JPH0518168B2 - - Google Patents
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- JPH0518168B2 JPH0518168B2 JP59112024A JP11202484A JPH0518168B2 JP H0518168 B2 JPH0518168 B2 JP H0518168B2 JP 59112024 A JP59112024 A JP 59112024A JP 11202484 A JP11202484 A JP 11202484A JP H0518168 B2 JPH0518168 B2 JP H0518168B2
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、記録媒体磁性面に対して垂直方向の
残留磁化を用いて信号記録を行なう所謂垂直磁化
記録方式において使用される垂直磁化記録媒体に
関するものである。
残留磁化を用いて信号記録を行なう所謂垂直磁化
記録方式において使用される垂直磁化記録媒体に
関するものである。
従来、例えばコンピユータ等の記憶媒体やオー
デイオテープレコーダやビデオテープレコーダ等
の記録媒体として使用される磁気記録媒体におい
ては、一般に基板上に被着形成される磁気記録層
に対して水平方向の磁化(面内方向磁化)を行な
つてその記録を行なつている。
デイオテープレコーダやビデオテープレコーダ等
の記録媒体として使用される磁気記録媒体におい
ては、一般に基板上に被着形成される磁気記録層
に対して水平方向の磁化(面内方向磁化)を行な
つてその記録を行なつている。
ところが、この面内方向磁化による記録の場
合、記録信号が短波長になるにつれ、すなわち記
録密度が高まるにつれ、媒体内の反磁界が増して
残留磁束密度が減衰し、再生出力が減少するとい
う欠点を有している。
合、記録信号が短波長になるにつれ、すなわち記
録密度が高まるにつれ、媒体内の反磁界が増して
残留磁束密度が減衰し、再生出力が減少するとい
う欠点を有している。
そこでさらに従来、磁気記録媒体の記録層の厚
さ方向の磁化により記録を行なう垂直磁化記録方
式が提案されており、この垂直磁化記録方式によ
れば記録波長が短波長になるにしたがい減磁界が
小さくなることから、特に短波長記録、高密度記
録において上述した面内方向磁化による記録より
有利であることが知られている。
さ方向の磁化により記録を行なう垂直磁化記録方
式が提案されており、この垂直磁化記録方式によ
れば記録波長が短波長になるにしたがい減磁界が
小さくなることから、特に短波長記録、高密度記
録において上述した面内方向磁化による記録より
有利であることが知られている。
そして、この種の記録方式に用いられる垂直磁
化記録媒体としては、高分子フイルム等の非磁性
基板上にCo−Cr合金により垂直磁化記録層を被
着形成したものが考えられているが、なかでも上
記非磁性基板と垂直磁化記録層との間に面内磁化
層としてFe−Ni合金からなる高透磁率磁性薄膜
層を設け、記録効率や再生効率の向上を図つた2
層膜垂直磁化記録媒体が注目されている。この2
層膜垂直磁化記録媒体においては、上記高透磁率
磁性薄膜層が、面内磁化層として垂直磁気ヘツド
の補助磁極からの磁束を主磁極に集中させるよう
に働き、記録・再生効率を大きくするのである。
化記録媒体としては、高分子フイルム等の非磁性
基板上にCo−Cr合金により垂直磁化記録層を被
着形成したものが考えられているが、なかでも上
記非磁性基板と垂直磁化記録層との間に面内磁化
層としてFe−Ni合金からなる高透磁率磁性薄膜
層を設け、記録効率や再生効率の向上を図つた2
層膜垂直磁化記録媒体が注目されている。この2
層膜垂直磁化記録媒体においては、上記高透磁率
磁性薄膜層が、面内磁化層として垂直磁気ヘツド
の補助磁極からの磁束を主磁極に集中させるよう
に働き、記録・再生効率を大きくするのである。
ところで、この2層膜垂直磁化記録媒体におい
ては、上記高透磁率磁性薄膜層の磁気特性が重要
で、例えば上記高透磁率磁性薄膜層の抗磁力Hc
が高いとこの磁性薄膜層が磁化されにくくなり、
記録効率や再生効率が低下してしまう。そこで、
上記高透磁率磁性薄膜層の材質として抗磁力Hc
の小さなFe−Ni合金が使用さているが、それで
も膜厚2000Å以上のFe−Ni合金膜を真空蒸着法
により製造しようとする場合には、製造条件によ
つては抗磁力Hcが20〜30エルステツドにも達し
てしまい、十分な記録・再生効率が得られない。
上記高透磁率磁性薄膜層の膜層としては、所定の
記録・再生効率を確保するためには0.2μm(2000
Å)以上であることが望ましく、したがつて膜厚
2000Å以上で抗磁力Hcの小さいFe−Ni合金膜が
要望されている。
ては、上記高透磁率磁性薄膜層の磁気特性が重要
で、例えば上記高透磁率磁性薄膜層の抗磁力Hc
が高いとこの磁性薄膜層が磁化されにくくなり、
記録効率や再生効率が低下してしまう。そこで、
上記高透磁率磁性薄膜層の材質として抗磁力Hc
の小さなFe−Ni合金が使用さているが、それで
も膜厚2000Å以上のFe−Ni合金膜を真空蒸着法
により製造しようとする場合には、製造条件によ
つては抗磁力Hcが20〜30エルステツドにも達し
てしまい、十分な記録・再生効率が得られない。
上記高透磁率磁性薄膜層の膜層としては、所定の
記録・再生効率を確保するためには0.2μm(2000
Å)以上であることが望ましく、したがつて膜厚
2000Å以上で抗磁力Hcの小さいFe−Ni合金膜が
要望されている。
上記Fe−Ni合金膜の抗磁力Hcを小さくするに
は、このFe−Ni合金膜を蒸着する際に基体の温
度を上げておくことが考えられるが、この場合に
は基体の耐熱性の問題等によつて限界がある。
は、このFe−Ni合金膜を蒸着する際に基体の温
度を上げておくことが考えられるが、この場合に
は基体の耐熱性の問題等によつて限界がある。
そこで本発明は、上述の従来の実情に鑑みて提
案されたものであつて、面内磁化層として優れた
磁気的性質(抗磁力Hcが小さい)を示す高透磁
率磁性薄膜層を比較的低い基体温度で作製し、こ
れにより記録効率や再生効率の大きな垂直磁化記
録媒体を提供することを目的とする。
案されたものであつて、面内磁化層として優れた
磁気的性質(抗磁力Hcが小さい)を示す高透磁
率磁性薄膜層を比較的低い基体温度で作製し、こ
れにより記録効率や再生効率の大きな垂直磁化記
録媒体を提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係る垂直磁化記録媒体は、
基体上に、300〜1000Åの膜厚を有するTi薄膜
層、0.2〜1.0μmの膜厚を有しFe−Ni合金よりな
る高透磁率磁性薄膜層、及びCo−Cr合金よりな
る垂直磁化記録層をこの順にそれぞれ蒸着形成し
てなるものであつて、Ti薄膜層を下地膜として
設けることによつて比較的低い基体温度でFe−
Ni合金膜の抵抗磁力化を図り、基体として用い
る高分子フイルムの耐熱性に対する要求を緩和す
るものである。
基体上に、300〜1000Åの膜厚を有するTi薄膜
層、0.2〜1.0μmの膜厚を有しFe−Ni合金よりな
る高透磁率磁性薄膜層、及びCo−Cr合金よりな
る垂直磁化記録層をこの順にそれぞれ蒸着形成し
てなるものであつて、Ti薄膜層を下地膜として
設けることによつて比較的低い基体温度でFe−
Ni合金膜の抵抗磁力化を図り、基体として用い
る高分子フイルムの耐熱性に対する要求を緩和す
るものである。
以下、本発明の実施例について説明する。
第1図は本発明を適用した垂直磁化記録媒体を
示す要部断面図であつて、本発明に係る垂直磁化
記録媒体10は、ポリイミドの如き高分子フイル
ム等によつて形成される基体1上に、先ずTiを
蒸着することにより形成されるTi薄膜層2を設
け、このTi薄膜層2上にFe−Ni合金からなる高
透磁率磁性薄膜層3を蒸着形成し、さらにこの高
透磁率磁性薄膜層3上にTi中間層4を介してCo
−Cr合金よりなる垂直磁化記録層5を積層形成
することによつて構成され、例えば第2図に示す
ように、この垂直磁化記録媒体10に対して主磁
極6と補助磁極7とを備えた垂直磁気ヘツド20
を摺接移動したときに、上記補助磁極7からの磁
束(図中、破線で示す。)を上記高透磁率磁性薄
膜層3によつて主磁極6に集束し、この集束した
磁束によつて上記垂直磁化記録層5を厚み方向に
磁化して信号記録を行なうように構成されてい
る。
示す要部断面図であつて、本発明に係る垂直磁化
記録媒体10は、ポリイミドの如き高分子フイル
ム等によつて形成される基体1上に、先ずTiを
蒸着することにより形成されるTi薄膜層2を設
け、このTi薄膜層2上にFe−Ni合金からなる高
透磁率磁性薄膜層3を蒸着形成し、さらにこの高
透磁率磁性薄膜層3上にTi中間層4を介してCo
−Cr合金よりなる垂直磁化記録層5を積層形成
することによつて構成され、例えば第2図に示す
ように、この垂直磁化記録媒体10に対して主磁
極6と補助磁極7とを備えた垂直磁気ヘツド20
を摺接移動したときに、上記補助磁極7からの磁
束(図中、破線で示す。)を上記高透磁率磁性薄
膜層3によつて主磁極6に集束し、この集束した
磁束によつて上記垂直磁化記録層5を厚み方向に
磁化して信号記録を行なうように構成されてい
る。
上記高透磁率磁性薄膜層3は、例えばFeの含
有量21.5重量%、Niの含有量78.5重量%であるFe
−Ni合金(所謂パーマロイ)を蒸着することに
より形成されるが、上記垂直磁気ヘツド20の磁
束に対する磁気抵抗を減らし、上記垂直磁化記録
層5に対する記録効率を十分高めるために、その
膜厚は0.2〜1.0μmに設定されている。この膜厚
が0.2μm未満では、上記記録効率や再生効率を確
保することは難かしく、また上記膜厚が1.0μmを
越えると媒体の厚さが厚くなりクラツクも生じ易
くなつてしまう。
有量21.5重量%、Niの含有量78.5重量%であるFe
−Ni合金(所謂パーマロイ)を蒸着することに
より形成されるが、上記垂直磁気ヘツド20の磁
束に対する磁気抵抗を減らし、上記垂直磁化記録
層5に対する記録効率を十分高めるために、その
膜厚は0.2〜1.0μmに設定されている。この膜厚
が0.2μm未満では、上記記録効率や再生効率を確
保することは難かしく、また上記膜厚が1.0μmを
越えると媒体の厚さが厚くなりクラツクも生じ易
くなつてしまう。
ここで、上記高透磁率磁性薄膜層3の膜厚が
0.2μmを越えると抗磁力Hcが大きくなつてしま
うので、上記高透磁率磁性薄膜層3の下地層とし
てTi薄膜層2を設けておく必要がある。
0.2μmを越えると抗磁力Hcが大きくなつてしま
うので、上記高透磁率磁性薄膜層3の下地層とし
てTi薄膜層2を設けておく必要がある。
本発明者等の研究によれば、上記抗磁力Hcの
変化は、上記高透磁率磁性薄膜層3を構成する
Fe−Ni合金膜の膜面に垂直方向を磁化容易軸と
する一軸磁気異方性の有無と対応しており、例え
ば第3図に示すように、上記Fe−Ni合金膜の膜
厚が0.2μmを越えると一軸磁気異方性定数Kuが
急激に大きくなり、これに対応して抗磁力Hcも
大きくなることが分かつた。
変化は、上記高透磁率磁性薄膜層3を構成する
Fe−Ni合金膜の膜面に垂直方向を磁化容易軸と
する一軸磁気異方性の有無と対応しており、例え
ば第3図に示すように、上記Fe−Ni合金膜の膜
厚が0.2μmを越えると一軸磁気異方性定数Kuが
急激に大きくなり、これに対応して抗磁力Hcも
大きくなることが分かつた。
そして、さらに本発明者等の実験によれば、上
記一軸磁気異方性の抑制に下地膜としてTi薄膜
を形成しておくことが有効で、したがつて抗磁力
Hcの抑制にも有効であることが判明した。
記一軸磁気異方性の抑制に下地膜としてTi薄膜
を形成しておくことが有効で、したがつて抗磁力
Hcの抑制にも有効であることが判明した。
第4図は、蒸着時の基体1温度と得られる高透
磁率磁性薄膜層3の一軸磁気異方性定数Kuの関
係を示すものであつて、曲線aは膜厚700ÅのTi
薄膜層2を下地膜として設けた場合、曲線bは膜
厚280ÅのTi薄膜層2を下地膜として設けた場
合、曲線cは下地膜を設けなかつた場合の一軸磁
気異方性定数Kuの変化を示すものである。なお、
ここで高透磁率磁性薄膜層3の膜厚は3900Å
(0.39μm)とし、また、一軸磁気異方性定数Ku
は磁化曲線より次式を用いて求めた。
磁率磁性薄膜層3の一軸磁気異方性定数Kuの関
係を示すものであつて、曲線aは膜厚700ÅのTi
薄膜層2を下地膜として設けた場合、曲線bは膜
厚280ÅのTi薄膜層2を下地膜として設けた場
合、曲線cは下地膜を設けなかつた場合の一軸磁
気異方性定数Kuの変化を示すものである。なお、
ここで高透磁率磁性薄膜層3の膜厚は3900Å
(0.39μm)とし、また、一軸磁気異方性定数Ku
は磁化曲線より次式を用いて求めた。
Hk=2Ku/Is
〔ただし、式中Hkは異方性磁場(Oe)、Isは飽和
磁化(emu/cm3)を表わす。〕 この第4図より、Ti薄膜層2を設けない場合
及びTi薄膜層2の膜厚が280Åである場合には、
基体1温度が235℃以上にならないと一軸磁気異
方性定数Kuが零とならないのに対して、Ti薄膜
層2の膜厚が700Åである場合には205℃以上で一
軸磁気異方性定数Kuが零となつており、低い基
体1温度で垂直磁気異方性のない状態となること
が分かる。この一軸磁気異方性定数Kuが零の状
態で抗磁力Hc5エステツド以下が実現される。第
5図は、膜厚3900Åの高透磁率磁性薄膜層3を真
空蒸着法で作製するに際し、基体1に直接Fe−
Ni合金膜を蒸着した場合(図中、曲線c)と、
下地膜として膜厚280ÅのTi薄膜層2を蒸着して
からFe−Ni合金膜を蒸着した場合(図中、曲線
B)及び下地膜として膜厚700ÅのTi薄膜層2を
蒸着してからFe−Ni合金膜を蒸着した場合(図
中、曲線A)の各基体1温度における抗磁力Hc
の変化を示すものであつて、この第5図からTi
薄膜層2が無い場合及びTi薄膜層2の膜厚が280
Åである場合には基体1温度が235℃以上で、一
方、Ti薄膜層2の膜厚が700Åである場合には基
体1温度が205℃以上で抗磁力Hcが5エルステツ
ド以下になることが分かる。
磁化(emu/cm3)を表わす。〕 この第4図より、Ti薄膜層2を設けない場合
及びTi薄膜層2の膜厚が280Åである場合には、
基体1温度が235℃以上にならないと一軸磁気異
方性定数Kuが零とならないのに対して、Ti薄膜
層2の膜厚が700Åである場合には205℃以上で一
軸磁気異方性定数Kuが零となつており、低い基
体1温度で垂直磁気異方性のない状態となること
が分かる。この一軸磁気異方性定数Kuが零の状
態で抗磁力Hc5エステツド以下が実現される。第
5図は、膜厚3900Åの高透磁率磁性薄膜層3を真
空蒸着法で作製するに際し、基体1に直接Fe−
Ni合金膜を蒸着した場合(図中、曲線c)と、
下地膜として膜厚280ÅのTi薄膜層2を蒸着して
からFe−Ni合金膜を蒸着した場合(図中、曲線
B)及び下地膜として膜厚700ÅのTi薄膜層2を
蒸着してからFe−Ni合金膜を蒸着した場合(図
中、曲線A)の各基体1温度における抗磁力Hc
の変化を示すものであつて、この第5図からTi
薄膜層2が無い場合及びTi薄膜層2の膜厚が280
Åである場合には基体1温度が235℃以上で、一
方、Ti薄膜層2の膜厚が700Åである場合には基
体1温度が205℃以上で抗磁力Hcが5エルステツ
ド以下になることが分かる。
すなわち、Ti薄膜層2の膜厚が300Å以上とな
るように蒸着することにより、より低温にて抗磁
力Hcの小さいFe−Ni合金膜、すなわち高透磁率
磁性薄膜層3を作製することが可能になる。した
がつて、上記Ti薄膜層2の膜厚としては、300〜
1000Åの範囲内であることが好ましく、上記膜厚
が300Å未満では効果がほとんど期待できない。
また、上記Ti薄膜層2は、記録・再生には何ら
寄与しないものであるのでその膜厚はなるべく薄
いほうがよく、さらにこの膜厚があまり厚いとク
ラツク等が発生する虞れもあるので、実用的には
上記膜厚は1000Å以下であることが好ましい。
るように蒸着することにより、より低温にて抗磁
力Hcの小さいFe−Ni合金膜、すなわち高透磁率
磁性薄膜層3を作製することが可能になる。した
がつて、上記Ti薄膜層2の膜厚としては、300〜
1000Åの範囲内であることが好ましく、上記膜厚
が300Å未満では効果がほとんど期待できない。
また、上記Ti薄膜層2は、記録・再生には何ら
寄与しないものであるのでその膜厚はなるべく薄
いほうがよく、さらにこの膜厚があまり厚いとク
ラツク等が発生する虞れもあるので、実用的には
上記膜厚は1000Å以下であることが好ましい。
ところで、本発明は上記高透磁率磁性薄膜層3
がFe21.5重量%、Ni78.5重量%からなるFe−Ni
合金膜により形成される場合のみならず、結晶磁
気異方性や磁歪の小さい組成範囲のFe−Ni合金
膜によつて形成される場合にも適用可能である。
がFe21.5重量%、Ni78.5重量%からなるFe−Ni
合金膜により形成される場合のみならず、結晶磁
気異方性や磁歪の小さい組成範囲のFe−Ni合金
膜によつて形成される場合にも適用可能である。
一方、上記垂直磁化記録層5は、Crを10〜25
原子%を含み残部CoからなるCo−Cr合金をスパ
ツタ法や蒸着法等により被着することにより作製
されるものであつて、これによつて垂直方向の配
向に優れたものが得られる。
原子%を含み残部CoからなるCo−Cr合金をスパ
ツタ法や蒸着法等により被着することにより作製
されるものであつて、これによつて垂直方向の配
向に優れたものが得られる。
また、上記Ti中間層4は、垂直磁化膜性の優
れたCo−Cr合金膜を形成するために設けられる
ものであつて、その膜厚は100〜500Åに選定され
る。上記Ti中間層4の膜厚が100Å未満では、Ti
の連続膜が形成しにくく、Co−Cr合金膜の下地
膜としての効果が不充分となる虞れがあり、また
上記膜厚が500Åを越えてもCo−Cr合金膜の磁気
的特性や機械的特性にこれ以上の効果が認められ
ない。なお、このTi中間層4は、場合によつて
は無くともよい。
れたCo−Cr合金膜を形成するために設けられる
ものであつて、その膜厚は100〜500Åに選定され
る。上記Ti中間層4の膜厚が100Å未満では、Ti
の連続膜が形成しにくく、Co−Cr合金膜の下地
膜としての効果が不充分となる虞れがあり、また
上記膜厚が500Åを越えてもCo−Cr合金膜の磁気
的特性や機械的特性にこれ以上の効果が認められ
ない。なお、このTi中間層4は、場合によつて
は無くともよい。
このように構成される垂直磁化記録媒体10に
おいては、下地層としてTi薄膜層2を設けてい
るので、基体1温度が低い状態で抗磁力Hcの小
さい高透磁率磁性薄膜層3を作製することがで
き、したがつて基体1に用いる高分子フイルムの
耐熱性に対する要求が緩和されるとともに、上記
基体1の加熱装置も簡易なものとすることができ
るのである。
おいては、下地層としてTi薄膜層2を設けてい
るので、基体1温度が低い状態で抗磁力Hcの小
さい高透磁率磁性薄膜層3を作製することがで
き、したがつて基体1に用いる高分子フイルムの
耐熱性に対する要求が緩和されるとともに、上記
基体1の加熱装置も簡易なものとすることができ
るのである。
次に、本発明の具体的な実施例について説明す
る。
る。
実施例 1
非磁性基板である厚さ25μmのポリイミドフイ
ルムを赤外線ヒータで220℃に加熱し、このフイ
ルム上に真空度2.0×10-6Torr、蒸着速度14Å/
secの条件で膜厚700ÅのTi薄膜層を蒸着形成し、
続いて真空を破らずに蒸着速度39Å/secで膜厚
3900ÅのFe−Ni合金薄膜(Feの含有量21.5重量
%、Ni含有量78.5重量%)を蒸着形成した。
ルムを赤外線ヒータで220℃に加熱し、このフイ
ルム上に真空度2.0×10-6Torr、蒸着速度14Å/
secの条件で膜厚700ÅのTi薄膜層を蒸着形成し、
続いて真空を破らずに蒸着速度39Å/secで膜厚
3900ÅのFe−Ni合金薄膜(Feの含有量21.5重量
%、Ni含有量78.5重量%)を蒸着形成した。
次いで、このFe−Ni合金薄膜上に、真空度2.0
×10-6Torr、基板温度180℃、蒸着速度14Å/
secの条件で膜厚300ÅのTi中間層を形成し、さ
らに上記Ti中間層上に、真空度2.0×10-6Torr、
基板温度180℃、蒸着温度32Å/secの条件で膜厚
0.1μmのCo−Cr合金膜を蒸着形成してサンプル
テープを作製した。
×10-6Torr、基板温度180℃、蒸着速度14Å/
secの条件で膜厚300ÅのTi中間層を形成し、さ
らに上記Ti中間層上に、真空度2.0×10-6Torr、
基板温度180℃、蒸着温度32Å/secの条件で膜厚
0.1μmのCo−Cr合金膜を蒸着形成してサンプル
テープを作製した。
得られたサンプルテープのFe−Ni合金薄膜に
ついて、その抗磁力Hcを測定したところ1.1エル
ステツドであり、極めて抗磁力Hcの小さなもの
であつた。
ついて、その抗磁力Hcを測定したところ1.1エル
ステツドであり、極めて抗磁力Hcの小さなもの
であつた。
比較例 1
非磁性基板である厚さ25μmのポリイミドフイ
ルムを赤外線ヒータで220℃に加熱し、このフイ
ルム上に真空度2.0×10-6Torr、蒸着速度39Å/
secの条件で膜厚3900ÅのFe−Ni合金薄膜(Fe含
有量21.5重量%、Ni含有量78.5重量%)を蒸着形
成した。
ルムを赤外線ヒータで220℃に加熱し、このフイ
ルム上に真空度2.0×10-6Torr、蒸着速度39Å/
secの条件で膜厚3900ÅのFe−Ni合金薄膜(Fe含
有量21.5重量%、Ni含有量78.5重量%)を蒸着形
成した。
次いで、このFe−Ni合金薄膜上に、真空度2.0
×10-6Torr、基板温度180℃、蒸着速度14Å/
secの条件で膜厚300ÅのTi中間層を形成した。
×10-6Torr、基板温度180℃、蒸着速度14Å/
secの条件で膜厚300ÅのTi中間層を形成した。
さらに、上記Ti中間層上に、真空度2.0×
10-6Torr、基板温度180℃、蒸着温度32Å/sec
の条件で膜厚0.1μmのCo−Cr合金膜を蒸着形成
してサンプルテープを作製した。
10-6Torr、基板温度180℃、蒸着温度32Å/sec
の条件で膜厚0.1μmのCo−Cr合金膜を蒸着形成
してサンプルテープを作製した。
得られたサンプルテープのFe−Ni合金薄膜に
ついて、その抗磁力Hcを測定したところ13エル
ステツドであつた。
ついて、その抗磁力Hcを測定したところ13エル
ステツドであつた。
比較例 2
先の実施例1において、Ti薄膜層の膜厚を280
Åとし、実施例1と同様の方法によりサンプルテ
ープを作製した。
Åとし、実施例1と同様の方法によりサンプルテ
ープを作製した。
得られたサンプルテープのFe−Ni合金薄膜に
ついて、その抗磁力Hcを測定したところ10エル
ステツドであつた。
ついて、その抗磁力Hcを測定したところ10エル
ステツドであつた。
〔発明の効果〕
上述の実施例の説明からも明らかなように、本
発明においては高透磁率磁性薄膜層の下地層とし
てTi薄膜層を設けているので、基体温度の低い
状態で抗磁力Hcの小さな高透磁率磁性薄膜層を
作製することが可能となり、したがつて記録・再
生効率の優れた垂直磁化記録媒体が得られるとと
もに、基体として用いる高分子フイルムの耐熱性
に対する要求も緩和されるのである。
発明においては高透磁率磁性薄膜層の下地層とし
てTi薄膜層を設けているので、基体温度の低い
状態で抗磁力Hcの小さな高透磁率磁性薄膜層を
作製することが可能となり、したがつて記録・再
生効率の優れた垂直磁化記録媒体が得られるとと
もに、基体として用いる高分子フイルムの耐熱性
に対する要求も緩和されるのである。
第1図は本発明を適用した垂直磁化記録媒体の
構成を概略的に示す要部断面図であり、第2図は
垂直磁化記録方式を説明する模式図である。第3
図はFe−Ni合金膜厚と一軸磁気異方性定数Kuの
関係を示す特性図である。第4図は蒸着時の基体
温度と得られる高透磁率磁性薄膜層の一軸磁気異
方性定数Kuの関係をTi薄膜層を設けた場合とTi
薄膜層を設けない場合とを比較して示す特性図で
あり、第5図は蒸着時の基体温度と得られる高透
磁率磁性薄膜層の抗磁力Hcの関係をTi薄膜層を
設けた場合とTi薄膜層を設けない場合とを比較
して示す特性図である。 1……基体、2,4……Ti薄膜層、3……高
透磁率磁性薄膜層、5……垂直磁化記録層。
構成を概略的に示す要部断面図であり、第2図は
垂直磁化記録方式を説明する模式図である。第3
図はFe−Ni合金膜厚と一軸磁気異方性定数Kuの
関係を示す特性図である。第4図は蒸着時の基体
温度と得られる高透磁率磁性薄膜層の一軸磁気異
方性定数Kuの関係をTi薄膜層を設けた場合とTi
薄膜層を設けない場合とを比較して示す特性図で
あり、第5図は蒸着時の基体温度と得られる高透
磁率磁性薄膜層の抗磁力Hcの関係をTi薄膜層を
設けた場合とTi薄膜層を設けない場合とを比較
して示す特性図である。 1……基体、2,4……Ti薄膜層、3……高
透磁率磁性薄膜層、5……垂直磁化記録層。
Claims (1)
- 1 基体上に、300〜1000Åの膜厚を有するTi薄
膜層、0.2〜1.0μmの膜厚を有しFe−Ni合金より
なる高透磁率磁性薄膜層、及びCo−Cr合金より
なる垂直磁化記録層をこの順にそれぞれ蒸着形成
してなる垂直磁化記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11202484A JPS60254414A (ja) | 1984-05-31 | 1984-05-31 | 垂直磁化記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11202484A JPS60254414A (ja) | 1984-05-31 | 1984-05-31 | 垂直磁化記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60254414A JPS60254414A (ja) | 1985-12-16 |
JPH0518168B2 true JPH0518168B2 (ja) | 1993-03-11 |
Family
ID=14576081
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11202484A Granted JPS60254414A (ja) | 1984-05-31 | 1984-05-31 | 垂直磁化記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60254414A (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58155516A (ja) * | 1982-03-10 | 1983-09-16 | Toshiba Corp | 垂直磁気記録媒体 |
-
1984
- 1984-05-31 JP JP11202484A patent/JPS60254414A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58155516A (ja) * | 1982-03-10 | 1983-09-16 | Toshiba Corp | 垂直磁気記録媒体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60254414A (ja) | 1985-12-16 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |