JP2540337B2 - ジヒドロシクロシトラ−ル及びジヒドロシクロシトラ−ルの光学活性立体異性体の製法 - Google Patents
ジヒドロシクロシトラ−ル及びジヒドロシクロシトラ−ルの光学活性立体異性体の製法Info
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C47/00—Compounds having —CHO groups
- C07C47/28—Saturated compounds having —CHO groups bound to carbon atoms of rings other than six—membered aromatic rings
- C07C47/32—Saturated compounds having —CHO groups bound to carbon atoms of rings other than six—membered aromatic rings with a six-membered ring
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- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C45/00—Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
- C07C45/51—Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by pyrolysis, rearrangement or decomposition
- C07C45/54—Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by pyrolysis, rearrangement or decomposition of compounds containing doubly bound oxygen atoms, e.g. esters
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、酸性閉環剤を用いて、式: 〔式中波線はシス又はトランス配置のC−O結合を表わ
し、Xはアシル基又はP(O)(OR)2を表わし、Rは
1価の低級アルキル基又はアリール基を表わし、Zは
式: i CH=C(CH3)2 の1価の基を表わす〕のエノールエステルを閉環するこ
とよりなる、ラセミ性及び光学活性のジヒドロシクロシ
トラールの製法に関する。
し、Xはアシル基又はP(O)(OR)2を表わし、Rは
1価の低級アルキル基又はアリール基を表わし、Zは
式: i CH=C(CH3)2 の1価の基を表わす〕のエノールエステルを閉環するこ
とよりなる、ラセミ性及び光学活性のジヒドロシクロシ
トラールの製法に関する。
従来の技術 ジヒドロシクロシトラールとして公知でもある2,2,6
−トリメチル−シクロヘキサンカルボキシアルデヒド
は、式: の脂環式アルデヒドである。
−トリメチル−シクロヘキサンカルボキシアルデヒド
は、式: の脂環式アルデヒドである。
これは、種々の有機合成における有用な中間体である
ばかりでなく、フレーバー及び香料工業用の有用な最終
生成物並びに医薬即ちカロテノイド及びステロイド型の
化合物(これに関して欧州特許出願第118809号、1984年
9月19日公開明細書参照)を製造するための原料であ
る。
ばかりでなく、フレーバー及び香料工業用の有用な最終
生成物並びに医薬即ちカロテノイド及びステロイド型の
化合物(これに関して欧州特許出願第118809号、1984年
9月19日公開明細書参照)を製造するための原料であ
る。
これの製造のための多くの方法が従来の文献に記載さ
れている。M.de Botton〔Bull.Soc.Chim.de France 3
3、2466〜73(1966)〕は、2,2,6−トリメチル−シクロ
ヘキサノンから出発して、次の反応式によるジヒドロシ
クロシトラールの製法を記載している: 従来文献記載の方法は、シクロシトラールの水素化
〔Helv.Chim.Acta.31、417(1948)及びHelv.Chim.Acta
34、1160(195)〕又は、ジヒドロシクロゲラニオール
の酸化〔Helv.Chim.Acta.23、529(1940)及びHelv.Chi
m.Acta,23、1265(1940)〕に基づいている。次の反応
型によるケトン性酸素原子の水素及びホルミル基での置
換 R2CO→R2CHCHO は、いくつかの特異的反応が開発されている有機合成で
の有用な接近を意味する。しかしながら、これらのいず
れもケトン基のα−位に水素を有する立体的に妨害され
たケトンの転移の場合に満足しうる結果をもたらさな
い。E.J.コレイ(Corey)及びM.A.テイウス(Tius)
は、Tetrahedron Letters 21、3535〜8頁(1980年)
に、これらの詳細な試薬の1種ジフエニル−メトキシ−
メチルホスフインを用いて、シクロヘキサノンから出発
しているジヒドロシクロシトラールの製造を記載してい
る。しかしながら、反応成分の特性は、この方法の工業
的規模拡大にむしろ問題を提供する。
れている。M.de Botton〔Bull.Soc.Chim.de France 3
3、2466〜73(1966)〕は、2,2,6−トリメチル−シクロ
ヘキサノンから出発して、次の反応式によるジヒドロシ
クロシトラールの製法を記載している: 従来文献記載の方法は、シクロシトラールの水素化
〔Helv.Chim.Acta.31、417(1948)及びHelv.Chim.Acta
34、1160(195)〕又は、ジヒドロシクロゲラニオール
の酸化〔Helv.Chim.Acta.23、529(1940)及びHelv.Chi
m.Acta,23、1265(1940)〕に基づいている。次の反応
型によるケトン性酸素原子の水素及びホルミル基での置
換 R2CO→R2CHCHO は、いくつかの特異的反応が開発されている有機合成で
の有用な接近を意味する。しかしながら、これらのいず
れもケトン基のα−位に水素を有する立体的に妨害され
たケトンの転移の場合に満足しうる結果をもたらさな
い。E.J.コレイ(Corey)及びM.A.テイウス(Tius)
は、Tetrahedron Letters 21、3535〜8頁(1980年)
に、これらの詳細な試薬の1種ジフエニル−メトキシ−
メチルホスフインを用いて、シクロヘキサノンから出発
しているジヒドロシクロシトラールの製造を記載してい
る。しかしながら、反応成分の特性は、この方法の工業
的規模拡大にむしろ問題を提供する。
ところで、ジヒドロシクロシトラールは、簡単かつ経
済的な方法(この方法は典型的な反応成分を使用する利
点を有する)により得ることができることを発見した。
済的な方法(この方法は典型的な反応成分を使用する利
点を有する)により得ることができることを発見した。
発明を達成するための手段 本発明は、ラセミ性及び光学活性型の双方のジヒドロ
シクロシトラールの製法に関し、この方法は酸性閉環剤
を用いるI式のエノールエステルの閉環よりなる。
シクロシトラールの製法に関し、この方法は酸性閉環剤
を用いるI式のエノールエステルの閉環よりなる。
前記定義のような基Rは、1価の低級アルキル基又は
アリールである。C1〜6−アルキル基の例はメチル、
エチル、プロピル又はイソプロピル又はフエニル基であ
る。XはR′CO型のアシル基を表わし、R′は有利にC
−原子数1〜4を有する低級アルキル基である。
アリールである。C1〜6−アルキル基の例はメチル、
エチル、プロピル又はイソプロピル又はフエニル基であ
る。XはR′CO型のアシル基を表わし、R′は有利にC
−原子数1〜4を有する低級アルキル基である。
本発明の有利な態様によれば、閉環は3,7−ジメチル
−オクタ−1,6−ジエン−イルアセテート、3,7−ジメチ
ル−7−ヒドロキシ−オクト−1−エン−1−イルアセ
テート又は3,7−ジメチル−オクタ−1,7−ジエン−1−
イルアセテート上で実施される。これらのエステル類及
び相応するジアルキル−及びジアリールホスフエートエ
ステルも(I)式で定義され、シトロネラール又はヒド
ロキシシトロネラールから、文献に記載と類似の方法に
より得ることができる〔例えばJ.Am.Chem.Soc.72、2617
(1950)参照〕。例えばそれらの製法はシトロネラール
又はヒドロキシシトロネラールを塩基例えば3級アミン
例えばトリエチルアミン又はアルカリ金属炭酸塩例えば
炭酸カリウムの存在で無水酢酸で処理することにより実
施できる。
−オクタ−1,6−ジエン−イルアセテート、3,7−ジメチ
ル−7−ヒドロキシ−オクト−1−エン−1−イルアセ
テート又は3,7−ジメチル−オクタ−1,7−ジエン−1−
イルアセテート上で実施される。これらのエステル類及
び相応するジアルキル−及びジアリールホスフエートエ
ステルも(I)式で定義され、シトロネラール又はヒド
ロキシシトロネラールから、文献に記載と類似の方法に
より得ることができる〔例えばJ.Am.Chem.Soc.72、2617
(1950)参照〕。例えばそれらの製法はシトロネラール
又はヒドロキシシトロネラールを塩基例えば3級アミン
例えばトリエチルアミン又はアルカリ金属炭酸塩例えば
炭酸カリウムの存在で無水酢酸で処理することにより実
施できる。
3,7−ジメチル−オクタ−1,7−ジエン−1−イルアセ
テートは、公知方法によるヒドロキシシトロネラールの
脱水素に引続きエステル化することにより製造できる。
テートは、公知方法によるヒドロキシシトロネラールの
脱水素に引続きエステル化することにより製造できる。
酸性の閉環剤には、無機又は有機のプロトン酸又はル
イス型の酸が包含される。有利な閉環剤には、例えば硫
酸、燐酸、ポリ燐酸、メタンスルホン酸、酢酸又はトリ
フルオロ酢酸はルイス酸のうちで、四塩化錫、四塩化チ
タン又は三弗化ホウ素が包含される。
イス型の酸が包含される。有利な閉環剤には、例えば硫
酸、燐酸、ポリ燐酸、メタンスルホン酸、酢酸又はトリ
フルオロ酢酸はルイス酸のうちで、四塩化錫、四塩化チ
タン又は三弗化ホウ素が包含される。
閉環反応を実施する温度は厳守ではなく、広範囲の値
で変動する。これは、使用酸性試薬の係数として選択さ
れる。従つて、最終生成物の良好な収率は酸性試薬とし
て硫酸を用い、出発エステルとして3,7−ジメチル−オ
クタ−1,6−ジエン−1−イルジエチルホスフエートを
用い0℃で処理することにより得ている。良好な収率は
3,7−ジメチル−オクタ−1,6−ジエン−1−イルアセテ
ートを100℃で濃燐酸又はポリ燐酸で処理することによ
つても得ている。前記限界より高い又は低い温度も使用
できる。
で変動する。これは、使用酸性試薬の係数として選択さ
れる。従つて、最終生成物の良好な収率は酸性試薬とし
て硫酸を用い、出発エステルとして3,7−ジメチル−オ
クタ−1,6−ジエン−1−イルジエチルホスフエートを
用い0℃で処理することにより得ている。良好な収率は
3,7−ジメチル−オクタ−1,6−ジエン−1−イルアセテ
ートを100℃で濃燐酸又はポリ燐酸で処理することによ
つても得ている。前記限界より高い又は低い温度も使用
できる。
本発明の有利な態様を、詳細に製造例中に記載する。
前記のように、本発明の方法は、必要な操作の単純化
及び全体的経済性に関して従来公知の製造法よりも明ら
かな利点を有する。更に、本発明の方法は、光学活性の
ジヒドロシクロシトラール即ち、式: のエピマーの製造をはじめて可能にする利点を有する。
及び全体的経済性に関して従来公知の製造法よりも明ら
かな利点を有する。更に、本発明の方法は、光学活性の
ジヒドロシクロシトラール即ち、式: のエピマーの製造をはじめて可能にする利点を有する。
これらの2種の対掌体は、その製造が従来公知の方法
では可能でなかつた新規の化学的実体である。
では可能でなかつた新規の化学的実体である。
光学活性のジヒドロシクロシトラール誘導体(a)及
び(b)は、光学活性の最終生成物を製造するための有
用な出発物質であり、その重要性は、それらの特性が多
かれ少なかれそれらのセラミ性対向物とは異なることに
ある。これは、種々の生物学的活性な化合物に関する場
合であり、この化合物に関して、ヒト及び動物の感受性
の生理学的中心は、この場合は例えば嗅覚における知覚
される対掌体の特性を区別することが可能である。
び(b)は、光学活性の最終生成物を製造するための有
用な出発物質であり、その重要性は、それらの特性が多
かれ少なかれそれらのセラミ性対向物とは異なることに
ある。これは、種々の生物学的活性な化合物に関する場
合であり、この化合物に関して、ヒト及び動物の感受性
の生理学的中心は、この場合は例えば嗅覚における知覚
される対掌体の特性を区別することが可能である。
現在の科学では、嗅覚の現象を解明することのできる
単一理論は存在しない。しかしながら、経験的に、所定
化合物の1光学活性形のみが所望の香気特性を有し、そ
のラセミ体は同様な臭気特性を有するがその芳気強度が
最良でもその半分を示すことが屡々明らかにされてい
る。他方、ラセミ体をD及びL成分に分割する典型的な
方法は、それらの各々の最大50%をもたらす。これは、
純粋対掌体の極めて不利でかつ直接的な工業的製法を提
供し、従つて主要な努力目標である。
単一理論は存在しない。しかしながら、経験的に、所定
化合物の1光学活性形のみが所望の香気特性を有し、そ
のラセミ体は同様な臭気特性を有するがその芳気強度が
最良でもその半分を示すことが屡々明らかにされてい
る。他方、ラセミ体をD及びL成分に分割する典型的な
方法は、それらの各々の最大50%をもたらす。これは、
純粋対掌体の極めて不利でかつ直接的な工業的製法を提
供し、従つて主要な努力目標である。
エピマー(a)及び(b)は、(I)式の光学活性エ
ノールエステルから出発し、本発明方法に従つて得られ
る。実際に、本発明による閉環は、予想外に、6位の不
斉炭素原子の配置の完全な保留により起こる。(+)−
又は(−)−シトロネラールから出発して、こうして、
相応する光学活性エノールエステル中間体及び引続くエ
ナンチオマー性ジヒドロシクロシトラールを得ることが
可能である。
ノールエステルから出発し、本発明方法に従つて得られ
る。実際に、本発明による閉環は、予想外に、6位の不
斉炭素原子の配置の完全な保留により起こる。(+)−
又は(−)−シトロネラールから出発して、こうして、
相応する光学活性エノールエステル中間体及び引続くエ
ナンチオマー性ジヒドロシクロシトラールを得ることが
可能である。
(+)及び(−)−シトロネラールは、多くの精油中
の活性成分であり、その精油から抽出されうる。他方、
これら2種の生成物は、種々の純度で市場で入手され
る。R(+)−シトロネラールは例えばチヤイニーズ・
シトロネラ(Chines citronella)から少量のリナロー
ル及びイソプレゴールを伴つて得ることができる。
の活性成分であり、その精油から抽出されうる。他方、
これら2種の生成物は、種々の純度で市場で入手され
る。R(+)−シトロネラールは例えばチヤイニーズ・
シトロネラ(Chines citronella)から少量のリナロー
ル及びイソプレゴールを伴つて得ることができる。
実施例 次の実施例で、本発明を説明するが、ここで温度は
「℃」で示され、略字は文献中で一般的な意味を有す
る。
「℃」で示され、略字は文献中で一般的な意味を有す
る。
例 1 (±)−シトロネラールから出発して(±)−ジヒドロ
シクロシトラール a. 無水酢酸167kg及び炭酸カリウム77kgを導入ポンプ
及びコンデンサーを備えた反応容器中で80℃に加熱し
た。次いで、導入ポンプを用いて40分の間に(±)−シ
トロネラール85kgを添加し、混合物を7時間還流させ
た。冷却後にこれにトルエン100kg及び水500を添加
し、有機相の分離の後に、混合物を水100で洗浄する
と、トルエン中の3,7−ジメチル−オクタ−1,6−ジエン
−1−イルアセテートの溶液が少量の次式 のジエステルを伴なつて得られた。
シクロシトラール a. 無水酢酸167kg及び炭酸カリウム77kgを導入ポンプ
及びコンデンサーを備えた反応容器中で80℃に加熱し
た。次いで、導入ポンプを用いて40分の間に(±)−シ
トロネラール85kgを添加し、混合物を7時間還流させ
た。冷却後にこれにトルエン100kg及び水500を添加
し、有機相の分離の後に、混合物を水100で洗浄する
と、トルエン中の3,7−ジメチル−オクタ−1,6−ジエン
−1−イルアセテートの溶液が少量の次式 のジエステルを伴なつて得られた。
b. この得られた溶液に、トルエン100kg及び85%燐酸2
00kgを添加し、生じる混合物を100℃で加熱し、1 3/4時
間撹拌し、その間に出発物質が完全に反応した。次いで
反応混合物を15℃に冷却し、水347を添加した。有機
相をデカンテーシヨンにより分離し、重炭酸ナトリウム
の6%水溶液100で洗浄し、その間に60〜80℃/150〜1
10mbでトルエンを駆出した。こうして粗製ジヒドロシク
ロシトラール91kgが得られた。この生成物を残分上での
蒸溜により更に精製した(57〜73℃/30〜9mb)。(±)
−ジヒドロシクロシトラールは最終的に68.1%の純度
で、純粋物質に対して60.4%の収率で得られた(75.4k
g)。
00kgを添加し、生じる混合物を100℃で加熱し、1 3/4時
間撹拌し、その間に出発物質が完全に反応した。次いで
反応混合物を15℃に冷却し、水347を添加した。有機
相をデカンテーシヨンにより分離し、重炭酸ナトリウム
の6%水溶液100で洗浄し、その間に60〜80℃/150〜1
10mbでトルエンを駆出した。こうして粗製ジヒドロシク
ロシトラール91kgが得られた。この生成物を残分上での
蒸溜により更に精製した(57〜73℃/30〜9mb)。(±)
−ジヒドロシクロシトラールは最終的に68.1%の純度
で、純粋物質に対して60.4%の収率で得られた(75.4k
g)。
例 2 (±)−シトロネラールから出発して(±)−ジヒドシ
クロシトラール a. 無水酢酸112.6kg、酢酸カリウム8.5kg及びトリエチ
ルアミン56kgの混合物を80℃に加熱し、この温度で
(±)−シトロネラール84.5kgを添加した(添加時間40
分)。混合物を7時間還流し、室温まで冷却の後に、ト
ルエン100kg及び水350を添加した。次いで有機相及び
水相を分離すると、少量の(II)式のジアセテートを付
随している所望のエノールアセテートがトルエン溶液と
して得られた。
クロシトラール a. 無水酢酸112.6kg、酢酸カリウム8.5kg及びトリエチ
ルアミン56kgの混合物を80℃に加熱し、この温度で
(±)−シトロネラール84.5kgを添加した(添加時間40
分)。混合物を7時間還流し、室温まで冷却の後に、ト
ルエン100kg及び水350を添加した。次いで有機相及び
水相を分離すると、少量の(II)式のジアセテートを付
随している所望のエノールアセテートがトルエン溶液と
して得られた。
b. これにトルエン100kgを添加することにより生じる
溶液を希釈し、撹拌下に、85%燐酸200kgを添加した。
この混合物を100℃に1時間40分加熱し、15℃に冷却の
後に、水300を添加し、有機相を分離し、重炭酸ナト
リウムの6%水溶液で洗浄した。減圧下(45〜88℃/200
〜100mb)にトルエンを駆出すると、粗製(±)−ジヒ
ドロシクロシトラール92.2kgが得られた。残分を蒸発さ
せる(40〜60℃/40〜50mb)と、純度65.7%の(±)−
ジヒドロシクロシトラール76.6kg(収率:純粋物質に対
して65.6%)が得られた。
溶液を希釈し、撹拌下に、85%燐酸200kgを添加した。
この混合物を100℃に1時間40分加熱し、15℃に冷却の
後に、水300を添加し、有機相を分離し、重炭酸ナト
リウムの6%水溶液で洗浄した。減圧下(45〜88℃/200
〜100mb)にトルエンを駆出すると、粗製(±)−ジヒ
ドロシクロシトラール92.2kgが得られた。残分を蒸発さ
せる(40〜60℃/40〜50mb)と、純度65.7%の(±)−
ジヒドロシクロシトラール76.6kg(収率:純粋物質に対
して65.6%)が得られた。
次表に他の酸性閉環試薬を用いて実施した場合に得ら
れた結果をまとめる。
れた結果をまとめる。
例11 (+)−ジヒドロシクロシトラール ▲α20 D▼=+9.4゜を有する(+)−シトロネラール
100g、無水酢酸132.5g、トリエチルアミン65.6g及び酢
酸カリウム10gの混合物を120℃に6時間加熱した。室温
に冷却の後に、反応混合物にトルエン230gを添加し、更
にこれに水及び重炭酸ナトリウム水を添加した。有機相
を分離し、85%燐酸の水溶液上に注ぎ、全体を100℃に9
0分間加熱した。冷却後に、混合物を水及び重炭酸ナト
リウム水溶液で洗浄し、最後に濃縮した。単純に蒸溜す
ると、ジヒドロシクロシトラール87%(トランス76%、
シス11%)を含有する生成物73.5gが得られた。▲α20 D
▼=+0.04゜(純粋)。フイシヤー型カラム上での蒸溜
により更に精製することにより、トランス異性体の含分
が93%の純粋生成物が得られた;▲α20 D▼=+0.05゜
(純粋)。
100g、無水酢酸132.5g、トリエチルアミン65.6g及び酢
酸カリウム10gの混合物を120℃に6時間加熱した。室温
に冷却の後に、反応混合物にトルエン230gを添加し、更
にこれに水及び重炭酸ナトリウム水を添加した。有機相
を分離し、85%燐酸の水溶液上に注ぎ、全体を100℃に9
0分間加熱した。冷却後に、混合物を水及び重炭酸ナト
リウム水溶液で洗浄し、最後に濃縮した。単純に蒸溜す
ると、ジヒドロシクロシトラール87%(トランス76%、
シス11%)を含有する生成物73.5gが得られた。▲α20 D
▼=+0.04゜(純粋)。フイシヤー型カラム上での蒸溜
により更に精製することにより、トランス異性体の含分
が93%の純粋生成物が得られた;▲α20 D▼=+0.05゜
(純粋)。
例12 (−)−ジヒドロシクロシトラール S(−)−シトロネロール(Fluke AG,Bucheスイスよ
り入手)の酸化により得たS(−)−シトロネラール
を、前記例11に記載されていると同じ方法により(−)
−ジヒドロシクロシトラールに変換した。得られた生成
物は▲α20 D▼=−0.06゜(純粋)を有した。
り入手)の酸化により得たS(−)−シトロネラール
を、前記例11に記載されていると同じ方法により(−)
−ジヒドロシクロシトラールに変換した。得られた生成
物は▲α20 D▼=−0.06゜(純粋)を有した。
例13 3,7−ジメチル−オクト−7−エナールから出発して
(±)−ジヒドロシクロシトラール a. 無水酢酸16g(0.16モル)(酢酸カリウム1.2g)、
及びトリエチルアミン7.8g(0.078モル)の混合物に3,7
−ジメチル−オクト−7−エナール12g(0.078モル)を
添加し、6時間還流させた。室温まで冷却の後に水及び
トルエン(40ml)を添加し、2相を分離した。
(±)−ジヒドロシクロシトラール a. 無水酢酸16g(0.16モル)(酢酸カリウム1.2g)、
及びトリエチルアミン7.8g(0.078モル)の混合物に3,7
−ジメチル−オクト−7−エナール12g(0.078モル)を
添加し、6時間還流させた。室温まで冷却の後に水及び
トルエン(40ml)を添加し、2相を分離した。
b. 有機相を85%燐酸30gと混合し、混合物を2時間還
流させた。
流させた。
室温まで冷却の後に、生じる混合物に水を添加し、有
機相を分離し、濃縮し、バルブ蒸溜した(浴温:150゜/1
5〜20mb)。こうして、74%純度の(±)−ジヒドロシ
クロシトラール9.5gが得られた。
機相を分離し、濃縮し、バルブ蒸溜した(浴温:150゜/1
5〜20mb)。こうして、74%純度の(±)−ジヒドロシ
クロシトラール9.5gが得られた。
前記方法で出発物質として用いられた3,7−ジメチル
−オクト−7−エナールは、硫酸水素カリウムを用いる
ジヒドロキシシトロネラールの脱水素により製造した。
−オクト−7−エナールは、硫酸水素カリウムを用いる
ジヒドロキシシトロネラールの脱水素により製造した。
例14 ヒドロキシシトロネラールから出発して(±)−ジヒド
ロシクロシトラール 次の反応成分及び量を用い、前記例13に記載と同様に
反応を実施することにより、63%純度の(±)−ジヒド
ロシクロシトラール22.3gが得られた。
ロシクロシトラール 次の反応成分及び量を用い、前記例13に記載と同様に
反応を実施することにより、63%純度の(±)−ジヒド
ロシクロシトラール22.3gが得られた。
a. ヒドロキシシトロネラール 25g トリエチルアミン 37g 無水酢酸 75g 酢酸カリウム 25g b. 85%燐酸 60g
Claims (8)
- 【請求項1】ジヒドロシクロシトラールを製造するた
め、酸性閉環剤を用いて、式: [式中波線はシス又はトランス配置のC−O結合を表わ
し、Xはアシル基又はP(O)(OR2)を表わし、Rは
1価の低級アルキル基又はアリール基を表わし、Zは
式: i CH=C(CH3)2 の1価の基を表わす]のエノールエステルを閉環するこ
とを特徴とする、ジヒドロシクロシトラールの製法。 - 【請求項2】エノールエステルは、3,7−ジメチル−オ
クタ−1,6−ジエン−1−イルアセテート、3,7−ジメチ
ルオクタ−1,7−ジエン−1−イルアセテート又は3,7−
ジメチル−7−ヒドロシキ−オクト−1−エン−イルア
セテートである、特許請求の範囲第1項記載の方法。 - 【請求項3】エノールエステルは、3,7−ジメチル−オ
クタ−1,6−ジエン−1−イルジエチルホスフエート、
3,7−ジメチルオクタ−1,7−ジエン−1−イルジエチル
ホスフエート又は3,7−ジメチル−7−ヒドロシキ−オ
クト−1−エン−イルジエチルホスフエートである、特
許請求の範囲第1項記載の方法。 - 【請求項4】酸性閉環剤は、無機又は有機プロトン酸又
はルイス型の酸である、特許請求の範囲第1項の方法。 - 【請求項5】酸性閉環剤は、酢酸、トリフルオロ酢酸、
燐酸、メタンスルホン酸、三弗化ホウ素又は四塩化チタ
ンである、特許請求の範囲第4項記載の方法。 - 【請求項6】閉環を0〜100℃の間の温度で実施する、
特許請求の範囲第5項記載の方法。 - 【請求項7】エノールエステルは、式: [式中X及び波線は特許請求の範囲第1項に記載のもの
を表わす]のエナンチオマーから選択したものであり、
得られるジヒドロシクロシトラールは、式: [式中波線は、環の6位の置換基に対してシス又はトラ
ンス配置の結合を表わす]の光学活性立体異性体の1つ
の形で生じる、特許請求の範囲第1項記載の方法。 - 【請求項8】一般式: [式中波線は、環の6位の置換基に対してシス又はトラ
ンス配置の結合を表わす]のジヒドロシクロシトラール
の光学活性立体異性体。
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-
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