化14】 を形成し、更にCH2=CHMgX(式中Xはハロゲン
である)を反応させた後に加水分解して式(4)のジヒ
ドロ−β−ビニル−ヨノール
である)を反応させた後に加水分解して式(4)のジヒ
ドロ−β−ビニル−ヨノール
【0018】
【化15】 を形成し、更にXCO2R(式中Xはハロゲンであり、
Rは脂肪族アルキル基である)を反応させることにより
得られたものを使用することが好ましい。
Rは脂肪族アルキル基である)を反応させることにより
得られたものを使用することが好ましい。
【0019】また、上述のように得られた(±)−ノル
アンブレノリド粗生成物に対し、水酸化アルカリによる
簡便な加水分解処理を施して精製することが好ましい。
アンブレノリド粗生成物に対し、水酸化アルカリによる
簡便な加水分解処理を施して精製することが好ましい。
【0020】以下、この発明の(±)−ノルアンブレノ
リドの製造方法を詳細に説明する。
リドの製造方法を詳細に説明する。
【0021】この発明において、出発原料のβ−ヨノン
から目的化合物である(±)−ノルアンブレノリドの全
合成は以下のルートで行われる。
から目的化合物である(±)−ノルアンブレノリドの全
合成は以下のルートで行われる。
【0022】
【化16】 工程A まず、式(2)のβ−ヨノンを式(3)のジヒドロ−β
−ヨノンに還元する。この場合、カルボニル基のα,β
位の二重結合のみを選択的に還元するためには、種々の
還元法を適用できるが操作の容易性、コストの点から、
好ましくはβ−ヨノンをニッケルケイソウ土触媒の存在
下で溶媒中で水添する。この場合、ニッケルケイソウ土
触媒は、β−ヨノンに対して0.5〜50重量%、好ま
しくは0.8〜5重量%、より好ましくは1重量%で使
用する。
−ヨノンに還元する。この場合、カルボニル基のα,β
位の二重結合のみを選択的に還元するためには、種々の
還元法を適用できるが操作の容易性、コストの点から、
好ましくはβ−ヨノンをニッケルケイソウ土触媒の存在
下で溶媒中で水添する。この場合、ニッケルケイソウ土
触媒は、β−ヨノンに対して0.5〜50重量%、好ま
しくは0.8〜5重量%、より好ましくは1重量%で使
用する。
【0023】また、この還元反応においては溶媒を使用
することが好ましいが、このための溶媒としては、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール等の脂肪族アル
コール、特にエタノールを使用することが好ましい。な
お、その他にテトラハイドロフラン、ジオキサン等のエ
ーテル化合物なども使用することができる。このような
溶媒の使用量は、溶媒の種類により異なるが、一般には
β−ヨノンに対して好ましくは20〜90重量%、より
好ましくは30〜50重量%で使用する。
することが好ましいが、このための溶媒としては、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール等の脂肪族アル
コール、特にエタノールを使用することが好ましい。な
お、その他にテトラハイドロフラン、ジオキサン等のエ
ーテル化合物なども使用することができる。このような
溶媒の使用量は、溶媒の種類により異なるが、一般には
β−ヨノンに対して好ましくは20〜90重量%、より
好ましくは30〜50重量%で使用する。
【0024】この還元反応における水添の際の水素圧力
も、使用する触媒の量、溶媒の種類、反応温度等により
異なるが、通常1〜100気圧、好ましくは5〜20気
圧、より好ましくは8〜12気圧であり、反応温度も通
常20〜150℃、好ましくは60〜100℃、より好
ましくは75〜85℃である。反応時間もやはり、使用
する溶媒の種類や、水素の圧力により異なるが、好まし
くは10〜20時間である。このようにして、β−ヨノ
ンをニッケルケイソウ土触媒存在下で接触水添すること
によりジヒドロ−β−ヨノンを高収率(通常85〜95
%)で得ることができる。
も、使用する触媒の量、溶媒の種類、反応温度等により
異なるが、通常1〜100気圧、好ましくは5〜20気
圧、より好ましくは8〜12気圧であり、反応温度も通
常20〜150℃、好ましくは60〜100℃、より好
ましくは75〜85℃である。反応時間もやはり、使用
する溶媒の種類や、水素の圧力により異なるが、好まし
くは10〜20時間である。このようにして、β−ヨノ
ンをニッケルケイソウ土触媒存在下で接触水添すること
によりジヒドロ−β−ヨノンを高収率(通常85〜95
%)で得ることができる。
【0025】工程B 工程Aで得られたジヒドロ−β−ヨノン又は商業的に入
手したジヒドロ−β−ヨノンを溶媒中でわずかに過剰当
量のCH2=CHMgX(式中Xはクロロ、ブルモ等の
ハロゲンである)と反応させて式(4)のジヒドロ−β
−ビニル−ヨノールを形成する。この際溶媒としては、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレング
リコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒、好まし
くはテトラヒドロフランを使用する。反応は、使用する
溶媒の種類等により異なるが、通常0〜100℃、好ま
しくは約15〜25℃で1〜5時間行う。その後、反応
液を氷冷却下で塩酸、硫酸等の鉱酸の水溶液にあけ、常
法により有機層を抽出分離、処理することによりジヒド
ロ−β−ビニル−ヨノールをジヒドロ−β−ヨノンに対
して高収率(約85%)で得ることができる。
手したジヒドロ−β−ヨノンを溶媒中でわずかに過剰当
量のCH2=CHMgX(式中Xはクロロ、ブルモ等の
ハロゲンである)と反応させて式(4)のジヒドロ−β
−ビニル−ヨノールを形成する。この際溶媒としては、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレング
リコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒、好まし
くはテトラヒドロフランを使用する。反応は、使用する
溶媒の種類等により異なるが、通常0〜100℃、好ま
しくは約15〜25℃で1〜5時間行う。その後、反応
液を氷冷却下で塩酸、硫酸等の鉱酸の水溶液にあけ、常
法により有機層を抽出分離、処理することによりジヒド
ロ−β−ビニル−ヨノールをジヒドロ−β−ヨノンに対
して高収率(約85%)で得ることができる。
【0026】なお、溶媒として低沸点の溶媒、例えばテ
トラヒドロフランを使用した場合には、CH2=CHM
gXをジヒドロ−β−ヨノンに作用させた後に、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、好
ましくはトルエンを反応容器に加え、徐々に加熱し、テ
トラヒドロフランを留去させる。反応容器を100℃に
まで加熱して大部分のテトラハイドロフランを留去させ
た後に、反応液を室温まで冷却し、氷冷却下で塩酸、硫
酸等の鉱酸の水溶液にあけることにより、水を含まない
状態でテトラヒドロフランを回収することができる。
トラヒドロフランを使用した場合には、CH2=CHM
gXをジヒドロ−β−ヨノンに作用させた後に、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、好
ましくはトルエンを反応容器に加え、徐々に加熱し、テ
トラヒドロフランを留去させる。反応容器を100℃に
まで加熱して大部分のテトラハイドロフランを留去させ
た後に、反応液を室温まで冷却し、氷冷却下で塩酸、硫
酸等の鉱酸の水溶液にあけることにより、水を含まない
状態でテトラヒドロフランを回収することができる。
【0027】工程C 工程Bで得られたジヒドロ−β−ビニル−ヨノールか
ら、その水酸基をクロロギ酸エチル等のハロゲン化ギ酸
エステルで炭酸エステル化することにより式(5)のジ
ヒドロ−β−ビニル−ヨノール炭酸エステル(式中Rは
メチル、エチル等の脂肪族アルキル基である)を形成す
る。この場合、炭酸エステル化前に、ジヒドロ−β−ビ
ニル−ヨノールの水酸基をアルカリ金属の水素化物、例
えば水素化ナトリウム等でナトリウムアルコシキドとし
た後に、クロロギ酸エステル等を反応させることが好ま
しい。
ら、その水酸基をクロロギ酸エチル等のハロゲン化ギ酸
エステルで炭酸エステル化することにより式(5)のジ
ヒドロ−β−ビニル−ヨノール炭酸エステル(式中Rは
メチル、エチル等の脂肪族アルキル基である)を形成す
る。この場合、炭酸エステル化前に、ジヒドロ−β−ビ
ニル−ヨノールの水酸基をアルカリ金属の水素化物、例
えば水素化ナトリウム等でナトリウムアルコシキドとし
た後に、クロロギ酸エステル等を反応させることが好ま
しい。
【0028】即ち、ジヒドロ−β−ビニル−ヨノールを
テトラハイドロフランやジオキサン等のエーテル系溶媒
もしくはベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒、
好ましくはトルエン中で、わずかに過剰当量の水素化ナ
トリウムを水素ガスが生じなくなるまで還流下で反応さ
せ、0〜5℃に冷却する。その後にハロゲン化ギ酸エス
テルを反応液に添加し、室温まで昇温して反応を完了さ
せ、この反応液を氷冷下で水にあけて炭化水素系溶媒で
抽出し、常法により分離、処理することによりジヒドロ
−β−ビニル−ヨノールの炭酸エステルがほぼ定量的に
得られる。
テトラハイドロフランやジオキサン等のエーテル系溶媒
もしくはベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒、
好ましくはトルエン中で、わずかに過剰当量の水素化ナ
トリウムを水素ガスが生じなくなるまで還流下で反応さ
せ、0〜5℃に冷却する。その後にハロゲン化ギ酸エス
テルを反応液に添加し、室温まで昇温して反応を完了さ
せ、この反応液を氷冷下で水にあけて炭化水素系溶媒で
抽出し、常法により分離、処理することによりジヒドロ
−β−ビニル−ヨノールの炭酸エステルがほぼ定量的に
得られる。
【0029】工程D 工程Cで得られたジヒドロ−β−ビニル−ヨノールの炭
酸エステルに一酸化炭素ガスをパラジウム触媒の存在下
で反応させて式(6)のβ−モノシクロホモファルネシ
ル酸を形成する。使用するパラジウム触媒の種類として
は、酢酸パラジウム、塩化パラジウムなどの2価の塩類
や、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
などの0価の錯体、パラジウムカーボン、パラジウムア
ルミナなどの担体付触媒が使用できる。中でも、工業的
に回収操作の容易なパラジウムカーボンが好ましい。パ
ラジウム触媒の使用量は、触媒の種類により異なるが、
ジヒドロ−β−ビニル−ヨノールの炭酸エステルに対し
一般に0.01〜50重量%、好ましくは2〜10重量
%,より好ましくは4〜6重量%である。
酸エステルに一酸化炭素ガスをパラジウム触媒の存在下
で反応させて式(6)のβ−モノシクロホモファルネシ
ル酸を形成する。使用するパラジウム触媒の種類として
は、酢酸パラジウム、塩化パラジウムなどの2価の塩類
や、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
などの0価の錯体、パラジウムカーボン、パラジウムア
ルミナなどの担体付触媒が使用できる。中でも、工業的
に回収操作の容易なパラジウムカーボンが好ましい。パ
ラジウム触媒の使用量は、触媒の種類により異なるが、
ジヒドロ−β−ビニル−ヨノールの炭酸エステルに対し
一般に0.01〜50重量%、好ましくは2〜10重量
%,より好ましくは4〜6重量%である。
【0030】また、リガンドとなる化合物として、無置
換あるいは置換トリアリールホスフィン類、トリアルキ
ルホスフィン類、ビスジフェニルホスフィノエタンなど
の2座配位型の化合物を使用することができ、好ましく
はトリ−オルト−トリルホスフィンを使用することがで
きる。このような化合物の使用量は、使用するパラジウ
ム触媒の種類により異なるが、触媒としてパラジウムカ
ーボンを使用した場合に、パラジウムカーボンに担持さ
れている金属パラジウムに対して0.5〜10倍モル当
量、好ましくは3〜5倍モル当量である。
換あるいは置換トリアリールホスフィン類、トリアルキ
ルホスフィン類、ビスジフェニルホスフィノエタンなど
の2座配位型の化合物を使用することができ、好ましく
はトリ−オルト−トリルホスフィンを使用することがで
きる。このような化合物の使用量は、使用するパラジウ
ム触媒の種類により異なるが、触媒としてパラジウムカ
ーボンを使用した場合に、パラジウムカーボンに担持さ
れている金属パラジウムに対して0.5〜10倍モル当
量、好ましくは3〜5倍モル当量である。
【0031】また、この工程Dにおいては溶媒を使用す
ることが好ましく、例えばメタノール、エタノール、イ
ソプロパノール等の脂肪族低級アルコール、好ましくは
イソプロパノールを使用する。このような溶媒の使用量
は、一般にはジヒドロ−β−ビニル−ヨノールの炭酸エ
ステルに対して重量で0.5〜10倍、好ましくは3〜
7倍程度である。
ることが好ましく、例えばメタノール、エタノール、イ
ソプロパノール等の脂肪族低級アルコール、好ましくは
イソプロパノールを使用する。このような溶媒の使用量
は、一般にはジヒドロ−β−ビニル−ヨノールの炭酸エ
ステルに対して重量で0.5〜10倍、好ましくは3〜
7倍程度である。
【0032】反応操作としては、まず一酸化炭素をガス
圧力1〜100気圧、好ましくは40〜60気圧で反応
容器に導入し、反応温度30〜100℃、好ましくは4
0〜60℃で約5時間反応させる。反応終了後、触媒を
濾別する。濾液に過剰量の水酸化ナトリウム等のアルカ
リ金属水酸化物の10〜50%,好ましくは30%水溶
液を加え、20〜80℃、好ましくは約30〜50℃に
加温して加水分解を行い、常法に従ってβ−モノシクロ
ホモファルネシル酸をジヒドロ−β−ビニルヨノールの
炭酸エステルに対し高収率(65〜75%)で得ること
ができる。
圧力1〜100気圧、好ましくは40〜60気圧で反応
容器に導入し、反応温度30〜100℃、好ましくは4
0〜60℃で約5時間反応させる。反応終了後、触媒を
濾別する。濾液に過剰量の水酸化ナトリウム等のアルカ
リ金属水酸化物の10〜50%,好ましくは30%水溶
液を加え、20〜80℃、好ましくは約30〜50℃に
加温して加水分解を行い、常法に従ってβ−モノシクロ
ホモファルネシル酸をジヒドロ−β−ビニルヨノールの
炭酸エステルに対し高収率(65〜75%)で得ること
ができる。
【0033】工程E 工程Dで得られたβ−モノシクロホモファルネシル酸を
酸触媒の存在下で環化させて式(1)の(±)−ノルア
ンブレノリドを形成する。使用する酸触媒としては、塩
酸、硫酸等の鉱酸類、塩化第2スズ、ボロントリフルオ
ロエーテレート等のルイス酸、パラトルエンスルホン
酸、フルオロスルホン酸、クロルスルホン酸等のスルホ
ン酸類などを使用することができる。中でも、コスト、
安全性、環化収率等の点から、酸触媒としてはクロルス
ルホン酸が好ましい。
酸触媒の存在下で環化させて式(1)の(±)−ノルア
ンブレノリドを形成する。使用する酸触媒としては、塩
酸、硫酸等の鉱酸類、塩化第2スズ、ボロントリフルオ
ロエーテレート等のルイス酸、パラトルエンスルホン
酸、フルオロスルホン酸、クロルスルホン酸等のスルホ
ン酸類などを使用することができる。中でも、コスト、
安全性、環化収率等の点から、酸触媒としてはクロルス
ルホン酸が好ましい。
【0034】また、このような酸触媒は、β−モノシク
ロホモファルネシル酸に対して通常1〜5倍モル、好ま
しくは1.5〜2.5倍モルの量で使用する。
ロホモファルネシル酸に対して通常1〜5倍モル、好ま
しくは1.5〜2.5倍モルの量で使用する。
【0035】このような酸触媒の存在下、環化反応は、
ニトロメタン、ニトロプロパン等のニトロアルカン類、
ジクロロメタン、トリクロロメタン等の塩素化炭化水素
類、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエ
ーテル類或いはアセトニトリルなどの溶媒、好ましくは
ジクロロメタン中で、反応温度−100〜0℃、好まし
くは−80〜−30℃の温度で約0.1〜1時間、好ま
しくは0.4〜0.6時間行う。
ニトロメタン、ニトロプロパン等のニトロアルカン類、
ジクロロメタン、トリクロロメタン等の塩素化炭化水素
類、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエ
ーテル類或いはアセトニトリルなどの溶媒、好ましくは
ジクロロメタン中で、反応温度−100〜0℃、好まし
くは−80〜−30℃の温度で約0.1〜1時間、好ま
しくは0.4〜0.6時間行う。
【0036】反応終了後、反応液を氷水に注ぎ,ジクロ
ロメタン等の溶媒で有機層を抽出し、常法に従って処理
して得られる粗生成物をn−ヘキサン、n−ヘプタン等
の炭化水素系溶媒を用いて再結晶することにより(±)
−ノルアンブレノリドを高収率(約85%)で得ること
ができる。この場合、(±)−9−epi−ノルアンブ
レノリドが副生する。両者の生成比率は、β−モノシク
ロホモファルネシル酸のカルボン酸のβγ位の2重結合
の立体化学に依存し、トランス体から(±)−ノルアン
ブレノリド、シス体から(±)−9−epi−ノルアン
ブレノリドが生成する。一般に両者の比率は(±)−ノ
ルアンブレノリドが60〜65%、(±)−9−epi
−ノルアンブレノリドが35〜40%である。
ロメタン等の溶媒で有機層を抽出し、常法に従って処理
して得られる粗生成物をn−ヘキサン、n−ヘプタン等
の炭化水素系溶媒を用いて再結晶することにより(±)
−ノルアンブレノリドを高収率(約85%)で得ること
ができる。この場合、(±)−9−epi−ノルアンブ
レノリドが副生する。両者の生成比率は、β−モノシク
ロホモファルネシル酸のカルボン酸のβγ位の2重結合
の立体化学に依存し、トランス体から(±)−ノルアン
ブレノリド、シス体から(±)−9−epi−ノルアン
ブレノリドが生成する。一般に両者の比率は(±)−ノ
ルアンブレノリドが60〜65%、(±)−9−epi
−ノルアンブレノリドが35〜40%である。
【0037】なお、(±)−ノルアンブレノイドと
(±)−9−epi−ノルアンブレノリドとの分離は、
分別再結晶法やカラムクロマトグラフィー法などにより
行うこともできるが、本発明者らは両者の混合物を単に
アルカリ加水分解することにより(±)−ノルアンブレ
ノリドのみが加水分解されることを見出し、以下に述べ
る簡便な(±)−ノルアンブレノリドの精製方法を完成
させた。この(±)−ノルアンブレノリドの精製方法も
本発明に含まれる。
(±)−9−epi−ノルアンブレノリドとの分離は、
分別再結晶法やカラムクロマトグラフィー法などにより
行うこともできるが、本発明者らは両者の混合物を単に
アルカリ加水分解することにより(±)−ノルアンブレ
ノリドのみが加水分解されることを見出し、以下に述べ
る簡便な(±)−ノルアンブレノリドの精製方法を完成
させた。この(±)−ノルアンブレノリドの精製方法も
本発明に含まれる。
【0038】即ち、(±)−ノルアンブレノイドと
(±)−9−epi−ノルアンブレノリドとの混合物を
1〜20重量倍、好ましくは5重量倍のメタノール、エ
タノール等の脂肪族低級アルコールに溶解させた後に、
過剰モル量、好ましくは2〜5モル倍当量の水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の1
0〜50%,好ましくは30%水溶液を加えて、好まし
くは60〜70℃或いは還流条件下で約5時間加水分解
を行う。この条件下では、(±)−ノルアンブレノリド
が選択的に加水分解されて式(8)のヒドロキシカルボ
ン酸の塩となるが、(±)−9−epi−ノルアンブレ
ノリドはこの条件ではほとんど加水分解されない。この
後は常法に従って両者を分離すればよい。例えば、加水
分解後の反応液を室温まで冷却し、n−ヘキサン、n−
ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテル等の脂肪族エーテル類などの抽出溶媒を
加え未反応の(±)−9−epi−ノルアンブレノリド
を抽出する。残った水層に氷冷下で硫酸、塩酸等の鉱酸
の水溶液を加えて酸性化し、フリーのヒドロキシカルボ
ン酸とし、脂肪族炭化水素類、脂肪族エーテル類、酢酸
エステル類等の溶媒で抽出して、常法により処理するこ
とにより純度の高い式(8)のヒドロキシカルボン酸が
得られる。
(±)−9−epi−ノルアンブレノリドとの混合物を
1〜20重量倍、好ましくは5重量倍のメタノール、エ
タノール等の脂肪族低級アルコールに溶解させた後に、
過剰モル量、好ましくは2〜5モル倍当量の水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の1
0〜50%,好ましくは30%水溶液を加えて、好まし
くは60〜70℃或いは還流条件下で約5時間加水分解
を行う。この条件下では、(±)−ノルアンブレノリド
が選択的に加水分解されて式(8)のヒドロキシカルボ
ン酸の塩となるが、(±)−9−epi−ノルアンブレ
ノリドはこの条件ではほとんど加水分解されない。この
後は常法に従って両者を分離すればよい。例えば、加水
分解後の反応液を室温まで冷却し、n−ヘキサン、n−
ヘプタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテル等の脂肪族エーテル類などの抽出溶媒を
加え未反応の(±)−9−epi−ノルアンブレノリド
を抽出する。残った水層に氷冷下で硫酸、塩酸等の鉱酸
の水溶液を加えて酸性化し、フリーのヒドロキシカルボ
ン酸とし、脂肪族炭化水素類、脂肪族エーテル類、酢酸
エステル類等の溶媒で抽出して、常法により処理するこ
とにより純度の高い式(8)のヒドロキシカルボン酸が
得られる。
【0039】次にこのヒドロキシカルボン酸を常法によ
り(±)−ノルアンブレノリドに変換する。例えば、3
〜10重量倍、好ましくは5重量倍のトルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素類、好ましくはトルエン中に溶解
して還流させ、生成する水を除去しながら約5時間程攪
拌を続けてラクトン化する。その後にトルエンを留去す
ると、(±)−ノルアンブレノリドの高純度の結晶が得
られる。
り(±)−ノルアンブレノリドに変換する。例えば、3
〜10重量倍、好ましくは5重量倍のトルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素類、好ましくはトルエン中に溶解
して還流させ、生成する水を除去しながら約5時間程攪
拌を続けてラクトン化する。その後にトルエンを留去す
ると、(±)−ノルアンブレノリドの高純度の結晶が得
られる。
【0040】この発明の精製方法により、純度の高い
(±)−ノルアンブレノリドを得るために、工業的な分
離方法として不向きなクロマトグラフィー法を使用する
従来法(A.Sato et al.,Chemist
ry Letters,729(1983))が不要と
なる。また、β−モノシクロホモファルネシル酸の段階
でそのシス体とトランス体とを予め収率の悪い精密蒸留
により分離するという従来法(M.Matsui,et
al.,Agric.Biol.Chem.,50,
1475(1986))を適用することなく簡便で低コ
スト、且つ工業的に高純度の(±)−ノルアンブレノイ
ドを製造することができる。
(±)−ノルアンブレノリドを得るために、工業的な分
離方法として不向きなクロマトグラフィー法を使用する
従来法(A.Sato et al.,Chemist
ry Letters,729(1983))が不要と
なる。また、β−モノシクロホモファルネシル酸の段階
でそのシス体とトランス体とを予め収率の悪い精密蒸留
により分離するという従来法(M.Matsui,et
al.,Agric.Biol.Chem.,50,
1475(1986))を適用することなく簡便で低コ
スト、且つ工業的に高純度の(±)−ノルアンブレノイ
ドを製造することができる。
【0041】
【作用】本発明の(±)−ノルアンブレノイドの製造方
法によれば、安価で安定的に入手可能な出発原料と反応
試薬を用いるので低コストで(±)−ノルアンブレノイ
ドを製造可能となる。しかも、この製造方法において
は、パラジウム触媒の存在下で一酸化炭素挿入反応を利
用してβ−モノシクロホモファルネシル酸を経るので、
効率よく(±)−ノルアンブレノイドを製造することが
可能となる。
法によれば、安価で安定的に入手可能な出発原料と反応
試薬を用いるので低コストで(±)−ノルアンブレノイ
ドを製造可能となる。しかも、この製造方法において
は、パラジウム触媒の存在下で一酸化炭素挿入反応を利
用してβ−モノシクロホモファルネシル酸を経るので、
効率よく(±)−ノルアンブレノイドを製造することが
可能となる。
【0042】また、粗(±)−ノルアンブレノイドに
は、(±)−9−epi−ノルアンブレノイドが含まれ
ているが、水酸化アルカリ金属の水溶液で処理すること
により、(±)−ノルアンブレノイドを選択的に加水分
解でき、簡便に両者を分離することが可能となる。
は、(±)−9−epi−ノルアンブレノイドが含まれ
ているが、水酸化アルカリ金属の水溶液で処理すること
により、(±)−ノルアンブレノイドを選択的に加水分
解でき、簡便に両者を分離することが可能となる。
【0043】
【実施例】以下、この発明を実施例により具体的に説明
する。
する。
【0044】実施例1 攪拌装置を備えた300mlのオートクレーブに、触媒
として1.2gのニッケルケイソウ土(N−113、日
揮化学製)と80gのエタノールとを仕込み、水素圧1
0気圧、150℃で3時間という条件で還元処理を施し
た後に、120gのβ−ヨノンを添加し、水素圧10気
圧、温度80℃で5時間、水素添加反応を行った。
として1.2gのニッケルケイソウ土(N−113、日
揮化学製)と80gのエタノールとを仕込み、水素圧1
0気圧、150℃で3時間という条件で還元処理を施し
た後に、120gのβ−ヨノンを添加し、水素圧10気
圧、温度80℃で5時間、水素添加反応を行った。
【0045】反応終了後、触媒を濾別し、濾液から溶媒
を留去した残油を減圧蒸留することによりジヒドロ−β
−ヨノンを115.6g得た(沸点70〜72℃/0.
4Torr、純度94.0%、収率89.6%)。ま
た、その1HNMRと13CNMRのデ−タは以下の通
りである。
を留去した残油を減圧蒸留することによりジヒドロ−β
−ヨノンを115.6g得た(沸点70〜72℃/0.
4Torr、純度94.0%、収率89.6%)。ま
た、その1HNMRと13CNMRのデ−タは以下の通
りである。
【0046】1HNMR(300MHz、CDC
l3):δ0.885(s,6H,2×CH3),1.
28〜1.35(m,2H,CH2),1.473
(s,3H,CH3),1.42〜1.52(m,2
H,CH2),1.806(t,J=6.0Hz,2
H,CH2),2.045(s,3H,CH3),2.
10〜2.20(m,2H,CH2),2.36〜2.
44(m,2H,CH2).13 CNMR(75.5MHz、CDCl3):δ1
9.2(t),19.5(q),22.0(t).2
8.2(2×q),29.5(q),32.5(t),
34.8(s),39,5(t),44.3(t),1
27.5(s),135.7(s),208.4
(s)。
l3):δ0.885(s,6H,2×CH3),1.
28〜1.35(m,2H,CH2),1.473
(s,3H,CH3),1.42〜1.52(m,2
H,CH2),1.806(t,J=6.0Hz,2
H,CH2),2.045(s,3H,CH3),2.
10〜2.20(m,2H,CH2),2.36〜2.
44(m,2H,CH2).13 CNMR(75.5MHz、CDCl3):δ1
9.2(t),19.5(q),22.0(t).2
8.2(2×q),29.5(q),32.5(t),
34.8(s),39,5(t),44.3(t),1
27.5(s),135.7(s),208.4
(s)。
【0047】実施例2 テトラヒドロフラン800ml中にビニルマグネシウム
クロライド45.57g(0.525モル)を含む溶液
を氷冷し、窒素雰囲気下で実施例1で得られたジヒドロ
−β−ヨノン103.2g(純度94.0%、0.50
モル)を15〜20℃の温度範囲で約1時間に亘って滴
下した。
クロライド45.57g(0.525モル)を含む溶液
を氷冷し、窒素雰囲気下で実施例1で得られたジヒドロ
−β−ヨノン103.2g(純度94.0%、0.50
モル)を15〜20℃の温度範囲で約1時間に亘って滴
下した。
【0048】滴下後、トルエン1000mlを反応液に
加え、徐々に加熱し、テトラハイドロフランを留去しな
がら、反応液の温度が100℃になるまで加熱を続け、
大部分のテトラヒドロフランを回収した後、室温まで反
応液を冷却し、氷冷した5%硫酸水溶液600gの中へ
反応混合物を注ぎ入れ、トルエンで抽出した。トルエン
層を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、更に水層が中
性になるまで水洗し、最後に飽和食塩水で洗浄し、常法
に従ってトルエンを留去し、残渣を減圧蒸留しジヒドロ
−β−ビニル−ヨノ−ル99.3g(沸点82〜83℃
/0.4Torr、純度95.0%、収率85.0%)
を得た。また、その1HNMRと13CNMRのデ−タ
は以下の通りである。
加え、徐々に加熱し、テトラハイドロフランを留去しな
がら、反応液の温度が100℃になるまで加熱を続け、
大部分のテトラヒドロフランを回収した後、室温まで反
応液を冷却し、氷冷した5%硫酸水溶液600gの中へ
反応混合物を注ぎ入れ、トルエンで抽出した。トルエン
層を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、更に水層が中
性になるまで水洗し、最後に飽和食塩水で洗浄し、常法
に従ってトルエンを留去し、残渣を減圧蒸留しジヒドロ
−β−ビニル−ヨノ−ル99.3g(沸点82〜83℃
/0.4Torr、純度95.0%、収率85.0%)
を得た。また、その1HNMRと13CNMRのデ−タ
は以下の通りである。
【0049】1HNMR(300MHz、CDC
l3):δ0.944(s,6H,2×CH3),1.
262(s,3H,CH3),1.32〜1.40
(m,2H),1.538(s,3H,CH3),1.
45〜1.60(m,4H),1.852(t,J=
6.0Hz,2H,CH2),1.90〜2.10
(m,2H),5.03(d,J=10.8Hz,1
H),5.20(d,J=17.3Hz,1H),5.
91(dd,J=10.8,17.3Hz,1H).13 CNMR(75.5MHz、CDCl3):δ1
9.4(t),19.6(q),22.6(t),2
7.3(q),28.5(2×q),32.6(t),
34.9(s),39.7(t),42.2(t),7
3.3(s),111.6(t),126.7(s),
136.5(s),144.8(d)。
l3):δ0.944(s,6H,2×CH3),1.
262(s,3H,CH3),1.32〜1.40
(m,2H),1.538(s,3H,CH3),1.
45〜1.60(m,4H),1.852(t,J=
6.0Hz,2H,CH2),1.90〜2.10
(m,2H),5.03(d,J=10.8Hz,1
H),5.20(d,J=17.3Hz,1H),5.
91(dd,J=10.8,17.3Hz,1H).13 CNMR(75.5MHz、CDCl3):δ1
9.4(t),19.6(q),22.6(t),2
7.3(q),28.5(2×q),32.6(t),
34.9(s),39.7(t),42.2(t),7
3.3(s),111.6(t),126.7(s),
136.5(s),144.8(d)。
【0050】実施例3 トルエン800ml中に窒素雰囲気下で水素化ナトリウ
ム16.8g(60%品、0.42モル)を加え、次に
実施例2で得られたジヒドロ−β−ビニル−ヨノール9
3.5g(純度95%、0.40モル)を室温で加え、
還流下10時間反応させた。
ム16.8g(60%品、0.42モル)を加え、次に
実施例2で得られたジヒドロ−β−ビニル−ヨノール9
3.5g(純度95%、0.40モル)を室温で加え、
還流下10時間反応させた。
【0051】次に0〜5℃でクロルギ酸メチル39.7
g(0.42モル)を加えた後に、更に室温で2時間攪
拌した。この反応液を氷冷下、水1000mlに注ぎ入
れた後、有機層をトルエンで抽出し、水層が中性になる
まで水洗し、最後に飽和食塩水で洗浄したのち、溶媒を
除去し、ジヒドロ−β−ビニル−ヨノールの炭酸メチル
エステル113.5g(純度95%、収率96.3%)
を得た。また、その1HNMRのデ−タは以下の通りで
ある。
g(0.42モル)を加えた後に、更に室温で2時間攪
拌した。この反応液を氷冷下、水1000mlに注ぎ入
れた後、有機層をトルエンで抽出し、水層が中性になる
まで水洗し、最後に飽和食塩水で洗浄したのち、溶媒を
除去し、ジヒドロ−β−ビニル−ヨノールの炭酸メチル
エステル113.5g(純度95%、収率96.3%)
を得た。また、その1HNMRのデ−タは以下の通りで
ある。
【0052】1HNMR(300MHz、CDC
l3):δ0.973(s,6H,2×CH3),1.
37〜1.43(m,2H),1.572(s,3H,
CH3),1.602(s,3H,CH3),1.50
〜1.60(m,2H),1.80〜2.05(m,4
H),5.20(d,J=11Hz,1H),5.24
(d,J=18Hz,1H),6.04(dd,J=1
1,18Hz,1H)。
l3):δ0.973(s,6H,2×CH3),1.
37〜1.43(m,2H),1.572(s,3H,
CH3),1.602(s,3H,CH3),1.50
〜1.60(m,2H),1.80〜2.05(m,4
H),5.20(d,J=11Hz,1H),5.24
(d,J=18Hz,1H),6.04(dd,J=1
1,18Hz,1H)。
【0053】実施例4 300mlのオートクレーブに実施例3で得られたジヒ
ドロ−β−ビニル−ヨノールの炭酸メチルエステル5
8.9g(純度95%、0.2モル)、パラジウムカー
ボン0.85g(5%担持品、0.4ミリモル)、トリ
−オルトトリル−ホスフィン0.487g(1.6ミリ
モル)、及びイソプロパノール120gを仕込み、50
〜60℃の温度範囲、一酸化炭素圧50気圧という条件
で5時間攪拌した。
ドロ−β−ビニル−ヨノールの炭酸メチルエステル5
8.9g(純度95%、0.2モル)、パラジウムカー
ボン0.85g(5%担持品、0.4ミリモル)、トリ
−オルトトリル−ホスフィン0.487g(1.6ミリ
モル)、及びイソプロパノール120gを仕込み、50
〜60℃の温度範囲、一酸化炭素圧50気圧という条件
で5時間攪拌した。
【0054】反応終了後、反応混合物をオートクレーブ
より取り出し、触媒を濾別し、濾液に30%水酸化ナト
リウム水溶液60gを加え、40℃で2時間攪拌した。
その後、反応液を室温まで冷却し、n−ヘキサン(10
0ml×2回)で中性成分を抽出した。次いで氷冷下、
5%硫酸水溶液500gを加えて酸性化した後、n−ヘ
キサン(200ml×2回)を加えて抽出した。n−ヘ
キサン層を水層が中性になるまで水洗し、最後に飽和食
塩水で洗浄し、溶媒を留去してβ−モノシクロホモファ
ルネシル酸35.6g(収率71.2%)を得た。
より取り出し、触媒を濾別し、濾液に30%水酸化ナト
リウム水溶液60gを加え、40℃で2時間攪拌した。
その後、反応液を室温まで冷却し、n−ヘキサン(10
0ml×2回)で中性成分を抽出した。次いで氷冷下、
5%硫酸水溶液500gを加えて酸性化した後、n−ヘ
キサン(200ml×2回)を加えて抽出した。n−ヘ
キサン層を水層が中性になるまで水洗し、最後に飽和食
塩水で洗浄し、溶媒を留去してβ−モノシクロホモファ
ルネシル酸35.6g(収率71.2%)を得た。
【0055】なお、得られたβ−モノシクロホモファル
ネシル酸のカルボキシル基のβγ位の2重結合に基づく
異性体の比率はNMR分析によれは、シス体:トランス
体=33:67であった。
ネシル酸のカルボキシル基のβγ位の2重結合に基づく
異性体の比率はNMR分析によれは、シス体:トランス
体=33:67であった。
【0056】1HNMR(300MHz、CDC
l3): トランス体に特徴的シグナル;δ0.996(s,6
H,2×CH3),1.606(s,3H,CH3),
1.682(s,3H,CH3),3.08(d,J=
7Hz,2H),5.35(t,J=7Hz,1H). シス体に特徴的シグナル;δ1.014(s,6H,2
×CH3),1.644(s,3H,CH3),1.8
05(s,3H,CH3),3.12(d,J=7H
z,2H),5.28(t,J=7Hz,1H). その他のシグナル;1.38〜1.46(m,2H),
1.52〜1.62(m,2H),1.86〜1.96
(m,2H)、2.05〜2.10(m,4H)。
l3): トランス体に特徴的シグナル;δ0.996(s,6
H,2×CH3),1.606(s,3H,CH3),
1.682(s,3H,CH3),3.08(d,J=
7Hz,2H),5.35(t,J=7Hz,1H). シス体に特徴的シグナル;δ1.014(s,6H,2
×CH3),1.644(s,3H,CH3),1.8
05(s,3H,CH3),3.12(d,J=7H
z,2H),5.28(t,J=7Hz,1H). その他のシグナル;1.38〜1.46(m,2H),
1.52〜1.62(m,2H),1.86〜1.96
(m,2H)、2.05〜2.10(m,4H)。
【0057】実施例5 実施例4で得られたβ−モノシクロホモファルネシル酸
25.0g(0.10モル)のジクロロメタン50ml
溶液を、窒素雰囲気下において、−60〜−70℃に冷
却したクロロスルホン酸23.3g(0.2モル)とジ
クロロメタン200mlとの溶液に滴下した。滴下終了
後、20分間攪拌した後、反応液を氷500gに注ぎ、
ジクロロメタンで有機層を抽出した。ジクロロメタン層
を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、水層が中性にな
るまで水洗し、最後に飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去
し粗−ノルアンブレノリドを得、更にn−ヘキサンで再
結晶することにより20.8gのノルアンブレノリド
(収率83.2%)の結晶を得た。なお、結晶は、
(±)−ノルアンブレノリドと(±)−9−epi−ノ
ルアンブレノリドとの混合物であった(67:33)。
25.0g(0.10モル)のジクロロメタン50ml
溶液を、窒素雰囲気下において、−60〜−70℃に冷
却したクロロスルホン酸23.3g(0.2モル)とジ
クロロメタン200mlとの溶液に滴下した。滴下終了
後、20分間攪拌した後、反応液を氷500gに注ぎ、
ジクロロメタンで有機層を抽出した。ジクロロメタン層
を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、水層が中性にな
るまで水洗し、最後に飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去
し粗−ノルアンブレノリドを得、更にn−ヘキサンで再
結晶することにより20.8gのノルアンブレノリド
(収率83.2%)の結晶を得た。なお、結晶は、
(±)−ノルアンブレノリドと(±)−9−epi−ノ
ルアンブレノリドとの混合物であった(67:33)。
【0058】次に、この混合結晶をメタノール100m
lに溶解し、30%水酸化ナトリウム30gを加え、還
流条件下で加水分解した。これにより(±)−ノルアン
ブレノリドが選択的に加水分解され水層に移行した。室
温まで冷却した反応液から加水分解されなかった(±)
−9−epi−ノルアンブレノリドをn−ヘキサン(1
00ml×3回)で抽出分離し、残った水性反応液に、
氷冷下、5%硫酸水溶液250gを加え酸性化した後
に、酢酸エチル(100ml×3回)で抽出し、水層が
中性になるまで水洗し、最後に飽和食塩水で洗浄し、溶
媒を留去し(±)−ノルアンブレノリドのラクトン環が
開環した(±)−ヒドロキシカルボン酸[IUPAC
名、(±)−2,5,5,8a−テトラメチル−1−
(カルボキシメチル)−2−ヒドロキシデカリン]の結
晶13.3gを得た。
lに溶解し、30%水酸化ナトリウム30gを加え、還
流条件下で加水分解した。これにより(±)−ノルアン
ブレノリドが選択的に加水分解され水層に移行した。室
温まで冷却した反応液から加水分解されなかった(±)
−9−epi−ノルアンブレノリドをn−ヘキサン(1
00ml×3回)で抽出分離し、残った水性反応液に、
氷冷下、5%硫酸水溶液250gを加え酸性化した後
に、酢酸エチル(100ml×3回)で抽出し、水層が
中性になるまで水洗し、最後に飽和食塩水で洗浄し、溶
媒を留去し(±)−ノルアンブレノリドのラクトン環が
開環した(±)−ヒドロキシカルボン酸[IUPAC
名、(±)−2,5,5,8a−テトラメチル−1−
(カルボキシメチル)−2−ヒドロキシデカリン]の結
晶13.3gを得た。
【0059】得られた(±)−ヒドロキシカルボン酸の
結晶をトルエン300mlに溶解し、生成する水を除去
しながら5時間還流させた。その後トルエンを留去する
ことにより(±)−ヒドロキシカルボン酸の結晶13.
3g(純度95%)を得た。
結晶をトルエン300mlに溶解し、生成する水を除去
しながら5時間還流させた。その後トルエンを留去する
ことにより(±)−ヒドロキシカルボン酸の結晶13.
3g(純度95%)を得た。
【0060】なお、(±)−9−epi−ノルアンブレ
ノリドのn−ヘキサン溶液からは、常法にしたがって
6.80gの(±)−9−epi−ノルアンブレノリド
(純度96%)が得られた。これらの化合物の物理化学
的性質は以下の通りである。
ノリドのn−ヘキサン溶液からは、常法にしたがって
6.80gの(±)−9−epi−ノルアンブレノリド
(純度96%)が得られた。これらの化合物の物理化学
的性質は以下の通りである。
【0061】(±)−ヒドロキシカルボン酸[IUPA
C名、(±)−2,5,5,8a−テトラメチル−1−
(カルボキシメチル)−2−ヒドロキシデカリン] 融点:73〜75℃1 HNMR(300MHz、CDCl3):δ0.79
9(s,6H,2×CH3),0.886(s,3H,
CH3),1.172(s,3H,CH3),0.94
〜1.75(m,10H),1.835(t,J=6H
z,1H),1.95(dt,J=3,13Hz,1
H),2.34(dd,J=4,16Hz,1H),
2.51(dd,J=6,16Hz).13 CNMR(75.5MHz、CDCl3):δ1
5.8(q),18.8(t),20.8(t),2
1.8(q),23.5(q),30.5(t),3
3.6(s),33.7(q),38.9(s),3
9.6(t),42.1(t),44.7(t),5
6.2(d),58.0(d),77.9(s),18
0.5(s)。
C名、(±)−2,5,5,8a−テトラメチル−1−
(カルボキシメチル)−2−ヒドロキシデカリン] 融点:73〜75℃1 HNMR(300MHz、CDCl3):δ0.79
9(s,6H,2×CH3),0.886(s,3H,
CH3),1.172(s,3H,CH3),0.94
〜1.75(m,10H),1.835(t,J=6H
z,1H),1.95(dt,J=3,13Hz,1
H),2.34(dd,J=4,16Hz,1H),
2.51(dd,J=6,16Hz).13 CNMR(75.5MHz、CDCl3):δ1
5.8(q),18.8(t),20.8(t),2
1.8(q),23.5(q),30.5(t),3
3.6(s),33.7(q),38.9(s),3
9.6(t),42.1(t),44.7(t),5
6.2(d),58.0(d),77.9(s),18
0.5(s)。
【0062】(±)−ノルアンブレノリド 融点:115〜116℃1 HNMR(300MHz、CDCl3):δ0.82
9(s,3H,CH3),0.876(s,3H,CH
3),0.904(s,3H,CH3),1.326
(s,3H,CH3),0.94〜1.91(m,10
H),1.96(dd,J=6,14Hz,1H),
2.07(dt,J=3,12Hz,1H),2.22
(dd,J=6,16Hz,1H),2.40(dd,
J=14,16Hz,1H).13 CNMR(75.5MHz、CDCl3):δ1
5.0(q),18.0(t),20.5(t),2
0.9(q),21.5(q),28.7(t),3
3.0(s),33.1(q),36.0(s),3
8.7(t),39.4(t),42.1(t),5
6.6(d),59.0(d),86.3(s),17
6.8(s)。
9(s,3H,CH3),0.876(s,3H,CH
3),0.904(s,3H,CH3),1.326
(s,3H,CH3),0.94〜1.91(m,10
H),1.96(dd,J=6,14Hz,1H),
2.07(dt,J=3,12Hz,1H),2.22
(dd,J=6,16Hz,1H),2.40(dd,
J=14,16Hz,1H).13 CNMR(75.5MHz、CDCl3):δ1
5.0(q),18.0(t),20.5(t),2
0.9(q),21.5(q),28.7(t),3
3.0(s),33.1(q),36.0(s),3
8.7(t),39.4(t),42.1(t),5
6.6(d),59.0(d),86.3(s),17
6.8(s)。
【0063】(±)−9−epi−ノルアンブレノリド 融点:93〜94℃1 HNMR(300MHz、CDCl3):δ0.82
3(s,3H,CH3),0.908(s,3H,CH
3),1.101(s,3H,CH3),1.546
(s,3H,CH3),1.02〜1.68(m,10
H),1.95〜2.05(m,2H),2.40(d
d,J=8,17Hz,1H),2.62(dd,J=
14,17Hz,1H).13 CNMR(75.5MHz、CDCl3):δ1
8.0(t),19.1(t),21.7(q),2
2.7(q),27.2(q),32.5(t),3
2.7(s),33.3(q),35.8(s),3
6.9(t),38.1(t),41.8(t),4
6.4(d),56.7(d),85.9(s),17
5.5(s)。
3(s,3H,CH3),0.908(s,3H,CH
3),1.101(s,3H,CH3),1.546
(s,3H,CH3),1.02〜1.68(m,10
H),1.95〜2.05(m,2H),2.40(d
d,J=8,17Hz,1H),2.62(dd,J=
14,17Hz,1H).13 CNMR(75.5MHz、CDCl3):δ1
8.0(t),19.1(t),21.7(q),2
2.7(q),27.2(q),32.5(t),3
2.7(s),33.3(q),35.8(s),3
6.9(t),38.1(t),41.8(t),4
6.4(d),56.7(d),85.9(s),17
5.5(s)。
【0064】
【発明の効果】この発明によれば、効率よく低コストで
(±)−ノルアンブレノリドを製造できる。
(±)−ノルアンブレノリドを製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C11B 9/00 X 2115−4H
Claims (6)
- 【請求項1】 式(5)のジヒドロ−β−ビニル−ヨノ
ールの炭酸エステル 【化1】 をパラジウム触媒の存在下で一酸化炭素と反応させて式
(6)のβ−モノシクロホモファルネシル酸を形成し、 【化2】 更に酸触媒を作用させることにより環化させることを特
徴とする式(1) 【化3】 の(±)−ノルアンブレノリドの製造方法。 - 【請求項2】 酸触媒としてクロルスルホン酸を使用す
る請求項1記載の(±)−ノルアンブレノリドの製造方
法。 - 【請求項3】 式(3)のジヒドロ−β−ヨノン 【化4】 にCH2=CHMgX(式中Xはハロゲンである)を反
応させた後に加水分解して式(4)のジヒドロ−β−ビ
ニル−ヨノール 【化5】 を形成し、更にXCO2R(式中Xはハロゲンであり、
Rは脂肪族アルキル基である)を反応させることにより
式(5)のジヒドロ−β−ビニル−ヨノールの炭酸エス
テルを得る請求項1記載の(±)−ノルアンブレノリド
の製造方法。 - 【請求項4】 式(2)のβ−ヨノン 【化6】 をニッケルケイソウ土触媒の存在下で水添して式(3)
のジヒドロ−β−ヨノンを得る請求項3記載の(±)−
ノルアンブレノリドの製造方法。 - 【請求項5】 式(1)の(±)−ノルアンブレノリド 【化7】 と式(7)の(±)−9−epi−ノルアンブレノリド 【化8】 との混合物から(±)−ノルアンブレノリドを精製する
方法において、該混合物をアルカリ水溶液で処理するこ
とにより(±)−ノルアンブレノリドを選択的に加水分
解することを特徴とする(±)−ノルアンブレノリドの
精製方法。 - 【請求項6】 式(3)のジヒドロ−β−ヨノンにCH
2=CHMgX(式中Xはハロゲンである)を反応させ
た後に加水分解して式(4)のジヒドロ−β−ビニル−
ヨノールを形成し、更にXCO2R(式中Xはハロゲン
であり、Rは脂肪族アルキル基である)を反応させるこ
とにより式(5)のジヒドロ−β−ビニル−ヨノールの
炭酸エステルを形成し、次いでパラジウム触媒の存在下
で一酸化炭素と反応させることを特徴とする式(6)の
β−モノシクロホモファルネシル酸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03358776A JP3099317B2 (ja) | 1991-12-29 | 1991-12-29 | (±)−ノルアンブレノリドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03358776A JP3099317B2 (ja) | 1991-12-29 | 1991-12-29 | (±)−ノルアンブレノリドの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05186453A true JPH05186453A (ja) | 1993-07-27 |
JP3099317B2 JP3099317B2 (ja) | 2000-10-16 |
Family
ID=18461052
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03358776A Expired - Fee Related JP3099317B2 (ja) | 1991-12-29 | 1991-12-29 | (±)−ノルアンブレノリドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3099317B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6306818B1 (en) | 1996-06-24 | 2001-10-23 | Givaudan Roure (International) Sa | Fragrance precursors |
SG96174A1 (en) * | 1996-06-24 | 2003-05-23 | Givaudan Roure Int | Fragrance precursors |
JP2008162973A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Univ Nihon | ポリエン類の環化反応 |
CN110922321A (zh) * | 2019-12-02 | 2020-03-27 | 万华化学集团股份有限公司 | 一种由α,γ-不饱和二烯酮制备γ-烯酮的方法 |
-
1991
- 1991-12-29 JP JP03358776A patent/JP3099317B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6306818B1 (en) | 1996-06-24 | 2001-10-23 | Givaudan Roure (International) Sa | Fragrance precursors |
SG96174A1 (en) * | 1996-06-24 | 2003-05-23 | Givaudan Roure Int | Fragrance precursors |
JP2008162973A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Univ Nihon | ポリエン類の環化反応 |
CN110922321A (zh) * | 2019-12-02 | 2020-03-27 | 万华化学集团股份有限公司 | 一种由α,γ-不饱和二烯酮制备γ-烯酮的方法 |
CN110922321B (zh) * | 2019-12-02 | 2022-08-05 | 万华化学集团股份有限公司 | 一种由α,γ-不饱和二烯酮制备γ-烯酮的方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3099317B2 (ja) | 2000-10-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101223949B1 (ko) | 1,4-부탄디올의 정제 방법 | |
US10975050B2 (en) | Process for preparing optically pure (R)-4-n-propyl-dihydrofuran-2(3H)-one | |
US5728866A (en) | Process for the preparation of (+)-(1R) -cis-3-oxo-2-pentyl-1-cyclopentaneacetic acid | |
EP0550889B1 (en) | Process for producing L-Ambrox | |
JPH0977759A (ja) | 光学活性環状化合物の製造方法 | |
JPH06172256A (ja) | 3−ヒドロキシ酪酸誘導体の製造法 | |
JPH05186453A (ja) | (±)−ノルアンブレノリドの製造方法 | |
JP2540337B2 (ja) | ジヒドロシクロシトラ−ル及びジヒドロシクロシトラ−ルの光学活性立体異性体の製法 | |
KR0160136B1 (ko) | 카스타노스퍼민의 제조방법 | |
JPH05186452A (ja) | L−アンブロックスの製造方法 | |
JP3828154B2 (ja) | トリシクロカルボン酸エステル、その製造法およびそれからなる香料 | |
KR890003787B1 (ko) | 시클로헥산온 카르복실산류의 제조방법 | |
JP3254746B2 (ja) | 末端アセチレン化合物およびその製造法 | |
JP3268076B2 (ja) | ドデカヒドロテトラメチルナフトフラン及びその中間体の製造方法 | |
JPH10316609A (ja) | 2−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2−カルボン酸の製造方法 | |
JP4081619B2 (ja) | 光学活性な5−ヒドロキシ−2−デセン酸の製造方法および光学活性なマソイヤラクトンの製造方法 | |
JPH0578541B2 (ja) | ||
JPS6234025B2 (ja) | ||
CN116601136A (zh) | 制造有机化合物的方法 | |
JP3028874B2 (ja) | (±)−2,5,5,8a−テトラメチル−1−(カルボキシメチル)−2−ヒドロキシデカリンの光学分割方法 | |
JPH03240746A (ja) | O―アルコキシフェノール類の製造方法 | |
JPS6332778B2 (ja) | ||
JPH0669984B2 (ja) | シクロペンテノン誘導体の製造法 | |
JPS5940383B2 (ja) | ブラシル酸ジエステルの製造方法 | |
JPH0637410B2 (ja) | 7,7―ジメチル―9―ヒドロキシメチルビシクロ〔4.3.0〕ノナン及びこれを含有する香料組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |